- 4 :
高専(千葉県):2007/03/28(水)
21:58:03.15 ID:daAXyfre0
- 第十一話
「お前きもいんだよーー」
「なにが『だお』だよwwwwきめぇ」
「お前友達いないんだろ?なんで学校きてんの?」
「や、やめてくれお……!」
「またでた!『お』ってなんだよ『お』って!」
「まじで死ねばいいのにww」
「やめなさいっ!あんたたち!」
「うわっ、またこの女だ!」
「こいつおかしいんじゃねぇのww?」
「や、やめるお!ツンのことを悪く言うんじゃないお!」
「なにこいつらwwwwマジウケるんだけどwww」
「もういいよwwwつきあってらんねー」
「いこうぜwww」
「ははははwwお前らもう一生やってろよww」
「うるさいっ!!さっさとどっかいってよーー!!」
- 5 :
高専(千葉県):2007/03/28(水)
21:59:31.72 ID:daAXyfre0
- 「……だいじょうぶ?」
「う、うん……だいじょうぶだお……」
「けがは、ない?」
「うん……」
「よかった♪じゃあ、いっしょに帰ろ」
「つ、ツン!」
「どうしたの?」
「あ、ありがとだお……」
「な、なに言ってるのよっ///当然よ!こんなの!」
- 6 :
高専(千葉県):2007/03/28(水)
22:02:51.75 ID:daAXyfre0
- 「あの娘でしょ?あのキモピザといっしょにいるの」
「ええ〜〜〜信じられな〜〜〜い」
「なんでも幼馴染だとか……」
「あれを小さいころからぁ?うぇっ、あたしなら耐えられないwww」
「あたしもあたしも〜〜〜〜絶対無理」
「捨てる神あれば拾う神ありって本当ね〜〜」
「ごめんwwあたしは神様にはなれないwww」
「それには同意するwww」
「………」
「あ、やばww聞こえてた?」
「ごめんね〜〜〜今の全部言ったのこいつだから」
「うわっ、ひっど〜〜〜」
「ツン、どうしたんだお?」
「え?あ、いや、なんでもないわよ」
「なにかあったら何でも言うお。いつでも相談に乗るお」
「あ、ありがとね///」
- 7 :
高専(千葉県):2007/03/28(水)
22:09:05.02 ID:daAXyfre0
- 「あんたまた赤点だったの?!どうするのよ!?」
「どうしようもこうしようもないお……」
「ああーーもうっ!ちょっとあたしの家にきなさい!教えてあげるわよ!」
「ツン!初めてのバイトの給料だお!」
「よかったじゃない!がんばってたもんね!」
「で、ツン。ツンに何かお礼したいお。欲しいものあるかお?なんでも言ってお」
「え?ほ、本当?」
「うん。なんでもいいお。あ、あんまり高いのは無理だお……」
「え、えっと、じゃあ……ブーン、あたしと遊びに行って!」
「え、そんなのでいいのかお?それじゃあいつものことだお?」
「い、いいのよっ!ただし、今回は遠出よっ!」
「うーん、じゃあ、遊園地でいいかお?」
「う、うん!遊園地がいい!」
「わかったお!じゃあ、来週の日曜……」
「ツン!聞いてくれお!」
「な、なに?どうしたの?」
「僕、友達が出来たんだお!」
「え、本当?良かったじゃない!!」
「今度紹介するお!みんないいやつだお!」
「うん、楽しみにしてる」
「これも、ツンのお陰だお」
「え?」
「本当に、ありがとうだお」
「な、なに言ってるのよ!あたしはなんにもしてないわよ///」
- 9 :
高専(千葉県):2007/03/28(水)
22:19:02.66 ID:daAXyfre0
- ……
ξ 凵@)ξ「……」
深い暗闇の中で、私はいろんなことを思い出した。
そのどれもがブーンとのことだ。
いっしょに行った遊園地。
友達が出来たって、大喜びだった。
ブーンはいつも、私の隣にいた。いや、むしろ私が望んでブーンの側に居た。
すごく、居心地がよかった。
でも、もう私はブーンには会えないみたいだ。
この暗闇の中で、段々と私の意識だけが消えていくのが判るのだ。
だんだんと頭のなかがはっきりしなくなっていく。
そんな状態でも、頭に浮かぶのはブーン、ブーン、ブーン……
ああ。
やっぱり私はブーンのことが好きなんだ。
- 10 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
22:27:27.65 ID:daAXyfre0
- 好きだって、実際に口に出したことはないけど、この気持ちは変わらないみたいだ。
ブーン、ねぇ、あなたはどうなの?私のこと、好きなの?
結局最後までいえなかったなぁ……
……最後まで?
いや、まだ、最後じゃないよね?
まだがんばってみようか?
もうすこしだけ、あがいてみようか?
私が消える前に、私の気持ちだけでもブーンに伝えたい。
なんとかしてでも。
そのためなら、私は……
- 12 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
22:36:15.76 ID:daAXyfre0
- *
(官゚ゝ゚)「モララー司令。プギャー中将です」
( ・∀・)「…つないでくれ」
(官゚ゝ゚)「はっ」
モララーは渡された受話器を受け取る。正直なところ、プギャー中将とはあまり話をしたくなかったが仕方が無かった。
モララーはジョルジュたちと別れてからはずっと忙しかった。
第二、第三護衛隊を再編成した特別艦隊が横須賀に急遽配備されることとなり、その準備に追われていたのだ。
( ・∀・)「なんでしょう?プギャー中将」
( ^Д^)『モララー司令。第五艦隊があと数時間で湾内に到着する。受け入れ準備はしているか?』
( ・∀・)「…なにを仰いますか。我々の基地には特別艦隊が配備されます。こちらには米艦隊を受け入れる余裕はありません」
( ^Д^)『米軍の軍港は昨日の攻撃で壊滅状態だ。復旧にはまだまだ時間がかかる。そちらの港を使わせてもらう』
( ・∀・)「無理です。ここは、我々の基地です。米軍は米軍に与えられた場所だけを使うという取り決めではないですか」
( ^Д^)『今は緊急事態だ!そんな悠長なことを言っている場合ではない!
第七艦隊が壊滅した今、あの少女を止められるのは第五艦隊しかないんだ!これは命令だ!』
( ・∀・)「我々はひとえに憲法で定められた首相の命令のみ聞くのです。いくら中将と言えど、我々に命令をする権限はありません」
- 13 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
22:43:00.59 ID:daAXyfre0
- ( ^Д^)『我々は日本を守ってやっているのだぞ!ずいぶん偉そうな口がきけたものだなぁ、ぇえ!?モララー司令』
( ・∀・)「…中将が何を仰られても、我々は米艦隊を受け入れることは出来ません。
第五艦隊には、復旧が終わるまで湾内で待機をお願いします。かわりに、ましゅう型補給艦をそちらに向かわせましょう」
( ^Д^)『ちっ…戦時も平時もとことん使えんやつだな。まぁいい。またあとで連絡する』
返事を返す間もなく、回線が切られた。モララーは手に残った受話器を見つめる。
(官゚ゝ゚)「どうかしたんですか?モララー司令」
( ・∀・)「…こちらの施設を米艦隊に譲れと言ってきた」
(官゚ゝ゚)「…何考えてるんですかね。昨日の戦闘で1000人以上の死者を出しておきながらまだ指揮を執るつもりなんでしょうか」
( ・∀・)「まぁそう言うな。…ああ、そうだ、ましゅう型を準備させろ」
(官゚ゝ゚)「米艦隊の補給ですか?」
( ・∀・)「施設を乗っ取られるよりはいいだろう?」
(官゚ゝ゚)「…はっ。了解しました。すぐに準備させます」
( ・∀・)「あと、ギコ一等海佐を呼んでくれ」
(官゚ゝ゚)「はっ」
- 14 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
22:49:17.16 ID:daAXyfre0
- モララーは椅子に深く腰掛けた。自然と体が震えた。
過程はどうであれ、明日の夜までにこの横須賀基地に海自の特別艦隊と米第五艦隊が集結する。
これはすべて昨日の少女への対策だ。
過剰な準備、とは思わない。
単身でこの基地に襲撃を仕掛け、不意打ちだったにしろこちらに壊滅的な被害を与えた。
ろくな反撃も出来ないままこちらの艦船は破壊され、横須賀地方隊と米第七艦隊は海の藻屑となったのだ。
実際のところ、大艦隊をつくったところで、また何も出来ないような気がしないでもない。
ただの標的を用意しているだけではないか、とも思う。
ジョルジュにあの後人造細胞についてのデータを見せてもらった。
十八年前に技本が開発したという人造細胞。紙面でみたデータ以上に、本物の力は圧倒的だったと思う。
一体なんのつもりで、十八年前の技本の研究者はそんな途方もないものをつくったのだろうか。
自分は研究者ではないのでわからない。わからない。
未知のものへの好奇心というのは、そんなに強いものなのだろうか。
移植された人間の人生や、発動したときの予想される被害など、考えもしなかったのだろうか。
ジョルジュとあの少年たちはあの少女を救うと言っていた。
しかしどうやるのだろう。通常兵器は効かないのだ。
こうなれば、核でも持ち出すしかないのだろうか。
あの後、少女はレーダーから消え行方は判っていない。今、どこにいるのか。次はどこに現れるのか。
しかし、覚醒した後真っ先に軍事拠点を叩いたというのは邪魔者を排除する意味合いがあったのだろう。
だから、次にあの少女が狙うところは大体予想がつく。
- 16 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
22:55:13.37 ID:daAXyfre0
- この軍備は先見の明があるのだ。
組み込まれたプログラムは破壊と殺戮。
まったく、人造細胞などという歴史に残る発明をなし得たというのに、何故こう簡単に軍事転用してしまったのか。
この国はいつまでたっても進歩していない。
( ・∀・)「(だが、我々はそれに楔を打ち込まねばならない)」
人造細胞を止める。それが、たとえあの少女を殺す結果になっても、それが自衛官としての役目だろう、とモララーは思った。
( ・∀・)「(誰か一人の命と引きかえに、たくさんの人の命を救う。私はこれが正しいとは言わない。だが…)」
( ,,゚Д゚)「お呼びですか」
( ・∀・)「おお」
ギコがやってきたことで、モララーの考えは中断させられた。椅子から少し腰を浮かせ、話し易い体制になった。
( ・∀・)「今夜中に第五艦隊が湾内に入る。そして、明日の夕方ごろには海自の特別艦隊が横須賀に入港する」
( ,,゚Д゚)「そのようですね」
( ・∀・)「そこで、君には新しく艦を与えたい」
( ,,゚Д゚)「…え?」
- 17 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
23:03:38.42 ID:daAXyfre0
- ギコは思いがけない提案に思わず声を上げた。
自分の艦は昨日の戦闘で轟沈した。次の作戦にはおそらく参加できないだろうと思っていたからだ。
( ・∀・)「先日竣工して着水式を終えたばかりの、あたご型を君に与える」
( ,,゚Д゚)「…!!」
あたご型護衛艦。
こんごう型護衛艦に改良を加えた海自の新鋭艦だった。
それを…自分に?
( ・∀・)「あたご型護衛艦『こなゆき』を君に与える」
( ,,゚Д゚)「司令官っ…」
( ・∀・)「『ひろゆき』の、弔い戦だ。君には期待している」
( ,,゚Д゚)「しかし…自分は…!」
( ・∀・)「ギコ」
言い返そうとしたギコの言葉を遮って、モララーが強い口調で言った。
有無を言わせない、そんな口調だった。
- 18 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
23:07:30.88 ID:daAXyfre0
- ( ,,゚Д゚)「…っ」
( ・∀・)「いいかね?ギコ。君もあの少年達を見ただろう?自分の友を救おうと、必死だっただろう?」
( ,,゚Д゚)「…」
( ・∀・)「彼らは特殊な訓練も受けていない。死ぬかもしれない。それでもここまできた」
( ,,゚Д゚)「…」
( ・∀・)「友を救うため。人造細胞に支配されている友を救うためだ」
( ,,゚Д゚)…」
( ・∀・)「一度負けたくらいでいつまでもくさっているんじゃない。彼らを見習え。逆境に立ち向かってみろ。
君は、自衛官だろう。国を守るんだろう」
( ,,゚Д゚)「…」
( ・∀・)「判ったならもういけ。私はこれから忙しい」
言い終わるとモララーはギコに背を向けた。
ギコはしばらく呆然としていたが、はっとしてモララーの背に向かい敬礼をする。
( ,,゚Д゚)「…了解しました。ギコ一等海佐、『こなゆき』いただきます」
( ・∀・)「…ああ。がんばりたまえ」
モララーは背を向けたまま答えた。
- 19 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
23:13:42.03 ID:daAXyfre0
- ( ・∀・)「…ギコ、君に一つ質問がある」
( ,,゚Д゚)「なんでしょうか?」
( ・∀・)「誰か一人の命を犠牲にして、大勢の命を救う。これは正しいか?」
( ,,゚Д゚)「…」
ギコは唐突な質問に少し狼狽したが、すぐに返事をした。
( ,,゚Д゚)「自衛官として、国を守るためなら、致し方ないことだと思います」
( ・∀・)「…自衛官として、か」
( ,,゚Д゚)「そうです。我々は国を守るためなら命を捨てる覚悟ですから」
( ・∀・)「そう…か。判った。呼び止めてすまなかった。持ち場に戻ってくれ」
( ,,゚Д゚)「はっ」
ギコが司令室から退室していく足音を聞きながら、モララーは再び思案に戻った。
自衛官として。
ギコはそういった。
確かに、自衛官としては天秤の傾きが大きい方を選ぶだろう。
- 20 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
23:19:16.64 ID:daAXyfre0
- だが、ギコは自衛官として、と言ったのだ。
一人の人間として、その判断は正しいのだろうか。
命に重さの差があるのだろうか?
( ・∀・)「(それでも…私は…)」
少年達を思い出す。友を救おうと、必死だった彼ら。
すまない、と、モララーは心の中で彼らにわびた。
( ・∀・)「(私は、自衛官として、この国を守らなくてはならないのだ)」
モララーは指を絡ませて手を組み、天井を仰いだ。
- 21 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
23:23:13.66 ID:daAXyfre0
- *
(;゚∀゚)「と、とにかくだ」
僕の携帯電話の画面を見ながらジョルジュは言った。
(;゚∀゚)「このメールが本当にツンちゃんから送られてきたのか確かめよう。彼女を支配している別の意識が送った可能性もある」
(;^ω^)「た、たしかにそうだお…」
(;'A`) 「でもどうやって確かめるんですか?」
(;゚∀゚)「ブーンと、ツンちゃんしか知らないこと。それを聞けばいい」
(´・ω・`)「なるほど」
川;゚ -゚)「何かないのか?ブーン」
(;^ω^)「う、うーん…」
ジョルジュから返された携帯電話の画面を見ながら考える。
僕と、ツンとしか知らないこと。
何か、何かないか?
昔のことか?
いや、余り古すぎる記憶を引っ張り出してきてもツンが忘れているかもしれない。
じれったい。こういうときは、何故かすぐには考えが浮かんでこない。
- 23 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
23:29:20.73 ID:daAXyfre0
- (;^ω^)「そうだお!」
本文:うん、このメール、見ているお。でも、本当にツンかお?
僕とこの前カラオケに行ったとき、僕が最初に歌った曲はなんだお?
('A`) 「…let it be か?」
( ^ω^)「違うお。let it be を歌ったのは最後だお。僕が最初に歌ったのは…」
手の中の携帯電話が音を鳴らせて光った。そう、僕が歌ったのはこの携帯の着信音…
本文:どんとるっくばっくいんあんがー
Don´t look back in angerだ。
(;^ω^)「間違いないお!」
(;゚∀゚)「これは…適当にやって当たる曲ではないな」
(;'A`) 「本物のツンでしょうか?」
川;゚ -゚)「断言はできないが…その可能性は高い」
(;^ω^)「ツン、どこにいるんだお?」
本文:今どこにいるんだお?
固唾をのんで、僕らは返事を待つ。
そして、また携帯電話が、光った。
- 24 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
23:31:52.37 ID:daAXyfre0
- 本文:わからない みぎもひだりも まっくら
(;゚∀゚)「……やっぱりだめか」
川;゚ -゚)「だが、聞ける事はすべて聞いておくんだ」
(;^ω^)「わ、わかったお!えっと、えっと…」
なんて打てばいいんだ?何を聞けばいいんだ?
(;゚∀゚)「人造細胞は今何をしているか。場所がわからなくても、なにがみえるか」
(;^ω^)「は、把握だお!」
本文:いまなにしてるんだお?いま、まわりになにがみえるかお?
返事が来るまで待つ。ほんの数分のことなのだろうが、僕達には一時間とか二時間のように感じた。
メールが、届いた。
本文:まわりはまっくらなだけ
(;'A`) 「これじゃあ…」
(;゚∀゚)「…やっぱ、だめか…」
(;^ω^)「…ツン」
- 25 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
23:33:09.92 ID:daAXyfre0
- 本文:待っててお、ツン。僕が必ず助けるお。君を救ってみせるお。
場所を聞き出すわけでもない、次はいつ現れるかを聞くのでもない。まるで価値の期待出来ない文面。
でも、これは僕が今一番ツンに伝えたいことだった。
僕が君を救う。だから待っていてほしい。
僕の気持ちをわかってくれたのか、隣で見ていたジョルジュも、クーも、何も言わなかった。
みんな黙ったまま、しばらく時間が過ぎた。
そして、その沈黙に終止符を打ったの僕の携帯の着信音だった。
本文:このめーるはだいじょうぶ しぃはきづいてないから
(;^ω^)「…しぃ?…大丈夫って…」
(;゚∀゚)「どういうことだ……?ブーン、返事しろ」
(;^ω^)「わ、わかっ……って、あれ?」
鳴り響く着信音。
僕が返信を返す前にツンからメールが届いた。
- 26 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
23:35:54.41 ID:daAXyfre0
- 本文:ひらがなでごめんね かんじがもうおもいだせないの
また、届く。ツンの方から一方的に、次々と。
- 27 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
23:36:18.22 ID:daAXyfre0
- 本文:おかしいよね めーるのだしかたはわかるんだよ いままでずっとぶーんとめーるしてたからかな
本文:あたしがきえてなくなるまえにぶーんとめーるできてうれしいよ
本文:いままでありがとね あたしぶーんといられてしあわせっだった
本文:いつもわらわせてくれたよね あたしはいつもおこってばっかりで
本文:ごめんね ほんとはうれしかったんだよ
本文:ぶーんがわらったりおこったりないたり いまでもおもいだすよ
- 28 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
23:37:16.09 ID:daAXyfre0
- 本文:ぶーんとはじめてあったひのことが すごくなつかしい
本文:できることなら あのひにもどりたい
本文:なんかあたまがまたはっきりしなくなってきた もうだめかな
本文:なんでこんなことになったんだろう
本文:ばちがあたったのかな
本文:さいごにあいたかったよ
本文:ねえ ぶーん
- 29 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
23:38:42.75 ID:daAXyfre0
- (;'A`) (;´・ω・`)(;゚∀゚)川;゚
-゚)「……!」
そこで、メールは途切れた。
(;^ω^)「…な」
そんな。ツン、何を言っているんだ?
そんなこと言うな。今すぐ、僕が、僕が…!!
(;^ω^)「なにをい…!!」
すぐに返信を打とうとした。
そこでまたもう一通メールが届いた。
本文を、見た。
(;^ω^)「……!!」
携帯電話を持つ手が震えた。危うく落としそうになるが必死で握り締めた。
(;゚∀゚)「おい、なんて書いてあったんだ!?」
川;゚ -゚)「ブーン!!」
( ω )「…ご、ごめんだお…これは、いまはみんなにはみせられないお…」
(;'A`) 「ぶ、ブーン…」
僕は携帯を握りしめて走って部屋から出た。
- 30 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
23:43:39.35 ID:daAXyfre0
- 廊下に出て、転んだ。体を床にうちつけた。
その拍子で携帯電話が僕の手から離れ、床を滑っていく。僕は慌ててそれを追う。
みっともなく床を這いずり回って、ようやく携帯電話を手に取った。
両手で抱えて、胸に抱きとめた。
「ぁあ、あああああああああああああああああああああああああああ」
誰かの声が聞こえる。泣き声?
いや、泣き叫ぶ声だ。
それが、自分の声だと気づくのには結構時間がかかった。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
僕は泣き叫んでいた。人目も省みず、廊下の真ん中で。
まるで小さい子供のように。
- 31 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
23:46:15.28 ID:daAXyfre0
- 「なんでないているんだお?」
「おうちにかえれなくなっちゃったの…」
「なんでだお?まよったのかお?」
「ひっこしてきたばかりなの…」
「ここらへんはよくしってるお。おしえるお」
「ほ、ほんとう?」
「ぶーんはうそをつかないお」
「ぶーん…?」
「ぶーんはぼくのあだなだお。ぶーんだお」
「ぶーん…ふふふ、へんなあだな」
「わ、わらうなお。ぼくはきにいってるんだお」
「はははっ!わらってごめんねっ!あたしはつん!」
「つん?きみのなまえかお?」
「そうだよっ!ふふふっ」
- 32 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
23:46:48.03 ID:daAXyfre0
- 「つん!へんななまえだおっ!へんななまえなのはおたがいさまだおっ!」
「あ、あたしのなまえはへんじゃないもんっ!」
「つん!ぼくたちはもうともだちだお!」
「ともだち?」
「そうだお!いっしょにすなばでやまをつくったり、かけっこしたりするお」
「かくれんぼとか、おままごととかも?」
「そうだお!いっしょにあそぶんだお!」
「ぶーんといっしょに?」
「うん。だってぼくたちはともだちだお!」
「あたしとぶーんがともだち…?ふふふ、うれしいなぁ」
「じゃあいっしょにあそぼうお!ぼくはむしとりにきてたんだお!」
「あたしもつかまえるっ!」
「そうかお!じゃあさがそうお!」
「うんっ!!」
- 33 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
23:47:50.34 ID:daAXyfre0
- 思い出す。何もかも鮮明に。
ツンのプリンを食べたときにツンに怒られたこと。
ツンの初めての料理のあの忘れられない味。
( ;ω;)「ツン!ツン!ツン!ツン!
ツーーーーーーーーーーーーーン!!」
狂ったように僕は泣き叫ぶ。
その拍子で携帯電話がまた床に落ち、画面を上にしたまま滑っていった。
開いているのは、メールの受信ボックス。
ツンからの最後のメールが、そこに表示されていた。
本文:さよなら だいすきだったよ
これは、ツンから最後のメッセージなんだ。
消えてしまいそうになりながら、必死で僕にメッセージを届けてくれたんだ。
- 34 : 高専(千葉県):2007/03/28(水)
23:49:17.33 ID:daAXyfre0
- 僕は理解した。
ツンは消えてしまったんだ……。
ツン。
素直じゃないけど本当はやさしいことを僕は知っていた。
僕にあれこれ言う割にはいつもいっしょにいてくれた。
僕のへったぴな歌でも上手だよってほめてくれた。
ずっと隣にいてくれると思ってた。
でも、もう、会えないんだ。
……僕は叫び続けた。
声が枯れても。涙がかれても。
クーが抱きとめてくれるまで、ずっと。
ーーーーーーーー第十一話「慟哭」完
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