- 6 :ひまわり
◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日)
20:09:28.96 ID:w/D5hDCPO
- 【5時間目 それぞれの思い違い】
―――6年3組 教室―――
从;゚∀从「あっちー」
季節は6月の終わり頃、ハイン先生は放課後珍しく教室で算数のテストの答え合わせをしていた
从;゚∀从「サウナにいるのと変わらんなこれじゃ…」
从 ゚∀从「あ!! そーいやエアコンあんじゃん」
从 ゚∀从「ったく、最近のガキ共は恵まれてやがるぜ
教室にエアコンとか、俺の時代じゃ壁に取り付けてあった扇風機しかなかったのによ」
从 ゚∀从「ピッピッとな♪♪」
しーん…
从 ゚∀从「…あれ?」
从 ゚∀从「なぜ点かない?」
ドンドン!! ドンドン!!
ガコン!! ガコン!!
从#゚∀从「つかねー!!」
- 8 :ひまわり
◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日)
20:11:27.49 ID:w/D5hDCPO
―――職員室―――
( ゚∋゚)「校長!! いよいよ明日ですよ!!」
/ ,' 3 「おおそれは大変じゃ…バナナはおやつにはいるかのぅ?」
( ゚∋゚)「…じゃなくて教育委員会の学校視察ですよ!!
我が校のイメージにもつながってくるんですから!!」
/ ゚、。 /「…クックル先生」
( ゚∋゚)「あ、ダイオード先生!! 頼んでおいた例のやつできましたか?」
/ ゚、。 /「はい…これ、学校案内用のパンフレットです」
- 10 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 20:13:22.09 ID:w/D5hDCPO
- ( ゚∋゚)「うーん…なんていうか、英字新聞のごとく活字をズラリと並べると読みづらく感じますね
もっとこう、イラストを入れるとか枠をつけるとかしてレイアウトに工夫がほしいですね」
/ ゚、。 /「なるほど…レイアウト」
/ ゚、。 /「表紙に押し花とかどうです?」
(;゚∋゚)「白黒印刷になりますよ?…できれば表紙より中身の改善をお願いしたいのですが」
/ ,' 3 「まあまあ、そこまでしおりで必死にならなくても」
( ゚∋゚)「なりますとも!! そして何より一番の心配は…」
- 11 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 20:16:10.61 ID:w/D5hDCPO
- ガチャ
从 ゚∀从「ちぃーっす!! あー暑い!!」
( ゚∋゚)「高 岡 先 生!!」
从 ゚∀从「教頭、俺が職員室に入るといつも怒鳴りますねぇ」
( ゚∋゚)「怒鳴りたくもなります!!
明日は教育委員会の学校視察があるんです!!」
从 ゚∀从「ほー そりゃ大変ですね」
( ゚∋゚)「あなたが一番心配なんですよ!!
いいですか!? 明日はゼーッタイものさし振り回すだとか、チョークを投げつけるとか、跳び膝蹴りとかしないでくださいよ!!」
从;゚∀从「最後のやつはしたことないっす」
- 13 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 20:17:13.20 ID:w/D5hDCPO
- 从 ゚∀从「ったく、俺だってお偉いさんの前でそんなことしないっての」
(´<_` )「あの、高岡先生、明日からエアコンの試運転も始まりますけど、フィルターの掃除しましたか?」
从 ゚∀从「エアコン? 試運転も何もさっきつけようとしたら電源すら入りませんでしたよ!!」
(´<_`;)「当たり前ですよ 勝手につけたり、電源が入らないようにコンピューターで操作してるんですから」
从 ゚∀从「そうなの?」
(´<_` )「ええ、ですから明日の9時から試運転開始なので、つかないからってガンガン叩いたりしないでくださいよ?」
从;゚∀从「も、もちろん」
- 17 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 20:18:39.70 ID:w/D5hDCPO
- ―――翌日―――
校門の前にはスーツケースをさげた男が立っていた
( ゚∋゚)「ようこそVIP小学校へ!! お待ちしておりました!!」
(〇_ゝ〇)「どうも、ワタクシ教育委員会
電気店より参りました、みつるさんと申します」
( ゚∋゚)「…? はい、みつる様ですね?」
(〇_ゝ〇)「勝手に人の名前を省略しないでください
みつるさん←ここまでが名前です
名字は野村です」
(;゚∋゚)「申し訳ございません…
それでは学校の方を案内させていただきます」
( ゚∋゚)「さあ、こちらです!!」
- 21 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 20:20:10.47 ID:w/D5hDCPO
- ―――6年3組 教室―――
ミセ*゚ー゚)リ「あーペニサスちゃん、それってヴィトンの財布ー?」
('、`*川「まあね」
(゚、゚トソン「小学生なのにそんな高価な財布持ってるなんて凄いわね」
('、`*川「そんなことないわ、ママのお古だもん」
ミセ*゚ー゚)リ「そんな高い財布くれるなんていいママだなー
うちのママなんか………
ワイワイ ガヤガヤ
キーンコーンカーンコーン
从 ゚∀从「はい席ついてーです
今日は教育委員会からなんか偉い人くるですみたいだす…じゃなくてです」
ξ;゚听)ξ「先生、語尾が変です」
从 ゚∀从「『けいご』の練習してます」
( ・∀・) 「先生!! 今日からエアコン始まるんですよね!?」
从;゚∀从「え? あ、ああ」
- 29 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 20:23:24.64 ID:w/D5hDCPO
- ( ^Д^)「マジで!? じゃあ早くつけようぜ!!
暑くて死にそうだ」
从 ゚∀从「だがうちのクラスはつけない…です」
一同「ぇえ〜何で〜!?」
从#゚∀从「ばっかやろぅ!! これだから最近のガキ共は甘いんだよ!!
ちったあ暑さくらい我慢しろ!! です」
一同「そ…そんなあ!!」
( ゚∀゚)「先生、僕は暑くても我慢します!!」
('A`)「うっせーお前は死ね」
从;゚∀从(だって、9時になったのにつかないんだよなぁ…
ちょっとパネルのとこ凹んでるし)
一同「暑〜い!!」
从;゚∀从(壊れてたら教頭にバレたらマズいかなぁ…)
- 31 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 20:25:02.30 ID:w/D5hDCPO
- ( ゚∋゚)「なるほど…今の時代、あえてクーラーをつけないとは、高岡先生らしいとはいえ、関心です」
从;゚∀从「あー教頭、いらっしゃったんですか?」
(〇_ゝ〇)「ほぅ…アナタが高岡先生ですね?」
从;゚∀从「は…はぁ…誰すか?」
(;゚∋゚)「なんて無礼な…この方は教育委員会から参られたみつるさんさんです!!」
从 ゚∀从「さっそくお目見えですか…
てか名前を『さんさん』って…教頭もふざけてるんですか?」
(〇_ゝ〇)「みつるさん←ここまでが名前です
名字は野村です」
( ゚∋゚)「そういうわけなのです」
从;゚∀从「す…スイマセン」
(〇_ゝ〇)「何でもここの学校にはとても活気のある若い先生がいると聞きましてね、期待していますよ?
高岡先生」
ξ゚听)ξ(なんか、イヤな感じの人…)
( ・∀・) (こりゃヤバいかもな…うちの担任)
从;゚∀从「よろしくです…あはは」
- 36 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 20:29:31.01 ID:w/D5hDCPO
- キーンコーンカーンコーン
从;゚∀从「そ、そんじゃあ授業始めるます…あぁ…算数、です」
(〇_ゝ〇)「…」
从;゚∀从(なんで他のクラス見ないんだよ…)
そして戸惑いながらも授業を始めるハイン
从;゚∀从「あーP34の『問題A』だな…ぇえ〜」
(〇_ゝ〇)「高岡先生」
从;゚∀从「はぁ…何でしょう?」
(〇_ゝ〇)「まずは子供達に例題問題の解き方を教えるべきでしょう?
いきなり練習問題出すんですか?」
从#゚∀从(このやろう…上から目線で物言いやがって…)
(〇_ゝ〇)「……」
みつるさんはノートを取り出し、なにやら書き始めた
- 39 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 20:30:48.72 ID:w/D5hDCPO
- ―――職員室―――
( ゚∋゚)「うーむ…みつるさん様は何故他のクラスを見ようとしない…高岡先生よりも優秀な人材はいくらでもいるのに」
( ゚∋゚)「ねぇ!? 校長!?」
川;゚ -゚)「校長なら朝見たっきり姿がありません」
(;゚∋゚)「なんと…!?」
/ ゚、。 /「教頭、学校案内用のパンフレットが余りました」
(川゚∋゚)「はぁ…どのくらいですか?」
/ ゚、。 /「300冊分刷ったので299冊です」
(川゚∋゚)「とっておいても仕方ないので処分しましょう…ちょっと校長を探してきます」
- 41 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 20:33:09.10 ID:w/D5hDCPO
- ―――校庭―――
从 ゚∀从「はい、今日はみんなでサッカーをします」
一同「はーい」
(〇_ゝ〇)「…」
お昼前の体育の時間、相変わらず教育委員会のみつるさんはハインのクラスを監視していた
( ^ω^)「おっおっお〜〜今日は校庭50週やらないお」
( ・∀・) 「さすがにハードすぎる運動して怪我でもされたらあのおじさんが黙ってないだろうからね」
('A`)「腕立て腹筋背筋2セット50回も無しだぜ?
もう毎日あのおっさんには体育を見届けてもらいたいわ」
ξ゚听)ξ「あんた達、あんなオッサンにずっと見られてて気持ち悪くないの?
それに先生も大変そう…」
ミセ*゚ー゚)リ「たまにはいーじゃん、体育ってダルいし」
- 43 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 20:35:38.54 ID:w/D5hDCPO
- こうしてなんの変哲もない普通のサッカーが始まった
しかし…
( ゚∀゚)「ヒッキー!! いくぜ!!俺のキラーパスを受けてみろ!!」
バシーン!!
(#-_-)「痛っ!!」
( ・∀・)「ヒッキー、大丈夫!?」
ξ#゚听)ξ「ちょっとジョルジュ!!
見方にそんなパスだすなんてバカ!?」
从#゚∀从「ジョルジュ君、 明日体育館裏にきてください」
(´・ω・`)(やっぱり今日はやらないんだ)
- 45 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 20:36:40.67 ID:w/D5hDCPO
(〇_ゝ〇)「高岡先生、あなたは普段から子供達にこんな危険な行為を容認しているんですか?」
ここぞとばかりにコートに入りこんでくるみつるさん
ハインは相変わらず腰を低くしていた
从;゚∀从「いや、容認というか、今のは事故というか…」
(〇_ゝ〇)「まあいいでしょう
しかし報告書にはしっかり書かせてもらいます」
(;・∀・)(大丈夫かな…先生)
从#゚∀从(耐えろ…ハインリヒ!!)
- 46 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 20:38:32.18 ID:w/D5hDCPO
- ―――教室―――
ミセ*゚ー゚)リ「あ〜超暑い〜タオル、タオルと…」
ハインと子供達がみつるさんに困惑する中、ミセリ一人はどさくさに紛れて教室に戻ってきていた
ミセ*゚ー゚)リ「体育とか超ダルいよねー
それにしても暑いな〜この教室クーラーあるのに…」
ミセ*゚ー゚)リ「そうだ、誰もいないしちょっとつけちゃえ…ってあれ?」
ミセリは机の下に茶色い長財布があるのに気付いた
ミセ*゚ー゚)リ「ペニサスちゃんのだわ」
ミセリは拾った財布をペニサスの机の上に置こうとした…その時
ガラガラ
( ゚∋゚)「どこですか校長!!…って…おや?」
ミセ*゚ー゚)リ「げ…教頭先生」
- 49 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 20:41:00.27 ID:w/D5hDCPO
- (*゚ー゚)「超お腹減ったし〜♪♪」
(゚、゚トソン「あれ…ミセリちゃん、いないと思ったらもういたの?」
(´・ω・`)「あれ…教頭先生もいるよ」
从'ー'从「あれれ〜? ミセリちゃん、学校に財布は持ってきちゃいけないんだよぉ?」
ミセ;゚ー゚)リ「あ…いや、その…これは落ちてたから…」
ミセリは何か嫌な予感がした
('、`*川「それ…あたしの」
ミセ;゚ー゚)リ「あ、ペニサスちゃん、これ落ちてたよ」
( ゚∋゚)「ちょっと待ってください」
ミセリの財布を持った手はぴたりと止まる
そして周囲も教頭の不自然なほどの落ち着き払った声にただならぬ空気を感じた
- 52 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 20:44:28.13 ID:w/D5hDCPO
- ( ゚∋゚)「私がこの教室に入ってきた時、あなたは1人でその財布を持って立っていました
そしてそれはあなたの財布ではないのですね?」
('、`*川「ミセリちゃん…まさか」
ミセ;゚ー゚)リ「違うの!! これは落ちてから、拾って、それで…」
('、`*川「返してよ!!」
ペニサスはミセリから財布をひったくった
(;、;*川「ミセリちゃんなんか、大キライ!!」
そう言ってそのまま教室を出ていった
(≠゚∀゚)「いてぇ…」
ジョルジュにぶつかったがかまわず出ていった
从 ゚∀从「おいおい何事だ!?…ですか!?」
- 59 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 20:47:14.04 ID:w/D5hDCPO
- ξ゚听)ξ「それが…ミセリちゃんが」
(〇_ゝ〇)「一体何事ですか?」
(川゚∋゚)「じ、実は…」
教頭は青ざめた顔をしてみつるさんに今の出来事を話し始めた
(〇_ゝ〇)「なんと…!!」
从 ゚∀从「…」
( ゚∀゚)「マジかよ…」
(川゚∋゚)「すいません…ちょっとめまいが……後は任せます」
从 ゚∀从「ミセリ…今の話しは本当なのか?」
ミセ*;ー;)リ「ちが…ぅ…ょ…ひ、拾ったから…それで…ひっく…ペニサスちゃんの机に置こうとして…そしたら…」
从 ゚∀从「ナルホド…」
- 62 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 20:50:32.16 ID:w/D5hDCPO
- (〇_ゝ〇)「ちょっと待ってください
これは犯罪ですよ? いくら子供のやったこととはいえ、言い訳をして済む問題ではありません」
从#゚∀从「ぁあ〜いちいちうっさいオッサンだなぁ!!」
(;〇_ゝ〇)「…オッサン!?」
从#゚∀从「いい加減黙っててくれ!!
コイツらは俺の教え子だ!!
アンタがどんな立場にいようとコイツらの責任をとるのは俺だ!!
もうクビにでも何でもするがいい!!」
ミセ*;ー;)リ「先生…」
从#゚∀从「だがミセリ、俺はまだ許してないぞ!!」
从#゚∀从「そもそも勝手に体育を抜け出したりしなきゃこんなことにならなかったんだぞ!?」
- 67 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 20:53:39.82 ID:w/D5hDCPO
- ミセ*;ー;)リ「ごめん…なさい…」
从 ゚∀从「自分でやったことだ
自分で落とし前つけてこい!!」
ミセ*;ー;)リ「あたし…ペニサスちゃんに…謝ってくる!!」
ミセリは教室を飛び出していった
(≠゚∀゚)「だからいてぇって!!」
ジョルジュにぶつかったがかまわず出ていった
(〇_ゝ〇)「なかなか説得力のあることを言いますね」
从 ゚∀从「それは誉め言葉かい? 皮肉にしか聞こえないんだが?」
(〇_ゝ〇)「いえ、素直に誉めてます
ところでそろそろエアコンのほうを見せてもらってもかまいませんか?」
从;゚∀从「は?」
- 74 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 20:57:38.31 ID:w/D5hDCPO
- ―――保健室―――
(川゚∋゚)「はぁ…失礼します…」
川 ゚ -゚)「教頭、どうかしました?」
(川゚∋゚)「ぇえ…激しいめまいがします…校長はいないし、高岡先生はやっぱり問題起こすし…
…もう倒れそうなんで、昼休みまでの間だけベッドで少しだけ横になります…」
クックルはベッドに横になろうと布団をめくった
/ ,' 3 「キャッ!!」
校長が寝ていた
(;゚∋゚)「…」
- 87 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 21:06:22.17 ID:w/D5hDCPO
- (川゚∋゚)「やっぱり私は疲れてるみたいです
ベッドの中に校長が見えます」
/ ,' 3 「失礼な…わしゃ本物の荒巻じゃぞ?」
川;゚ -゚)「不覚にも私も気づきませんでした」
/ ,' 3 「びっくりじゃろ〜〜??
びっくりじゃろ〜〜??」
(;゚∋゚)「校長!! あなた私が今どんな思いでいるかお分かりですか!?
教育委員会の方がいらして、しかもまた高岡先生のクラスが問題を起こしたんですよ!?
このままじゃ上から何を言われるか分かりません!!
もう私は今にも失神しそうですよ!!」
/ ,' 3 「…? はて…教育委員会のお偉いさん方はもう帰ったぞぃ?」
(:゚∋゚)「は? …意味がよく分かりません…」
/ ,' 3 「じゃから、ワシとしばらく談笑した後、上機嫌で帰っていったぞぃ?
お偉いさん方、芋焼酎が好きらしくて随分お飲みになってなぁ…
ワシも少し飲みすぎたのでこうして横になっていたのじゃよ」
川;゚ -゚)「勤務中に飲酒ですか…?」
(;゚∋゚)「…!? するとみつるさん様は?」
- 89 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 21:10:35.37 ID:w/D5hDCPO
- ―――図書室―――
ミセ*゚ー゚)リ「…やっぱりここにいたんだね」
(;、;*川「来ないでよ!! 泥棒!!」
ミセ*;ー;)リ「ペニサスちゃん…本当にごめんなさい…でも、これは誤解なの
…勝手に教室に戻ってきたあたしも悪いけど、財布は落ちてたから拾っただけなの!!」
(;、;*川「嘘つき!!」
(゚、゚トソン「ミセリちゃんは多分嘘ついてないわ」
(;、;*川「トソンちゃん…」
- 90 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 21:12:13.48 ID:w/D5hDCPO
- (゚、゚トソン「体育の最中もミセリちゃんは教室にタオル忘れてきた〜って言ってたし、嘘つくような子じゃないってことはペニサスちゃんが一番分かってるんじゃないの?」
(;、;*川「…」
ミセ*;ー;)リ「ペニサスちゃん…覚えてる?
あたしが小4のとき、いつも教室を抜け出して図書室にいたこと…」
- 93 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 21:17:27.09 ID:w/D5hDCPO
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―――2年前 図書室―――
ミセ*゚ー゚)リ「はぁ…」
ミセリは毎日のように図書室にいた
5歳の時に両親が離婚し、母親に引き取られたミセリは仕事で夜遅くまで帰ってこない母親をずっと家で1人まっていた
そのためほとんど友達と遊ぶことなく、母親以外の人とは喋ることも少なかったのだ
やがて小学校に入ったミセリは対人恐怖症になり、まともに学校に行くことさえできなくなる
小2になってようやく学校へも少しずつ行くようになり、他人とある程度の会話ならできるようになった
しかしそれでもたくさんの自分と同じくらいの背丈の人間が密集している教室が苦手で、そのため授業中は誰もいない図書室で過ごすことが多くなり、その時の担任は見て見ぬふりをしていた
- 95 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 21:19:24.62 ID:w/D5hDCPO
- ミセ*゚ー゚)リ「…鳥はいいな…空を飛べて」
ミセリは何をするわけでもなく、ただぼんやりと図書室の窓を眺めていた
そんな時だった
ガタン!!
('、`*川「こんなところにいたのね、えっと、確かミセリちゃんだっけ?」
ミセ*゚ー゚)リ「…え?」
('、`*川「あたしはペニサス、教室に戻りましょう」
ミセ;゚ー゚)リ「や、やだよ〜教室は行きたくない」
('、`*川「いいから戻りましょ」
ミセ;゚ー゚)リ「え、ぇえ〜」
こうしてペニサスはミセリの手を引っ張り、無理やり教室につれていった
どうせ担任が自分を呼んで来いと行ったのだろう、ミセリはそう思っていた
- 97 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 21:21:49.32 ID:w/D5hDCPO
- ―――4年2組 教室―――
(;→o←)「2人とも、授業の邪魔になります!!
廊下に立ってなさい」
――――――
ミセ;゚ー゚)リ「先生に連れてこいって言われたわけじゃないんだ…」
('、`*川「なんで? なんとなく連れてきたかっただけだよ?」
ミセ*゚ー゚)リ「なんか、アナタって変わってるね」
('、`*川「そうかしら? 図書室でずっとぼーっとしてる人の方が変わってると思うけど」
ミセ*゚ー゚)リ「あははー 確かにそうかもw」
- 99 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 21:24:27.23 ID:w/D5hDCPO
- こうして2人は廊下でお喋りを続けた
あまりにうるさいので放課後に居残り掃除をさせられたが、それでも2人の笑い耐えなかった
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ミセ*;ー;)リ「もしあの時ペニサスちゃんと仲良くなれなかったら、あたし一生ひとりぼっちだったかもしれない
トソンちゃんやシュールちゃんとも仲良くなれなかったかもしれない」
(;、;*川「…」
ミセ*;ー;)リ「あたし、ペニサスちゃんと一緒にいない学校なんて考えられない!!」
(;、;*川「ミセリちゃん…」
- 100 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 21:26:53.41 ID:w/D5hDCPO
- ―――6年3組 教室―――
(〇_ゝ〇)「フィルターのほうが詰まってましたよ?
これじゃあ電源も入りません
据え置き型のエアコンはちゃんと定期的な掃除をしないと中にホコリがたまりやすいんです」
从;゚∀从「いやいやいや、なんでお前エアコンの点検してんだよ」
(〇_ゝ〇)「あれ? 言いませんでした?
私、教育委員会電気店から参りました、みつるさんです
名字は…
从#゚∀从「教育委員会なのか電気店なのかハッキリしろよ!!」
- 104 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 21:31:09.23 ID:w/D5hDCPO
- (#゚∋゚)「高岡先生、ここは私のが!!」
从 ゚∀从「…え?」
(#゚∋゚)「エアコンの空調整備は毎年同じ業者に頼んでいたのですが、店名を変えていたのは予想外でした」
(〇_ゝ〇)「ぇえ、改名しましたよ
なんせ原油高の続く世の中ですからね」
(#゚∋゚)「もう整備の方は結構ですので、こちらにお越しいただけますか?」
(〇_ゝ〇)「…? はい」
そう言ってクックルはみつるさんを引っ張って教室から出ていった
- 105 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 21:34:24.78 ID:w/D5hDCPO
- ―――次の日―――
ミセ*゚ー゚)リ('、`*川「先生〜!!」
从 ゚∀从「おぅ、なんだ、仲直りしたのか!?」
('、`*川「うん だってやっぱり、私の大事な友達だもん
あたし、ミセリちゃんを信じる」
ミセ*゚ー゚)リ「そういうわけ
先生もあたしのこと信じてくれてありがとう!!」
从 ゚∀从「礼には及ばんさ
体育の時間前、ペニサスの机に足引っ掛けてなんか落としたような気がしたから、ひょっとしたらなぁ〜と思ったわけよ」
('、`;川(今サラッと凄いこと言った気がする…)
ミセ#゚ー゚)リ(そもそも先生が足引っ掛けなかったらこんなことにならなかったんじゃ……)
从;゚∀从「2人も、そーんな顔すんなよ
今回は特別にエアコンつけていいからさ!!」
('、`*川ミセ*゚ー゚)リ「やったあ〜!!」
从 ゚∀从(へへっ!! やっぱガキは単純♪♪)
从 ゚∀从「さて授業だ!!」
- 108 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/05/04(日) 21:39:03.61 ID:w/D5hDCPO
- (;〇_ゝ〇)チョキチョキ……
/ ゚、。 /チョキチョキ……
(;〇_ゝ〇)「あの、いつまでこれ続けるんですか?」
/ ゚、。 /「299枚全部キレイに切っていきます
あと251枚です」
(;〇_ゝ〇)(なんで私が『学校案内パンフレット』を切るのを手伝わなくてはいけないんだ…)
/ ゚、。 /「図工の時間に使うんです
だから細かく切ってください」
(;〇_ゝ〇)(トホホ…)
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