81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/10(火) 15:04:33.46 ID:GqeAKOzcO
─第五章─

─ブーン達がピラミッドで魔方陣を発見する少し前
???「ハァ…ハァ…ここまで来れば…。後は─」
('A`)「ご機嫌如何かな?閣下」
???「だ、誰だ!」
('A`)「俺が誰かはどうでもいい。部下を殺して自分は脱出とはしたたかな御方だ」
???「何故それを…」
('A`)「閣下に闇の力をプレゼントしよう…」
???「な、何をする!ぐわあアアああ!!!!」
('A`)「なぁに、少しの辛抱だ。(この男はどれくらい闇を受け入れられるか楽しみだ…)」
???「や…めろ……」
('A`)「フフフ…そう言ってられるのも今の内………!?」
???「ぐおお゛お゛ぉ…………。もっと力を……」
(;'A`)「なに!?う、うおおおおお!?」
???「…………………」
???「フハハハハ!生き返った気分だ!礼を言う…」
(;'A`)「(力が吸い取られた…?この男の闇は相当深いな…)」



82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/10(火) 15:07:19.05 ID:GqeAKOzcO
─ミルナの道場
( ゚д゚)「この時代は修正したようだな。…もう行くのか?」
グレアムとの戦いから三日後、ミルナは名残惜しそうに語りかける。
( ^ω^)「行かないと世界が大変な事になるらしいお。次はどこだお?」
ξ゚ー゚)ξ「お世話になりました」
ショボンが本を見る。
(;´・ω・`)「う……」
すぐに嫌悪感に満ちた顔になる。
ξ゚-゚)ξ「どうしたのよ?」
(´・ω・`)「見れば分かるよ…」


83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/10(火) 15:09:38.04 ID:GqeAKOzcO
『フリッツ・ハールマン』
1875年に誕生。
16歳で陸軍学校へ入学するが、退学。それから幼い子供に性的悪戯と窃盗を繰り返し、少年院に入る。
25歳で従軍し、28歳で除隊される。その後、盗みや詐欺で刑務所を出入りする。
1918年に肉屋をひらく。彼の肉は安くて旨いと有名だったが、恐るべき事にその肉は人肉であった。肉のストックが切れると浮浪者の少年をさらい、性の対象にしたあとに肉として店に並べた。
1924年に死刑を宣告された。
新たな歴史
1875年に誕生。
16歳で陸軍学校へ入学するが、退学。それから幼い子供に性的悪戯と窃盗を繰り返し、少年院に入る。
25歳で従軍し、28歳で除隊される。その後、盗みや詐欺で刑務所を出入りする。
1918年に肉屋をひらく。彼の肉は安くて旨いと有名だったが、恐るべき事にその肉は人肉であった。肉のストックが切れると浮浪者の少年をさらい、性の対象にしたあとに肉として店に並べた。
1924年に死刑を宣告されるが、突如彼は失踪する。
1926年6月にドルトムントの炭田で5人を殺害。そこで炭坑夫に殺害された。

( ^ω^)「ウホッwwwwwwwゲイかお」
ξ゚-゚)ξ「狂ってるわね…」
ツンのひたいにシワがよる。
相手がどんな性癖を持っていようと行くしかない。
炭坑夫に殺害されるといっても野放しには出来ないのだ。

84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/10(火) 15:14:34.45 ID:GqeAKOzcO
( ^ω^)「じゃあ行くお!」
三人が次の時代に移動しようとした時、ミルナが引き止める。
( ゚д゚)「ちょっと待っていなさい」
ミルナは道場の奥へと消え、すぐに戻ってきた。
( ゚д゚)「ブーン君、これを持って行きなさい」
ミルナの手には一振りの剣。
( ゚д゚)「これは我家に伝わる家宝だ。強度と切れ味は保証しよう」
( ^ω^)「ホントにくれる─」
ドスッ
ツンの蹴りがブーンの股間に入る。
(;^ω^)「あぅえおおぉ…」
股間を押さえ、うずくまって悶えるブーン。
ミルナは軽く顔をしかめる。
ξ゚-゚)ξ「そんな大切な物を頂く訳には…。それもこんな馬鹿に…」
(;^ω^)「お、おぉ…!」
(´・ω・`)「………」
ショボンは黙ってブーンの腰を叩いている。
( ゚д゚)「いや、いいんだ。使われてこそ剣。彼は私の実力を大きく凌駕するまでに成長した。彼に振るわれたほうがこの剣も喜ぶだろう」


85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/10(火) 15:16:12.09 ID:GqeAKOzcO
ξ゚-゚)ξ「でも…」
( ゚д゚)「ふむ……。ではこうしよう。この戦いが終わったら返しに来てくれ。それなら良かろう?」
ξ゚-゚)ξ「………。わかりました。お預かりします」
ツンは剣を受け取る。
ξ゚听)ξ「さあ行くわよ。いつまでやってんの?」
ブーンはようやく立ち上がっている所だ。
(´・ω・`)「ツン、いいかい?男性器、特に睾丸は非常にデリケートな物なんだ。女性の君には分らないと思うけど、かなり苦しいものなんだよ。そもそも君は……」
ξ゚听)ξ「ごちゃごちゃ言ってるとアンタも蹴るわよ。ほら、ブーンも」
蹴りの動作に入る。
(;^ω^)´・ω・`)「すいませんでした」
三人が魔方陣に近付くとミルナは別れの言葉を紡いだ。
( ゚д゚)「必ず、生きて返しにくるんだぞ!」
ξ゚-゚)ξ「必ず…!」
力強く言い残し、三人は魔方陣に飛び込んで行った───
( ゚д゚)「…」
( ゚д゚ )「…」
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/10(火) 15:20:20.36 ID:GqeAKOzcO
1926年 ドイツ・ドルトムント:炭田近辺
ξ゚-゚)ξ「おかしいわね…人がいないわ」
昼過ぎなのに静かだ。
(´・ω・`)「とにかく辺りを調べてみよう」
三人は捜索を開始する。そしてすぐに異変に気付く。
血臭だ。
臭いは小屋から漂ってくるようだ。
(;^ω^)「嫌な予感がするお…」
扉を開ける。
三人「………!」
むせ返るほどの血臭。テーブルには一面に血の後。脇には臓器と骨が無造作に散らばっている。そして棚には被害者の頭…。
まるで人肉解体工場だ。
これを見るだけで凄惨なシーンが脳裏に浮かぶ。
(;-ω-);--)ξ「うっ……」
ブーンとツンは堪らず口を押さえ、外に駆け出した。
ショボンは中へ侵入する。
(´・ω・`)「(遅かったか……。しかし頭が七つ……殺されるのは5人のはずだけど…。どういう事だ…?)」
ドクオに力を与えられたハールマンを倒すには、炭坑夫では荷が重かったようだ。
本来なら炭坑夫に殺害される予定だった男は、逆に炭坑夫を殺害したらしい。

『キャアアア!!』
(;´・ω・`)「!?」
ツンの悲鳴にショボンは飛び出す!
(´・ω・`)「(まさかハールマンが…!)」


88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/10(火) 15:23:56.76 ID:GqeAKOzcO
しかしショボンの目に映ったのは、ツンの前で吐いているブーンだった。
ξ#゚听)ξ「なに私の前で吐いてんのよ!!」
(;^ω^)「ごめ、ちょ、やめて!ひぃ〜!」
ツンに殴られるブーンを肩をすくめて無視し、再び小屋に入る。
奥には冷蔵庫があった。
開けたくはないが、開けない訳にはいくまい。
ショボンは冷蔵庫を開ける。
(´・ω・`)「……!!」
そこには想像通りの物があった。
人肉だ。
腕や足、どこの部品かもわからない肉塊が保存されている。
ショボンは黙って冷蔵庫を閉じ、ブーン達の所に向かった。
(´・ω・`)「ハールマンは此所に戻ってくるよ」
(;#',ω`*)「なんで分かるんだお?」
(´・ω・`)「(この短時間でブーンの身に何が…)」

(´・ω・`)「冷蔵庫の中に肉が保存してあった。戻る気がないなら保存する意味がない」
(;#',ω`*)「(人肉が主食かお。また吐きそうになってきたお…。でも吐いたら今度こそ死…)」
ξ゚听)ξ「じゃあ待つ事になるわね…。でもあの小屋で待つのは嫌よ!」
(´・ω・`)「そんな危険な事はしないよ。…そうだな、すぐそこの丘に身を隠そう」
草が生茂る丘を指す。


89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/10(火) 15:28:02.68 ID:GqeAKOzcO
そろそろ日も沈み、伏せていれば見つからないだろう。幸い気温も低くないので持久戦は可能だ。
(´・ω・`)「ヤツが戻って来たらツンの一撃で倒すんだ。この距離、大丈夫かい?」
ξ゚-゚)ξ「大丈夫よ。100mくらいまでなら狙撃できるわ」
─夜
辺りは闇に包まれ、静かな風が吹く。
ズルズル……ズルズル……
何かを引きずる音。音の主は何かを引きずっている。
(´・ω・`)「(来たようだね…)」
( ^ω^)「(でも何か持ってるお)」
影が近付き、姿が鮮明になってくる。
異形の姿。
スッコのように筋肉が盛り上がり、肌は浅黒い。顔は豚のような面をしていた。
そして手には足が握られている。あの音は人間を引きずる音らしい。引きずられている人間からは生気が感じられなかった。
( ^ω^)「(あいつもう変身してるお)」
(´・ω・`)「(戻れなくなったのかな?ツン、行けるかい?)」
ξ゚听)ξ「行けるわ!」
既に圧縮してある時間が開放される。
不可視のエネルギーはハールマンに向かって突き進む!
ハールマン「!?」
野性の勘だろうか。咄嗟に反応し、背中に差してあった幅広のナイフを抜き放ち、防御しようと突き出す。
しかしそんな物では破壊のエネルギーは防げない。
ナイフは小爆発を起こし消滅、ハールマンと犠牲になった人間は時間の波動に飲み込まれ吹き飛ぶ。


90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/10(火) 15:29:23.70 ID:GqeAKOzcO
ハールマン「ギャ…!?」
一瞬で消滅させられたハールマンは断末魔の叫びを上げる事さえ赦されなかった。
(´・ω・`)「…君の攻撃は範囲が広過ぎるね…。あの人まで消滅しちゃったよ」
( ^ω^)「今回は楽に倒せて良かったお。毎回こうだといいお」
ξ゚-゚)ξ「これなら休む必要はないわね。さっさと次に行くわよ」
ツンは本を開いて言い放った。
(;^ω^)「(僕はダメージデカスwwwwww)」
『フリッツ・ハールマン』
殺害人数56人 推定懲役365年
力を求めすぎて闇に取り込まれた男。既に人語は操れなくなっていた。
皮膚は硬質化しており防御力は高い。

─第五章 『おかしな肉屋』─

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