272 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/10(火) 23:59:22.68 ID:GqeAKOzcO
また眠気が甦ってきた…
─最終章・E─
(*゚ー゚)「気分はどうかしら?ずっとここで暮らしてみる?」
ξ゚-゚)ξ「面白くない冗談ね。素敵な場所だけど遠慮しとくわ」
ツンは本当に面白くなさそうに言う。
目の前には生茂る草木、小川が広がる。小鳥のさえずりも聞こえてくる。
ハイキングなどを楽しむには最高の場所と言えよう。
ξ゚-゚)ξ「悪いけど、いつまでもここにいる気はないわ。行くわよ!」
ツンが銃口を向け、言い放つ。
(*゚ー゚)「そんなオモチャで私を倒せるとでも思ってるのかしら?」
しぃは手を向ける。その手からただならぬ気配が感じられた。
キーーーーン…
咄嗟に精神を集中した時、『あの』感覚が蘇る。
どうやら精神の集中と関係があるようだ。
ピカァッ!!!
しぃの手から凄まじい光が放たれる。
その瞬間、手から『何か』が迸り、ツンに襲いかかった。
ツン「(え…?何?速すぎる…!)」
全ての事象が緩慢になっているというのに、この攻撃は明らかに速すぎる。一瞬でツンの元に辿り着いた。
かわす余裕もない。
バリバリバチバチバリッ!!!!!
電撃だ。
凄まじい電撃がしぃの手から放出されたのだ。
その電撃でツンは黒焦げ……
にはならなかった。


273 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 00:00:16.01 ID:GqeAKOzcO
日付変わる…
トリつけよ
277 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 00:06:53.60 ID:psgqfqoUO
(*゚ー゚)「へぇ?今のに耐えられるの」
ξ゚-゚)ξ「これくらいで私を倒せると思わないで」
ツンは鋭く言い放つ。
電撃が身を焦がすと同時に自分の体の時間を戻す。焦げた瞬間に元に戻していたのだ。
だが、このエネルギー消費は ま ず い。
ξ;゚-゚)ξ「(この能力を使いながら時間を戻すのは並のエネルギー消費じゃないわね…。時間圧縮の比じゃないわ…)」
しぃは疲れた様子もない。
長期戦は不利だ。
ドンッ!ドンッ!ドンッ!
銃を発砲、弾丸がしぃを破壊しようと飛んで行く。
(*゚ー゚)「無駄よ」
両手を前に突き出し、電磁波を拡げた。
弾丸が、止まる。
ξ゚-゚)ξ「(電磁石の応用かしら…)」
移動しつつ、隙を伺うが、全く見当たらない。
銃弾をばらまくが、今度は寸前で弾が蒸発した。
ξ゚-゚)ξ「(何…?さっきとは違う方法…?)」
しぃの電撃。
ツンは再び体の時間を戻すが、約半分のエネルギーを消費してしまった。
ξ;゚-゚)ξ「(やばすぎるわね…)」
279 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 00:12:24.85 ID:psgqfqoUO
また発砲。
今度は寸前で弾を止められる。
ξ゚-゚)ξ「(もしかして…)」
ξ;゚-゚)ξ「(賭けに出るしかないわね…)」
気を引き締め、叫ぶ。
ξ゚听)ξ「アンタの電撃じゃ火傷もしないわ!全く役に立たない力ね!そんなので死ぬのはただのマヌケね!!」
(*゚-゚)「……なんですって?」
ξ゚听)ξ「聞こえなかったのかしら?いいわ、もう一度言ってあげる。そんな力で死ぬのは油断した人だけ。
そうね、ベッドの中の男くらいかしら!?アンタなんかに頼ってるなんて、ヒトラーも大した事ない男ね!!」
(*゚-゚)「…確かに私は生まれつきこの体質のせいで、男に抱かれる事もできない体…。私の彼はそのせいで死んだわ……」
ξ゚听)ξ「………」
図星だったようだ。
まさかの的中にツンは口をポカンと空けてしまう。
(*゚-゚)「でも!あの御方はこんな私を必要としてくれた!私にはまだ救いがあるって言ってくれた!」
その叫びは魂の叫びだ。まるで泣いているかのように響く。
(*゚-゚)「あの御方を侮辱する者は許さない!!!」
しぃの手にエネルギーが集まる。
ツンは既に精神を集中し、緩慢の世界に入っていた。
しぃの電撃。
さっきのものより激しい。
282 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 00:19:42.83 ID:psgqfqoUO
ξ゚-゚)ξ「(体が解放されてれば避けるのは簡単だわ!)」
ツンは疾走する。
(*゚-゚)「なっ…!」
ツンを焼殺そうと、横なぎにするように電撃を迸らせた。
電撃で植物は燃え上がり、小動物は逃げ惑う。
ξ゚ー゚)ξ「(いいわよ…そのまま放出を続けなさい…)」
(;*゚-゚)「ハァハァ…」
電撃が止む。
ドンッ!ドンッ!ドンッ!
ツンはそこをすかさず発砲。しぃは電磁波を展開しようとしている。
ゆっくりと進む弾丸に、
拳 を 打 ち 込 ん だ

ソニックブームが弾丸の速度を飛躍させる。
(*゚-゚)「!!!」
バシバジバシッ、ジジジ…!!バシュウ!!
(;*゚-゚)「うっ…!」
ξ゚ー゚)ξ「抜けた!」
加速した弾丸は二発、電磁波の壁を突き破り、しぃの太股に突き刺さった。
ξ゚-゚)ξ「思った通りね。アンタ、大きな電撃を使う時は充電が必要でしょ?」
(*゚-゚)「……それでわざわざ私を怒らせたのね…。でもなんで頭を狙わなかったの?」
ξ゚-゚)ξ「致命傷になりそうな場所壁が厚そうだったからね。そこを狙うので精一杯よ」
286 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 00:27:21.84 ID:psgqfqoUO
(*゚ー゚)「フフフ…そんなにペラペラ喋っていいのかしら…?アナタが不利な事に変わりはないのよ?その顔、だいぶ疲れているようね?」
ξ;゚-゚)ξ「……フン、余計なお世話よっ!」
ツンは再び加速する。
パシュゥ!パシュゥ!パシュゥ!
今度のしぃは指を二本突き出し、電撃の弾を発射した。
電撃を小出しにし、同じ過ちは犯さないようだ。
小出しと言っても、やはり電気だ。速度は光速に近い。
ツンの能力でも完全にかわす事は出来ず、半分はくらってしまう。
ξ;゚-゚)ξ「ハァハァ…(まずいわね…)」
(*゚ー゚)「アッハハハ!?喋ったのが仇になったようね!」
しぃの放つ光弾は、木を焼き、水を蒸発させ、ツンを焦がす。
ξ;--)ξ「(くぅ…そろそろ限界…)」
しぃの攻撃は止まらない。発射と同時に充電もしているようだ。
しぃは足を引きずり、ツンに接近する。
光弾を発射している指から電撃が伸び、一振りの剣と化した。
ズオォォン…
ツンを切り付けるが、スピードではツンの足下にも及ばない。かるくかわされ、剣を納めた。
接近戦は不可能と悟ったらしい。
しかしそこで、ツンの足が止まる。
292 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 00:35:29.95 ID:psgqfqoUO
ξ;--)ξ「ハァ…ハァ…」
(*゚ー゚)「あら?もう限界かしら?大した事ないのね」
しぃは足を引きずり向かってくる。
(*゚ー゚)「今なら…アナタを切り捨てる事も、できるわ…」
絶体絶命。
しかしツンの顔には疲労の中にも余裕があった。
ξ;゚ー゚)ξ「アンタこそ、顔色が悪いんじゃなくて?」
(;*゚ー゚)「…負け惜しみかしら…?あら…?」
しぃは突然倒れる。
(;*゚-゚)「ど、どうして…」
ξ゚ー゚)ξ「フフン、私が手の内を読ませるような事ベラベラ喋ってるとでも思ったの?太股を見てみなさい」
(;*゚-゚)「…!これは…」
あれからそこそこ時間が立つのに、しぃの太股からはまだ大量の血がドクドクと流れている。
ξ゚-゚)ξ「明らかに出血多量ね」
フン、と鼻で笑い飛ばして言う。
(;*゚-゚)「あの時歩かなければ…!」
あの時とは、ツンを斬ろうとした時か。
ξ゚-゚)ξ「ああ、それもあるけど私の力で傷口を一番血が流れる状態に固定したのよ。ネタばらししたのはアンタの注意を私に引きつけて足に意識を向けさせない為よ」
(*゚-゚)「………完全にアナタの策略にハマったという訳ね…。目を開けているのも辛いわ…」
(*゚-゚)「殺しなさい」
そう言って目を閉じる。
298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/11(水) 00:41:57.74 ID:psgqfqoUO
ξ゚-゚)ξ「だが断る」
(*゚-゚)「え?」
閉じた目を見開く。
ξ゚-゚)ξ「断る、と言ったのよ」
(*゚-゚)「同情はいらないわ」
ξ゚-゚)ξ「確かにアンタの人生には同情の余地はあるわ。でもアンタを殺さないのは私の意志。わかった?」
そう言ってしぃの傷を治す。
(*゚-゚)「何故…?この瞬間にアナタを攻撃するかもしれないのよ…?」
ξ゚-゚)ξ「その体じゃ攻撃なんてできないでしょ。傷は治せても流れた血までは戻せないもの。
私だって好きで人を殺してるんじゃないわ。それに、アンタにはまだ希望がある」
(*゚-゚)「希望…?」
ξ゚-゚)ξ「そう、希望よ。どんな希望かは分らないけど、本当に絶望してたなら、
その時点で死を選ぶはずよ。でもアンタは生きている。希望さえあれば、人は生きていけるのよ…」
ξ゚ー゚)ξ「どんな希望にでもいいから縋って生きるのよ。辛い事もあるでしょうけど、生きてないと体験できない事はたくさんあるわ」
(*;д;)「………」
しぃの瞳から涙が溢れ出した。
ξ゚-゚)ξ「ああ、それと…」
立ち去ろうとしたツンは踵を返す。
ξ^ー゚)ξ「アンタに救いがあるってのは、ヒトラーも間違ってはいないわね」
ウィンクして言う。
(*;д;)「私の……負けよ……」
301 : ◆tGJWnjCS9s :2006/01/11(水) 00:44:16.50 ID:psgqfqoUO
ξ゚ー゚)ξ「フフン、分ればいいのよ」
(*゚ー゚)「…なんだか開放された気分だわ…」
しぃの目に柔らかな光が戻り、厳しかった表情が綻ぶ。
(*゚ー゚)「アナタは…まさか、聖母様…?」
ξ゚-゚)ξ「そういうのはよしなさい」
《しぃ》
生まれつき、静電気を帯びている特殊な人間。
その静電気で、最愛の男を性交の際に殺害してしまい、その闇をヒトラーに付け込まれ洗脳された。
瀕死の状態での心の訴えに、洗脳が解けたらしい。
闇の力によりその静電気は威力を増し、彼女の発した電撃の奔流は誰にも止められない。
電撃を操り電撃の刃や電磁波の壁を作る事もできる。

人物モデル:シンシア
─最終章・E─
303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/11(水) 00:46:45.39 ID:psgqfqoUO
補足
シンシアという女性は実在します。
生まれつき静電気を帯びている人で
ダンナとセクロス中にダンナが感電死しました
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