210 名前:プレゼントはCcup :2006/12/09(土) 19:36:46.06 ID:Q0mtIIiY0
十日後、奇妙な客がブーンたちのいる宿へ訪れた


ξ゚听)ξ「・・・邪魔するわよ」


遠慮のない仕草でふすまを開けた女に、ブーンは見覚えがあった


( ^ω^)「・・・なにしにきたんだお」


傍らにはモナーが寝ている

211 名前:プレゼントはCcup :2006/12/09(土) 19:42:02.51 ID:Q0mtIIiY0
ξ゚听)ξ「誤解をしてたの」

( ^ω^)「何を言うのかわからないけど、意味があるとは思えないお
      若様が大怪我した。それが全てだお」

( ´∀`)「ブーン、聞いてやろう」


いつの間に起きていたのか


( ´∀`)「城に忍び込んでおいて怪我の責任をなすりつけるのは
      スジが通らぬぞ」


女はぎこちなく座り、手をついて頭を下げた


そして頭をあげ、言い切った


ξ゚听)ξ「VIP藩主 耳無しモナの輔博之は抜け荷をしておりました」

212 名前:プレゼントはCcup :2006/12/09(土) 19:44:38.20 ID:Q0mtIIiY0
( ´Д`)「・・・!?」

( ^ω^)「え・・・密輸?」

ξ゚听)ξ「左様です」


それがばれて、切腹になったのだという。


( ´д`)「得心ゆかぬ。ならばなぜ罪が明らかにされなんだか」

ξ゚听)ξ「抜け荷はVIP藩のみにとどまりませぬ」
215 名前:プレゼントはCcup :2006/12/09(土) 19:51:09.68 ID:Q0mtIIiY0
他藩の抜け荷がより深く潜行してしまうことを警戒した幕府は

切腹の理由を明らかにしなかった


( ^ω^)「あの殿様が・・・抜け荷とは・・・」

( ´∀`)「いやブーン、わしはわかる・・・
      耕作に使える土地がわが藩には少ない・・
      領民を植えさせぬための副産物事業と
      同じことであったろう・・・法度であること以外は」


ξ゚听)ξ「幕府は南蛮との貿易により、その思想に侵される藩がでることを
      危惧しております。
      また、石高減少による収入減も・・・」

( ´∀`)「イスパニヤは・・・それほどなのか?」

ξ゚听)ξ「は」

216 名前:プレゼントはCcup :2006/12/09(土) 19:54:39.07 ID:Q0mtIIiY0
( ´∀`)「ふむ・・・」

( ^ω^)「イスパニヤがどうしましたかお?」

( ´∀`)「お前に説明してもわかるまいて」

(#^ω^)「(わかるもん!わかるもん!)」


バテレンは上陸の足がかりとして貿易をなすという

そしていつの間にか、植民地化、奴隷化へと落とされる・・・


ξ゚听)ξ「神君以来の悩みの種です」

217 名前:プレゼントはCcup :2006/12/09(土) 19:58:04.07 ID:Q0mtIIiY0
( ´∀`)「しかし・・・わが藩の特産物は好評だったのだがのう・・・
      抜け荷に手を出すほど困窮していたとは・・・」

( ^ω^)「わが藩特産のイベリコ豚の生ハムは鍋によし、肴に良しですお」

ξ゚听)ξ「それ、抜け荷です」


( ^ω^)( ´Д`)「!?」


( ´Д`)「え・・・?イベリコの木になる身を塩漬けにしたものじゃぞ・・?わが藩の・・・」

( ;^ω^)「若君、この女もしやウソを・・・」


ξ゚听)ξ「あれは豚肉です」

218 名前:プレゼントはCcup :2006/12/09(土) 19:59:19.29 ID:Q0mtIIiY0
濃厚だとは思っていた

味わいも、どの木の実にも似ていなかった・・・

しかし


( ´Д`)「まさか抜け荷だったとは・・・」

( ^ω^)「まったく気づきませんでしたお・・・」

219 名前:プレゼントはFcup :2006/12/09(土) 20:01:18.58 ID:Q0mtIIiY0
ξ゚ー゚)ξ「・・・ハァ・・・ふふっ」


( ´Д`)「いやしかし」
( ^ω^)「なれどあれは」


ξ゚听)ξ「もう一つ教えてあげます。('A`)のことです」


( ^ω^)「あ、あいつには礼も言わないといけないんだお」
221 名前:プレゼントはFcup :2006/12/09(土) 20:05:45.18 ID:Q0mtIIiY0
ξ゚听)ξ「言いたければ止めませんが、あれは他藩の忍びです」

( ^ω^)「あー・・・そんな感じはするお」

( ´∀`)「わし、会ったことないんじゃが」


抜け荷の締め付けが厳しくなった昨今、抜け荷による収益を諦めて

海外の種子のみ密輸し、それを栽培する藩が増えてきたと女は説明した

222 名前:プレゼントはFcup :2006/12/09(土) 20:08:46.25 ID:Q0mtIIiY0
ξ゚听)ξ「('A`)が江戸城に忍び込んだのは、その種子を得るためです
       城には応酬した抜け荷が、サンプルとして保管してありますので」

( ^ω^)「じゃあ駿府城のときは・・・」

ξ゚听)ξ「バレンシアの種ですね。そうでしょう」



( ´∀`)「・・・」

( ´∀`)「少々疲れた。女、貴重な話を聞かせてもらった
      下がって良いぞ」

223 名前:プレゼントはFcup :2006/12/09(土) 20:09:54.15 ID:Q0mtIIiY0
ただ、父の死の理由を知りたかった

そして知ったのは、日ノ本の国が置かれている状況と

父の犯罪の事実だった


( ´∀`)「・・ままならぬのう」

224 名前:プレゼントはFcup :2006/12/09(土) 20:11:59.13 ID:Q0mtIIiY0
( ^ω^)「若君・・・」

( ´∀`)「ときにブーン、(,,゚Д゚)との斬り合いじゃがの・・」


身を盾にするそぶりも見せずに、(,,゚Д゚)に斬りかかったブーン


( ^ω^)「・・・」

( ´∀`)「・・・」

( ^ω^)「お褒めの言葉、かたじけのうござりまするお」

225 名前:プレゼントはFcup :2006/12/09(土) 20:15:23.56 ID:Q0mtIIiY0
( ´∀`)「なんじゃ、まだ何も言っておらぬぞ」

( ^ω^)「お褒めいただけるものと確信しておりますお」

( ´∀`)「なんじゃつまらぬのう
      てっきり『若君を見捨てて敵に斬りかかって申し訳・・』とか
      いうと思ったのに」

( ^ω^)「この内藤蔵ノ介武運、若君に忠烈申し上げまするお」

( ´∀`)「つまらぬわ、あほう」

226 名前:プレゼントはFcup :2006/12/09(土) 20:22:51.66 ID:Q0mtIIiY0
六畳間には埃が浮かび 日差しはゆるく輝いて


 ( ´∀`)「しかし種泥棒と間違われるとはのう」


二本脇差腰に佩び 傷の若君の傍らを


 ( ^ω^)「三河に帰りますかお」


てくてく歩くてく歩く 


( ´ー`)「・・・」

( ´∀`)「いや、このまま北に行こう」

( ^ω^)「えっ?」





         ( ^ω^)の忠臣蔵  完
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