- 20
名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 01:38:37.92 ID:nGfxIJol0
- A
ξ゚听)ξ「……まぁ、相手がわからないうちに正面衝突したらこっちも被害をうけるわ。
今日は
偵察だけにしましょう。結界の穴はわかる」
('A`)「このあたりにはなさそうだね。裏手のほうに回ってみようか…………」
山沿いにそって人気のない道をすすみ、途中で見つけた結界の穴から二人は侵入した。
(*゚ー゚)「……ハインリッヒ」
- 22
名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 01:42:58.05 ID:nGfxIJol0
ラウン寺。彼女がくるまでつかわれていなかった閑室でしぃが横になっている。
部屋の隅でローラースケートを磨いていたハインリッヒは、そのか細い声に顔をあげた。
从 ゚∀从「おっ、起きたんか。水でもいるか?」
(*゚ー゚)「いらない。それよりギコ君は?」
从 ゚∀从「あぁ、アサシンならいつものように門のところで見張りしてるんやろ」
(*゚ー゚)「……わかった。じゃあ私もいく」
次の瞬間、しぃの姿は寝床から消えていた。
从 ゚∀从「……体が弱ってても、頭にお花畑が咲いてても、やっぱ『キャスター』やな」
- 23
名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 01:46:32.73 ID:nGfxIJol0
アサシンは下界からラウン寺へと続く、長い長い石階段の最上段にを腰をおろしている。
その手にいつもの薙刀はなく、背中には大きな竹かごを背負っていた。
(*゚ー゚)「ギコ君」
(,,゚Д゚)「しぃか」
空間を飛んで後ろに現れたしぃに、ギコ──アサシンは振り向きもせずに声をかける。
(,,゚Д゚)「にしても、その『ギコ』はやめてくれ。俺はサーヴァント・アサシンだゴルァ」
(*゚ー゚)「アサシン、なんて嫌。私がかんがえた『ギコ』のほうがかわいいよ」
(,,゚Д゚)「ゴルァ……」
(*゚ー゚)「ギコ君、毎日見張り大変でしょ。ハインリッヒの結界、いっぱい穴あるもんね。
私がもっとすごい結界張ってあげるようか」
(,,゚Д゚)「……いや。その必要はないぞゴルァ」
(*゚ー゚)「でも、ちゃんとした結界があったらギコ君も毎日ここに立たないですむし、私とももっと遊べるよ」
(,,゚Д゚)「別にお前と遊ぶつもりはない。あくまでお前をかくまってるのは気まぐれだからな」
- 24
名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 01:47:58.27 ID:nGfxIJol0
(*゚ー゚)「いじわる……」
(,,゚Д゚)「ぐずるな。とりあえず部屋に戻っとけ。一仕事終えたら俺も戻る」
(*゚ー゚)「一仕事って……あれ?」
ハインリッヒの張った結界や自然の結界とは異なる空間が突如発生し、急速に山全体へ広がっていく。
(,,゚Д゚)「さて、鼠狩といくかゴルァ」
アサシンは立ち上がり、背負った竹籠に手を伸ばして何かをとりだす。
鉄製の薄い円。するどい刃が光る投擲武器・戦輪。
両手の人差し指にひとつづつひっかけ、指で高速回転。そのままアサシンはそれを真っ暗な森の中に放った。
- 25
名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 01:50:11.91 ID:nGfxIJol0
(;'A`)「うわぁぁぁぁ」
闇の中を飛んできた2つの戦輪を勘だけで避ける。
ξ;゚听)ξ「どこ?! 相手はどこにいるのよ」
(;‘A`)「わからない……完全に包囲されちゃってるよ……」
(;‘A`)「(くそっ、何でこんなことに……)」
進入に失敗はなかった。道中も魔力でつくられた罠はひとつもなかった。
小さな光球を浮かべて草をかきわけ、道なき道を進んでいるときに見つけた普通の斧。
後ろについてくるツンのことを考えて、その斧を手にとって近くの木に立てかけた瞬間、二人が立っていた空間に
突如として大きな穴が生まれた。底にあるのは斜めに切られた竹槍。とっさにドクオはツンをだきよせ、
強引に体をひねり、壁をけって穴から脱出した。
地面に足がふれた瞬間、また新たな魔力の罠が発生し上から無数の日本刀が降ってきた。
三重に魔力壁を発生させ、注意深く地面を見ながら横へ移動。何もおきないのを確認し、抱きかかえていたツンを下ろす。
普段ならひとつふたつ文句を言いそうなものだが、今起こっている事をわかっているからか、ツンも無言で周囲を見渡していた。
- 26
名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 01:53:43.61 ID:nGfxIJol0
- ξ゚听)ξ「結界の穴は撒き餌だったのね」
(‘A`)「うん……でも、この数は……」
意識を集中させてあたりをうかがう。そこかしこに見える、魔力の跡。その全てが罠のスイッチになっている。
どうみても並の魔術師が張ろうとおもって張れるものではない。やったところで、ドクオとツンなら
解除することも容易なはずだ。だが、それもかなわなかった。
魔術に長けたキャスターか、あるいは設置用の宝具を持ったほかのサーヴァントか。いずれにせよ、それを判別する術はない。
(‘A`)「とにかく、この山道じゃ不利だよ。いったんここをつっきって、石段のところにいこう。
足場が安定しないことには攻めるのも逃げるのもできないよ」
ξ゚听)ξ「……わかった。あたしはどうすればいい?」
(‘A`)「何もしなくていいよ。悪いけど、ボクがツンをかけてここをつっきる。絶対守るから
じっとしてて」
ξ゚听)ξ「……全く。不本意だけどしかたないわね」
- 27
名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 01:56:00.38 ID:nGfxIJol0
('A`)「いくよ」
小脇にツンをかかえ、ドクオは無心で走り出す。すでに進入はバレている。もはや隠れる意味はない。光球が強く輝く。
二人を狙う飛来する手裏剣やスパイクボールを片手にためた魔力の盾ではじき、地面に生えてくる刀剣を
力まかせに蹴り飛ばし、死角から飛んでくる戦輪や黒鍵を魔力の流れを察し、紙一重で避けていく。
(‘A`)「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
もちろん無傷というわけにはいかない。かかえたツンは大丈夫だが、ドクオ自身の体には無数の
切り傷ができている。
服のいたるところがやぶけ、足からは結構な量の血が滴っている。
それでもドクオは勢いをゆるめない。
凶戦士のサーヴァント・『バーサーカー』。その本懐は敵を倒すこと“のみ”である。そこには意思や目的は存在しない。
自らの身も省みない純粋な爆発力を、ドクオはただツンを守るためだけに使っていた。
ξ゚听)ξ「……ドクオ、見えた!」
- 29
名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 02:00:41.47 ID:nGfxIJol0
ξ゚听)ξ「……ドクオ、見えた!」
木々の合間から石段がみえる。そしてまっすぐ自分たちを見据えた男がひとり。
あの日、屋敷を強襲した暗殺者のサーヴァント、アサシン。
周囲の空間がゆがみ、十近い刀剣が姿をあらわす。ドクオは同じ数の魔力球を生み出し、飛んできた刀剣を相殺する。
(‘A`)「どけぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
ドクオの右手に力がこもる。膨大な魔力が圧縮を繰り返しつつ螺旋を描いている、さながら魔力のドリル。
その回転した手刀は、まちがいなくアサシンを狙っている。
その時。
突如あらわれた大きな影が二人を覆った。
- 33
名前:第7話『通行料』/>>32訂正 :2007/08/21(火) 02:05:04.25 ID:nGfxIJol0
/ ̄:l: .―:l:――――:l:/___ヽ,―、_(_)
| :|:./ E:|: EEEEl :|:|: :
 ̄ ̄||`l (,,゚Д゚)「ロードローラーだゴルァッ!」
/ ̄ ̄ヽ ̄ヽ EEEEl :|:|:__:___||._|
/ ,●、 | |777777|:|
l, ―┴、┴――、 ズガーン
| ●| |.● | |/////// .:|:| /
ヽ ヽ
ヽ `●' .| |====:|:| |====l===|
ヽ / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~'ヽ / /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ゛ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄
ξ゚听)ξ('A`)「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」」
地面にめり込むロードローラー。
やがてロードローラーが消えると、そこにはグシャグシャになった少女と、愛を追い続けたサーヴァントの死骸だけが残っていた……
ξ゚听)ξ 素直ツン・再起不能(死亡)
(‘A`) サーヴァント『バーサーカー』・再起不能(死亡)
〜GAME OVER〜【もう遅い、脱出不可能よッ!エンド】
- 36
名前:【高槻やよいのお助け☆アドバイスコーナー】 :2007/08/21(火) 02:07:22.91 ID:nGfxIJol0
, ‐、 ,- 、
ノ ァ'´⌒ヽ , はーい、ゲームオーバーになっちゃったみなさん、こんばんは〜
( (iミ//illi))) ブーン君の元担任高槻やよいXX歳でーす。
)ノ`(リ^ヮ゚ノ( 夜の山は危険だし、やっぱり女の子は度胸と愛嬌ですよ〜
´ ⊂r‐iつ さぁ、がんばってもう一度選択肢からトライしてくださいね
fく_ソj) うっうー高槻やよいでした〜
し'ノ
戻る