4 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 21:58:48.29 ID:R4Zp9J9bO
【4時間目 非道なる討論会】

―――ある5月の放課後の掃除の時間―――

( ^Д^)9m「プギャーwwww」

( ,,゚Д゚)「ほらほらボール役、ちゃんとふっとべよ!! 今のホームランだろ」

(≠><)「痛いんです!!……箒で叩かないでください」

( ^Д^)「うっせ―お前はピッチャー兼ボール役なんだから投げまねして転がればいいんだよ!!
俺とギコはバッターなwwww」

(≠><)「痛い!!痛い!!」

( ,,゚Д゚)「…さて、そろそろ行くか」

( ^Д^)「そーだな ゲーセン行くか
おいビロード、残りちゃんと掃除しとけよ」

( ,,゚Д゚)「あの鬼教師は埃一つ残ってるだけでやり直しになるんだからな、ちゃんとやれよ!!」

( ^Д^)「じゃあなwまた遊んでやるからよwwww」


(。><)「…ひっく…ひっく」

5 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:00:48.86 ID:R4Zp9J9bO
―――保健室―――

(≠><)「…失礼します」

川 ゚ -゚)「やあ…また君か」

(;><)「えへへ…また転んじゃったんです」

川 ゚ -゚)「どれ、見せてごらん」

(≠><)「…」

川 ゚ -゚)(転んだくらいじゃこんなアザ出来ないんだがなあ…)

(≠><)「あの…先生は野球好きですか?」

7 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:02:55.02 ID:R4Zp9J9bO
川 ゚ -゚)「ん、私か? 実はこう見えて巨人ファンなんだ」

( ><)「野球なんて、大嫌いなんです!!」

川;゚ -゚)「そ、そうなのか…」


―――職員室―――

川 ゚ -゚)「と、いうことがありましてね」

从 ゚∀从「ほー」

川 ゚ -゚)「彼はひょっとしたらイジメられてるんじゃないかと思って」

从 ゚∀从「ほ―」

川;゚ -゚)「ほーって…自分のクラスの児童ですよ?」

从 ゚∀从「で、野球は何の関係が?」

川;゚ -゚)「いや…それは分かりませんが、何かわけありなんじゃないかと…」

从 ゚∀从「巨人なんかよりスペインのレアルマドなんとかのファンなのかもしれないじゃん」

川;゚ -゚)「それはないと思います」
9 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:04:32.77 ID:R4Zp9J9bO
( ゚∋゚)「高岡先生!! クラスにイジメがあるなんてまさか、ご冗談でしょう?」

从 ゚∀从「さあ〜こーゆーことは教師の見えない所でやるもんですからねぇ」

(#゚∋゚)「イジメなんて絶対あってはなりません!! 教育委員会に知られでもしたら大変ですよ!!」

从 ゚∀从「まーた始まったよ」

(#゚∋゚)「ちゃんと話聞いてんですか!?」

从 ゚∀从「はいはーい」

从 ゚∀从「あ、サスガ先生!!」

10 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:07:11.34 ID:R4Zp9J9bO
(´<_`;)「何でしょう…」

実際の年齢より10歳ほど老けて見える、白髪交じりの男性教師がハインに声をかけられて困惑した
彼の名はサスガ
6年1組の担任で学年主任を務める先生である

从 ゚∀从「来週ある算数のテスト作ってくれませんか?」

(´<_`;)「私がですか? why…なぜ…」

从 ゚∀从「頼むよー 変わりにお宅のクラスの体育のテストつくるからさあ」

(´<_`;)「結構です」

(;゚∋゚)「ちょっと高岡先生!!イジメ問題はどーすんですか!?」

从 ゚∀从「まあボチボチ調べますよ」


川 ゚ -゚)(…この人、本当に大丈夫かな…)

11 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:09:27.08 ID:R4Zp9J9bO
/ ゚、。 /「高岡先生」

突然男と思えないようなか細いで、目が虚ろな男性がハインに声をかけた

从;゚∀从「うわっ…びっくりした…ダイオード先生か」

ダイオードは6年2組の担任でどこか他の人と空気が違う、ミステリアスな先生だ

/ ゚、。 /「…これ」

彼が渡したのはプラスチック製の青のじょうろだった

/ ゚、。 /「職員室前の花壇の水やり当番…今週は高岡先生です」

从;゚∀从「は、はあ…」

/ ゚、。 /「お願いします」

从;゚∀从(不思議な人だ)

16 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:12:25.03 ID:R4Zp9J9bO
―――翌日―――

キーンコーンカーンコーン

从 ゚∀从「はいはい席ついて〜」

( ><)
( ,,゚Д゚)
( ^Д^)


从 ゚∀从(ふーん…)


从 ゚∀从「よし、今日の算数は急きょ道徳の時間に変更だ」

ξ゚听)ξ「先生ー道徳で何やるんですか?」

从 ゚∀从「ぁあ、今からイジメ問題について、イジメが正しいと思うやつと正しく無いと思うやつに別れてディベートをしてもらおうと思う」

(;><)「!!」
( ;゚Д゚)「!!」
(;^Д^)「!!」

从 ゚∀从「ディベートって意味分かるか?」

( ・∀・) 「二手に別れて討論するんですよね?」

从 ゚∀从「そう!! んじゃ別れて適当にやってくれ」

17 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:14:38.11 ID:R4Zp9J9bO
(´・ω・`)(別れてやるったって…)

(゚、゚トソン(そんなのどー考えても…)

(*゚ー゚)(イジメが正しいわけないじゃん…)

lw´‐ _‐ノv(シュールだわ)

そんなわけで机を真ん中で向かい合わせにしてイジメ問題についてのディベートが始まった…が、

从 ゚∀从「っておいおい、何で誰もイジメが正しいと思わねえんだ?」

児童全員が『イジメは正しくない』方の席に座ろうとしたため、教室の片側にぽっかり空白ができたのだった



18 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:17:20.95 ID:R4Zp9J9bO
从 ゚∀从「しゃーねーな、誰もいないとディベートになんねーから、俺が『イジメは正しい』につくわ」

こうしてただ一人ポツンと反対側の席についたハイン
戸惑いながらも、モララーが声をかける

(;・∀・)「えーそれでは『イジメ問題』についてディベートを行ってください
議長は学級委員の私、モララーが務めさせてもらいます
制限時間は20分、始め!!」


从 ゚∀从「はいはい!! イジメはイジメられるヤツが悪いと思います
だって、やられてやられっぱなしの意気地なしのクソはとっとと消えればいいと思うからです」


(;・∀・)(理由になってねー)
21 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:19:12.48 ID:R4Zp9J9bO
( ・∀・) 「正しくない、と思う皆さんはどうお考えですか?」

ξ゚听)ξ「はい、イジメはイジメられる方はとってもツラいし、とっても苦しい思いをするのでよくないとおもいます」

从 ゚∀从「ツラい思いするのになんでやめてくれって言わないんですかー?
イジメられる人はドMなんですかー? ねえジョルジュ君?」

( ゚∀゚)「はい、全くその通りだと思います!!」

ξ#゚听)ξ「アンタなんでこっちいんのよ!!」

(;・∀・)「えー、ジュルジュ君は反対側へ行ってください」
24 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:21:44.77 ID:R4Zp9J9bO
( ・∀・)「他に意見がある人?」

( ^ω^)「はい、イジメは、誰の身にも起こりうることだと思いますお だから身を守るために日々
( ・∀・) 「他に意見がある人ー?」

从 ゚∀从「はいはーい、イジメなんてどーせ無くなんないし、ほっとけばいいと思います
ビロード君はどーおもいますか?」


(;><)「…え?」

( ・∀・) 「ビロード君、どうぞ」

(;><)「ぼ…僕はイジメは…やっぱりいけないと思います…だって…痛いし…」

从 ゚∀从「痛いなら痛いって言えばいーじゃん!! ねえビロード君!!」

(;><)「そ、それは…言いづらいというか…」

(;・∀・) 「ほ…他には―?」

キーンコーンカーンコーン
27 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:23:47.39 ID:R4Zp9J9bO
―――昼休み―――

(,#゚Д゚)「てめー、あの教師に何か変なこと吹きこんだな?」

(;><)「言ってないんです!! 本当なんです!!」

(#^Д^)「じゃあなんで今日いきなり算数の時間が変更になったんだ?」

(;><)「そんなこと言うってことは自分達がやってることにやましいことがあるから言うんです!!」

(,#゚Д゚)「何だと?」

(#^Д^)「てめぇ…ぶっ飛ばす」

ガッシ ボカ!!

(≠><)(絶対に逃げないんです…)
31 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:25:18.56 ID:R4Zp9J9bO
―――保健室―――

(≠><)「失礼します…」

川 ゚ -゚)「…また君か」

(≠><)「ちょっと転んだんです」

川 ゚ -゚)「…率直に言おう、君はクラスでイジメを受けてるんじゃないのかな?」

(≠><)「!!」

川 ゚ -゚)「そして毎回こうして保健室に来るのは誰かに気づいてほしい、そう心のどこかで思っているからじゃないのかな?」

(;><)「いや…僕はただ…」

川 ゚ -゚)「実は担任には一度君のことを言っておいたんだ…しかしこの様子だと
(#><)「余計なお世話なんです!!」

川 ゚ -゚)「え?」

(#><)「そんな…そんなことするからクラスでイジメのディベートなんかやり出すんです!!」

川 ゚ -゚)「な…なんだって?」
33 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:27:34.47 ID:R4Zp9J9bO
―――職員室―――

川 ゚ -゚)「と、いうことがあったんですがどういうことですか!?」

从 ゚∀从「どーもこーもそういうことだよ」

川 ゚ -゚)「そんなことしたら余計にイジメを助長するだけじゃないですか!?」

从 ゚∀从「まぁ、成り行きに任せるしかありませんねぇ」

川 ゚ -゚)「正直、私は高岡先生のことがよく分かりません!!」

从 ゚∀从「むしろ知られすぎても困るね、プライベートは特に」

川 ゚ -゚)「…」
36 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:30:01.32 ID:R4Zp9J9bO
―――ビロード宅―――

( ><)「ただいまなんです!!」

川 ><)「お帰りなさい、ビロードちゃん
今日の学校はどうだった?」

( ><)「た、楽しかったです!! 今日なんか……

川 ><)「まあ、そうなの?」


( ><)(母さんには迷惑かけたくないんです)
40 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:31:13.34 ID:R4Zp9J9bO
―――翌日―――

キーンコーンカーンコーン

从 ゚∀从「今日の算数も道徳に変更だ!!」

一同「ぇえええ〜!?また!?」

从 ゚∀从「つべこべ言うな
また同じテーマでディベートな」


(;><)「!!」

从 ゚∀从「さあさあ始め!!」

こうしてまたもや算数の時間が潰れて、しかも同じテーマでディベートが始まった


(;><)(僕は…逃げないんです)


从 ゚∀从「イジメられるやつはただの弱虫、むしろ単なる被害妄想、よってクズ」
42 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:32:11.14 ID:R4Zp9J9bO
―――昼休み―――
ガッシ ボカ
(≠><)「やめてください!!」

(,#゚Д゚)「お前何企んでやがるんだ?」

(#^Д^)「お前みたいなやつは学校くんな、死ね!!」

( ><)(負けないんです…ここで負けたら…)

从 ゚∀从「おい、ギコ、プギャー!!」

(,;゚Д゚)(;^Д^) (やば!!)
45 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:34:30.39 ID:R4Zp9J9bO
从#゚∀从「てめぇら昨日掃除が終わってないのに勝手に帰りやがっただろ!?」

( ,,゚Д゚)( ^Д^)「…え?」

从 ゚∀从「罰として来週から一週間放課後にA棟の校舎前の掃除な!!」

(,;゚Д゚)(;^Д^)「そ…そんなぁ」

从 ゚∀从「あと職員室前の花壇の水やりもよろしく」

( ><)「…」


そう言ってハインは教室から出ていってしまった
ビロードのことを気にもせずに
48 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:36:28.01 ID:R4Zp9J9bO
―――翌日―――

从 ゚∀从「よし、今日はちゃんと道徳あるから、ディベートな」

一同「ま、またあ〜?」

もはや討論会というよりはハインの一方的な自己主張の場と化していたこの『道徳』という時間に意味が無いものだと児童の誰もが思っていた
こうしてハインとジョルジュVSその他に向かい合わせになってディベートは始まった

(;・∀・)「そ、それでは前回 前々回に引き続き、『イジメ問題』についてディベートを行ってください」


( ><)(…ふざけてる…こんなことをする先生はどうかしてる!!)

ディベートが始まり、ハインのまるで罵声のようなイジメを正当化するようなデタラメな理屈が述べられる
50 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:39:14.84 ID:R4Zp9J9bO
始まって数分、教室では相変わらず無意味な議論が続く中、

ガタン!!
( ><)「……」


突然教室から出ていくビロード
しかしハインは止めもしないので児童達は彼に負い目を感じつつも、ディベートを続けた

―――保健室―――

( ><)「…」

川 ゚ -゚)「ああ…君か」

( ><)「今は体調が悪いんです」

川 ゚ -゚)「…そうか」


( ><)「…」

川 ゚ -゚)「…」
54 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:41:27.34 ID:R4Zp9J9bO
川 ゚ -゚)「この前は悪かったな…勝手に高岡先生に言ったりして…君に余計大変な思いをさせてしまったみたいだ」

( ><)「…別に構わないんです」

川 ゚ -゚)「ただ、このままにしとくのは絶対によくないと思うんだ
高岡先生がダメなら他の先生とかに相談してみるとか…
私もできる限り力になるから」

( ><)「僕は…僕はイジメられてなんかないんです!! 先生は何も知らないからそんなこと言えるんです!!」

そう言って保健室を飛び出していった


川 ゚ -゚)「ちょっと君!!」

川 ゚ -゚)(どうすれば…)
56 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:43:06.50 ID:R4Zp9J9bO
―――次の週―――

从 ゚∀从「おいビロード!! てめぇ無断早退とはナメたことしてくれんじゃねーか」

(;><)

从 ゚∀从「罰として今日からA棟の校舎前の掃除な!!」

( ><)「…それってまさか」

从 ゚∀从「もちろんギコとプギャーも一緒だ」

( ><)「そんな…」

从 ゚∀从「つべこべ言わずちゃんとやれよ
いっとくが適当にやってたらすぐやり直しだからな」
60 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:45:08.18 ID:R4Zp9J9bO
―――職員室―――

( ゚∋゚)「高岡先生、最近そちらのクラスでは教師自らイジメを助長するような授業を行っていると聞いたのですが!!」

从 ゚∀从「そーんな教師がいるんですか、 大変ですね」

(#゚∋゚)「アナタのクラスで、ですよ!!」

川 ゚ -゚)「高岡先生、これは冗談抜きで大問題ですよ
これ以上続くようなら私達も教育委員会に訴えざるをえなくなります」


从 ゚∀从「くーちゃん、その年で早くも教頭に洗脳されたのか」

(#゚∋゚)「校長、何か言ってやってください!!」

/ ,' 3 「ふうむ……実はわし、若いころはよくイジメられたもんじゃ…」

(;゚∋゚)「…はあ…で?」

/ ,' 3 「わしの黒歴史じゃ」

(;゚∋゚)「…そうですか」
62 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:47:01.20 ID:R4Zp9J9bO
ξ゚听)ξ从'ー'从(*゚ー゚)「高岡先生〜!!」


从 ゚∀从「ぁあ? なんだ?」

( ゚∋゚)「ちょっと、まだ話は終わってないですよ!!」

/ ,' 3 「クックル先生、実はご近所の方から創価せんべいいただいたんですが、一緒に食べませんか?」

(;゚∋゚)「こ、校長」

こうして半ば校長に押される形でクックルは去っていった
68 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:49:08.43 ID:R4Zp9J9bO
从 ゚∀从「んで、用件はなんだ? 産業で」

ξ゚听)ξ「あのディベート」

从'ー'从「さ、さすがにやりすぎだと思い」

(*゚ー゚)「ます!!」


从 ゚∀从「やりすぎって何が?」

ξ゚听)ξ「先生、ビロード君のこと、知っててあんなディベートやってるんですよね?」


从 ゚∀从「知ってるって何がだ?」

从'ー'从「その…イジメられてるってことです…」

从 ゚∀从「じゃあ、お前らは何で自分達でそのイジメを止めようとしない? 前々からあったのを知ってたんだろ?」

(*゚ー゚)「それは…やっぱり向こうは男子だし、言いづらいし…」

从 ゚∀从「あーあーこれだからガキはよぉ
オトナの言うことにいつも反発するくせに、自分達にどうにもならないと思った時はすぐにオトナに頼る
んでもって今みたいな言い訳を言うんだよなあー」
74 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:53:07.22 ID:R4Zp9J9bO
从 ゚∀从「ちっとは自分達でどうにかしようと思わねーのかよ?
クラスメートだろ?」

―――教室―――

ξ゚听)ξ「って言われたわ」

('A`)「で、俺らにどうしろと?」

(*゚ー゚)「あなた達、男子なんだからギコ君とプギャー君に注意しなよ」

(´・ω・`)「でもやっぱり言いづらいよね、あの二人には」

( ^ω^)「僕も3年生くらいまでぶたれたりしたお…ちょっと言うの怖いお」

('A`)「俺もアイツらは苦手だ」

(´・ω・`)「同じく」

从'ー'从「でもそれじゃビロード君かわいそーだよ」
78 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:56:37.59 ID:R4Zp9J9bO
( ・∀・) 「ん…まてよ…ひょっとして先生はそのためにあんなディベートを毎回やるんじゃ…」

ξ゚听)ξ「それどういう意味よ?」

( ・∀・) 「いや、あのディベートは先生が僕達自身にイジメを解決させるためにしてると思うんだ」

(´・ω・`)「でもそれなら何で先生がその時に率先してイジメを正当化してるわけ?」

( ・∀・) 「…それは多分、あの先生がイジメを極端に肯定することで僕達の共通の敵として論じてもらおうとしたんだと思う」

( ^ω^)「意味がよく分かんないお…」

(*゚ー゚)「でも私達が何度イジメは駄目だって言っても先生は『イジメられるやつはクソ』しか言わないよ?」
82 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:58:24.78 ID:R4Zp9J9bO
(;・∀・) 「そこが問題なんだなー あの先生は何がしたいんだか…」

( ゚∀゚)o彡゜「よお〜みんな真剣な顔してどーしたんだい?」

ξ#゚听)ξ「うるさい役立たず」

(;゚∀゚)「そんなこというなよー 何話してたのさ?」

(*゚ー゚)「例のディベートのことよ〜 でもジョルジュ君は敵だよねー」

( ゚∀゚)「ひどいなぁしいちゃん、どうせ俺がいなくてもあの先生のことは論破できまい?」

('A`)「お前どんだけあの教師に熱上げてるんだよ」

( ・∀・) 「ん…論破?」

( ・∀・) 「そうか!! 先生は何も僕達にイジメが正しくないと論破させようとしてるワケじゃないんだ!!」

(´・ω・`)( ^ω^)('A`)ξ゚听)ξ(*゚ー゚)从'ー'从 「え?」


( ゚∀゚)「…?」
86 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 22:59:50.38 ID:R4Zp9J9bO
―――VIP小学校 A棟校舎前―――


( ^Д^)「おっとごめん、手が滑って箒が」

バシ!!

(≠><)

( ,,゚Д゚)「お前のせいでこうなったんだぞ!! あ、手が滑ってチリトリが」

バシ バシ

(≠><)「…」


(≠><)(…母さんに迷惑はかけたくないんです…だから学校だけは休みたくないんです…)
90 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 23:01:38.79 ID:R4Zp9J9bO
―――翌日 保健室―――
川;゚ -゚) 「なあ、どうにかならないかな…」

( ><)「もうこれからは卒業式までずっとここにいるんです!!」

川;゚ -゚)(それはそれで困るんだがな…しかも本人はイジメを否定するし…)


( ^ω^)('A`)( ゚∀゚)「ビロード!! 教室戻ろうぜ!!」

( ><)「いやなんです!!」

川 ゚ -゚)「ほら、友達がきてくれたじゃないか」

( ><)「いやなものはいやなんです!!」

川 ゚ -゚)「…どうしてなんだ?」

94 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 23:04:24.89 ID:R4Zp9J9bO
( ><)「次の時間が算数だからです!!」

川 ゚ -゚)「?」

( ^ω^)「だから来たんだお!!」

( ><)「…え?」

―――教室―――

从 ゚∀从「おい、授業始まってんだよ!! さっさと席つけ!!」

( ^ω^)('A`)( ゚∀゚)「すいません」

( ><)「…」

こうして無理やり連れてこられ、算数の時間だからこそ連れてきたというブーン達の意味も分からず、これからまたあのディベートが始まるのかと思うと吐き気がするビロードであった
97 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 23:07:25.76 ID:R4Zp9J9bO
从 ゚∀从「よし、今日も道徳に変更だ!!
ディベートやんぞ!!」

やっぱりか、と思いながらも児童達は机を並びかえだした

( ,,゚Д゚)(まだやんのかよ、しつこいな)

( ^Д^)(どーせ何回やったってムダムダ)



( ゚∀゚)「うーん…」

( ・∀・) 「で、お前はどっちに座るんだ?」

( ゚∀゚)「分かったよー『正しくない』にいくよ」

( ・∀・)「ふーん…」

(;゚∀゚)「言っとくが別に本当にイジメが正しいと思ってたわけじゃないからな!!」


100 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 23:10:27.26 ID:R4Zp9J9bO
从 ゚∀从「はい、始めー!!」

( ・∀・) 「えーそれでは今回も『イジメ問題』についてディベートを行ってください
意見がある人は
从 ゚∀从「ハイハイ!! イジメられるヤツはカス 何故なら殴られたらバックドロップかましてぶっ飛ばせばいいのにそれができない弱虫、蛆虫、クソ意気地なし!!」


(;・∀・)(相変わらずひでー)


( ・∀・) 「正しくないと思う皆さんはどうですか?」


ξ゚听)ξ「はい、私はイジメはもちろん悪いことだと思います
…でもイジメを見て見ぬふりをすることも悪いことだと思います」

从 ゚∀从「ほー?」
102 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 23:13:12.21 ID:R4Zp9J9bO
( ^ω^)「僕はイジメの現場を見たことがありますお
でもその時僕は自分には関係ないと思いましたお」

从'ー'从「…でも、同じクラスメートなのに…困ってる人を助けないなんて、よくないと思うんですぅ」

('A`)「だからもし…もし次にそんな現場を見たらみんなでイジメを止めたいと思ってます」

( ><)(みんな…)
108 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 23:17:15.76 ID:R4Zp9J9bO
(*゚ー゚)「皆さんはどう思いますか?」

( ゚∀゚)「もちろん賛成でーす!!」

(゚、゚トソン「…わ、私もさんせー」

(-_-)「僕も」

('、`*川ミセ*゚ー゚)リ「さんせー」

ξ゚听)ξ「お二人さんは?」

(,;゚Д゚)(;^Д^)「…え?」

(*゚ー゚)「次にイジメがあったら2人はどーするの?」

(;^Д^)「そ、そりゃあ…」

(,;゚Д゚)「もちろん…賛成…」


从 ゚∀从「…」

こうしてこの日以来、ディベートが行われることは無くなった
110 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 23:18:47.01 ID:R4Zp9J9bO
―――放課後 A棟校舎前―――


( ><)「はい、チリトリなんです」

(,;゚Д゚)「お…おう、サンキュー」

( ,,゚Д゚)「…」


(,;゚Д゚)「な、なあビロード」

( ><)「?」

( ,,゚Д゚)「その…なんていうか…今まで悪かったな…スマン」

(;^Д^)「ギコ…」

( ><)「別に構わないんです!! これからは仲良くするんです!!」

( ^Д^)「…」

( ><)「プギャー君も、仲良くするです!!」

( ^Д^)「ビロード…」

こうして放課後の学校に箒の掃く音と3人の賑やかな笑い声が響きわたった
112 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 23:20:22.02 ID:R4Zp9J9bO
―――職員室―――

( ,,゚Д゚)( ^Д^)( ><)「先生、掃除終わりました!!」


从 ゚∀从「おぅ、そうかい」

(,;゚Д゚)「あ、あと…あのさ、先生、」

(;^Д^)「俺たち…」

从 ゚∀从「よし、じゃーお前ら2人は明日体育館裏来いよな」

( ^Д^)( ,,゚Д゚)「先生…」


从 ゚∀从「つーか花壇の水やりは?」

( ,,゚Д゚)( ^Д^)( ><)「あ!!!」

从#゚∀从「今すぐ行ってこい!!!」

( ,,゚Д゚)( ^Д^)( ><)「はーい!!」
118 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 23:24:24.62 ID:R4Zp9J9bO
川 ゚ -゚)「…どうやら無事に解決したみたいですね」

从 ゚∀从「まーな!!」

川 ゚ -゚)「この前は勝手なこと言ってスイマセンでした
…でもどうしてできたんです?」

从 ゚∀从「どうしてって言われてもなぁ…」

川 ゚ -゚)「彼があんなに傷だらけになっても頑なにイジメられてないって言うんですから」

从 ゚∀从「イジメってな、1人で解決するのはすげー難しいんだよ
かといって周りが助けてくれるかと言ったら、それもやっぱり難しいんだ……次は自分もイジメられてるかもしれない、そんなリスクを冒してまで正義を貫こうとするやつなんて、自分が可愛いければまずできないな」

119 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 23:27:23.49 ID:R4Zp9J9bO
川 ゚ -゚)「…だからこそ教師が率先してイジメをやめさせれば…」

从 ゚∀从「いじめられた本人にもプライドはあるんだ
まして思春期のガキは尚更だぜ?
どうしても人に言いづらいんだよ
それに教師が露骨に干渉すればイジメが無くなっても周りは敬遠するから、どーしても孤立しちまうんだ」

川 ゚ -゚)「…だから、あえて直接干渉せず自分達で解決させていくきっかけを与えたと?」

从 ゚∀从「まあそんなとこだね!! さっすがくーにゃん!! 話が分かる!!」

川 ゚ -゚)「…でもどうしたらそんな的確に…」

从 ゚∀从「…俺も昔はイジメられたりしたからな、ビロードの気持ちは痛いほど分かるんだ」

川 ゚ -゚)(…高岡先生が…イジメられてた…?)

122 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 23:31:37.77 ID:R4Zp9J9bO
从 ゚∀从「さーて、これにて一件落着だぜ〜〜ケケケケ」

川 ゚ -゚)(この人のことがよけいに分からなくなってきた…)

从 ゚∀从「くーにゃん、お茶入れて!! お茶!!」
124 :ひまわり ◆ry1NryD4c. :2008/02/24(日) 23:33:04.55 ID:R4Zp9J9bO
/;' 3 「教頭先生、実はご近所の方から最近何かのセミナーや講演会に参加しなさいってしつこいんじゃが…わしの代わりに行ってきてくれんか?」

(;゚∋゚)「結構です …大体何ですか? そのセミナーやら講演会やらって…」

/;' 3 「ワシもよう分からん…せんべいじゃったらいただくんじゃが…」

( ゚∋゚)「ああ!!」

/ ,' 3 「?」

( ゚∋゚)「そうかそうか…」

/ ,' 3 「?」

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