203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/10(火) 21:28:47.15 ID:GqeAKOzcO
─最終章・A─
翌朝、三人は列車に乗る為、駅に来ていた。ショボンが聞き出した情報によると、目的地はオーストリアにあるようだ。
( ^ω^)「列車は好きだお〜♪おやつ買っていいかお?」
(´・ω・`)「おやつは300円までだよ」
( ^ω^)「バナナはおやつに含まれ…」
ツンが睨みを効かせているので押し黙る。
ξ゚-゚)ξ「遠足じゃないんだから。ほら、列車が来たわよ」
( ^ω^)「遠足は帰るまでが遠足だお」
この後に及んでまだ戯言を抜かすか、この男は。

三人は列車に乗り込む。ツンが先頭をきり、ブーンはショボンに腰を叩かれながら乗車した。
205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/10(火) 21:33:15.25 ID:GqeAKOzcO
(´・ω・`)「けっこう時間かかるからなるべく体力を使うのはやめよう」
( ^ω^)「ほぉほぉふぃふふぁっふぇふんふぁふぉ?」
ξ゚-゚)ξ「物を口に入れたまま喋らない」
ブーンは急いで口の中の物を咀嚼する。
( ^ω^)「どこに向かってるんだお?」
ξ゚听)ξ「アンタねぇ……。ちゃんと人の話を聞きなさいよ」
(´・ω・`)「まあまあ…、オーストリアだよ、ブーン」
( ^ω^)「あ!綺麗な川だお!」
ライン川を見てはしゃぐブーン。
(#'・ω・`)「………」
ショボンの目が妖しく輝いた。
ξ;゚-゚)ξ「お、落ち着いて、ね?」
ただならぬ気配に焦るツン。
(;´・ω・`)「ふぅ…僕とした事が少々取り乱してしまったよ…」
自分を落ち着ける為に深く深呼吸をした。


206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/10(火) 21:38:27.86 ID:GqeAKOzcO
三時間ほど経過しただろうか、鉄橋を列車が通過する。
ショボンは外をボヤッと眺めていた。
(´・ω・`)「(……人?)」
鉄橋の上に、人影が見えた。その下を列車が通る。
その時!
天井に何か落下してきたような音が響く。それも、次々と。
すぐに宿の事を思い出した。敵は自分達を始末する為には手段を選ばない。この列車を襲撃する事に何のためらいもないだろう。
(´・ω・`)「敵襲だ!」
( ーωー)「…zzZ」
ξ゚听)ξ「起きなさい!」
ツンはブーンを蹴り起こす。
(;^ω^)「な、何するんだお…」
(´・ω・`)「敵だ」
( ^ω^)「おk、把握」
ショボンの一言で事態を理解したようだ。
剣を抜き放ち、身構える。


207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/10(火) 21:44:03.63 ID:GqeAKOzcO
敵は窓を蹴破って侵入してきた。
執行部隊「我々はハーケン・クロイツ、ぐあっ!」
ブーンは名乗っている途中の敵を蹴り落とし、周りを確認する。
完全に包囲された。
天井からは足音が聞こえる。
まだ上にもいるらしい。
( ^ω^)「二人はここを頼むお!僕は屋根の敵を倒してくるお!」
ブーンは窓から身を乗り出し、ショボンに合図を送る。
ブーンの体が浮き、屋根へ着地した。
(´・ω・`)「くるよ!」
ショボンはナイフを展開させ、近くの敵に突進させる。
8本のナイフが飛来するが、敵は6本まで弾き、残りの二本が喉と腹に突き刺さり崩れ落ちる。
ツンは侵入してくる敵を撃ち落としている。


208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/10(火) 21:47:18.15 ID:GqeAKOzcO
( ^ω^)「おおお!!!」
屋根ではブーンが11人と交戦していた。
手近な敵に拳を打ち込み列車から突き落とす。
その際に剣をもぎ取って身を回転させ、後ろの敵の首をはね飛ばした。
その剣は威力を殺さぬまま投てきされ、奥の一人に突き刺さり、落下する。
突進してくる二人組。
突きをかわし、手刀を打ち込む。あばら骨が粉砕する感触が手に残る手で敵の剣を奪い盗り、もう一人の足を斬り付けた。
バランスを崩して落下する敵を無視し、自分の剣を抜いて残りに肉薄した。


209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/10(火) 21:53:08.08 ID:GqeAKOzcO
ツンの弾丸が頭部に撃ち込まれる。その瞬間、頭部は爆砕し、血の煙を巻き上げた。
ξ゚ー゚)ξ「特製の弾の味はどうかしら?」
ツンはあらかじめ弾頭に十字の傷を入れていたのだ。こうする事で殺傷力が増す。ショボンの入れ知恵らしい。
続けて発砲し、弾が切れる。
勝機と見たのか、二人の敵が襲いかかった。
ξ゚听)ξ「一丁しか持ってないと思ったかしら?勘違いしないでよね」
懐からもう一丁の銃を取り出し、二人にポイントする。
(´・ω・`)「室内で、しかも飛び道具なしじゃ君達に勝ち目はないよ」
背後から聞こえる銃声を無視し、ナイフを三人に疾走させ、同時に息の根を止める。
前回もそうだが、ハーケン・クロイツ特務執行機関実行部隊は何故か火器を使わない。剣のみだ。
それが信条なのかは不明だが、おかげで戦況は有利に進む。


210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/01/10(火) 22:00:04.29 ID:GqeAKOzcO
(´・ω・`)「僕達を殺す気なら死ぬ覚悟もできてるよね?」
車内に残る最後の敵を窓から放り出した。
ブーンも最後の一人の心臓を貫き、車内に戻ろうとする。
ガタンッ!
(;^ω^)「うわわわ!!!」
列車が大きく揺れ、ブーンは投げ出された。
空中で身をよじり、剣を抜き放つ。そして列車に突き刺し、一命を取り止めた。
剣にぶら下がっている状態だ。
窓からショボンが顔を出し、言う。
(´・ω・`)「こっちは終わったよ。何遊んでるんだい?」
(;^ω^)「これが遊んでるように見えるのかお!?助けてくれお〜」

(´・∀・`)「僕もブーンに習って人の話を聞かないようにしようかな」
意地の悪い笑みで言う。
(;^ω^)「ちょwwwwww悪かったお!これからはちゃんと聞くから助けてくれお〜!」

車内からは自業自得ね、と聞こえたような気がした。

─最終章・A─
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