3極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:14:07

第一話 『逃避行の始まり』

話は二日前の夕方に遡る。

( ´_ゝ`)┏━「…………とりあえず……ついて来てもらおうか」

( ;゚Д゚)「な、……何だ……?」
(……俺が何したって言うんだ???)

男はいきなり銃を突きつけられた。

( ;゚Д゚)(……誰もいない路地裏なんて通るんじゃなかった…………)


ところで俺、何かしたか?


男は後悔してもしきれないぐらい後悔した。

━┓(´<_` )「…………まあ、大人しくついて来てくれればそれでいい……」

(;゚ー゚)「…………」
(……これは…………どういう……?)

女も同じく、男とはまったく関係のない場所で同じ目にあった。

4極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:15:00

そして二人は強制的に移動させられ、

何の変哲もない──いや、ひとくせもふたくせもくぁwせdrftgyふじこlp──な廃墟に連れてこられた。

( ´_ゝ`)「入れ」

簡単な造りの、即席牢屋に男は閉じ込められた。

(´<_` )「入れ」

女は後からやってきた。

( ;゚Д゚)「………ど、どうも。」

(;゚ー゚)「……どうも……」


ところで………………


……何かしたのかな?


二人の頭の中はまだくぁwせdrfgtひゅじこlpだった。

5極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:15:50

牢屋の外では、二人を捕まえた、二人のよく顔の似た人間が喋っている。

( ´_ゝ`)「OK、手柄ゲットだな」

(´<_` )「流石だよな、俺ら」

( ;゚Д゚)「………………」

銃を突きつければ誰にでもできるだろ、あんな仕事。

男は心の中で悪態をついていた。

(;゚ー゚)「……………………あの……」

( ;゚Д゚)「えっ?! あ、すみません……」

男はやっと我に帰った。

(;゚ー゚)「…………とりあえず……私はしぃです……よろしくお願いします……」

とりあえず何も会話が無いのもおかしい。というわけで自己紹介をしたようだ。

( ,,゚Д゚)「え? あ、はい、そうなんですか…………あっ失礼!……俺も名乗りますね……ギコと申します……」

簡単な自己紹介は、確実に二人の心を緊張から開放した。

( ´_ゝ`)「俺は兄者だ、よろしくな」

(´<_` )「俺は弟者だ、よろしくな」

……# てめーらの自己紹介なんざ聞きたくねえ #……

ギコとしぃは心の底からそう思った。(顔が思ったよりも恐いのでAAで表現できません。)

6極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:16:50

二人は喋った。不安を無くすため、飽きないため、ここが牢屋であることを忘れるため。

兄者と弟者の暢気な監視員の出す割り込みは完全スルーで。

今思えば、彼らの逃避行はこの時点から始まっていたのかもしれない。

逃げるのが巧いな。この二人。

二人の会話によると、

ギコもしぃも現在22歳で、大学は卒業したが良い職に出会えず、一人暮らしで、未だに就職活動中である。

と、共通点が多いようだ。

そして兄者と弟者は……

そんなスペックはどうでも良い? あ、はい、分かりました……

( ,,゚Д゚)「……ところで…………あの、……よかったら丁寧語は無しにしませんか?」

(*゚ー゚)「どうしてですか?」

( ,,゚Д゚)「……いや、これからも会話する機会はあるだろうし、
あんまり堅苦しいのもどうかなあって思いまして……」

(*゚ー゚)「……わかりました。そちらも丁寧語は無しでお願いしますね。」

( ;゚Д゚)「……わかり、いや……分かった。」

(;゚ー゚)「よろしくね」

二人とも硬派なため、こういう異性との会話には慣れていない。

それにしても、この会話、かわいいものである。

( ´_ゝ`)「俺らにも丁寧語は無しでOKだ」

(´<_` )「流石は兄者、心が広い。俺も丁寧語は無しでOKだ」

…………## おめーらに丁寧語を使うつもりは無かったよ ##…………

ギコとしぃは心のそ(ry

7極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:18:08
一応スペックまとめ


ギコ・しぃ 年齢22歳
       大学卒業
       就職できなかった
       一人暮らし
       硬派で、今まで誰とも付き合ったことは無い


兄者・弟者 ただのアホの双子


詳細設定はこの程度ですわな。

8極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:19:14

五分後

( ´_ゝ`)d「はい? 準備ができた? 分かりました」

(´<_` )「さあ、出るんだ」

はいはい、そうですか。

ギコもしぃも、今は会話のほうが重要だった。

しかし、よく考えてみると、二人が会話を重視するほど

自分の置かれている状況を忘れることができたのはこの兄弟のおかげかも知れない。


牢屋を出、二人が向かった先には、

黒い服の軍団があった。中に白い服の人間も一人だけいた

二人が真ん中に連れて来られると、黒服はその退路を防ぐようにその周りを広く囲んだ。

軍団の中から、一人、いかにもボスな男が出てきた。

( ・∀・)つ□「手荒なまねをしてすまなかったね。私は見ての通り、あまり良い人間じゃない。
        君らのような一般人にはなんら関係の無い、悪の秘密結社の社長だよ。
        あ、これ名刺ね」

3行でOKなんて誰も言っていないぞ。

9極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:20:33

二人は素直に名刺を受け取った。名前は「モララー」というらしい。

(*゚ー゚)( ,,゚Д゚)「…………一体何なんですか?…………」

( ・∀・)「いやー、君たちを連れてきたのは他でもない。うちの息子が現代の医学では治せない病気なんだ。
     それで君らには協力してもらいたいってわけなんだ。」

2、2行…………

( ,,゚Д゚)「……医療技術なんてものはありませんよ」

(*゚ー゚)「私もです」

( ・∀・)「説明が足りなかったね、君たちは『パープルブラッド』だ」

どうみてもまだまだ説明不足です。モララーさん、本当にありがとうございました。

ここからは私が話を進めます。


モララーは二人にその詳細を話した。


パープルブラッド、それは遺伝子の突然変異により、血に特殊な力を持った者のこと。

その血が少し紫がかっていることからそう呼ばれる。

特殊な力というのは、「その血を輸血すると、輸血された者の病気が完治する」というものだ。

パープルブラッド本人達は免疫力、有害なものに対しての解毒力が非常に強く、

生涯どんな病気にもかからなし、テトロドトキシンであろうともボツリヌストキシンであろうともダメージは無い。

モララーはその血を息子に輸血してほしいというのだ。

10極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:21:30

この段階では二人はまだそのことを疑っていた。

確かに、今まで風邪を引いたことは一切無い。今までに出た血も紫色っぽかったような気もする。

そして、二人は次の話を聞いて信ぜざるを終えなくなった。

この、憎むべき『病気』を。

( ・∀・)「まあ、君たちが知らないのも無理は無いね、内藤博士の新発見らしいから」

( ^ω^)「おっおっおっおっおっ」

白い服の男だ。

( -∀-)「まあ、それはどうでもいいとして、君ら……痛覚が鋭いだろ?」

( ;゚Д゚)「……なんでそんなこと……確かに痛がりすぎだとはよく言われるけど……」

(;゚ー゚)「……私も」

( -∀-)「それもパープルブラッドの特徴なんだよ……
( ・∀・) これで信じる気になったかい?」

( ;゚Д゚)「………………じゃあ、注射はどうなるんですか……」

( ・∀・)「え? ああ、それは皮膚の上から塗るタイポの麻酔があるから大丈夫だよ」

( ^ω^)「ぬる……たい……ぽ……ぬるぽ発見! ガッ!」

モララーは内藤に思いっきり頭を殴られた。

( T∀T)「……いてぇ……タイピングミスぐらいで殴るなよ……」

11極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:22:10

( ・∀・)「さて、閑話休題。ついて来てくれるかな」

(#゚ー゚)「ギコ君……ひそひそ……」

( #゚Д゚)「……ああ、分かってる……」

( ・∀・)「どうしたんだい?」

二人は頭が良い。モララーの嘘はすぐに見破れた。

(#゚ー゚)「麻酔なんか意味無いんでしょ? 麻酔は『毒』ですもんね」

( #゚Д゚)「すぐに解毒されて全く意味はなさない…………ところで、本当に息子さんは病気なんですか?……」

二人は完全にモララーのことを疑っていた。

嘘を吐かれたら当り前の反応かもしれない。それに周りには大量の銃だ。

( -∀-)
(  ∀ )「……あったま良いねー。(←痔のry)その通りだ、でも、僕の息子は本当に病気さ
君達には少しぐらいは失神してもらわなければならないかも知れないな
だけど拒否権が無いのは分かっているね? 何で二人も必要なのとも思ったろ?
逃げられないようにするためさ、片方が逃げたらもう片方がどうなるか……恐いもんね」

堰を切ったように喋るとはまさにこのことだ。4行じゃ長す(ry

( ,,゚Д゚)「んなもん銃を突きつけられていたら一緒でしょうが」

( ・∀・)「……一人だけじゃ逃げられる可能性もあるのさ……全てこちらの事情だ
     いいから早く来たまえ、説明はもう終わりだ。」

( ,,゚Д゚)(*゚ー゚)「………………」

二人は急な展開にスレを読み返した。

12極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 12:22:55

( -∀-)「……はあ……物分かり悪いなあ……」

モララーは銃を取り出してこう言った。

( -∀・)┏━「血液の細胞だけ生きていれば他は関係ないらしいんだけど? そうでしょ? 内藤博士」

(;^ω^)「ちょ、ちょっと……!」

川;゚ -゚)「それは賢明な判断とは思えませんが……」

モララーの側にいた博士と女幹部らしき人物が慌て始めた。しかし

(#・∀・)┏━「そのくらい分かっているよ、クー。」

すぐさま、その場はモララーの独擅場になった

(#・∀・)┏━「私だってね、こんな手荒なまねをするつもりは無いんだよ。
        私達は確かに非合法な世界に生きているがね、ただの商売人なんだよ。
        人のことを殺したり、捕まえたりするのが仕事じゃな────ん?」

しぃが空を指差した。

次の瞬間にはギコの体は宙を舞っていた。

間抜けな軍団が二人に気づいた時には、もう黒い輪の外だった。


ちゅーん
────・
────────・

三三( ;゚Д゚)つ⊂(#゚ー゚)「うわあああああああああぁぁぁぁぁぁ!!1!!」

──────・
    ぱーん

(#^ω^)「馬鹿野郎お! 足を狙えお! 殺すなお!」

しかし、射撃訓練のされていない人間が、既に百メートルは離れた相手に

鉛の弾を当てられるはずも無く、内藤の願いどうり(←なぜか変換できry)にもならなかった。


こうして、二人の逃避行は始まった。

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