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名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 02:11:25.25 ID:nGfxIJol0
- @ 正面突破
ξ゚听)ξ「つっきるわよ」
(‘A`)「えー……やめようよぉ」
ξ゚听)ξ「確かに相手にバレるけど、倒せばいいだけよ。もし逃げるとしても、うまく撒けば
問題はないわ。こんな夜、道なき山道をいくほうが大変よ」
(‘A`)「……わかった。早くクーに会いたいし、いそいで行こうか」
二人は鳥居をくぐり、並んで石段を登り始めた。
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名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 02:16:43.68 ID:nGfxIJol0
月光は木でだいたいが遮られている。ドクオが魔力で作り出した光球が明かりを頼りに石段を登ること5分。
ようやく寺の門が見えてきた。そして、そこに立つ人影も。
らりと人影が動く。
ヒュンッ、という風を切る音。続いて足元に破砕音。
頂上からふたつめの踊り場にたどり着いたドクオの足元に特徴的な形をした矢が飛来し、石畳に突き刺さった。
????「よく、避けなかったなゴルァ」
('A`)「威嚇だってことはわかってたからな」
????「その通りだ」
ξ゚听)ξ「(マジ?! 今日のドクオ、なんかキャラが違うわね……)」
('A`)「(本当に威嚇だったんだ……)」
- 45
名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 02:19:51.84 ID:nGfxIJol0
ちょうど月にかかっていた雲がきれ、月明かりが上を見据えるツン達。そして石段の一番上で仁王立ちするひとりの男。
上背はドクオと同じ程度、体つきも格別筋肉質というわけではない。僧衣によくにた武具をつけ、
弓をたずさえた暗殺者──アサシンは、ゆっくりと歩みをすすめる。
ξ゚听)ξ「あなたがハインリッヒのサーヴァントね、アサシン」
(,,゚Д゚)「いかにも。悪いが、ここからは通行止めだ。どうしても、というなら通行料を払ってもらおうか」
ξ゚听)ξ「サーヴァントが通行料、ね。笑わせてくれるじゃない。
おこづかいくらい、あんたのマスターにもらいなさいよ」
(,,゚Д゚)「ゴルァ、金じゃねぇよ」
- 46
名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 02:22:42.04 ID:nGfxIJol0
- (‘A`)「じゃあ、ここにいるツンの入浴写真5枚セットで通してくれ」
ドクオは懐から歪に膨らんだ封筒をとりだして、ヒラヒラとアサシンに見せ付ける。
ξ#゚听)ξ「って、何でそんなもん持ってるのよ!!」
(‘A`)「ヒソヒソ(大丈夫。この中に入ってるのはダミーだよ。本物はちゃんと屋敷に隠してあるから)」
ξ゚听)ξ「ヒソヒソ(そっか……ならいい)」
ξ#゚听)ξ「わけないじゃない!!」
いい右がドクオのみぞおちに突き刺さった。
(,,゚Д゚)「コントの最中悪いが……俺はそんなガキに欲情する変態じゃない」
ξ#゚听)ξ「誰がガキですって?!」
(‘A`)「落ち着いて、ツッコむところはそこじゃない」
ξ#゚听)ξ「こうなったのはアンタが原因でしょうが」
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名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 02:27:52.38 ID:nGfxIJol0
- (,,゚Д゚)「このまえのブーンっていうガキやウチのマスターもだが……お前も面白い魔術師についたもんだな、バーサーカー」
手にした弓を山脇に放りる。両手を背負った籠にやり、アサシンは一振りの、異様に長い日本刀をそこから取り出した。
(,,゚Д゚)「バーサーカーのマスター。本当に通行料を払ってひとりで上に行ってくれないかゴルァ?
待ち構えてるうちのマスターもあんたと似たところがあるし、以外とおもしろくなるかもしれないぞ」
ξ゚听)ξ「あたし一人……ねぇ」
(,,゚Д゚)「あぁ。この道の通行料は刀一本。つまるところ、あんたのサーヴァント・ドクオとの一騎打ちだ」
(‘A`)「……ツン。どうするの?」
ξ゚听)ξ「了承(1秒)」
(‘A`)「早っ! 罠かもよ?」
ξ゚听)ξ「あんな“モノノフ”っぽいのが不意打ちとかしそうになさそうだし、大丈夫よ。
それに、人間のマスターとの一騎打ちならあたしは負けないわ」
(,,゚Д゚)「決まりだな」
- 49
名前:第7話『通行料』 :2007/08/21(火) 02:32:32.64 ID:nGfxIJol0
アサシンがゆっくり道をどく。一瞬、躊躇したがツンはいっきに十数段の階段を駆け上がり、寺に突入していった。
(,,゚Д゚)「……さて、邪魔者は消えたか」
これ以上は通さない、とばかりにアサシンふたたび石段の真ん中に立ち、ドクオを見下ろしながら抜刀する。
('A`)「……最初に会った日の、あの大薙刀はどうしたんだ?」
(,,゚Д゚)「恥ずかしい話だが、今はちょっと魔力不足でな。
この刀も宝具といっちゃあ宝具だが、あの薙刀ほどの威力はなかったりする」
('A`)「別の宝具か。さっきの大陸的な弓矢もそうだが、かなり武器に手馴れているんだな、アサシン」
(,,゚Д゚)「まぁな。おだててもここは通さんが」
('A`)「わかってる。さっきの通行料云々の話でお前の正体はわかった。それが間違いでないのなら、
あんたはツンを不意打ちしないし、負けない限り俺を通そうとはしないだろう」
ほぅ、とアサシンの口元がゆがむ。
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名前:第7話『通行料』>>50訂正 :2007/08/21(火) 02:37:01.78 ID:nGfxIJol0
(,,゚Д゚)「お前も日本のサーヴァントなのか?」
('A`)「日本人ではないけど、知ってはいる。『アサシン』というクラスにだまされたよ。
あんたのほうがボクなんかより『バーサーカー』がよく似合いそうだ。伝説と違って、そこまでは大柄じゃないんだね」
(,,゚Д゚)「てめぇ……」
('A`)「アンタがボクを知っているわけはないだろうけど、フェアじゃないから名乗っておこう。
ボクの名はドクオ・ナティウ。クーのために生きる愛の戦士だ」
(,,゚Д゚)「……面白い」
アサシンが刃をドクオに向ける。それにあわせて、ドクオの手に魔力の刃が生まれた。
(,,゚Д゚)「俺はハインリッヒ高岡に仕えるサーヴァント。クラスは『アサシン』、真名は弁慶。
義経様の名の下、いざ参る」
僧兵・武蔵坊弁慶。平安の世・源義経に仕えた日本が誇る大豪傑。
あらゆる武器に精通した武芸の達人は楽しそうに階下のドクオにむかって飛びかかった。
【第7話・終了】
→第8話へ続く
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