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( ∵)はξ゚听)ξと星を探すようです

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 22:53:08.92 ID:bfMinQm00
どうせ、どうせアタシなんてっ……!

┌| ∵|┘まとめサイトさま┌| ∵|┘

http://boonsoldier.web.fc2.com/hosi.htm
http://nanabatu.web.fc2.com/boon/becouse_hosi_wo_sagasu.html

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 22:55:23.61 ID:bfMinQm00
第十七話 BOY MEETS GIRL




ホバーボートは乾いた風を切る。砂漠の海を、ただ一直線に走っていく。
僕は空を見上げる。 ぎらぎらの太陽、いつまでも僕等についてくる。


( ∵)「ねえ、どうして太陽を抜き去ることはできないの?」

ミ,,゚Д゚彡「どうしてだろうなあ。天文学徒に訊いてみなきゃわからないな」

( ∵)「てんもんがくと って?」

ミ,,゚Д゚彡「空や星のことを研究している人間のことさ。
      サーバ砂漠にはあまりいないが、東方では学問が盛んだから沢山いるみたいだな」

ミ,,゚Д゚彡「そういえば、レイラの国にもニコ王国から使節団がやってきたというし」

( ∵)「ふうん……」


サボテンには眩しさという感覚があまりないから、
僕はずっと太陽を眺め続けることができる。
凄い、物凄い光だ。 この砂漠、いやこの世界全部を照らしているだけのことはある。


3 名前:ジェラートin抹茶ん ◆GREENTEAnQ :2009/02/21(土) 22:55:48.46 ID:xw8GEePEP
>>1代理乙

( ∵)<あれが死兆星か…
 
      
                     糸終了

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:00:29.42 ID:bfMinQm00
ふと目線を下げると、僕はささやかな危険を発見した。


( ∵)「あっ、フサ! 前方に岩があるよ!」

ミ,,゚Д゚彡「ハンドルはきらないぜ。面白いぞ!」


ホバーボートは岩に激突するように思えた。
僕は思わず節穴の目を手で塞ぐ。

だけど、盛り上がった岩はホバーをジャンプ台のようにして浮かさせた。
思わず飛び上がってしまう機体。一瞬空を舞う僕の体躯。
そして、ホバーが砂地に着地するのと同時に、僕も操縦席へ落下。
何事もなかったかのように、またホバーは走り出す。


ミ,,゚Д゚彡「どわっ! お前、俺に落ちてくるなよ! 邪魔だ、どけっ!」

( ∵)「えへへ…… ごめん」


身をよじって操縦席から出る。そして、お気に入りの場所、僕の場所である甲板へ。
ここはとても心地がいい。お日様をいつでも全身で浴びることができる。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:01:46.85 ID:rW3QO3az0
最近更新早いな
支援

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:04:40.13 ID:bfMinQm00
パタリと倒れて、僕は再び日向ぼっこを始める。
人間になって、長い腕と長い足を、うーんと伸ばして太陽の光を浴びることができたら、
最高の気分だろうな って、最近はいつも思う。


( ∵)「…」

ミ,,゚Д゚彡「…」


日向ぼっこもいいけど、僕はやっぱりおしゃべりが好きだ。


( ∵)「ねえねえフサ」

ミ,,゚Д゚彡「なんだよさっきから」

( ∵)「そういえば大事なこと聞き忘れてたんだ」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:07:22.36 ID:bfMinQm00
( ∵)「僕ら、どこへ向かうの?」

ミ,,゚Д゚彡「人間のいるところから、なるべく遠くへ……」

( ∵)「ぐたいてきにいうと?」

ミ,,゚Д゚彡「具体的… ってか? サボテンのくせに深く聞きやがる」

ミ,,゚Д゚彡「そうだな。まずはやっぱりモール族のところへ行こう」


モール族? 新しい言葉が僕の頭の中へと飛び込む。


( ∵)「それってなんだい?」

ミ,,゚Д゚彡「モール族はモグラの亜人のことさ。穴を掘って地下で生活している」

ミ,,゚Д゚彡「ちなみに銀猫団のアジトもあいつらが造ってくれたんだ」


なるほど。僕はギコ達と楽しい一時を過ごした、あのひんやりとした空気を思い出す。
そういえば、あの時ギコかシィがモール族のことを言っていたような気がする。
楽しみだな。僕は人間になりたいけれど、それと同時に色んなモノやヒトを見て回りたい。
僕の欲求は今のところ膨らむ一方だ。 僕は節穴の顔の裏で、ひっそりと微笑んだ。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:09:26.11 ID:tVbt6KScO
しえ

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:11:13.55 ID:bfMinQm00
……でも。


( ∵)「つまり今から太陽の当たらない場所へ行くってこと?」

ミ,,゚Д゚彡「そうさ」

( ∵)「ちょっとやだな。僕は、星や太陽の下じゃないと元気がなくなっちゃうんだ」

ミ,,゚Д゚彡「ほう。お前は元は植物だからな。だが、恐らく一晩だけだし我慢しろよ」

( ∵)「うん」


僕らは砂漠をひたすらに進んでいく。
同じような風景が延々と続いているようには、感じなかった。

空の上で千切れたりする雲の幾つものかたち。
大地に盛られた砂塵の様々なうねり。
そして僕の仲間、サボテンたちも、背丈や格好がひとつひとつ全く違ってて、見ていると実に面白いんだ。



モール族のところまで、あとラクダが何頭並ぶくらいかな?





10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:13:21.35 ID:bfMinQm00




( ^ω^)「たのもー」

「……」

(;^ω^)「たのもぉー」

「……」

(;^ω^)「シカト?」

「さっきから言ってるが、合言葉を言わないとここは通れないのだ」

( ^ω^)「それでは合言葉を教えてくださいお」

「私の口から無理だな。スイーツやレイラにいる仲間を探し出して訊くがよい」

(#^ω^)(そんなこと言われても〜!)


ロック山脈の麓では、天文学徒として東方から訪れた少年の姿があった。
一体、何の用事があってこのような辺鄙な場所へ訪れたのか。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:13:33.75 ID:rW3QO3az0
支援

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:16:54.39 ID:bfMinQm00
容易にアジトの中へ入れないことを悟ると、少年は門番に背中を向ける。
足元の小石を蹴っ飛ばして、少し歩いて、その場に座り込んでしまった。


(;^ω^)「あっち! あぢぢぢ……」

(;^ω^)「砂漠ってのはどうしてこんなに熱(暑)いんだお! 不快指数MAX!!」

( ^ω^)「……」


途方に暮れる少年の視界に、陽をぎらぎらと反射させて佇む騎士の姿が映った。


('A`)「……」

( ^ω^)(しめしめ。あそこにいる人から合言葉を聞けばいいんだお)


なぜか身を屈めて少年はドクオのもとへと向かう。
一方、ドクオはただ岩壁に身を寄せて、悠然と陽炎を見つめていた。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:20:05.86 ID:bfMinQm00
( ^ω^)「あのぉー。すみません」

( ^ω^)「僕、ブーンっていいますお。東のニコ王国から来たんですお」

( ^ω^)「僕は天文学徒として御呼ばれされたんですお。だから、使節団にはそれぞれ宿が手配されているんですお」

( ;ω;)「でも、何かの手違いで、僕の部屋だけ手配されていなかったんですお〜」

( ^ω^)「レイラの人に訊いたら、ロック山脈というところに共同体があるって」

( ^ω^)「だから、数ヶ月間お世話になるためにここを訪れたんですお!」

( ;ω;)「でもでも、あのガチムチな門番が合言葉がないと中へは通せないって〜」

( ^ω^)「貴方様はきっと共同体の戦士ですよね? どうかこの哀れな少年に合言葉を教えてお!」


('A`)「……」

( ^ω^)「……」

('A`)「……」

(;^ω^)「……」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:22:25.62 ID:q2BX3AX2O
待ってたぞ
wktk

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:23:27.03 ID:bfMinQm00
( ^ω^)「もしもしー?」

('A`)「……」

( °ω。)「あみゃみゃみゃぼぼびばばば〜〜」

('A`)「……」

(*^ω^)「どぅふふふふふwwwwwwwwww なはははwww」

('A`)「……」

( ^ω^)「それではとっておき」

( ^ω^)「ニコ王国で人気の歌手、マイコー・ジャクソソの物真似をしますお」

へ(  ゚ω゚)ノ「アーオッ! ンダッ!!! ポゥ!! ポゥ!!! 」

ヘ(  ゚ω゚)ノ 「エン バーーーッド!! バーーーッド!!」


('A`)「……」

へ(  ゚ω゚)ノ「……」


(;^ω^)(は、はずかしいっ!!)

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:24:26.73 ID:q2BX3AX2O
何やってんだwww

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:25:10.19 ID:rW3QO3az0
バカスwwww


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:27:11.08 ID:bfMinQm00
ブーンの懸命なアピールにも、ドクオはぴくりともしない。
仕方がないので、彼は深呼吸をすることにした。


( ^ω^)「すってー」

( ^ω^)「はいてー」

( ^ω^)ブッ

(*^ω^)「いやんwwwww 屁ぇこいてもうたwwww」

('A`)「……」

(;^ω^)(なんなの? 放置プレイ!? これは新手の放置プレイだお!!)


そのとき。笑いを堪えきれないような声色で、門番はブーンに言葉を投げた。


「うっ…… ぷくくっ。 おい、少年!」

(^ω^;)「は、はい! なんですお!?」

「そいつは耳も口もきけねぇのさ。いくら尋ねたって無駄だぜ」

「今の挙動で、少なくともお前が悪い奴じゃねえってことはわかった。入りなよ」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:28:02.84 ID:tVbt6KScO
ブーン可愛いなwww

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:29:43.07 ID:bfMinQm00
( ;ω;)「あ、ありがとうございますおー!」

「わざわざ遠くから来たのに、宿がないなんて災難だな。ほら」


そう言って門番はその身を退く。
ブーンの前にアジトへの入り口が開かれた。生ぬるい風が彼の頬をかすめる。
胸はドクドクと鼓動を鳴らし続ける。この地で起こる全てが、彼にとって新鮮な出来事だった。


――さて、その頃ツンはどうしていたかというと。


/ ,' 3 「駄目じゃ」

ξ゚听)ξ「なんで」

/ ,' 3 「どうしてもじゃ」

ξ#゚听)ξ「なんでっ!」

/ ,' 3 「そのくらい少し考えたら分かるじゃろう!」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:32:43.66 ID:rW3QO3az0
支援

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:33:28.01 ID:bfMinQm00
荘厳な王の間に似合わぬ、父と娘のいさかいがそこでは繰広げられていた。
ツンの甲高い声は、小型犬の鳴き声のごとくきゃんきゃんと響き渡る。


ξ゚听)ξ「私、どうしてもお姉様が心配なの! お願い。モラ皇国へ旅立たせて」

/ ,' 3 「いいじゃろう」

ξ゚听)ξ「ありがとう! じゃあ支度をしてくるわね!」

/ ,' 3 「御付きの者は誰がいいかのぉ〜」

ξ#゚听)ξ「だぁーかーらぁー!」

ξ#゚听)ξ「私は! 自力で! モラ皇国まで行ってみたいの!」

/ ,' 3 「駄目じゃー!! いかん! 実にいかん!」


このやり取りを、5セットは繰り返していただろうか。
――レイラ奪還で思い知らされた自分の無力さ。
――ビコーズの旅立ちによって刺激された挑戦心。
――しばらく顔を見ていない病床の姉の安否。


彼女を旅立ちへと奮い立たせる要素は、数え切れないほど揃っていた。



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:36:33.45 ID:bfMinQm00
/ ,' 3 「ただでさえこんな物騒な世の中じゃ」

/ ,' 3 「お前の身に何かがあったらワシは、ワシは…」


嘘泣きの気配をあまり匂わせないのが気にかかる。
だけど、だけども私は自分の足でお姉様のところへ行ってみたい。
一生で一度の我侭だよ。聞いてくれたっていいじゃない。


ξ゚听)ξ「……ふんっ。お父様の馬鹿」

ツンは王に背を向けた。
突っぱねた背筋に、王は一言を投げる。

/ ,' 3 「ど、どこに行くのじゃ」

ξ゚听)ξ「さ・ん・ぽ! 城下町をふらふらしてくるだけっ!」

/ ,' 3 「そうか……」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:39:44.76 ID:bfMinQm00
一人、王の間に取り残されたアラマキ。
衣の裏ポケットに忍ばせたロケットをおもむろに取り出す。
懐かしき家内の柔和な微笑みが、アラマキを迎えた。


/ ,' 3 「妻よ…… ワシはどうも最近保守的じゃのう」

/ ,' 3 「政治的にも、娘との関係も、じゃ」

/ ,' 3 「だが、今の世で重要なのはやはりそのような姿勢ではないか?」

/ ,' 3 「ほんとうに、本当になにが起るか分からんぞよ。VIPの世は」

/ ,' 3 「ワシだって本当はデレの様子が気になって仕方がないのだがな……」



小さな溜息を零し、静かにロケットをしまった。
そして今度は懐中時計を取り出す。
使節団との会食の準備を、そろそろ指示せねば。
そんなことを思い出した。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:42:54.32 ID:bfMinQm00



ξ゚听)ξ(はぁ…… あんときお父様、涙目なってたわね)

ξ゚听)ξ(年をとるって嫌ね……)


お忍びの格好をして、ツンは城下町を歩いていた。
見慣れたレイラの大通り。VIPに解放された今では、再び活気溢れる声が飛び交う。
嫌いではない。この賑やかさ。だけども、飽きてしまった。
単純に、育った場所を離れたい という衝動も、彼女の心の中ではかなりの領域を占めていた。

ふらふらと進む彼女の耳に、元気な一声がふと飛び込んできた。


「残り一個だよー! 真っ赤な真っ赤なアポーの実!」


ξ゚听)ξ「あら、おいしそ」


しゃがみこみ、その果実に触れようとする。
そのとき、誰かの掌と迂闊にも重なってしまった。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:43:59.50 ID:q2BX3AX2O
支援する

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:46:09.04 ID:bfMinQm00
ビクリとするツン。すぐさまその掌を引いた。
そして、おもむろに横を向く。


ξ゚听)ξ「あ、あのすみません」

「いいえ。掌が重なったとき、僕のほうが上だったから、それは譲りますお」

ξ゚听)ξ「譲ります、お……?」


目深にかぶったフードを少しあげてみる。
ひらけた視界でとらえたのは、城で出合った憎たらしい少年だった。


(*^ω^)「あっ、また会ったお! かわいこちゃん!」

ξ゚听)ξ「あ゛……」

ξ#゚听)ξ「私は別に会いたくなかったけどね」

「ねえあんた達、それ買うの? どうするの?」

ξ゚听)ξ「あっ……」

( ^ω^)「僕が買うお! いくらだお?」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:48:25.82 ID:rW3QO3az0
しえん

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:49:24.54 ID:bfMinQm00
ξ#゚听)ξ(こいつ、さっき私に譲るって言ったばっかじゃん!)

「4レスだよ。はい。まいどありー」

( ^ω^)「さぁてと、ショボンさんのお使いはもう終わったお。
       ちょっとそこらへん歩かない?」

ξ゚听)ξ「え!? う、うん……」



会話の流れに身を任せ、ツンはブーンと共に通りを歩くことになった。
陽気な歩調のブーンに、思わず彼女はある言葉を掛けずにはいられなくなる。


( ^ω^)「〜〜♪」

ξ゚听)ξ「ねえ、なんでそんなに楽しそうなの?」

( ^ω^)「そりゃあ楽しいお! 見るもの全てが新しいお!」

ξ゚听)ξ「そっか…… そりゃそうだよね。私はつまらないよ。だって生まれてからここを出たことないもん」


ツンの表情が沈む。 同時に、ブーンに大して抱く感情が、
苛立ちから憧れへと少しずつ変わってきていた。

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:50:39.21 ID:q2BX3AX2O
支援の値段 1レス

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:51:39.75 ID:bfMinQm00
( ^ω^)「その気持ちはよく分かるおー」

( ^ω^)「うんうん!」


ブーンは実に演技じみた頷きをする。
それが苛立つが、同情してくれたことに少なからずツンは嬉しさを覚える。


ξ゚听)ξ「べ、別に分かってほしくて言ったわけじゃないわよ!」

( ^ω^)b 「はは。君、そんならこっそり家出しちゃえばいいんだお!」

ξ゚听)ξ「!」

ξ゚听)ξ(そっか、なるほど……)



ξ゚听)ξ「うん。家出、する」



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:54:00.20 ID:bfMinQm00
( ^ω^)「ちょww 決断はやwww」

ξ゚听)ξ「だって、ここから出たいってことは前々から思ってたことだもん」

( ^ω^)「うーん。重なるなあ」

ξ゚听)ξ「何が?」

( ^ω^)「な、なんでもないでござるよwwww ドゥフフwww」

ξ゚听)ξ「きもっ…… それでね。君に、手伝って欲しいの」

( ^ω^)「手伝う? 何を?」

( ^ω^)「真夜中に、そーっと窓から抜け出せばいいだけだお! 家出なんて」

ξ゚听)ξ「それがね、その窓がたかぁーい所にあるのよ」

( ^ω^)「え?」


(;^ω^)「き、君の部屋はどこにあるのかなあー」

(;^ω^)(ある”予感”が僕の背筋を駆け巡ったッ!!)

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/21(土) 23:57:05.76 ID:bfMinQm00
ξ゚听)ξ「ん」


自慢げな顔をして、ツンは北にそびえ立つ城を指差した。
ブーンは、目を丸くしてそれを見つめる。


(  ゚ω゚)「ちょ…… お城だお……」

(;^ω^)「き、君は しがない町娘A じゃなかったの!?」

ξ#゚听)ξ「だぁれが町娘だっての!!!」

ξ゚听)ξ「私は……」

ξ゚听)ξ「この国の第二王女。ツン・デ・レイラよ」


( ^ω^)

(  ω )     ^^ <すぽーん



そこからのブーンの行動は実に迅速だった。
すぐさまツンの御前にひれ伏し、何度も頭を地にぶっつけた。

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:02:29.86 ID:Kpl1Il2FO
支援

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:02:59.12 ID:BSxuLkhn0
支援

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:03:08.85 ID:iVbI9m/D0


二人は町外れの公園へと向かう。子供たちが顔を真っ黒にしてボールを追いかけていた。
サロンのゴザに座り、トロピカルジュースのグラスを揺らしながら、ツンは作戦を述べていく。


ξ゚听)ξ「とりあえずウシミツの刻に東尖塔の下に来て。私、窓辺で待ってるから、顔見えるはずよ」

(;^ω^)「それで僕はロープやら何やらを用意してこいって寸法ですかお?」

ξ゚听)ξ「物分りがいいわね。よろしく頼むわよ」

(;^ω^)「は、はいですお」

ξ゚听)ξ「あとそれから……」

( ^ω^)「なんですお?」


ξ゚听)ξ「け、敬語で喋らないで、いいよ」

(;^ω^)「……」

( ^ω^)b 「おk」

ξ;゚听)ξ(適応が早いわね)

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:04:03.40 ID:nmQQTp1T0
支援

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:04:42.05 ID:iVbI9m/D0
(;^ω^)「お、お姫様ー! ご無礼をお許しくださいお!」

(;^ω^)「どうか!! 母国へと強制送還だけわ!!」

手すりゴマすりで懇願するブーン。
困っているのに、明らかにスマイリーな表情がツンには面白く感じた。


ξ゚听)ξ「どーしよっかなー」


ツンは縦ロールの髪の毛を人差し指で弄び、妖艶な目つきでブーンを見下ろす。
口角を上げ、ひたすらヘコヘコするブーンの背中に一言を投げる。


ξ゚听)ξ「だから、手伝ってってば。家出に」

ξ゚听)ξ「今夜…… ね?」



(;^ω^)「え!? う… うん。いいお」

(;^ω^)(あ、やべ。タメ口使っちまったお)

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:07:08.74 ID:iVbI9m/D0
>>36>>38は順番を逆にして読んでください。
まとめサイトの人もまとめるときにそう編集してください。
投下ミスすいませんでした。

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:07:10.50 ID:6LMm3DG40
ん、投下順逆か?

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:07:38.75 ID:ysvllVynO
支援

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:07:53.83 ID:qbjNqzhNO
あれ……?ミスか?

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:09:14.62 ID:iVbI9m/D0
( ^ω^)「でも、どうして?」

ξ////)ξ「べっ別に同年代の友達がいないからとかそういうのじゃないわよ
      私、敬語とか堅苦しくてうんたらかんたら……」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「把握したお! よろしくね、ツンちゃん」

ξ;゚听)ξ「つ、ツンちゃん!?」

ξ#゚听)ξ「あんたアタシを誰だと……」


数秒前に言った言葉さえ忘れてしまう自分に気付き、ふと頬を赤らめるツン。


ξ////)ξ「つ… ツンちゃん、だね」

ξ;゚听)ξ「あ、そうそう」

ξ゚听)ξ「君の名前は?」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:11:30.10 ID:Q8HHTWsL0
( ^ω^)「えーと」

( ^ω^)「……あ! その前にっと」

ブーンは店のオウムのほうを振り向き、話しかけた。

(^ω^ )「ねえ、今何時くらいだお?」

オウムは喉を震わし、羽をばたつかせてブーンの言葉を真似してみせた。

『ネエ、イマナンジクライダオ?』

『イマ、ジュウロククライダオ』

(;^ω^)「ええっ! もうジュウロクの刻!? 早く帰らないとショボンさんに怒られるお!」

ξ゚听)ξ「ショボンさん……? あなたショボンさんとどんな関係があるの?」

( ^ω^)「ちょっと訳あってレジスタンスと一緒に住んでるお! 天文学徒も中々辛いお!」

( ^ω^)「それじゃ、また夜に!」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:13:06.88 ID:Q8HHTWsL0
ブーンは自分が注文したドリンクの小銭をツンに手渡す。
そして、ゴザから立ち上がって早足で歩き出した。
ツンはその頼りなさそうな後姿を見送る。


数メートル離れたところで、ブーンはふと何かを思い出したかのように立ち止まった。

(^ω^ )「……」


ξ゚听)ξ(何かしら?)

( ^ω^)「忘れてたお!」

( ^ω^)「それっ!」


ブーンは胸から取り出した何かをツンへと投げつける。
二つの手でなんとか掴むツン。それは、さっきバザーで買った果実だった。


ξ゚听)ξ「あ、これ……」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:14:38.55 ID:Q8HHTWsL0
( ^ω^)b 「おごりのつもりで僕が買ったんだお!」

(*^ω^)「それ、ニコの国が名産地なんだお! 甘酸っぱくて美味しいから食べてみて!」

(^ω^ )「それじゃ!今度こそばいばいだお!」



再び背中を向けたブーンは、両手を伸ばしてあっという間に走り去っていった。
変な走り方だと可笑しく思いつつ、彼の笑顔の裏にある不思議な優しさに、ツンは気付き始めていた。


ξ゚听)ξ「ニコ王国から来た天文学徒のブーン…… か」


貰ったアポーの実を見つめた。つやつやとした表面に、自分のひしゃげた笑顔が映る。
そして、一口かじってみた。ブーンの言う通り、甘酸っぱい味が口の中に広がる。
そう、まるで、初恋のような。





(続く)

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:17:20.48 ID:6LMm3DG40
おい、名前教えてないぞw

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:17:27.83 ID:Q8HHTWsL0
諸事情により今日は1話のみです。
>>1に何か言いたいことがある人は、セクシーかつ大胆にお願いします

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:19:08.68 ID:Q8HHTWsL0
>>47
嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼ああああ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ


ちくしょう! すごい勢いでちくしょう!

ちょっと書き直してくる! ばーかばーか!!!!!!!!!
べろべろぶぁーーーーーー

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:20:27.35 ID:Q8HHTWsL0
( ^ω^)b 「おごりのつもりで僕が買ったんだお!」

(*^ω^)「それ、ニコの国が名産地なんだお! 甘酸っぱくて美味しいから食べてみて!」

(^ω^ )「それじゃ!今度こそばいばいだお!」



再び背中を向けたブーンは、両手を伸ばしてあっという間に走り去っていった。
変な走り方だと可笑しく思いつつ、彼の笑顔の裏にある不思議な優しさに、ツンは気付き始めていた。


ξ゚听)ξ「結局名前教えてくれなかった……」


貰ったアポーの実を見つめた。つやつやとした表面に、自分のひしゃげた笑顔が映る。
そして、一口かじってみた。ブーンの言う通り、甘酸っぱい味が口の中に広がる。
そう、まるで、初恋のような。





(続く)

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:20:41.97 ID:BSxuLkhn0
ちょwwwwwwわざとじゃなかったのかwwww

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:23:01.63 ID:Q8HHTWsL0
素晴らしい書き直し! いやーさすがっすよ先生。


二度の不手際すみませんでした。
今日はぐっすり眠れそうですね。

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:23:42.54 ID:nmQQTp1T0
書き直し乙www

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:23:49.24 ID:ysvllVynO
吹いたwww
ともあれ乙


すきだ

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:24:17.52 ID:BSxuLkhn0
乙wwww次も楽しみにしてるwww

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:26:36.52 ID:6LMm3DG40
これはひどいw

次も楽しみにしてますぞww

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:29:02.03 ID:Q8HHTWsL0
7×さんが今日の投下をどうまとめるかが気になる。
やっぱりこの痴態も全部まとめられちゃうの? いやっ…… 恥ずかしい…… んっ!!

というわけで寝ます。
質問などが挙がったらいつものように携帯から答えますんで。
おやすみー

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:39:24.79 ID:cqbqWHxn0
追いついたら終わってたww
乙!最近更新早くて嬉しいw

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/22(日) 00:45:28.06 ID:qbjNqzhNO
乙!
ひどいミスだなwww


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