342 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 01:43:44.30 ID:psgqfqoUO
─最終章・G─
( ^ω^)「その声は、ドクオ!」
('A`)「数々の配下を倒し、よくここまで来た…」
ξ゚听)ξ「アンタも年貢の納め時よ」
( ^ω^)「その玉を返すお!」
(´・ω・`)「黙って返してくれるとは思ってないけどね」
('A`)「そういう事だ。ほしければ力ずくで奪ってみろ!」
ドクオの手から、昔ブーンを焦がした雷の鎖が迸る。
ビシッ…バチバチ…
(*゚-゚)「ううぅ……」
しぃが咄嗟に壁を作り、ブーン達を守る。
だが、戦況は芳しくない。多少回復しているとはいえ、出血による体力低下は大きな障害となって、しぃの足を引っ張る。
('A`)「………ふん」
ドクオは攻撃を中断し、今度は地面に触れた。
ズシャアッ!
ブーン達の足下から氷の柱が突き出す!
(;^ω^)「うわっ!」
ブーンはツンとしぃを抱えて飛び退き、ショボンは宙を舞ってかわす。
ズゴォォォオ!!
今度は巨大な火球だ。
(;´・ω・`)「んんん…!」
ショボンのサイコキネシスにより火球は四散する。
飛び散った火炎は地面を溶かし、熱風を巻き上げた。
ビュオウッ!
熱風を切り裂き、真空の刃が飛来する。
ツンの体が急にブレる。
ブーンの元から消え、ソニックブームで真空の刃を相殺した。
('A`)「…力を付けてきたようだな」
345 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 01:47:01.23 ID:psgqfqoUO
その時、ドクオの後ろから紅い軍服を着た男が現れる。
写真で見た事のある顔、アドルフ・ヒトラーだ。
(*゚-゚)「閣下!」
('A`)「丁度良い。コイツらを始末しろ」
ヒトラー「………」
ヒトラーは黙したまま、ブーン達を見据える。
('A`)「どうした、早く始末し──!」
(;^ω^)「な……!?」
(;*゚-゚)「閣…下?」
(;'A`)「ぐ……ゴボッ、貴様………何のつもりだ……」
ドクオの腹部からヒトラーの手が出ている。手刀でドクオの背中を刺し貫いたのだ。
(;'A`)「貴…様…!」
ヒトラーは手を引き抜いた…と思ったら、腹の中に手を埋めたまま何かをしている。
ドクオの絶叫。
手を引き抜かず、腹の中を掻き回しているらしい。
ドクオの口から大量の血が吐き出される。
ブチブチブチ…
(;'A`)「かっ……」
内臓を引き千切り、外部へ取り出す。
ドクオはそのまま血の海に身を沈めた。
ヒトラー「我が貴様のような者にいつまでも服従していると思ったか…?我は第三帝国総帥、アドルフ・ヒトラーだ!!」
349 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 01:49:53.30 ID:psgqfqoUO
ヒトラーはドクオの手から宝玉を奪い取り、不敵な笑みを浮かべた。
そして血まみれのドクオの腕を持ち上げ、頭に触れた。
ヒトラー「貴様には讃歌を歌ってもらおうか…」
バシィッ
電撃が走る。
( A )「じ…じィく…ハいル…」
( A )「ジィクハイル!ジィクハイル!ハイルヒトラー!」
操り人形のように、無機質な顔で言葉を紡ぐ。
ヒトラー「ククク…満足だ…」
ドクオを放し、再び血の海に沈めた。
( A )「死ーーん…」
完全に命の灯は消えている。
ξ;゚-゚)ξ「な、なんかかなりヤバい気がするんだけど…」
(;´・ω・`)「僕もそう思ったよ…。信長の時みたいだ…」
ヒトラーの周りに渦巻く邪悪なオーラは目に見えそうなほどだ。
ヒトラー「世界を統べるのは、我が第三帝国ナチス軍でなくてはならぬ。貴様のようなクズには手に余るのだよ…」
(*゚-゚)「閣下!」
ξ゚听)ξ「待ちなさい!」
しぃは駆け出している。
(*゚-゚)「閣下!御考えを改めて下さい!あの兵器は…何も生み出しません!」
ヒトラー「…ほう。貴様達がこの者の洗脳を解いたのか。強力な洗脳を施したはずだが…。何をした…?」
ξ゚-゚)ξ「アンタのような洗脳でしか人を操る事ができない人間には一生分らないでしょうね!」
毅然と言い放つ。
352 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 01:55:16.46 ID:psgqfqoUO
ヒトラー「まあよい。手始めにこの宝玉の力、貴様らで試してやろう」
(;*゚-゚)「しかし閣下!私は今でも貴方を崇拝しております!どうか彼らに手を出すのは…」
ヒトラー「貴様はエクスキューショナーであったな…。近くに来るがよい」
一瞬、ヒトラーの目が輝いたように見えた。
しぃは言われるままに、近寄る。
ξ;゚听)ξ「行っちゃダメ!」
ツンの叫びは虚しく、しぃは歩みを止めない。
(*゚-゚)「閣下…」
ヒトラー「これまで我の為によく働いてくれた。褒美を与えよう」
ヒトラーの手が、しぃの腹部に触れる。
ヒトラー「甘美な死をな!」
ズドォオ!!!
しぃの腹部が弾け、後方に吹き飛んだ。
ξ;゚听)ξ「しぃ!」
腹には大きな穴が空いている。
恐らく即死であろう。
ヒトラー「ククク…ハハハハ!素晴らしい…。宝玉とはここまで力を与えてくれるのか…。我は神になったぞ!」
一人狂ったように笑い続ける。
ξ;;)ξ「この娘は…希望を持って生きようとしてたのよ…?」
ヒトラー「フン、希望だと?そんなものはまやかしにすぎぬわ!フハハハハハ!!」
ξ#゚听)ξ「アンタは……赦さない…。神が赦しても私は赦さない!!!」
(#^ω^)「僕も怒ったお!」
(#´・ω・`)「生かしておけないね」
354 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 01:56:14.09 ID:psgqfqoUO
ヒトラー「世界を知らぬ小僧共がなにを抜かす!ここで抹殺してくれるわ!!」
ヒトラーは宝玉を掲げる。
ドシュウゥゥゥウ!!!
景色の色が反転した。写真のネガのようだ。
ヒトラーの姿は変わってはいないが顔が緑色になっている。そして背中には翼が。
ヒトラー「神の力、その身で味わえ!」

『アドルフ・ヒトラー』
殺害人数 600万人以上 推定懲役 XXXX年
357 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 01:59:16.07 ID:psgqfqoUO
ヒトラーは飛び上がって手を掲げ、巨大な火球を作り出した。
その大きさはドクオの比ではない。
ヒトラー「燃え尽きろ!」
ズゴォォォオ!!!!
(;^ω^)「やばいお!」
火球は通過した地面を溶解させ、蒸発させる。
(;´・ω・`)「…………!ダメだ!」
ξ゚听)ξ「任せて!」
ツンは高速で動き、ソニックブームを火球に叩きつける。
サイコキネシスとソニックブームの衝撃で火球は砕け散った。
二人がかりでなんとか破壊する事はできたようだ。
( ゚ω゚)「うおおおお!!!!」
ブームは火球をかわして回り込んでいた。
飛び上がり背中を斬り付ける!
ガキィン!
(;^ω^)「ううう…!」
手がシビれる。身体を斬ったはずなのに、手応えは鉄の塊を斬ったようだ。
ヒトラー「非力だな…」
ヒトラーは腕を一振りする。すると突風が発生し、ブーンは体を揉みくちゃにされながら吹き飛ばされた。
( @ω☆)「頭打って目が回ったお…」
すぐに立上がり、ふらつく足は気合いでなんとかする。

ショボンはナイフを展開させ、ヒトラーに撃ち込んだ。
突き刺さる所か、甲高い音を響かせ弾かれる。
(´・ω・`)「……全く効かないよ…」
ナイフを戻し、考えるように頭上を回転させる。
365 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 02:06:36.35 ID:psgqfqoUO
ヒトラー「神の雷を受けてみろ!」
手を上げ、振り下ろす。
ズガッシァアン!!!
施設の天井を突き破り、ショボンに雷が落下する!
(;´・ω・`)「……!!!」

間一髪、ナイフを頭上に展開していなかったら命を落としていただろう。
直撃を受けた6本のナイフは蒸発してしまった。
(´・ω・`)「(あと14本か…)」
14本のナイフも溶解しかけている物がある。
自分の頭上に4本、二人の頭上に5本を展開させた。
(´・ω・`)「(一回くらいは防げるはずだ…)」

ξ;゚-゚)ξ「(刃物は効かない…どうしよう…。時間圧縮は…使えてあと二回…。かなりヤバいわね…。!!!)」
空気を切り裂く音で我に返った。
これもドクオとは桁違いだ。地面と壁を切り裂き、ツンに迫る。
ξ;゚听)ξ「(ヤバッ…!)」
真空波はさほど速くはないが反応が遅れた為、ギリギリかわす。
(;^ω^)「(このままじゃ全滅だお……どうすれば……)」
ブーンの脳裏に一つだけ可能性が浮かぶ。
(;^ω^)「(テラコワス………でもやるしかないお……)」
370 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 02:12:54.10 ID:psgqfqoUO
ブーンは剣を自分の腹部に押し付けた。
(;^ω^)「…………」
(;゚ω゚)「う…………」
ξ;゚听)ξ「ちょ、何やってんのよ!!」
(;´・ω・`)「最終手段だね…」
そのまま捻りを加えて傷口を拡げた。
(;゚ω゚)「ぐおおおおおぉ……!!!!」
渾身の力を込め、横に引き裂いた………。
あの時のように血をドバドバと流し倒れるブーン。
ヒトラー「なんだ…?恐怖の余り自害しおったか…」
ヒトラーは大して気にしていないようだ。
ヒトラー「我に剣を打ち込んだ数少ない男だ。せめてもの褒美に保存してやろう」
ヒトラー「コキュートスの永久氷壁に呑まれるがいい」
ガシャア!!!
ブーンの周りが凍り付き、氷が持ち上がる。
ブーンは氷壁に閉じ込められる形になった。
375 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 02:17:39.21 ID:psgqfqoUO
(´・ω・`)「(ブーン大丈夫かな…?)」
ξ゚-゚)ξ「(あの馬鹿!死にかけたら変身するって分った訳じゃないのに!)」

ヒトラー「貴様らには死に方を選ばせてやろう…」
ξ゚-゚)ξ「………」
ヒトラー「我が手によって死ぬか…」
(´・ω・`)「………」
ヒトラー「魔の力で死ぬか…」
(´・ω・`)゚听)ξ「死ぬ気はない(ね/わ)!!」
ヒトラー「貴様らに何ができるというのだ!」
ヒトラーから信長以上の殺気が発せられた。
だが二人は怯まない。
信念を貫き怒りと悲しみを力に変える。その精神力は何よりも堅い。
377 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/11(水) 02:28:00.22 ID:psgqfqoUO
ヒトラーはショボンに向かって高速で移動する。
( ω )(寒いお…)

(´・ω・`)「確かに僕達の力ではお前を倒せない…」
ヒトラーの手から爪が伸びる。
『我が力が欲しくば我を求めよ…』
( ω )(誰だお!?)

ショボンは避けようと飛び退くが、ふくらはぎの肉を大量にえぐられる。
(;´-ω-`)「あああああああ!!!」
ヒトラー「ならば何故諦めん!!」
今度はツンに手を向ける。

『我はお前自身だ…』
( ω )(僕自身…?)
ブーンの周りに生えていた氷の槍がツンに次々と飛来する。
ツンは高速移動でかわす。
だが、一発くらうと動きが鈍り、次々と突き刺さった。
ξ;--)ξ「あ……ぅ…」
『怒りを刃に…勇気を翼にして戦え』
ヒトラー「貴様らは無力!力の無い者は蹂躙されるしかないのだ!!!」
ヒトラー「塵になれぃ!!!」
ヒトラーは火球を生みだし、その大きさは膨れ上がる!
ヒトラー「骨も残さぬ!!」
『魔を滅ぼせ!』
ヒトラーが火球を振り降ろそうとした時!
386 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 02:34:39.05 ID:psgqfqoUO
ドッゴォォォオン!!!!
ヒトラー「何!?」
氷の壁を吹き飛ばし、ブーンが現れた。
ξ;--)ξ「間に合ったのね…」
(;´-ω-`)「ちょっと遅ったけどね…」
( ゛ω″)「グウウウウウウ…」
ヒトラー「なんだその姿は…」
( ゛ω″)「グガア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」
ヒトラー「ふん!面白い!」ヒトラーは迎え撃つつもりのようだ。

二人の異形の者が衝突し、衝撃波が生まれた。
ブーンは腹に突き刺さった剣を引き抜き、斬撃を放つ。
ズバァ!
ヒトラー「…!この身体を裂くとは…やるな!」
ヒトラーは風を操りブーンを切り刻む。
全身が刻まれ、血の煙が舞うが、ブーンの身体からそれとは別の煙が上がる。
ジュウウウ…と煙を上げ、傷が再生していく。
ヒトラー「これならどうだ!」
飛び上がり、火球を作り出し、発射した。
地獄の業火がブーンに襲いかかる!
390 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 02:38:17.66 ID:psgqfqoUO
( ゛ω″)「ガアアアアアア!!!!」
剣を一振り、それだけで火球は真っ二つに別れ、周りを焼き尽くした。
ヒトラーがいない。
バヒュウ!
背後からの特大の真空波がブーンの腕を切り落とした。
( ゛ω″)「ギギギギギ…!」
切り落とされた腕と、肩から触手が伸び、繋ぎ合わせた。
そしてすぐにヒトラーに向かって疾走する。
ヒトラー「くっ…!」
ヒトラーは一旦空に逃げる。
バキバキ…
ブーンの背中が盛り上がっていく。
ズボォ!
背中から翼が生えてきた。
▽( ゛ω″)▽「ヴヴヴヴヴヴヴ………」
ヒトラー「貴様…人間か!?」
ブーンは飛び上がり翼を叩き付けた。
吹き飛ぶヒトラー
それを追撃するブーン。
追いつき、蹴り上げる。
ヒトラー「ぐおおおおお!!!!」
宙を舞うヒトラーをブーンは睨付け、両手に剣を握る。
そして振り上げた。
二つの真空波がヒトラーに迫り、切り裂いた。
392 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 02:42:35.64 ID:psgqfqoUO
二つに別れる身体。
ヒトラー「馬鹿な…この私が…第三帝国総帥であるこの私が…!」
ヒトラー「ク、クク…最期に貴様らに天使兵器の威力を見せてやろう…」
宝玉が輝きを増す。光は膨れ上がり、天井を貫き上空へ突き進む。
ξ;゚听)ξ「アンタ、まさか…」
ヒトラー「天使兵器を起動させた……。すぐに『本物の』神の怒りを見る事ができるだろう…。狙撃ポイントは…ここだ!」
(´・ω・`)「なんて事を…」
▽( ゛ω″)▽「グヴヴヴヴヴ………」
▽( ゛ω″)▽「ガアアアアアア!!!!」
ブーンは天井を突き破って舞い上がる。
ブーンの高度はどんどん上がり、大気圏を抜ける所で
カッ!!
バシュウゥゥゥウウウ!!!!
ブーンに膨大なエネルギーが襲いかかった。
速度的にレーザーではないようだ。これは重力の塊だ。
▽( ゛ω″)▽「グヴヴヴヴヴヴ」
▽( ゛ω″)▽「グア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!」
エネルギーの塊を押し返そうとするが押されているのはブーンだ。
手が小爆発を起こし、白煙を上げ溶解し始める。
▽( ゛ω″)▽「グガアアアアア!!!!!!」
身体が焼け、炭化が始まる。このままでは身が保たない。
395 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 02:45:25.64 ID:psgqfqoUO
『総ての力を開放しろ』
▽( ゛ω″)▽「ガ…ガ…ガ………」
ブーンの身体がまた変態を始めた。質量が増大している。
▽( ゛W″)▽「ЁЩЭア゙йБμオ゙オ゙オ゙!!!!!」
咆哮。
それと共に空間が歪む。
爆発。
エネルギーの塊を飲み込み、衝撃は上空に放たれた。
衝撃は大気圏を突破し、天使兵器にぶつかる。
自らが発したエネルギーの塊を内封した衝撃波は天使兵器を跡形もなく消滅させた…………
─最終章・G─
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