3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 20:46:13.55 ID:LHBvjjefO

(´・ω・`)「ふぅ…」

(´・ω・`)「張り切って1時間も早く着いてしまうとは…」

正直、わくわくしてまったく寝れなかった。
目的はどうあれ、女の子とふたりきりで出かけるなんて初めてだったし、しかも相手は意中の人だ。
柄にもなくオシャレなんかしちゃってさ。
いま思えばかわいいもんだけどね。



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 20:48:01.58 ID:LHBvjjefO

(´・ω・`)(流石に1時間は早く来すぎたか…)

(´・ω・`)(しょうがない。校舎内でもぶらついて時間を…)

(*゚ー゚)「ショーボーンくーん!」

(´・ω・`)「うわッ!しぃ!もう来たの?」

(*゚ー゚)「そういうショボンくんこそ。まだ1時間前だよ?」

(´・ω・`)「いや…まぁそうだけどさ」

(*゚ー゚)「ふーん。ま、いっか。1時間も待たなきゃいけないかと思ってたけど、ちょうどよかった!」

(*゚ー゚)「んじゃ、早速行きますか!」

(´・ω・`)「あ…うん」



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 20:50:10.74 ID:LHBvjjefO

(´・ω・`)「で、どこに買いに行くの?」

(*゚ー゚)「とりあえず雑貨屋です」

(´・ω・`)「雑貨屋?」

(*゚ー゚)「そう!雑貨屋はいいわよ。その名の通りいろいろ揃ってるからねー」

(´・ω・`)「なるほど…」

(´・ω・`)(しかし…)

(*゚ー゚)〜♪

(´・ω・`)(初めて見たけど…私服、かわいいな…)



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 20:51:01.95 ID:LHBvjjefO

(´・ω・`)(休日のクラブでも、面倒だからって制服しか着てこなかったし)

(´・ω・`)(制服は制服でいいんだけど、私服がこんなにかわいいんなら毎回着てきて欲しいな…)

 ……ンくん……ボンくん………

(´・ω・`)(いや、やっぱり学生だけが着る特権を持った制服だからこそ…)

(*゚ー゚)「ショボンくん!」

(´・ω・`)「えっ…うわッ!!」

  ガッシャン!!



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 20:53:27.67 ID:LHBvjjefO

(;´-ω・`)「う…痛…」

(*゚ー゚)「ちょっと!大丈夫!?」

(;´・ω・`)「くう…なんでこんなとこにデッカい段差が…」

(*゚ー゚)「だから言ったじゃん!そこは危ないって…それなのにボーッとしてさ…」

(´・ω・`)「ほんとに?…ちょっと考えごとしてて聞いてなかった…」

(*゚ー゚)「まったく…ほんとショボンくんはどっかヌケてるよね」

(´・ω・`)「全部ヌケてるきみに言われたかないよ」

(#゚ー゚)「だっかっら、ひっとっこっとっ多いよッ!」

(;´・ω・`)「いたいッ!膝の裏をツネるなー!」



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 20:55:07.69 ID:LHBvjjefO

(*゚ー゚)「さぁて、着いたよー」

(´・ω・`)「おぉ、結構デカいね」

(´・ω・`)「雑貨屋・冷米…か」

(´・ω・`)「こ…米?なんで米なんだ?」

(*゚ー゚)「さぁ?私はお米も売ってるからだと思ってるけど…」

(;´・ω・`)「米売ってるの!?何その雑貨屋!?」

(*゚ー゚)「うん。別にお米買いに来たことないから気にしてなかったけど…」

(´・ω・`)「世の中にはまだまだ僕が知らないことが多いんだな…」



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 20:58:49.04 ID:LHBvjjefO

(*゚ー゚)「ま、それはいいじゃん!私、ここの常連だから店長と仲良いの。店長にも手伝ってもらいましょ!」

(´・ω・`)「常連なら、店長に米について聞いたことないの?」

(*゚ー゚)「うん」

(´・ω・`)(やっぱりヌケてるよな…)

カラカラン

川 ゚ -゚)「む、しぃちゃんじゃないか。いらっしゃい」

(*゚ー゚)「クーさん!お久しぶりです!」

川 ゚ -゚)「確かに久しぶりだなここしばらく見なかったが…」

(*゚ー゚)「受験があったんで…合格の報告も電話でしただけでしたし…」

川 ゚ -゚)「いや、構わんさ。改めて合格おめでとう」

(*゚ー゚)「ありがとうございます!」



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 21:02:31.38 ID:LHBvjjefO

川 ゚ -゚)「それはさておきだな…」

川 ゚ -゚)゛チラッ

(´・ω・`)

川 ゚ -゚)「受験勉強だけじゃなくて恋のお勉強もしてたのかな?ん?」

(*゚ー゚)「え?いや…ちが」

川 ゚ -゚)「あんなに純粋だったしぃちゃんも…大人になってしまうんだね。嬉しいような、悲しいような…」

(*゚ー゚)「違いますよ!ショボンくんとはただの部活仲間です!今日はショボンくんの先輩の誕生日プレゼント選びを手伝いに来たんです!」

川 ゚ -゚)「む、なんだそうなのか。」

(´・ω・`)(ただの部活仲間、か…)



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 21:04:45.58 ID:LHBvjjefO

川 ゚ -゚)「まぁいいや。ショボンくんと言ったな。店長のクーだ、よろしく」

(´・ω・`)「あ、どうも。しぃの部活仲間のショボンです。よろしくです」

川 ゚ -゚)「うむ。えーっと…先輩のプレゼントがどうとか言ったな。先輩は女か?」

(´・ω・`)「はい」

川 ゚ -゚)「女の子ならやっぱり…しぃちゃん、わかるよな?」

(*゚ー゚)「はい!女の子へのプレゼントと言えば!」

川 ゚ -゚)(゚ー゚*)「せーのッ!」

川 ゚ -゚)「ぬいぐるみッ!」
「ジュエリー!」(゚ー゚*)

(´・ω・`)「え…」

(*゚ー゚)「あれ?」

川 ゚ -゚)「…なんと」


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 21:09:29.08 ID:LHBvjjefO

川 ゚ -゚)「しぃちゃん…ジュエリーって…」

(*゚ー゚)「だって!テレビとかで男の人が女の人にするプレゼントって大体宝石ものですよ!」

川 ゚ -゚)「いや…それは恋人の場合だろ、常識的に考えて…」

(*゚ー゚)「えー…けど、私、ジュエリー貰ったら嬉しいですよ?」

川 ゚ -゚)「そりゃ嬉しいかもしんないけど…学生なんだから…」

(*゚ー゚)「あぁ!金銭的な問題ですね!」

(´・ω・`)「それだけじゃないけどね」



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 21:10:22.86 ID:LHBvjjefO

(*゚ー゚)「むぅ…じゃあ私の案は却下か…」

(´・ω・`)「当たり前だよ…まったく…バカなんだから」

(*゚ー゚)「またバカって言ったなー!」

川 ゚ -゚)「いや、さすがにバカだと思うよ、うん」

(*゚ー゚)「クーさんにまで…トホホ…」

川 ゚ -゚)「ま、そこがしぃちゃんの愛嬌でもあるんだ。深く気にするな」

(*゚ー゚)「はぁい…」



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 21:12:52.62 ID:LHBvjjefO

(*゚ー゚)「さて…プレゼントも買えたし…目的達成っと」

川 ゚ -゚)「しかし…本当にそのぬいぐるみでよかったのかな?」

(´・ω・`)「はい。普通にかわいいのあげたら文句言いそうな人なので」

カラカラン

lw´‐ _‐ノv「おいーっす」

(´・ω・`)「え…シューさん」

(*゚ー゚)「あら…」

川 ゚ -゚)「いらっしゃ…なんだシューか」

lw´‐ _‐ノv「いかにもシューでございやす」

(*゚ー゚)「…え?知り合いですか?」

川 ゚ -゚)「知り合いも何も…シューは私の妹だが…」

(*゚ー゚)「えー!?ほんとですか!?」

(´・ω・`)「すっごい偶然…」



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 21:19:15.84 ID:LHBvjjefO

lw´‐ _‐ノv「ふはは。妹だぞ。まいったかこのやろう」

川 ゚ -゚)「姉の前なんだからちょっとはつつしんでくれ…」

lw´‐ _‐ノv「つつしむと思うてか!ワールドイズマイン!ふはは!」

川 ゚ -゚)「くっそう…妹が年々うっとうしくなっていく…はがゆい」

(*゚ー゚)「昔はおとなしかったんですか?」

川 ゚ -゚)「そう、昔は…昔は…いや、あんま変わりないわ…」

(´・ω・`)「ご苦労様です…」

lw´‐ _‐ノv「あれ?ワールドイズマイン…米ン…?ワールドイズライスン…?」


19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 21:24:26.29 ID:LHBvjjefO

川 ゚ -゚)「ほう。するとシューはきみらの先輩なのか」

(*゚ー゚)「そうですよー」

川 ゚ -゚)「全然知らなかった…不思議な偶然もあるもんだな」

(*゚ー゚)「でも私、前にシュー先輩にココのこと話したことありますよ?なんでその時何も言わなかったんですか?」

lw´‐ _‐ノv「いや、姉が雑貨屋の店長とか死ぬほど恥ずかしいから…」

(´・ω・`)「そんなことないでしょ…」

川 ゚ -゚)「妹が米好きな変人な方がよっぽど恥ずかしいんだよ、シュー」

lw´‐ _‐ノv「面目ねぇズラ」



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 21:28:27.65 ID:LHBvjjefO

(´・ω・`)「あ…!あの、もしかして…」

川 ゚ -゚)「ん?」

(´・ω・`)「店名の米クールってまさか…」

川 ゚ -゚)「あぁ…シューが米を入れろってうるさくてな…」

(*゚ー゚)「ダダこねたんですか、シューさん」

lw´‐ _‐ノv「こねにこねまくったよ。泥団子のように」

川 ゚ -゚)「で、私の案であるクールって店名と合わせよう、ってことになって」

川 ゚ -゚)「米クールはださいから冷米にした。自分でも後悔してる」

lw´‐ _‐ノv「補足だが、米を売る方針も私のダダだ」

(*゚ー゚)「言わずもがなです」



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 21:30:50.56 ID:LHBvjjefO

lw´‐ _‐ノv「まぁこんな絵にも描けないようなダメ人間な姉だが、よろしく頼むよ」

川#゚ -゚)「それ絶対私のセリフだよな、なぁ」

lw´‐ _‐ノv「ぐへぇ…首はやめい、首は」

(;゚ー゚)「ク、クーさん落ち着いて…」

川 ゚ -゚)「あぁ…すまん…ちょっと久々のマイペースっぷりにイラッとしてしまった」

川 ゚ -゚)「とにかく、こんなやつだが愛想尽かさずついていってやってくれ」

(*゚ー゚)「はい!任せて下さい!」

(´・ω・`)「任せて下さいってのはちょっとおかしいけど…まぁ、わかりました」

lw´‐ _‐ノv「ふほほ」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/09(日) 21:34:59.53 ID:LHBvjjefO

(*゚ー゚)「さーて…プレゼントも買えたし…帰りますk」

(´・ω・`)「あのさッ」

(*゚ー゚)「?…なぁに?」

(´・ω・`)「えーっと…その…」

(´・ω・`)(言うんだ…言うんだッ…)

せっかくふたりきりになれたんだ。
彼女と距離を縮める絶好のチャンス。
ここでそのままデート的なの流れにもっていくべきだ、と思ったんだ。
恋愛なんて真面目にやったことなかったからね。
僕にとっての最善はそれだった。

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