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名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/08/21(火) 01:05:24.18 ID:nGfxIJol0
- 川 ゚ -゚)「……なるほど。では、その敵マスターはブーンの友人の家にいるということか」
(:^ω^)「ブーンにはぜんぜんわからなかったお……」
ξ゚听)ξ「間違いないわ。あのハインリッヒ、っていう関西女は間違いなくマスターよ」
川 ゚ -゚)「しかし、聖杯戦争に参加する魔術師が一般の家に寝泊りするのだろうか。
普通、そこはダミーだとかんがえられないか?」
ξ゚听)ξ「それもそうだけど、イヨゥ君の住んでいるラウン寺みたいに魔力濃度の高い場所にいる魔術師が、
そこを拠点に選ばないなんてナンセンスだわ。別に自分の拠点で相手と戦わなくてはいけないなんて
決まりはないもの」
ブーン(とクー)が作った夕食の席。シチューをすくいながらも、自然に話は夕方であったマスター・ハインリッヒのことになる。
ξ゚听)ξ「この家やショボンのバーボンハウスみたいに、魔術師が長年使っている場所は自然と、
魔力密度が高くなるの。それに実際問題、周囲との人付き合いもあるから不振人物として
ウワサになることもないわ。あのハインリッヒって女も、そこに住んでるイヨゥからあたし達に情報が流れたでしょ?」
( ^ω^)「なるほど……確かにそうだお」
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名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 01:06:50.01 ID:nGfxIJol0
ξ゚听)ξ「聖杯戦争もやっぱり情報戦よ。あたし達はハインリッヒのアジトを知っているから攻めることができるけど、
あっちからこの屋敷に攻め込むことはできない。あたしがマスターだってのはバレたかもしれないけど。
この前のアヤカスフィールとの対決だって、『セイバー』の正体が阿部孝和だ、って知らずにドクオが挑んでたら
あっさりやられてたでしょうね」
('∀`)「あー、あるあるwwww」
ξ;゚听)ξ「(そこは笑うところじゃないでしょうが……)」
川 ゚ -゚)「マスター・ハインリッヒのサーヴァントはやはりわからなかったか?」
ξ゚听)ξ「さすがにそこまではね」
ペットボトルからお茶を注ぎ、ひといきで飲み干す。
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名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 01:09:58.90 ID:nGfxIJol0
ξ゚听)ξ「『ランサー』はクーが倒したし、『セイバー』はアヤカスフィールのサーヴァント。
残るは魔術師のサーヴァント『キャスター』に弓兵のサーヴァント『アーチャー』。それと……」
そこでわかってるわよね? とばかりにツンは言葉を止め、ブーンを見る。
(;^ω^)「(えっと……何だったかお…………そうだ!)」
( ^ω^)「『バーサーカー』だお!」
3人「…………」
('A`)←バーサーカー
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名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 01:12:46.80 ID:nGfxIJol0
- (;^ω^)「(クー、とかドクオ、とか名前でばっかり読んでてすっかり忘れてたお)」
ξ゚听)ξ「(確かに“凶戦士”っぽくはないかもしれないけど……)」
('A`)「俺、バーサーカー辞めゆ」
川 ゚ -゚)「……ブーン、私たちが最初に会った夜に相対したサーヴァントを覚えてるか?」
呆れるツンに腐るドクオ。クーが助け舟を出す。
( ^ω^)「(最初の日、かお…………)」
母親によく似た『ライダー』、クーとであったあの晩。屋敷にかけられたツンの結界をいとも簡単にくぐりぬけ、
僧衣によく似た具足をつけ、白い布を顔にまきつけ、巨大な薙刀を手にした男がいた。
その姿はまさしく────
( ^ω^)「『アサシン』だお!」
川 ゚ -゚)「正解だ、ブーン」
ξ゚听)ξ「(あの格好は正直暗殺者<アサシン>っぽくはないけどね…)」
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名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 01:15:30.16 ID:nGfxIJol0
(‘A`)「暗殺者のサーヴァント、『アサシン』。日本人で、薙刀を持った有名な暗殺者なんてそういなさそうだから
あっさり正体も割れると思ったんだけどなぁ……」
ξ゚听)ξ「いろいろ調べてみたけど、ちょっと該当する英雄なんていなかったわ。『風林火山』とか書かれた
旗でも持ってたらしぼりこめるんだけど……」
川 ゚ -゚)「つまり、対策らしい対策はないという事か」
ξ゚听)ξ「直接アサシンと話をしてみて、ブーンはアイツの正体についてなんか掴めた?」
( ^ω^)「さっぱりだお。暗殺者といったらゴルゴくらいしか知らないけど、ゴルゴはあんな格好じゃないお」
(‘A`)「マスターのサーヴァントがアサシン、なんて決まったわけじゃないけどね」
ξ゚听)ξ「こっちの正体も知られてないし、どのみち五分五分、か……ふぅ。ごちそうさま」
食器を重ね、両手を合わせて礼をする。
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名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 01:16:59.95 ID:nGfxIJol0
( ^ω^)「おかわりはいらないのかお?」
ξ゚听)ξ「いらない。悪いけど、12時くらいまで部屋で休んでるわ。ブーン達は魔術の練習ちゃんとしておきなさいよ?
あたし達のことはおいといて先に寝てていいからね。ドクオは準備おねがい」
( ^ω^)「準備?」
('A`)「お風呂ならもう準備できてるよ」
ξ゚听)ξ「風呂じゃないわよ」
ξ゚听)ξ「ラウン寺に突入する準備をしろ、っていってるの」
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名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 01:22:16.67 ID:nGfxIJol0
(;^ω^)「やっぱり、イヨゥのとこに攻め込むのかお……」
ξ゚听)ξ「気にしなくても大丈夫よ。イヨゥ君もだけど、ラウン寺に住んでいる住職さんや
修行僧さんたちは魔術とは関係ない人たちだから、ハインリッヒもわざわざ巻き込もうとはしないでしょ。
もちろん、あたし達も巻き込むつもりはないわ」
川 ゚ -゚)「そうだな。相手サーヴァントを二人がかりで撃破すれば問題はないな、ドクオ」
('∀`)「あぁ。俺とクーならどんな相手でもイチコロだぜ」
ξ゚听)ξ「……そうそう。今日ラウンジに行くのはあたしとドクオだけだからね」
('A`)「え?」
( ^ω^)「ブーン達は居残りかお?」
ξ゚听)ξ「そうよ」
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名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 01:23:45.11 ID:nGfxIJol0
- 川 ゚ -゚))「ツン、私なら大丈夫だ。確かに先日はセイバー──阿部に遅れをとったが、今回はブーンの
魔力も分けてもらえる。宝具『ランス』やビーワンを使えば、仮に阿部相対しても十分に戦える」
ξ゚听)ξ「だからよ。二人がかりでハインリッヒとそのサーヴァントを倒したとしても、その帰りに阿部なんかに
襲われたらひとたまりもないわ。今のブーンの魔力をかんがえたら、宝具を使っても一戦するのでせいいっぱいなはずよ」
川 ;゚ -゚)「むぅ……」
自分たち以上に自分たちの力を正確に読んだツンにクーもその口を閉ざした。
正直、練習のつもりだったのだが、先日のビーワン召還でクーはかなり魔力を消費していたのである。
川 ゚ -゚)「……わかった。私たちはこの家で待機しておこう」
( ^ω^)「ツンがピンチになったら助けにいくお」
ξ゚听)ξ「まぁ、今日はあくまで敵情視察をメインにするつもりだから、そんなに危ないことはないと思うし
帰りにアヤカスフィールに襲われたって、逃げに徹すればなんとかなるわよ」
('A`)「気をつけて行ってらっしゃい」
ξ#゚听)ξ「アンタも行くの」
('A`)「…………はい」
数時間後。
日付が変わろうとしている宵闇の中、ツンとドクオは屋敷を後にした。
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名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 01:28:46.71 ID:nGfxIJol0
- (‘A`)「あー、これは間違いなく魔術師のアジトだね」
ξ゚听)ξ「でしょ?」
広く知られているわけではないが、ラウン寺の霊格はそんじょそこらの三流神社と比べ物にならないほど
高い。そのため、何の手がかかっていない状態でも自然と結界じみたものが発生するようになっている
だが今のラウン寺には純粋な霊力による結界に加え、魔術師の手による結界が重ね掛けされていた。
ξ゚听)ξ「でもかなり雑だね……自然にできた結界と自力で張った結界を強引に重ねてみました、って感じ」
('A`)「これならボクでも穴は探せそうかも。正面突破じゃなくて、こっそり中に入って、こっそり内部を
調べれば相手と戦わなくてすむかも」
ξ゚听)ξ「んー、クーの手前あんなこと言ったけど、できたらはやいとこ撃破したいわね。ブーンからしてみれば、
友達の家に敵が居候している、って状態はよくはないだろうしし」
(‘A`)「……義弟思いなんだね」
ξ////)ξ「かっ、勘違いしないでよね。ただ正面突破したいだけなんだから!!」
(‘A`)「(ここまでうれしくないツンデレも珍しいよなぁ……)」
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名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 01:31:13.61 ID:nGfxIJol0
ξ゚听)ξ「さて、どうしようかしら……」
1.女は度胸、正面突破イっちゃうぜ〜
2.ドクオの言うとおり、こっそり潜入
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