15 : ◆azwd/t2EpE :2006/05/19(金) 00:27:19.74 ID:/xgdI25J0
昨日は予定通りに投下できなくてすみませんでした
何とか第9話が書けたので投下します

16 :試合のデータ ◆azwd/t2EpE :2006/05/19(金) 00:28:11.37 ID:/xgdI25J0
スコア
   |1|2|3|4|5|6|7|8|9|R|H|E|
ROK|1|0|0|0|1|-|-|-|-|-.|10|0|
VIP .|1|0|0|0|0|-|-|-|-|-.|3.|0|


投手成績(個人成績は試合開始前のもの)

内藤( ^ω^)
-勝 -敗 防御率-.-- 奪三振-- 投球回--- 完封-- 完投--
投球回:5 打者:23 被安打:10 被本塁打:1 奪三振:4 四死球:1 失点:2 自責点:2

畑(^・J・^)
21勝 3敗 防御率2.15 奪三振191 投球回213 1/3 完封4 完投9
投球回:5 打者:20 被安打:3 被本塁打:0 奪三振:6 四死球:3 失点:1 自責点:1

17 :試合のデータ ◆azwd/t2EpE :2006/05/19(金) 00:28:33.58 ID:/xgdI25J0
野手成績(個人成績は試合開始前のもの)

ヴィッパーズ

一番センター 長岡( ゚∀゚) 8年目 26歳 .306 11HR 54打点
1.右安 2.三振 3.空振

二番レフト 荒巻/ ,' 3 17年目 37歳 .288 15HR 65打点
1.犠打 2.三ゴロ 3.空振

三番ライト 毒田('A`) 10年目 31歳 .329 28HR 111打点
1.中安 2.空振

四番ファースト ニダ<ヽ`∀´> 3年目 29歳 .280 35HR 107打点
1.左安 2.四球

五番キャッチャー ショボン(´・ω・`) 9年目 30歳 .312 18HR 115打点
1.四球 2.一ゴロ

六番サード 笑野( ^Д^) 13年目 36歳 .256 21HR 69打点
1.投併 2.四球

七番セカンド 椎名(*゚ー゚) 5年目 26歳 .275 6HR 43打点
1.二ゴロ 2.犠打

八番ショート 津村ξ゚听)ξ 5年目 26歳 .246 8HR 31打点
1.三振 2.空振

九番ピッチャー 内藤( ^ω^) 1年目 18歳 .--- --HR --打点
1.空振 2.空振

18 :試合のデータ ◆azwd/t2EpE :2006/05/19(金) 00:29:21.45 ID:/xgdI25J0
ロケッターズ

一番ショート 井蓋(◎´∵`◎) 14年目 32歳 .328 8HR 31打点
1.右本 2.中安 3.左安

二番ライト 高掛(['][,]) 10年目 28歳 .276 26HR 75打点
1.左飛 2.空振 3.右二塁打

三番センター 近城( ´金`) 9年目 30歳 .316 18HR 61打点
1.遊ゴロ 2.左安 3.右飛

四番レフト 榊彡 ´ー`) 19年目 40歳 .309 45HR 124打点
1.空振 2.二併 3.左安

五番サード 村者(ムΘラ) 8年目 26歳 .284 36HR 106打点
1.中飛 2.中安 3.中安

六番ファースト 古者[`↓´] 7年目 25歳 .268 34HR 98打点
1.右飛 2.空振

七番セカンド マムウェイ(0´く`0) 4年目 29歳 .298 21HR 89打点
1.四球 2.遊併

八番キャッチャー 哀歌(^亮^) 12年目 30歳 .241 9HR 42打点
1.右二塁打 2.投内安

九番ピッチャー 畑(^・J・^) 13年目 31歳 .205 2HR 8打点
1.三振 2.犠打

19 :第9話 ◆azwd/t2EpE :2006/05/19(金) 00:31:01.50 ID:/xgdI25J0
【第9話『窮境』】


 ランナーがそれぞれ進塁する。
 内藤は、呆然とその様を見ていた。

(実・Д・)『ボーク! 内藤、ボークを取られました!』
(解´Д`)『静止を忘れましたね。投げ急いだのか……そんな理由はないはずですが……』
(実・Д・)『焦っていたのでしょうか……ピンチ拡大、ノーアウトランナー2・3塁!』

 ワンヒットで二点が追加される。内野ゴロでも一点が入る。当然、外野フライなら悠々一点を奪われる。
 内藤の頭の中は混濁していた。

(´・ω・`)(……こうなったら、もう……)

 ショボンが立ち上がった。
 キャッチャーズボックスから身を出し、バッターから遠く離れた場所でミットを構える。

(実・Д・)『敬遠! 満塁策に出ましたヴィッパーズ!』
(解´Д`)『それよりも、まだ内藤を引っ張ることのほうが驚きですね、私は。降板でおかしくない場面ですが……』
(実・Д・)『ロングリリーフのできる旭日は初回からブルペンで投球練習をしていましたが、今はベンチにいますね。今肩を作っているのは、桂ですか』
(解´Д`)『まぁ、次は今日ヒットのないマムウェイですから、この打者は任せてみようというところですかね』
(実・Д・)『内藤、このピンチを切り抜けることができるのか!』

20 :第9話 ◆azwd/t2EpE :2006/05/19(金) 00:32:42.85 ID:/xgdI25J0
 喪名はベンチで三人のランナーをそれぞれ見た。
 そして、アウトカウントを確認。総身に汗がにじみ出るような状況だった。

(;´∀`)(この回点を失ったら……代えるしかないな……)

 いけるところまで、いってもらいたかった。喪名の本心は、それだった。しかし、内藤は既に充分好投している。
 ここが、限界なのか。初めて見る投手、分からないことは多かった。それが、有利にもなり、不利にもなっていた。

 今は、内藤を信じ、そして託すしかない。喪名はベンチから身を乗り出すようにして戦況を見守っていた。


 初球、カーブがやや甘めに入るも、マムウェイは見逃しワンストライク。
 更に二球目のスライダーでハーフスイングを取られ、ツーストライク。内藤は二球で追い込む。

(´・ω・`)(球のキレは落ちてない。制球も良いし……大丈夫だ。抑えられる!)

 この局面、最上なのは内野ゴロ。ショボンはそれを狙ってリードを組み立てていた。
 マムウェイが足をオープンにしてバットを構える。第三球目は、外角に外れるボール球。カウントはツーストライクワンボール。
 上手く引っ掛けさせて、ホームゲッツーを狙いたい。ツーアウトになれば失点する確率は格段に落ちる。
 ショボンは頭の中で全体の流れを整理していた。

21 :第9話 ◆azwd/t2EpE :2006/05/19(金) 00:33:29.30 ID:/xgdI25J0
(´・ω・`)(よし、カーブだ。インローに投げ込んで来い!)

 内藤が頷いて、セットポジションを構えた。
 四球目、カーブが低目へ。
 このカウントで緩い球を投げれば、打者は必ず手を出してくる。ショボンのその読みは正しかった。

(実・Д・)『引っ掛けた! 三遊間に転がるゴロ!』

 狙い通り。そう思った直後、ショボンの体から冷や汗が生じた。
 内野ゴロは狙い通りだった。しかし、転がった場所が思わしくなかった。
 三遊間深め。津村が懸命に追いかけて腕を伸ばさなければ届かないような場所。

(解´Д`)『これは……ホームは、厳しい』

 津村が捕球する。三塁ランナーはとっくにスタートを切っていた。
 セカンドに送球し、ファーストに送球。それでゲッツーは取れる。しかし、一点を失う。
 津村は、本能的にホームの方を向き、躊躇わずに腕を振った。

(実`・Д・)『おぉーっと!! 津村バックホーム!! これは微妙なタイミングだー!!』

 返球は完璧だった。三塁ランナーがホームに突っ込んでくる。ショボンは左足に渾身の力を込めた。
 ランナーの足が、ホームベースに触れる。
 しかし、そのゼロコンマ数秒前。一秒にも届かないような僅かな時間。
 左腕を目いっぱい伸ばしたショボンのミットにボールが収まるほうが、早かった。

(審゚O゚)『アウトォォ――――――!!!』

 そこばくの間の後、審判がはっきりとアウトをコールした。
 ライトスタンドの盛り上がりがホームにまで届いていた。

22 :第9話 ◆azwd/t2EpE :2006/05/19(金) 00:34:50.52 ID:/xgdI25J0
(解´Д`)『これは津村の好判断ですね。ここで一点を防いだのはかなり大きいですよ』
(実・Д・)『一点差をキープしました、ヴィッパーズ! しかしまだピンチは続きます! ワンナウト満塁!』
(解´Д`)『しかし、本当に守備が素晴らしい……』

 津村がマウンド近くに歩み寄って、内藤に声をかけた。
 球場の方々から聞こえる音で、津村の声は少し聞き取りづらくなっていた。

ξ゚听)ξ「バックを信頼しなさいってば。打たれても何とかしてあげるわよ。だから全力で腕を振りなさい」

 内藤は、少しの間見とれていた。まるで男とは思えないほど綺麗な顔立ちだった。

( ^ω^)「ありがとうございますお」
ξ////)ξ「べ、別にアンタのためじゃないんだからね! チームのためなんだから!」
(;^ω^)「も、もちろんですお」

 気持ちが、軽くなった。
 一人で自分を追い込んで、そしてみんなが重みを取り払ってくれる。

( ^ω^)(……嬉しいお……)

 投手を何年もやってきて、分かっていたはずだった。バックの大事さ。苦しいときに助けてくれる野手陣。
 内藤がバッターを睨んだ。打席には八番の哀歌。
 不思議と、怖くなかった。

23 :第9話 ◆azwd/t2EpE :2006/05/19(金) 00:35:32.91 ID:/xgdI25J0
(実`・Д・)『三振ッ!! 哀歌、バットが出ませんでした! 打席には九番畑!』

 ショボンが構えたミットにボールが吸い込まれていく。
 変化球で追い込んで、ストレート。インハイの球に、畑のバットが出てしまう。
 ボールを捉えられず、空振り三振。

(実`・Д・)『二者連続三振!! 内藤、このピンチを切り抜けた!! ルーキーピッチャー内藤、素晴らしい粘りを見せています!!』
(解´Д`)『これは、再び流れが動く場面でしょう』

 内藤は駆け足でベンチに戻り、監督に軽く頭を下げた。
 喪名は微笑んでいた。

(実・Д・)『クリーンナップから始まります六回裏、ここでなんとか同点に追いつきたいところ!』
(解´Д`)『畑の正念場でしょう。ここを抑えれば勝利はぐっと近づく』
(実・Д・)『特に、毒田ですね』
(解´Д`)『えぇ。毒田の出塁を防げば楽になりますからね』
(実・Д・)『まず毒田からアウトを取りたいところ……あぁーっと! ライト線フェア!! 毒田二塁へ向かう!』

 ライトが捕球してセカンドに送球したときには、もう滑り込んでいた。
 毒田のツーベース。流れが、確かに動いていた。

(実・Д・)『さぁ、四番ニダが打席に入ります! 今季ヴィッパーズに移籍してきた韓国の国民的大打者はすっかり日本に適応、今季は35HRを放ち100打点を超えました!』
(解´Д`)『変化球にしっかり馴染みましたね。畑は苦しい場面ですよ。今日のニダは、速球も変化球もタイミングが合ってますからね』
(実・Д・)『果たしてここをどう切り抜けるのか、畑!』

24 :第9話 ◆azwd/t2EpE :2006/05/19(金) 00:36:16.54 ID:/xgdI25J0
(^亮^)(……ニダか……フォークで空振り三振を取りたいところだな……)
(^亮^)(速球とシンカーで追い込んでフォーク勝負……上手くいってくれるといいが……)

 初球、高目のストレートを空振ってワンストライク。そして、低目に要求されたシンカー。
 それが、ストライクゾーンに入ってくる。

(実・Д・)『打ち上げた! これはライトフライ!』

 ライト線へ打球が打ちあがる。
 ライトがキャッチ。すかさず、二塁ランナー毒田は三塁へダッシュ。
 進塁成功で、ワンナウト三塁となる。

(解´Д`)『最低限の仕事ですね』
(実・Д・)『五番ショボンに繋ぎましたニダ! ランナーを還すことができるか、ショボン!』
(解´Д`)『非常にチャンスに強い打者ですからねぇ……外野フライでも一点が入るとなると、ロケッターズバッテリーはかなり苦しい……』

(;^亮^)(嫌なバッターだ……攻めにくい……)

 哀歌がサインを出す。初球、まずはストレートを外角に外して様子見。
 畑が頷いて、第一球が、投じられた。

 その瞬間、ロケッターズバッテリーは青ざめた。
 今日一番の失投が、ストライクゾーンのど真ん中を進んでくる。

 ショボンは、無意識のうちにバットを出していた。

(実`・Д・)『センタァァァァ―――――――!!!! バックスクリィィィィ――――――――ン!!!!』

 高々と舞い上がった打球は、レフトスタンドの色を一瞬にして塗り替えさせ、そして、ライトスタンドを歓喜に染め上げるのに、充分だった。

25 :第9話 ◆azwd/t2EpE :2006/05/19(金) 00:36:37.24 ID:/xgdI25J0
(実`・Д・)『文句なし!! 文句なし!! ショボン、逆転ツーランホームラァァァ―――――ン!!!』

 ショボンが一二塁間で右腕を大きく突き上げた。
 畑がマウンドで俯いている。ショボンは三塁を回ったところで再び拳を突き出した。
 3−2。ヴィッパーズ、逆転。













 第9話 終わり

     〜to be continued
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