- 76 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 13:12:02
番外編 『事の発端』
( ^ω^)「…………ブヒヒヒヒヒ……これをこうすれば新しい薬の完成だお……」
気味の悪い薄暗い部屋。気味の悪い一人の科学者が、研究をしている。
川 ゚ -゚)「どうだ? まだ出来ないか?」
黒いスーツの女。
爆発音がする。
……てめえ何の薬作ってんだよ……
( ^ω^)「……できたお」
川 ゚ -゚)「……それがあれば……また儲けられるな……」
( ^ω^)「…………そうだおね……いつか……この収入だけで暮らせるようになりたいものだお……」
二人は恋仲。同棲はしていない。女の名前はクー。男の名前は内藤ホライゾン。またの名をブーン。
クーは悪の秘密結社に勤めている。内藤はその会社に違法な薬を売りつけている。
金のためならなんでもする。まさにそんな人間だった。
- 77 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 13:12:35
川 ゚ -゚)「……じゃあ、ボスに報告してくるから」
( ^ω^)「ちょっと待ったお!」
内藤が強引にクーを引き留め、唇を奪う。
川//-/)「い、いきなり何をするんだ!」
とはいっても拒絶なんか全然してなかったじゃないか。
( ^ω^)「…………いつになったら結婚できるのかお?……」
川 ゚ -゚)「…………まだ……一生遊んで暮らせる金は手に入っていない……」
二人の計画はこうだ。一生遊んで暮らせる金を手に入れて、あとは二人で一生遊んで暮らす。
だが、結婚はいつでもいいじゃないか。というのがクーの考えで、
今でもいいじゃないか。と言うのが内藤の考えだ。
( ^ω^)「……そうかお…………なんかいいあてが無いかお…………」
そんなふうに、二人は生活していた。
そしてある日。
( ^ω^)「新薬新薬しんっやく〜……何か良いアイディアは無いかお〜?」
内藤がいつものように散歩をしているときのことだった。
- 78 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 13:13:14
( ><)「え〜〜ん!!! 痛いんですーーーー!!!!」
公園に、泣いている一人の子供。
( ^ω^)「どうしたのかお?」
( ><)「つまずいて転んだんです〜〜〜!!!」
( ^ω^)「………………本当かお?」
内藤が疑うのも無理は無い。この子供は、転んだといっても、擦り剥いてはいない。
そして、そのぐらいのことで泣くような年齢には見えなかった。
( ^ω^)(これはなんかあるかもしれんお……)
内藤の心理作戦が始まった。
( ^ω^)「こりゃもうだめかもわからんね」
(‖><)「!!!! えーーーーん!!! 死にたくないですーーー!!!!!」
こいつはただ単に精神的に幼いだけなんじゃないのか?
内藤はそうも思ったが、疑問に思ったことは解決しなければならない。そういう性格だ。
( ^ω^)「安心するお、おじちゃんのうちに来れば治せる薬があるお」
( ><)「助かるんですか? わかんないんです」
内藤は大丈夫と諭して、この子供を連れて帰ることに成功した。
( ^ω^)(…………親に知らない人にはついていっちゃいけないって教えられなかったのかお?)
- 79 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 13:14:01
そして、そんな馬鹿ガキを連れて帰った内藤は、
( ><)「!!! 何するんですか?!!! はなせです!!!」
(#^ω^)「うるさいお!1!」
猿轡を噛ませ、縄で縛り上げた。全裸で……じゃなかった!!! あーわーてーて!! 『慌てて』です!
その通り、研究材料にしようとしているのだ。拘束したのは逃げ出すのを阻止するため。
それと、悲鳴が漏れるのを防ぐため。
( ^ω^)「さ〜てさ〜て、一体どのぐらい痛がるのかな〜?」
この親父……変態だろ、常識的に考えて…………
注射針が( ><)に迫る。
そして、刺さる。断末魔の声らしき物を上げて
子供は、動かなくなった。
( ^ω^)「おっおっおっおっ……死んだかお?…………いや、生きてるお……気絶したお……」
頸動脈を触って調べる。そして、もう一回注射器を血管にぶち込む。
( ^ω^)「…………ではその隙に……」
みるみるうちに、子供の血は注射器に吸い上げられていく。なんとなく、紫色が混じっているような気がした。
- 80 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 13:14:33
そして、内藤はお得意の研究を始めた。
そして、とんでもないことに気がついた。
( ^ω^)「…………遺伝子……普通の並びじゃないお…………これは……何なんだお?……」
そして、内藤には研究課題ができた。その研究は子供を監禁して、日夜血を抜いて行われた。
もちろん、誘拐事件が起きたとして、この近辺は騒がしくなったが、
内藤は( ><)を隠し通すことに成功し、内藤はとんでもない研究結果を手にした。
川 ゚ -゚)「なんだ? また呼び出して」
( ^ω^)「クー!! 凄い発見したお!!」
内藤はクーに、新しい研究結果について話した。
血が少し紫がかっている人間がいること。そしてその人間の血を病気のモルモットに注射したら
その病気が治ったこと。
( ^ω^)「この血を元に薬を作れば間違いなく凄い発明になるお!!!!」
クーは呆れた。
川 ゚ -゚)「…………何を言ってるんだブーン……その血をそのまま売ればいいだろう……」
( ^ω^)「その発想はなかったわ」
- 81 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 13:15:00
川 ゚ -゚)「そして、その子供はどこにいるんだ? 見せてくれ」
( ^ω^)「おっおっおっおっ……いいお、その扉を開けたらいるお……」
クーが扉を開けた、そこには人形のような、目の下に隈のできた子供の痩せ細った体があった。
川#゚ -゚)「何やってんだ馬鹿!!!」
(;^ω^)「お…………」
内藤はいままでこんなに怒ったクーを見たことが無かった。
川#゚ -゚)「死にそうになっているじゃないか!!
この子が死んだら、際限なく血を採り続けられないだろう?!!」
失望した! 金欲に耐えれずによく言った! 失望した!!
そんななか、感心する男が一人。
( ^ω^)「……………………流石クーだ……」
川 ゚ -゚)「……今、縄を解いてやるからな……」
( ≧≦)「…………!!!」
縄が解かれた瞬間、子供は飛び出し、外へ逃げた。
子供の筋力とは思えない速さで。
( ^ω^)「……あっ!!………………」
内藤が声を出したときにはもう子供は部屋から逃げ出し、屋外にいた。
- 82 :極夜 ◆y1TBgQ3JzI:2007/01/27(土) 13:15:28
川#゚ -゚)「……くそっ!!……早く逃げる準備を!!」
このままでいると子供にここのことを喋られてしまう。内藤もそのことを咄嗟に理解し、荷造りを始めた。
新婚夫婦さながらである。
真夜中、二人は手っ取り早く引っ越しをした。
移転先は、クーの勤務先。
川 ゚ -゚)「……ブーン……ここでその血を持つ人間を探すぞ
……ところで、……その人間のこと、何て呼んでるんだ?」
( ^ω^)「…………パープルブラッド……だお」
川 ゚ -゚)「……そうか…………ボスは、病気の息子さんを持っている。今の医療技術では不治の病だ。
……その病気を治すため、という名目で、そのパープルブラッドを捕まえよう…………」
( ^ω^)「…………なるほどね……」
二人は不敵な笑みを浮かべ、夜の闇へと消えていった。
番外編 『事の発端』 終わり
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