- 38 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:44:55
第五話 『道徳放棄の日 中編』
その頃
川 ゚ -゚)d「……何? 逃がした? お前らの失敗振りは本当に流石だな、流石兄弟」
クーは無線を切る。乱暴に。
川 ゚ -゚)「ブーン」
内藤が走って近づいてくる。全裸で。…………じゃなかった、慌てて。
( ^ω^)「捕まえたかお?!」
ハマチ
川 ゚ -゚)「残念だがまだまだのようだ」
イカ
( ^ω^)「……使えない奴らだお……」
大トロ
川 ゚ -゚)「まったくだな」
……寿司食いながら暢気なこといってんじゃねえ #
( ^ω^)「……自分ばっかり食ってないで僕にもくれお……これは僕がもらったお!!」
内藤がどこからともなく箸を取り出し、寿司に迫る。
だが、それも空しくクーに0.5秒の差でそれを奪われた。
川 ゚ ー゚)「残念、それは私のおいなりさんだ」
- 40 :投下再開 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:49:10
その頃ギコ達は
( ,,゚Д゚)「……ここまで来れば大丈夫だよな……」
(*゚ー゚)「そりゃそうでしょ」
どこの山だか分からないところに来てしまった。
お前ら一体どこまで逃げる気だ?
間違いなく『どこまでも』と答えるだろう。
( ,,゚Д゚)「……これじゃただ単に鬼ごっこをやっているようなもんだ。逃げ続けるにしても定住したい。」
(*゚ー゚)「そうね、テントなんか張って寒さをしのぎたいわね」
現実的に不可能だ。
彼らは金を持っていない。食うことと、衛生面にだけは困らない。
だがどうだ? 衣は? 服もだんだんボロボロになっていく。
住は? 逃げるだけじゃ駄目で、疲れをとれる空間が必要だ。
パープルブラッドは能力発動中の運動による疲れは出ない。それでも、精神、普通の状態での肉体は
ずっと傷ついていく。
( ,,-Д-)「……しんどいなあ……」
(* - _ -)「…………それを言っちゃおしまいでしょ」
- 41 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:49:51
その頃
( ・∀・)「……また君達か……何度言ったら分かるんだね?……チャンスには応援を呼べと言っただろう……」
(;´_ゝ`)(´<_`;)「すみません。すみません。この通りです。」
( -∀-)「……君達にはこういう仕事は向いていないんじゃないのか?」
当り前だろ、あんたが緊急でこんな慣れないことをこいつらにやらせているんじゃないのか。
( ・∀・)「……もういい、君達は今日はもう帰って寝ていなさい」
(#´_ゝ`)(´<_`#)「アヤマッテイルダロ!!」
…………さ……逆切れかよ……
モララーは二人を追い返し、無線を取り出した。
( ・∀・)「……クーか? 今から作戦を行う。完全に彼らを捕らえるぞ……いいか、それでな…………
その頃
(*゚ー゚)「もう随分歩いたわ……お昼にしましょう」
( ,,゚Д゚)「ああ……でもここは山だぞ……食える草があるかなあ……あっ!!」
(*゚ー゚)「……草……おいしくないかもしれないけど、こんな機会滅多に無いわよ……」
もう一度言っておくが、彼らは体に有害なものは瞬時に解毒してしまう力を持っている。
( ,,゚Д゚)「…………生ゴミを喰うよりは圧倒的にましだな」
二人は山にある、一番軟らかい有機物を食べ始めた。
( ,,゚〜゚)「……んなかなか美味い……」
(*゚〜゚)「……そうね……思っていたよりかは……」
幸か不幸か。二人は初めて草の味を知った。
未知の世界に足を踏み入れることは、勇気の要ることである。
- 42 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:50:24
( ・∀・)「みんな集まっているな……」
モララーは各地に散らばった捜索隊を兄者と弟者が失敗したところに召集した。
川 ゚ -゚)「お前らにはあの山に向かってもらう」
クーが指差したそれは、まさに今ギコ達がいる山だった。
川 ゚ -゚)「ここら辺は民家ばかりだ。隠れることができるとすればあそこしかない」
( ^ω^)「おっおっおっおっおっ」
モララーが作戦を説明する。とにかく山を囲むように移動してから山に突撃すると言うことらしい。
そして、
山狩りが盛大に始まった。
- 43 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:51:05
( ,,゚Д゚)「さて、そろそろ山を出ないといけないな……帰り道はどっちだっけ……」
(*゚ー゚)「忘れちゃったわ、どっちにしろ後ろには動かないほうがいいでしょ」
( ,,゚Д゚)「…………あっ!!!」
ギコが山のふもとの方を指差す。
(*゚ー゚)「あれは…………何であの人達、私達がここにいるって分かったんだろ……」
五人ぐらいだろうか、小隊を作っている。それが何グループも山に登ってくる。
( ;゚Д゚)「……どうする?!」
(;゚ー゚)「わ、私に訊かれても……とにかく逃げるだけなんでしょ?」
気づかれた。あいつらいきなり駆け足になっている。ギコは心の中で叫んだ。
しかし、ここは冷静に行動する。……反対に逃げるぞ!…………だめだ、
向こう側からもやってきやがった。
( ;゚Д゚)「…………まずいな」
なにかないかなにかないかなにかないかなにかないかなにかないかなにかないかなにかないか
パニックとはこのことだ。
ふと、ギコの眼に木が映る。
- 44 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:51:44
( ;゚Д゚)「これだ、これに登るぞ」
(;゚ー゚)「え? 私、木登りなんてやったこと無いよ?」
( ;゚Д゚)「…………………………………………………………………………」
( ;゚Д゚)「…………パープルブラッドなら大丈夫だ!! 大ジャンプで一気に登ろう!」
(;゚ー゚)「……分かったわ……行きましょ!!」
12の3!(12の3階乗)で、二人は同時に跳んだ。
( ,,゚Д-)「ん?…………はっ!!……」
気づいたときには木の上に来ていた。
ゆっくりと世界が動く。
そして柔らかく、木の枝に着地。
(,,*゚Д゚)「……よし!……これなら逃げれる!!」
(*゚ー゚)「……でもここからどうするの? 大ジャンプだけで行くのは少し危険じゃない?」
( ,,゚Д゚)「……枝の上を走ろう……多分平衡感覚とかも最強(←使い方おかしいだろ)になっているだろう」
(*゚ー゚)「なんでそんなことが?」
( ,,゚Д゚)「……勘だよ!! とにかく行くぞ!!」
- 45 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:52:14
二人は走った。常人ではありえないバランス感覚。
体の動かし方が手に取るように分かる。
欲しくもない能力は、二人に不思議と爽快感を与えた。
逃げている途中だというのに、二人はアホではないのに。
今の二人はどうみてもアホだ。
「居たぞー!!」
二人を追いかけるように弾痕が木の幹や枝に刻まれる。
もうね、アホかと、馬鹿かと。
あのな、標的を追いかけて撃つなんてきょうび流行んねーんだよボケが。
お前は本当にそんなんで当たると思ってんのかと問いたい。問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。
標的の来る位置を予想して狙って、撃つ。これ最強。
しかしこれで外すとただ単にサボってると勘違いされる危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦めできない。
まあ、お前らド素人は物騒なもんしまって平和な生活を享受してなさいってこった。
- 46 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:52:43
夕方
二人は三時間は逃げ続けた。ギコ達は山から脱出、繁華街に出た。そして
( ,,゚Д゚)「……よし!……後は隠れられるところを見つけよう!」
前からあの女が現れた。
川 ゚ -゚)「まあまあ待ちたまえ、これを食らって少しは大人しくなったらどうだ?」
銃弾が二人の足を喰いちぎりにかかる。
狙いもかなり正確だ。そこらへんの素人とは違う。集中して狙っているようだ。
( ;゚Д゚)「くっ!」
足元を銃弾が屠る。危うく直撃するところだった。
川 ゚ -゚)「逃がすな!」
( ^ω^)「任せてくれお!」
なんと、あのマッドもなかなかの射撃能力ではないか。二人とも、かなり集中力は高いようである。
( ^ω^)「フゥハハハハハハーーー!!! ホント戦場は地獄だおーーー!!!」
(;゚ー゚)「……」
しかし、やはり弾は当たらなかった。
( ,,゚Д゚)「……こっちだ!!」
二人は逃げた。
- 47 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:53:11
- パープルブラッドのスペック改訂版
血の色が紫がかっている
遺伝子の突然変異による
その血は、他人の病気を完治させる
本人達は有害物質、生物による体調不良、病気にはならない
痛覚が非常に鋭い
潜在能力として、脚力の異常な増大
動体視力の強化
疲れを感じなくなる
平衡感覚の異常な強化など、逃げるためとも言える物がある。
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