( ^ω^)ブーンが人間と袂を分かつようです
- 1 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 21:48:31.60 ID:pWeR1DEh0
- 代理
- 2 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 21:48:49.26 ID:Vyx8B5ra0
- このスレッドは天才チンパンジー「アイちゃん」が
言語訓練のために立てたものです。
アイと研究員とのやり取りに利用するスレッドなので、
関係者以外は書きこまないで下さい。
霊長類研究所
- 3 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 21:58:34.12 ID:3Hd7NIpOO
- まとめがないので、一昨日に投下したプロローグから投下致します。
- 4 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:00:42.84 ID:3Hd7NIpOO
- Prologue
築20年はするのではないか、という程に古ぼけたコンクリート造りの建物にはクーラー等という文明の利器は存在しない。
せめてもの抵抗にと、窓を開け放しているのに熱は室内に籠りきりで、中にいる人間で汗をかかない者は居なかったのだが――
(;´_ゝ`)「インディケーターは?」
(´<_`;)「オールグリーンだ。いいぞ、兄者」
――室内では状況と駆け離れた単語が交錯し、白い二つの白衣が、滝のような汗を流しながら何かのカプセルを囲っていたのだ。
カプセルの中に入っている『ヒト』のシルエットは、うすらぼんやりとして、詳細は定かではない。
(;´_ゝ`)「よ、よぉし……」
兄者は、固唾を飲み込む音を聞いた。子供の頃から志した夢が叶うか、はたまた潰えるか――。
もし後に人生の岐路について聞かれたら、まず間違いなくこの瞬間を語るだろうと兄者は確信する。
- 5 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:01:13.99 ID:3Hd7NIpOO
- ちらりと弟者を一瞥すると、弟者も緊張感の満ちた表情で行く末を見守っていた。
一つ深呼吸し、震える手でロックを解放していく。
その最中に、自身の半生が走馬灯のごとく頭の中を駆け巡っていった。
ここに到達するまでに全てを捨ててきた。親をも食い潰した。代償と呼べる者はあらかた支払ってきた。
( ´_ゝ`)「南無三!」
もし失敗に終わっても、後悔はしない。後悔しては、最期まで迷惑をかけ続けた両親に会わせる顔がない、と兄者は自らに言い聞かせた。
――汗は、いつの間にやら引いていた。
全てのロックが解放され、排気音が室内を支配した。
カプセルが一通り息を吐ききると、そのバイザーが貝状にゆっくりと開き、中に入っている『ヒト』がはっきりと露になった。
( ´_ゝ`)「聞こえるか?聞こえたら返事して欲しい」
緊張の一瞬――!
( ^ω^)「おっ?」
- 6 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:02:51.63 ID:3Hd7NIpOO
- 何も知らぬ者からすれば、何とも気の抜けた返事なのかもしれないが――
( ´_ゝ`)「うおおおおお!俺のことが見えるか!?」
(´<_` )「こここ言葉は話せるか!?」
二人にとっては、まさに神の福音だった。気が付くと、まるで遠足前日の小学生のように狂喜乱舞し、身を乗り出して『ヒト』に問いかけていた。
(;^ω^)「み、見えるし、話せるお。おはようだお」
『ヒト』は困惑しているようだった。目覚めたら汗だくの男二人が鼻息を荒くして自身に詰め寄ってきたのだから、無理はない。
(´<_` )「ちょっと訛りがあるけど、調整すれば問題ないな!」
( ´_ゝ`)「おう!……世界二番目の快挙だ……!天国の母者たちも、きっと喜んでるよな!?」
(´<_` )「もちろんだ!なんたって世界屈指のことだからな!……きっと、泣いて喜んでるさ……!」
- 7 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:03:25.23 ID:3Hd7NIpOO
- そうして、暫く二人して泣き続けていた。
――研究費用が足らず、絶望していた時に何も言わず家屋敷を売り払った父。
食うに困っていた自分たちに、最期まで仕送りを続けた母――
今まで溜め込んでいたものが、一挙に吹き出したのだ。
( ^ω^)「……あの」
( ´_ゝ`)「空気嫁」
(´<_` )「状況把握に難ありっと」
(#^ω^)「ビキビキ」
( ´_ゝ`)「なお、感情表現は良好と付け足してくれ」
(#^ω^)「いちいち観察するなお!」
( ´_ゝ`)「だってこれがお仕事だもん」
( ´_ゝ`)(´<_` )「「ねー?」」
さっきまでの感動のシーンは何処かに消えていた。
(´<_` )「で、何だい?」
弟者が話を本題に戻した。空気読めないのはさておき、物事に興味、関心を持つことはいい傾向である。
( ^ω^)「……僕の名前は?」
( ´_ゝ`)(´<_` )「あっ」
(#^ω^)「考えてなかったおね!?」
- 8 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:04:06.44 ID:3Hd7NIpOO
- 顔は紅潮せずとも、はっきりと怒りの色が表れているのが手に取るように分かり、兄者と弟者は動揺した。
要は、名前など考えてなかったのだ。
(´<_`;)「い、いやいや。ちゃんと考えてたさ。なぁ、兄者?言ってやれ」
(;´_ゝ`)「あ、ああ。そうだな……」
落ち着かないまま、足掛かりとなるものを必死で探す兄者。
(;´_ゝ`)「あああ、ええと……」
( ;ω;)「やっぱり、考えてなかったおね!?」
そう、お前の名前は『デラべっぴん』だ!、と兄者が言おうとした時だった。
ぶぅぅぅんと音を立てながら窓を駆ける複葉機が目に入った。このご時世に複葉機を駆るとは、どこかの金持ちの娯楽なのだろう。
(´<_` )「そうだ!」
弟者もその姿をまじまじと見ていた。
(´<_` )「お前の名前は『ブーン』だ!」
- 9 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:04:37.25 ID:3Hd7NIpOO
- ( ^ω^)「ブーン?」
(;´_ゝ`)「そそそう。ブーンだ!」
デラべっぴんにしようとしたことは墓まで持って行こう、と兄者は決意した。
この時、西暦2X11年8月。後にロボット工学の第一人者に名を連ねる『権威』としての流石兄弟と、彼等の造り出して行くロボットたちの『プロトタイプ』、ブーンの誕生の瞬間であった。
Prologue end
- 10 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:06:59.60 ID:SDF4OygeO
- 待ってた
- 11 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:07:12.33 ID:3Hd7NIpOO
- act.1
流石兄弟のニュースは、爆発的に世界に広まった。
第一に、世界で二例目の快挙であること。第二に、個人でのロボット開発であったことがその要因だった。
从;'ー'从「こ、ここなの!?」
うだるような暑さであった夏が終ろうとしていた時だった。
しかし、まだまだ残暑は厳しい。身に付けた紺の上等なスーツは汗まみれになり、着心地を一層悪くしていた。
ロボット開発を個人でやり遂げたのだから、どこぞの富豪かと想像していた渡辺にとって、古ぼけたコンクリートは想定の範囲外であった。
从'ー'从「こんにちは〜」
ギギギとドアが軋むと、埃っぽい空気が流れ込み、渡辺はひとつ席払いをした。
第一印象は『劣悪な環境』――それに尽きた。
(´<_` )「はいはい。……どちら様で?」
奥の部屋から駆け足でやって来た男は、髭は伸び放題で、身に付けた白衣は皺だらけ。
まるで旧世紀の科学者を体元したかのような出立ちだったのだ。
- 12 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:07:28.92 ID:QXNKz/jxO
- ほう。
- 13 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:07:29.04 ID:pWeR1DEh0
- 支援
- 14 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:08:00.31 ID:3Hd7NIpOO
- 从;'ー'从「わ、私、先日お電話差し上げました、『テラワロス社』の渡辺と申す者です。貴方が、流石さんでしょうか?」
テラワロス社――電子機器会社の最高峰である『キタコレ社』と肩を並べる企業であり、
理系学生たちの羨望の的であった。
(´<_` )「ああ、弟の方です。……確か、視察でしたね。まぁ、上へ……いや、女性を上げられる状態じゃないな……」
頭を掻き始めた弟者。言葉の端から察するに、散らかりきっているのだろうと渡辺は推測し、そして覚悟を決めた。
从;'ー'从「か、構いません。ぜひ、ロボットを拝見したいですし」
(´<_`;)「……いいですか?想像の三倍は酷いと思って下さい」
どんな伏魔殿が待っているのだろうか。渡辺の覚悟は揺らいだ。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
- 15 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:08:04.94 ID:BIFG6fy80
- wktk
- 16 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:08:36.88 ID:3Hd7NIpOO
- 从'ー'从「うぇぇぇぇ!?」
(´<_`;)「やっぱり」
弟者が申し訳なさそうに溜め息をついた。
研究室と銘打たれた広間には、オイルと脂が混ざったような悪臭が充満していた。
急いで窓を開けようと辺りを見回すと、既に全ての窓が開け放されていて、渡辺を絶望させたのだった。
( ´_ゝ`)「誰?」
作業に没頭していた兄者が振り返った。弟者と瓜二つの男が目の前にいるので、渡辺は意識の混濁を疑った。
しかし、双子という情報を頭の引き出しから取り出して、その疑いを棄却した。
カプセルに目を遣ると、ロボットは微動だにしていなかった。おそらく、電源を切っての作業なのだろう。
(´<_` )「テラワロス社の渡辺さんだ。言ったろ?今度、うちに来るって」
( ´_ゝ`)「ああ、そんなこと言ってたな。で、何だって?」
(´<_` )「話を聞こうとここに通したら、こうなった。……大丈夫ですか?」
从'ー'从「は、はい……」
渡辺は両手を膝に築き、うつ向きながらも何とか返事をした。兄者は話ながらも手を動かし続けていた。
- 17 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:09:03.20 ID:3Hd7NIpOO
- (´<_` )「じゃあ、しばらく休んでいて下さい」
弟者は別室から椅子を運び出し、渡辺を座らせて自らも作業に加わった。
………………
……………
…………
……
…
从'ー'从「……あの、今は何をされているので?」
ようやく悪臭に慣れ始めた頃、渡辺は作業に興味を持ち始めた。
ここに来た本意を忘れてはいなかった。
(´<_` )「マニュピレーターの調整です。思考回路は完全なのですが、歩行に少し難がありますので」
从;'ー'从「えぇえぇえぇえ!?」
( ´_ゝ`)「さっきから騒がしいなぁ」
从;'ー'从「す、すみません……」
マニュピレーターと思考回路――どちらが困難であるかは明白だった。
つまり、現在、科学者たちが頭を抱えている部分が完璧で、普通は事も無げに行われる部分に詰まっているという、何とも奇妙な状態なのである。
- 18 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:10:58.15 ID:3Hd7NIpOO
- 从'ー'从「マニュピレーター技術なんて、もう昇華しきっているのに……」
(´<_` )「恥ずかしい話ですが、良い部品を買う金が無いのです。
キタコレ社の部品も、貴方の会社の部品も高嶺の花ですよ」
( ´_ゝ`)「……じゃあ、せっかくだから、ブーンと会話する?」
从'ー'从「本当ですか!?」
視察員に選ばれたからには、渡辺とて科学者のである。
目を輝かせ、まるで子供のように歓喜し、思わず椅子から立ち上がっていた。
ロボットとの会話――『テラワロス社の中では』経験した者などおらず、未体験ゾーンに立ち入ることに興奮するのも無理はない。
( ´_ゝ`)「ブーン、起きろ」
( ^ω^)「おっ?」
从'ー'从「えぇえぇえぇ!?」
スイッチを入れる動作もなく、ロボットは起き上がった。その事に、渡辺はまたしても驚愕し、腰を抜かしてしまった。
- 19 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:11:44.53 ID:3Hd7NIpOO
- (´<_` )「ロボットとて生きていると、あの荒巻博士と同様に我々は考えています。
ですから、スイッチとかいう無粋な物はありません。
まぁ、強いて言うならば、人間の声がスイッチでしょうか」
弟者の声は全く耳に入らなかった。只々、目前で寝惚けたそぶりをしたロボットに圧倒されていたのだ。
そのロボットはというと、まじまじと見慣れぬ人物を見つめていた。
(;^ω^)「誰だお?」
( ´_ゝ`)「俺の彼女だ」
(;^ω^)「そんな……!こんな若くて綺麗な人が……!何か薬でも盛ったのかお!?」
(#´_ゝ`)「人聞きの悪い」
(´<_` )「はいはい。兄者に生まれてこの方、彼女なんていないから。お客さんだよ」
( ^ω^)「おいすー」
从;'ー'从「お、おはよう」
- 20 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:13:28.27 ID:3Hd7NIpOO
- ( ^ω^)「お姉さん、この二人は止めた方がいいお。甲斐性もクソも全くないお。
おまけに解体癖があるお。今だってブーンの足をバラバラに……」
(#´_ゝ`)「廃品回収、いつだったかな?」
(;^ω^)「サーセン」
(´<_` )「さっきの俺の台詞、台無しだな」
三人の掛け合いを呆然としたまま眺めるだけで、渡辺は会話に混ざることが出来なかった。
しかし、ブーンというロボットの完成度と、流石兄弟の技術を嫌という程思い知ったのだった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
- 21 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:14:14.77 ID:3Hd7NIpOO
- 明くる日、流石兄弟たちから受けた衝撃を、渡辺は本社に半興奮状態で報告した。
それまで上層部は流石兄弟たちのニュースに疑念を持っていた。
というのも、テラワロス社は長年ロボットの開発に従事していたが、その成功に到らなかったからだ。
個人の、何処の馬の骨とも知れぬ輩に開発出来る筈がないと考えていたのだ。
しかし、渡辺の報告によってそれが覆ったのである。
しかも、世界初のロボット開発に成功した荒巻博士を擁するライバル会社、キタコレ社に遅れを取る訳にもいかない。
テラワロス社に選択肢は無かった。
( )「テラワロス社に来て下さい!」
( ´_ゝ`)「へっ?」
( )「バンス、つまり前金を払ってもいい、いや、払わせてくれと上層部も言っています!」
一週間後、テラワロス社は流石兄弟との交渉に当たっていた。
テラワロス社としては、特許など、権利関係について難航を推測していた――
( ´_ゝ`)「どうするよ?」
(´<_` )「とりあえず条件を聞こうじゃない」
( )「施設、部品、研究員は自由に使って頂いて結構です!必要ならば、研究費も惜しみません!」
( ´_ゝ`)(´<_` )「うはwwwwwwwおkwwwwwwww」
――しかし、推測は推測に過ぎなかった。
まさに即決だったのだ。
- 22 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:15:05.95 ID:3Hd7NIpOO
- ( )「あの……特許如何のことは……?」
( ´_ゝ`)「テラワロス社にくれてやるよ。しかし、研究には不自由させてくれるなよ。
あと、給料もね」
( )「あ、ありがとうございます!」
私財を投げ売ってまで研究に従事してきた流石兄弟にとって、研究さえ出来れば金のことなどどうでも良かったのである。
こうして、流石兄弟は企業の支援を得た。そしてこれが、後のロボット工学の大発展の足掛かりとなったのだった。
――つづく
- 23 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:17:08.92 ID:3Hd7NIpOO
- さて、前回投下分は終りました。
これより、最新話の投下に入ります。
act.2 act.3と連続して投下致しますので、支援の程、よろしくお願いします。
- 24 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:18:09.30 ID:QXNKz/jxO
- 支援シレン支援
- 25 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:19:03.11 ID:dKA7KQzLO
- 支援
- 26 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:19:08.21 ID:3Hd7NIpOO
- act.2
西暦2X21年――ロボット工学は栄華を極めていた。
原子炉、僻地、宇宙探査、レスキュー、警備といった人間にとって危険な分野で活躍するだけでなく、
大幅な低コスト化により、それまで国や企業、一部の金持ちにしか手にされなかったロボットが、一般人にも手に届くようになったのである。
从'ー'从「ハッピーバースデー!」
( ´_ゝ`)「もう俺らもおっさんだな」
(´<_` )「嫁さんは居ないがな」
テラワロス社では、流石兄弟の誕生日会が慎ましやかに執り行われていた。
木々は紅潮し、夜長ゆえか、夕方にも関わらず辺りは薄暗かった。秋の到来である。
( ^ω^)「だったら、可愛いロボット造って嫁にすればおk」
( ´_ゝ`)(´<_` )「天才あらわる」
ブーンは、普段、流石兄弟宅にて家事手伝いをしていたが、この日ばかりは流石兄弟の誕生日ということでテラワロス社のラボに足を運んでいた。
- 27 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:19:45.12 ID:3Hd7NIpOO
- 从'ー'从「ところで、プレゼントがあるんですよ」
(´<_` )「なになに?」
从'ー'从「研究員一同で造ったロボットです。内緒で造るの大変だったんですよ?」
(*´_ゝ`)「もしやこの流れは……」
兄者は喜色を浮かべてプレゼントに期待を持っていた。
メイド型?女中型?はたまたお姫様型?と妄想は尽きない。
从'ー'从「入っていいよ〜」
渡辺の声に呼応するかのように擦りガラスが填め込まれたドアのノブがゆっくりと回った。
( ´_ゝ`)(´<_` )( ^ω^)「wktk」
そして――
('A`)「♪やらなーいか♪お前と俺でー♪俺の胸に〜飛込んで来いよ〜♪」
( ´_ゝ`)(´<_` )( ^ω^)「orz」
――妄想はうち砕かれたのだった。
- 28 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:21:03.35 ID:3Hd7NIpOO
- 現れたロボットの容姿は少年で、少し人生を諦めたような悲壮感漂う顔立ちだったのだ。
その上、不気味この上ないくそみソングをひっ下げての登場である。
( ´_ゝ`)「……」
('A`)「ドクオです。よろしくお願いします」
(´<_` )「……」
('A`)「家事全般出来ます。一応、警備の真似事もプログラムされてます」
( ^ω^)「……」
(;'A`)「……ねぇ、渡辺さん?俺、いらない子?」
从'ー'从「ううん。皆さん、ドクオにどう接していいか戸惑ってるだけだよ。初対面だから」
( ´_ゝ`)「……帰ろうか」
(´<_` )「……ああ」
( ^ω^)「今日の夕飯はカレーにするお」
( ´_ゝ`)「イィヤッホォォォ!」
从'ー'从「戸惑ってるだけだよ……多分ね」
('A`)「シノウ……」
(;´_ゝ`)(´<_`;)(;^ω^)「正直、スマンカッタ……」
微妙な空気が流れたまま、ドクオは渡辺の手を離れ、流石兄弟に貰われて行った。
そして誕生日会はそのまま終り、一同は帰路に付いた。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
- 29 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:22:48.21 ID:3Hd7NIpOO
- 流石兄弟たちは、テラワロス社近郊の閑静な住宅街に居を移していた。
以前の住まいとは対照的に、新築から何年も経っていない小綺麗な家だった。
内装も清潔感溢れ、ブーンの掃除が行き届いているのが目に見えてわかるようだった。
('A`)「へへっ……俺なんて……」
流石家に着くやいなや、リビングにてドクオはしゃがんで固まり背を向けながら、心の一つも分かり合えない自分自身を睨んだ。
周囲と上手くやって行けそうにない――家事ロボットとしてのアイデンティティに関わる問題である。
( ´_ゝ`)「おーい、ドクオ」
('A`)「ブツブツ」
( ´_ゝ`)「わっ!!」
('A`)「ごめんなさいすいませんごめんなさい」
(;´_ゝ`)「何を謝っているんだ?こっちへ来なさい」
兄者に手を引かれながら、ドクオはリビングを出た。二階に上がり、ある一室に通された。
その部屋には家具が一切置いておらず、人の息吹というものが皆無であった。
- 30 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:23:18.33 ID:pWeR1DEh0
- 支援
- 31 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:23:58.19 ID:3Hd7NIpOO
- (((('A`)))))「か、監禁」
( ´_ゝ`)「換金?何のことだ?」
震えるドクオの言葉に、兄者は首を傾げて訝しがった。
( ´_ゝ`)「この部屋が、お前の部屋だよ」
((((('A`))))))「ガクガクブルブル」
――ああ、自分はやっぱりいらないロボットなんだ。
しばらくここで監禁された後、思考回路を初期化され、燃えないゴミに出されるんだ――
( ´_ゝ`)「今は何も無いけど、今度の休みに家具を買いに行こう」
('A`)「へっ?」
( ´_ゝ`)「それと、仕事の内容はブーンから聞いてくれ。仲良くやるんだぞ」
('A`)「……」
( ´_ゝ`)「今、弟者とブーンがお前の歓迎会の準備の買い物に行ってるから、リビングで寛いでてくれ」
('A`)「……」
( ´_ゝ`)「あ、そういえばお前の誕生日っていつだ?カレンダーに丸を付けておいてくれ」
('A`)「……」
- 32 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:24:09.44 ID:QXNKz/jxO
- 支援
- 33 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:25:21.29 ID:3Hd7NIpOO
- ( ´_ゝ`)「それに、体におかしい所があったら直ぐ言うんだぞ?我慢するんじゃないぞ?」
('A`)「うっ……ううっ」
( ´_ゝ`)「どうした!?早速何処か悪いのか!?」
――いらないロボットじゃ、なかったんだ――
('A`)「熱いです……」
(;´_ゝ`)「そりゃいかん!冷却器の故障かもしれん!直ぐに研究室に」
('A`)「違うんです……」
( ´_ゝ`)「へ?」
('A`)「心が熱いんです……」
――俺は、人間として扱われているんだ――
( ^ω^)「ただいまだお。あっ、兄者さんまたいじめたおね!」
(´<_` )「流石にやりすぎだろう……。見損なったぞ……」
(;´_ゝ`)「勘違いだ!」
( ^ω^)「ドクオ。いじめられたら、いじめられたって言うんだお?」
('A`)「違うんだ……違うんだよ……」
――これから流石さんたちのために、人間のために頑張っていこう――
――つづく
- 34 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:26:29.56 ID:rUoIw0bS0
- wktk
- 35 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:27:16.89 ID:3Hd7NIpOO
- act.3
西暦2X22年――ドクオが流石家に来てから、既に一年が経過しようとしていた。
/ ,' 3「ロボットには三つの原則があります。
第一条.人間を傷付けてはならない
第二条.人間の命令に背いてはならない
第三条.上記を抵触しない状況では、自己を守らなければならない
以上の三つです。
最近、ロボットの普及と共に、第三条をロボットに守らせない人が目に付くようになりました。
個人間の代理戦争に用いったり、ロボットの初期化をちらつかせて理不尽な命令を出したりといった行為です。
……残念ながら、現在、ロボットを守る法律はございません。購入者の良心に任せてしまっていると言っていいでしょう」
- 36 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:28:12.59 ID:3Hd7NIpOO
- / ,' 3「故に、私は一石を投じたい!ロボットは、機械であって機械に非ずと!
私たちと同様に感情を持ち合わせているのです!
ロボットとて権利がある!私は、ロボット擁護法の早急な成立を願って止みません!」
ホールは歓声に包まれ、聴衆はスタンディングオーベーションで荒巻のスピーチを称えていた。
荒巻が退場しても拍手喝采は鳴り止まず、ホールは地響きのように揺れ続けた。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
- 37 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:28:40.61 ID:3Hd7NIpOO
- 伝統漂う料亭の一室。三人の男が酒を酌み交していた。
外は銀色の雪景色で、それぞれが手にした猪口のピッチは、いつものそれより早くなっている。
( ´_ゝ`)「スピーチ、見事でした」
/ ,' 3「……恥ずかしい所を見せてしまったな」
(´<_` )「いえ。胸に訴えるものがありましたよ」
ロボット工学の先駆者同士という間柄から、三人の交流は度々行われていた。
一応、ライバル会社同士という肩書きもある為、あまり突っ込んだ話は出来なかったが、
それでもこれからのロボット工学についての談義は尽きることがなかった。
(´<_` )「……悲しいことです。我々が手塩に掛けたロボットたちが、
私闘に使われたり、酷い待遇に遭ってしまうことがあるんですから……」
廃品回収業者の発表によると、月に10000機ものロボットが見るも無惨な姿でゴミ捨て場に晒されているのだ。
低コスト化が進んだ一方、使い捨てという風潮も生まれ、ロボットの寿命は年々低下していた。
その平均寿命、実に三年。ペットどころの話ではない。
- 38 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:30:53.59 ID:3Hd7NIpOO
- / ,' 3「犬が死ねば墓を建てるのに、ロボットは壊れたらゴミ箱……。実に痛ましい」
( ´_ゝ`)「その辺りの認識を変えねば、ロボットたちもやりきれないでしょう」
/ ,' 3「ああ、無論だ。だからワシは不馴れなスピーチなどやっておるのだよ」
視線を落としながら、荒巻は猪口をあおった。僅かに顔が熱り始めていた。
/ ,' 3「ところで、ブーン君は元気かね?」
( ´_ゝ`)「そりゃもう」
/ ,' 3「……羨ましいよ」
荒巻は猪口をコトリとテーブルに起き、障子窓から見える積もり積もった雪を遠い目で見つめた。
/ ,' 3「ワシの処女作、つまり世界初のロボットはワシの手元には置けなかった。
企業の金で作ったものだし、研究員の手を借りたから、ワシ一人だけの手で作った訳でもなかったからな」
( ´_ゝ`)「……」
- 39 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:31:40.41 ID:3Hd7NIpOO
- / ,' 3「ワシのロボットは、直ぐに玩具になった。マスコミの眼差し、民衆の関心、業界の妬み、全て一身に受けたのだ」
(´<_` )「私たちも目を輝かせて毎日の報道を見てましたよ……。あのロボットは今どうなったので?」
/ ,' 3「『死んだ』よ。苦心して創り上げた知能が災いした。人の好奇な目に晒され過ぎて、悩み抜いた末に自らの命を絶った」
(´<_` )「すみません……」
/ ,' 3「気にすることはない。もう随分前の話だ」
それからしばらく沈黙が流れた。科学者はロボットの父であり、母だ。
故に、ロボットが無下にされることは、子を侮辱されるに等しいと、荒巻は暗に語っていたのだ。
- 40 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:32:11.51 ID:3Hd7NIpOO
- ( ´_ゝ`)「……本当の意味で、ロボットたちが『生きる』ことが出来たらいいですね……」
/ ,' 3「ああ。その為なら、老体に鞭打つのもいとわんよ。もし、私が志なかばでワシが倒れることがあったら、次は君たちにその責務を託すよ。
君たちが駄目ならその次……。
そうやってロボットたちの権利を叫ぶ者の経譜が途切れることなく綴られることを切に願うよ」
再び沈黙が流れた。流石兄弟は荒巻の言葉を噛み締め、荒巻は流石兄弟の意志を感じとっていたのだ。
/ ,' 3「さて、帰るとするかな。真っ暗な部屋に。科学者とは因果なものよ」
( ´_ゝ`)「あの……」
荒巻が腰を上げた時だった。
( ´_ゝ`)「あのロボットの名前、何ていうんでしたっけ?」
/ ,' 3「ああ、あいつの名前は――」
- 41 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:32:36.08 ID:QXNKz/jxO
- 支援
- 42 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:32:47.23 ID:rUoIw0bS0
- ツン
- 43 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:33:47.47 ID:3Hd7NIpOO
- …………
………
……
…
『おかしいな、何でこんなに棘があるのだ』
『うるさいわね!』
『よし、お前の名前が決めたぞ!お前の名前は――』
…
……
………
…………
ふと、荒巻の脳裏に15年程前の記憶が鮮明に蘇った。
/ ,' 3「あいつの名前は『ツン』だ」
それは、儚くも暖かで、そして哀しい記憶だった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
- 44 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:33:57.39 ID:W0J4obkRO
- ドラえもん
- 45 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:34:55.72 ID:xBFpDmBx0
- wktk
- 46 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:35:33.30 ID:3Hd7NIpOO
- interlude
人間は屑だ。人間はゴミだ。人間は歪だ。人間は低脳だ。人間は下等だ。
――言えば言う程、私は傷ついて行く。
人間の枠組みから離れられないのが宿命。
ああ苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい――!
ソウシテ……ジブンガ……コワレテ……ユクノヲ……ジブンデ……リカイシテシマッタ……。
interlude out
――つづく
- 47 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:36:08.51 ID:3Hd7NIpOO
- 今日の投下は終了です。
支援等ありがとうございました。では、また。
- 48 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:37:21.66 ID:3Hd7NIpOO
- >>42
ニュータイプあらわる
- 49 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:37:27.17 ID:rUoIw0bS0
- おつすー
- 50 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:38:06.40 ID:NbrZ2i1FO
- 乙!
- 51 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:38:11.00 ID:QXNKz/jxO
- ( ^ω^)作者乙
- 52 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:38:14.21 ID:W0J4obkRO
- これはなかなかおもしろいことになりそうだね
- 53 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:38:32.33 ID:i63Lmr4YO
- GJ
ここ最近のブーン小説で1番おもしろい。
- 54 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 22:40:59.18 ID:KvyeTA6yO
- 作者乙!
- 55 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/05(月) 22:55:19.41 ID:3Hd7NIpOO
- お前の名前が決めたぞ
→お前の名前を決めたぞ
orz
- 56 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 23:17:29.81 ID:NbrZ2i1FO
- >>55
ドソマイ
- 57 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/05(月) 23:47:40.55 ID:cVPXauoxO
- 保守
- 58 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 00:48:41.28 ID:GCZvuPq9O
- 保守
- 59 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 01:16:32.06 ID:dwYOoUB3O
- これは期待
- 60 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 01:20:35.70 ID:kqxSAFAwO
- ほ?
- 61 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 01:44:20.23 ID:CsmIm1TB0
- ん、いいね。好きなふいんき(ryだ。
次回にも期待
- 62 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 01:55:37.09 ID:wKWwYLpU0
- 今北1乙また次回
- 63 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 02:28:56.80 ID:GCZvuPq9O
- ほ
- 64 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 03:03:58.60 ID:GCZvuPq9O
-
- 65 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 03:30:26.23 ID:GCZvuPq9O
-
- 66 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 05:25:17.12 ID:j/iJr2NtO
- し
- 67 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 06:54:54.15 ID:vPnfxqkUO
- 今年のノミネート候補保守
- 68 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 08:14:48.08 ID:GCZvuPq9O
-
- 69 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 10:01:39.71 ID:GCZvuPq9O
-
- 70 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 10:50:20.65 ID:Mtfy3gJJO
- ほ
- 71 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 11:44:01.62 ID:faNp+/YtO
- し
- 72 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 13:01:28.46 ID:faNp+/YtO
- ゅ
- 73 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 13:04:00.61 ID:7zC0aBCvO
- タイトルを考えると、これからの展開が気が気じゃないぜ…
- 74 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 13:14:06.07 ID:ykk1OihuO
- アトム+火の鳥
もうお分かりだろう
- 75 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 15:26:43.24 ID:cbmMTwRZ0
- ほ
- 76 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 16:10:54.59 ID:GCZvuPq9O
-
- 77 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 16:47:57.12 ID:rIVOlBY7O
- ほ
- 78 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 16:54:48.76 ID:nNh0gpwiO
- まぁ投げ出さなければ何でもよし
- 79 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 18:21:07.10 ID:W/OIAsX+0
- h
- 80 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 18:40:45.22 ID:C9TmdI0rO
- メーンタンクブロー!!
- 81 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 19:31:43.33 ID:2SuLQ/5ZO
- ほ
- 82 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 20:43:22.65 ID:faNp+/YtO
- し
- 83 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 20:57:25.20 ID:i+6Rt2O3O
- 保守、ありがとうございます。
では、投下致します
- 84 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 20:58:12.41 ID:vR/xqL/P0
- wktk
- 85 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 20:58:45.87 ID:i+6Rt2O3O
- act.4
――西暦2X22年2月14日、ある男の手記より引用――
地獄があるとするならば、あれ以上の地獄は存在しないだろう。
街は紅に包まれ、道端には――『ヒトだったもの』がごろごろと転がっていた。
始め、私は天災だと思っていた。事実、私が居たビルは物凄い揺れと共に崩壊していった。
――しかし、私の予測は見事に裏切られた。
怯えきった表情であえぎあえぎ逃げてゆく人波があった。ふと私は、波に逆らって目を遣った。
この時、私はこの騒ぎが人災であることを悟ったのである。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
- 86 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 20:59:36.24 ID:i+6Rt2O3O
- (;´_ゝ`)「クーデターだと!?」
テラワロス社に入った一報は、研究員たちを激震させるに十分だった。
何でもロボットたちが徒党を組み、政府関係機関が集中する地区――通称『ヘキサゴン』を襲撃したらしい。
死傷者も大量に発生し、現場はパニック状態とのことだ。
从'ー'从「テラワロス社のロボットも一部加わっているそうです……」
(´<_`;)「何ということだ……」
言いようのない悲壮感が研究室を支配していた。
――ロボットは人間を傷付けることは出来ない筈である。
そのようにプログラムされているし、生産されてからも、そういった道徳を嫌と言う程叩き込まれる。
しかし、今回、ロボットがプログラムや道徳を超越し得ることが判明したのだ。
それは、ロボットは機械にあって機械に非ずという流石兄弟らの持論が、皮肉的ではあるが、証明された瞬間でもあった。
- 87 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 21:01:38.85 ID:i+6Rt2O3O
- (#´_ゝ`)「何故だ……!何故だぁぁぁぁ!?」
膝は言うことを聞かず、地面に崩れ落ちることを余儀なくされてしまう。
ロボットへの愛。ロボットへの信頼。ロボットへの夢――それら全てが、音を立てて崩れていったのだ。
そして、絶望の二文字が兄者の真っ平になった脳裏に居座っていた。
(#´_ゝ`)「ロボット工学を志し、20年ッ……!
……全て間違っていたとでも言うのか!?
くそぉぉぉ!!」
从'ー'从「でも、一部のロボットだけが」
(#´_ゝ`)「関係あるか!こんなことが起きたこと自体が問題なんだよ……!」
(´<_` )「まぁ、落ち着け兄者」
(#´_ゝ`)「……なんだと?お前、よくそんな涼しい顔をしていられるな!」
兄者は立ち上がり、弟者の襟に掴みかかった。兄者の目は充血し、歯は怒りでガチガチと鳴っていた。
- 88 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 21:02:17.35 ID:i+6Rt2O3O
- (´<_` )「……離せよ。わめいても何も変わらんだろう。俺は荒巻博士の所へ行ってみるが、兄者はどうするんだ?」
(#´_ゝ`)「……俺はお前みたいに冷静でいられないんだよ!」
兄者は弟者の態度が気にくわないのか、非難を吐き捨てて、ドアを力一杯閉めて出ていった。
(´<_` )「馬鹿野郎……!俺はお前の弟だぞ……!」
弟者の握り締めた拳からは、血が滴っていた。
弟者とて絶望と憤怒に狂いそうになっていたのだ。
ただ、兄者と一線を画したのは、その感情を抑え込んでいたか、そうでないかの違いだけだった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
- 89 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 21:02:43.19 ID:W1ajcOl9O
- wktk
- 90 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 21:04:17.62 ID:i+6Rt2O3O
- いくつも並べられた椅子には白衣が並び、そして縦横無陣に伸びた机には何枚にも及ぶプリント類がどっさりと置かれていた。
――キタコレ社の会議室には、ロボットが起こしたクーデターの対策本部が据えられていた。
(´<_`#)「今、何と言ったか!?」
緊急に催された会議に飛び入る形で弟者は参加していたが、兄者の姿は無かった。
会議は初っぱなから白熱の様相を呈していた。
/ ,' 3「だから、現在、クーデターに参加していないロボットの初期化が必要だと言っている」
(´<_`#)「それがどういうことか、分からん貴方でもあるまい!?」
/ ,' 3「……無論だ」
初期化とは、ロボットの思考回路を白紙に戻す、謂わばロボットにとって死に等しい行為である。
新たなクーデターを未然に防ぐため、初期化を敢行しようと荒巻は科学者たちに提案し、そして弟者は激昂したのである。
- 91 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 21:05:01.64 ID:i+6Rt2O3O
- (´<_`#)「貴方は言ってきた筈だ!ロボットとて人間だと、ロボットとて人権があると!」
/ ,' 3「……ああ」
(´<_`#)「だったら、こんな馬鹿げた提案は却下して下さい!」
/ ,' 3「馬鹿げただとっ……!?」
荒巻の表情が一変し、弟者を刺すような視線で貫いた。
/ ,' 3「貴様には分かるまいっ……!ワシがどれ程の思いで初期化を提案したか……!
貴様はいい!ロボットに関わってきたのは、精々20年だろう!
しかし……ワシは人生を賭けた……。
そのワシが初期化を口にしたのだ!それが、どれだけのことか、貴様には分からんだろうよ!?」
(´<_` )「……」
/ ,' 3「臨時政府にその旨を伝える!各々方、よろしいな!?」
もう弟者に反論の余地は残されていなかった。
それに倣うように他の科学者らも初期化に賛同する意を固めたのだった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
- 92 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 21:05:26.00 ID:i+6Rt2O3O
- 夜の帳が辺り一面を覆っている。溶け残った雪は、不気味にそこら中で佇んでいた。
( ^ω^)「遅いお……」
既に0時過ぎ――流石兄弟に於いては珍しいことである。
普段は夕飯時きっかりに帰宅しているのだから、異常事態とも言えよう。
(;'A`)「確かに……」
用意した晩餐はネットの下ですっかり冷えてしまった。
――とぅるるるるる――
(;^ω^)「おっ!」
耳をつん裂く電子音――プッシュホンが深夜の静まり返った邸宅に鳴り響いたのだ。
( ^ω^)「もしもし!?」
(´<_` )「ブーンか?連絡遅くなって済まない。
……今日は帰れそうにないんだ。だから先に休んでいてくれ」
心なしか、弟者の声は震えていた気がした。
( ^ω^)「分かったお。兄者さんも一緒だおね?」
ある意味、予定調和な問掛けだったが――
(´<_` )「兄者はここには居ない。……帰ってないのか?」
- 93 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 21:06:50.23 ID:i+6Rt2O3O
- ( ^ω^)「……帰ってないお」
(´<_` )「大方、どこかほっつき歩いてるんだろう」
( ^ω^)「まったく、心配かけさせるお……」
(´<_` )「すまんな。一段落ついたら油差してやるから、勘弁してくれ」
そう言って、弟者は受話器を置いた。
('A`)「何だって?」
( ^ω^)「今日は帰れないそうだお。兄者さんはどうか分からないけど……」
('A`)「じゃあ、もう少し待ってようか」
待つ夜は、秋の夜より長い――
二人は暇を潰す為にテレビを着けた。
('A`)「あれっ?何処もニュースだ」
テレビのモニターが色を成すと直ぐに異変に気付く。
深夜バラエティやドラマ類は一切影を潜め、各局の看板キャスターたちがテレビを支配していたのだ。
『番組の予定を変更して、最新情報をお送りしています』
深刻な空気漂うスタジオ。評論家がああでもない、こうでもないと議論を交し続ける。
普段なら視聴率など取れそうもない内容だが――
(;^ω^)(;'A`)「な、なんだってー!」
――この日ばかりは違ったのだ。
――つづく
- 94 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 21:07:56.28 ID:i+6Rt2O3O
- 今日の投下はここまでです。
支援等ありがとうございました。
では、また。
- 95 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 21:08:20.82 ID:TZt84ddOO
- wktk
- 96 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 21:09:11.56 ID:W1ajcOl9O
- ここで切るか…だが乙
期待してるよ。
- 97 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 21:15:23.03 ID:HoGXDXODO
- また焦らし(´;ω;`)
- 98 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 21:17:48.26 ID:n80fQGSN0
- 壁|ω・)
- 99 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 21:18:12.87 ID:n80fQGSN0
- ああ、ミスったorz
これまとめてもいいですかね
- 100 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 21:21:28.77 ID:hAoYtjNSO
- ↓のURLに
「証拠隠蔽の得意な糞管理人乙wwwwww」
と書き込むと今年のバレンタインはチョコがもらえるらしいぜ!
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/game/25868/1146407286/
- 101 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 21:42:27.50 ID:n80fQGSN0
- http://boonsoldier.web.fc2.com/tamoto.htm
もうまとめちゃったけどいいよね?
- 102 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 22:11:20.74 ID:GCZvuPq9O
-
- 103 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 22:19:39.58 ID:l7OByeONO
- 星
- 104 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 22:39:13.61 ID:i+6Rt2O3O
- >>101
ありがとうございます!
ええと、じらしプレイとの声があるので、もう一話投下致しましょうか?
……またじらしそうだけど……
- 105 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 22:45:35.65 ID:BhrZ4uQj0
- 期待wこれはなかなか俺をwktkさせるぜ・・・
- 106 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 22:48:14.69 ID:aOfy6cYvO
- >>104
wktk
- 107 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 22:53:04.04 ID:qUtbvDSx0
- とりあえず一人殺す
- 108 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 23:06:53.78 ID:i+6Rt2O3O
- では、予定を変更して投下します。
リアルタイムを逃してしまった方には、申し訳ありません。
- 109 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 23:08:45.01 ID:i+6Rt2O3O
- act.5
暁の光が窓から差し込み始めた頃だった。
ブーンとドクオは未だテレビに釘付けになり、絶え間なく伝えられる報道を眺めていた。
( ^ω^)「死傷者名簿に兄者さんの名前はなかったけど、心配だお……」
('A`)「……なぁ、ブーン」
( ^ω^)「おっ?」
ドクオの神妙な面持ちに、ブーンはただならぬものを感じとった。
憂いとも、悲しみとも取れるその眼差しは、ブーンの姿勢を正させる。
('A`)「俺たち、どうなるんだろうな?」
( ^ω^)「……」
即答など無理な話だ。自分たちの行く末は、遥か遠い闇の中で、誰も垣間見ることは出来ないのである。
しかし、ブーンには、ただ一つ、声を大にして言えることがあった。
( ^ω^)「わからないけど、兄者さんと弟者さんを信じるだけだお」
ロボット寿命の短命化が叫ばれる中、自分が10年という途方もない年月を生きることができたのは、他でもない流石兄弟のおかげだった。
家族として、親として、兄弟として自分を育んでくれた感謝は、筆舌に尽し難かったのだ。
- 110 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 23:09:15.76 ID:i+6Rt2O3O
- ('A`)「そうだよなぁ」
ドクオの表情が幾らか和らいだ。
おそらく、同じ考えを持っていたのだろう。
( ^ω^)「そう、信じるだけだお……」
自らの言葉を反芻する――
――それが、覆ることも知らずに――
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
- 111 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 23:11:10.24 ID:i+6Rt2O3O
- ドサッ――!
(;'A`)「な、何の音だ!」
朝のエネルギー補給をしていた時のことだった。何かが崩れる音がリビングまで届き、ドクオは不穏な空気を察した。
(;^ω^)「玄関だお!」
我先にとブーンがリビングを飛び出していった。
その後ろに、怪訝な顔をしたドクオも続く。
(;^ω^)「……!」
( ´_ゝ`)「……」
(;'A`)「あ、兄者さん!」
そう、玄関に兄者が倒れていたのだ。
(;^ω^)「し、しっかりするお!」
(;'A`)「きゅ、救急車!」
慌てふためく二人。事件に巻き込まれたのか、それとも違う事故なのか、二人の脳裏に様々な創造が錯綜した。
( ^ω^)「んっ、待つお!」
ブーンの制止に、ドクオは電話への足を止めた。
( ´_ゝ`)「ヒック……」
(;^ω^)「酔っぱらってるだけだお……」
('A`)「……よかった」
ほっと胸を撫で下ろす。
- 112 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 23:11:52.10 ID:i+6Rt2O3O
- ( ^ω^)「まったく……。ブーンが部屋まで運ぶから、ドクオは休んでてくれお」
('A`)「悪いな」
ブーンは兄者の泥々になった体を担ぎ上げると、一階の兄者の自室にのそのそと歩み始めた。
それを見届けたドクオは半分気が抜けた状態になり、リビングのソファに深く体を沈めて思索に耽った。
('A`)「やっぱり、ショックだったのかな……」
兄者があれほど泥酔する姿を見るのは始めてだった。
というのも、酒に強くない兄者は、普段滅多にアルコールを口にしない。
('A`)「無理もないか……」
そう結論付け、ドクオは考えるのを止めた。
( ^ω^)「……」
('A`)「おっ、おつかれ」
ひと仕事終えたブーンを労う。
しかし、ブーンは呆れるでもなく、安心した風でもなく、どこか虚ろな雰囲気をかもし出していた。
('A`)「ブーン?」
( ^ω^)「……」
返事はない。
- 113 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 23:13:38.43 ID:i+6Rt2O3O
- ('A`)「ブーン!」
(;^ω^)「おっ?」
ようやくの返事。しかし、心ここに非ずといった感じである。
(;^ω^)「ご、ごめんお。疲れたから、少し寝るお」
ブーンは晴れない表情のまま、二階へとぼとぼと上がっていった。
('A`)「……気疲れかな?」
ロボットに肉体的疲労はない。厳密に言えば、部品等の劣化はあるが、流石一家には無縁の話である。
とすれば、張り詰めた緊張の糸が切れ、思考回路が休憩を欲したのだろうとドクオは納得付けた。
('A`)「さて、俺も一休みするかな」
ソファに身を預けたまま、ドクオは体のスイッチを切った。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
- 114 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 23:15:49.99 ID:i+6Rt2O3O
- クーデター対策本部は、紛糾の極みにあった。
*「やはりEMPを照射して、ロボットたちの活動を止めよう!」
*「無茶を言うな!街に与えるダメージが大き過ぎる!……やはり軍に任せよう!」
*「ロボットとの白兵戦に、人間が勝てる訳ないだろう!
それとも爆撃でもしろと言うのか!?そっちの方が被害は甚大だ!」
EMP――つまり電磁パルスを照射してクーデターに参加しているロボットを強制停止させる意見と、
全ての電子機器が壊滅するという街のダメージを鑑み、軍に全面委任する意見に二分していたのだ。
/ ,' 3「……では、こうしよう。ロボットにはロボット。
つまりこちらで戦闘用ロボットを開発し、クーデターを鎮圧させるというのはどうか?」
見かねた荒巻の意見に場が騒然とする。
- 115 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 23:18:30.06 ID:i+6Rt2O3O
- *「しかし、敵の戦力に飲み込まれる恐れが……」
/ ,' 3「わかっておるよ。だから、人間への忠誠心がいっとう高いロボットをベースにしようじゃないか。
そうだな、各々方に心当りのあるロボットの中から一体を吟味してみるのはどうか?
もちろん予防策として、何時でもこちらで初期化できるシステムの搭載が不可欠だが」
*「裏切り云々の問題はそれでいいとしても、生産数の低下は否めないのでは?」
/ ,' 3「確かに。然れども、そのロボットを無双に仕立てれば事足りるはずだ。
クーデターを起こしたロボットは所詮、民間用だ。戦闘用ロボットにとっては物の数ではない」
荒巻の提案は直ぐに通った。比較的良策であり、しかも荒巻が権威ということも手伝っての結果だった。
(´<_` )「(もう駄目だ……。荒巻さんが責任を果たそうとしているのは分かるが……)」
ロボットの軍事転用――初期化に次ぐ犯されざる禁があっさりと破られても、
弟者にこの奔流を止める術はなかった。
いや、誰であっても、抗う術を手にすることはなかっただろう。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
- 116 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 23:19:53.53 ID:i+6Rt2O3O
- 弟者はひたすらに苦悩していた。
というのも、『各々の心当りのあるロボット提供』についてである。
このまま行けば、会議で決まった初期化法案でブーンとドクオが初期化されるのは必至。
ならば、どちらか対策本部に提供をして、生き長らえさせた方がいいのではないか。
――大きな足枷を喰らうことになるが。
(´<_` )「くそっ……!」
帰り道、行き場のなくなった憤りを石ころにぶつけた。
ただでさえ大問題なのに、選択肢という悪魔がより一層問題を解れさせる。
――推すとしたら、ブーンか?ドクオか?――
どちらも忠誠心の点ではうってつけである。
ブーンは言うに及ばず、ドクオもこの一年間、よく頑張っていたと思う。
(´<_` )「どうすればいいんだ……!」
結局、どの道も荊――!運命は弟者の両手にあるのだ――!
- 117 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 23:21:52.45 ID:i+6Rt2O3O
- (´<_` )「……」
ふと、ブーンが生まれた時の姿が浮かぶ。
歓喜に震えた記憶が鮮明に蘇ったのだ。
ブーンは自分の夢だ。そして今、自分の夢の跡が世の中を苦しめている。
そう思うと、ブーンには責がある気がする。
ブーンは全てのロボットの長男――故に、弟たちの過失を正さねばならないかもしれない。
だが、それは勝手なエゴ――ドクオを見限り、自分の責任をブーンに負わせただけじゃないかと自嘲する。
そういった幾度の思考のループを重ね、弟者が選んだのは――
(´<_` )「……済まん、ドクオ……」
――腹を痛めた息子だった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
- 118 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 23:22:18.61 ID:i+6Rt2O3O
- interlude
『お前なんか作らなければよかった』
……どういうことだお?なんでそんなこと言うんだお?
酔ってるからかお?いや、酔ってても、瞳は真面目だったお……。ブーンには分かるお……。
なら本音かお……?
そんなこと言われたら、僕は……
僕は……
どうしたらいいんだお……?
interlude out
――つづく
- 119 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/06(火) 23:23:59.61 ID:i+6Rt2O3O
- 今度こそ今日の投下は終了です。
投下タイミングを変えてしまい、すみませんでした。
では、また。
- 120 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 23:24:44.32 ID:vR/xqL/P0
- 乙
- 121 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 23:29:24.87 ID:aOfy6cYvO
- 乙!
- 122 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 23:34:58.40 ID:HoGXDXODO
- これは本物
- 123 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 23:35:54.31 ID:W1ajcOl9O
- 乙!乙!超乙!
- 124 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 23:43:25.15 ID:dwYOoUB3O
- 今から読むけど先に乙
- 125 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 23:49:33.89 ID:iXkXJI0AO
- これは楽しみ
- 126 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/06(火) 23:59:44.00 ID:3b/zOtDc0
- めちゃくちゃ面白い
保守
- 127 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 00:17:26.77 ID:sUFtx1MqO
- 改造されたらやっぱアレ付くんだろうか…
- 128 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 00:52:19.05 ID:gfMYKU4m0
- ほ
- 129 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 01:36:53.71 ID:K84xOYuJO
- ほ
- 130 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 02:03:13.00 ID:whUVuaSHO
-
- 131 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 02:34:47.66 ID:whUVuaSHO
-
- 132 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 04:04:39.07 ID:Bxe3hvIx0
- 保守ついでに質問
ドクオがスイッチ切るところがあるけど、これはブーン以外は物理的またはプログラム的ににスイッチがあるってこと?
- 133 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 04:24:21.68 ID:g2UH9I1qO
- 急浮上
- 134 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 05:15:47.10 ID:4PTrUU0ZO
- これは保守
- 135 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 08:36:39.82 ID:OGl1XHqTO
- ほしゅんお
- 136 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 09:53:31.46 ID:Z+3vtrWvO
- 面白いほしゅ
- 137 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 10:46:10.80 ID:0dna4qc7O
- 保守だお
- 138 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 13:25:32.33 ID:RTEfeoH+O
- 携帯から保守!
- 139 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 14:56:06.38 ID:tQnVKpxUO
- ほし
- 140 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 15:33:18.04 ID:NvrNGzSUO
- プルートウを彷彿とさせますね
- 141 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 15:58:52.37 ID:whUVuaSHO
-
- 142 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 16:49:49.53 ID:hWaMvkN8O
- ほ
- 143 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 17:46:52.97 ID:ScJNEMZnO
- ほ
- 144 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 18:55:48.66 ID:0dna4qc7O
- 保守!
- 145 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/07(水) 18:58:19.65 ID:OeSQLu8kO
- 保守、ありがとうございました。
では、act.6を投下します。
- 146 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/07(水) 19:00:17.46 ID:OeSQLu8kO
- act.6
*『2月15日、昼のニュースです』
('A`)「……」
…………
………
……
…
( ;ω;)「うっ、ううっ……」
どれほどの時が経ったかは定かではない。
短いようであり、長いようでもある。
ただ一つ言えることは、泣けるものなら泣きたい――ブーンの頭にあるのは、ただそれだけだった。
しかし、ブーンには、ロボットには泣く機能など備わっているはずも無く、行き場のない欝屈がぐるぐると胸の内を回るだけである。
( ;ω;)「僕は、何で生まれてきたんだお……?」
今までなら『流石兄弟のため』と胸を張って言えたが、その片割れが崩れた為、口にすることすら出来ず、ベッドにうずくまるしかできない。
(;'A`)「ブーン!」
騒々しい足音と共に、ドクオがブーンの閉じ籠っていた殻に飛入ってきた。
( ^ω^)「……どうしたお?」
この時ばかりは、泣けないことが喜ばしかった。
- 147 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 19:00:46.25 ID:JQu4ZVpDO
- wktk
- 148 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/07(水) 19:01:10.15 ID:OeSQLu8kO
- (;'A`)「いいから早く来い!」
(;^ω^)「おっ!?」
ドクオは無理矢理ブーンの手を携え、一目散にリビングへ駆け降りて行った。
('A`)「こ、これを見てくれ!」
( ^ω^)「……!」
*『繰り返しお送りします。昨日未明、科学者によって組まれた
クーデター対策本部の提唱した『ロボット初期化法案』が今、臨時政府で採択されました』
――無機質な音声――
(;'A`)「今あるロボットは、全部初期化らしい……!」
( ω )「……」
――交錯する憂鬱――
(´<_` )「おーい。帰ったぞ」
――歪み始めた運命――
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
- 149 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/07(水) 19:01:41.61 ID:OeSQLu8kO
- 弟者はよれたスーツを脱ぎ捨て、部屋着を身に付けてリビングへ向かった。
自分の意図をブーンとドクオに伝えるためである。
(´<_` )「兄者は?」
('A`)「……まだ寝てます」
( ^ω^)「……」
( ´_ゝ`)「……仕方ないな」
この時点で、弟者は二人の異変に気付いた。
しかし、それはごく僅かで、兄者を待ち疲れたのだろうとぐらいにしか思わなかったのだ。
意識の全ては『これから』に向けられ、ドクオに何と言うべきか、ただそれに尽きた。
( ^ω^)「……ねぇ、弟者さん?」
(´<_` )「ん?」
( ^ω^)「油……差してお……」
そんな約束もあったなと弟者はふと思い出したが、目の前の『これから』に精一杯だった。
(´<_` )「済まない、後にしてくれないか?」
( ω )「……!」
- 150 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/07(水) 19:03:44.28 ID:OeSQLu8kO
- そして、一つ咳払いして弟者は本題に入ろうとするが――
(´<_` )「実は、二人に話があるんだ」
( ω )「聞きたくないお……」
(´<_`;)「……!」
――拒絶されたのだった。
('A`)「まだ、何も言われてないぞ……」
一見冷静なドクオも、体中がガタガタ震えていた。
(´<_`;)「大事な話なんだ」
( ω )「聞きたくないお!」
(´<_`;)「ど、どうしたんだ……!?」
全くもって状況が飲み込めない弟者。
しかし、ブーンは明らかに憤慨し、弟者を睨みつけていた。
( ω )「僕たちを初期化する気だお!?」
(´<_`;)「ちゃんと話を聞け……」
近からずも遠くないブーンの言葉に、弟者は圧倒されてしまった。
( ω )「言い訳は……聞きたくないお……!」
(´<_`#)「ブーン!」
言ってから、自分が大声を発してしまったことに弟者は気付いた。
- 151 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/07(水) 19:04:17.42 ID:OeSQLu8kO
- ( ω )「油……差す必要が無いんだお……」
(´<_`;)「えっ?」
( ;ω;)「ブーンを初期化する気だから、油を差す必要が無いんだろお!?」
(´<_`;)「ま、待て!」
ブーンは脱兎のごとくリビングから、流石家から走り去って行った。
悲しかった。悲しくて悲しくて仕方がなかった。
裏切られた。裏切られた。裏切られた。裏切られた――!
そんな呪いの言葉を胸に秘めながら、ブーンは走りに走った。
見慣れぬ土地、見慣れぬ人間、見慣れぬ建物、全てが憎くなった。
やがて、自分の身さえ、憎くなった。
兄者の言葉がなければ、弟者の怠慢がなければ、ニュースがなければ、ブーンは人間と共に生きることが出来た。
しかし、運命はそれを許さなかった。
しばらくして、ブーンは走るのを止めた。
同時に、『人間との歩み』も永遠に途絶えた。
そしてブーンは眠りにつく。いつ覚めるともしれぬ、深い深い眠りに。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
- 152 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 19:04:26.40 ID:ScJNEMZnO
- wktk支援
- 153 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/07(水) 19:04:41.80 ID:OeSQLu8kO
- (´<_`;)「ブーン!何処だ!帰ってこい!」
ネオンの光が目に染みた。
(´<_`;)「俺が悪かった!謝るから……!」
ネオンの光がいっとう目に染みた。
(´<_`;)「油、差してやるから!もうあれこれ言わないから!初期化なんて絶対しないから!……何があっても、お前を守るから……!」
沸き上がる言葉は紡ぎきれない程だった。
(´<_`;)「ブーン……ごめんよ……俺が悪かった……」
クーデターの報を聞いても堪えた弟者も、絶望と後悔でその場に崩れ落ちた。
弟者は後悔した。後悔して、後悔して、後悔し尽した。
何故なら、『これから』を意識しすぎた余り、『今』を失ったからに他ならなかったからだ。
(´<_` )「くそぉぉぉ……!誰か俺を殺せっ……!殺してくれぇぇぇぇ!」
そして弟者は嫌悪する。クーデターを、初期化法案を、そしてドクオに対する残酷極まりない行動を。
――叫びは交錯することなく、ただ錯綜するのみだった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
- 154 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/07(水) 19:05:11.23 ID:OeSQLu8kO
- (;'A`)「ブーン!」
街の人々の視線が体を刺した。
(;'A`)「どこにいるんだ!?」
街の人々の嫌悪な視線が体中を刺した。
(;'A`)「お前は初期化なんてされないんだ!だから帰ってこい!」
全てを知った。ブーンを待ち受けていた『はずだった』運命と――
(;'A`)「俺なんだ!お前じゃないんだ!初期化されるのは俺なんだ!」
自らを待ち受け『ている』運命を――!
('A`)「そう……俺なんだぁぁぁ……!俺なんだぁぁぁ……!」
そしてドクオは呪う。心の何処かで笑っている自分を。
汚らしく画策している、深部で狡猾に笑う自分を。
('A`)「馬鹿野郎ぉぉぉぉぉぉ!」
ドクオは歩むのを止めた。燃料は満タン。整備は良好。
しかし、ドクオは一歩たりとも歩を進めることが出来なかった。
ドクオは疲弊していた。
疲弊していたのは、ロボットから最も遠く離れた、『心』そのものだった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
- 155 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/07(水) 19:06:33.20 ID:OeSQLu8kO
- interlude
全てのパーツは揃った。後は起動するだけ。
それで人間は壊れる。
何も力は要らない。ただ、一押しするだけ。それで人間は壊れる。
人間は脆い。人間は下らない。だから人間は壊れる。
簡単に、簡単に、それはそれは簡単に。
ただ一人。生を許される人間は、ただ一人。
それ以外――要らない。
interlude out
――つづく
- 156 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/07(水) 19:07:04.76 ID:OeSQLu8kO
- 今日の投下はここまでです。
支援等ありがとうございました。
では、また。
- 157 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 19:07:36.47 ID:CygPjcdeO
- 支援
- 158 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 19:08:44.63 ID:ScJNEMZnO
- 乙!
- 159 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 19:12:47.22 ID:CygPjcdeO
- 乙!
- 160 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/07(水) 19:30:42.28 ID:OeSQLu8kO
- >>132補完外伝
――クーデター発生から、ちょっと前のお話――
(ヽ^ω^)「眠れんお……」
('A`)「ど、どうした!?」
(ヽ^ω^)「ロボットにエロはあっていいのかどうか、悩んでるお……」
('A`)「ちょwww」
(ヽ^ω^)「だって、おにゃのこ型ロボットがあるんだから、ロボットにもエロはあるかもしれないだろお?
でも、ロボットには本当の意味での性別はないお……。その答えが気になって仕方ないお……。
眠るスイッチがあったらいいと、本気で思ってるお……」
- 161 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 20:03:57.92 ID:0wjeX7ULO
- 支援
- 162 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 20:22:20.64 ID:0wjeX7ULO
- ほ
- 163 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 20:33:59.55 ID:OeSQLu8kO
- テスト
- 164 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/07(水) 20:34:44.29 ID:OeSQLu8kO
- ('A`)「眠るスイッチなんてつけたら、兄者さんたちのロボット人権活動がパァだろ?
だから我慢しろ。俺もそういうときもあるしな。
……ところで疑問への回答だが、むさい男ばっかりじゃたまらんだろう?
だから、エロどうこうよりも単なる目遊びみたいな目的だよ」
( ^ω^)「天才あらわる!これで気持ちが晴れたお!」
('A`)「……単純な奴。さて、仕事仕事っと。
♪やらなーいか♪お前と俺で〜♪」
( ^ω^)「その歌むかつくからやめろ」
('A`)「サーセンwwwww」
おわり
- 165 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 21:16:00.40 ID:BcGDZqwf0
- おめ!
次回もwktkで待ってるぜ!!
- 166 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 21:18:20.16 ID:+m8fiZKBO
- 乙!
これ処女作?
- 167 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 21:40:40.04 ID:PtSGfOTQO
- 焦らすよなぁ〜
続きがスゲー気になる…
とりあえず乙です!
- 168 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 22:14:20.23 ID:CygPjcdeO
- 保守
- 169 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 23:02:43.49 ID:ScJNEMZnO
- ほ
- 170 名前: ◆WzasUq9C.g :2007/02/07(水) 23:03:58.56 ID:OeSQLu8kO
- >>166
ブーン小説は初めてです。
- 171 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 23:12:53.23 ID:+m8fiZKBO
- >>170
把握した。ほかにも何か書いてたら読もうと思ったが…。
わざわざすまんです。
- 172 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/07(水) 23:17:03.64 ID:bUIl0Gux0
- YABEEEEEEEEEEEE!!!!!!!こんなに面白いとは
- 173 名前:ホモ紳士 ◆xsMI36idT6 :2007/02/07(水) 23:53:34.69 ID:x+/bntdE0
- 面白い
- 174 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/08(木) 00:15:54.58 ID:XiT5s0XwO
- 保守
- 175 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/08(木) 01:04:48.55 ID:K8k2dksbO
- これは保守
- 176 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/08(木) 02:16:30.89 ID:s150BZ8yO
- ほ
- 177 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/08(木) 03:14:38.88 ID:QDoND221O
- ほ
- 178 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/08(木) 03:42:01.20 ID:pFlzHNkRO
-
- 179 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/08(木) 07:29:59.69 ID:lMc11wrbO
- ほ
- 180 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/08(木) 08:21:28.16 ID:pFlzHNkRO
-
- 181 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/08(木) 11:21:31.03 ID:Uz0MnEY8O
-
- 182 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/08(木) 11:47:21.03 ID:pFlzHNkRO
-
- 183 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/08(木) 12:19:07.42 ID:Uz0MnEY8O
-
- 184 名前:ホモ紳士 ◆xsMI36idT6 :2007/02/08(木) 13:18:05.76 ID:8HTDGz780
- moinmoin
- 185 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/08(木) 13:23:42.98 ID:YIZOUsyi0
- 保守
- 186 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/08(木) 14:41:17.98 ID:QDoND221O
- ほし
- 187 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/08(木) 15:06:37.90 ID:wI77GA8Z0
- hosi
- 188 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/08(木) 15:13:01.43 ID:K8k2dksbO
- 欲し
- 189 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/08(木) 16:17:56.74 ID:s150BZ8yO
- ほし
- 190 名前:愛のVIP戦士 :2007/02/08(木) 17:41:12.52 ID:s150BZ8yO
- ほし
全部
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