51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 19:46:27.18 ID:wQ0IlgeX0
( ^ω^)『…』

( ^ω^)『いつまでもここでくよくよしてちゃ、何も始まらないお』

( ^ω^)『そうだ、学校に行くんだお』

( ^ω^)『学校には、たくさんの生徒がいるお』

( ^ω^)『僕のことを覚えている友達も… たくさんいるはずだお』


ブーンは重たい腰を持ち上げました。
いくら辛いことや悲しいことがあったとしても、それらは全て死後のこと。
そう割り切って進むしかないのです。


( ^ω^)『よっこらセックス』


⊂ニニニ( ^ω^)ニニ⊃『学校に行くお!』


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 19:49:40.70 ID:wQ0IlgeX0
( ^ω^)『この町並みのことは、だいぶ思い出してきたお!』

( ^ω^)『次の角を曲がれば学校が見えてくるはずだお!』

たたたた・・・

( ^ω^)『あった!』




( ^ω^)『僕の教室は… 三階だお』

( ^ω^)『いちいち階段を上っていくのは面倒だお』

( ^ω^)『…飛べるかな?』

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 19:52:30.15 ID:wQ0IlgeX0
ブーンはとりあえず力んでみました。


(  ゚ω゚)『ふんぬおおおっ―――!!!!』

ブッ!

(;^ω^)『屁が出たお』

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 19:53:58.65 ID:wQ0IlgeX0
( ^ω^)『テイク2だお!』

( ^ω^)『身体を軽くして…』

( ^ω^)『空も!』

( ^ω^)『飛べるはず!』


ぴょいん!



( ^ω^)『ぬおっ! 浮いとる!!』

⊂ニニ(*^ω^)ニ⊃『今僕は、宙を浮いているお〜!』
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 19:58:47.07 ID:wQ0IlgeX0
( ^ω^)『待ってろ旧友たち!!』


ブーンは三階の窓辺に向かってゆらゆらと飛んでいきました。


( ^ω^)『窓なんか、すりぬけられるお!』

( ^ω^)『よっこら… しょっと』

( ^ω^)『侵入完了www ふひひwww』

( ^ω^)『……懐かしい顔ぶれだお〜』





( ´_ゝ`)「…であるからして、ここがこーなっておちんちんびろーん」

(´・ω・`) 「なるほど、今のはテストに出るね」

( ゚∀゚)「要チェキだな」

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 20:03:14.61 ID:wQ0IlgeX0
( ^ω^)『流石先生だお! 僕です!ブーンです!覚えてますお?』

( ´_ゝ`)「いやー最近は物騒な事件が多い」

( ´_ゝ`)「下着泥棒とか幼女監禁とか」

(´・ω・`) 「そんなことより授業を進めてくださーい」

( ´_ゝ`)「そうだな」

(^ω^ )『ショボンだお! 相変らず優等生だお!』

( -∀-)「…すぴぃ〜」

( ^ω^)『ジョルジュ! 居眠りしちゃダメだお!』

ξ゚听)ξ「ちょーおなかへったしい」

(*゚ー゚)「学校終わったらどっか食べいこうよ」

ξ゚听)ξ「そーね」

( ^ω^)『クラスの美少女二人だおwwww 相変らずかわええwwww』

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 20:05:20.75 ID:wQ0IlgeX0
( ^ω^)『…』

( ^ω^)『ヤバイwwww 教室ヤバイwww なつかしすぐるおwww』


( ^ω^)『さあて、僕も一緒に授業を受けてみるおー』

( ^ω^)『僕の席はどこだっけ…?』
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 20:08:38.75 ID:wQ0IlgeX0
( ^ω^)『思い出した! 確か窓側の一番後ろの席だお!』

( ^ω^)『バレないからってよく居眠りしてたんだお!』

⊂ニニ( ^ω^)ニ⊃ ぶーん

( ^ω^)『おお… 懐かしき我がデスクだお』


( ^ω^)『…』



( ^ω^)『えへへ〜 こりゃー一体どういうことだお?』

( ^ω^)『みんな忘れん坊さんだお』

( ^ω^)『…花瓶の花が、枯れてる』
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 20:11:50.00 ID:wQ0IlgeX0
( ^ω^)『まあとりあえず、座るお』

( ^ω^)『ん? なんだお、この落書きは』

(;^ω^)『…ぶー、ん 死、ね?』



( ^ω^)『冗談はよしてくれおwwwww 僕はもう死んでるおwww』



( ^ω^)『…』

(;^ω^)『んんっ!?』


ブーンは机に書かれていた沢山の落書きを見ていきました。
それら一つ一つが、ブーンの心を串刺します。
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 20:18:00.02 ID:wQ0IlgeX0

( ^ω^)『ブーンはくさい…』

(;^ω^)『くたばれ白ブタ…』

(; ω )『学校来るな…』





(; ω )『…』





( ^ω^)『生前の僕は、誰かから猛烈に嫌われていたらしいおwww こりゃあ困ったwww』

( ^ω^)『教科書を出してみるお!』

( ^ω^)『いっつも置き勉だったから、残ってるはずだお!』

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 20:19:12.71 ID:wQ0IlgeX0
( ´_ゝ`)「この、自殺を決心したときのKの心情を考えてみよう」

「うそ・大げさ・まぎらわしい」

( ´_ゝ`)「その通り」




( ^ω^)『えーっと… 今は国語の時間みたいだお』


ガサゴソ…


( ^ω^)つ□『あったお!』


(  ゚ω)つ□『…って』




(  ゚ω)つ□ (びりびりにページが破かれてるお……………!!!!!!)
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 20:21:19.21 ID:wQ0IlgeX0
ガサゴソ…



( ^ω^)『これも、これもだお』

(;^ω^)『一体どういうことだお!?』



(; ω )『―――――――ウッ』





その時でした。 
ブーンの身に、突然激しい頭痛が襲い掛かったのです。




(; ω )『い、痛い! 頭が痛いお!』
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 20:25:14.18 ID:wQ0IlgeX0
                    「は? 誰もお前のこと友達だって思ってないし」

            「貧乏がうつるからこっちくんな」


  「アンタと一緒にいると評判下がるのよ」

                「お、ブーンだけか? 余ったのは? ちゃんと四人組で班作れっていっただろ」

                              「おまえんち貧乏だから修学旅行いけないんだろ?wwww」

        「お前のカーチャン、いっつもケバイ化粧でどっかの男と歩いているよな」


                 「うざい」          「きもい」         「邪魔」

        「消えろ」           「ないわ〜www」     「まじKY」      「同じ空気吸いたくない」






                  

                            「死ね」

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 20:27:25.82 ID:wQ0IlgeX0
頭を抱えてブーンは立ち上がりました。



(; ω )『く、苦しい!!! 苦しい!!!!』




ブーンは教室の窓を開けました。
すると真っ逆さまに落ちていきました。



そして、地に着こうとする瞬間、魂であるブーンの身体はふわんと浮きました。




(  ω )『…』
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 20:30:42.36 ID:wQ0IlgeX0
地面すれすれで、ふわふわと宙に浮くブーンの魂。


見上げる青空の、青さが、逆にブーンにとっては憎らしく見えるのでした。











( ^ω^)『う、ううっ…』

( ´∀`)

( ^ω^)『ゴ、ゴッド…』

( ^ω^)『な、なんだか苦しいお。 頭がすこぶる痛いんだお』
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 20:33:43.17 ID:wQ0IlgeX0
( ´∀`) 『多分、しぼんでいた記憶の蕾が一気に開いたから』

( ´∀`) 『お前の頭はいっぱいっぱいになっているんだ』

( ´∀`) 『そのうち収まるさ…』



(;^ω^)『ぼ、僕は…』

(;^ω^)ゴクリッ


(  ω )『母子家庭で…   いじめられっこだったお…』

ズキン!



(;^ω^)『あ、頭が…』



( ´∀`) 『ほう、それで?』
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 20:36:42.76 ID:wQ0IlgeX0
(;^ω^)『それなのに! なんで地獄行きだお!?』


(;^ω^)『…完全に記憶は取り戻したお』


( ;ω^)『なにも!!!! 悪いことなんかやっていないお!!!』


( ;ω^)『生きているときで、辛いことはもう散々味わったんだおーー!!!!!』



( ;ω;)『なのに… どうして…?』







( ;ω;)『…』

(´∀` )『…』
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 20:39:40.84 ID:wQ0IlgeX0
( ´∀`) 『魂のくせに、涙流したり感情豊かなやつだな』

( ´∀`) 『いいか、ワシがお前を下界に戻した理由は、何も
       お前を覚えている人物を探せ ということだけではない』



( ^ω^)『…?』



( ´∀`) 『雲の上での会話を覚えているか?』



( ´∀`) 『…』

( ´∀`) 『お前は、地獄行きに相当する大罪を現世で犯したんだ』
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 20:42:19.51 ID:wQ0IlgeX0
(;^ω^)『そんなこと!!! していないお!!! 』



( ´∀`) 『いーや、神の情報は絶対だよ』



(;^ω^) 『地獄に送られるような大罪なんて… して… ないお…』


( ´∀`) 『そんなことを言うようだったら、まだまだ記憶は完全に戻っていないな』




( ´∀`) 『まだ時間はあるんだ』

( ´∀`) 『思い出せ』






(;^ω^)『…』
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 20:44:44.65 ID:wQ0IlgeX0
( ´∀`) 『健闘を祈るよ』



その言葉を残して、神様はブーンの眼前から消えました。




( ^ω^)『……』



( ^ω^)『とりあえず、歩くお』
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 20:47:37.65 ID:wQ0IlgeX0

( ^ω^)『公園に着いたお』

( ^ω^)『ベンチに座るお』

( ^ω^)『これからどうするお?』




学校… 家庭…

そのほかに自分のことをハッキリと知る人物がいる場所…


(;^ω^)『どうしよう。 さっぱり思い当たらないお』
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/06/06(金) 20:50:05.22 ID:wQ0IlgeX0
ブーンは、自分がかつて生きていた世界の狭さを感じて、悲しくなりました。

そして、そこでの生活を思い出すと、涙が出ました。



どうしようもなく、ただ、ぽたぽたと溢れました。








( ´ω`)『…』



いつの間にか、ブーンは眠っていました。
「魂でも眠たくなるんだなあ」 そんなことを、薄れていく意識の中でブーンは思っていました。

戻る

inserted by FC2 system