- 3
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/02(月) 19:13:44.98 ID:hn+HidRo0
( ´ω`)「……」
( ´ω`)「…………」
( つω^)「ん……」
( ^ω^)「ああ、泣き疲れて眠っていたんだお」
( ^ω^)「はあっ」
これからどうしよう……
- 7
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/02(月) 19:17:22.57 ID:hn+HidRo0
- ( ^ω^)「・・・・」
「やれやれー」
「やっちまえー」
「いてぇっ! こいつ噛み付いてきやがった!」
「生意気だな! こんのやろ!」
( ^ω^)「どこからか子供の声が聞こえるお」
( ^ω^)「いいなあ。僕も小さいころはこの公園でよく遊んだお」
「お前右腕! お前左腕!」
「や、やめろよー!! 離せよう!」
「うるせぇ!」
(;^ω^)「?」
- 8
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/02(月) 19:20:38.92 ID:hn+HidRo0
( ^ω^)「どうやら楽しく遊んでいる様子ではなさそうだお」
⊂二( ^ω^)⊃「行ってみよっと」
草むらをすりぬけて、ブーンは砂場のあたりに着きました。
「いくぜ! パァーーンチ!」
ドゴッ
「う゛っ………」
「おい聞いた? 今の聞いた? う゛っ だって!」
「効いたね。こりゃかなり効いてる」
「二発目は俺がやるよ」
「!!」
壁‖ω^)「・・・・」
- 10
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/02(月) 19:25:33.81 ID:hn+HidRo0
- (;^ω^)(こ、これはいわゆる”いじめの現場”では!?)
(;^ω^)(社会の負の側面をこんなところで見てしまうとは……)
( ^ω^)「…っと! 何をわけのわからぬことを! いじめは許さないお!」
…だって僕は当事者だからね
(#^ω^)「天誅だお!!」
( A)「おい、ジタバタするなよ」
( B)「そうだよ。殴りづらいだろ」
( C)「いてっ! 引っ掻くな!」
(;'A`)「ゆ、幽霊は必ずいるんだ! かならずいるんだー!」
( A)「あん!? だから、どこにいるんだよ! 言ってみろ!」
- 12
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/02(月) 19:29:39.46 ID:hn+HidRo0
- ( ^ω^)ノシ「ここにいますお」
(;'A`)「サロン山とか…… VIPの滝とか……」
ドゴッ!
(;'A`)「いっっったあ!」
( A)「だからぁ、お前を信じて、真夜中の心霊スポット行ったけど」
( B)「現物も、心霊写真も、何も収穫はなかったぜ!」
( C)「クラスのみんなに心霊写真持ち帰ってくるって約束したのに、どうしてくれんだ!」
ドゴッ!
( B)「そうだ! 無駄に怖がらせやがって!」
ズガッ!
(;^ω^)(最近の小学生は肝っ玉がすわってるお。そして凶暴だお)
- 14
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/02(月) 19:34:55.38 ID:hn+HidRo0
- (;^ω^)「・・・なんておののいてる場合じゃない! 止めなきゃ!」
( #゚ω゚)『くぉらぁああああ!!! クソガキャアア!!!』
( A)「ドクオの嘘つきが!」 ドカッ
( #゚ω゚)『やめれぇええええ!!! ぬがああああ!!!』
( B)「死んでわびろ!」 ズガッ
( #゚ω゚)『ふごおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!』
( C)「写真の現像代出せ!」 バキッ
( #゚ω゚)『に゛ゃあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!』
ブーンの決死のディフェンスはもちろん届きません。
ドクオと呼ばれた少年の顔は、みるみるうちに腫れあがっていきました。
( ゚ω゚)『……』
(メ'A`#)「……」
- 17
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/02(月) 19:39:32.24 ID:hn+HidRo0
- (メ'A`#)「……」
(メ'A`#)「幽霊は… いるんだ… 俺は信じてる…」
( A)「まだ言ってるぜ」
( B)「殴られたりねーんだな」
(メ'A`#)「……」
( C)「ぼくちんの靴をなめろ。そしたら許してやるよ」
(A`# ) ぷいっ
( C)「あっ、そむきやがった!!」
(A`#;)「・・・・・・!!!」
(;^ω^)『ううーっ どうしよどうしよ おつむてんてん!』
(A`#;)「………」
- 18
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/02(月) 19:43:24.90 ID:hn+HidRo0
「いたっ」
( A)「あ゛ん。何が」
(メ'A`#)「幽霊が…… いたんだ……」
( B)「どこだよ。言ってみろ」
(メ'A`#)「ほら、あそこ…」
( ^ω^)『?』
( A)「あ゛ぁ?」
( A)「俺はみえねぇ」
( B)「俺も」
( C)「ダウト! 何も見えないよ。
僕は霊感がくわばら並みにつええから、見えるはずだー」
( C)「こいつに見えて僕ちんに見えないはずがないっち!!!!」
- 19
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/02(月) 19:48:15.47 ID:hn+HidRo0
- (A` )「いるよ… ほら… ここに突っ立ってる」
(;^ω^)『君、僕が見えるの?』
(A` )「見える、見えるよ。顔や着ている服は、ぼやけててさっぱり分からないけれど。
ほら、やっぱり幽霊はいたんだ。」
(A` )「握手して!」
( ^ω^)つ『うぃ』
(A` )「あっ、すり抜けちゃう。やっぱり幽霊だ!!!」
(;A)「おいおい、なんか怖ぇえよ… こいつ…」
(;B)「俺らが殴りすぎて頭がおかしくなったのか?」
(;C)「ドクオは明日からひまわり学級だ!」
(;A)「誰もいない方向向いてブツブツ喋ってる… おいっ、ドクオ…!」
- 20
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/02(月) 19:52:37.85 ID:hn+HidRo0
- ('A`)「ほら、お前らも来てみろよ。じっくり目をこらせば見えるはずだぜ」
( A)「ひっ…!」
( B)「に」
( C)「にげろぉおお!!!!!」
顔を青くさせて、ドクオをいじめていた子供達は去っていきました。
(;^ω^)「…」
('A`)「…」
(;^ω^)(どうやら霊感が強いのはあの悪ガキじゃなくてこの子みたいだお)
(;^ω^)(ほんとにいるんだなあそんな存在が)
- 22
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/02(月) 19:56:25.16 ID:hn+HidRo0
- ( ^ω^)『とりあえずいじめっこがいなくなって良かったお』
('A`)「え!」
('A`)「幽霊さんは俺を助けるために出てきたのかい!?」
(;^ω^)『んえ!?』
( ^ω^)『あっ、うむ…… ゴホン』
( ^ω^)『おばけの学校にゃ〜 試験もなんにもない♪』
( ^ω^)『いじめもない! だから、ほっとけなかったんだおっ』
( ^ω^)b キリッ
(*'A`)「うわぁ…… 幽霊に助けられちゃったよ俺」
(*'A`)「昼間だってのにどうもありがとうございます!」
- 24
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/02(月) 20:00:50.28 ID:hn+HidRo0
- ( ^ω^)『人間界では幽霊は闇を好むというのがもっぱらの定説であるが』
( ^ω^)『僕のようにお日様の光が好きな幽霊もいるのだ… キリッ』
(;^ω^)(でまかせで切り抜けるお)
('A`)「へぇー! やっぱり幽霊のことは幽霊のことが一番詳しい!」
( ^ω^)『君の名前はなんていうんだお?』
('A`)「俺? 俺はドクオだよ! VIP小学校5年2組!」
( ^ω^)『へぇー 僕もそこを卒業したお。 山田先生は元気?』
('A`)「え?」
(;^ω^)『あwwww なんでもないwww』
( ^ω^)『おばけの学校である別府小学校と聞き間違えたんだお キリッ』
- 27
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/02(月) 20:05:24.65 ID:hn+HidRo0
- ('A`)「ふーん! おばけの学校は別府にあるんだね」
( ^ω^)『そうだお。別府はいわば幽霊たちのセンター街だからな… キリッ』
(;^ω^)(地理20点の僕は別府がどこにあるかもわからんというのにwww)
('A`)「幽霊さんの名前は? ってか種類? 人型だからやっぱり座敷わらし?」
('A`)「でも身体おっきぃよねえ」
( ^ω^)『僕の名前はブーンだお』
('A`)「ブーン? うーん。初耳だなあ」
( ^ω^)『そもそも幽霊や妖怪やお化けの名前など、人間の都合で決めているのにすぎないのだ キリッ』
('A`)「じゃあブーンは俺らの言葉でいうと、何に当てはまるの?」
- 30
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/02(月) 20:09:08.09 ID:hn+HidRo0
- ( ^ω^)『んえ?』
(;^ω^)『えーーーっとぉ』
( ^ω^)『ドンチッチ』
('A`)「そんなのいないよ」
( ^ω^)『妖怪にこにこボーイ』
('A`)「そのまんまじゃん」
( ^ω^)『オバQ』
('A`)「藤子不二雄?」
(;^ω^)『もう!そういうのはいいから! 世の中は広いんだおっ!!』
('A`)「確かに! 分かったよ! ブーン、よろしくね!」
( ^ω^)『う、うん』
- 32
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/02(月) 20:15:21.32 ID:hn+HidRo0
- 誰も自分のことを知っている人がいない代わりに
自分の姿を見ることができる人に出会ったブーン。
ドクオの歩みに合わせるまま、道を歩いていました。
('A`)「でさぁー…… あいつら馬鹿だよね。きっと心霊スポットを訪ねる時間帯を誤ったんだ」
( ^ω^)『心霊スポットは流行り廃りがとっても早いからな キリッ』
('A`)「そうなんだ…。じゃあ、俺の町の心霊スポットはきっと時代遅れになっちゃったんだなっ」
( ^ω^)『多分そうだお… ん?』
( ´∀`)
( ^ω^)『ゴッドだお』
('A`)「え?」
( ^ω^)『なんでもないお。ちょっと先行っててくれお』
- 33
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/02(月) 20:19:48.43 ID:hn+HidRo0
- ('A`)「うん。わかった。そのままどっか消えるなよっ。向こうの駄菓子屋にいるから」
たったった・・・・
( ´∀`) 『やあ。調子はどうだね』
(;^ω^)『頭の痛みはひきましたお』
(;^ω^)『でも、もうアテがどこにもないですお〜』
( ´∀`) 『そうか! それでは輪廻からお前を外すよう事務局に…』
(;^ω^)『いやっ! まだタイムリミットがありますお!』
( ´∀`) 『はっはっは。冗談だ。ところで、生身の人間と会話をしていたじゃないか』
(;^ω^)『はい……』
- 34
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/02(月) 20:25:03.24 ID:hn+HidRo0
( ^ω^)『どうやらあの子は霊感が強くて僕の姿が見えるらしいですお』
( ´∀`) 『そうか。それは良かったじゃないか。何か活路を見出せるかもしれぬ』
( ´∀`) 『それよりも、なによりも、一人ぼっちだったが友達ができて良かったじゃないか!』
友達…………
生きているときの僕は……
友達なんかいたっけ………?
(;^ω^)『また頭が痛くなってきましたお』
( ´∀`) 『ふむ。しょうがないと割り切ってこれからも頑張りたまえ』
( ´∀`) 『それじゃあな!』
そう言うと神様はどこかへ消えてしまいました。
ブーンは頭を抱えながら、ドクオのもとへと急ぎます。
- 36
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/02(月) 20:29:04.72 ID:hn+HidRo0
- (雲の上)
〜〜〜( ´∀`) 「あー。早くウイイレやりたい」
( ・∀・)「…」
( ´∀`) 「おお、君は確か死神の」
( ・∀・)「モララーです」
( ・∀・)「神様、あの男の子…」
( ´∀`) 「今んところあやつの姿が見えるのはあの子だけだ」
( ・∀・)「とすると…?」
――運命のイタズラってやつをしてみたのだよ。
このままじゃあまりにも八方塞だからな。
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