- 159 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 17:14:49.59 ID:W8fZlT2d0
- 江戸
世界最大の都市
神君家康によってこの都市は渦巻状に面積を広げる運命を課せられていた
人口増加を見越し、それに対応する土地開発も予定に組み込まれた都市である
( ´∀`)「話には聞いていたが・・・でかいのう」
( ^ω^)「向こう側が見えませぬお」
- 160 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 17:16:48.23 ID:W8fZlT2d0
- ( ´∀`)「まずは腹ごしらえかの」
( ^ω^)「名物ですな!おまかせくだされ!」
( ´∀`)「いや、あれ、あれ見ろ」
( ^ω^)「は?」
そこには一軒の飯屋 何人もの男が出入りしている
( ´∀`)「繁盛しているようではないか。うまいに違いない」
- 161 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 17:19:03.11 ID:W8fZlT2d0
- ('A`)「えらっしぇー」
( ^ω^)「・・・」
開けっ放しの戸をくぐると、中は光も十分にささぬ、昼なお薄暗い
しかし何人もの女中が忙しく働き、活気はあった
( ´∀`)「おいブーン、あれを頼め。あの品書きの右から二番目」
( ^ω^)「・・・え?あ、はい。えーと、とせうけください」
- 162 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 17:21:16.81 ID:W8fZlT2d0
- ('A`)「へい!とせうけ二つね!」
( ´∀`)「あれ!?」
('A`)「うちは他所からの客も多いもんでね、いちいち訂正してらんねえんだ」
( ^ω^)「なんなんですかお」
( ´∀`)「いや、なんでもない」
どじょう汁がふたつ 二人の前に置かれた
- 164 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 17:27:50.31 ID:W8fZlT2d0
- 平らげて外に出る
ブーンは「とりあえずVIP藩の江戸屋敷があったところへ行こう」とのモナーの案を留め置き
店の近くで時間を潰した
午後の日差しは二人の脚に降り注ぎ、まるで力を分け与えてくれるようだった
飯屋の出入りが少なくなり、のれんが片付けられるとブーンは店へ入った
( ^ω^)「店主。なぜまたここに?」
- 165 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 17:29:33.73 ID:W8fZlT2d0
- ('A`)「へえ、土いじりにも飽きましたんで、ちょっくら江戸で一旗あげようかと」
( ^ω^)「・・・深くは聞かないお。なんか情報ないかお」
('A`)「情報、といいますと?」
忙しく手を動かしながら、貧相な顔('A`)の男はブーンの相手をする
- 166 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 17:32:05.82 ID:W8fZlT2d0
- ( ^ω^)「流れ者は何でも知ってるって言ったお」
('A`)「いいましたかね」
( ^ω^)「我らが何者か知っているかお?」
('A`)「知りやせんやそんなこと」
( ^ω^)「じゃあお前は何者だお」
('A`)「深くは聞かないんじゃなかったんですかい?」
- 167 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 17:34:43.62 ID:W8fZlT2d0
- ( ^ω^)「・・・」
ともかくこれまで、助けられてはいても、この貧相な男('A`)に
迷惑はかけられていない。
意を決して聞いてみた
( ^ω^)「元VIP藩の江戸詰めの人間を探しているお」
表ではモナーが脚を温めている
- 168 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 17:38:10.39 ID:W8fZlT2d0
- ('A`)「VIP藩・・・お取り潰しになったVIP藩ですか?」
( ^ω^)「そうだお」
('A`)「・・・無用心ですよ内藤様」
忙しく動いていた('A`)の手が止まっている
- 170 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 17:43:36.88 ID:W8fZlT2d0
- 駿府
(,,゚Д゚)「ふむ・・・それでその男は?」
「取り逃がしましてございます」
ξ゚听)ξ「なにをやっていたの・・・まったく」
「それが・・・情報が錯綜しておりまして・・・
人相の暗い男だったとの証言がある一方、
太った稲妻のような男であったとの証言もあり・・・」
(,,゚Д゚)「二班に分けたか」
「は・・・」
(,,゚Д゚)「(うつけが・・)」
- 172 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 17:58:42.18 ID:W8fZlT2d0
- ( ^ω^)「やはり知っているのかお」
('A`)「無用心だと言っているんですよ。VIP藩の名など出せば
お上が警戒します」
( ^ω^)「・・・」
('A`)「理由のわからぬ藩取り潰し・・・
そしてその藩士が江戸へ・・・跡継ぎを連れて」
( ^ω^)「・・・」
('A`)「いいですか。談判など お や め な さ い」
- 173 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 18:01:01.95 ID:W8fZlT2d0
- 岡崎
(,,゚Д゚)「それで、邪魔した男と言うのは?」
「あたかも疾風、あたかも雷迅、人とは思えぬ迅さでありました」
ξ゚听)ξ「またあんたは、めんどくさい物言いをするわね」
「さりとてぶよぶよ、ぶよぶよでございました」
(,,゚Д゚)「ぶよぶよ・・・?」
- 174 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 18:03:35.94 ID:W8fZlT2d0
( ´∀`)「不愉快じゃ。我らはもう発つ。あとはお前等が休め
行くぞ内藤!」
(,,゚Д゚)「・・・!内藤!内藤蔵ノ介!あのデブだ!」
二人は江戸へ駆けた
- 175 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 18:06:53.98 ID:W8fZlT2d0
- ブーンは憤慨して店をでた
ひなたぼっこポワワ(*´∀`*)ポワワの真っ最中のモナーのところへ行くと
参りましょう、と手を引いて大股で歩き出した
どうしたと問うモナーの言葉に返事もせず
('A`)「うまく動いてくれるといいが・・・」
- 176 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 18:09:51.13 ID:W8fZlT2d0
- ( ^ω^)「ぽけぇ・・・」
( ´∀`)「ぽけぇ・・・」
江戸について五日がすぎた
方々歩いてVIP藩士を探したが、どこにもいなかった
元江戸屋敷はしっかり封鎖され、取引のあった商家も何も知らず
岡場所では「藩の名を出して遊ぶ方なんていらっしゃいませんよ」と言われた
- 177 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 18:12:33.71 ID:W8fZlT2d0
- ( ^ω^)「あとは吉原くらいしか・・・」
( ´∀`)「ムダじゃろう。うちの藩士に金はない」
宿屋の二階、日差しが妙にあたたかい六畳間で
ふたりはぽけぇとしていた
( ^ω^)「でも吉原くらいしか・・・」
( ´∀`)「行きたければ外から匂いでも嗅いで戻って来い」
( ^ω^)「匂いだけではなんとも・・・」
- 178 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 18:14:09.89 ID:W8fZlT2d0
- なんとなくごろんごろんとしてみると、
浮いた埃が日差しを反射して
それを見ていると・・・
( ^ω^)「若君・・・やる気でないっすお」
( ´∀`)「やる気だせぇ」
- 180 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 18:17:43.94 ID:W8fZlT2d0
- 何か知っていると思ったVIP藩士には会えず
モナの輔の死の真相は不明
あてもなくこの部屋にいても、情報が転がり込んでくるわけもなく・・・
( ´∀`)「やむなし。ブーン」
( ^ω^)「はいですお」
( ´∀`)「直談判じゃ」
- 181 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 18:22:33.74 ID:W8fZlT2d0
- 月のない夜である
目的からすれば、絶好である
ただ、目的が
( ^ω^)「本当に忍び込むんですかお」
( ´∀`)「他の方法がわからん」
( ^ω^)「しかも若君を背負って」
( ´∀`)「わしはお前の様に身軽ではない」
- 182 名前:靴下右 :2006/12/09(土) 18:26:04.52 ID:W8fZlT2d0
- 江戸城、人影はなし
しかし全ての方向からなにかに見つめられているような圧迫感
しかしブーンの気持ちは決まっていた
モナ次郎が望むのなら、そしてそれに役立てるのなら、
体も、技も、全て使うつもりでいた
( ^ω^)「(とはいえ・・・)」
( ´∀`)「ゆくぞ、ブーン」
( ^ω^)「(これは成功しないんじゃないのかお?)・・・・は!」