305 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 00:50:53.43 ID:psgqfqoUO
─最終章・F─
最初に戻ってきたのはツンだった。
ツンが戻ってきた瞬間、ハーケン・クロイツ特務執行機関実行部隊は剣を抜き放つ。
しかし、
(*゚-゚)「剣を納めなさい!」
しぃの言葉にどよめきが拡がる。パニックになっているようだ。
(*゚-゚)「この者は反逆者などではありません。それと─」
一呼吸おいて、張りのある声で叫ぶ。
(*゚ー゚)「ハーケン・クロイツ特務執行機関実行部隊エクスキューショナーとして、最後の命令を下します。
現時刻をもって、ハーケン・クロイツ特務執行機関実行部隊は永久に解散します!」
更にどよめきが拡がっていく。
(*゚ー゚)「愛する者の元へ帰りなさい!アナタ達は自由です!」
これを聞くと、この軍勢の中にも洗脳された者がいたようだ。
(*゚ー゚)「これで…よかったのですよね…?私は間違ってはいませんよね?」
ξ゚ー゚)ξ「ええ、ありがと。間違っているかは、私が決める事じゃないわ。とりあえずは私達に都合のいいように進んでいるだけ」
この女も、なかなか腹黒いのかもしれない。
そこにブーンが現れた。


306 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 00:55:18.40 ID:psgqfqoUO
( ^ω^)「あ、ツンも無事だったのかお」
(;^ω^)「………なんで敵と仲良くしてるんだお?」
当然の疑問に、
ξ゚听)ξ「あ〜、アンタ物分かり悪いから説明しないわ。とにかく敵じゃなくなったのよ」
( ^ω^)「わかったお」
ツンに比べ、この男は単純すぎるようだ。
散って行くハーケン・クロイツ特務執行機関実行部隊の中には、ここにとどまる者もいる。
男「しぃ様!私は神への信仰でこの部隊に入っていました。それを解散などと…気でも違われましたか!?」
その他「そうだ!我々は神や教祖、そして貴女様に仕えているのです!」
中には、完全にしぃが目的の人間もいそうだ。
(*゚ー゚)「………分りました。全てが終わったら何もかも話します。それまでアナタ達は山を降りているのです」
男「しかし…」
(*゚-゚)「これは命令です!」
(*゚-゚)「あ……さっきのが最後の命令でしたね…」
あの毅然とした女性とは思えないほど、オロオロしている。
しかし、熱意は伝わったようだ。
308 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 01:01:08.28 ID:psgqfqoUO
男「分りました。必ず、理由を話してもらいますぞ」
残った部隊は山を降り始めた。
( ^ω^)「良かったお。あの人数と戦うのは嫌だったんだお…」
ξ゚ー゚)ξ「彼女に感謝しなさい」
(*゚ー゚)「そんな…感謝だなんて…。感謝は聖母様に…」
( ^ω^)「聖母様?」
ブーンが首を傾げる。
ξ゚听)ξ「だからそういうのはやめなさいって言ったでしょ」
ツンがしぃの頭をはたく。
(*゚-゚)「ヒドいです…」
( ^ω^)「あ、ショボンが帰ってきたお!」
(´・ω・`)「やあ、遅くなったね。ちょっと楽しみすぎてさ。………聞きたいかい?」
時折見せるゾッとしない顔で問い掛けてきた。
(;^ω^);゚-゚)ξ「けっこうです」
(*゚-゚)「…荒巻さんとジョルジュさんは死んでしまったんですね…」
しぃの顔に悲しみが拡がり、空気が重くなった。
(´・ω・`)「そういや、なんで敵と仲良くしてるのさ?」
場の空気をお構いなしに問う。
311 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 01:08:24.90 ID:psgqfqoUO
当然の疑問ではあるが、ツンはいささか頭にきたようだ。
ξ#゚听)ξ「アンタねぇ!少しは空気を読みなさいよ!とにかく敵じゃなくなったの!」
理不尽な説教にショボンの頭には?マークが浮かぶのが目に見えそうだ。
( ^ω^)「とにかくそうゆう事だお」
(´・ω・`)「そういう事にしておこう」
これ以上突っ込んでも無駄と思ったのか、聞き流した。
(´・ω・`)「さて、新しい仲間に聞きたい事は山程あるんだけど、一番気になる事を聞くよ。『天使兵器』ってなんだい?」
(*゚-゚)「『天使兵器』は地上を浄化する為に作られた兵器です。私達は軍隊であり、研究者でした。しかし設計などは閣下御自身でなさっていました」
洗脳が解けた今でも、ヒトラーに対する忠誠心は損なわれていないようだ。
(´・ω・`)「あのヒトラーが設計をねぇ…。ドクオに力を与えられると頭まで良くなるのかな?」
( ^ω^)「そんなのどうでもいいお。その兵器をぶっ壊せばいいだけだお」
(´・ω・`)「君は一応学者だろ?探求心はないのかい?ヨーロッパを焦土に変えるほどのエネルギー源は何か、気にならないのかい?」
またグダグダと語り始めた。
315 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 01:13:40.79 ID:psgqfqoUO
(*゚-゚)「それですが閣下は『これを起動させるにはアレが必要だ』とおっしゃっていました」
(´・ω・`)「アレって」
少し興奮しながら聞く。
(*゚-゚)「時折、閣下の元に現れる不思議な男の持っている玉の事ではないでしょうか?」
( ^ω^)「ドクオだお」
ξ゚-゚)ξ「ドクオね」
(´・ω・`)「間違いない」
三人が口を揃えて言う。
(*゚-゚)「今の私なら分ります。あの兵器は絶対に使ってはならない物だと。以前の私はどうかしてました」
(´・ω・`)「で、その兵器はここにあるのかい?」
(*゚-゚)「それが…既に打ち上げは終わっています…」
(´・ω・`)「打ち上げ…。やっぱり攻撃衛星か…」
衛星軌道上から目標をピンポイントに狙撃でき、その威力は核をも凌ぐ。
こんな恐ろしい兵器がかつてあったであろうか。
ξ゚-゚)ξ「でも宝玉を取り返せば使われる事もないんでしょ?絶望的って訳じゃないわ」
(*゚-゚)「そうです。しかし事態は急を要します。急ぎましょう」
四人は施設に入って階段を駆け上がり、大広間に出る。
そこには黒のマントを羽織り、フードを被った人の影。
???「ククク……やはり来たか…」
( ^ω^)「その声は…ドクオ!」
─最終章・F─
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