物語のページが( ^ω^)´・ω・)゚听)ξ 川 ゚ -゚)応えるようです
- 1 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/18(土) 19:19:37.22 ID:ZLHTeOCI0
- こんばんは
合作投下十一日目になります
まとめさん・ブーン芸VIPさん
http://boonsoldier.web.fc2.com/page.htm
今夜もよろしくお願いします
ではバトンタッチ!
- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 19:22:10.10 ID:BcBrysAt0
- おぉー!はじめてリアタイで遭遇したwww
支援
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 19:23:27.43 ID:Z3p2VETo0
- なんというタイミング
- 4 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 19:24:20.86 ID:i1ZurmDZ0
-
\ /
\ 丶 i. | / ./ /
\ ヽ i. .| / / /
\ ヽ i | / / /
\
-‐
ー
__ 今 日 は わ た し で す --
二 ィ'トー-ィ、
以`゚益゚以 = 二
_( つoと)_
―― \ U U/ − ― =
(┓━ )TL
 ̄  ̄
-‐ ‐-
/
/ ヽ \
/ 丶 \
/ / / | i, 丶 \
/ / / | i, 丶 \
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 19:24:26.41 ID:h8Aw6peQ0
- 記念カキコ
くそっまだ全作品読み終わってないからこっち読むの保留にしてるのに・・・
こんなときにリアルタイムですよホント
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 19:25:32.98 ID:7JDoJ8lgO
- そろそろ始まる頃だと思って来てみたら……
∧_∧
(゚ω゚ ) 支援は任せろー!
バリバリC□ l丶l丶
/ ( )
(ノ ̄と |
しーJ
やめて!
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 19:26:46.39 ID:7JDoJ8lgO
- >>4
貴 様 か
よろしい、イトーイしてやるw
- 8 名前:ネタバレ注意 ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 19:28:04.35 ID:i1ZurmDZ0
- 〜〜前回までの物語のページが応えるようです〜〜
遂に戦士達は決戦の地、インビジビル城に集った。
しかし、戦士達を連れてきた召喚士達は忽然と影も残さず消え去ってしまった……。
あのうんこの仕業かお。殺してやるお、あのうんこめ。
怒り狂うイケメンだおだおを宥めたのは、武将風のマッチョ、ショボン=ルージアルさん(41)であった。
「ここで怒気を散らしても仕方あるまい」。もっともな発言であった。
マッチョの提案で、全員は各々の攻撃手段を確認した。
だが、これが自意識過剰なクーと、話を聞かないブーンの小競り合いを発生させる原因となるのであった。
そしてまさかのヒローイ起動。そのパワーはルージアルさん(41)も動揺させるほどであった。
程なくしてアンノウンが攻撃を始める。
戦士達を別々の場所に分断させる攻撃であった。
雪原を思わせる広漠で白い空間に送り込まれたツンとショボン。
そこで彼等が出会ったのは、フィレンクトだった。
圧倒的なフィレンクトの能力ラストスノー。これ無理ゲーだろうと思われたが、
黒きトラペロペロ登場でルージアルさんはペルソナ能力に目覚めたのだ。トロッコさん涙目である。
ツンちゃんのパンツは何色だったのだろうか……それを知る唯一の人物、フィレンクトは死んだ。
そして時は、黒い円の発生まで遡る――――。
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 19:29:45.26 ID:7JDoJ8lgO
- トラペロペロイトーイ
- 10 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 19:33:35.60 ID:i1ZurmDZ0
-
( ;゚ω゚)「アンノウン!」
前触れ無く発生した黒い円。
ブーンの頭部に搭載された情報処理システムの記憶素子と演算装置が、
この黒い円を「過去に記憶した空間湾曲に類似している」と提示したのは、一瞬の事。
セントラルで発生したそれとは規模と形状こそ異なるものの、発生初期のパターンは酷似していたのだ。
( ;゚ω゚)「ツン! ショボン!」
故にシステムの回避プログラムが働き、ブーンは最も素早く攻撃に反応できたが、
「ペルソナ」という能力以外は単なる少女であるツンは成す術無く円に捕まってしまう。
彼女を救出しようと手を伸ばしたショボンも、今まさに引きずり込まれてゆこうとしている。
ブーンは咄嗟に駆け出す。同時に、BLACK DOGを地上から空中へと退避させる。
しかし黒い円は、サイボーグの肉体が追いつけないほどの速さで二人を完全に包みこみ、
ブーンが手の届く位置に着く頃には、黒く、歪な塊と化していた。
( ;゚ω゚)「くっ、でも生体反応はまだあるお!」
スキャンを起動するが、闇は内部を覗く事を許さない。
それでも熱と音を拾う高感度センサーに反応はある――切開するしかない!
ブーンはBBBladeを引き出し、腰溜めに構えた。
( ;゚ω゚)「今そこから出して――」
いざ、黒い塊を切り裂こうとした時である。
黒い塊は急速に元の円の形に戻り始め、遂には石畳の隙間に染み入るようにして消えてしまった。
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 19:36:44.64 ID:7JDoJ8lgO
- イトーイ
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 19:38:42.16 ID:1M4WKFL70
- 支援
- 13 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 19:38:55.51 ID:i1ZurmDZ0
-
川;゚ -゚)「消えた!? 何処に!?」
クーは2人が消えた場所へ駆け寄りながら叫ぶ。右手には退魔刀が握られている。
二人の気配を懸命に探るが、感じるのは黒い塊が残した禍々しい気配のみ。
ブーンもまた、声や体温、呼吸や鼓動など、彼等を現実的な面から探るが、
半径にして100メートルの範囲でそれらを捉える事は出来なかった。
彼等はここから消えてしまった……いや、恐らくアンノウンに連れ去られたのだろう。
二人がそう予想した矢先、再び黒い円が地面に出現した。
しかも今度は多数だ。文字通り、足場も無い状況に立たされる。
ブーンは空中に待機させておいたBLACK DOGに飛びつき、
アンノウンの攻撃を回避したのだが、
⌒ ⌒ ⌒
_⌒⌒__
/::::::::::::::::::::::::::/
/::川∩゚ -゚)∩/ やべえwwwwwボッシュートされるwwwwwwwww
/::::::::::::::::::::::::::/ チャラッチャラッチャーン
一方でクー。彼女はツンよりはマシだろうが、やはり身体は生身が為に攻撃を受ける。
「オルトロス」とかいう化物を繰り出す間も無かったと、ブーンはセンサーを介して分かっていた。
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 19:40:20.21 ID:7JDoJ8lgO
- ボッシュートイトーイ
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 19:42:09.16 ID:gc4jACDLO
- www
- 16 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 19:42:10.00 ID:i1ZurmDZ0
- それにしてもだ。
何故かクーは楽しそうな表情をしているというか……思わず舌打ちしてしまう。
腹立たしい気分に犯され、彼女の救出を躊躇ってしまったが、
空も多数の黒い円に侵食された今、ブーンも完全に逃げ場を失っていた。
川 ゚ -゚)「キカイダーwww助けてくれwwwwwwwww」
(;^ω^)「……ええい! どの道逃げ場が無いんなら!」
感じの悪い女だが……。
あちらの世界では稀少な「生きている人間」をブーンが見過ごせるはずがなく、
BLACK DOGと共に、クーを飲み込んだ黒い円に飛び込む――――……‥
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 19:43:32.38 ID:7JDoJ8lgO
- 楽しんでやがるw
- 18 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 19:46:20.34 ID:i1ZurmDZ0
-
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物語のページが( ^ω^)´・ω・)゚听)ξ 川 ゚ -゚)応えるようです
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┃【Cross part:Rebirth of Lord】
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┃
- 19 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 19:49:28.61 ID:i1ZurmDZ0
-
「――おい。おい、目を覚ませ、キカイダー」
(;^ω^)「おっ!?」
原因は不明だがシステムがフリーズし、自分自身も気絶していたようだ。
その両方が回復するや否や、ブーンは咄嗟に飛び起きて銃を構える。
川 ゚ -゚)「安心しろ、我々以外に何かがいる気配は無い」
と、クーが言い終えた直後、ブーンは天に銃口を向ける。
我々を吸い込んだ黒い穴だ。と気づいた瞬間、黒い円は渦を巻いて消え去った。
川 ゚ -゚)「あの黒い穴を介して、ここにワープさせられた。あれ自体に殺傷能力は無いらしい」
アンノウンの良い様に遊ばれているような気がした。
それに、システムが検知する情報に踊らされた自分が情けない。
ブーンは恥ずかしさを覚えると共に、銃を下ろした。
( ^ω^)「……心配かけたお。ツン達も無事だと思うけど、見事に分断されちまったお」
川 ゚ -゚)「うむ。それでだ……光が一切射さない事から察するに、
どうやら我々は地下に飛ばされてしまったようだ。城の地下だと思うのだが……」
川 ゚ -゚)「キカイダー。お前の銃で天井に穴を空けられんか?」
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 19:52:43.86 ID:7JDoJ8lgO
- 石原「よし、ここは俺の股間のマグナムで……」
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 19:53:36.60 ID:JEZIiPw2O
- 街狩りか‥
大麻に書いてほしかった
- 22 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 19:54:04.85 ID:i1ZurmDZ0
- 些か強引な手段のように思えたが、反対する理由も無い。
試してみる価値は大いにある。
こくりと頷いて、ブーンはBLACK DOGの武器庫から貫通力に富んだSniperを取る。
右腕一つの作業に歯痒さと苛立たしい気分を覚えながら組み立て、
色々積もった鬱憤を晴らすのも兼ねて、天井に撃ち出した。
石造りの天井に弾丸が直撃する手前、あの憎たらしい黒い円が瞬時に現れる。
蒼い煌きがブラックホールを思わせる空間の中に吸い込まれると、
黒い円はまた渦を巻いて消え去った。
天井には、穴の一つも見当たらない。
(#^ω^)「くそったれ!」
鬱憤は晴れるどころかますます募る。ブーンは苛立ってSniperをぶんと振り下ろした。
川 ゚ -゚)「是が非でもアンノウンは、我々を“あちら”に進ませたいらしいな」
クーの視線の先にある物を、とうにブーンも目にしていた。
門。それは10メートルにも及ぶ巨大な石柱を左右に構えた、未知への入り口……。
その鉄製の門は半開きであり、内から冷たい風を漏らしていた。
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 19:55:53.14 ID:7JDoJ8lgO
- 支援イトーイ
- 24 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 19:58:42.73 ID:i1ZurmDZ0
-
川 ゚ -゚)「あーやだやだ」
その風音、不気味な程太く低く、まるで亡者の声のようである。
デビルサマナーという職柄、人一倍その手の気配に鋭いクーは、
肌で風から伝わる危険性を察知していた。
( ^ω^)「……何がだお?」
クーは、傍らで理解できぬような風に眉を顰めるブーンに向け、呆れるように溜息を吐き、
川 ゚ -゚)「分からんか? ならば魔を知らぬお前が理解できるように言ってやる。
お前の世界にもゲームくらいあるんだろう? ……イベントバトルというやつだ。
奥にはいるぞ、敵がうじゃうじゃとな」
クーがそう言うものの、ブーンの捉えられる物は全て現実的な数値である。
門の向こうから生物の反応は一切伝わって来ないのだ。
確かに、先ほどデビルサマナーの力というものを目の当たりにしているが、
しかし彼女の言う「魔」とやらはどうにも信用ならなかった。
( ^ω^)「……さっさと突破して、アンノウンの下に向うお」
ブーンは適当に分かったような振りをして、愛機に近づく。
その態度が、クーの癇に障った。
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:00:50.02 ID:2/44s8sp0
- 支援!
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:00:57.21 ID:7JDoJ8lgO
- まーたはじまった……
- 27 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 20:01:58.79 ID:i1ZurmDZ0
- 川 ゚ -゚)「おい貴様、私に偉そうに指示すんじゃねえ。
そんな態度で私に指示していいのは、愛する無敵の退魔師ショボン様だけだ」
川 ゚ -゚)「貴様に妖気や魔の気配を捉えられるのか? 無理だろう。
従って、ここではデビルサマナーの私がだな――」
(#^ω^)「知るかっつーんだおオカルト女!」
言い切る前に怒声に遮られ、そして黒く巨大なバイクが唸りを地下に木霊した。
更に小馬鹿にするように、土埃を上げて目の前を横切られた。
川#゚ -゚)「……あンのクッソヤロウ、オカルト女だとぉ……?」
コートや髪に付着した埃すら無視し、クーは封魔管を取り出す。
川#゚ -゚)「オルトロス!」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「ウワ! ライドウ! オッカネエ顔!!」
封魔管から呼び出されたのは金色の魔犬オルトロス。
オルトロスは主が怒り狂っている様子が面白くて仕方ないのか、
硫黄臭い息を漏らしてケタケタと笑っている。
川#゚ -゚)「うるせえ! さっさとあのクソヤロウを追うぞ!
生意気な奴め! ブーンって奴はどの世界でも生意気なのか!?」
__
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:03:46.27 ID:7JDoJ8lgO
- 下の線が気になった支援
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:03:56.23 ID:2/44s8sp0
- うむうむ
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:05:33.53 ID:d9vULwkR0
- 紫炎
- 31 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 20:06:15.96 ID:i1ZurmDZ0
-
( ^ω^)(魔だか妖気だか……訳のわからん講釈はもううんざりなんだお)
門を潜り、暗闇の中を轟音を立てて疾走する。
ヘッドライトを点ける必要無い。
街灯やネオンが点灯していないゴーストタウンを歩くのと同じように、
双眸に埋め込まれた暗視装置を起動し、デジタルなグリーンカラーの世界を視界に作り出す。
そうして暗闇は暴かれ、やはりというべきか、ワープ前の回廊と瓜二つの回廊が現れた。
中世ヨーロッパのゴシックやロマネスク建築に習って建てられたかのような作りだ。
左右にずらりと立ち並ぶ巨大な円柱。円柱はアーチを横断させ、アーケード構造を作り出している。
朽ちていても洗練された回廊に黒犬の疾走音が反響して轟音と化す。
BLACK DOGの頑強なタイヤが黴だらけのレッドカーペットを焼き尽くし、
暗い回廊に僅かな光を齎している。
そんな荒々しい走行音に混じり、今度は比喩ではなく、本物の犬の足音が集音装置に入る。
BLACK DOGの後部カメラを利用して、ハンドル部に埋め込まれたモニターに映し出す。
オルトロスと、クーだ。
( ^ω^)(あの胡散臭い犬に乗って来たかお。でもBLACKDOGに着いて来れるわけがない。
迷宮の内部が不明なだけにぶっ飛ばして行けないから、この速度で行くしかないんだお)
それからブーンは気にも留めず、ただ前を見据えて前進する。
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:07:51.28 ID:2/44s8sp0
- 支援
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:08:04.03 ID:7JDoJ8lgO
- オルちゃんイトーイ
- 34 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 20:09:25.59 ID:i1ZurmDZ0
- 長き回廊を走り抜け、大聖堂の内陣を思わせる開けた場所に出る。
左右には二つの木造の門がある……行く先は左右二通りに別れた。
仕方なくブーンは停止し、どちらに進むべきか考える。
一先ず煙草を咥えて、周囲を観察した。
鳥篭のように丸みを帯びた構造で、天井は高い。
壁一杯に張られたステンドグラスの数々は装飾として採用されたのだろうが、
いずれもヒビが入っており無残な姿となっている。
壁に沿って等間隔で設置された燭台に、キャンドルは無い。
並べられた燭台の中心、あるいはドーム状の天井の真下に祭壇がある。
祭壇の真後ろには、不気味で巨大な絵画が掛けられている。
城の主、若しくは建築者からすれば、内陣の美的効果を演出するのは
このモチーフだと言いたいのかもしれないが、
川 ゚ -゚)「不気味な奴だな……にしても悪趣味な野朗がいるもんだ」
少しばかり遅れて到着したクーがそう呟いた。
クーは夜目がよく利き、ブーンほどクリアには見えないものの行動に問題は無かった。
反りの合わぬ彼女だが、ブーンはクーと同感であった。
絵画の人物はえらく猫目で、あまり人間的ではない。
むしろセカンドや妖魔に近いと、各々感想を胸にこぼす。
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:11:07.20 ID:2/44s8sp0
- しえしえ
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:11:33.38 ID:7JDoJ8lgO
- ( ΦωΦ)支援である
- 37 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 20:13:08.43 ID:i1ZurmDZ0
- ( ^ω^)「この城の……主の絵かお‥‥?」
だとすれば、この城に仕える者達がさぞ狂信的であったか、
主が絶対的な権力を持っていたに違いないだろう。
どちらにしろ絵画を含む全体像が宗教的で、この世界の歴史や宗教を何も知らぬ2人は、
ここがカルト集団の根城であったのかも、などと想像を掻き立てるのだった。
川 ゚ -゚)「その詮索はさておき、キカイダー、今我々が注目すべきは他にあるぞ」
見ろ、そうクーが顎で示したのは祭壇だった。正確には祭壇に伏す何かだ。
祭壇に掛けられた色褪せた赤い布に横たわる白色……あれは白骨化した死体だ。
その手には剣が握られている。騎士だったのだろうか。
他にも、とクーは周囲に注意を促す。よく見れば、壁際、床に、ガイコツが横たわっていた。
( ^ω^)「あれがどうだっつーん……」
(;^ω^)「だ……お……?」
熱センサー、集音装置が感知。
生体反応に近い。何処だ? 位置は近い。近いどころか、目の前で……。
( ω )「……死体が生き返るなんて、胸糞悪い冗談だお」
最後に両側頭部に備えるアンテナ型の対物感知センサーが反応し、
白骨死体から動作を感知した。
2人の侵入者に気づかれたと悟ったのだろうか。
祭壇の骸骨が突然忙しなく動き出し、双眸を赤く妖しく光らせる。
黴だらけの足で祭壇に立ち、脆そうな細腕で重厚な剣を一度振って構える。
それを合図にしてか、内陣に眠る骸骨達が一斉に起き上がった。
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:14:34.00 ID:2/44s8sp0
- ほほう
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:15:05.01 ID:7JDoJ8lgO
- セカンドとは違う存在だけど、ブーンは戦い辛いかもねぇイトーイ
- 40 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 20:16:18.13 ID:i1ZurmDZ0
-
川 ゚ -゚)「ほう、ゲームで言うザコてk――」
クーの俗っぽい言葉は爆音が遮る。
ステンドグラスが蒼い光を反射し、祭壇を鬱蒼と照らした。
祭壇には、首を無くして今度こそ永遠の眠りについた騎士が。
川#゚ -゚)「…………」ビキビキ
ブーンの銃撃に怒りを覚えたのはクーだけではない。
骸骨騎士達もまたガチガチと歯を鳴らして怒気を示し、剣を構えてブーンに殺到した。
当のブーンは余裕で、未だ煙草などを吹かしていた。
骸骨騎士達の動きは意外にも素早く、ブーンは一気に五つの剣戟を頭部、腕部、胸部に受ける。
だが、飛んだのはブーンのパーツやオイルではなく、折れた五つの剣。
切れたのはせいぜい彼の羽織る黒いロングコートくらいである。
唖然としている素振りを見せる骸骨に向けて煙草を吐き捨て、
そして蹴りで薙いだ。煙草の火種と共に、破砕した五つの首が粉雪のように宙を舞った。
(# ω )(ふざけんな! こんなファンタジーめいた現象、一瞬で蹴散らしてやるお!)
背後で待ち構えていた骸骨騎士達はたじろぐ。
恐ろしい形相をしている一人の剣士に、だ。
ブーンは蒼く輝く刃を手に、骸骨の群れへと身を投じた。
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:18:06.10 ID:7JDoJ8lgO
- ブーンにはキッツイな支援
- 42 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 20:18:55.16 ID:i1ZurmDZ0
-
川#゚ -゚)「オルトロス……」
双頭の魔犬に跨るクーはブーンを見据え、妖刀赤光葛葉をゆらりと抜く。
右手でコルトライニングも構え、刀を持つ左手でガチリと撃鉄を起こす。
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉) 「アノ金髪ノ小僧! マル齧リ シテイイノカ!?」
遂にオレをペット呼ばわりした生意気な小僧を喰らう時が?
そう期待したオルトロスは嬉しそうに尾を振るが、
川#゚ -゚)「それも悪くないがオルトロス、アイツの邪魔をしてやれ」
オルトロスは少し不満そうに息を吐くも、主の望みを叶えんと立ち回る。
まさに剣を振り下ろさんとするブーンの目の前に現れてやると、
ブーンは大きく舌打ちしてピタりと手を止めた。
クーは下卑た笑みを浮かべてブーンを見下ろし、
横取りした獲物をコルトライニングで仕留めた。
バラバラに飛び散った骨は全てが氷に包まれている。
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:20:53.68 ID:apOm6hfp0
- 支援
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:20:55.34 ID:7JDoJ8lgO
- 氷結弾倉支援
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:21:21.21 ID:2/44s8sp0
- いまだに金髪ブーンに慣れない
- 46 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 20:22:31.73 ID:i1ZurmDZ0
-
(#^ω^)「どけお! 邪魔すんな!!」
川#゚ -゚)「私にえらっそうに指示すんじゃねえ!」
内陣の中心で、黒い風が二つ暴れ狂う。
無慈悲なまでに骸骨どもを解体し、無造作に骨を床に散らす。
頭蓋の二つの窪みからは赤い光は消え、ガチガチと歯を鳴らす事すら叶わなくなった。
川#゚ -゚)(こいつ、アンノウンに強い憎しみを抱いているらしいな)
川#゚ -゚)(アンノウンを倒してショボン達の行方を知りたい、と気が逸っているようだ。
それは私も同じだから良いとしても……私を蔑ろにしようとするのは許せん)
川#゚ -゚)(自分一人でやってやる、ってのが見え見えなんだよキカイダー。
デビルサマナー葛葉ライドウ、クー様をなめんじゃねえ!)
刀の扱いは苛立ちを発散するかのように荒々しい。
それに呼応して、オルトロスは主人を乗せて内陣を激しく駆け回る。
しかしクーの剣戟と銃撃は正確であり、次々に骸骨騎士を無力化させてゆく。
川 ゚ -゚)「フン、我ながら見事な火葬だ。本望だろ?」
コルトライニングの銃口にふっと息を吹きかけ、
燃える内陣に対し冷酷に呟いた。
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:23:49.88 ID:HEGg+Rjy0
- おお、遭遇ktkr
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:24:03.76 ID:7JDoJ8lgO
- 火炎弾倉支援
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:24:22.44 ID:2/44s8sp0
- 支援
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:25:16.90 ID:vD8UH3380
- このペアはほんっとにまぁ
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:25:36.05 ID:PLWCoAKp0
- 支援
- 52 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 20:26:18.79 ID:i1ZurmDZ0
-
(#^ω^)「おい、どういうつもりだお? 何故邪魔した?」
オルトロスから降りたクーに尋ねる。
背を向けるクーから返答は無い。その態度にますますブーンは苛立つ。
クーは自分を蔑ろにして、床に散らばる骸骨どもと虚空に目を行き来させている。
何なんだ、こいつ。
骸骨どもを一体残さず一掃したのにも関わらず、
一向に刀を納めようとしないどころか切先を下げようとしない……クーは殺気立っている。
それは魔を知らぬブーンでも見て感じ取れる、生きた人間の気配である。
そんなクーを怪訝に思いながらも、ブーンは彼女を無視して城内探索に戻ろうと思い立つ。
BLACK DOGに乗り込もうと踵を返した直後、動作を拾う。
同時に風を切る音。咄嗟にブーンは体勢を低くしてクーの剣戟をかわした。
川 ゚ -゚)「ちっ、かわされたか」
地を蹴って距離を取り、臨戦態勢を取る。
作り物の顔面は怒りの表情を作り、ブーンは裏切り者に切先を向けて問う。
(#^ω^)「何をするんだッ――――」
(;^ω^)「お? ……おお? な、何だ……これ……?」
憎いクーを忘れるほど非現実的な“何か”が、宙に複数いる事に気づく。
それは輪郭こそ持つものの気体のように捉えどころが無く、
黒々しい中身の中には無数の小さな輝点が蠢いていた。
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:26:36.93 ID:6lHPKDSKP
- やべぇクーがブーンに敵意あるとしか思えない
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:28:25.21 ID:DVSqVHBlO
- ブーンが先走り過ぎと思わないでもない支援
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:28:27.14 ID:O5lWEuHg0
- クー要らなくね?
- 56 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 20:29:27.08 ID:i1ZurmDZ0
-
川 ゚ -゚)「魂、と言えば分かるか」
「魂……?」、ブーンは首を傾げて繰り返す。
川 ゚ -゚)「お前が斬っていたのは単なる依り代に過ぎん。
奴等の根本たる魂の破壊は退魔戦の一つであり、」
川 ゚ -゚)「我が赤光葛葉とコルトライニング、そして我が仲魔はそれを可能にする」
背後に控えるオルトロスが得意そうに唸りを上げる。
クーはオルトロスの仕草に口端を釣り上げた後、魔に向き合いなおった。
緩んだ表情を締め、「次は外さん」、そう呟き、刀で浮遊する魂達を切り裂いた。
逃げようと上空へ昇る魂に対しては、コルトライニングで撃ち抜いた。
魂を全て無に還すと、クーは刀と銃を収め、ブーンの機械の目を睨みつける。
川 ゚ -゚)「キカイダー、貴様は生物に対する反応は良いらしいが、
魔に関しては素人同然だな。気配のケの字も感じないとは」
川 ゚ -゚)「ああ見えて凶悪凶暴な霊だったんだ。素人同然の貴様なら、
触れられただけで精神的に再起不能なダメージを受けていたかもしれん。
いいか? この先、こういった敵がウジャウジャ出現してくるはずだ。
私のデビルサマナーとしての勘がそう警告している。だから先走るんじゃない」
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:30:08.64 ID:7JDoJ8lgO
- 単に焦ってるブーンを遠まわしに諫めてるようにも見えるイトーイ
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:30:59.67 ID:2/44s8sp0
- 言い方がなあ…
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:34:01.42 ID:7JDoJ8lgO
- クーさんマジ高慢
(´・ω・`)見つめる
- 60 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 20:34:07.33 ID:i1ZurmDZ0
-
( ^ω^)「……魂を喰う暇も与えず、アンノウンの下までぶっ飛ばせばいい話だお」
川 ゚ -゚)「行く手も分からんこの城内をか?
それを懸念して、貴様は最高速度を出していなかったように見えたが」
(;^ω^)「それは……」
川 ゚ -゚)「図星か。現に、この内陣から左右のどちらに進むべきかと足を止めていたようだしな」
「ぶっちゃけ私もどっちに行けばいいか分からんが」とクーは胸中でごち、
川 ゚ -゚)「話が逸れた。まあともかくだ、あの手の強大な敵に妨害された時、
貴様に突破できるのかと私は尋ねているんだ。んん? どうなんだ?」
再び弱味を執拗に攻めると、ブーンは苦虫を噛んだような表情を浮かべた。
逆に思考を探れないほど無表情なクー。その視線は実に冷徹に見えるし、
これまでの侮辱行為に対し怒気を孕んでいるようにも見える。
まるで刀の鋭い切先を向けられているようだ……。
そんな気分に犯されるのをもう我慢できず、ブーンは遂に剣を下ろした。
(;^ω^)「……僕が悪かったお。ここからは協力プレイだお」
川 ゚ -゚)「うむ。ダンジョン攻略ってのはパーティを組んで楽に進むのがいい」
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:35:06.60 ID:2/44s8sp0
- 支援
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:36:20.70 ID:7JDoJ8lgO
- 川 ゚ -゚)i ではこの封魔管に入ってくれ
- 63 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 20:38:42.60 ID:i1ZurmDZ0
-
「このゲーム脳め」、ブーンが罵ると、クーは不敵な笑みを浮かべた。
( ^ω^)「改めてよろしく頼むお、クーさん」
川 ゚ -゚)「お前の近未来の力、頼りにするぞ、ブーン」
そうして結託した二人を賛美するかのように、ふと、ステンドグラスに暗い明かりが反射した。
それは、あの憎たらしい黒い渦が発する、紫混じりの邪悪な光であった。
突如出現した闇。二人は攻撃かと警戒するが、すぐに気を緩ませる。
内陣から分かれた二つの道の内、左の門が隙間無く闇に閉ざされたのだ。
川 ゚ -゚)「右に進め、という事か」
(#^ω^)「本当にゲームかっつーんだお。どこまでも人を舐めたようなマネを……」
川 ゚ -゚)「ふん、大抵のゲームのシナリオってのは主人公が勝つもんだ。
わざわざ道案内してくれた事を後悔させてやろうぜ」
頷き、ブーンは右腕のランチャーを展開してグレネードで門を爆破させた。
生じた穴は風の抜け道を作り出し、激しい水流の濁音を内陣に届ける。
それが地下水である事は容易に想像でき、同時に、二人に此処が地下である事を確信させるのであった。
__
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:39:45.86 ID:2/44s8sp0
- ふむ
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:40:42.20 ID:7JDoJ8lgO
- イトーイ
- 66 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 20:43:18.45 ID:i1ZurmDZ0
- アンノウンに導かれた二人は、再び長い通路へと出た。
円柱が立ち並ぶアーケード状の作りこそ同じであるが、
両手には重厚な壁が存在せず、開けた場所となっている。
円柱から見える内観は実に広大で、敵地だというのに二人は思わず目を奪われた。
天蓋から釣り下がった巨大な篭の数々。篭の蓋は開いている。
周囲を悠然と舞う骸骨鳥の群れを見て、彼等の鳥篭である事をすぐ悟る。
(;^ω^)「地下であんなでっけえ鳥を飼ってんのかお」
信じられない光景であるが、下を覗き見て、
我々が足をつけているのが広漠な空間の中央を貫く、一本の橋だという事に気づく。
川 ゚ -゚)「底がまるで見えんな……しかし凄い場所だな」
アンデッドが蠢く死の地下迷宮である事に変わりは無い。
ただ、水の流れと迷宮の構造は未だ生きて機能しているようだ。
円柱状の空間を持つここは、内壁に地下水を張って芸術性を高めている。
光と縁の無いステンドグラスのように、この流水もまた、単なる美的効果であろう。
鳥篭に紛れて垂れるシャンデリアや、橋の左右に並ぶ燭台に明かりが灯されれば、
さぞ美しい造形美を堪能出来ようものだが。
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:44:47.83 ID:2/44s8sp0
- 支援
- 68 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 20:46:51.32 ID:i1ZurmDZ0
- しかし骸骨鳥や目の前に立ち塞がるアンデッドを見て、
この迷宮が死んでいると再三思い知らされる。
キャンドルなどの神秘的な明かりは無い。
数多の骸骨騎士や神官達の、妖しげな目の光のみが光源なのだ。
川 ゚ -゚)「どけ!」
オルトロスで先行するクーは白兵を斬り伏せて突き進む。
すると怪鳥達が嘴を円柱の間に突っ込んで妨害を始めた。
オルトロスは四肢を躍動させて嘴を飛び越えるが、連続する攻撃に進路を阻まれる。
そこでブーンはBLACK DOGを空中走行モードに切り替え、空間に躍り出た。
急接近して怪鳥を剣で両断し、あるいはBLACK DOGのマシンガンで破砕する。
次々にアンデッドどもから光が失われる。
それに代わり、浮遊する魂が弱弱しい輝点を用い、銀河のような光景を空間に作り出した。
依り代を失った魂の動きは決して遅くはないが、脅威とはならなかった。
無視して道を進もうとも追いつかれる気配が無い。
退魔の力を持たぬブーンでも無力化出来ていると、クーはブーンと敵の戦闘力を評価する。
橋での戦闘を難なく突破した二人を待っていたのは、
内陣で見た絵画と同じ人物が彫られた巨大な門であった。
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:46:57.17 ID:7JDoJ8lgO
- 前だけを進むんだ!
後退や左右に避けてはいかん!
- 70 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 20:48:43.74 ID:i1ZurmDZ0
-
( ^ω^)「この先が元居た回廊に通じてるとは思えないお。
アンノウンは、何の目的で僕達に迷宮を歩かせてるんだお」
川 ゚ -゚)「さてな。世界を消滅させようなんて企むサイコ野朗の考えなど想像できん」
川 ゚ -゚)「一つ言えるのは、穏便に済まぬという事だ。
恐らく強力な霊や魔の類が待ち受けているだろうな」
( ^ω^)「ゲームのシナリオ通りなら、それで間違いなさそうだお」
( ^ω^)「……この先に生体反応や熱源反応は無いお。
聞こえるのは風が抜ける音だけだお……ただ、妙に内部の温度が低いお」
川 ゚ -゚)「ほう、便利な機能を持ってるな」
( ^ω^)「魔の存在は捉えられないけどね」
川 ゚ -゚)「安心しろ。一先ず門の向こう側から気配は感じない」
ブーンは安堵の息を吐き、残る右手を門に押し付ける。
出力を一気に上昇させると、それまで固く閉ざしていた鉄の門がゆっくりと開いていった。
川;゚ -゚)「うおっ!?」
突拍子無く溢れ出た冷気に、クーは思わず顔を苦悶に歪めた。
垣間見える先は、凍りついた円形の広大な舞台であった。
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:50:29.40 ID:2/44s8sp0
- 支援支援
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:51:23.41 ID:7JDoJ8lgO
- フリージングコフィン支援
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:51:29.79 ID:DVSqVHBlO
- しえーん
- 74 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 20:51:41.55 ID:i1ZurmDZ0
-
(;^ω^)「なんだお……ここは……」
凍りついた舞台に二人は足を踏み入れる。
機械の身体故に寒さを厭わないブーンは、冷静に舞台を観察し始めた。
僅かだが光がある故、まず、光源たる天蓋に注目する。
遥か上方に張られたガラスの向こうに見えるのは、月。
あそこから突破して地上に出る事を思いついたが、アンノウンがそれを許さないだろう。
続いて注目したのは凍りついた床。
氷ではなく、床に大きなヒビがいくつも走っており、これは破壊された物と推測できる。
石造りとは言え、いくらなんでも老朽とは思えない。
内周。先ほどと同じく、壁一面が地下水による流水で『装飾されていたようだ』。
推測の域を出ないのは、この規模の流水が尽く凍り付いている為である。
しかし水の落ち場を作り出している大きな溝に氷など張られておらず、一切の足場は無い。
つまり飛行能力を持たない生物ならば、舞台から落ちれば一巻の終わりとなろう。
( ^ω^)(尤も、戦闘すればクーさんが不利、ってなだけだお。
ここに微弱な生体反応や動作は無い……)
と、クーを案じて横目を流して、ようやくブーンはクーが生身である事を思い出す。
厚ぼったいコートに身を包んではいるが、耐え切れない寒さのはずだ。
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:54:04.59 ID:2/44s8sp0
- ふーむ
- 76 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 20:54:40.74 ID:i1ZurmDZ0
-
気遣って声をかけようとするが、
(;^ω^)「あれ……もしかして平気なのかお?」
川 ゚ -゚)「ああ、何ともないな」
当の本人は平然としていて、オルトロスの背から辺りを見ていた。
クーは不思議がっているブーンに気づいて、耐寒の秘密を自慢してやろうと思いつく。
川 ゚ -゚)「実はショボンに連れて来られた時、そこは極寒の地だったのさ。
その際、このコートにショボンが魔法をかけてくれてな、おかげでポカポカだ」
( ^ω^)「へえ……つくづく魔法ってのは凄いもんだお」
川 ゚ -゚)「反面、恐ろしい力にも成り得る。門を開けてみりゃびっくり、
いきなり凍りついた舞台だぜ? こいつぁタダ事じゃねえ。間違いなく魔法の仕業だろう」
魔法の仕業。
その一言でブーンは寒さとは異なる感覚を覚え、無意識に身を引き締めた。
確かにタダ事ではない。
この舞台のみ、世界から切り離されたかのように、風景を変えているのだから。
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:55:45.25 ID:7JDoJ8lgO
- オルちゃんは紅蓮属だからねぇ。
凍り付いた場所も発火の能力で余裕
- 78 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 20:58:00.85 ID:i1ZurmDZ0
- 恐らくはこの先に居たであろう何者かの仕業であろうと、二人は容易に想像できた。
真正面、遠くに見える、邪悪且つ面妖な人物の肖像を描かれた巨大な扉。
肖像に顔は無い……破壊されたようだ。
しかし門まで続いていたはず道は、どうやら落とされたようだ。
川 ゚ -゚)「ブーン、この先に何か居るぞ。一際禍々しい気配を感じる」
魔に敏感なデビルサマナー・クーが緊張した声色で断言する。
( ^ω^)「アンノウン、かお?」
川 ゚ -゚)「かもな。だが……チッ、やはり簡単に先に通してくれそうも無い」
突然、大気が震える。地震とも思えるとてつもない上下の振動が二人を襲う。
舞台を覆う氷にヒビが走る。
凍りついた流水が破砕し、水が爆発的に溢れ出す。
激流と化した流水の装飾、しかしその流れを物ともせず、
舞台と内壁の間の溝からどす黒い塊が現れた。
魔について無知なブーンすらも禍々しさを覚える「それ」は、
流水を浴び、ぴきぴきと耳障りな音を立てて流水を再び凍りつかせて、
クーが依り代と呼んだ身体を構成させている。
《グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!》
それは産声か、それとも再生の感嘆なのだろうか。
巨大な雄叫びを上げて、魔は「氷の骸骨」という依り代を成したのだ。
10メートルにも及ぶ扉を上半身のみで覆い隠せるほど巨大。
隻眼が開かれ赤き光を放ち、歪な口から冷気と共に歪んだ声をずんと響かせた。
- 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:58:02.30 ID:ykUl9Sn90
- 合作世界での出来事に結構伏線仕込まれてたんだなーと思うとすごいなあ
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 20:59:24.46 ID:2/44s8sp0
- キタキタ!
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:00:33.25 ID:7JDoJ8lgO
- ヨグソドスjrイトーイ
- 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:01:49.65 ID:O5lWEuHg0
- 支援
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:01:52.18 ID:I69y44snO
- キテルーww
記念カキコ!後で見るまで続いてますように!
- 84 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 21:02:16.43 ID:i1ZurmDZ0
- ( ‰゚) 《我が王の眠る迷宮に侵入せし者どもよ……生きては帰さんぞ!》
対戦を宣言し、「魔」は右手を流水に入れる。
ゆらりと引くと、流水から戻した手の中には柄が握られていた。
「魔」は試すように握り直し、一気に引き抜く――巨大な氷刃を容赦無く舞台に滑らせる。
一機と一匹の猛犬は咄嗟に飛び、凶刃を回避した。
(;^ω^)「おい! 気配は感じねーって言ってなかったっけ!?」
川 ゚ -゚)「知らん、お約束の中ボスだろ。ちょっと中ボスに見えねーけど」
( ^ω^)「中ボスだろうが何だろうが、こんな奴デケェだけだお。
退魔戦のセオリー通り、依り代をぶっ壊して魂を叩く。それだけだお!」
( ^ω^)「BLACK DOG!」
シートから飛び降りると同時、
BLACK DOGの右サイドボディ――武器庫の一部を内臓して――が飛散する。
BLACK DOGはバイクとしての形状を保ちつつ、オーナーの意に沿ってパーツを委ねたのだ。
飛散したパーツ群は、失われたブーンの左腕の辺りに蒼色のマーカーを射出し、
強力な磁石同士が引き合うが如く、集合する。
視界の一部で文字が猛スピードで羅列する。
左腕限定でのBLACK DOGU『アーマーシステム』起動。
着装、神経接続及び電気系統接続を開始――完了。
アーマーシステム開始――B00N-D1本体から電力供給を開始――左腕強制パージまで残り35m。
システムディレイクとの同調を開始――データ更新完了。
グレネードランチャー選択――左腕変形完了。
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:03:16.31 ID:7JDoJ8lgO
- イボ太郎支援おやすみなさイトーイ
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:04:00.18 ID:2/44s8sp0
- イトーイ!
- 87 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 21:05:27.01 ID:i1ZurmDZ0
-
川 ゚ -゚)「すげえwwwバイクの一部が腕になりやがったwwwww」
( ^ω^)b「依り代の方は任せとけお」
川 ゚ -゚)「元よりそのつもりだ。本体は私達がやる」
銀管の一つを取り出し、封を解く。
此度も麗しき主の剣となるべく、漆黒の剣士ダンピール・ノーマンが召喚された。
直後、魔の氷刃が再度振り落とされる。
ノーマンとブーンは一歩出、ノーマンは大剣を持って、ブーンは左腕で受け止めた。
川;゚ -゚)「うおっ、ナイスタイミングでノーマン召喚した!」
悠長に自画自賛するクーに対して、ブーンは毒を吐く余裕は無かった。
でかいだけと罵った敵だが、流石に巨躯に見合う怪力の持ち主である。
足元に亀裂が入る程の圧力だ。さしもの二人も雄叫びを上げ、氷刃を跳ね返した。
(;^ω^)「あっぶねえ……ねえアンタ、人間に見えるけど、やっぱり違うのかお?」
ブーンは、共に初撃を防いだ男に耳打ちするが、
ノ)) - 从「……オルトロス、喰いやすいようにカットしてやる」
( #゚ω゚)(シカトかよ……! 揃いも揃ってコイツら感じ悪いお!)ビキビキ
- 88 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 21:08:37.23 ID:i1ZurmDZ0
-
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉) 「アアン? 最近ヨク喋ルジャネーカ! デモ余計ナ オ世話ダ!
俺様ハ 生キタ奴ヲ丸齧リスンノガ 好キナンダヨ!」
八つの目の内半分でノーマンの背を睨みつけるオルトロス。
残る半分の目で敵対する骸骨の全身を舐めるように見回し、牙の隙間から煙を昇らす。
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉) 「コレダケ デカケリャ 頭ガ2ツアル俺様デモ 満足!」
(;^ω^)「お前馬鹿かお? 体は1つだからどっちから食っても結局は同じじゃねーかお」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「小僧 オ前ダケハ俺様ガ丸齧リシテ ブッ殺ス」
川 ゚ -゚)「おいおい、馴れ合うのは後にしてくれ。ちと手強そうな相手だ。集中しろ」
(;^ω^)「分かってるお! あー調子狂う! 行くお!」
左腕で球型エネルギーカートリッジを放つ。
頭部を狙った砲撃。それを合図に、全員が走り出した。
巨人は極小の砲弾を刀身で受けたが、
ブーンは甲高い破砕音と共に刃が砕けると想像し、不敵な笑みを浮かべた。
- 89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:09:29.22 ID:2/44s8sp0
- 支援
- 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:09:42.68 ID:ascthrWfO
- 多分実力は十分な二人は精神面での成長を促されるんだろうな
- 91 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 21:13:12.46 ID:i1ZurmDZ0
- が、想像する破砕音は鳴らない。
口の端を下品に釣り上げたまま、ブーンは表情に焦りと戸惑いを混ぜて複雑にした。
(;^ω^)「マジかお……こりゃ、ドクオが知ったら落ち込むお」
ブーンは瞬時に危険を察し、蒼の爆炎の全体を窺う。
すると、炎の中で剣がゆらりと動いた動作を感知し、
(;^ω^)「全員飛べ!」
咄嗟にそう叫んだ。
炎から切先が現れると、クーもぎょっとした表情でオルトロスの髭を手前に引いた。
横殴りに迫る分厚い氷の塊。グレネードを受けた事で刀身に無数のヒビが走っているが、
それでもこの剣速と重量の攻撃を喰らえば、ブーンとてただで済む筈が無い。
ブーン、オルトロス、ノーマンは一斉にジャンプして刃を飛び越えた。
川;゚ -゚)「あ、あっぶねえ……」
眼下を一瞬で通り過ぎた巨大な刃に、クーは戦慄した。
意外にも巨人の剣戟は鋭く、速い。熟練の剣士が放つ見事な太刀とすら、クーは思った。
風圧で乱れたクーとブーンの頭髪がそれを物語っている。
クーに至っては、吐いた息が尽く白くなる気温だというのに額には汗が浮かんでいた。
( ‰゚) 《お許しください魔王様! また貴方の迷宮に傷をつける事を……!》
だが額を拭う間も与えられない。
重圧感のある声を喉奥から響かせ、今度は縦に剣を振り下ろす。
ブーンは後方で待機させていたBLACK DOGを呼び寄せる。
空中走行モードで走り去ろうとするBLACK DOGに飛びつき、コクピットに身を収めた。
- 92 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 21:16:50.02 ID:i1ZurmDZ0
-
(;^ω^)(まずい……舞台ごと破壊するつもりかお!)
ブーンが予想する通り、巨人は躊躇無く刀身を舞台に打ちつけた。
凍結された舞台は音を立てて粉々に割れ、引力により底へ落ちてゆく。
機械の黒犬は引力に逆らう事が出来るが、あの金色の化け犬はどうだ?
鉄塊を持つ巨漢もだ。クーは、空を飛ぶ術を持ち合わせているのだろうか?
底までの距離は3000メートルほど。
オルトロスとノーマンならば生き残る事は可能かもしれないが、しかし這い上がれるか?
(;^ω^)「クーさん!」
底に水が溜まっているのは集音装置を介して分かっている。
人間のクーなら、溺れて死んでしまうはずだ。
川 ゚ -゚)「大丈夫だ! 問題ない! それより攻撃が来るぞ!」
(;^ω^)「っつっても!」
クーを乗せたオルトロス及びノーマンは、無数に散った舞台の破片を
次々に飛び移る事で何とか落下に抗っていた。
問題ないと彼女は言うが、彼女はブーンが期待するような飛行能力を有する仲魔を繰り出そうとはしない。
このままでは遅かれ早かれ瓦礫と共に底へ沈んでしまう!
エンジン回転数を上げて彼女を救出したいが、しかし氷刃が行く手を阻む。
- 93 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 21:19:17.44 ID:i1ZurmDZ0
-
( ‰゚) 《おおお、お許しください魔王様。ああ、貴方が愛した舞踏の舞台を、
今度こそ破壊してしまった……しかし私は貴方を永遠に護ると誓ったのです!》
落下するクーに目もくれず、巨人は目の前で飛び交う小人を叩き落さんと剣と拳を振るう。
赤の隻眼は素早いブーンの動きを正確に捉えているらしく、
BLACK DOGのスピードを持っても情報処理システムは困難な回避行動を提示する。
クーの救助に向う隙を与えられず、ブーンは苦渋を顔に浮かべた。
(#^ω^)「クソ! クーさん! 底で待っててくれお!
こいつを黙らせてから救助に向うお!」
底へと落ち行くクーに向って叫んだ。
恐らく落下に抗っている最中であろうし、周りの濁流も喧しい。
返事には期待せず回避行動に集中していると、ブーンにとっては古めかしい銃声が下方より鳴る。
了解って事かお、そうブーンは捉えるが、すぐにそれを改める。
弾丸は全く異なる役割を与えられていた。
発射された五つの弾丸は激しい流水を突き抜け、宙に白色でラインを描いたのだ。
弾丸が、氷の緒を引いているのだ。
そうか、氷結弾と流水を利用し、空中に道を!
ブーンが理解したと同時、更に三つの筋が流水より飛び出す。
遅れて、クー達が氷の道を駆けて流水から姿を現した。
- 94 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 21:22:08.59 ID:i1ZurmDZ0
- 川 ゚ -゚)「だから問題ないと言っただろう。話を聞かない奴め」
オルトロス、ノーマンが氷のラインの終端でジャンプする。
一同は巨人の右肩に着地し、するとノーマンが先手を切って駆ける。
オルトロスはノーマンに向けて炎を吐き、ノーマンは剣を振るって炎を刀身に纏った。
ノ)) - 从「フッ!!」
巨人の首筋に、途方も無く巨大な剣が通る。
深く穿たれた一文字形の切り口から灼熱の炎が走り、氷の肉体を内部から溶かす。
皮一枚というところまで炎が首に行き渡ると、重さに耐え切れずに頭部が千切れる。
( ‰ ) 《ぐ、お……魔王……様…………》
血や血管の代わりに、どす黒くも美しい輝きを持つガス状の物を勢いよく吹き出しながら、頭部は落下する。
氷で成した巨人という容器の、その中身たる魂が全て放出されるのだろうか?
天蓋に向って、止め処なく溢れる魂が上昇してゆく。
ブーンはその様を唖然と見ている他無かった。
(;^ω^)「……全く働けてねえお。ま、いっか。エネルギーは節約できたお」
あれは退魔の力を持たぬ自分にはどうする事も出来ないのだ。
このままクー達が魂に引導を渡してくれるだろう。
勝利を確信した矢先、依り代であった氷の巨人が音を立てて崩れる。
クー達は依り代の崩壊を予感していたかのようで、既に元の氷の道に戻っていた。
川 ゚ -゚)「
ブーン! まだだ! まだ終わらんよ!」
そしてクーは、愛刀「赤光葛葉」をノーマンに手渡し、こちらに向けて思い切り投げさせたのだ。
- 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:23:51.49 ID:O5lWEuHg0
- シャアかいw
- 96 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 21:25:41.93 ID:i1ZurmDZ0
-
川 ゚ -゚)「すまんが足場がこうも悪い! これだけデカイ魔を両断できるのは
飛行可能なお前以外にいない! 任せたぞ!」
(;^ω^)「え、ちょ、マジかお!? 凶悪な怨霊に触られただけでヤバいっつったのアンタだお!?」
川 ゚ -゚)「ド素人が案ずるな! 安心しろ! 赤光葛葉がお前を護るはずだ!」
急に、微弱ながらも天蓋から差し込んでいた光が途絶えた。
依り代が魔を噴出して吹き溜まった天蓋を見上げると、魔が蠢いていたのだ。
ただ不規則に蠢いているようではない。何かを、象ろうとしている。
( ‰゚)《私ハ コノ門ノ番人ダ! 私ハ絶対ニ屈サヌゾ!》
躊躇して様子を窺っている内に、魔が、魂が、頭蓋骨を模った。
円筒状の空間を隙間無く埋めるほど巨大な頭蓋骨は顎を上下に開き、
ブーン達を飲み込まんと急降下を始めた。
( ;゚ω゚)「システムが反応しない!?」
自身に芽生えた霊感が働き、機械で得た視覚情報を基に脳が骸骨のビジョンを作り出しているのだろう。
これは生身の人間の視覚と全く同じ仕組みだ。
だが対物感知センサーは魂を対象と認定しない。
故に情報処理システムが骸骨の降下スピードを測定する事は不可能なのである。
熱量も、音も、機械は確かに目の前に存在する骸骨から、何も拾わない。
非現実的な光景と状況。それでも既に、己の精神的な要素がこの全てを現実と悟っている。
ブーンは数多の戦闘経験に基づき、BLACK DOGの速度とクーとの距離、
クーを救出して門まで逃げるまでの所要時間、骸骨の攻撃直撃までの時間を勘で推定する。
- 97 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 21:28:30.47 ID:i1ZurmDZ0
-
( ;゚ω゚)「だ、だめだ! 逃げれないお! こんなの僕には無理だお!」
しかし退避は不可能。ブーンは戦慄する。
「ナマ」である故に精神的な影響を受けやすい胃に気持ち悪さを覚える。
吐きそうな気分だ。死の恐怖か? いや違う、そうではない。
街で何度も味わった死の恐怖とは似て異なる恐怖だ。
寒々しく、真に迫る何かが、自分の身体の中を駆け巡っている。
身体がうまく動かない! 違う! 動かし方が分からない!
「おばけなんてなーいさ!」
( ;゚ω゚)「えっ!?」
川 ゚ -゚)「おばけなんてなーいさ! おばけなんてウーソさ!」
川 ゚ -゚)「おい! ノーマン! お前も歌え! ブーンを応援するんだ!」
ノ)); - 从「お……お……おばっ……」
川 ゚ -゚)「ノーマンwwwwwwwwwww」
そのフレーズは日本生まれのブーンには聞き覚えがあった。
いつ何処で聞かされた歌のフレーズだったか……分からないが、
もはや思い出の中にしか存在しない日本語の歌は、ブーンに勇気を与えるのだった。
失った冷静を取り戻すと、魔だの悪霊だのを語っていたデビルサマナーが
おばけなんて嘘だと歌っているのが可笑しくなり、思わず噴出してしまった。
- 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:29:05.11 ID:2/44s8sp0
- 支援
- 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:30:09.99 ID:ZLHTeOCI0
- おばっ!おばっ!
- 100 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 21:31:21.21 ID:i1ZurmDZ0
-
赤光葛葉を握り直し、正眼に構えた。
BLACK DOGがエンジンに火を入れ直すように、大きく吼える。
( ゚ω゚)「おばけなんてッ――――」
刀が放つ赤光がブーンに纏う。
( ゚ω゚)「怖くないお――――――――!!」
BLACK DOGのバーニアンが爆発的に噴射し、瞬時に最高速度へ達する。
退魔刀を突き出すようにして構えるブーンは骸骨に対し斜に切り込み、
銀河を彷彿させる空間の中を疾走した。
暗視を起動しても暗いままの視界。
だが、確かな手応えを感じている。
刃で暗闇を斬り進む手応えが消えると、先ほどよりも月が近くにあった。
陽光に目を擽られて目覚めるように、月光を浴びて我に返ったブーンは後ろを見やった。
それまで充満していた魔は一切も存在せず、空間に月の光が行き届いていた。
クー達の姿がはっきりと見える――拳を握って僅かに笑みを浮かべるクーが見える。
ブーンは赤光葛葉を掲げ、それをクーへの勝利の報告と感謝の意とするのだった。
- 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:31:24.59 ID:DI9SSdZ2O
- 見てるぞ。支援
- 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:33:10.01 ID:DVSqVHBlO
- イケメンだおだおがおばけなんてこわくないだなんて……不覚にも萌えた
- 103 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 21:34:07.70 ID:i1ZurmDZ0
-
川 ゚ -゚)「よーしよくやったー! だけど早く刀返せコラ!
月をバックに気取ってんじゃねえ! 持ってないと落ちつか――」
―――――川;゚ -゚)―ゾクッ――――
何かが今、駆け抜けた。酷く冷たくて強大で気配だった。
気配は迷宮全体に広がり、滞留しているようだ。
引いていた不快な汗が再び額を濡らす。
オルトロスとノーマンも同じ気配を感じたようで、臨戦態勢を解こうとしない。
ノ)) - 从「……主よ……」
川;゚ -゚)「ああ……なんだ? 門の向こうから感じるこの気配は……?」
ノ)) - 从「パンゲアの連中でも、これほど巨大な気配を持つ者は少ないな……」
(;^ω^)「お? いきなり高エネルギー反応を検出……?
急激な気温変化も現れた……もう魔だの霊だのは勘弁してくれお……」
それぞれ洗練された第六感と機械が捉えた冷気。
死霊なのか、それとも別の何かが?
魔の専門家にも精密機械の持ち主にも特定する術は無いが、しかし確信していた。
恐ろしい何かが、生まれたのだと。
天蓋に見える月は、いつの間にか姿を消していた。
この巨大な気配から逃げられる月を、クーは少し羨んだ。
- 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:34:18.38 ID:O5lWEuHg0
- 支援w
- 105 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 21:37:08.29 ID:i1ZurmDZ0
- ※
舞台の根下、最深部。
流水が集合し、静かに排水される中、珍しくそれ以外の音があった。
舞台とは約3キロ程の距離がある地底中の地底が故に、
熟練のデビルサマナー葛葉ライドウことクーは
氷の魔人を始めとする“彼等”の存在に気づけなかったのだ。
舞台の底は、かつての戦士達の死霊が蠢く、迷宮の奈落と化していた。
太陽が天蓋に姿を見せようとも光が届かぬこの奈落にて、
水面の上で浮遊する彼等は念波で囁きあっていた。
《オオ……コノ波動ハ……懐カシイ……コノ懐カシイ感ジハ……》
《アア、我等ノ王ガ、遂ニ オ目覚メニナラレタノデス……!》
《オオッ!!……シカシ、我等ハ……ソシテ、王ハ……》
《ウム……嘆カワシキ事カナ……。
王ヨ、貴方ガ永キニ渡リ眠ル間ニ、コノ世界ハ変ワッテシマッタ……。
セメテ貴方ヲ守ル為、勇敢ニ戦ッタ戦士達ヲ、讃エテ下サレ……》
__
- 106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:38:20.11 ID:O5lWEuHg0
- 合作世界の魔王か?
支援
- 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:38:59.32 ID:2/44s8sp0
- しえん!
- 108 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 21:40:17.71 ID:i1ZurmDZ0
- ※
BLACK DOGに乗り込む為に、一度は封魔管にノーマンとオルトロスを戻したクーだが、
地面らしい地面をようやく足で踏みしめると、再び魔を繰り出した。
後ろは断崖絶壁、凍てついた門を前にして、錚々たる顔ぶれが並んでいる。
ノ)) - 从「……」
自身の長身を凌駕する長剣を振りかざすハーフヴァンパイア、ノーマン。
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「アンチャン 俺 腹減ッタ」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「小僧、少しは我慢できんのか」
双頭を持つ金毛の魔犬オルトロス。
そして彼がアンチャンと呼び親しむ銀毛の魔犬、ケルベロス。
|||;゚ - ゚||「ライドウ様ぁ! 何故先ほどの戦いで私を呼ばなかったのですかぁ!?」
魔槍ゲイボルグを片手に駄々をこねる戦士、クー・フーリン。
(;^ω^)「お前ら並ぶとすげえな。ホントに何の集団なんだお」
川 ゚ -゚)「そして、近未来の世界からやってきたサイボーグ、キカイダーブーン」
(;^ω^)「おいやめろ! こいつらと一緒にすんな!」
- 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:44:16.16 ID:ZLHTeOCI0
- さるーさるー
- 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:44:23.64 ID:2/44s8sp0
- わっふるわっふる
- 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:45:29.65 ID:g8CTQAXB0
- 支援
- 112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:45:49.76 ID:DI9SSdZ2O
- あなたは猿らせない。私が支援するもの。しえ
- 113 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 21:49:57.73 ID:i1ZurmDZ0
- ∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「小僧! サッキカラ我等ヲ コイツダトカ ペットダトカ!
ホントニ 丸齧リ シテ 殺スゾ! 俺 腹ペコペコダシ!!」
川 ゚ -゚)「オルトロス、マテだ、マテ」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「何も知らぬ餓鬼が。
我等は、現世に住まう下賤な人間が軽々しく口を利ける存在ではないぞ。
ライドウの仲間でなかったら、とうに小僧が食い殺してるところであったわ」
( ^ω^)「口が利けるなんて利口なワンチャンだと思うお。えっと、ケルベロスちゃんだっけ?
君の方が難しい言葉を知ってるんだおねぇ。ほら、お手お手」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「……ライドウ、この餓鬼、殺してよいか?」
川 ゚ -゚)「悪いなケルベロス、こいつは異世界から来た人間なんだ。
事が片付くまでちっと待ってやってくれ」
|||;゚ - ゚||「聞いてるんですかライドウ様!? 何故私をもっと早くお呼び下さらないのです!?
この金髪ロンゲ野朗などより私の方がずっとお役に立てたはずです!
ノーマン! お前からも進言してくれ! ライドウ様ぁ〜〜!」
(;^ω^)「さっきからコイツうるせえな。ノーマンもガン無視してるじゃねーかお」
川 ゚ -゚)「すまん、見ての通りウザキャラなんだ。今は猫の手も借りたい気分でね。
あの門の向こう側で巨大な魔の気配を感じるもンでな」
猫じゃないけど犬なら二匹も揃ってるじゃねーかお。十分じゃねーかお。
だからせめてウザったいコイツを引っ込めてくれお……。
と言うとまた面倒になりそうなので、ブーンは胸中でそう愚痴った。
- 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:50:00.32 ID:2/44s8sp0
- もひとつ支援
- 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:53:05.08 ID:Th+2nr4sO
- しえしえ
- 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:54:17.19 ID:Th+2nr4sO
- 回復なしのイベントバトル連続はツラいです……
- 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:54:29.06 ID:Ilwyp9Bb0
- 猫の手支援
- 118 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 21:55:01.74 ID:i1ZurmDZ0
-
( ^ω^)「馴れ合いはさておき……門の向こうに感じる存在って?」
胡散臭い連中から目を移し、門を見つめるブーン。
双眸や、頭部両脇に搭載されたアンテナ型のセンサーは確かに高度のエネルギーを感知し続けているが、
情報処理システムは今までの記録に無い新たなデータを提示している。
唯一判明しているのが、エネルギーの中心体が存在しているという事。
その正体が魔なのか、モンスターなのか、あるいはアンノウンなのか……。
判断をデビルサマナーであるクーに尋ねるが、しかし彼女も浮かない表情を浮かべ、
川 ゚ -゚)「分からん。が、霊体とは異なる気配だ」
( ^ω^)「では、生きた存在だと?」
川 ゚ -゚)「断言できんが、そうだろうな」
( ^ω^)「……アンノウンかもしれないお」
川 ゚ -゚)「まさかと思うがブーン、臆しているんじゃないだろうなぁ?」
( ^ω^)「まさか。僕は下らないゲームを早く終わりにしたいんだお。
さっさとアンノウンを倒して、ツンを救いたいんだお」
川 ゚ -゚)「同感だ。しかしお前、元の世界に戻るよりツンを優先に考えてるのか。
少しだけお前の事を感心したよ。意外に人情があるんだな、キカイダー」
- 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:56:00.02 ID:2/44s8sp0
- しえんしえん
- 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:56:20.34 ID:Ilwyp9Bb0
- しええん
- 121 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 21:57:32.19 ID:i1ZurmDZ0
-
( ^ω^)「人の事を機械みたいに言うなお。こう見えてもアンタと同じ人間なんだお」
川 ゚ -゚)「ちげーよ。お前の性格ひねくれてっから少しそれを改めただけ」
(#^ω^)「アンタに言われたくねえお……」
川 ゚ -゚)「でも私はお前の事、嫌いじゃない。愚直だが仲間想いの良い奴だと思うぞ」
(;^ω^)「ま、真顔でいきなり何を言い出すんだお!?」
川 ゚ -゚)「照れるなきもちわりい」
( ^ω^)「きもちわりいはコッチのセリフだお。
……でも僕も、アンタの事は嫌いじゃないお」
面と面を向かい合わせる二人は、ニヤリと口を釣り上げた。
地下に送られた数時間前は、こんなやり取りをする事とは二人とも考えもしなかった。
現実的な存在であるブーン、非現実的な存在のクー。
その二人の結託は氷の魔人を打倒し強くなり、そして巨大な気配と対峙する今、更に深まる……。
深まる必要があると悟っているのだろう。
彼等が互いに戦士である故、本能で。
- 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:57:34.83 ID:Ilwyp9Bb0
- 支援
- 123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:59:38.20 ID:g8CTQAXB0
- 支援
- 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 21:59:38.45 ID:Ilwyp9Bb0
- 私怨
- 125 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 22:00:46.44 ID:i1ZurmDZ0
-
川 ゚ -゚)「……では、」
( ^ω^)「行くとしますかお」
ブーンは右腕のBoosterを起動し、凍れる鉄の門を押して開ける。
二人とも予想していた通りの冷風が一同を襲った。
生身の人間であるクーが顔を顰めるだけで済んだのはショボンのおかげだ。
着慣れた紺色のコートから感じる不思議な暖かみにクーは愛おしさを覚え、
ぎゅっと袖を握り締めた。
川 ゚ -゚)(この世界のショボン……私は必ずこの戦いに勝利し、再びお前と会おう)
風を受けて靡く二つの布切れ。
額を飾る一つは黒く、右腕に巻かれた一つは紅い。
スネークの遺志を今一度心に戒め、そして消えたツンの行方を是が非でも知ろうとブーンはリボンに誓う。
(#^ω^)(アンノウン……お前だけは絶対に僕が討つお……!)
門は開き、一面が隙間無く凍りついた広大な間が現れる。
凍りついた王座があるが、そこに鎮座する者はいない。
だが王の間の中心で膝を付く者がいる――アンノウンか!? 全員が一斉に構えた。
- 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:01:06.20 ID:2/44s8sp0
- うむうむ
- 127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:03:09.15 ID:HEGg+Rjy0
- 支援
- 128 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 22:04:11.48 ID:i1ZurmDZ0
- その者がエネルギーと気配を撒き散らしているのだと、直接対峙してすぐに悟った。
その者は折った膝を伸ばし、床に足をしっかりと根下ろすと、
物々しい音を立てたブーン達を鋭い猫目で睨みつけた。
川 ゚ -゚)「こいつは……肖像画の……」
(;^ω^)「迷宮の主と思われる人物だお」
特徴的な猫目、尖った耳。
朽ちていても品位の高さが窺える衣服と装飾品の数々が、
この者に代わり迷宮の主である事を語っている。同時に、アンノウンでない事も。
アンノウンは剣を持っているはずだからだ。
眼前の人外の諸手に剣は握られておらず、特にブーンは落胆した。
だが、二人とも警戒心は手放さなかった。
人外そのものから放たれる解析不能のエネルギーは今も尚上昇し、
それに比例して周囲の気温はマイナスへと進んでいるのだ。
クーも、コートの魔法を抜けて突き刺さる冷気を、そして強い魔の気配を感じている。
( ФωФ)「人間……我等魔に近い者もいるようだが……」
ブーン達を睨みつける目は鋭いものの、呟く声はたどたどしい。
まるで目覚めから冷めたばかりの人間が調子を確かめるように声を発するような……。
まさに寝起きなのだろうか、彼はゆっくりと周囲を見回す。
そう思わされる彼の行動を窺っていると、ブーン達は彼と共に一つの氷像に気づく。
- 129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:06:02.90 ID:Ilwyp9Bb0
- 支援
- 130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:06:09.06 ID:2/44s8sp0
- ろまろま
- 131 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 22:08:07.63 ID:i1ZurmDZ0
-
(;^ω^)「あの中に人が入ってる! アイツが氷漬けにしたのかお!?」
川 ゚ -゚)「かもな。氷からあの男と似たような気配を感じる」
一つ疑問が解明されれば、また新たな疑問が頭に入り込む。
ブーンとクーは再び思考するが、
(;ФωФ)「ふ、ふはははは! 勇者よ! 余の勝ちだ!
いくら貴様が勇者とは言えやはり人間! 余の氷の秘術に耐える“時”は持てぬか!」
突然発せられた快声で思考を止める。
怪訝に思いながら、高らかに笑い続ける人外を監視した。
……よほど大きな勝利だったのだろう。完全に酔いしれていると、第三者たるブーン達にも分かる。
彼は尚も笑い声を響かせて、ゆっくりと氷像に近づいてゆく。
( ФωФ)「………。誰だ、この人間の女は……?」
しかし魔王は、氷に囚われた少女の顔を見ると笑うのを止めた。
そして氷漬けの人間の少女を、訝しく、忌々しげな瞳で見つめた。
川 ゚ -゚)「いや、あれが勇者じゃないの?
けどあの女、さすがに凍えて死んじまったのか」
(;^ω^)「……勇者と魔王ってかお。そして魔王は長い眠りから目覚めた……と。
ってことは、寝ぼけて記憶が曖昧になってるのかもしれないお」
- 132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:09:23.84 ID:2/44s8sp0
- ?
- 133 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 22:11:28.57 ID:i1ZurmDZ0
-
川 ゚ -゚)「奴の言動と挙動から察すると、そのようだな。
迷宮の老朽を鑑みると、途方も無いほど長い時間おねんねしてたっぽいな」
(;^ω^)「こいつら化物に老朽やらを気にする趣味があれば、の話だけど」
( ФωФ)「100年だ」
魔王は少女からブーン達に視線を移し、続ける。
( ФωФ)「100年の時を経て、余は目覚めたのだ。
貴様等、秘術から復活した余を殺しに来た新たな勇者であろう?」
( ФωФ)「フン、馬鹿めらが。光の魔法体系の創始者たる勇者が
帰還しなかったと知ったろうに、なぜ余に刃向かおうとする?
最後の希望を失った貴様等人間が、この魔王に毛筋程の傷を付けられるとでも?」
(;^ω^)「ああもう! ついていけっかお! 秘術? 光の魔法体系?
挙句の果てに僕達は勇者? 勘弁してくれお!」
川 ゚ -゚)「ものっそい勘違いをしてらっしゃるみたいだな。
私達が討ちたいのはお前ではなく、アンノウンだ。
このブーンが言うように私達は勇者なんてこッ恥ずかしいモンじゃねえ。っつーかお前誰?」
( ФωФ)「なるほど、勇者ではないか。単なる迷い人か?
だが貴様等が何者であろうと、人間は我等が魔族の世から抹消せねばならん存在……」
- 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:13:08.40 ID:2/44s8sp0
- sienn
- 135 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 22:14:43.55 ID:i1ZurmDZ0
-
( ФωФ)「せめて名誉をくれてやる、迷い人よ。
余の復活と魔族の世の始まりを、貴様等の血で祝福してやろう」
魔王はブツブツと口を忙しく動かす。
集音装置でそれを聞けるブーンは、ツンの魔法詠唱に似ていると気づく。
詠唱を終えた魔王は全身に蒼く寒々しい光を纏った。
そして右手を掲げ、握り込むと、全身を覆う光が右手に集約していった。
( ФωФ)「ハァァァァァァァァァ……凍れる太陽、Nible Heime!!
汚らわしき人間共よ、我が深淵の冷気に凍えよ!!」
握った手を開くと、蒼白い球体が掌から生まれた。
魔王が凍れる太陽と呼ぶ球体は魔王の頭上へと昇り、
冷気と共に不気味な光を放ちながら低速回転を始めたのだ。
- 136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:14:57.53 ID:Ilwyp9Bb0
- 支援
- 137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:16:15.47 ID:Ilwyp9Bb0
- ツンデレブラーデ支援
- 138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:16:37.25 ID:2/44s8sp0
- しえん
- 139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:17:27.54 ID:Qb24ppXt0
- ロキさんの得意技か
- 140 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 22:17:59.18 ID:i1ZurmDZ0
-
(;^ω^)「あの球体……やばすぎるお……!」
ブーンの視界で、デジタルの数字がマイナス方向へ進み続けている。
止まらない。止まる様子が無い。
蒼白い球体を中心に周囲が急速に凍てついてゆく……凍れる太陽がこの場を、
あらゆる生命を凍てつかせる超低温の世界に作り変えているのだ。
(;^ω^)「戦闘から逃げる……って選択は勿論……」
川 ゚ -゚)「ゲームならボスバトルだろ。ムリムリ」
しかしブーンは後ろを振り返ってみる――退路は、
(;^ω^)「ですよねー」
アンノウンにより塞がれてしまっている! “にげられない!”
(;^ω^)「アンノウンめ! 僕達をこいつと戦わせる事が目的だったのかお!
めんどくせえけどこうなった以上、やるしかないお!」
川 ゚ -゚)「肩慣らしならもう十分足りてるんだがな……まあいいだろう。
この世界のショボン達の為に掃除してやるのも悪くない」
アンノウンが用意したシナリオの最後をクリアする為、
サイボーグとデビルサマナーは、復活した異世界の魔王に立ち向かう――――。
- 141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:18:11.18 ID:O5lWEuHg0
- しぃ生き返れー
- 142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:19:52.13 ID:2/44s8sp0
- しえーん
- 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:22:18.59 ID:g8CTQAXB0
- 支援
- 144 名前: ◆jVEgVW6U6s :2010/12/18(土) 22:22:45.34 ID:i1ZurmDZ0
- ここで前半と致しまして本日の投下は終了です!
後半の投下は明日です!
ちなみに前半は街狩りが、後半は大麻さんが書いております
後半もお楽しみに!
- 145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:23:28.33 ID:O5lWEuHg0
- 大麻かよ……
でもとりあえず乙です!
- 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:23:53.02 ID:2/44s8sp0
- 乙でした!
- 147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:25:38.42 ID:DVSqVHBlO
- 乙でした!
- 148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:27:09.80 ID:Ilwyp9Bb0
- 乙!
- 149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:34:06.38 ID:g8CTQAXB0
- 乙
- 150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 22:43:29.80 ID:ascthrWfO
- 乙でした
- 151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 23:42:01.69 ID:2/44s8sp0
- ほ
- 152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/18(土) 23:55:32.22 ID:6zJ7Me/NO
- 読めたーおつ
- 153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 00:14:19.13 ID:BYHc3BaA0
- 保守
- 154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 00:15:30.49 ID:SrOuBLqr0
- 今読み終えたー乙!!
街狩りの描写は好きだ
昔
おばけなんてなーいさっ おばけなんてうっそさ
ねーぼけた馬鹿が 見間違えただっけさ
って歌ったらものすごい寒気がしたの思い出した
寝ぼけた人が 見間違えただけさ
なんですよね
- 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 00:25:45.87 ID:qjnOMcmS0
- クーの口調に違和感
- 156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 01:39:14.24 ID:tJz1Xvvy0
- ho
- 157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 02:17:58.45 ID:NGDibR+a0
- お
- 158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 05:35:16.38 ID:txzBaZY6O
- ほ
- 159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 08:41:24.29 ID:XUZBTT1/0
- 乙
- 160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 09:48:10.96 ID:ej2UKldn0
- よし保守
- 161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 11:27:35.72 ID:0QiRAgVc0
- ほ
- 162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 12:23:18.07 ID:BLURXCI00
- ん
- 163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 13:00:16.76 ID:0QiRAgVc0
- も
- 164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 14:29:50.90 ID:BLURXCI00
- の
- 165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 15:24:38.67 ID:txzBaZY6O
- の
- 166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 15:52:15.68 ID:h5kowfrtO
- ふ
- 167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 15:57:59.98 ID:1Je626nsO
- ぃ
- 168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 16:55:39.40 ID:txzBaZY6O
- れ
- 169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 17:16:23.05 ID:1Je626nsO
- ん
- 170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 17:26:11.89 ID:nu9dOLkd0
- く
- 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 17:33:34.70 ID:v4pbJuGj0
- と
- 172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 17:42:22.93 ID:iKIOW2xTO
- △
- 173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 17:56:39.19 ID:tp71FQQ80
- 『闇の審判』
| | | | | | | チャラッチャラッチャーン♪ミヨヨヨーン…
________.
\ |\
\ (‘_L’) | \
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
- 174 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 18:36:23.94 ID:fIc/4S7E0
- 大麻街狩パート、後半投下します
- 175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 18:38:01.03 ID:BYHc3BaA0
- きたきた!
- 176 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 18:40:40.53 ID:fIc/4S7E0
-
( ФωФ)「貴様らは、余の体に触れることすらなく砕けて死ぬ 」
ロマネスクは何事かを呟きながらゆっくりと右掌を掲げる。
クーとブーンはこの行為が何か知っている。
ショボンが、或いはツンが見せた魔法の詠唱に他ならない。
( ФωФ)「人間如きとの戦いなど楽しむべくもない。
全員即座に消え失せよ!!」
言葉と同時に、掲げた右手を力強く握った。
ロマネスクの周囲に、冷たい光が輝き、次の瞬間には拳ほどの氷が浮遊している。
とんでもない数だ!!
ロマネスクは握った拳を頭上から正面に突き出す───
( ФωФ)「言葉を発することは許さぬ。
死ね!!」
- 177 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 18:42:12.02 ID:fIc/4S7E0
-
弾けるように拳を開いた。
同時に100や200では納まらない雹のような礫が、理不尽なスピードで一斉にブーン達に襲い掛かる!!
(; ^ω^)「いきなりかお、畜生!!」
だがブーンはすでにBlueMachingunをロマネスクに向けていた。
そして引き金を引く。
嵐のような青い光の弾丸が、遅い来る氷群を精密機械のように正確に砕いていった。
川 ゚ -゚)「焼き尽くせ!!」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「噴ッ!!」
コルトライニングから火炎弾が文字通り火を噴く。
命令を聞いた二体の魔獣は灼熱を吐く。
炎の弾丸と地獄の獣の炎は、広範囲に飛来する氷の刃を即座に水と変え水蒸気と変えた。
- 178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 18:42:14.66 ID:BYHc3BaA0
- 支援
- 179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 18:42:27.17 ID:k4g9wgBtO
- ちょうどきた!
支援!
- 180 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 18:44:18.95 ID:fIc/4S7E0
-
ノ)) - 从「………」
そしてあらゆるダメージを物ともしないダンピールは、氷と炎が荒れ狂う中、既に疾走している。
ロマネスクにしてみれば、氷炎の嵐の中から巨人が現れたかのように見えただろう。
そしてその巨人は、殺傷力抜群の大剣をロマネスクの頭上に食い込ませんと振り被っている。
( ФωФ)「貴様……」
ロマネスクが何かを言おうとしたが、ノーマンには一切関係ない。
全身の筋肉を凝縮し、一気に解放、巨大な鉄塊を神速で振り下ろす!!
ノ)) - 从「!!」
必殺の間合い、滅殺のタイミング。
だがノーマンの巨剣が固いものに阻まれた。
(# ФωФ)「貴様……なぜ人間などに加担している?」
ロマネスクは怒りを孕んだ声でノーマンに問いかけた。
心臓が凍りつくような恐ろしい声だ。
ロマネスクはノーマンの剣に勝るとも劣らぬ、巨大な氷の斧でノーマンの攻撃を防いでいた。
- 181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 18:45:15.03 ID:BYHc3BaA0
- ほほう
- 182 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 18:46:16.34 ID:fIc/4S7E0
-
(# ФωФ)「魔族の貴様が、何故人間のために戦うのかと聞いている!?」
ノ)) - 从「ッ!?」
ロマネスクはノーマンが何者か気付いた。
確かに人ではない。
吸血鬼と人間のハーフであるダンピールに、魔族の気配を感じ取ったのだ。
ノーマンはロマネスクの怒気に気後れすることはない。
だが、自分の剣に起こっている異変に気付いた。
剣と斧が触れている箇所───
───凍りついている!!
ノーマンは即座に飛退いて距離を取った。
それは賢明な判断だったと言える。
あと数秒遅かったら、剣を通して自身の体が氷の彫像と化していただろう。
- 183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 18:47:44.49 ID:BYHc3BaA0
- しえしえ
- 184 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 18:48:29.96 ID:fIc/4S7E0
-
|||゚ - ゚||「この者を魔王の一種と断定します!!
力だけでは倒すことは出来ません!!
魔王を滅ぼすのは、極めに極めた技のみです!!」
ノーマンの巨体の背後から突然現れるのは、槍を既に引き、ロマネスクに照準を定めたクー・フーリン。
幻想世界の英雄が、歯を食い縛り力を込めた槍を、魔槍ゲイボルグを突く。
そこから飛び出すのは30の刺突。
八相を発破せんばかりの無双の技だ。
(# ФωФ)「貴様もか……。下らぬ技よ!!」
ロマネスクは軽く右手を突き上げる。
即座に分厚く高い氷の壁が出現し、クー・フーリンの刺突を尽く防いだ。
わけもなく、簡単にだ。
|||゚ - ゚||「チッ……、相当な使い手───」
川 ゚ -゚)「……お前、もう引っ込むか?」
|||;゚Д゚||「えぇっ!?」
- 185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 18:48:30.25 ID:3cx96onj0
- 今日はやくね?
支援
- 186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 18:50:33.32 ID:BYHc3BaA0
- がんばれー
- 187 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 18:50:55.16 ID:fIc/4S7E0
-
( ^ω^)「クーさん!!
特にアイツの周囲50cmくらいだけど、超低温の膜みたいなのがあるお!!
近づいたらやばい!!
それに……!!」
ブーンはニブルヘイムに目を遣る。
( ^ω^)「アレが気になり過ぎるお!!」
気温の低下を招いている二つの元凶。
一つは凍れる魔王ロマネスクそのもの。
そしてもう一つこそ、戦闘開始時にロマネスクが生み出した極寒の太陽、ニブルヘイムだ。
ロマネスクはその場にいるだけで周囲に低温を招く。
そのリミットは-50℃程か。
しかしニブルヘイムはまさに冷気の太陽。
無限のマイナスエネルギーは、いずれ-273.15℃、絶対零度へと辿り着く。
川 ゚ -゚)「近づいたらやばいからと言って、少々の飛び道具は意味がないぞ?
ウチの役立たずが証明して見せたが 」
|||;-Д-||「………」
川 ゚ -゚)「アレのせいでタイムリミットもあるわけか……」
- 188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 18:52:18.15 ID:BYHc3BaA0
- ふむふむ
- 189 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 18:52:27.94 ID:fIc/4S7E0
-
( ^ω^)「まぁ、この未来のテクノロジーの結晶様に任せとけおwww。
短期決戦は接近戦に限るお。
ちょっと美味しいとこ貰ってもいいかお?」
川 ゚ -゚)「キカイダーが言うじゃないか。
良いだろう。この私と愉快な仲魔達がサポートしてやる 」
( ^ω^)「要らんかもね 」
ブーンは太もものホルダーからバトンのような物を手にする。
そして握り込む。
青い光のエネルギーの刃、これまでに何度も見せたBlueBlazeBladeをブーンは選択した。
( ^ω^)「ファンタジーだし、魔王に立ち向かう勇者は剣じゃないといかんおJK 」
ブーンはエネルギーの剣を軽く振る。
青い光が炎のように揺らめいた。
これを見るロマネスクは記憶の中にある、一人の人間を思い出していた。
( ФωФ)。o ○(光の……剣……?
シースルー・インビジブルの他にも使い手が……?
ぬぅ!!頭が……!!)
- 190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 18:53:55.32 ID:3cx96onj0
- ブーンかませ化フラグ
- 191 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 18:54:12.38 ID:fIc/4S7E0
-
≪(??「雰囲気出していかないとね!!」≫
その人間がロマネスクの頭の中で叫ぶ。
直後───
( ^ω^)「雰囲気出していくお!!」
同じセリフをブーンが叫ぶ。
ブーンは一気に距離を詰める。
構えは無い。
質量がゼロに等しいBBBladeに一切の構えは不要!!
( ФωФ)。o ○(そうだ!!
あの勇者が戦いの中で同じ事を!!
何故だ!?なぜ断片的にしか思い出せん!?)
戦いの中、ロマネスクの脳裏に紛れ込んでくる違和感。
だが、彼以外それを認識している者はいない。
認識しているとすいれば、それはロマネスクが恐るべき敵であるということ。
( ^ω^)「ぶった切れろ!!」
天才ツン・ディレイクが技術の粋を集めた体だ。
些かの無駄もなく、ロマネスクの首を狙う。
- 192 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 18:56:30.86 ID:fIc/4S7E0
-
( ФωФ)「……小賢しい!!」
だがロマネスクの戦闘能力はテクノロジーを凌駕する。
BBBladeが首を狩る軌道上に、氷の斧で迎え撃つ。
両者は激しくぶつかり合い、完全に停止した。
(; ^ω^)「あら? なんじゃこら?」
BBBladeはエネルギー噴射により、剣のように見えるだけにすぎない。
何かを破壊することは可能だが、何かを受け止めることはできない。
だが今、BBBladeはロマネスクの氷の斧と完全に鍔迫り合いの形になっている。
(; ^ω^)「これもファンタジーのなせる業だってのかお!?」
ブーンは力を込める。
エネルギーに触れた箇所は解けるも、瞬時に再び凍りつくため破壊には至らない。
- 193 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 18:58:39.03 ID:fIc/4S7E0
-
( ФωФ)「……人間風情が!!
余にこれほど近づいた非礼、死によって詫びるが良い!!」
ロマネスクは斧を右手一本で持ち直す。
それでも鍔迫り合いは揺るがない。
ブーンの全力を以てしてもだ。
( ФωФ)「Arkham!!」
(; ^ω^)「ゲッ!?」
その瞬間、ロマネスクの左手、その指先から凍てつく波動が迸る!!
ブーンの視界に映し出される様々なデータ。
温度の表示が、無慈悲にも一気にマイナス側へ振り切れた!!
( ФωФ)「消え失せろ!!」
指先から放たれる絶対零度の衝撃波。
ブーンは至近距離でこれをまともに食らい、大きく後ろへ吹き飛ばされた。
- 194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:00:13.36 ID:BYHc3BaA0
- ブーン…
- 195 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:00:16.79 ID:fIc/4S7E0
-
川 ゚ -゚)「キカイダー!!大丈夫か!?」
(; ^ω^)「つつつ……」
クーは仲魔達にロマネスクへの牽制を命じ、ブーンの元へ駆け寄る。
ブーンは顔を顰めるも、致命傷ではないようだ。
だがそれはBOON-D1だからであって、生身の人間では既に凍りついた上に粉々に砕けているだろう。
ブーンの体は9割方凍ってしまっている……。
川 ゚ -゚)「おい、全身が凍りまくってるぞ。
これで生きているとはふざけた存在だな、お前も 」
( ^ω^)「魔物と仲良くやってる、アンタがそれを言うかお?」
ブーンは意図的に体内のあらゆるマシンの出力を上げた。
発熱した機械が凍った体を溶かして行く。
( ФωФ)「殺すつもりでいるのだが、中々しぶといものだ。
いや、だからこそここまで辿り着いたというべきか……」
( ^ω^)「ぎりぎりセーフ!!
また来るお!!」
解凍が完了したブーンは、再び無数の冷気の凝縮を確認する。
言葉と同時にBulueMachingunを既に構えていた。
- 196 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:02:28.64 ID:fIc/4S7E0
-
川 ゚ -゚)「疲れた様子がまるでないな。
魔王だからマジックパワーが無限なのかも知れん 」
( ^ω^)「そろそろゲームから離れたらどうだろう?」
ブーンはそろそろツッコミも板に着いてきた。
緊迫した戦いの中、どこか余裕を感じる。
相当に離れしている証拠だ。
( ФωФ)「Andromalius,Dantalion,Decarabia,Belial……」
そして魔王は魔王の所業を果たす。
こちらには冗談など一切通じない。
表情には相手を殺す意思のみが現れている。
( ФωФ)「ならばこそ、我が復活の敵に相応しい!!
その熱き血潮、一滴残らず凍りつくまで私と闘え!!
Amduscias!!」
ロマネスクは拳を前に突き出し、叫ぶと同時に弾くように開いた。
開幕時と同じ、氷の嵐が再び訪れる。
(; ^ω^)「芸の無い……!!
訂正!!さっきより数が断然多いお!!」
発動前の異なる点は呪文の詠唱だ。
これにより、魔法の真の姿が体現したということか!?
- 197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:02:34.99 ID:BYHc3BaA0
- 支援!
- 198 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:04:11.29 ID:fIc/4S7E0
-
川 ゚ -゚)「我慢比べだ!!
弾が切れるまで叩き落とす!!」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「仔僧!!」
∧_∧ ∧_∧
(叉)゚,, >|<,,゚(叉)「「オッケー アンチャン!!」」
デビルサマナーと地獄の魔獣は、退魔の炎で魔王の氷を迎え撃つ。
ブーンはテクノロジーの結晶で、魔王の氷を砕き尽す。
ノ)) - 从「………」
そして鬼神が動く!!
ノーマンは再び鉄の塊を叩き込まんと走る。
( ^ω^)「っ!?」
だがブーンは気付いた。
荒れ狂う氷と炎の均衡は先ほどと同じ。
だがそれらに紛れる様に、空間の到る所に激しいマイナスエネルギーが点在している。
(; ^ω^)「ノーマン、それ以上動くなお!!」
ノ)) - 从「………」
ノーマンも不穏な気配を感じて急停止。
ロマネスクを見ると、舌打ちしつつも不敵に口角を上げた。
- 199 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:06:25.16 ID:fIc/4S7E0
-
( ^ω^)「そこだお!!」
何もない空中にブーンがBlueMachingun発射。
確かに何もなかった。
しかし、ブルーエネルギーの弾丸が何かを捉え───
───爆発する。
川;゚ -゚)「うぉ!!」
俗に言う爆発と異なる点が一つ。
それは火炎と熱風のではなく、冷気と氷河の暴走だった。
優に半径10mに達するその爆発の範囲は、ノーマンの鼻先にまで達した。
( ФωФ)「これに気付くか。
大した洞察力だ 」
( ^ω^)「それはどーも。
聞いたらウチのツンが喜ぶか、当然だと殴られるお 」
豆粒ほどの大きさに凄まじい冷気を圧縮していた。
命を散らす冷気の地雷。
当然ながら、クー達の世界では起こり得ない現象だ。
しかしブーンは一抹の希望を覚える。
ツン・ディレイクがブーンに施した観察能力は、未知の脅威にも着いていける!!
- 200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:07:51.91 ID:BYHc3BaA0
- 便利だな
- 201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:08:51.53 ID:iKIOW2xTO
- ウチにも一台欲しいわあ
- 202 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:08:57.28 ID:fIc/4S7E0
-
( ФωФ)。o ○(これもだ……。
これもあの勇者との戦いで同じことが……)
ロマネスクの脳裏に先程から現われる人間……。
≪(??「我慢比べよ!!
力が切れるまで叩き落とす!!」≫
今度は女だと分かる。
脳内の場面でも、ロマネスクは氷嵐を起こし、女と魔法使い、そして吟遊詩人が魔法でこれを迎え撃った。
そして……
≪(# ゚∋゚)「魔王!! オレの拳を食らえぇぇぇぇ!!」≫
この男は顔まで思い出せる。
己の肉体だけで戦う巨体の男。
そうだ───。
たった今と同じように、大柄な男が自分に迫ってきたとき、
≪(,,゚Д゚)「クックル!!それ以上動くんじゃねぇ!!」≫
吟遊試人が、ハープに仕込んでいた短剣を中空に投擲する。
そして冷気が弾け、巨体の男は散らす命を拾った。
- 203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:10:55.05 ID:BYHc3BaA0
- この先影響してくるのかな
- 204 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:11:11.93 ID:fIc/4S7E0
-
( ФωФ)。o ○(……思い出すぞ。
シースルー・インビジブルとの戦いでも同じことがあった。
あの時は吟遊詩人の機転で奴らは事なきを得た。
だが…… )
ロマネスクは戦いの記憶をひも解いて行く。
そこに唯一つ、唯一つの違和感がある……
( ФωФ)。o ○(高々100年前の記憶が、なぜこうも薄れているのだ?)
ロマネスクの動きが止まる。
しかし異世界の戦士達は、魔王が余裕を見せているだけだと警戒した。
川 ゚ -゚)「あ〜、クッソ……。
コイツ、思いの外───」
(; ^ω^)「強いお!!」
ブーン、戦闘データ解析。
これまで履歴から、どのセカンドクラスの戦闘力を有しているか見るのだ。
そしてブーンは溜息を吐く。
敵はギコ・アモット級の強敵───。
ブーンはボストンから追って来たギコとの戦闘を思い出している。
間違いなく死闘だった。
大切なパートナー、そして友人を失った。
- 205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:11:21.72 ID:voQrzg9S0
- しえーん
- 206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:12:04.55 ID:v4pbJuGj0
- これショボン・ツンコンビだったら即ゲームオーバーだったな
- 207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:12:47.21 ID:3cx96onj0
- 横掘かwww
- 208 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:13:19.00 ID:fIc/4S7E0
-
出来れば思い出したくなかった、心に刻まれた大きな傷。
ブーンは額に捲いたバンダナに無意識の内に触れる。
……というシリアスモードを台無しにする存在が、この時クーに近付いていた。
(*゚ー゚)≪アンタたちも中々いい線いってるけどね〜≫
川 ゚ -゚)「むっ?」
クーにいきなり何者かが馴れ馴れしく話しかけてきた。
クーは思う。
これは霊体……、いや精霊の類だ。
(*゚ー゚)≪おい、そこのデカ女。
アンタ聞こえてるんでしょ?
幽霊ってのは見える人は分るんだからね ≫
……と思ったら悪霊だった。
見目麗しい自分に『デカ女』などという暴言を吐くとは……。
クーは憑いて来られても困るので、反応しないことに決めた。
(*゚ー゚)≪オラ!!見えてんだろ、この無愛想女。ブス。寸胴。
このしぃさんが話しかけてやってんだからコッチミロ。
コッチヲミロォ……≫
ブーンには見えない、聞こえない。
だからこの精霊が何を言っているか、存在すらも分からない。
だがガン無視を続けるクーにはしっかり聞こえている。
- 209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:14:18.58 ID:BYHc3BaA0
- なんと
- 210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:14:30.39 ID:k4g9wgBtO
- しぃさんwwwww
- 211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:14:51.98 ID:v4pbJuGj0
- いきなりキャラ崩壊したwwwww
- 212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:15:56.64 ID:3cx96onj0
- どんな勇者だwww
- 213 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:16:03.85 ID:fIc/4S7E0
-
川##-#)「………」
( ^ω^)。o ○(おいおい、顔が大変なことになってんお )
クーは怒りの余りプルプルし始める。
ブーンは何が起こってるのか分からないので不思議そうにしていた。
精霊はここで作戦を切り替える。
(*゚ー゚)≪……あら、よく見ると美人ね ≫
川 ゚ -゚)「なんだ、悪霊かと思った 」
彼女はニヤリとほくそ笑む。
やはり自尊心をコチョコチョと擽ってやれば万事上手く行く。
精霊自身と同じタイプの女だ。
(*゚ー゚)≪私はシースルー・インビジブル。
体の方はあっちよ≫
そう名乗った精霊は氷漬けの自身の遺体を指した。
ブーンは見えない何かと話し始めたクーを見る。
( ^ω^)「クーさん!! そこに何かいるのかお?」
川 ゚ -゚)「あれの霊がな 」
( ^ω^)「あの子かお?」
- 214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:16:29.92 ID:1Je626nsO
- あのしぃさんについに出番がwww
- 215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:18:05.21 ID:BYHc3BaA0
- 同じタイプwww
- 216 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:18:10.09 ID:fIc/4S7E0
-
ブーンはセントラルのテレビジョンで見た、1000年前のおとぎ話を思い出す。
程無く、凍れる魔王を倒した勇者の記憶に辿り着いた。
( ^ω^)「もしかして伝説の勇者、シースルー・インビジブル?」
川 ゚ -゚)「さっきそう言ってたな 」
( ^ω^)「伝説の勇者なんて恥ずかしい二つ名で呼ばれてどんな気持ち?」
川 ゚ -゚)「ねぇ、どんな気持ち?」
(;*゚ー゚)≪恥ずか……しい?≫
この世界では最上級の称号だが、クーとブーンの世界では厨二病の権化に他ならない。
シースルー・インビジブルは頬を染めた。
(*゚ー゚)≪それはさておき……≫
(# ФωФ)「何を呆けている!?
よほど氷漬けになりたいと見える!!」
ロマネスクは再び戦闘態勢に入る。
冷たい闘気が殺気と共に戦いの舞台を駆け巡る。
- 217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:19:22.74 ID:tp71FQQ80
- 愉快なオプジェ支援
- 218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:19:36.51 ID:k4g9wgBtO
- 緊張感ねぇwwwww
- 219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:19:49.34 ID:v4pbJuGj0
- NDK!NDK!
- 220 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:21:01.20 ID:fIc/4S7E0
-
(*゚ー゚)≪あ〜、もう石頭なんだから。
そっちのお前、っつっても聞こえねーか。
美人さん、そのガキにしばらくアイツの相手させといて。
アンタは私の話をちょいと聞くのよ≫
川 ゚ -゚)「ブーン!!
ちょっと任せるわwww」
(; ^ω^)「えぇッ!?
ふざけんな!!」
薄っすらと笑っているクーの顔を見て殺意を覚えるブーン。
大変なことを軽く頼んできやがった!!
だが、ブーンの左右に二人の戦士が歩み出る。
ノ)) - 从「………」
|||゚ - ゚||「少年よ!!一人ではありません!!
我ら葛葉ライドウ様の忠実なる魔が、あなたの助けとなりましょう!!」
ブーンは少しだけ考えて、ノーマンに耳打ちした。
( ^ω^)「……ノーマン。
さっきから思ってたんだけど、コイツなんかウザくないかお?」
ノ)) - 从「………」
( ^ω^)「はいはい、ガン無視ガン無視 」
- 221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:22:25.65 ID:BYHc3BaA0
- ちょっとかわいそう
- 222 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:23:48.75 ID:fIc/4S7E0
-
( ^ω^)「まぁ、いいお。
さてさて、ではでは、ちょっとばかりギョッとさせてやるお 」
待機していたBlackDogが自動的に唸りを上げ、ブーンの真横に停車する。
バイクはそのボディを細かい部品に四散し、空中で更に形を変えてゆく。
それらは、プログラムされていた箇所に性格にブーンの身体に装着されていく。
【≪(??「雰囲気出していかないとね!!」≫】
何者かがロマネスクの頭の中で叫んだ。
その時勇者は光を体に纏い、その姿はさながら輝く一対の翼を手に入れたかのようだった。
だが顔はまだ思い出せない。
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「雰囲気出していくお!!」
同じセリフを言うブーンは、姿をすっかり変えてしまった。
全身黒となったブーンの頭部は、獰猛な犬を連想させる。
( ФωФ)。o ○(身体に力の源を纏うだと……)
光とは対照的な黒の装甲。
しかしロマネスクは、ブーンの変身をかつての勇者と重ね合わせた。
- 223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:23:56.89 ID:3cx96onj0
- ガキてwww
しぃさんマジぱねぇ
- 224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:24:20.33 ID:voQrzg9S0
- 存外余裕を持ってますな
- 225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:24:52.30 ID:k4g9wgBtO
- ヒローイ支援
- 226 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:26:15.09 ID:fIc/4S7E0
-
(*゚ー゚)≪あの子、中々良いセンしてるわねぇwww≫
アーマーシステムを起動したブーン、そしてノーマンとその他一名。
魔王ロマネスクと互角の接近戦を展開している。
精霊は感心するように、そして見応えのあるスポーツの試合にそうするように観戦していた。
川 ゚ -゚)「で、私に何を?
幸福に成仏したいんならちょっと専門外だぞ?
滅ぼすのは得意だけど 」
(;*゚ー゚)≪それはちょっと、勘弁してくれたら嬉しいかな〜≫
冗談とも本気とも付かないクーのセリフ。
多分冗談だ。
冗談だよね、とシースルー・インビジブルは話を続けることにした。
(*゚ー゚)≪アイツさ、どう?≫
ブーンたちと死闘を繰り広げているロマネスクを指さす。
三人を相手にしているというのに致命傷を正確に避け、受け止め、そして反撃している魔王。
最初から感じていることだが、相当な化け者だ。
川 ゚ -゚)「強いな。滅法強い 」
(*゚ー゚)≪でしょ〜?
私も1000年前は苦労したんだからwww≫
- 227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:27:39.70 ID:BYHc3BaA0
- 軽いなwww
- 228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:27:44.17 ID:3cx96onj0
- アンノウンのシナリオでは中ボス扱いだろうけどまがりなりにもこの世界のラスボスだもんなロマ
- 229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:28:42.72 ID:k4g9wgBtO
- その他wwwww
- 230 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:28:53.82 ID:fIc/4S7E0
-
ころころと笑う精霊には緊張感という物がまるで感じられない。
それはクーも同様なので、二人はそれなりに気の合う同士と言える。
クーは今のシースルーの言葉に、質問を返した。
川 ゚ -゚)「ちょっと待て。
1000年前だと?
アイツはさっき100年間氷漬けになっていたと言っていたぞ 」
(*゚ー゚)≪そ♪
アイツ勘違いしちゃっててさ。
禁呪なんか使うの初めてだったみたいだし、ミスっちゃったっぽいwww≫
川 ゚ -゚)「Oh……」
ド迫力で力の暴風を振りまいている魔王だが、案外抜けた所もあるようだ。
クーは意外な発見に眉を上げた。
(*゚ー゚)≪まぁ、昔は少々やりあったけど、アイツにはアイツなりの信念があってさ。
そんなに悪い奴じゃないってわけ≫
精霊の笑顔を見ると、まだ歳も浅い少女のそれだった。
十代半ばといった所か。
(*゚ー゚)≪今この世界にとんでもない化け物が来てるでしょ?
私が生きてたら追っ払ってあげられたんだけどさ〜≫
- 231 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:30:25.74 ID:fIc/4S7E0
-
シースルーはクーの周りを行ったり来たり漂っている。
不意にそれを止めると、これまで一度も見せなかった真剣な表情に変わった。
(*゚ -゚)「結論から言うわ。
凍れる魔王・ロマネスクを連れて行きなさい 」
今のシースルー・インビジブルは精霊である。
言うなればこの世界の守護者とも言える。
彼女はアンノウンが現れてからこれまで、この世界で起こった事象について承知していた。
(*゚ -゚)≪この世界に世界を救える力のある戦士はもういない。
アイツが私たちの代表よ。
この世界を救う戦いには、この世界の者も居なければならない≫
川 ゚ -゚)「フム……。
だが、話が通じる相手かね?」
ちょっとお茶目な所もあるようだが相手は魔王だ。
今までの所、ロマネスクを味方に引き入れる可能性はゼロに等しい。
- 232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:30:57.40 ID:BYHc3BaA0
- ほう
- 233 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:32:48.09 ID:fIc/4S7E0
-
(*゚ー゚)≪時代が変わったってことを分からせてあげれば良いわ。
もう人と魔族が戦ってる時代じゃないことをね≫
シースルーのこの言い方……。
クーは裏にある真意に気付く。
川 ゚ -゚)「手があるんだな。
聞かせてもらおうか。
そういうことならアイツ等共々消耗させるべきじゃない 」
(*゚ー゚)≪話が早くて助かるわ。
1000年前の戦いを擬似的に再現する。
曖昧になった記憶の中に、戦う必要がないことを知るキーがあるわ≫
そしてシースルーは、クーの額に小さな手を乗せた。
(*゚ー゚)≪ちょっとごめんなさいよ≫
川 ゚ -゚)「ぅお!!」
シースルーの手が輝く。
その時、クーの脳裏に様々な映像が流れ込んできた。
勇者と三人の仲間、彼らの魔王との壮絶な戦いの記憶だ。
1000年前の魔王ロマネスクと異世界の戦士達。
───勇者の介入により、戦いは佳境に入る。
- 234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:33:12.30 ID:k4g9wgBtO
- ロマネスク は たちあがり なかま に なりたそう に こちら を みている
- 235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:34:43.75 ID:3cx96onj0
- まさかの仲間獲得
- 236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:35:05.44 ID:iKIOW2xTO
- はい
ニア いいえ
- 237 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:35:48.78 ID:fIc/4S7E0
-
( ФωФ)「人間にしては中々やる!!」
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「お前!!全然本気出してないお!?」
ブーンは感じていた。
ロマネスクはまだまだ余力を残していると。
そして気になるのは頭上の冷気の太陽だ。
( ФωФ)「100年振りの戦いだ。
少々体がなまっているようだが…… 」
ロマネスクは念じる。
意識を遣るのは頭上に浮かぶ魔力の結晶。
忌まわしきニブルヘイム!!
( ФωФ)「それも終わりだ 」
ゆっくりと回っていた氷の太陽だが、それの回転速度が増した。
その瞬間、ブーンのセンサーがアラームを鳴らす!!
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「なっ!?
気温が急速に!?」
計算される気温の低下予測。
全ての原子が停止する、絶対零度まであと2分───。
- 238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:35:52.39 ID:voQrzg9S0
- 昨日の敵が今日の友ほど心強いものはない!
- 239 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:37:56.05 ID:fIc/4S7E0
-
川 ゚ -゚)「よく我慢してくれた 」
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「遅い!!」
そして役者が揃い誰もが思う。
この戦いはあと僅かでに終結すると。
両者共に、自らが思う結末でだ。
川 ゚ -゚)「はっはははwww。まぁ、そう言うな。
ところでお前、レーザー打てるよね?」
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「チャージに時間がかかるけど!!」
川 ゚ -゚)「空打ちで良い。それから耳貸せ…… 」
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「……ふんふん 」
クーは脳裏にある戦いの再現手順をブーンに話す。
目的であるロマネスクの帰属も。
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「アイツが仲間になりゃ、そりゃ戦力になるだろうけどね。
本当にうまく行くのかお?」
川 ゚ -゚)「この世界を見守っている、有難い精霊様が言ってんだ。何とかなるんじゃね?」
ちらりとシースルーを見ると、世界を見守る精霊様というフレーズを甚だしく気に入っている模様。
傍目にも分かるほどに天狗になっていた。
- 240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:38:16.62 ID:BYHc3BaA0
- 思ったよりはやいな
- 241 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:40:17.83 ID:fIc/4S7E0
-
川 ゚ -゚)「オルトロス!!ケルベロス!!
サポート!!」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「応ッ!!」
オルトロスとケルベロスが腹の底から業火を放つ。
気温の低下は止められずとも、その低下速度は僅かに和らいだ。
【≪(??「ミルナ!! サポート!!」≫】
【≪( ゚д゚ )「はい!!しぃさん!!」≫】
(; ФωФ)。o ○(なんだ……?この展開に見覚えが……。
何故思い出せん!?)
ロマネスクの脳裏に、目の前で起こっている事と同じ場面が展開される。
今度は魔法使いの男の顔も思い出せた。
だが女の顔は濃い霧がかかっているようにハッキリしない。
( ФωФ)「その程度の炎で我が冷気を防ごうとは笑止千万!!」
【≪( ФωФ)「その程度の炎で我が冷気を防ごうとは笑止千万!!」≫】
言って気付く。
この言葉も確かに自分で言った言葉だ。
- 242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:40:18.60 ID:v4pbJuGj0
- 伝説の勇者と世界を見守る精霊ってどっちも恥ずかしい二つ名な気が
- 243 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:45:05.00 ID:fIc/4S7E0
-
川 ゚ -゚)「少々時間が稼げれば良い。
何も打ち消そうとは思っていない 」
【≪(??「時間が稼げれば良いの!!
寒いのは嫌いなのよ!!」 ≫】
またしても誰かが頭の中で繰り返した。
【≪(??「攻撃に転じるわ!!」≫】
記憶の中で何者かが叫ぶ。
同時に彼女の周囲に───何者かが女だと分かる───光の玉が無数に現われた。
直後、光の球から高エネルギーの光線が放たれる。
【≪( ФωФ)「面白い!!」≫】
この時、ロマネスクはその時も頭上にあった冷気の太陽を目前に引き寄せた。
光線はロマネスクを避ける様に、後ろの壁に穴を空けた。
防御方法を知っていたわけではない。
本能のままの行動だった。
- 244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:45:54.25 ID:BYHc3BaA0
- 支援
- 245 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:48:30.59 ID:fIc/4S7E0
-
───そして今、目の前で黒狗の少年が叫ぶ。
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「攻撃に転じるお!!」
ブルーマシンガンの光の弾丸がロマネスクを覆う!!
( ФωФ)「面白い!!」
ロマネスクはニブルヘイムを手元に引き寄せエネルギー弾に向ける。
急速に冷えて行く空気。
ブーンの弾丸はニブルヘイムを避ける様に不自然に軌道を変えた。
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「ちっ!!馬鹿げた冷気で空気密度を変えやがったお!!
小さい弾じゃ曲げられる!!」
戦闘が続く以上、いかなる状況でも動き続ける鬼神がここにいる。
ダンピール・ノーマンには、既にクーの指令が下されているのだ。
ノ)) - 从「……!!」
何度防がれようが、何度撃退されようが、ノーマンは剛力を振るうのみ。
その刃が、敵の命を砕くまで。
- 246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:49:40.85 ID:v4pbJuGj0
- 地の文がかっけえなあ
- 247 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:51:09.79 ID:fIc/4S7E0
-
( ФωФ)「また貴様か!?
今度は心臓まで凍らせてやろう!!」
ロマネスクは接近する脅威を迎え撃つ。
ノーマンの巨剣を防げる腕力を持つものなど、この世にそうは存在しない。
だがロマネスクの氷の斧はそれを可能とするのだ。
単純に腕力が拮抗するのか、魔力を用いてそれを成し得ているかは不明だが……。
川 ゚ -゚)「ナイスだ、ノーマン!!」
ノーマンの巨体の影になるように、クーはロマネスクに向けて駆ける。
ダンピールの一撃は、他の何者よりも優先して防がねばならない。
それが生み出した隙を、主たるデビルサマナーが突く。
(# ФωФ)「小癪な女よ!!
Forneus!!」
ロマネスクは空中に視線を向ける。
そこにそこに生じるのは小さな氷。
だがそれは息を飲む間に巨大な氷柱に変貌する!!
( ФωФ)「潰れろ!!」
- 248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:52:58.48 ID:BYHc3BaA0
- しえーん
- 249 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 19:54:44.79 ID:fIc/4S7E0
-
号令と共に、巨大氷柱がクーの脳天目がけて落下する。
避けようのないタイミングだ。
しかしクーはロマネスク一転のみから視線を逸らさない。
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「そうは行くかってんだお!!」
何故ならブーンが完全と立ちはだかり、頭上の氷を排除すると分かっていたからだ。
BBBladeを氷に突き刺す。
ブルーエネルギーが一瞬の内に駆け巡り、冷気の魔力は粉々に散った。
川 ゚ -゚)「ケルベロス!!来い!!」
,/i/i、
ミ,,゚(叉)「GOOOOOOOAAAAA!!」
───ロマネスクまであと10歩。
その時、ケルベロスがクーに向けて炎を吐く。
クーは炎を赤光葛葉で受け止めた。
刀が業火を取り込み、激しく燃える業火の剣となる!!
- 250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:57:34.49 ID:3cx96onj0
- 熱いな
支援
- 251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 19:59:57.36 ID:Kbd7ktPk0
- そこにそこに……
しえん!
- 252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:00:09.96 ID:S+SxLoOD0
- 支援
- 253 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:02:22.24 ID:fIc/4S7E0
-
───ロマネスクまであと5歩。
川 ゚ -゚)「セオリーだ!!
氷が得意な敵には、炎の一撃に限る!!」
ロマネスクは表情を変える。
この一撃は自らに致命傷を与える。
それを知っている。
記憶の中の死闘で、勇者は魔法使いの炎をその剣に宿し自らを切ったのだ。
その痛みが肩口から脇腹を駆け巡る。
(# ФωФ)「Arkham!!」
凍てつく波動でノーマンをふっ飛ばす。
確かあの時も、巨体の武道家をこうして吹き飛ばした。
記憶と現実が次々とリンクしていく。
(# ФωФ)「おおおおおおおおおお!!!!」
川 ゚ -゚)「終わりかな?魔王 」
最早刀の間合いに入ったクーに、ロマネスクは全力で凍れる斧を振り下ろす。
無論、クーも炎の剣をそこに叩きつける。
ケルベロスの灼熱を纏った、大紅蓮忠義斬を!!
- 254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:03:34.43 ID:Kbd7ktPk0
- 支援
- 255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:04:08.59 ID:nu9dOLkd0
- 支援
- 256 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:06:57.02 ID:fIc/4S7E0
-
灼熱の刃は氷の斧を溶かして行く。
再生スピードよりも早く。
( ФωФ)「馬鹿な!?」
そして遂に真っ二つに折れた。
折れた斧の刃がスローモーションのように、クーとロマネスクの間を飛ぶ。
ロマネスクは斧が通り過ぎた時、クーの不敵な笑みを見た。
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「チャンス到来!!
ぶち抜け!!」
ブーンは既に巨大な砲門をロマネスクに向けている!!
SixBarrelBlueLazerCannon───。
BOON-D1が持つ最強最大の武器だ。
( ФωФ)「滅びの光!!Val-thか!?」
ロマネスクはその光景に向かって何かを叫んだ。
ブーンも、斧を折ってすぐにその場を飛退いたクーすらも知らない。
だが再びロマネスクは頭上のニブルヘイムを眼前に呼び寄せる。
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「とりあえず撃つお?」
川 ゚ -゚)「あぁ。くれぐれも空打ちだぞ?」
そしてブーンは発射のプログラムを砲門に下した。
瞬間、激しい轟音と共に青い光線がロマネスクに発射される。
- 257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:07:46.99 ID:k4g9wgBtO
- バルスwwwww
- 258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:07:52.86 ID:BYHc3BaA0
- しえんしえん
- 259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:08:30.63 ID:Kbd7ktPk0
- ショボンが使った奴か
- 260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:08:47.96 ID:prr0bElTO
- 追いついたプロセス。支援はセオリーだ
- 261 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:10:39.39 ID:fIc/4S7E0
-
(# ФωФ)「おおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」
ロマネスクはニブルヘイムに全魔力を注ぐ。
凍結した空気で光の屈折率を歪む。
ブルーエネルギーの光線が、寸前でねじ曲がった。
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「見た目は派手だけど、殺傷能力はほとんど無いお 」
川 ゚ -゚)「上出来だ!!」
その先ではロマネスクが膝を折った。
脂汗を滲ませ、呼吸は荒い。
クーとブーンは直接的なダメージを与えていないにも関わらず。
川 ゚ -゚)「記憶が肉体をコントロールしてるな。
良いぞ。この調子で思い出せ 」
クーの頭の中には、シースルーに託された戦いの履歴がある。
これまで忠実に再現した。
残すは唯一つ。
───ロマネスクに『禁呪、エターナル・フォース・ブリザード』を使わせるだけだ。
- 262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:11:24.04 ID:v4pbJuGj0
- あいてはしぬwwwwww
- 263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:12:14.55 ID:BYHc3BaA0
- おいwwwww
- 264 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:15:07.96 ID:fIc/4S7E0
- ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「クーさん、最後の仕上げと行くかお?」
クーは黙って頷いた。
仲間達が皆クー達の側に帰る。
そしてブーンは高々に叫んだ。
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「魔王ロマネスク!!これで最後だお!!
全力で放つ滅びの光、受けてみろお!!」
ブーンは再びSixBarrelBlueLazerCannonを起動する。
大げさに起動音が唸っているが、当然の如くエネルギーチャージは僅かだ。
ロマネスクを殺すわけにも、こちらが負けるわけにもいかない。
( ФωФ)「よかろう……」
ロマネスクはゆっくりと立ち上がる。
再びニブルヘイムを引き寄せると、今度は掌でそれを受ける。
極寒の猛威を奮っていた凍てつく太陽は、吸収されるように掌の中に消えていった。
( ФωФ)「我が最大最強の秘術にて、この戦いを終わらせてやろう!!」
この時、空気が震えた。
そう思わせる気迫も発しているが、ロマネスクの魔力が物理的にそれを起こした。
( ФωФ)「エターナル・フォース・ブリザード……」
瞬間、これまでにない冷気の波動が空間を駆け巡った。
数回放たれた、指先からの波動と遜色ない冷気。
それは一瞬の衝撃波だったが、今は波状的に放たれている。
- 265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:16:36.65 ID:BYHc3BaA0
- 支援
- 266 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:17:28.35 ID:fIc/4S7E0
-
( ФωФ)「Yog-Sothoth,Daoloth,Ghroth,Azathoth,Azathoth……」
禁呪に十分に魔力を注入する。
詠唱が次々と進む。
進む度に温度は加速度的に下がっていく。
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「おいおい、本当に大丈夫なのかお?
言っとくけど、このままアイツが辞めなかったら…… 」
川 ゚ -゚)「辞めなかったら?」
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「みんな死ぬお 」
川 ゚ -゚)「死んだら霊魂だ。
そこの精霊もボコボコニ出来るぞ 」
ィ'トー-ィ、
以,[l゚疲i7「少しも嬉しかないお!!」
(*゚ー゚)≪………≫
ブーンは半信半疑で悪態を突く。
だがクーじっと黙って戦況を見つめる精霊を大方信じていた。
頭の中に記憶を流されたとき、彼女の心もわずかに受けたのだ。
信じる根拠には十分だ。
- 267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:19:08.27 ID:S+SxLoOD0
- 支援
- 268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:19:10.15 ID:rNns12x/0
- イ ア イ ア 支 援
- 269 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:20:17.64 ID:fIc/4S7E0
-
( ФωФ)。o ○(これを用いるのは二度目か……。
再び100年の眠りに就くことになろうとは……。
だが敗北よりは良い!!敗北よりは!!)
ロマネスクの脳裏に再び1000年前の戦いの記憶が蘇る。
100年だと思い込んでいる、太古の昔の輝かしい記憶。
あの時、勇者はこう言った。
【≪(*゚ー゚)「辞めなさい、その魔法を使うのは。
何もかもが台無しよ。この戦いが台無しになるわ 」≫】
───顔を思い出した!!
ロマネスクは弾けるように氷漬けとなった少女を見る。
この女が勇者。
この女が自らを倒したシースルー・インビジブル。
何故名前だけを記憶し、顔自体は今まで忘れていたのか?
その問いに答えるものは目の前にいるが、ロマネスクはそれをまだ知らない。
あの勇者は禁呪を放つ事を辞めろと言った。
何が起こるか知っていたのだ。
だからこそ、光の魔法で仲間達を外へと避難させた。
【≪(*゚ー゚)「世界にこの事を伝えんのよ。
もう戦争は終わり。
これからの世の中を、くれぐれも良い世界にして頂戴 」≫】
- 270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:20:28.70 ID:c+ivmEJP0
- ソロモン72柱の次はクトゥルーか
支援
- 271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:21:36.61 ID:prr0bElTO
- 地下通路ボス支援
- 272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:21:45.20 ID:BYHc3BaA0
- ふむふむ
- 273 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:23:11.55 ID:fIc/4S7E0
-
仲間達は勇者に向かって叫んでいた。
泣きながら、怒りながら。
彼らが舞台の外へ出た時、禁呪の詠唱は完了した。
【≪( ФωФ)「───Eternal force blizzard 」≫】
その瞬間全てが凍りついた。
空気も時間すらも。
勇者も当然凍りついた。
なんとも言えない、悲しげな笑みを浮かべて。
───そして凍結は自身の身にも及んだ。
【≪(; ФωФ)「なん……だと!?
馬鹿な!?この私が凍るというのか!?
冷気の王、凍てつく魔王たるこの私が!?」≫】
この事をおそらく勇者は気付いていた。
だから使わせまいとしたのだ。
───戦いが台無しになる。
まさにその通りだった。
【≪(; ФωФ)「なこの私が……。この……わた……」≫】
- 274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:24:31.69 ID:BYHc3BaA0
- sie-nn
- 275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:25:06.93 ID:prr0bElTO
- 支援の石版
- 276 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:25:59.14 ID:fIc/4S7E0
-
(; ФωФ)「っ!?」
ロマネスクの記憶は完全に蘇る。
今、まさに現状は過去に重なる。
再び禁呪を放つ寸前だ。
敗北よりは良い……。
ロマネスクはそうではないことに気付いた。
エターナル・フォース・ブリザードは敗北よりももっと悪い、最低最悪の選択だ。
単に敗北を認める事の出来ない卑怯者が、敗北を先延ばしにしただけだった。
【≪(*゚ー゚)「仕方ないやつね……。
良いわ。付き合ってあげる 」≫】
シースルー・インビジブルの最後の言葉を覚えている。
光の魔法だけではない。
あの女はまさしく勇者だった。
- 277 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:28:11.03 ID:prr0bElTO
- シエン
- 278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:28:56.29 ID:7rVCYidG0
- しぃさーん!
- 279 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:29:25.24 ID:fIc/4S7E0
-
凍りついた後も、ロマネスクはしばらく意識はあった。
動きの自由のない中、ずっと見ていた。
勇者の仲間の吟遊詩人が、何度も訪れた。
【≪(,,゚Д゚)「しぃ、この上にでかい城を建てたぜ?
インビジブル城だ。
民間人にも開放して、みんなは城の事を『しぃさん』って呼んでる。
あぁ、オレは王様になったんだ 」≫】
あの吟遊詩人は、毎年、戦ったその日に必ず訪れた。
年を負うごとに年齢が刻まれて行ったが、最後まで力を失っているようには見えなかった。
そして50年ほどたっただろうか。
吟遊詩人ギコは老齢し、鬚を蓄えていた。
彼はある時、初めてロマネスクの前に立ち、そして語りかけた。
【≪ミ,,゚Д゚彡 「よぉ、魔王。
こうやって話しかけるのは初めてだな。
まぁ……、たまにはいいだろ 」≫】
ロマネスクは黙って聞いていた。
- 280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:31:01.11 ID:BYHc3BaA0
- 支援
- 281 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:31:48.09 ID:fIc/4S7E0
-
【≪ミ,,゚Д゚彡 「……魔族と人間との協定が成立した。
もうお互い争うことはねぇ。
お前も心配事はもう何一つ残ってねぇ筈さ……」≫】
この時ロマネスクは耳を疑うと同時に、確かに気持ちが安らいだ。
共存などという手があったのかとも思う。
そしてそれを成し遂げたこの小さな人間を、そして人間全てに対する靄が晴れていったように感じた。
ギコはその後、シースルーの元へとゆっくり歩んでいく。
氷漬けとなった勇者シースルー。
年老いた吟遊詩人は、少女のままの勇者を愛しむように見つめた。
【≪ミ,,゚Д゚彡 「しぃ……。オレも、もう良いよな?
クックルが去年そっちに逝ったはずだ。
ミルナは……もう少し頑張るんだとよ 」≫】
ロマネスクはギコがしゃがみ込み、そして動かなくなる光景を見つめていた。
そして思う。
自らの役割は既に無く、ならば自分もこの世に留まる理由はないと。
ロマネスクはゆっくりと目を閉じ、永久となるはずの眠りに就いた……。
- 282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:31:52.06 ID:xmJcts8mO
- 支援
- 283 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:33:23.15 ID:fIc/4S7E0
-
( ФωФ)「………」
そして今、ロマネスクは復活し禁呪を放とうとしている。
過去と違うのは、今金髪の少年が自らを撃たんと力を蓄えていることだ。
もう過たない。
もう敗北から逃げることはない。
( ФωФ)「Eternal force……」
そこでロマネスクは全ての魔力を打ち消す。
少年が放つ、破壊の光を受け入れるために目を閉じた。
魔王は勇者の一行に親しみすら感じていた。
───受け入れてくれるだろうか?
ロマネスクの心には、そればかりがあった……。
( ФωФ)「な……に……?」
ロマネスクは再び目を開けた。
いつまで経っても死の衝撃が訪れない。
目にしたのは、安堵と笑顔を浮かべるクーと、アーマーシステムを解いたブーンだった。
- 284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:34:17.27 ID:prr0bElTO
- マハシエン
- 285 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:35:27.35 ID:fIc/4S7E0
-
(# ФωФ)「貴様ら………」
ロマネスクの表情は怒りに満ちていた。
誇りを傷付けられた思いだ。
(# ФωФ)「なぜ撃たぬ!?
余を愚弄する気か!?」
怒気は魔力を含んで駆け巡る。
力の無い者ならばショックで命を失うかもしれない。
( ^ω^)「じゃ、逆に聞くけど、アンタは何で最後に魔法を撃たなかったんだお?」
(# ФωФ)「それは最早理由がないから───」
川 ゚ -゚)「その通りだ。
私達にも、もう貴様を倒す理由はない 」
( ФωФ)「っ!!」
───見透かされていた。
ロマネスクの決死の思いは、既に知られていた。
それを彼らに教えたのは……
(*゚ー゚)≪よくやった。お疲れちゃんwww≫
精霊となった伝説の勇者、シースルー・インビジブル。
- 286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:36:53.00 ID:BYHc3BaA0
- うむうむ!
- 287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:36:57.65 ID:rNns12x/0
- BlueLazerCannon!
ィ'トー-ィ、 ,,,liil!′ ゴォォォォォォォォオォォォォォォォオォォォォオォォォォォオオォォ
__ 以,[l゚疲i7 .,,,,llllllll゙’
─── r/ (⌒y ,,,,llll゙゙,,ll゙° _,,,,,,,,,,,、
,;; / /ヾ,r'”イ ,,,,llll゙゙゜,,,illll,lllllllllllllllllllll!!!゙゙゙゙゛
(曲/ ,f ミ--‐..illll゙″ ` ._,,,,,lllllll゙゙゙゙,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,iiiillllllllllト
l _, I jヽ llll!!llllll゙lllllllllllllllllllllll゙゙,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
i ハ f ゙”””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””
/ / '; ヾ..,、 .,,,,,,_ ll,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
/ ノ ヽ、 ヽ -.゙゙llll,,、 liill,,,,゙゙!!llllllllllllllllllliiii,,,,,,_
─/ _,/─ 丶, ヽ ゙゙゙lll,,, .゙!i,,゙゙゙゙゙lllllllliii,,,、 ゙゙゙゙゙゙゙゙゙lllllト
─/ j'──── .〉 ,i ‐ ゙゙゙lll,,゙li,、 ゙゚゙゙゙lll!
(__,ノ (__j ゙゙ll!li,、 |l!
- 288 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:37:50.75 ID:fIc/4S7E0
-
( ^ω^)「ちょっと言いにくいんだけど伝えなきゃいけないことがあるお。
聞いてくれるかお?」
ロマネスクは何も言わない。
ブーンはこれを肯定と受け取る。
そしてセントラルで得た、光の勇者と凍れる魔王の戦いを物語る。
(; ФωФ)「1000年……だと……!?」
ロマネスクの顔色が蒼白に変わる。
自らが眠ったまま超えた時間はあまりにも長い。
では部下達は───守るべき魔族たちは一体どうした?
川 ゚ -゚)「お前の部下は……、ここに来るまで多数のアンデッドの襲撃にあった。
おそらく、あれらがそうなんだろう 」
(; ФωФ)「アンデッドだと!?」
それを聞いた瞬間、ロマネスクは糸の切れた人形のように崩れ落ちた。
完全に存在意義を失ってしまった───。
それ程に、ロマネスクは魔族の幸福を思い、そして彼の全てだったのだ。
シースルー・インビジブルがロマネスクを指して、『悪い奴じゃない』としたのはこういう点もある。
- 289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:39:06.90 ID:prr0bElTO
- シエンラ
- 290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:39:27.47 ID:h5kowfrtO
- 支援
- 291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:39:51.43 ID:S+SxLoOD0
- 支援
- 292 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:40:20.39 ID:fIc/4S7E0
-
その時だ───。
川;゚ -゚)(; ^ω^)「っ!!」
ロマネスクと正対する二人はハッキリと目にした。
ロマネスクの背後の空間が歪み、そこから邪悪を思わせる漆黒の左手が現れるのを。
アンノウンの左手が、フォックスを葬り去ったようにロマネスクを襲う!!
川;゚ -゚)「ロマネスク!!後───」
クーは叫ぶが間に合わない。
左手は正確にロマネスクの心臓を貫───
(# ФωФ)「邪魔をするなぁぁぁぁぁぁぁー───!!」
ロマネスクは振り返ることなく怒りを爆発させた。
瞬時の内に、背中に巨大な氷の壁が現れた。
改めて凄まじい魔力だ。
(# ФωФ)「先程からチョロチョロと気配を見せていたが、我が命を狙う無礼を行うとは!!」
ロマネスクがゆっくりと振り返る。
氷の壁の中に閉じ込められ、それでも不気味にもがく腕がそこにあった。
川;゚ -゚)「先ほどから?ブーン、気づいていたか?」
(; ^ω^)「いや、全然……」
- 293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:41:21.09 ID:S+SxLoOD0
- さすが魔王様支援
- 294 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:41:21.34 ID:BYHc3BaA0
- おお
- 295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:41:57.53 ID:rNns12x/0
- フォックス・・・あぁ、そんな奴もいたね
- 296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:42:16.07 ID:k4g9wgBtO
- ロマ△
- 297 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:42:40.05 ID:fIc/4S7E0
-
(# ФωФ)「何者かは知らんが、余は今機嫌が悪い。
運がなかったと悔やむがいい。
永久なる氷河の下でな!!」
ロマネスクが氷の壁に魔力の満ちた拳を叩き込む。
巨大な壁が罅割れていく……。
そしてガラスと同じように音を立てて崩れ去る。
アンノウンの左手と共に。
激しい破壊音が完全に終わり、後に静寂が訪れた。
ロマネスクの怒りは、アンノウンの左手を砕くことで吹き飛んだ。
そしてクー、もしくはブーンに呟くように問いかける。
( ФωФ)「今のは何者だ?
魔族の余ですら、いや、地獄の底ですら、あれ程の悪意はないだろう 」
凍れる魔王・ロマネスクが、アンノウンの存在を認識した瞬間だった。
川 ゚ -゚)「まずは私達が何者か、そこから話した方が良さそうだな 」
クーは語る。
この世界のショボン達に、異世界の住民である自分達が招かれたことを。
その理由、元凶たるアンノウンの存在を。
ブーンは語る。
この世界の国、セントラルがアンノウンによって目の前で滅ぼされたことを。
おそらく、ロマネスクの復活すらもその意思であろうことを。
- 298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:44:28.85 ID:BYHc3BaA0
- 支援
- 299 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:45:11.50 ID:fIc/4S7E0
-
川 ゚ -゚)「お前の部下達は手強かった。
特に巨人はヤバかった。
アイツの口振りでは、お前への忠誠は少しも色褪せていなかったぞ 」
( ФωФ)「イヴォルブ、我が片腕か……。
お前達が送ってくれたのだな……」
ロマネスクはゆっくりと歩く。
ブーン達は、ロマネスクがこの部屋の入口に歩いて行くのを見ていた。
ロマネスクは扉を跨ぐ。
1000年前、勇者によって破壊された扉を。
先ほどブーンが強引にこじ開けた扉を。
( ФωФ)「………」
見下ろした。
そこに集うのは元ロマネスクの部下達、幾千のアンデッド。
霊体、屍体、白骨体、様相は様々だが尽くがロマネスクの忠実な部下だ。
( ФωФ)「お前たちは役目を果たした。
よくやってくれた。
安らかなる眠りを享受するが良い 」
その言葉と共に、ゴーストは光の粒となり、白骨や死体はその場に崩れ落ちた。
皆、消える瞬間は満足げな顔と、主にもう仕える事の出来ない悲しげな顔をしていた。
- 300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:46:52.22 ID:prr0bElTO
- マハシエンラ
- 301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:47:20.94 ID:7rVCYidG0
- し
- 302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:47:32.10 ID:S+SxLoOD0
- しえーん
- 303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:48:31.05 ID:rNns12x/0
- シエンダイン
- 304 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:48:35.11 ID:fIc/4S7E0
-
( ФωФ)「貴様らの名を聞こう、異世界の勇者達よ 」
ブーンとクーはいつの間にか、ロマネスクのすぐ後ろで待っていた。
ロマネスクと部下達の間には、何者も立ち入ることは出来ない。
川 ゚ -゚)「十八代目・葛葉ライドウだ。
この名は世襲でな、クーと呼んでくれ 」
( ^ω^)「BOON-D1。
ブーンでいいお 」
( ФωФ)「今は国無き王、民無き魔王だが…… 」
ロマネスクの全身から波動が駆け巡った。
この波動はクーとブーンに危害を加えるものではない。
しかし、力満ち溢れる魔王の闘気を感じるには十分過ぎる。
( ФωФ)「力を貸してやろう。
余はロマネスク・エル・ディアブロ。
かの愚者は目にすることになる。
凍れる魔王、いや全ての魔族の誇り高き魂の怒りを!!」
- 305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:49:36.63 ID:BYHc3BaA0
- かっけー
- 306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:50:05.95 ID:feiT6BvvP
- ディアボロだと・・・!?
- 307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:50:19.65 ID:prr0bElTO
- マハシエンダイン
- 308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:50:36.27 ID:rNns12x/0
- カクテル乙
- 309 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:50:40.12 ID:fIc/4S7E0
-
魔王立つ───。
今、ブーンたち異世界の戦士は、アンノウンを打倒すべき最大の駒を手に入れた。
その間ずっと、精霊シースルー・インビジブルがロマネスクに語りかけていたのは言うまでもない。
彼女はずっと『頑張れ魔王!!』『もうアンタしかいないのよ!!』などと喚いていた。
ロマネスクは知る由もなく、それを知っているのはクーのみ。
彼女の思いが伝わったかは定かではないが、凍れる魔王は再び戦いの舞台に舞い戻る。
川 ゚ -゚)「で、どうやって戻るの?」
(;^ω^)「あ……」
それもそうだ。
二人はアンノウンによってワープさせられたのだから、戻る術を知り得ない。
川 ゚ -゚)「そんなわけで、知恵を貸せ」
(*゚ー゚)≪お早いお帰りで≫
シリアスな空気の中で、なんとなくこうなるんじゃないかな〜とシースルーは予想していた。
当然戻る術も、考え済みだ。
- 310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:52:35.17 ID:rNns12x/0
- シエンダ
- 311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:53:00.90 ID:prr0bElTO
- しぃ一人のために、緊張感が台無しだなw
- 312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:53:17.70 ID:Kbd7ktPk0
- 支援
- 313 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:53:17.92 ID:fIc/4S7E0
-
(*゚ー゚)≪あなたたちが飛んできたワープポイント。それを利用すればいいよ≫
川 ゚ -゚)「鍵とやらはもうないぞ?」
(*゚ー゚)≪鍵は無くても、ワープポイントはまだ残ってる。ロマネスクなら転移できるはずよ≫
川 ゚ -゚)「なるほど」
クーはシースルーの言葉をそのままロマネスクに伝える。
ふむ、とロマネスクは目を閉じて、精神を集中すると、すぐにまた目を開けた。
( ФωФ)「ほぼこの真上あたりに、そのようなものがあるのを感じるな」
川 ゚ -゚)「いけそうか?」
( ФωФ)「任せよ」
川 ゚ -゚)「頼む。人数減らした方がいい?」
( ФωФ)「まぁ、少ない方が楽ではあるな」
川 ゚ -゚)「おk。仲魔達には少し戻っていてもらおう」
クーは仲魔たちの方を向くと、次々に封魔管へ戻した。
ロマネスクが便利だな、と言うと得意そうな顔をする。
( ФωФ)「では、いくぞ」
- 314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:55:08.16 ID:BYHc3BaA0
- 支援
- 315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:57:31.87 ID:prr0bElTO
- 川 ゚ -゚)。oOロマネスク封魔管に入らないかな……?
- 316 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:57:51.13 ID:fIc/4S7E0
-
四つの異世界の戦士と、遙か昔に舞台を降りた魔王。
彼らの運命が交錯することなど、本来ならばあり得ない。
これもまた、アンノウンというイレギュラーを排除するため、大いなる力が働いた結果なのか───。
それは誰にも分からないが、彼らはアンノウン打倒へと進む。
その時、クーの肩に精霊の手が触れる。
(*゚ー゚)≪サンキュ、美人さんと元気な坊や♪
ロマネスクにも見せ場作ってあげてね≫
クーは無言で頷くと、シースルーの手に触れる。
しぃは満足気に笑うと、その場に留まり戦士達を見送った。
アンノウンの城へと飛んだ時と同じ様な光が、クーたちを包み込んだ。
BLACK DOGもそうだ。光は膨張して球体となり、光量が増していった。
一際大きな光を放った後、彼らを包んだ光球は全てが消え果てた。
【Cross part:Rebirth of Lord⇒END】
【Next⇒Cross part:Confluence】
- 317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:58:36.77 ID:xmJcts8mO
- 乙!
- 318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 20:59:11.52 ID:7rVCYidG0
- しー
- 319 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 20:59:58.63 ID:fIc/4S7E0
-
(*゚ー゚)≪ふぇっふぇっふぇwww
私、ま〜た世界のために一肌脱いじゃったわwww≫
あー、なんて素敵で優しくて可愛い勇者様、等々と精霊が独り言を言っている。
実はこの時、シースルーの後ろには霊が3人程降りてきており、話しかける機会を伺っているのだが……。
当の精霊は完全にトランス状態に入っていた。
(?≪あ〜……、え〜と……、しぃ?≫
(*゚ー゚)≪なんじゃ?≫
意外と簡単に振り向く精霊。
そこには……
(,,゚Д゚)≪よぉ。元気そうだな ≫
( ゚∋゚)( ゚д゚ )≪しぃさん!!≫
1000年前、勇者シースルー・インビジブルと共に魔王を撃破した伝説の3人。
後に世界最大の国家・ヴィップの王となった、吟遊詩人、ギコ。
極寒の北の国にて、初代賢王となった偉大なる魔法使い、ミルナ・ゲイザーサイド。
魔法を使えぬ者の為の国、セントラル初代皇帝、勇敢たるマスター・E・クックル。
(*゚ー゚)≪誰だお前ら?≫
(; ゚∋゚)(;゚д゚ )≪えぇー─────っ!!≫
- 320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:00:13.12 ID:k4g9wgBtO
- 乙乙!
- 321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:00:34.81 ID:jQI6q0Ch0
- おつ
- 322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:00:39.30 ID:prr0bElTO
- 乙〜
次回投下はいつ頃になりそげ?
- 323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:01:13.93 ID:k4g9wgBtO
- と思ったらまだあったwwwww
- 324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:01:46.33 ID:BYHc3BaA0
- ええええええ
- 325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:02:02.75 ID:rNns12x/0
- そういえばこのメンツ、退魔のおまけコーナーのメンツかwwwwwww
- 326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:03:54.39 ID:prr0bElTO
- 相変わらず扱いひでぇwwwww
- 327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:04:00.40 ID:Kbd7ktPk0
- しいひでぇwwwwwwww
- 328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:04:08.82 ID:0xMGsMoL0
- 初遭遇支援
- 329 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 21:04:44.93 ID:fIc/4S7E0
-
(,,゚Д゚)≪よし、お前らまずは落ち着け。
ここはオレに任せろ ≫
ギコは懇切丁寧にシースルーに説明を始める。
何のことはない。
3人の仲間を最後まで見守っていたシースルーの中で、彼らは老人として記憶されていただけだ。
(*゚ー゚)≪なんだ、ギコ君にミルナとクックルか。
どっかで見たことあると思ったのよねwww。
わざわざ若い頃の姿で出てきやがって、分かりにくいのよカス共www≫
(*゚д゚ )≪しぃさん、1000年経っても変わってないっすwww。
良いっすよ〜www。最高っすよ〜www≫
( ゚∋゚)≪おい、賢王……≫
感動的な再開となるはずが、何となく緊張感に欠ける。
彼らの旅は魔王を倒す旅。
過酷なものだったはずだが、彼らは楽しくやっていたのかもしれない。
- 330 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:05:50.67 ID:Kbd7ktPk0
- いつものおまけののりが始まるのか
- 331 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 21:07:04.41 ID:fIc/4S7E0
-
(,,゚Д゚)≪さて、と……。
しぃ。もう良いんだろ?≫
こういうことは、彼ら一行の精神的支柱でもあったギコの役目だ。
ギコは3人の中でも最も古くからシースルーを知っていた。
彼は死んでから、シースルーが精霊となって世界を見守っていることも知ったのだ。
彼女の大きな懸念はロマネスクの存在だった。
いつか魔王は、氷の中から蘇る……。
だがロマネスクは巨悪と闘う最後の戦士となった。
もう何も案ずることなどないのだ……
(*゚ー゚)≪馬鹿言ってんじゃないわよ、死ね≫
(,,゚Д゚)≪はいはい、もう死んでますよ。
お前ら分かったな。先に帰るぞ≫
ミルナとクックルは一瞬抗議したそうな顔をした。
だがすぐに辞めた。
シースルーがまだ留まっていたい理由は、火を見るより明らかだった。
(,,゚Д゚)≪1000年待ったんだ。
長くても1日。それくらい、誤差の範囲だ≫
ギコがそれだけ言うと、3人は消え失せてしまった。
最初から何も居なかったかのように。
あとに残るは、世界を見守る光の精霊、シースルー・インビジブルのみ。
- 332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:08:35.43 ID:BYHc3BaA0
- しえん
- 333 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 21:09:07.32 ID:fIc/4S7E0
-
(*゚ー゚)≪……ゴメンネ、みんな。
迎えに来てくれて、嬉しかった≫
【Cross part another one:Spilit of Litening⇒END】
- 334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:09:31.89 ID:prr0bElTO
- 決着を見届けたいのか支援
- 335 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 21:10:26.95 ID:fIc/4S7E0
-
今日の投下はここまでです。
みなさん、温かいご支援ありがとうございました。
これからレスを遡って、質問を拾ってお答えします。
- 336 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:10:40.03 ID:BYHc3BaA0
- 乙!
- 337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:11:25.58 ID:Kbd7ktPk0
- あら以外とまじめな
しぃもアンノウン消えたら成仏か
- 338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:13:04.55 ID:prr0bElTO
- 乙ダイン
次回も、退魔の続きも楽しみだ
- 339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:14:04.01 ID:v4pbJuGj0
- 乙!
- 340 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 21:16:53.75 ID:fIc/4S7E0
- >>185
早く寝ないとダメだぞ
>>246
ありがとうございます!
>>268>>270
なんと言う即答・・・よく分かりますねw
>>330
おまけはぺるさんからNG出ました・・・
そんなにないですね。僥倖僥倖。
因みに、ロマネスクの名前ですが、『エルディアブロ』とはカクテルの名前です。
どなたかレスしてくれてますね。オサレさんめ。
カシス+テキーラ+ジンジャエールでスッキリで味もよく、飲みやすいカクテルです。
バーとか行ったら頼んでみてください。
- 341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:18:45.99 ID:3cx96onj0
- 乙でした!
続きwktk
- 342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:19:32.05 ID:rNns12x/0
- 面白かったよ、乙
そういえば、もうちょっとで完結なのか……
- 343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:21:25.14 ID:Kbd7ktPk0
- NGでたのかよwwwwwwwwwwwww
次回も楽しみだ乙
- 344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:22:24.50 ID:prr0bElTO
- 地下鉄のボスは息子の方だな
- 345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:27:27.57 ID:l0BIpG010
- 街狩りさんも大麻さんもお疲れさまでした!
街狩りさんのおへそをチュッチュして大麻さんの耳をアマガミしたいです!
- 346 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:30:54.41 ID:v4pbJuGj0
- >>316で 【Next⇒Cross part:Confluence】 なのに
>>333で【Cross part another one:Spilit of Litening⇒END】
なのはわざと?
というかLiteningて(ry
- 347 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 21:32:56.48 ID:7rVCYidG0
- 街さん大麻さんお疲れ様でした
それでは、続けていきます
- 348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:33:35.77 ID:k4g9wgBtO
- 続けて……だと?
- 349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:33:52.59 ID:v4pbJuGj0
- なん・・・だと・・・?
- 350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:34:09.11 ID:prr0bElTO
- いあいあ!
- 351 名前: ◆FnO7DEzKDs :2010/12/19(日) 21:35:15.99 ID:fIc/4S7E0
- >>346
ヒント another one
lightning と書いていないだと・・・!?
くそぅ・・・
- 352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:35:22.28 ID:BYHc3BaA0
- まじ?
- 353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:35:22.87 ID:rNns12x/0
- えっ
えっ
- 354 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 21:36:03.01 ID:7rVCYidG0
-
(´・ω・`)「…………」
ξ;゚听)ξ「ここは……?」
ラストスノーの空間から転移された二人が見た景色。
広い空間が後方に拡がり、長く続く石段が眼前にあった。
(´・ω・`)「人の気配はないな」
ξ゚听)ξ「そうですね……」
敵の気配がないと知ると、ショボンは視線を階段へ移した。
城内に明かりは設置されておらず、その先には闇しかない。
ξ゚听)ξ「階段の目の前に飛ばされたってことは……」
(´・ω・`)「まぁ、上れということだろうな」
ξ゚听)ξ「ですよね……」
(´・ω・`)「行くか」
ξ;゚听)ξ「え、わ、罠とか、大丈夫でしょうか……?」
(´・ω・`)「ないとは言い切れんが、今更小細工を弄するとも思えん」
- 355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:37:32.62 ID:prr0bElTO
- 支援
- 356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:37:41.83 ID:v4pbJuGj0
- しえん
- 357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:37:46.78 ID:rNns12x/0
- 『闇の審判』
| | | | | | | チャラッチャラッチャーン♪ミヨヨヨーン…
________.
\ |\
\ (‘_L’) | \
- 358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:37:56.75 ID:0xMGsMoL0
- おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
これは支援せざるをえないな
- 359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:38:20.56 ID:gPyqd56A0
- しえ
- 360 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 21:38:39.29 ID:7rVCYidG0
-
(´・ω・`)「フィレンクトを倒したことで、向こうの目的は達成されたはずだ」
ξ゚听)ξ「……なるほど」
(´・ω・`)「それに、考えているだけでは、先には進めないさ」
そう言って、ショボンが先陣を切った。
慌ててツンが、後に続く。
階段は、長さもさることながら幅が広く、二人並んでも壁に手がつかない程だ。
(´・ω・`)「どうやら、最初にいた廊下と、同じ城のようだ」
ξ;゚听)ξ「えっ?」
(´・ω・`)「素材の石と、造りが似ている。随分と堅牢な城のようだな」
ξ;゚听)ξ「お城に、詳しいんですか?」
(´・ω・`)「そこまでじゃないさ。俺の世界にも、似たような城はあるが」
ξ゚听)ξ「……へぇー……」
歩を進めながら、ツンは問いかける。
階段の終着点は、夜目を鍛えたショボンにも、未だ見えてはいなかった。
ξ゚听)ξ「ショボンさんの世界って、どんな所なんですか?」
(´・ω・`)「ん? 俺の世界か」
- 361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:40:21.39 ID:prr0bElTO
- 支援
- 362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:40:26.53 ID:BYHc3BaA0
- しえん!
- 363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:40:49.79 ID:gPyqd56A0
- しえ
- 364 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 21:41:10.52 ID:7rVCYidG0
-
闇を見つめたままで、ショボンが口を開く。
(´・ω・`)「そうだな……もう、何十年も戦を続けている世界だ」
ξ;゚听)ξ「いくさ……戦争ですか」
(´・ω・`)「そうだ。覇権を争う国の一つ、ヴィップという国で大将をしている」
ξ゚听)ξ(ヴィップ……VIP、かぁ……こういう所も、似てるのね)
ツンの世界でのヴィップは、彼女が敵対する存在だ。
人だけではなく、名称にもどこか接点があるのかと、ツンは漠然と考えていた。
ξ゚听)ξ「大将って、いわゆる戦で一番偉い人ですか?」
(´・ω・`)「まぁ、そうだな。戦以外でもすることは多いが」
ξ゚听)ξ「戦だとやっぱり、指揮とかしてるんですよね」
ラストスノーとの戦いを通じ、ショボンの洞察力にはツンも舌を巻いていた。
尤もツンは、最近まではただの女子高生だったのだ。
戦いにおける観点自体が、根本から違っている。
(´・ω・`)「指揮が主だが、時には最前線でも戦う」
(´・ω・`)「こいつを使って、な」
Zを、分離させずにツンの前に取り出して見せた。
- 365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:41:14.91 ID:Kbd7ktPk0
- まじでか
仕事に戻るところだったぜ
- 366 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:41:58.68 ID:v4pbJuGj0
- ルージアルさんちょっと自慢げ
- 367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:42:52.98 ID:Kbd7ktPk0
- むしろ主人公はヴィップだけどな!
- 368 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 21:43:14.88 ID:7rVCYidG0
-
ξ゚听)ξ「アルファベットZ……でしたっけ」
ξ゚听)ξ「ラストスノーも簡単に斬ってたし、すごい武器ですね……」
(´・ω・`)「お前が造ったんだ」
ξ;゚听)ξ「え?」
(´・ω・`)「俺の世界の、お前がな」
ξ;゚听)ξ「ショボンさんの世界の、私ですか……」
(´・ω・`)「ツン=デレートという、女ながら世界一のアルファベット職人と称される人だ」
ξ;゚听)ξ「せ、世界一……」
(´・ω・`)「見た目もよく似ている。お前は多少、幼さを感じるが」
ξ;゚听)ξ「あ、あはは……」
ξ;--)ξ(思ったこと、ずばっと言う人ね……)
(´・ω・`)「恐らく、美人になるんだろうな、お前も」
ξ;゚听)ξ「えっ?」
(´・ω・`)「ツンさんが、そうだからな」
ξ*゚听)ξ「あ……そ、そうですか……ありがとう、ございます……」
- 369 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:43:32.14 ID:prr0bElTO
- でもラウンジに行っちゃうんだよね支援
- 370 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:44:19.12 ID:gPyqd56A0
- イアイアしえん
- 371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:44:20.56 ID:BYHc3BaA0
- かっけー
- 372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:44:47.69 ID:Kbd7ktPk0
- この後ツンさんは
- 373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:45:26.44 ID:v4pbJuGj0
- 口説いてるようにしか見えないんだがw
- 374 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:45:34.67 ID:feiT6BvvP
- しょぼくれてめぇww
- 375 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 21:45:50.20 ID:7rVCYidG0
-
ξ*゚听)ξ(はっ!)
ξ゚听)ξ「えと……私の世界のショボンは、ショボンさんにはあまり似てないかも」
ξ;゚听)ξ(な、なんだかすごくややこしい……)
(´・ω・`)「そうか。まぁ、色々あるんだろうな」
ξ゚听)ξ(ショボンが体を鍛えたら、ショボンさんみたいになるのかな……?)
ξ;゚听)ξ(身長自体違うし、そんなことはないか……)
(´・ω・`)「……そういえば」
ξ゚听)ξ「あ、はい」
(´・ω・`)「ペルソナについてだが、少し訊きたい事がある」
ξ゚听)ξ「私に分かる範囲なら……」
ニャルラトホテプの思惑によって、ショボンはペルソナ能力を開花させた。
慣れない力に、少しでも理解を深めようと、切り出したのだ。
だが、ツンも能力に目覚めて数日しか経っていない。
少し不安に思いつつ、ショボンの言葉を待っていた。
(´・ω・`)「俺のペルソナがどんな力を扱えるのかは、なんとなくわかる」
ξ゚听)ξ「そう、ですね。不思議ですけど、私も最初からそうでした」
- 376 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:46:18.56 ID:prr0bElTO
- でもツン斬っちゃうんだよね
- 377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:47:08.83 ID:BYHc3BaA0
- ふむう
- 378 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 21:48:06.93 ID:7rVCYidG0
-
(´・ω・`)「連続使用は、戦闘中のお前を見るに避けた方が良さそうだが、これは合っているか?」
ξ゚听)ξ「はい。体力……精神に負担がかかると、教えられました」
(´・ω・`)「やはりか。戦いの後、今まで感じた事のない気怠さがあった。酷使すれば、戦いに支障が出るだろうな」
(´・ω・`)「だが、ペルソナを喚んでいた時は、力が溢れてくるようだった」
(´・ω・`)「体も少し、軽くなった気がする。本当に自分の体かと思うほどに」
ξ゚听)ξ「ペルソナを降魔している時は身体能力が上がったり、そういうことがあるみたいです」
ξ゚听)ξ「ショボンさんのペルソナがそうさせている事は、間違いないです」
(´・ω・`)「ほう……それは助かるな。無駄に力を使わないだけでも、恩恵が得られるか」
もう一つ。身体能力の向上以外にも、ショボンが気が付いている事があった。
それは武器を、アルファベットを持たぬツンには分からないだろうと判断し、聞かずにいた。
秘めたこの疑問は、後に大きな力を発揮することとなる。
(´・ω・`)「最後に……使用する時なんだが」
ξ゚听)ξ「はい」
(´・ω・`)「ラストスノーと戦っていた時は、俺も必死で特に気に留めてはいなかったが」
(´・ω・`)「力の名称を叫ぶことに、意味はあるのか?」
- 379 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:49:01.59 ID:Kbd7ktPk0
- おいルージアルさんそれタブー
- 380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:49:27.31 ID:BYHc3BaA0
- これは興味深い
- 381 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:50:08.37 ID:v4pbJuGj0
- 心の力とかが出るんだよ
- 382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:50:11.47 ID:rNns12x/0
- お約束を台無しにしちゃダメー
- 383 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 21:50:17.37 ID:7rVCYidG0
-
ξ;゚听)ξ「あ、それは……」
(´・ω・`)「初見なら問題ないだろうが、二撃目以降は攻撃方法を敵に報せる事になると思うが」
ξ;゚听)ξ「それは、そうなんですけど……」
ξ゚听)ξ「攻撃をする時、掛け声とか、出すじゃないですか?」
(´・ω・`)「まぁ、そうだな」
ξ゚听)ξ「それと同じで……その時の感情次第ですけど、そうした方が威力が増すような」
ξ;゚听)ξ「すみません……上手く説明ができないですけど……」
(´・ω・`)「いや、なんとなくは分かった」
(´・ω・`)「どうやらペルソナというものは、感情に強弱が左右されるようだな」
ξ゚听)ξ「そうみたいです。私も、私の仲間達も、そんな場面が何度かありました」
ξ゚听)ξ「ショボンさんなら、すぐに私よりも使いこなせるようになると思います」
(´・ω・`)「どうだろうな。戦闘経験がお前よりあるといっても、やはり異世界の力だ」
(´・ω・`)「うまく扱えるかはわからんが、出来るだけやってみるとしよう」
(´・ω・`)「気を緩めて、また操られでもしたら大事だからな」
ξ;゚听)ξ(あれは……正直ほんとに怖かったなぁ……)
- 384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:50:36.59 ID:prr0bElTO
- ルージアル、それは野暮ってモンよ
- 385 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:51:38.83 ID:tp71FQQ80
- アルファの世界で飛び交う必殺技を叫ぶ声
ジャンル変わっちまうわwww
- 386 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 21:52:05.64 ID:7rVCYidG0
-
(´・ω・`)「なんにせよ、この力は有用だ。戦いが有利に進むよう、努力しよう」
ξ゚听)ξ「……ショボンさんの世界には、こういう力はないんですよね?」
(´・ω・`)「そうだな。個人が戦で使う物は、基本的にアルファベットと馬くらいだな」
(´・ω・`)「お前達を見ていると、羨ましくもあり、恐ろしくもある」
(´・ω・`)「俺の世界でも扱えれば便利だが、敵も使うとなると、多大な障壁になる」
ξ;゚听)ξ「それは……そうですね……ブーンさんの銃器とか特に……」
ξ;゚听)ξ(でも、ショボンさんに懐に入り込まれたら、どんなペルソナでも対処できなさそう……)
(´・ω・`)「複数の自分に、異世界の力、か。全く、ややこしい事この上ない」
ξ゚听)ξ「はい……頭がこんがらがっちゃいます」
(´・ω・`)「最初に俺の世界へ来たクーを見た時は、何事かと思ったが……」
(´・ω・`)「まだ分からないことは多いが、幸い目的は、明瞭だ」
(´・ω・`)「終わらせて、帰らないとな。それぞれの世界へ」
ξ゚听)ξ「……はい」
二人の視界には、階段の終着点が見えていた。
突然、何者かが襲ってくるかもしれない。更に警戒を強め、二人はまた、歩き出した。
- 387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:53:11.18 ID:Kbd7ktPk0
- トロッソさんマジ涙目
- 388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:54:16.61 ID:BYHc3BaA0
- しえーん
- 389 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:54:50.62 ID:rNns12x/0
- テトラカーン使えるんなら、アルファの世界では無双だな
- 390 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 21:55:08.02 ID:7rVCYidG0
-
(´・ω・`)「…………」
ξ゚听)ξ「ここ……」
階段を上り切った場所。そこは。
(´・ω・`)「……どうやら、当たりだったみたいだな」
全員が集い、“ラストスノー”の空間へと飛ばされた場所。つまり元の場所だった。
周りに注意を払い、廊下の中間点まで歩くと、二人は同時に奧の扉に視線を投げた。
(´・ω・`)「……今なら感じる。あそこから滲み出る、異様な気を」
ペルソナ能力を得たショボンは、それを感じ取っていた。
アンノウンが発する禍々しい力と、威圧感を。
ξ゚听)ξ「……最初に来た時はこんな感じ、しませんでした」
それは決して、ツンが察知能力においてショボンよりも劣っているというわけではない。
あの時はブーンのレーダーにも、ショボンの鋭敏な感覚にも、クーの悪魔召喚師としての勘にも。
アンノウンの気配が触れる事は、なかったのだ。
(´・ω・`)「つまり、いよいよ戦う気になったということか」
ξ;゚听)ξ「……」
- 391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:56:18.82 ID:prr0bElTO
- トロッソのペルソナなら、水晶、鋼鉄両方の壁使えるかもしれん支援
- 392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:57:02.43 ID:v4pbJuGj0
- トロッソさんは黒い箱に触れる機会が無いので・・・
- 393 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 21:57:04.42 ID:BYHc3BaA0
- わくわく
- 394 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 21:58:02.25 ID:7rVCYidG0
-
この有り得ぬ現象を生み出した根源。世界を滅亡せんとしている、強大な敵。
アンノウンが、ついに明確な戦意を表したのだ。
ショボンの言葉を受け、ツンは緊張に体を強張らせた。
(´・ω・`)「……」
そんなツンを一瞥した後に、ショボンは周囲の床に目を落とした。
最後に見た風景から二人が除かれただけで、なんの変化もない。
切り落とされた石像の首やブーンが破壊した彫刻の残骸が、転がっているだけだ。
数秒の思考の後、すぐにまた視線を上げた。
ξ゚听)ξ「どうしたんですか?」
(´・ω・`)「いや、あいつらがどうなったのかと思ってな」
“あいつら”とは、ブーンとクーの事を指していた。
ツンが黒い穴に吸い込まれ、それを助けようとし、ショボンも飲み込まれた。
その後二人がどうなったのかは、当然二人が知る由もない、が。
ξ;゚听)ξ「二人は、どうしたんでしょうか」
(´・ω・`)「ブーンが乗っていた巨大な機械。あれがあった床に、僅かだが車輪の跡がついている」
(´・ω・`)「あれが動いたのなら、同じ様な跡が扉まで続いているはずだ」
(´・ω・`)「しかし、それがない。少なくとも、ここから動いてはいないんだと思う」
- 395 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:00:07.50 ID:7rVCYidG0
-
ξ゚听)ξ「ということは……」
(´・ω・`)「あぁ。恐らくは、俺達と同じ様にどこかへ飛ばされた可能性が高い」
ξ;゚听)ξ「…………」
(´・ω・`)「フィレンクトは、俺達を試すと言っていた。まぁ、目的は同じだろうな」
(´・ω・`)「扉の先の気配も、交戦中のものとは思えん。とすれば、脱出を計っている最中だろう」
ξ;゚听)ξ「……大丈夫でしょうか……」
不安げな視線を投げるツンを見て、ショボンは一つ息を吐いた後に、続ける。
(´・ω・`)「あいつらも俺達と同じく、選ばれた存在だ。俺達が無事なら、きっとあいつらも無事さ」
ξ゚听)ξ「…………」
(´・ω・`)「実際に戦った二人を見たわけじゃないが、そんな気がする。信じてやれ」
安心させる為の気休め、ではなかった。
ショボンにしては珍しい事だったが、彼自身、純粋にそう思えていたのだ。
同じ様に、ツンにもそんな予感は確かにあった。だが、不安の方が大きかった。
ショボンの言葉に、不安は縮小し、予感が勝る事となった。
- 396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:00:43.11 ID:v4pbJuGj0
- しえん
- 397 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:00:59.14 ID:prr0bElTO
- 支援
- 398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:02:15.73 ID:BYHc3BaA0
- 支援
- 399 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:02:32.30 ID:7rVCYidG0
-
ξ゚听)ξ「そう、ですね」
(´・ω・`)「だが、悠長に待っているわけにもいかないだろう」
言い、前方の扉へと再び視線を向けた。
長躯のショボンですら楽に通り抜けられる程に巨大な扉だ。
BLACK DOGでも通れるだろう。まるで、予めそれを想定されて造られているようだった。
姿が見えなかった敵が、ついに敵意を剥き出しにして待ち構えているのだ。
ここに留まり、また後手に回ることこそ、愚策と言えた。
(´・ω・`)「征こう。この戦いを、終わらせる為に」
ξ゚听)ξ「……はい」
ショボンが先を行き、すぐ後にツンが続く。
アンノウンが現れる前は人が、遥か昔には魔族が、それぞれ踏んだ石畳が靴音を反響させている。
扉に近づくに連れて、アンノウンの覇気が強まっていくのを、二人は感じていた。
ξ゚听)ξ「あっ」
(´・ω・`)「どうした?」
ふと、ツンが声を上げ胸のポケットから生徒手帳を取り出した。
挟まれていたボールペンを持ち、メモ用の白紙ページに先を滑らせている。
書き終えてそれを破ると、数歩下がって静かに床へと置いた。
- 400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:02:43.17 ID:Kbd7ktPk0
- 支援
- 401 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:03:49.97 ID:v4pbJuGj0
- 生徒手帳を常備してんのか
- 402 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:04:19.89 ID:BYHc3BaA0
- しえん
- 403 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:04:53.72 ID:7rVCYidG0
-
『先に行っています。ツン・ショボン』
紙には、そう書かれていた。
(´・ω・`)「書き置き、か」
ξ゚听)ξ「はい。もし二人が後からきたら、安心するかと思って……」
(´・ω・`)「あぁ、良い判断だと思う」
言って、書き置きを見つめながら、ショボンがある疑問を投げ掛けた。
(´・ω・`)「……墨がなくても文字が書けるのか?」
ξ゚听)ξ「え? あ、はい。ボールペンっていって……」
(´・ω・`)「ほう。便利な物だな」
ショボンの世界には、存在しない物だ。
アルファベットという特異な武器を除き、文化レベルはツンの世界よりも遥かに劣る。
いかにも興味ありげに、ツンの手にある金属製のボールペンを見つめていた。
- 404 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:05:56.81 ID:BYHc3BaA0
- なんかなごむ
- 405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:06:25.58 ID:v4pbJuGj0
- 大将かわいいよ大将
- 406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:07:07.23 ID:prr0bElTO
- カルチャーショックだろうなぁw
- 407 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:07:10.60 ID:7rVCYidG0
-
ξ゚听)ξ「……持っていきますか?」
(´・ω・`)「いいのか?」
ξ゚听)ξ「はい。インクが切れたら使えないですけど、ほとんど新品ですし、結構保つと思いますよ」
(´・ω・`)「いいのなら、遠慮なくもらっておこう」
ξ゚ー゚)ξ「どうぞ」
(´・ω・`)「この上の部分を押せばいいのか?」
ξ゚听)ξ「はい。使わない時はまたそこを押せば、芯が引っ込んでインク……墨が乾きません」
(´・ω・`)「……良く出来ているものだ」
ショボンは不思議そうな顔をして、カチ、カチと数回芯を出し入れしていた。
ξ゚ー゚)ξ「ショボンさんの手には、ちょっと小さいかも」
(´・ω・`)「問題ない。竹でも巻き付けて使おう」
- 408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:08:44.19 ID:BYHc3BaA0
- しえーん!
- 409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:08:49.45 ID:tp71FQQ80
- 果たして持って帰れるのかwwww
- 410 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:09:45.44 ID:7rVCYidG0
-
ξ゚听)ξ(ボールペンが珍しいなんて……そういえばショボンさんの格好、昔の中国の武将みたいな……)
ξ;゚听)ξ(昔の中国……武将……三国志? アルファベットで戦う……三国志……?)
ショボンは満足したのか、無造作にボールペンを懐に仕舞い、扉と逆方向に歩き出した。
ξ゚听)ξ「……?」
ショボンは床に転がっていた石像を拾い上げると、また踵を返し、戻る。
そして切断面を下にして、書き置きが見えるように、静かにその上に置く。
元居た場所を、首だけの石像が見つめている形となった。
(´・ω・`)「これで目立つだろう。あいつらも、気が付くはずだ」
ξ゚ー゚)ξ「……そうですね」
(´・ω・`)「さて────」
三度、扉を向く。
既に手を伸ばせば、届く距離にあった。
短く息を吐き、ショボンが重く冷たい鉄の扉に、手を添える。
- 411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:11:48.01 ID:gPyqd56A0
- イアイアえんし
- 412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:11:53.00 ID:v4pbJuGj0
- 確かに三国志っぽいイメージだな
最初三つ巴だったし
- 413 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:13:15.73 ID:7rVCYidG0
-
(´・ω・`)「…………」
力を込める、直前。
(´・ω・`)「ツン」
ξ゚听)ξ「?」
(´・ω・`)「アンノウンを倒すぞ。必ずだ」
この世界のクーに言った言葉だった。
あの時のクーの返事は、力無い呟きのようだった。
ショボンは早々に休息を取り、別段気にしてはいなかったのだが。
(´・ω・`)(いま思えば、あれはこの状況を案じていたのか……)
そう考えれば、あの時の口調にも納得がいった。
小さな予感は掬い取れない程だったが、確かに、散りばめられていたのだ。
クーだけではない。ブーンも、ツンも、ショボンもそうだ。
彼らは大切なものを語った。夢を語った。
出会ったばかりの、異世界の人間に。
噛み締めるように、覚悟を決めるように、託すように。
それに応える為、ショボンは同じ言葉を、ツンに発したのだった。
- 414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:14:32.60 ID:BYHc3BaA0
- 支援
- 415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:14:44.53 ID:prr0bElTO
- 情が移ったか支援
- 416 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:16:05.22 ID:7rVCYidG0
-
二度目の言葉は、クーの覚悟を聞いた後の感情を籠めて、更なる誓いを立てるように。
声色こそ違わずとも、言葉に籠められた意思は、より堅固な形となって。
特別な想いを乗せられ紡がれた言葉……言霊は、ツンの胸懐深くまで伝わっていた。
ξ゚听)ξ「……私も、この世界のブーンと、出会った人達に、言われました」
(´・ω・`)「ッ……」
ショボンは決して、そんなつもりで、意図を伝えるつもりで言ったわけではなかった。
全ては自身の決意を再認識する為であり、それを汲み取られるとは、毛ほども思ってはいなかった。
だが、ツンはそう切り出したのだ。
(´・ω・`)(……戦いを重ね、自覚したということか)
明らかな成長を感じさせるツンの言葉に、ショボンも向き直り、互いの目を見つめ合う。
彼女の決意を、確実に、堅実に受け止めるために。
ξ゚听)ξ「そして、約束しました。この世界を、護るって……」
(´・ω・`)「…………」
- 417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:17:00.76 ID:v4pbJuGj0
- しえん
- 418 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:18:49.61 ID:7rVCYidG0
-
ξ゚听)ξ「倒しましょう。アンノウンを、必ず」
敢えて、同じ言葉を紡いでいた。
その決意と約束が籠められた言霊は、これ以上ない程にショボンに伝わった。
(´・ω・`)「あぁ。征こう」
ξ;゚听)ξ(わ……ショボンさんが……初めて笑った……)
ツンは驚きつつも、すぐに決意の表情へと戻り、二人同時に頷く。
(´・ω・`)「ッ」
ショボンが手に、力を込める。石と鉄が、擦れる音がした。
暗闇に支配されていた床に一筋の光が伸び、扉が開く幅に比例して、線となり、柱となり、太さを増していく。
やがて扉は、完全に口を開けた。
回廊から差し込む灯りだけでは、暗い部屋全体を照らすには至らない。
(´・ω・`)「…………」
ξ゚听)ξ「…………」
だが、二人が見つめる一点は、闇の奧。
扉を開ける以前から、“それ”が居る事は、既に解っている。
揺らぐ真紅の瞳を力強く睨み、二人は遂に、対峙した────
- 419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:19:40.67 ID:BYHc3BaA0
- しえんしえん
- 420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:19:45.56 ID:v4pbJuGj0
- 扉を開けたらすぐに目の届くとこにいたのかww
- 421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:19:54.74 ID:prr0bElTO
- 支援
- 422 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:21:14.53 ID:7rVCYidG0
-
.物語のページが────
( ^ω^)ξ゚听)ξ(´・ω・`)川 ゚ -゚)
【Cross part:Confluence】
────応えるようです
- 423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:23:04.17 ID:prr0bElTO
- シエン
- 424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:23:04.28 ID:tp71FQQ80
- イイハナシダッタナー
- 425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:23:10.19 ID:BYHc3BaA0
- 滾るねぇ
- 426 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:23:44.76 ID:7rVCYidG0
-
爪 ゚W〉
謎深き破壊者────アンノウン。
崩れかけた玉座に座り、ショボンとツンを見下ろしている。
視線を外さずに、二人が部屋へと歩み入る。
数歩進むと、待っていたように鉄の扉が耳障りな音を発しながら、ゆっくりと口を閉ざした。
閉ざされた“王の間”を照らす灯りは、この世界のツンが残した戦いの爪痕から漏れる、星光だけだ。
爪 ゚W〉
鎮座したままのアンノウンが手首を返し、指を鳴らした。
直後、部屋中の燭台に火とも思えない光が灯る。
魔力で生み出された灯は、風に揺らぐ事もない。一定の光量を保っていた。
視界が明瞭になったことで、二人は闇に紛れたアンノウンの全身を視認することができた。
この世の闇を、黒き感情をまさに体現した破壊者を包む衣は、黒一色。
袖から覗く肌も、仮面と髪の隙間にある顔も、人とはかけ離れた異色の黒に染められている。
玉座の横には、同じ様に漆黒の聖剣が、立てかけられていた。
(´・ω・`)「……お前が、“アンノウン”か?」
爪 ゚W〉《…………》
ξ;゚听)ξ(やっぱり……人間じゃ……ない……?)
ξ;゚听)ξ(デレのペルソナ……たしか、アカ・マナフ……翼はないけど、あれに似てる……)
- 427 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:26:27.94 ID:7rVCYidG0
-
全ての世界に影響を与え、破壊しようと目論む程の存在だ。
人ではないかもしれないとツンは以前から考えていたが、実際に目の当たりにすると、やはり戸惑いを隠せない。
姿こそ人のそれであろうとも、それだけだ。人間とは、あまりにも違いすぎた。
爪 ゚W〉《我に名はない》
その声も、地を這うように重く、鈍く、低い。
爪 ゚W〉《だが、この世界の者どもは、我をそう呼んでいる》
(´・ω・`)「……そうか」
一歩、ショボンが前に出た。
既に両手には、分離させたアルファベットZが握られている。
(´・ω・`)「一つだけ訊く。この世界のクー達が消えたのは、お前の仕業か?」
爪 ゚W〉《…………》
ショボンの質問に、アンノウンは返事とは違う動きを見せた。
赤い瞳を細め、表情を歪ませて。
嗤っていた。
- 428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:27:21.06 ID:prr0bElTO
- アンリ・マンユクラスかなシエンラ
- 429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:27:35.04 ID:BYHc3BaA0
- 支援だ
- 430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:28:12.05 ID:v4pbJuGj0
- しえん
- 431 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:28:50.19 ID:7rVCYidG0
-
(´・ω・`)「答える気がないのなら、それで構わん」
アンノウンが浮かべた蔑むような笑みに、ショボンは回答を諦めた。
元より期待はしていなかったのだ。更に一歩、間合いを詰めていく。
ツンもショボンに続く。握る拳に、力を籠めて。
爪 ゚W〉《クク……いいぞ。静かに燃える胸奥の火。即ち、怒り》
爪 ゚W〉《よくぞそこまで、成り果せた。“主人公格”として、申し分ない》
(´・ω・`)「……?」
歩みを、止める。
爪 ゚W〉《異世界から降り立ち、異なる舞台にも拘わらず……この短期間で、見事だ》
(´・ω・`)「何を言っている? 主人公格とはなんだ」
爪 ゚W〉《クク……質問が増えたな》
(´・ω・`)「…………」
この世界に訪れてから、彼らは戦い通しだった。
アンノウンがどれほど危険な存在であるか、漠然と伝えられ、そしてそれを止めなければいけない。
彼らが知っているのは、大雑把にそれだけだった。
アンノウンの動機も、聖剣に関しても、実の所何も知らないと言っても過言ではない。
語られる中の“鍵語”一つ、理解することができないのだ。
- 432 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:30:05.00 ID:BYHc3BaA0
- ふーむ
- 433 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:30:58.61 ID:7rVCYidG0
-
(´・ω・`)(こいつを倒すことに、必要な情報ではないと思うが……しかし……)
どうしても、主人公格という言葉が、ショボンの胸に残っていた。
何か重大な言葉ではないのか。そしてそれは、クー達が消えたことと関係しているのではないのか。
アンノウンを打倒することこそが最優先なのは、今も変わらない。
それでも、釈然としない何かが痼となって、彼の心に留まり続けている。
爪 ゚W〉《……残りの二人を待っていてもいいのだぞ?》
実際、ショボンが迷った仕草を見せたのは、一瞬だった。
アンノウンはそれを見逃さず、余裕を見せつける為にそんな提案をしたのだ。
ξ#゚听)ξ「二人を……どうしたの!?」
ツンがそれに、声を荒立てて噛みつく。
爪 ゚W〉《貴様らにした事と同じだ。主人公格として相応しいかどうかを、見極めている》
アンノウンが右手の手の平を上に向けると、その上の空間が揺らいだ。
突然の変化に、咄嗟に二人は構え直し、臨戦態勢に移る。
しかし生まれたものは、攻撃の為に生み出されたものではなかった。
アンノウンの手の上に浮んだ小さな四角形の中で、何かが蠢いている。
- 434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:31:33.16 ID:prr0bElTO
- マハシエン
- 435 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:32:01.33 ID:Kbd7ktPk0
- 支援
- 436 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:32:56.59 ID:7rVCYidG0
-
ξ゚听)ξ(なに……? テレビの画面みたいな……)
爪 ゚W〉《かつてこの世界を支配しようとした魔……それと、戦っている》
爪 ゚W〉《見物でもするか?》
ショボン達の位置からでは、ヴィジョンに何が映っているか見ることができない。
だが、無事であることが立証されたのは、二人にとって有り難かった。
ξ゚听)ξ(二人が来るまで、このまま喋らせて時間を稼ぐこともできる……)
ξ゚听)ξ(でも、先に手の内を探ることも……!)
ξ゚听)ξ(ラストスノーの時と同じ様に、弱点を探っていくだけでも、有利にはるはず……!)
(´・ω・`)「……随分と余裕のようだが」
爪 ゚W〉《……?》
(´・ω・`)「確かに、訊きたい事は多くある」
(´・ω・`)「だがやはり、お前を討つことが、最優先だ」
- 437 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:34:43.80 ID:BYHc3BaA0
- 先に動くか
- 438 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:34:51.12 ID:v4pbJuGj0
- ルージアル△
- 439 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:35:24.15 ID:7rVCYidG0
-
爪 ゚W〉《……勇むのも構わんが、仲間がくるまで大人しくしていた方が得策ではないのか?》
爪 ゚W〉《世界を越え、邂逅を経たのだ。全員揃って滅してやらんこともない》
(´・ω・`)「心遣いとして、受け取っておこう」
Zを握る手に、力を籠める。
(´・ω・`)「だが、残念だ。二人が着いた時には、お前の首は胴から離れているだろうからな」
ショボンが長駆を前に倒し、駆けた。
爪 ゚W〉《…………》
聖剣を持ち、ショボンを迎え撃たんと立ち上がる。
同時に、アンノウンも地を蹴った。
王の間の中央で、長大な武器が重なり合い、甲高い音が鳴る。
眩い閃光が煌めいたと、ツンが錯覚してしまう程に高い音で。
(´・ω・`)「それが、聖剣か」
ショボンが繰り出したのは、上方から振り下ろされる右のZ。
アンノウンは聖剣を水平に寝かせ、交差させるように受け止めていた。
すかさずショボンは、左のZを脇腹目掛け切り上げる。
- 440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:35:30.45 ID:prr0bElTO
- ショボンはやる気だ!
- 441 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:36:59.09 ID:Kbd7ktPk0
- 支援
- 442 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:38:02.04 ID:7rVCYidG0
-
爪 ゚W〉《ッ!》
アンノウンは大きく後方へ跳び、Zを避けた。
聖剣の刀身も長大である。それでもリーチでは少し、Zに分があった。
ξ#゚听)ξ『ブフダイン!!』
好機と読んで、アンノウンの着地点へツンが氷柱を叩き込む。
着地と同時に対象へ触れる程の、絶妙なタイミングであった。
異形と化したドクオをも貫いた氷柱が、アンノウンを貫かんと降り注ぎ────
爪 ゚W〉《…………》
意に、介さず。
聖剣の一振りで、人の胴ほどもある氷柱は、まるで薄氷のように、粉砕された。
ξ;゚听)ξ「────!?」
これ以上無い、追撃だった。
実際にアンノウンは避けることが出来ず、聖剣を使い迎撃した。
だが、ツンが驚いたのは迎撃されたこと自体ではなく、別の事だ。
ξ;゚听)ξ(なんで……まるで力を入れずに、振ってた……それだけで……)
砕かれた氷柱は力を失い、文字通り空間に溶け、消えて行く。
- 443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:38:22.14 ID:v4pbJuGj0
- まずはペルソナを使わずにZを使う辺りがいいな
- 444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:38:41.05 ID:prr0bElTO
- アルファベットZ 攻撃128 命中95 2回攻撃
- 445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:39:33.32 ID:BYHc3BaA0
- しえん
- 446 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:40:10.59 ID:7rVCYidG0
-
直後。
爪 ゚W〉《!!》
聖剣を、垂直にかざした。
盾にして、身を守る為だ。
(´・ω・`)「…………」
強く睨むショボンの手には、アルファベットW。
超至近距離からのFは惜しくも聖剣に弾かれ、音を立てて地に落ちた。
すぐさまショボンは、Zを構え直す。
(´・ω・`)(なるほど……反応速度も、常人とは比べものにならん、が……)
(´・ω・`)(この距離からのWを、剣を立てただけで防いだ。あんな真似は恐らく、Zでも不可能だ)
(´・ω・`)(間違いなく、破壊されるはず……となると、強度はZよりも上と見て間違いはないか……)
また、間合いを詰める。
アンノウンは受け身に回らず、今度は斬撃を放った。
水平に、ショボンから見て右から刃が迫る。
狙いは、首だ。
ショボンは右のZで、易々とそれを受け止めた。
- 447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:40:41.40 ID:rNns12x/0
- やっぱり力不足感が否めないツンさん
- 448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:40:59.13 ID:Kbd7ktPk0
- ゲームなら二人がきてからボスの行動パターンが変わるイベント戦だな
- 449 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:42:36.30 ID:7rVCYidG0
-
(´・ω・`)「…………」
交差した、聖剣とZ。ショボンはそこへ、更に左のZを見舞う。
初撃と同じく、金属が交わる甲高い音が鳴る。
(´・ω・`)「……?」
ふと、ショボンに違和感が走る。
それを弾くように、ショボンは左足でアンノウンの腹を蹴り上げようと、
爪 ゚W〉《ッ……》
しかし、瞬時に間合いを見切り、アンノウンは小さく後方へ跳ぶ。
ツンの追撃は、ない。
ショボンが再び斬り込んだからだ。
二合、三合と、ショボンは何かを確かめるように剣撃を見舞う。
その悉くを聖剣で防ぎ、或いは避け、アンノウンも剣を振るう。
ξ;゚听)ξ(ショボンさん……何かを、探ってる……?)
ξ゚听)ξ『……スアデラ』
ショボンの意図を察し、ツンは以前のペルソナを喚ぶ。
スアデラでしか扱えない言霊を、紡ぐ為だ。
- 450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:43:44.01 ID:BYHc3BaA0
- なるほど
- 451 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:44:41.92 ID:prr0bElTO
- Zよりも強い……だと?
- 452 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:45:42.09 ID:7rVCYidG0
-
ξ゚听)ξ『ラクカジャ!』
交戦中のショボンの体を、青い光が包み込んだ。
ξ゚听)ξ(気休め程度だけど……ないよりは……)
物理防御力を上昇させる力だ。
剣撃を防ぎきることは叶わないだろうが、致命傷は避けられるだろうと判断しての補助だった。
尚も剣戟は、続く。
(´・ω・`)(……隙がないな)
アンノウンの斬撃は、速く、鋭い。
巨大な剣にも拘わらず右腕一本で振り回し、双剣のZを防ぎ、或いは避け、的確に反撃を繰り出していた。
爪 ゚W〉《貴様の世界、知っているぞ》
(´・ω・`)「…………」
爪 ゚W〉《アルファベットZ。なるほど、確かに強力な武器だ》
ショボンがアンノウンの胸元へ、左のZを突き出す。
横へと流れ躱したところへ、それを追うように横へ薙いだ。
聖剣を重ね、Zを受け止める。
アンノウンの左のガードが、空いた。
- 453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:47:15.28 ID:v4pbJuGj0
- しえん
- 454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:47:42.12 ID:prr0bElTO
- カジャ系は地味に大事だ支援
- 455 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:47:48.80 ID:7rVCYidG0
-
(´・ω・`)「ふッ!」
先のアンノウンとは、逆。今度はショボンが首を狙い、右のZを薙ぐ。
アンノウンは逆に間合いを詰めた。左のZと聖剣の刃が不快な音を立て、滑る。
懐に入り込んだアンノウンは、ショボンの右手首を掴み、右のZを止めた。
爪 ゚W〉《それを扱う貴様も、よく訓練されている》
(´・ω・`)「お前と戦う為に鍛えたわけじゃないんだがな」
ショボンの右手と、それを掴むアンノウンの左手。
両者の腕は小刻みに震え、均衡を保っていた。
爪 ゚W〉《ショボン=ルージアル。ヴィップの大将として尽力し、天下統一の為に戦う》
(´・ω・`)「ッ……」
左のZも、右腕も、アンノウンを押し切る事はできない。
アンノウンも声色こそ変わってはいないが、ショボンの手首を握る力は、相当なものだ。
単純な力は、ほぼ互角と言えた。
爪 ゚W〉《全ては祖国のために……そうだな?》
(´・ω・`)「!!」
アンノウンの瞳が、歪んだ。
それが意味するのは、笑みだ。
笑みか、言葉か、そのどちらかに、ショボンが一瞬の動揺を見せた。
- 456 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:50:07.36 ID:7rVCYidG0
-
そこへ。
ξ#゚听)ξ『ブフダイン!!』
再度放たれた、アルテミスの一撃。
ショボンを巻き込むことを危惧してか、生まれた氷柱は一つだけだった。
均衡状態のアンノウンの頭上目掛け、先端を尖らせた氷柱が迫る。
爪 ゚W〉《ッ!》
屈み、また後方へ跳んだ。
堰を失った左右のZが、鋏のように交差する。
何もない空間に空しく落ちた氷柱を両断し、ショボンはそこで手を止めた。
ξ#゚听)ξ『これなら……! ダイアモンドダスト!!』
ツンはブフダインを避けられることを、読んでいた。
これこそが本命の一手。高密度の冷気と氷の礫が、後方に下がったアンノウンに迫る。
爪 ゚W〉《こんなもの……!》
迫り来る吹雪を、聖剣を振り下ろして迎え撃った。
普通であれば、そんな動作で止められる事象ではない。
ξ;゚听)ξ「えっ……!?」
聖剣によって生まれた剣圧がダイアモンドダストに触れるや否や、
絶対零度の嵐は掻き消えてしまっていた。
- 457 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:50:52.54 ID:BYHc3BaA0
- どこまでわかるのか
- 458 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:53:09.60 ID:7rVCYidG0
-
爪 ゚W〉《……涼風よ》
冷気の余韻が、アンノウンの長髪を揺らした。
しかし、それに浸ることはない。アンノウンはすぐに動いた。
再び駆けた先は、ツンの眼前だ。
ξ;゚听)ξ「ッ!」
咄嗟に間合いをとろうと、後方へ下がりつつ、
ξ;゚听)ξ『ペルソ────』
爪 ゚W〉《……遅い!》
アンノウンの間合いから完全に逃れることは、できなかった。
聖剣を振り下ろし────彼女の頭上直前で、聖剣は止まる。
(´・ω・`)「俺を忘れてもらっては困るな」
横合いから左のZで、止めていた。
すぐに右のZで追撃を計る。アンノウンは大きく跳躍することでかわし、同時に距離を取った。
ξ;゚听)ξ「す、すみません……」
(´・ω・`)「いや、俺も少し、反応が遅れた」
- 459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:53:35.25 ID:prr0bElTO
- 聖剣の力がチートすぎる支援
- 460 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:54:27.28 ID:Kbd7ktPk0
- 一騎打ちの結果もすでに読んでそうだな
つーか本編より過去なのルージアルさんだけか
- 461 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:54:56.27 ID:v4pbJuGj0
- フォックスは書かれたとこしか知らなかったけど
アンノウンは全部知ってんのか
- 462 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:55:06.97 ID:7rVCYidG0
-
アンノウンの言葉で動揺した所為、ではなかった。
ツンを助ける為にWを使う事を、躊躇していたのだ。
(´・ω・`)(残りのFも、後二本……あのタイミングでは、結局また防がれていただろう)
ξ;゚听)ξ「……ショボンさん」
(´・ω・`)「なんだ?」
ξ;゚听)ξ「アルテミスの力を止めたのは……聖剣の力を使ったんでしょうか……?」
(´・ω・`)「聖剣か……」
ショボンも、ツンも、それぞれがこの世界のクーとブーンから聞いていた。
しかし、二人が話し、二人が聞いたことも、同じ内容だったが。
(´・ω・`)「聖剣には、願いを叶える力は残っていないと聞いている」
ξ;゚听)ξ「……私もです」
(´・ω・`)「それをどうやって知ったのかは分からんが、この情報は多分、間違ってはいない」
ξ;゚听)ξ「……どうして、そう言えるんですか?」
(´・ω・`)「力を扱うには、別の力……対価が必要だと、クーは言っていた」
(´・ω・`)「だとすれば、防御に使うような無駄なことには、使わないはずだ」
- 463 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:56:28.45 ID:BYHc3BaA0
- これは謎だな
- 464 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:57:21.04 ID:prr0bElTO
- つまり、どういうコトだってばよ
- 465 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:57:28.86 ID:7rVCYidG0
-
ξ;゚听)ξ「……でも、それほど力を必要としないのかも……」
(´・ω・`)「絶対とは、言い切れん。だが、俺は他の可能性が高いと見ている」
ξ;゚听)ξ「他の可能性……?」
ショボンはアンノウンを睨み、Zを構えたまま、続けた。
(´・ω・`)「聖剣自体に、他に特殊な力がある可能性だ」
(´・ω・`)「十数合、干戈を交えた。打ち合う数を重ねる度に、それが明確に見えてきた」
ξ;゚听)ξ「…………」
(´・ω・`)「あいつは全ての攻撃を、“片手”で持った聖剣で、防いでいた」
(´・ω・`)「あの巨大な剣を片手で振り回すのは、ただの怪力であるとすれば、まぁ、納得はできる」
(´・ω・`)「しかし、さっき奴と組んだ時、力は俺と然程変わらなかった」
ξ;゚听)ξ「そ、それが……?」
(´・ω・`)「武器を扱わないお前には解らんかもしれんが、それでは辻褄が合わないんだ」
ξ;゚听)ξ「……?」
- 466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:58:36.39 ID:v4pbJuGj0
- ラストスノーで一本、アンノウンで一本しか覚えてねえ
後一本どこで使ったっけ
- 467 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 22:59:25.69 ID:rhvi+aRDO
- >>466
アルファパートの擬態する敵に1つ
- 468 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 22:59:38.25 ID:7rVCYidG0
-
(´・ω・`)「長い物……例えば、旗だな。末端を持つと、重いだろう?」
ξ;゚听)ξ「あっ……!」
(´・ω・`)「同じ力で打たれた剣撃を、長大な剣で防いだ場合、受ける側の負担は大きい」
(´・ω・`)「そのはずなのに、聖剣は微動だにしなかった。片手で柄……末端を持っているのに、だ」
(´・ω・`)「斬撃どころか、至近距離からのWですら剣を立てただけで、止められた」
(´・ω・`)「そして……お前のペルソナも、聖剣の一振りで力を失っている」
ξ;゚听)ξ「…………」
(´・ω・`)「もし、アンノウン自身が何らかの力を使っているのなら、氷柱を避けることもしなかったはずだ」
(´・ω・`)「だから、恐らく────」
刃を交えたショボンだからこそ、そこに辿り着いた。
そしてその結論は、この世界の戦士達が敗北した原因にも、繋がっている。
この世界のツン最強の雷撃も、ブーン達決死の禁呪をも打ち破ったのも、その不可視の能力こそが、全てであった。
爪 ゚W〉《談合は、もう良いのか?》
(´・ω・`)「あぁ、構わんさ」
二人の会話は、アンノウンに届いてはいなかった。
何かを講じているようだ。彼が考えていたのは、たったのそれだけだ。
- 469 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:00:20.89 ID:v4pbJuGj0
- >>467
それはちゃんと回収してただろ
- 470 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:01:05.54 ID:BYHc3BaA0
- ふむう
- 471 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:02:34.36 ID:Kbd7ktPk0
- やはり頭脳としての役割は大きいですね
- 472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:02:45.13 ID:rhvi+aRDO
- >>469
そうだったっけ?
ちょっと読み返してくるか……
- 473 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:03:35.47 ID:prr0bElTO
- なんにしろアンノウンはチートすぐるw
- 474 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:04:07.95 ID:7rVCYidG0
-
アンノウンにとって、二人の力量がどれほどあろうとも、関係はない。
上等な主人公格、つまり聖剣の糧として、ショボンとツンは現れた。
後は聖剣を突き立て、力を補充するのみだ。
この世界を消し去った後に、残った力を使い別世界へと飛ぶ。
彼にとって思い描いている未来は予定ではなく、確定事項なのだ。
もとより、四人が揃った時に纏めて始末するつもりである。
二人を試した時と同じく、愉しんでいるのだ。
爪 ゚W〉《……ククッ……主人公格との戦いというものは、かくも我を滾らせる》
ξ;゚听)ξ「……?」
爪 ゚W〉《小娘よ。我は愉しんでいるのだ。得た肉体を使い、力を使い、相剋の中に立つ》
爪 ゚W〉《結果は見えているが……それでも、躍動する悦びは我を奮い立たせる》
爪 ゚W〉《そしてその先にあるものが……同時に待ち遠しいのだ》
左腕を挙げ、拳を強く握った。
昂ぶった気が、そうさせていた。
爪 ゚W〉《聴かせろ! 貴様達の断末魔を! 夢半ばで途切れる絶望の血涙を降らせてみろ!》
爪 ゚W〉《我を愉しませる事が……貴様達の使命なのだから!!》
- 475 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:05:38.53 ID:Kbd7ktPk0
- ブーン系最強の世界ってどこなんだろうな
- 476 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:06:17.27 ID:7rVCYidG0
-
(´・ω・`)(……どうにも、とらえ所のない奴だが……)
(´・ω・`)(油断してくれているのなら、こちらとしては有り難い)
悦に浸るアンノウンを無視して、ショボンが駆ける。
アンノウンは眼を細めたまま、聖剣を構えた。
右のZを振り下ろす。聖剣を掲げ、それを防いでいた。
(´・ω・`)(俺の予想は、的を射ているとは思うが……)
(´・ω・`)(……もう一つ……)
防がれた右のZを引くと、またすぐに水平に薙ぐ。
今度は聖剣を縦に構え、アンノウンは余裕を持って防いだ。
(´・ω・`)(この動き……やはり……)
二度の斬撃で、ショボンはもう一つの違和感を膨らませた。
そして三度、またも右のZを振るう。
同じ様に、聖剣で防いだ。そこへ、今度は左のZで突きを見舞う。
爪 ゚W〉《ッ》
右へと跳び、それを躱す。ショボンの間合いからも、完全に脱していた。
ショボンもツンの位置まで下がり、十数歩の距離を置いて、再び対峙する形となった。
- 477 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:08:56.69 ID:7rVCYidG0
-
(´・ω・`)(右腕しか、使えないのか……?)
(´・ω・`)(いや、俺の手首を掴んだ手は、左手だったな)
ショボンが右のZを繰り出せば、アンノウンから見れば、左方からの攻撃となる。
だがアンノウンは聖剣を持ち替えることをせず、不自然な体勢で聖剣を右手に持ったまま、防いでいた。
今の三合だけではない。今までの攻撃を、全てそうして防いでいたのだ。
(´・ω・`)(持ち替えないにしても、両手で握ることすらしないのは……どういうことだ?)
(´・ω・`)(片手で余裕を見せつけている……考えられんこともない、が)
思考に費やすは、数瞬。
(´・ω・`)(……まぁ、仕掛けてみるか)
ショボンが少し、首を動かす。
聖剣の能力を語った後に、次の手は既に話し終えていた。
ξ゚听)ξ(……はい!)
それは、ツンへの合図だった。短い時でも、共に戦い死線を越えた二人である。
一言で全てを汲み取るまではいかないが、急造の域は充分に脱していた。
それは開戦時にツンが放った追撃を見れば、明らかだ。
(´・ω・`)「ッ!」
短く息を吸い込み、ショボンが地を蹴った。
- 478 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:09:49.71 ID:BYHc3BaA0
- 難しいな
- 479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:10:37.63 ID:prr0bElTO
- >>475
やっぱチートかな?
- 480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:11:11.60 ID:tp71FQQ80
- 残り2人はやくきてー
- 481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:11:34.15 ID:v4pbJuGj0
- あざーす。スノー戦読み直しまふ
- 482 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:11:40.63 ID:7rVCYidG0
-
爪 ゚W〉「ッ!?」
長駆のショボンが、アンノウンの眼前から突如として、消えた。
実際には、消えたように見えただけだった。疾駆しながら限りなく低く、身を屈めただけだ。
注視していれば、アンノウンでなくともすぐに気が付く。
はずだった。
ξ#゚听)ξ『クレセントミラ────ッッ!!』
それに気が付けなかったのは、ショボンが屈んだ直後に、ツンの姿が見えたからだ。
ショボンの頭上を、アルテミスが放った金色の矢が通り過ぎていく。
“力”の通過を感じ取ったショボンはすぐに上体を戻し、矢に続く。
爪 ゚W〉《チィッ!!》
クレセントミラー。ツンが扱う中で、最強の一撃だ。
アンノウンもそれを知っていたが、よもやこんなに早い局面で使用してくるとは、思っていなかった。
これまでのアルテミスの力を迎撃したように、光矢を断たんと聖剣を振り上げた。
そして矢の先端は、聖剣の刃を受け、断たれる。
ξ;゚听)ξ(っ……やっぱり……)
対象に触れれば発動するはずの球体は、生まれることなく。
光の矢は細かな黄金の粒子を撒きながら、無に溶けていった。
- 483 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:11:52.69 ID:tp71FQQ80
- あ、ロマ忘れてた3人だな
- 484 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:12:47.43 ID:rNns12x/0
- ロマにやられたからか
- 485 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:13:14.28 ID:BYHc3BaA0
- つええ
- 486 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:13:56.02 ID:7rVCYidG0
-
ξ゚听)ξ(ショボンさんの、読み通り!)
爪 ゚W〉《ッ!?》
クレセントミラーの、すぐ後方。金色の軌跡を、滑走するように。
光の矢に隠れる形で、もう一つの矢が既に放たれていたのだ。
気付かれぬように、光に紛れるように、巧妙に。
その矢の名。アルファベット、F。
(´・ω・`)
構えられたWは、既に弦から手を離した後だ。
爪 ゚W〉《お……おおおおぉぉぉぉッッ!》
アンノウンの目に、Fはひどくゆっくりと、流れていた。
同じ様に、自身の体も重くなったような錯覚に見舞われる。
Fの軌道は、体の中心線を見事に狙い撃たれていた。
アンノウンは体を捻り、決死の回避を試みる。
- 487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:14:52.50 ID:Kbd7ktPk0
- ロマがさっきからちょろちょろとみたいなこと言ってたし左手出張中か?
- 488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:15:21.72 ID:BYHc3BaA0
- (´・ω・`) に噴いてしまった
- 489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:15:36.93 ID:prr0bElTO
- やっぱアンノウンつえー
- 490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:16:36.13 ID:v4pbJuGj0
- (´・ω・`) に吹くわwww
- 491 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:17:06.39 ID:7rVCYidG0
- Fが、貫いた。
アンノウンの左肩を掠め、遥か後方の、石壁を。
ξ;゚听)ξ「ッ……!」
ツンの一撃に間に合わせる為、Fを影矢とする為に、速射を要求された。
加えて、体勢も万全ではなかった。ショボンは弦を充分に引き絞ることができなかったのだ。
威力はともかく、Fの射出速度においてそれは致命的であった。
結果、Fは避けられてしまう。
彼にはそれが、わかっていた────
(´・ω・`)「はぁッ!!」
わかっていたから、こそ。
己が放った一撃が緩慢であったからこそ、ショボンは更なる追撃に、移行していた。
Wは無造作に床に置かれていた。Wを背に仕舞う間すら、惜しかったからだ。
両の手には勿論、最強のアルファベットZがそれぞれ握られている。
アンノウンは聖剣を振り上げた体勢のまま、身を捩っている。
万が一の聖剣の迎撃を防ぐため、ショボンは左のZを水平に頭上へと掲げた。
そして右のZを、がら空きの胴目掛け、振り下ろした。
- 492 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:19:23.77 ID:7rVCYidG0
-
(´・ω・`)「…………」
頭上を覆うようにして掲げた、左のZに交差する、聖剣。
爪 ゚W〉《…………》
胴を断つ、と確信を持って振り下ろした、右のZは。
アンノウンの脇腹の、本当に一歩手前で、止められていた。
(´・ω・`)「……絶好の機、と思ったんだが」
右のZを止めたもの。
アンノウンの左手に握られていたもの。
長さは、約五尺。紫電纏う────いや、全てが雷で創られた雷剣。
この世界のツンが使っていた、召喚術を応用して生み出された、雷剣だった。
それを逆手に持ち、その先端を石の床に突き立て支えにして、Zを受け止めたのだ。
爪 ゚W〉《残念だったな。今のは、惜しかったぞ》
(´・ω・`)「左手に何かあるとは見ていたが、なるほどな。異能の力、か」
交えた獲物と同じ様に、言を交える。
ξ;゚听)ξ(そんな……あと少しだったのに……)
- 493 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:19:30.33 ID:prr0bElTO
- おお、初ダメージか?
- 494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:20:25.14 ID:BYHc3BaA0
- 支援
- 495 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:21:28.70 ID:7rVCYidG0
-
聖剣を弾き、ショボンは後方へ下がる。
Wを拾い上げた後に、アンノウンと再び向かい合った。
(´・ω・`)「…………」
ショボンは右手に、少しの痺れを感じていた。
Zを通しての雷剣の感触は、彼に明らかな質量を思わせる。
中に芯があり、それが紫電を纏っている。そう創られていると、ショボンは感じていた。
当然、彼が雷を斬ったことなどはない。初めての感覚に、少しの戸惑いを見せる。
極々微量な静電気を幾重にも受けた。右手の痺れは、例えるならそれだ。
(´・ω・`)(左手に、奥の手を隠していた……)
(´・ω・`)(だが、両手で聖剣を持たない理由にはならない)
(´・ω・`)(加えて……)
痺れの他に、確かな感触を思い出す。
アルファベット同士を、物質と物質を交えた、確かな感触。
聖剣との剣戟では、感じ得なかったものだった。
(´・ω・`)(単純に、聖剣とは重量が違うということか……)
(´・ω・`)(あの雷剣の方が重いとは、到底思えないが……)
- 496 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:22:17.95 ID:UPgNHz420
- アルファベットは電気通さんのかね?
- 497 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:22:57.27 ID:prr0bElTO
- ふむふむ……
- 498 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:23:31.69 ID:7rVCYidG0
-
(´・ω・`)(もしかすると、俺が思っている以上に聖剣は厄介なのかもしれん)
(´・ω・`)(しかし、攻める度に確実な手応えがある……それが、逆に……)
ショボンが抱いた疑問について、ツンも同じ事を思っていた。
戦い始めて、あまり時間は経ってはいない。
その中で、討つことこそ叶わなかったが、好機と呼べるものは何度もあった。
ξ゚听)ξ(追いつめてる……確実に……)
ξ゚听)ξ(でも、なんで……わからない事もある、けど……)
ξ゚听)ξ(これなら、まだ……)
(´・ω・`)(まだ、ラストスノーの方が、手強かった)
決死で糸を辿り、ショボンがペルソナを得て漸く打倒に至ったラストスノーの方が、間違いなく。
攻撃の熾烈さも、規模も、この戦いの比ではなかった。
人型と人外、という差はあるものの、黒幕たるアンノウンが劣っているということは、如何にも不自然だ。
あの時程に攻め倦ねている状況でもない。単純に攻めるだけで、勝利への道が見えてくる。
決め手には欠けるが、それでも二人は、勝てないという事は微塵も感じなかった。
且つ、未だ二人には最高の奥の手が残されている。
自身達と同じく、この世界に導かれた仲間達だ。
ここにブーンとクーが加われば、もはや勝利は必至とも思えるほどに。
- 499 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:25:59.96 ID:7rVCYidG0
- 爪 ゚W〉《…………》
左手に持たれた雷剣が、消えた。
(´・ω・`)「!!」
そのまま、アンノウンは左腕を振り上げる。
頭上でピタリ止められた手の形は、手刀。
蛇のような形をした炎が、ショボンに迫る。
不意を突いたわけでもなく、Wで放たれたFのように鋭くもない。
ショボンは難なく躱した。
しかしその炎には、見覚えがあった。
(´・ω・`)(今のは……クーが扱っていた召喚術……)
爪 ゚W〉《ククク……》
ショボンの思考を読んだのか、アンノウンの目が満足げな笑みに歪む。
そのままゆっくりと左手を下ろし、手首を返した。
手の平を上に向け、その上に生まれたのは人の頭ほどの火球だった。
ξ;゚听)ξ「あれは……ブーンの……!」
そのままそれを、ツン目掛け投げつける。
ショボンはアンノウンから視線を外さずに、動かなかった。
あの程度なら避けられるとショボンが判断した通り、ツンはそれをあっさりと躱す。
火球は後方の壁に激突し、派手な音を立ててその力を失った。
- 500 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:26:18.30 ID:enKwPhgJ0
- フリーザですね
わかります
- 501 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:28:12.35 ID:7rVCYidG0
-
壁に穴は空いていない。
放射状に広がった黒い焦げ目と、小規模なクレーターが生まれていた。
威力もさることながら、この城の造りは相当頑丈なようだ。
そんなことは、二人には関係はないのだが。
(´・ω・`)「ツン」
ξ;゚听)ξ「は、はい」
(´・ω・`)「今の火球に、見覚えがあるのか?」
ツンの発言を、ショボンは聞き逃していなかった。
ξ;゚听)ξ「この世界のブーンが、同じ様な魔術を使ってました」
(´・ω・`)「なるほどな……その前の蛇のような炎も、クーが使っていたものだ」
ξ;゚听)ξ「それって……つまり……」
(´・ω・`)「確定付けるには情報が少ないが、恐らく奴も、クー達のような召喚術を扱える」
ξ;゚听)ξ「…………」
- 502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:28:53.64 ID:prr0bElTO
- 敵の力を吸収できるのか
- 503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:30:21.85 ID:BYHc3BaA0
- ほほう
- 504 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:30:28.73 ID:7rVCYidG0
-
爪 ゚W〉《……いいぞ……懸命に端緒を探れ……もっと我を愉しませるのだ》
今回の二人の会話は、アンノウンに届いていた。
(´・ω・`)「……手の内を晒すことは結構だが、後で痛い目を見ても知らんぞ」
爪 ゚W〉《その威勢、どこまで保つか楽しみだ》
(´・ω・`)「…………」
(´・ω・`)(正にこちらの台詞、と言いたいところだが……)
ξ゚听)ξ(さっきのショボンさんの攻撃……アンノウンが追いつめられてたとしか思えない)
ξ゚听)ξ(でもなんで、なんでここまで余裕でいられるの……?)
ξ゚听)ξ(なにか強力な召喚術が……ある……?)
(´・ω・`)(全ての召喚術を見たわけじゃない……)
(´・ω・`)(聖剣を持つ奴には通じなくとも、俺達にとっては剣呑と言える力があるのかもしれない)
(´・ω・`)(……そうだ。未だ奴の力が未知数であることに変わりはない)
二人同時に、考えを改めた。
普通に考えれば、ラストスノーを使役していた存在が、それより劣るという事は考え難い。
しかしそれでも、ショボンが放ったあの一手に、アンノウンは確実に追いつめられていた。
その事実が、逆に二人を迷わせている。
- 505 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:32:53.51 ID:7rVCYidG0
-
爪 ゚W〉《どうした? 攻めてこないのか?》
(´・ω・`)「…………」
爪 ゚W〉《残りの二人を待っても良い、とは言ったが、辿り着く保障はないのだぞ。
辿り着くことができなかったのなら、その程度だったということだ》
ξ゚听)ξ「…………」
二人は黙って、アンノウンの言葉に耳を傾けていた。
何か勝利に繋がるヒントが飛び出すかもしれない。
その余裕から、打倒に至るものを示唆する言葉を漏らすかもしれない。
それを逃すまいと思慮深く、静聴していた。
爪 ゚W〉《それはそれで興醒めだが……その時お前達に訪れる絶望を味わうのもまた、一興と言えよう》
分断されたブーンとクーについて、今の二人は然程気にかけてはいなかった。
同じく選ばれた存在である者同士が感じ得ていた予感、だけではない。
BOON-D1が誇る超火力兵器に、クーが操る仲魔達。相当な戦力であることは、容易に想像がつく。
実際に戦った姿を見たわけではないが、とショボンは言った。
だが、戦いに慣れた二人とあの武器達を鑑みるに、自分たちよりも総合的な戦力は恐らく、上だ。
そう考えていたショボンがそれを言わなかったのは、ツンの気を殺がないようにする為だった。
ツンも勿論、そのことは充分に理解している。
ショボンの懸念は、杞憂だった。
- 506 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:33:54.09 ID:v4pbJuGj0
- しえん
- 507 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:34:40.42 ID:8QkfQ0p6O
- 黒バラにアルファベットって項目が!
支援
- 508 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:34:58.80 ID:BYHc3BaA0
- 支援
- 509 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:35:07.49 ID:7rVCYidG0
-
爪 ゚W〉《…………ふむ、興、と言えば》
(´・ω・`)「……?」
自身の言葉に、アンノウンが何かを閃いたようだ。
爪 ゚W〉《こういうのは、どうだ?》
手の平を前方へ向けて、腕をあげた。
何かを放出する、と二人は案じたが、その予想は外れることとなる。
アンノウンの手から生まれた物は、先と同じく、雷だった。
異なるのは、その形。頭ほどの大きさの紫電を纏う、人型をした雷が創られていた。
ξ;゚听)ξ「……?」
更にアンノウンが、そのまま左手の指を曲げる。
それに呼応して、地に落ちたままのアルファベットFが浮き上がった。
人型の雷とFが、並び浮かぶ形となった。
(´・ω・`)「何をする気だ」
爪 ゚W〉《興趣を添える、というだけだ》
左手が強く握られ、拳となる。
同時に、雷とFが強い光を放ち、膨れ上がった。
- 510 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:35:18.88 ID:prr0bElTO
- マハシエンラ
- 511 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:37:17.00 ID:7rVCYidG0
-
(´・ω・`)「ッ……」
光のサイズには、差異があった。
雷だった方はFの側よりも、少し小さい。
爪 ゚W〉《さっき、我はお前に言ったな》
視線は、ショボンに向いている。
(´・ω・`)「……?」
爪 ゚W〉《我は、お前の世界を知っている、と》
(´・ω・`)「…………」
爪 ゚W〉《そして勿論、小娘よ。お前の世界も、知っているぞ?》
ξ;゚听)ξ「……それが……なによ……」
爪 ゚W〉《……ならば、この者達に見覚えはないか?》
二つの物体から発せられていた光が、弱まる。
その中に生まれていた物は、人程の大きさをしていた。
爪 ゚W〉《媒体は我の魔力と、異世界の武器。悪くは無いと思うがな》
爪 ゚W〉《我を知るなどと不遜な振舞をした老骨が編み出した力……。
セカンドウィルスといい、なかなかどうして、役に立つではないか》
- 512 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:37:26.80 ID:BYHc3BaA0
- なんじゃ
- 513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:39:23.45 ID:C6sjhzYi0
- 誰来る?
- 514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:40:19.38 ID:Kbd7ktPk0
- フォックスの能力か
- 515 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:40:19.96 ID:7rVCYidG0
-
この世界のショボンと、異世界のクーはそれを目にしていた。
爪 ゚W〉《さぁ、殺し合え》
全知全能を手にした、賢王フォックスが生み、溺れた力。
即ち、異世界の存在を具現化する力────
二つの光が、溶けた。
その後に佇むものは、二人の人間。
(`∠´)
ζ(゚、゚*ζ
二人にとって、見覚えがあるどころではなかった。
具現化された二人の姿は、心に根強く残りついている者だ。
(´・ω・`)(ベル……)
ξ;゚听)ξ「デレ……」
- 516 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:41:43.99 ID:BYHc3BaA0
- おおおおおぉぉぉぉぉぉ
- 517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:42:10.64 ID:prr0bElTO
- ベル・リミナリー辺り来ると苦しいかも
- 518 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:42:54.34 ID:tp71FQQ80
- ( ^ω^)「あの…」
- 519 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:43:48.80 ID:7rVCYidG0
-
稀代の英傑、ベル=リミナリー。
ツンに真の恐怖を味わわせた、デレ。
その二人が、アンノウンの力によって、眼前に現れた。
(´・ω・`)「今更何が起こっても不思議はないが……なるほどな。
フィレンクトもお前の興趣とやら、だったわけか」
爪 ゚W〉《その通りだ。残念ながら、お前には意味がなかったようだがな》
(´・ω・`)「いくら姿形を模していようと、所詮は偽物だ。斬り伏せることに、迷いはない」
アルファベットZを握る手に、力を籠めた。
(´・ω・`)「このまやかしも、同じだ」
(´・ω・`)「しかし」
追懐に駆られた事は、間違いない。
だが、それをショボンが想ったのは、一瞬のことだ。
- 520 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:44:48.61 ID:7rVCYidG0
-
今は別の感情が、彼の胸懐に燻っていた。
(´・ω・`)「俺の世界でアルファベットを握る者たち全てが仰ぐ存在」
(´・ω・`)「それが、ベル=リミナリーだ」
(´・ω・`)「お前如きが愚弄していい相手ではない」
ショボンは右のZをベルに、左のアルファベットをアンノウンに向けた。
(´・ω・`)「唯一無二の英傑を弄んだ罪、万死に値する」
心に燃えた怒りは言葉だけにではなく、表情にまで表れている。
ショボンがこの世界にきてから、最も感情を露わにしている瞬間だった。
彼にとってベル=リミナリーとは、それ程の男なのだ。
- 521 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:46:44.40 ID:GmDFbnWW0
- ショボンかっけぇ
- 522 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:46:50.84 ID:rNns12x/0
- ウォフ・マナフの股間思い出した
- 523 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:47:10.17 ID:7rVCYidG0
-
一方の、少女は。
ξ゚−゚)ξ「……」
かつての友は、豹変してしまった。
嫉妬と、それからくる殺意を、ツンは叩きつけられた。
前方に佇む、ツンと瓜二つの顔、姿をした少女、デレにだ。
異なるものは髪型と、そして────
(´・ω・`)「ツン」
ベルへの視線は外さずに、ショボンがツンに声をかける。
しかしツンは、ショボンが予想した言葉を発しなかった。
ξ゚−゚)ξ「大丈夫です」
正に、射貫くような視線。
デレを見据える姿は、凛として矢の如く。
言葉にも、口調にも、そしてその姿にも。覚悟の色は、浮き出ていた。
(´・ω・`)「……そうか」
フィレンクトと対峙した時にも、ショボンは同じ懸念を抱いた。
見知った者の姿をしている事で、ツンが力を出し切れない可能性がある。
彼はそれを案じたのだが、それが杞憂だったと知り、それ以上は言わなかった。
- 524 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:47:20.67 ID:BYHc3BaA0
- 支援!
- 525 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:47:36.07 ID:prr0bElTO
- ショボンが怒った!
- 526 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:49:35.54 ID:7rVCYidG0
-
二人が眼前の敵に持つ因縁は、異なる。
だが、目にした時に生まれた怒りは、同じだった。
ショボンは尊び、ツンは救うと誓った相手だ。
それを傀儡とし、敵として嗾けるなど、愚弄以外の何物でもない。
憤怒の炎を滾らせることは、必然と言えた。
それもやはり、アンノウンの心算であるのだが。
爪 ゚W〉《クク……怒れ。もっと、もっとだ》
愉悦。 . モト
ただ、それだけを欲め。
主人公格が黒き感情を、憤怒を、嫉妬を、殺意を募らせる事が、
アンノウンにとっての、愉悦であった。
己が抱いた感情を、主人公格達に味わわせる。ただ、それだけの為に。
(`∠´)
ζ(゚、゚*ζ
この二人は、生み出された。
- 527 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:50:49.67 ID:BYHc3BaA0
- (`・ω・´)
- 528 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:51:45.19 ID:7rVCYidG0
-
爪 ゚W〉《さて…………》
しん、と、刹那の間をまた切り裂いて。
爪 ゚W〉《────いけ》
その声に、二人の傀儡が疾駆する。
(´・ω・`)「ツン。一人でいけるか?」
ξ゚听)ξ「やります。いえ、やらせてください」
(´・ω・`)「……わかった。アンノウンにも注意を払え」
ξ゚听)ξ「……はい!」
左右に跳躍し、展開。互いの距離を拡げる。
交戦の余波を及ばせない為だ。
続き、ベルがショボンを、デレがツンを、それぞれ追う。
広い王の間の左側に、アルファベットを携えた二人が。
右側に、ペルソナ能力を操る二人が、対峙する形となる。
アンノウンは静かに、真紅の眼でそれを見つめていた────
- 529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:51:50.75 ID:prr0bElTO
- 欲めと書いて、もとめと読む支援
- 530 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:53:21.19 ID:rNns12x/0
- 棺桶に引きこもってるアイツ支援
- 531 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:53:54.58 ID:BYHc3BaA0
- 支援
- 532 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:54:08.32 ID:7rVCYidG0
-
──左方・アルファベット──
感情的になっている。
ツンの言葉は、そう思わされるものだった。
逡巡するということは、どうやらなさそうだ。
だが、勇みすぎている。
新たに生まれた懸念は、それだった。
目の前に立ち塞がる男は、真っ直ぐにこちらを見つめていた。
自分の世界で武に生きる者なら、知らぬものはいない。
アンノウンに発した言葉は、決して過言ではなかった。
(`∠´)
ベル=リミナリー。
大国ラウンジの礎を築いた、歴史に名を刻む程の英傑。
軽々しく形容する言葉ではないが、彼になら誰もが最強の武将と声を揃えるだろう。
その男を、例え姿形を模しただけであっても、ただの手先として扱った。
戦の、将の、アルファベットの象徴とも言える、誉れ高き男を。
ツンと同じく、自分も感情的になっているのが分かる。
一瞬、頭に血が昇りかけたが、今は冷静さが欠如していないことを自覚できていた。
- 533 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:56:16.66 ID:7rVCYidG0
-
ツンに向かっていった女は、自分は心当たりがないが、少なからず因縁がある相手なのだろう。
自分に対してベルを出してきたことを鑑みるに、それは間違いないはずだ。
だとすれば、ツンが自分と同じ感情を抱いたことは、充分に合点がいく。
だからこそ冷静さを欠いていないかが、気懸かりだった。
ラストスノーの空間に落ちた時、ツンよりも優れた者がいるのかと訊いた。
勿論だと、ツンは答えた。あの女がそうなのかは、分からない。
(´・ω・`)(……もし、そうだとすれば……)
ツンは今、非常に危険な状況にあると言える。
大丈夫と、ツンは自ら言い放ち、戦いに臨んでいる。
普通に考えれば、勝算のない戦いに臨むことはしない。
だが、感情的になっているが故に、判断力が欠如している可能性は大いに有り得る。
懸念は、それが全てだった。
(`∠´)「……ショボン=ルージアル」
(´・ω・`)「ッ……」
重い声が、耳に触れた。
自分の意識が、急速に引き付けられる。
- 534 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:57:31.37 ID:BYHc3BaA0
- しえん
- 535 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/19(日) 23:58:30.95 ID:7rVCYidG0
-
(`∠´)「ラウンジの天下の為に────」
ベルが背に、右手を伸ばす。
次に戻った手には、刃が中間で屈折した特徴的な武器が、握られていた。
(`∠´)「────貴様を、討つ」
向けられる、アルファベットV。
そして、もう一つ。
背に背負われた、翼のように見える物。
(´・ω・`)(W……アルファベットも同一、か……)
全てが、ベルだった。
憎らしいほどに。
こいつが自分に向かってきたのは、間違いなく計略による物だろう。
アンノウンが何を考えているか、未だ掴めていない。
だがそう考えれば、この二人を生んだ事の筋が通る。
自分を狙ってくれるのは、好都合だった。
ツンがペルソナを駆使すれば、アルファベットだけのこいつでは一溜まりもない。
それはそのまま、自分にも当てはまる。
こいつが何らかの能力を付加されている可能性も、捨てきれない。
それでもこの偽物は、自分の手で、アルファベットで、討ちたかった。
とても効率的と言えない、感情が生んだ意地だった。
- 536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/19(日) 23:59:08.27 ID:prr0bElTO
- キン肉マンでいうカメハメ師匠的な感じかねぇ支援
- 537 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:00:20.87 ID:x6g5/Kpd0
- オーディン使うのはちょっとアレか
- 538 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:00:41.93 ID:odoGb3Sy0
- やはり同じか…
- 539 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:01:08.41 ID:10asvdzI0
-
しかし、ツンの事を考えると出来るだけ早く片付ける必要がある。
(´・ω・`)「その姿で俺の前に立たれると、不愉快だ」
一歩、踏み込んだ。
握る双剣に、力を込める。
奧に見えるアンノウンは、微動だにしていなかった。
自分はZ。相手はVだ。
何もなければ、優位は変わらない。
Wを使う隙も、与えるつもりはない。
驕りも、油断も、ない。
アルファベット以外の力を使われようが、備えは充分にある。
極力ペルソナは使いたくないが、状況次第ではそれも仕方がない。
ベルが、駆けてきた。
(#`∠´)「はぁッ!!」
(#´・ω・)「ふんッ!!」
頭上から振り下ろされたVを、右のZで、敢えて真正面から受け止める。
この世界にきて初めての、純粋なアルファベット同士の邂逅。
それが、ひどく懐かしいもののように思えた。
- 540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:01:24.05 ID:BryglH3w0
- ボッシュートしちゃったらすぐ終わるけど、そうもいかないか
- 541 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:03:24.48 ID:10asvdzI0
-
──右方・ペルソナ──
ほんの数日前に会ったばかりなのに、数ヶ月も経っているような錯覚を覚えた。
それがなんなのかはよくわからないけれど、今、私の目の前に居るのは、どうみても。
ζ(゚ー゚*ζ「ひっさしぶり〜」
デレ、本人だ。
私と同じ制服を着て、あの時のままで、私を見ていた。
ξ゚听)ξ「…………」
ζ(゚、゚*ζ「なによ〜。挨拶くらいしなさいよね」
口調も態度も、あのままだった。
つまり、ペルソナを得た後の、まま────
ξ゚听)ξ「……久しぶりね」
アンノウンの魔力によって生まれた、“偽物”のデレ。
それに対して「久しぶり」というのも、何か違和感がある。
加えて、本物のデレとはもう一つ違うものが、ある。
ζ(゚、゚*ζ「ていうか何? この埃臭いとこ……」
ξ;゚听)ξ(……相変わらずだなぁ……)
- 542 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:05:32.22 ID:10asvdzI0
-
ζ(゚、゚*ζ「ま、どうでもいいわ」
ξ゚听)ξ「…………」
ζ(゚、゚*ζ「とっととアンタを、殺してあげる」
ξ゚听)ξ「ッ!」
膨れ上がる、ペルソナの共振。
デレの影が、私へ向けて静かに伸び上がる。
這い寄るように、ゆっくりと。
ζ(゚ー゚*ζ『ペルソナ』
影が、立ち上がった。
ショボンさんよりも、少し大きい。
その色は影のまま、アンノウンよりも深い漆黒に包まれていた。
背中には、一対の翼がある。ペルソナも、あの時の姿のままで現れた。
ζ(゚ー゚*ζ『お願い、アカ・マナフ』
邪神、アカ・マナフ。
あれを呼ぶには、黒きトラペゾヘドロンが必要と言っていた。
でも今デレの手には、それがない。
何故喚び出せるのか、アンノウンの力が関係しているのか、理由はわからない。
しかし、どうでもいいことだった。
- 543 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:05:47.24 ID:e4R3wv5pO
- シエンダイン
- 544 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:07:19.49 ID:10asvdzI0
-
ξ゚听)ξ(…………やっぱり)
違う。
違和感が、はっきりと形を成していく。
デレのペルソナを前にして、確信した。
あの時程の恐怖も、威圧感も、何も感じなかった。
アルテミスを得て、力が幾らか増したおかげなのか、少なからずそれに理由があるのだろう。
それだけではなく、あの箱がない所為か、アンノウンの力が不完全だった可能性もありうる。
冷静さを欠いていて、ショボンさんに啖呵を切ってしまった。
なんにせよ、そんなことをした手前、ここは一人で戦わなくてはいけない。
足を引っ張ってしまうわけにはいかないのだから。
でも、これならきっと、なんとかなりそうだ。
ξ゚听)ξ『アルテミス!』
ζ(゚、゚;ζ「ッ!?」
デレの顔に、明らかな驚きが見えた。
現れた月女神は、アカ・マナフを正面から見据える。
向こうを見れば、ショボンさんもまだ相手と対峙したままだった。
アンノウンは、動いていない。
- 545 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:07:22.40 ID:odoGb3Sy0
- 支援
- 546 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:08:46.82 ID:NXJrtCkU0
- JF……
- 547 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:09:19.71 ID:10asvdzI0
-
ζ(゚、゚;ζ「なによ……そのペルソナは……」
ξ゚听)ξ「あなたには関係ないわ」
ζ(゚、゚#ζ「随分……強気なのね」
ξ゚听)ξ「デレほどじゃないわよ」
ζ( 、 #ζ「ッ…………!」
ギ、と、奥歯を噛み締める音が聞こえた。
あのペルソナを前にして怯えない私が、気に食わないのだろう。
でも私だって、いつまでも畏縮しているだけじゃない。
ζ(゚、゚#ζ「気安く名前を呼ぶなッッ!」
大きく声を出した、直後。
ζ(゚、゚#ζ『アカ・マナフ! マハラギオンッッ!!』
デレのペルソナが呼応し、両の手がこちらに向けられた。
同時に放たれた炎の波が迫り来る。
ジョルジュが決死で受け止めた炎が、今は、あまりに。
あまりに、弱々しい。
ξ#゚听)ξ『ダイアモンドダスト!』
- 548 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:09:27.74 ID:e4R3wv5pO
- アカ・マナフはズルワーンの腹を蹴破って生まれた支援
- 549 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:10:43.44 ID:odoGb3Sy0
- ヤムチャさん…
- 550 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:11:14.02 ID:10asvdzI0
-
ζ(゚、゚;ζ「なっ!?」
炎と氷嵐がぶつかったが、力の押し合いにはならなかった。
アカ・マナフが放った業火は、アルテミスの力を受け凍り付き、砕け散った。
炎が凍るとは、なんとも不思議な現象だ。私が思ったのは、その程度だった。
ζ(゚、゚;ζ「何よ……それ……なんで……」
信じられない、と言った表情で首を左右に振る。
思った通り、この偽物は私の世界のデレよりも遥かに力が劣っている。
ならばきっと、ショボンさんの相手もそうだろう。
やはり、違うのだ。
このデレは、倒すべき障害なのだ。
奧に控えるアンノウンを倒し、戦いを、終わらせる為に。
そして自分の世界へ戻り、本当のデレを救わなければいけない。
ξ゚听)ξ「……偽物だけど、デレ」
ζ(゚、゚;ζ「……!」
ξ゚听)ξ「────ありがとう」
本来の、目的を。
私の世界のことを、思い出させてくれて。
- 551 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:12:12.51 ID:BryglH3w0
- JF……(´;ω;`)
- 552 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:12:20.56 ID:x6g5/Kpd0
- 瞬殺である
- 553 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:13:18.67 ID:10asvdzI0
-
ζ(゚、゚;ζ「なん……っ……!」
ξ#゚听)ξ『ペルソナッ!』
この偽物は、単に創り出されただけだ。
倒す事にも、迷いはなかった。
──左方・アルファベット──
(;`∠´)「ぐっ……ぬんッ!」
(´・ω・`)「…………」
剣撃を、こいつのVをZで受ける度に。
怒りが、蓄積されていくような感覚を覚える。
弱い。あまりにも。
Fを媒介にした所為なのか、具現化が不完全だったのか。
それともこれが、力の限界なのか。
何にしても、自分の世界のベルとは比べようもなかった。
アルファベットも、Vを模った下位かと思える程だ。
- 554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:13:23.23 ID:e4R3wv5pO
- >>551
JFは立派だったよ……
- 555 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:13:41.21 ID:/RIW8YE40
- 現行までの記憶しかないんだよな
- 556 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:15:35.88 ID:10asvdzI0
-
ツンも戦い始めたようだが、すぐに有利と分かった。
こいつと同じく、あちらの力も大したことはないようだ。
ならば、恐らくは不完全な力しか持たせられないのだろう。
(´・ω・`)「…………」
VよりもリーチのあるZで、敢えて攻撃を受け止めていた。
憤慨しつつも、心のどこかでベルの剣を求めていたのかもしれない。
だが、これ以上はもう、見るに堪えなかった。
(´・ω・`)「やはりお前は、即座に消えるべきだ」
振り下ろされたVを、下から強く斬り上げ、弾いた。
それだけでVが、砕け散る。
(;`∠´)「なっ……!?」
狼狽えたベルの脇腹に、右足で蹴りを叩き込む。
まともに受けたベルが、盛大に吹き飛んだ。
アンノウンの、側方まで。
爪 ゚W〉《…………》
(#`∠´)「おのれ……!」
- 557 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:16:57.59 ID:x6g5/Kpd0
- 確かにこんなベルは見たくないわな
- 558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:17:06.21 ID:OlNu3vWvP
- 実際に偽物ベルがいただけにタチ悪いな
- 559 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:17:31.78 ID:10asvdzI0
-
ζ( 、 ;ζ「きゃあっ!」
ベルが起き上がると同時に、ツンの相手も敵側へ倒れ込んでいた。
ツンが静かに、自分の隣に立ち並ぶ。
(´・ω・`)「とんだ児戯だったな」
ξ#゚听)ξ「アンノウン……許さない!」
爪 ゚W〉《…………》
しかし、見えない。
こいつの目的が、分からないのだ。
爪 ゚W〉《ふん……やはり、所詮は老骨の力か……》
(´・ω・`)(……老骨?)
アンノウンの呟きは、自分の耳にも届いた。
如何にも期待外れだった、という思いが深読みの必要もなく受け取れる。
だが、自分に見えた真意は、そんなことではなかった。
あのとき見せたクーの炎と、ツンが見覚えがあると言った火球。
加えて、偽物を生み出す時の言葉と、今の言葉で、理解した。
クー達のような召喚術を扱える、だけではない。
アンノウンは、この世界の力を全て使用できるのだ。
- 560 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:17:54.24 ID:FHpeEJUX0
- 新米のトロッソさんに仕留められたんだっけか、偽ベル
- 561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:18:58.25 ID:odoGb3Sy0
- しえーん
- 562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:19:08.57 ID:odqtC9cO0
- やっと追いついた
むしろファットマンだろこいつ
- 563 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:19:33.57 ID:10asvdzI0
- (´・ω・`)(しまったな……)
ここへ来る前に、クーにこの世界のことをもう少し訊いておけば良かった。
今更悔いても、やらなかったことは仕方がない。考えを、改めるしかない。
クー自身も、アンノウンの力は未知数だと言っていたのだ。
この思考に辿り着く前に、敗北を喫したのだと想像がつく。
不確定な情報を得て先入観を持つよりは有利に働くだろう、と今は考えるべきだ。
そして、もう一つ。
アンノウンは、全ての力を出しきってはいない。
出し惜しみしているのか、はたまた余裕だからなのかは分からないが。
恐らくは、間違いないはずだ。
しかし、その理由が見出せない。
力を見るという目的は、フィレンクトで終えたはずだ。
アンノウンは戦う意思を見せた。それが何よりの証拠になる。
自分で推し量る、という理屈は考え難い。
最終的にそうするならば、刺客を放つことなどはしない。
この疑問を解決するものは、間違いなく、あの言葉だ。
"主人公格"。
それは、一体────
- 564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:20:10.72 ID:/RIW8YE40
- でもアルファベットという武器の特性だと本物が来ても……
そうでないと117話はなんだったのって話になるし
- 565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:20:28.70 ID:odoGb3Sy0
- 支援
- 566 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:21:29.72 ID:e4R3wv5pO
- ファットマンだなw
- 567 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:21:53.00 ID:10asvdzI0
-
──中央──
(;`∠´)「…………」
ζ(゚、゚;ζ「…………」
力の差に、偽物たちがたじろぐ。
なまじ記憶を受け継いでいたことが、恐怖を植え付けた。
記憶の中の二人よりも、遥かに強力な力を持っていた二人に。
(´・ω・`)
ξ#゚听)ξ
具現化は、不完全だった。
だが、フォックスが具現化したドクオ達よりは、完全に近かった。
それは、記憶と自我である。
実力までは、再現することができなかった。
そのことに、ベルとデレは気が付いていなかったのだ。
今の力量が己の全てであると疑わず、結果、圧倒された。
力の矛先こそは記憶の継承により、理解していたのだが。
爪 ゚W〉《貴様ら……》
それ以上に、生み出された者としての、本能。
- 568 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:23:26.40 ID:NXJrtCkU0
- 串刺しにしちゃるけえのお!
- 569 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:23:59.84 ID:10asvdzI0
-
(;`∠´)「ッ!」
ζ(゚、゚;ζ「……っ」
後方から二人に聞こえた重い声に、身を固くする。
当然二人にアンノウンの記憶などはない。
記憶や自我よりも、もっと深いもの。
創造者がもたらす絶対的な力に、畏怖したのだ。
爪 ゚W〉《どうした? 我は殺し合えと言ったのだが……》
(;`∠´)「ぐ……」
ζ(゚、゚;ζ「う……」
焦燥を浮かべた表情で、互いの標的へと視線を投げる。
当初の剣幕は、微塵も見られない。
ξ゚听)ξ「操られてる……?」
(´・ω・`)「というよりも、絶対的な服従を基に、生み出されたんだろう」
ξ゚听)ξ「なるほど……」
(´・ω・`)「まぁ、どうでもいい。これ以上は遊んでいられん」
- 570 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:26:00.95 ID:10asvdzI0
-
一歩、間合いを詰めた。
偽物の二人は、後ずさることはなかったが、無意識に顎を引く。
下がれば、確実な死が待っているのだ。
アンノウンという、驚異によって。
(#`∠´)「ショボン=ルージアルッ!!」
覚悟を、決めた。
偽のベルは吼えると同時、背からWを取り、すぐさまFを番える。
それに触発され。
ζ(゚д゚#ζ『アカ・マナフッ!!』
偽のデレも、ペルソナを降魔する。
対する二人は表情を変えずに、迎撃の構えを見せた。
ショボンはWにFを番え。
ツンはアルテミスを降魔する。
自身の敵は、自身の武器で。
ショボンも、ツンも。想いは、同じだ。
己が知る偉大な男を、救うべき友を、これ以上侮辱されることは、許されないのだ。
- 571 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:27:17.86 ID:x6g5/Kpd0
- C
- 572 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:28:11.63 ID:10asvdzI0
-
引き絞られるWの弦が、軋む音を立てる。
ショボンに並ぶように、アルテミスも金色の弓を湾曲させる。
デレのペルソナ、アカ・マナフは漆黒の両腕を前方へ伸ばし、機を窺っていた。
爪 ゚W〉《……いいのか? その二人は、我が貴様等の世界から喚んだ、本物なのだぞ》
(´・ω・`)「下らない嘘は不愉快なだけだ、アンノウン」
(´・ω・`)「本物のベルがこの程度なら、あの大国ラウンジを築けるはずがない」
(#`∠´)「ぐぬっ……!」
ξ#゚听)ξ「デレだって、もっと強いんだから!」
ζ(゚д゚#ζ「なっ……調子に乗ってんじゃないわよ!」
流石にその言い種には、偽物達も憤慨したようだ。
自身の力がオリジナルよりも劣っている事を知らぬのだから、当然と言えよう。
爪 ゚W〉《ククッ……》
(´・ω・`)「惑わしも意味はない。お前の言葉が、全てを示唆していた」
否定した理由は、実力だけではない。
ショボンならばアンノウンが老骨の力と呟いた言葉から、容易に辿り着ける答えであった。
アンノウンの偽言は、結果的に偽物を煽る事態を招き、畏縮を軽減させるに至る。
そう言った意味では、もしかしたら効果的だったのかもしれない。
- 573 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:28:16.47 ID:odqtC9cO0
- 赤の他人に怯えるベル元大将なんて見たくない…
カルリナが泣くぞ
- 574 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:29:27.04 ID:odoGb3Sy0
- しえん
- 575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:29:52.83 ID:e4R3wv5pO
- シエンダイン
- 576 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:30:20.62 ID:10asvdzI0
-
もはや、何人も邪魔立ては許されず。
(#`∠´)
(´・ω・`)
渾身の一撃を、放つのみ。
ζ(゚、゚#ζ
ξ#゚听)ξ
彼らを包む静の空間が、ゆっくりとその体積を縮めていく。
やがてそれが、最小限にまで縮小された時。
静が、弾ける。
- 577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:31:08.98 ID:OlNu3vWvP
- FとF撃ち合うって相当危険な気が
- 578 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:31:09.12 ID:10asvdzI0
-
(#`∠´)「おおおおぉぉぉぉぉおおおおッッ!!」
ベルが渾身を込めた手を、Fから放した。
Wと弦は刹那の時を切り裂いて、その身を戻す為にFを射出しようとする。
弦に押され、Fが射られる、寸前。
(´・ω・`)「ふッ!!」
一息で、ショボンもFから指を離す。
ζ(゚д゚#ζ『不滅の、黒!!』
デレも言霊と共に、力を解き放つ。
アカ・マナフの影が伸び、黒い波となってツンに向かう。
彼の仲魔も犠牲になった、生きとし生けるもの全てを呑み込む闇の影だ。
それも見ても、ツンに恐れの色が浮かぶことはない。
むしろ、確実に自分へ向かうように、誇示するように。
ξ )ξ『デレ……私は、ここよ』
ぽつり、呟いた。
意思に同調。アルテミスが金色の矢を放つ。
三つの矢と、一つの闇が、互いの境界で交錯した────
- 579 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:31:57.78 ID:JNvrVXX8O
- 支援
- 580 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:32:04.95 ID:odoGb3Sy0
- しえんしえん
- 581 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:32:45.02 ID:BryglH3w0
- 支援ヒホー
- 582 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:32:58.82 ID:odqtC9cO0
- wkwk
- 583 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:33:07.14 ID:10asvdzI0
-
Fが胸を、貫いた。
(´・ω・`)「…………」
ショボンはその様を、ただじっと見つめていた。
(;`∠´)「馬鹿……な……」
溢れ出る鮮血に、激流となり全身を駆け巡る痛み。
ショボンのFが、ベルの胸を貫いていた。
敢えてショボンは、ベルよりも後手でFを放った。
目線とFの切っ先から、Fの軌道を予測する為だ。
結果、ショボンが放ったFはベルのFを破壊し、穿つことに成功する。
(´・ω・`)「お前が本物のベルだったのなら、よくて相打ちだったかもしれんが」
(´・ω・`)「力も、アルファベットも、不完全だったということだ」
(´・ω・`)「さぁ、もういいだろう。消えろ」
言葉を突き付けられた後に、偽のベルはがっくりと膝を折った。
傷の痛みと、心の痛みに。
(;`∠´)「……無念……」
- 584 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:35:10.29 ID:10asvdzI0
-
ζ( д ;ζ「あ……ぁ……」
声すらも、閉ざされた。
デレもアカ・マナフも、クレセントミラーが生んだ球体に、閉じ込められている。
アルテミスの光矢はアカ・マナフの闇を容易く破砕し、デレに届いていた。
ξ゚听)ξ「さよなら、偽物」
ζ( д ;ζ「────!」
球体の内部が、光の帯に覆われていく。
もはやデレの姿を目視することは、不可能だった。
膝をついたベルが、前のめりに倒れる。
光球と化したクレセントミラーがその身を縮め、狭まり、線となって消えていった。
後には何も、残らない。
偽のベルも姿を消し、後には砕けたFの破片だけが散らばっている。
それが、傀儡達の最期だった。
爪 ゚W〉《……なかなかの、余興だったな》
(´・ω・`)「ふざけるな。こんな遊びをずっと続けるつもりか?」
フィレンクトにも向けた言葉だ。
だがあの時は、力を見るという理由あってのことだ。
それは考え難いという推測が、また同じ言葉を言わせていた。
- 585 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:35:47.11 ID:x6g5/Kpd0
- ベルの記憶持ちつつ超雑魚って結構カワイソス
- 586 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:36:31.02 ID:e4R3wv5pO
- マハシエンダイン
- 587 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:37:15.52 ID:10asvdzI0
-
ξ;゚听)ξ「……はぁ……はぁ……」
ラストスノー戦から絶えずペルソナを行使していたツンに、疲労の色が浮かぶ。
ペルソナは使用するだけで体力と精神を消耗させるのだ。
(´・ω・`)「ツン。大丈夫か?」
ξ;゚听)ξ「だ、大丈夫です……まだ、戦えます」
少し休めば一時的に回復するが、完全までとは言えない。
消耗戦が不利なのは、ショボン達の方だ。
(´・ω・`)(俺達の消耗が目的……いや、それはないか)
(´・ω・`)(まだ、あの二人がいる。長期戦が目的なら、そんな状況でするはずがない)
爪 ゚W〉《…………》
(´・ω・`)(しかし、思惑もそうだが、決め手も見えない)
(´・ω・`)(ツンにも疲労が見える……正直、厳しくなってきたが……)
(´・ω・`)(…………ん?)
爪 ゚W〉《見えてきたか? 己の絶望が》
爪 ゚W〉《諦めるも、足掻くも、自由だ。踊って見せろ。滑稽に》
- 588 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:39:27.44 ID:10asvdzI0
-
(´・ω・`)「悪いが」
ツンを守るように、立ち塞がる。
幾多の死線を越えてきたショボンの瞳は、未だ燃えていた。
(´・ω・`)「俺に見えるのは、お前が倒れ伏している未来だけだ」
爪 ゚W〉《…………》
(´・ω・`)「……いや」
(´・ω・`)「俺たちに見えるのは────……だな」
轟音。
一瞬、城全体が揺れたような音が響いた。
それとともに吹き飛んだのは、巨大な鉄の扉だった。
ツンは驚き、振り返る。ショボンが後ろを見ることは、なかった。
音を発した主を、既に気配で、察知していたからだ。
王の間の入り口には、薄煙が立ち上っている。
ツンが確認したのは、そこに浮かぶ四人の人影だった。
その中の一人が、動く。
- 589 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:39:54.18 ID:odoGb3Sy0
- 支援
- 590 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:40:12.30 ID:x6g5/Kpd0
- 四人?
- 591 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:40:23.66 ID:NXJrtCkU0
- ブーン達ktkr
- 592 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:41:12.23 ID:BryglH3w0
- しぃじゃないよな?
- 593 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:41:20.75 ID:odqtC9cO0
- ルージアルさんいいとこ取りww
……四人?
- 594 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:41:26.73 ID:odoGb3Sy0
- 来た?
- 595 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:41:48.32 ID:10asvdzI0
-
薄煙を切り裂き、飛行機雲が一直線に伸びる。
線を描く弾丸は、超速度でアンノウンへと向かっていく。
爪 ゚W〉《ッ!》
それを、聖剣で叩き落とした。
石と石が重なる音が、盛大に反響した。
弾丸だったものはそのまま数回転して、止まる。
停止した、それは────
ショボンがZの威力を見せるために斬り落とした、石像の首だった。
川 ゚ -゚)「おお、流石ノーマン。ボテボテの投ゴロだ」
ノ)) - 从「…………」
( ^ω^)「ちっと派手にやりすぎたかお?」
( ФωФ)(ふむ……あの二人が仲間、か)
現れたのは、ショボン、ツンと同じく、異世界から召喚された戦士達。
千年の封印を解かれ、アンノウンとの因縁を紡がれた、古き魔王。
全ての力が、集結した。
- 596 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:42:17.20 ID:NXJrtCkU0
- ノーマンでも出してるんじゃないの?
- 597 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:43:05.11 ID:odqtC9cO0
- お前か
- 598 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:43:43.58 ID:BryglH3w0
- ノーマンかよwwwww
クーフーリン……(´;ω;`)
- 599 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:43:58.83 ID:x6g5/Kpd0
- ノーマンか
- 600 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:44:40.97 ID:e4R3wv5pO
- やっぱノーマンか
- 601 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:44:54.52 ID:10asvdzI0
-
ξ;゚听)ξ(あの二人は誰だろう……? 味方っぽいけど……すごく悪魔的というか……)
ξ゚听)ξ(クーの仲魔……かな? 一緒にいるなら大丈夫だよ……ね)
(´・ω・`)「あいつらが来る前に、お前の首を飛ばしたかったが」
爪 ゚W〉《…………》
ショボンの言葉にも、自身の状況にも、アンノウンは黙殺を貫いている。
焦燥も、余裕も、ショボンは彼から読み取ることはできなかった。
(#^ω^)「アンノウン……!」
( ФωФ)「ふむ……あれがか」
川*゚ -゚)「なんだあいつwwwwww全身真っ黒だぞwwwwwww
日焼けか?wwwwwwwウナギなのか?wwwwwww
ウナノウンに改名しろwwwwwww」
(#^ω^)「ちっと黙っててくれねーかお?」
ノ)); - 从「…………」
川*゚ -゚)「すまんwwwwwwおまえらも黒かったなwwwwww」
(´・ω・`)(やれやれ……)
ξ;゚听)ξ(一気に騒がしくなった……)
- 602 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:45:06.76 ID:FHpeEJUX0
- あんなウザキャラでもどっかで見せ場があるさきっと
- 603 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:45:56.07 ID:x6g5/Kpd0
- クーwww
- 604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:46:13.01 ID:odqtC9cO0
- クーうぜぇwwww
- 605 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:46:13.86 ID:odoGb3Sy0
- 草自重しろwww
- 606 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:46:52.26 ID:NXJrtCkU0
- ウナウノンwwwwwwwwwwwwwwwwwww
- 607 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:48:33.28 ID:BryglH3w0
- アンノウン
アノウンコ
ウナノウン←NEW!
- 608 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:48:51.41 ID:10asvdzI0
-
(´・ω・`)「まぁ、とにかくだ」
右手のZを振り上げ、切っ先をアンノウンに向けた。
(´・ω・`)「終わらせるぞ。この戦いを」
ξ゚听)ξ「はいっ!」
(#^ω^)「オーケー! そんでもってとっとと帰るお!」
川 ゚ -゚)「うむ。大人しく殺されろ、妖怪ウナギ男め」
ノ)) - 从「…………」
( ФωФ)「一度は落とした命だ。余も協力してやろう」
それぞれが、自身の世界の為に。
世界の命運を双肩に乗せ、集いし主人公格たち。
時を越え、世界を越えて、遂に全てが、出揃った。
決戦が、始まろうとしていた。
【Cross part:Confluence⇒end】
【Next⇒Cross part:Unknown】
- 609 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:49:56.06 ID:NXJrtCkU0
- これで一区切りか
乙!
- 610 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:50:24.65 ID:JNvrVXX8O
- 乙!
- 611 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:50:25.31 ID:x6g5/Kpd0
- 乙ー
- 612 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:51:17.30 ID:/RIW8YE40
- 乙です!!
- 613 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:51:33.12 ID:odoGb3Sy0
- 乙!
- 614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:51:46.20 ID:igA3i7HI0
- 乙!
- 615 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:52:01.99 ID:ag5lKmna0
- おつうううううううう!!!
- 616 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:53:40.16 ID:e4R3wv5pO
- おつー
次回はいよいよ決戦か
- 617 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:56:05.50 ID:odqtC9cO0
- 乙!!
次が最後か?(´・ω・`)
- 618 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 00:56:19.65 ID:10asvdzI0
- 日をまたいで二日にわたり、たくさんの支援ありがとうございました!
ここまでで質問などあれば答えさせてくだせえ
次は22日の20時頃に投下します
- 619 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:58:58.31 ID:/RIW8YE40
- 近い!! 楽しみにしてます!
- 620 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 00:59:49.49 ID:e4R3wv5pO
- 明後日じゃまいかw
- 621 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 01:01:23.38 ID:10asvdzI0
- >>617
最終回は26日です
- 622 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 01:11:28.13 ID:10asvdzI0
- >>466
Fの本数について
【Sublation】にて、
レス番78で一本
レス番416で一本
個別パート【Alphabet】で使用したFは回収済です
- 623 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 01:17:48.41 ID:odqtC9cO0
- 仕事wwww
でも見に来るからな!
- 624 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 03:32:30.26 ID:yaxwixsNO
- 明後日なら
保守すべきか?
一旦落とすか?
- 625 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/20(月) 03:39:42.87 ID:Xgnuhazy0
- 一旦落としていいと思う!
- 626 名前: ◆iAiA/QCRIM :2010/12/20(月) 03:43:04.01 ID:10asvdzI0
- はい、落としちゃってください
乙もありがとうございました
何かありましたらブーン芸さんのしたらばの該当スレまでお願いします
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