- 16 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:27:16
第二話 『これからどうするか』
十分後、夕焼けに照らされた廃墟
( -∀-)「……逃げられてしまったな……こういう事態を防ぐために二人用意したのに……」
川 ゚ -゚)「ボス……気を落とさないでください」
(#・∀・)「落とすに決まっているだろ!!」
川;゚ -゚)「す、すみません……」
(;・∀・)「…………すまない。私らしくなかったな……」
おかしい……息子が病気になってから……
私の心は隙だらけだ……
あの女のフェイントにも簡単に引っ掛かった……
( -∀-)「……内藤博士?」
( ^ω^)「何ですかお?」
( -∀-)「なんかいい方法はないか?」
( ^ω^)「んんんんん。今のところは思いつきませんお。ただ、奴らは逃げ足だけは速いから
団員には変装をさせるべきですお。スーツは禁物ですお」
- 17 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:28:02
( ・∀・)「その……なんで逃げ足だけは速くなるんだ?」
( ^ω^)「それはまだ分かっていませんお。研究材料は今までに一体しかありませんでしたからお」
最後の『お』は要らねえんじゃねえのか?
( -∀-)「……今は何故か君のその口癖が気になるねぇ」
( ^ω^)「これは父親の遺伝ですお。全然治らないし、直そうともしませんでしたお」
( -∀-)(…………父親か……)
( ^ω^)「ところでお……ボスの息子さんが治ったらあの二人を研究材料にくれるのは本当ですかお?」
( ・∀・)「……ああ、本当だ。……ただし、あまり手荒なまねはしないでほしい……」
( ^ω^)「何でですかお? 命の恩人になるからですかお?」
川 ゚ -゚)「ボス、そういう甘いことを言っているからいつもあまりうまく行かないんですよ?」
甘い。
( ・∀・)「クー、とにかくここを中心に波紋を広げるように捜索隊を動かしてくれ、
何をして探し出してもいいが……家族を使っての脅迫とかはするなよ」
甘すぎる。
川 ゚ -゚)「……何故ですか?……すぐに見つかるでしょう?」
( ^ω^)「……息子さん、大丈夫なんですかお?」
そうだ。もっと厳しくならねば。
息子のために。
だが、このままでいいんだ。
息子は、……シャキンは助かる。
何故だかわからないが…………。
( ・∀・)「……何故かって? そんなのも分からないようじゃ商売人失格だな。
そんなんじゃ何も得られないぞ。失うだけだ。私は二人を探しに行ってくる。
じゃあ、後は頼むよ」
モララーはそう言って廃墟を飛び出した。
( ・∀・)(………………お前らの目的はお見通しだぞ……クー、内藤!……とんでもない奴だな……)
( -∀-)(まあ、私も強く言えた立場じゃないがな……)
- 18 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:28:42
モララーが出て行った後。
川 ゚ -゚)「……やれやれ……ブーン?」
ブーンは内藤のあだ名だ。由来は不明。
( ^ω^)
(^ω^)
川 ゚ -゚)「wwwちょwww何でこっち見たwwwww」
(゜ω゜) クワッ!
川 ゚ -゚)「恐いから止めろ。もうマッドサイエンティストの振りはいいぞ」
( ^ω^)「おっおっおっおっおっおっおっお」
川 ゚ -゚)(…………真性のマッドじゃないだろうな………………)
( ^ω^)「なんでもいいお。これが終わったら僕達の幸せな生活が待っているお」
川 ゚ ー゚)「そうだな…………じゃあ、そろそろ行くか……」
二人は不敵な笑みを浮かべ、廃墟を後にした。
- 19 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:29:22
三十分後
二人はできる限り逃げた。途中で急に足が遅くなってから歩いていた。
( ,,゚Д゚)「ちょっと待って」
(*゚ー゚)「どうしたの?」
( ,,゚Д゚)「何であんな大ジャンプが?」
(*゚ー゚)「分からないわ、でも昔不思議なことが起きたのよ」
( ,,゚Д゚)「どんな話?」
(*゚ー゚)「私もよく分からなかったんだけど……起こったことをありのまま話すわ
『昔、ぞぬに追いかけられたことがあって、全速力で走ったらぞぬが遠くにいた』
自分でも何言っているのか分からないけど、単に足が速かったとか、ぞぬが遅かったとか、
そんなちゃちなものじゃあ断じてなかったわ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったのよ……」
( ,,゚Д゚)「そうか……窮地に立たされたときの潜在能力みたいなもんなのかな」
(*゚ー゚)「そんなところでしょ」
(,,*゚Д゚)「…………なんか凄いな……」
ギコは少し自分の力を誇らしくも思った。
それが彼をどん底に落とすとも知らず。
( ,,゚Д゚)「……これからどうするの?」
(*゚ー゚)「…………とにかく、あの廃墟から離れるようにしましょ。家に帰っても誰か待ち伏せしているかも」
そして作戦会議が終わったら、牢屋にいたときのように他愛の無い会話をする。
社会問題、環境問題も今は現実を忘れるための切り札だ。
太陽が沈んで2時間
二人の腹時計がうるさく鳴った。
(,,*゚Д゚)「……腹減ったな……」
(//-/)「……そうね……」
- 20 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:30:03
( ,,゚Д゚)「……それにしてもどうしよう……財布持ってきてない……」
(*゚ー゚)「……私も無いの。……必要の無いときは持ち歩かない主義だから……」
( ,,゚Д゚)「……俺もそうなんだ…………どうするべきか……」
(*゚ー゚)「……まあ、今日ぐらいは我慢できるかもね……」
ギコの眼に何かが映り込んだ。
老人だ。寝そべっているアザラシのようなおじさん。
(*゚ー゚)「…………何見てるの?…………まさか、そんなこと考えてないよね?」
ギコは何も答えなかった。
(* - )「………………」
数秒の沈黙が流れる。
( ,, Д )「…………そのまさかだよ。…………安心してくれ、何も今ってわけじゃない。
だが、このまま走り続けてもエネルギー保存の法則に勝てるのかどうかは分からない……
いつかは……この生活をずっと続けるんだったら……
……そういうことも視野に入れないといけないだろ…………? 考えたくないけどさ…………」
重い。空気が重い。
(*゚ー゚)「…………安心して……逃げていればどうにかなるよ……考えれば……なんとかなるよ」
( ,, Д )「………………そうだな……」
- 21 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:30:51
三十分後
二人が出した結論は次の通り
( ´∀`)「いらっしゃいませー」
レジに一直線
(;´∀`)「な、何ですか?」
( ,,゚Д゚)(*゚ー゚)「……賞味期限切れのお弁当ありますか?」
(;´∀`)「えっ? あ、はい、賞味期限切れの弁当ね…………」
( ´ー`)「何の騒ぎだーよ」
( ´∀`)「あっ、店長、賞味期限切れの弁当ってどこにありましたっけ」
( ´ー`)「シラネーヨ」
一瞬でその場が凍りついたことは言うまでもない。
やれやれ、弁当、またレンジに入れてもらわなくちゃ……
あれ? 寒い?
ハハハハハハッ! 見ろ! まるで視線が氷のようだ!
戻る