- 433 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
13:35:22.57 ID:2VBR2E42O
- 五話・童貞集結
12月15日。クリスマス中止委員会が初集結する運命の日
場所は山の上の廃屋敷。誰も近寄らない、もし誰かいたとしてもすぐに消し去る
ヴォン……ヴォン!!
その日、由井はバイクの音で目が覚めた。
川 ^ー^)「んー……?」
そのまま寝続けようとも思ったが、いくら経ってもバイクの騒音は唸りを上げ続けた
仕方なく由井はのそりと起き上がり部屋の窓から外を見る。
ミ,,゚Д゚彡「………」
そこには特攻服を着る兄の姿があった。
〜天井天下唯我独尊〜
DQN丸出しの言葉が背中に入っている特攻服に木刀を持ち、バイクのエンジンを入れてる兄。
何年ぶりだろうか、この姿を見るのは
由井はそう思いながら煙草を口にくわえ、兄に窓から声をかける
川 ^ー^)「兄貴ー!!ZUふかして何やってんのー!?」
- 436 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
13:47:50.49 ID:2VBR2E42O
- 由井の声に気付いたのか、神田崇は由井に振り向いた
ミ,,゚Д゚彡「ちょっとなー!!友達と会ってくんべ!!」
崇はそう言い、バイクに股がる
川 ^ー^)「どうでもいいけど、やたらやかましいよそのバイクー!!何でそんなカビクセーの乗んのさー!?」
ミ,,゚Д゚彡「このタコ!家にはこれしかねーだろーが!!!!」
川 ^ー^)「あ、そっか」
うーん、成程っと由井が頷いた。その瞬間、兄のバイクが今までにないくらい大きな唸り声を上げた
慌てて由井が顔を上げると既に兄の姿は其処には無かった
川 ^ー^)「あら、もう行ったの?」
そんな事を言いながら由井は再びベットに寝転ぶ
これから気持ち言い二度寝の時間なのだ
川 ^ー^)「しかし……久しぶりに見たなぁ、あの姿」
兄の特攻服。あれは昔、警官になる前の神田崇が遊び歩いていた時の物だ。その横にはいつも小笠原がいたのを由井は覚えている
警官になってからは一度も着たのを見たことは無かったが
川 ^ー^)「まだまだガキだね、アヤツも」
- 439 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
14:02:47.96 ID:2VBR2E42O
- デビルマン……もとい田中は空から街を眺めていた。ビルからではない。文字通り空からだ
( ^^)「………」
空を飛ぶ………。人間の常識では考えられない行為、人間が夢にまでみた空中浮遊
だが彼には自分が空を飛べるという事実等どうでも良かった。そんな事よりも彼の頭の中には昨日、ブーンに廃屋敷に連れて行かれた後の言葉の方が感動的だったのだ
「明日、ここでメンバーが集結する。それに君も参加して欲しい」
「はい。神の言葉なら、例え人混みの中で全裸になり自慰をしながら走れ、と言われても私は実行致しましょう」
「…………」
「…………」
「待っていた………お前みたいな変態を……」
その最後の言葉。一晩経った今でも彼の頭の中を占領していた
殺し屋イチ並の衝撃。その言葉を言って貰える為に生きていると言っても過言でなかった
( ^^)「………」
そして彼は消えた。廃屋敷に行くために。集まる為に。もう一度あのお方に会う為に
- 448 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
14:22:56.29 ID:2VBR2E42O
- いつも思う。バスというのは便利だ。安い賃金で遠くまで行ける。少々安っぽい機内なのだが、そこがまたたまらない
/^^\「フッジサーン!!」
彼……萬田銀次郎はそんな事を考えながらバスに揺られていた
今日はいつもの俺とは一味違う……
そんな痛い事を考えるのは服装のせいだった。見ると彼の服装は異質だった。
ジョジョを真似て昔の学ランを細工して作った服に帽子……
周りの人間は見て見ぬ振りをしていたが心の中では皆、同じ事を思っていた
”きめぇ“
そんな目で見られているのにも気付かず、萬田は鼻唄を歌いながら外の景色を見ていた
だが他の人間と違って萬田は大真面目だった。少しでもこの服装を馬鹿にするような態度をとったら即座に萬田はソイツを殺すだろう
/^^\「今日は神に会う………失礼の無いようにしなければ……」
バスは揺れる。萬田の腹の肉も揺れる。
神に会うため萬田は廃屋敷へと向かう………
- 460 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
14:40:28.71 ID:2VBR2E42O
- 鏡の前でポーズをとる。それは彼等にとっては最早生活の一部となっていた
( ´_ゝ`)「筋肉の流動……脂肪とは違う、完全なる美………」
(´<_` )「美しいわ……私達の筋肉……」
彼等は寝る間も惜しんでジムでトレーニングをしてきた。5歳の頃に100キロのバーベル、10歳の頃には500キロのバーベル、20歳の頃には1000キロのバーベル、そして今は……
(´<_` )「2000キロなんて楽勝よ……」
( ´_ゝ`)「私達の最高は5000キロだけどね」
だがしかし、それは一人の場合だ。彼等は二人で真の力を発揮する
二人で同時に持ち上げる………。その時、彼等は10000キロの鉄を持ち上げた。無論、本気の力ではない
本気でやったら何キロまで持ち上げられるのか……それは彼等にもわからなかった
( ´_ゝ`)「こんなにも鍛えてきたのは……この日の為、クリスマスの為………」
(´<_` )「そして……神の為………」
そうして流石兄弟はパンツ一枚で廃屋敷に向かう。神に自慢の筋肉を認めて貰う為に、他の人間に自慢の筋肉を見せ付ける為に……
- 468 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
14:56:04.51 ID:2VBR2E42O
- 廃屋敷に行く途中も、流石兄弟はワザワザ人通りの多い所を歩いていた
(´<_` )「お兄様……早く行かないと」
( ´_ゝ`)「わかってるわよぉ。ちょっと寄っただけじゃないの」
流石兄弟がそんな事を話していると、すれちがい様に男がぶつかってきた
「テメーどこ見……」
言い終わる前に男は止まった。流石兄弟の筋肉を見て
瞬間、男は流石兄弟に背を向けて逃げ出すように走り出した。だが………
( ´_ゝ`)「ふんっ!!」
「ぐもっ!!!!!!!!!」
哀れその男は流石兄のデコピンによって頭を吹き飛ばされてしまった
男は本当のぐもっちゅになったのだ
(´<_` )「流石はお兄様!ナメック星人も真っ青ね!」
( ´_ゝ`)「いい体してたんだけどねぇ……。性格が好みじゃなかったわ。アタシああいうガツガツしたのって大っ嫌いっ」
その光景を見た周りの人間もまた、真っ青になっていた。だが流石兄弟はそんなの事は気にしない
ただただ廃屋敷へ歩み続ける。それ以外の事は関係ないのだ
- 476 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
15:11:28.03 ID:2VBR2E42O
- 「ん………?」
平和な街中。平和な平日。だがそんな物は存在しない。彼が其処にいる限り
「な、なんだありゃぁ?」
街中を我が者顔で突っ切る黒いベンツの集団。10……いや、20台程だろうか。その全てにスモークが貼ってあった
だがヤクザ等ではない。ベンツに乗っている人間はれっきとした一般人だ。……いや、彼等も人間では無いのかも知れない
そしてその中の……ベンツの集団の中心に一つ、白いベンツがあった。それに乗るのは人外の存在
/,'З「くかかかかか!!!!!!!!」
荒巻竜蔵。邪悪な笑みを浮かべる神の狂信者。
そして周りのにいる荒巻の部下……彼等もまた、荒巻と同じ神の狂信者だった
「荒巻様。後1時間程で神のいる屋敷に到着致します」
/,'З「くかかかか!!もっと早くせい!!邪魔をする車はぶっ飛ばしてでも避けさせるんじゃ!!」
ここにまた……童帝を崇拝する組織が出来上がっていた……
- 489 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
15:30:50.44 ID:2VBR2E42O
- 黒いベンツの群れ……横切るそれを無言で見つめている者がいた
( ・∀・)「今のベンツの集団……隊列は美しいが……少し……下品だな……」
矢上優。流石兄弟とは違う美を追求する者。
身につけているステッキとシルクハット。これが彼の愛用品だった。それに胸ポケットに入れてあるトランプ……
( ・∀・)「ふふ……これがなきゃあ手品を見せれないからね……」
彼にとってはその愛用品だけが拳銃よりも心強い味方だった。
これさえあれば私は負けない。神も私を認めてくれる。神も私を頼りにしてくれる
そう思っただけで彼は嬉しい気持ちで一杯になる。ここでステップを踏みたいくらいだ。
だがそんな事はしない。
( ・∀・)「無様だからな………」
彼が目指すは廃屋敷。廃屋敷に集うは彼に劣らず勝らずの魔人の群れ。
( ・∀・)「醜い奴がいなければいいが………」
そう思いつつ彼は廃屋敷を目指す……
- 494 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
15:49:47.68 ID:2VBR2E42O
- 薄暗い漆黒の闇。光はパソコンの光のみの小さな世界
後藤はただ一人、そこに佇んでいた。そして紫の靄は限りなく……果てしなく後藤の体から発っせられる
( <●><●>)「泣かぬなら……殺してしまえ……陳歩ッ歩」
手に握り締めるは青龍刀。殺傷のみを目的とした刀。
後藤はこれを握る度に陳歩ッ歩の顔が浮かんだ
彼の脳内では陳歩ッ歩は2500回以上死んでいる。いや、殺している
それ程憎い。それ程殺したい。
( <●><●>)「だが……もうすぐだ」
もうすぐ………もうすぐクリスマス。彼は決めていた。クリスマスイブに陳歩ッ歩を殺すと。
泣きわめいて命乞いをしても笑いながら殺す。そう決めていた
( <●><●>)「神よ。貴方を知らなかったら私は……」
後藤は思う。神がいなければ陳歩ッ歩を殺す勇気も無いヘタレで人生を終えていただろう。
神は恩人だ。もし神に親を殺せと言われても私は迷わず親を斬り殺すだろう
( <●><●>)「神よ……今逝きます……」
彼もまた、廃屋敷へと歩み始める。他のメンバーに会う為ではない。
神に会う為だ
だがそれは他のメンバーも同じだった。それぞれの目的は違うものの、崇拝する人物はただ一人なのだ
- 505 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
16:10:52.94 ID:2VBR2E42O
- ブーン……童帝……神………。
ブーンは神を信じない。また、自らを神とも思っていなかった
( ゚ ゚)「………」
周りが勝手にそう言っているだけだ。だがそう言う事で仲間が一つに収まるのなら神にでも何にでもなろう
12月15日。クリスマスまであと十日。
役者はまだ全員揃っていない
( ゚ ゚)「行くか……」
この仮面を被ると、自分が自分で無くなる気がする。
この仮面があるから俺は平然と人殺しができる。
この仮面を付けている時だけ自分で自分を神だと思える
( ゚ ゚)「クリスマス………絶対に壊してみせよう」
そう言いブーンの体から靄が発っせられ、あっというまに靄はブーンの部屋を覆った
( ゚ ゚)「………」
靄が晴れた時には、もうブーンはいない。向かったのだ。廃屋敷へと……
- 528 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
16:37:01.48 ID:2VBR2E42O
- 後藤が屋敷に着いた時、時刻は昼の2時だった
( <●><●>)「………」
廃屋敷は文字通りボロボロにだった。一体誰が何故こん所に家を立てたのだろう
そして後藤は玄関の扉を開け、中に入る。
( <●><●>)「……?」
まだ誰も来ていないのか。そう思いつつ後藤は歩きながら辺りを見渡す。
「いらっしゃぁい。遅かったわねぇ」
( <●><●>)「……!!」
不意に広間の真ん中から声がした。後藤が声のした方に振り向くと、そこには既に五人の男が円を描くように向き合っていた
(´<_` )「これで六人……」
( ´_ゝ`)「後は神だけかしらぁ?」
乳首を上下にピクピク動かしながらポーズをとる男達。
それに対抗するようにジョジョ立ちをする中年の薄汚い親父
それを見ないように目を瞑るシルクハットを被った美形の男性
そして一番小柄な、だがしかし一番凶悪な顔付きをして笑う老人
( <●><●>)「貴方達が……メンバーか」
- 538 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
16:50:56.68 ID:2VBR2E42O
- 一クセも二クセもありそうな男達だ。いや、だから頼りになるのかもしれない
そして不意に萬田が口を開いた
/^^\「やれやれだぜ………言うのを忘れていた自分にやれやれだぜ……」
(;ー∀ー)「(ぐっ………!!!!!醜い………醜くすぎる……!!)」
そんな矢上の心も知らず、気持ち悪い口調で萬田は喋り続ける
/^^\「神によると新しい仲間が新たに二人……加わったそうなんだぜ……」
/,'З「ほう!!流石神じゃ!!二人も嫉妬を使える者をこの短期間に見つけてくるとは!くかかかか!!」
矢上は我慢ならなかった。この老人の下品な笑い声もそうだが、一番耐えがたいのは流石兄弟の筋肉と萬田銀次郎の存在そのものだった
(;ー∀ー)「………」
つい先程来た青龍刀を持ったリーマンらしき男はまだいい方だ。だが……
(;ー∀ー)「(何という醜さだ………本当に人間なのか?あの筋肉と脂肪の塊は……)」
一瞬……たった一瞬だ。たった一瞬視界に入っただけで気を失いそうになった。
今すぐにでも絞め殺してやりたいが手が汚れるのであまり近寄りたくは無かった
- 548 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
17:02:11.92 ID:2VBR2E42O
- その頃神田は廃屋敷のある山に入った所だった
ミ,,゚Д゚彡「………」
入り込んでいる山道でも神田のZUはまったくスピードを落とさない。途中に直角に近い急カーブがあったがそれも今の神田にとっては眼中にすら無かった
ミ,,゚Д゚彡「ははっ!初めてだ、こんなカーブを100km以上のスピードで曲がれたのは!!」
その後も神田は難無く山道を登り続ける。しかし神田は途中で誰かにみられている事に気付いた。
ミ,,゚Д゚彡「……」
そう思いつつもバイクを疾走させ、廃屋敷に向かう。
メンバーの手下だろうか?
そう思ったのはその視線には殺気が無かったからだ。恐らく味方だろうが……
ミ,,゚Д゚彡「参ったね……結構大所帯なんだな」
- 563 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
17:15:04.08 ID:2VBR2E42O
- 廃屋敷の上空……そこに田中はいた
( ^^)「……廃屋敷とは別に山の中に誰かがいる……それも複数」
田中は神田同様に山の中にいる人間の気配に気付いていた。
だが神田と違うのは、田中にはソレを確かめる術があるという事だった
( ^^)「デビルアイ!!」
デビルアイ―――――――――それは元祖デビルマンの持つ技。本来、自分の動視力を爆発的に高める技なのだが、同時に透視も行う事ができる悪魔の技なのだ
これを使えば普通に覗きができるのだが、残念な事に今の田中には(昔もそうだが)そんな事を考える知能は無かった……
( ^^)「山の中には……」
山の中には黒服の男が50人程……そしてその山中をもの凄い速さで疾走するバイクが一つ
だが……
( ^^)「神はまだ来てないのか……」
田中はがっくりと肩を落とす。だが神が来る前に屋敷に行った方がいいだろう
そう思い田中はふよふよと浮きながら屋敷に向かっていった
- 575 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
17:32:34.52 ID:2VBR2E42O
- 一方屋敷では六人のメンバーが神を待ち続ける
矢上もここに神が来ると信じているから我慢して屋敷にいるのだ。来ないと分かったらとっくにコイツ等を殺して屋敷を後にしている
( <●><●>)「そういえばここに部外者が来るって事は無いのか?」
後藤の問いに荒巻は笑いながら答えた
/,'З「くかかかか!!ワシの部下が見張ってるから心配いらんわ!!」
( ´_ゝ`)「流石おヤクザ屋さん。人手は足りてるのね」
/,'З「やかましぃわ!!」
(;ー∀ー)「…………」
矢上は思った。どうしてここまで低俗な会話が出来るのだろうか。
そして矢上は一人、フラフラと屋敷の玄関に向かう
/^^\「どこへ行くのだ?」
最早この脂肪に話しかけられただけで全身に鳥肌が立つ。
(;ー∀ー)「少し………外で風に当たってくる……」
/^^\「博士……もとい荒巻の部下が見張っているとはいえ油断はするなよ」
矢上はその言葉に手だけで答える。そして逃げるように玄関から出ていった
- 579 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
17:42:05.63 ID:2VBR2E42O
- ( ・∀・)「ふぅ………」
外に出た矢上は風に当たっていた。
時折見える見張りの影。主人の命に従い無言で見張る黒服の男達。矢上は思った。彼奴等より見張りの男達の方がよっぽど美しい、と
( ・∀・)「それにあの脂肪……」
失敗ヅラにも程がある。あの筋肉はまだ顔がイイので耐えられた。筋肉さえ見なければ
だがあの脂肪だけは……
(;・∀・)「ぐっ……思い出しただけで………吐きそうだ……!!」
だが矢上はどんなに酷い物を見ようと自分を見失ったり倒れたりしない。それが彼の美学だからだ
常に美しく、常に冷静に………
これだけは守ると誓ったのだ。それに自信もあった。どんなに酷い物を見ても冷静にいられる。
―――――――――アレを見るまでは
- 593 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
17:54:55.32 ID:2VBR2E42O
- そんな事を考えながら、風に当たっていると山の中には似合わない耳障りな騒音が聞こえるのを感じた
( ・∀・)「?」
矢上が音の方向へ振り向くと、そこには特攻服を着て木刀を持ちバイクに股がっている男の姿が目に入った
(;・∀・)「な……なな!?」
ミ,,゚Д゚彡「やっと着いたぜ!!ひゃはははは!!!!」
何だコイツは?いや、これは何だ?何故こんなのが此処にいる?
大体何だあの下品な服は?天上天下唯我独尊?下品過ぎにも程がある
更に木刀?しかもバイク?何だ?下品の究極体の暴走族か?
まさかあれが神に認められた新しいメンバーなのか?
混乱する矢上を見ながら神田は玄関に近付く。そして神田は途中、よっ、と挨拶をして屋敷の中に入っていった
( ・∀・)「……………」
下品過ぎる。だが醜くは無い。これなら”まだ“耐えられるかも知れないが……
だが矢上がそう思うのも束の間だった。矢上が不意に空を見るとソレが空からやって来たのだ……
- 613 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
18:10:56.28 ID:2VBR2E42O
- 一瞬世界が止まった。ザ・ワールドが発動したのかと思うくらいに世界が静止した
( ・∀・)「―――――――――」
( ^^)「デビルウイーング!!!!!!」
ソレは地上に降り立つと、腰を左右に降りながらリズミカルに矢上のいる玄関に近付いてきた
( ・∀・)「あ………あ………」
( ^^)「デビルマンはだーれーなのかー誰もー知らないー知られちゃー行けないーデビルマンが誰ーなのかー!!!人の世に嫉妬があーるー人の世に…………」
意味不明な奇声を発しながら近付いてくるソレに矢上は反応ができなかった。
そしてすれ違い様にその物体は矢上に対し何故かウインクを放ったのだ
( ・∀・)「―――――――――」
そして田中は何事も無かったようにドアを開け、中に入っていった
何だ?あまりにも醜い物を見すぎた為私は幻を見たのか?地球上にあんな生物がいたのか
だがあれは幻をでは無かった。れっきとして存在していた
(;・∀・)「Noooooooooo!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
見張りの男「!?」
矢上は心底恐ろしかった。あんな生物と一緒の世界に住んでいる。
そう思うだけで矢上は発狂しそうになったのだ
- 630 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
18:26:17.56 ID:2VBR2E42O
- そして矢上は地面に倒れた
見てはいけない物を見てしまった。その後悔の念だけが矢上の頭を占めていた
だが……
( ー∀ー)「(………ん?)」
倒れる直前に、誰かに抱き抱えられたのを矢上は感じた
まさかあの不気味な生き物か?あの不気味な生き物が私を抱いているのか?
もしそうだったら私は潔く死のう。この世に産まれた事を後悔して………
矢上は最後の力を振り絞り、目をうっすらと開ける。
だが視界に入ったのは見たことも無い男の顔だった
( ^ω^)「………」
( ・∀・)「……!!!」
瞬間、矢上は悟った。瞬間、矢上はこの人物が誰だか分かった
その人物はイケメンではない。普通の……本当に普通のそこら辺にいる男の顔だった。だが………
( ・∀・)「(なんと……神々しいんだ……)」
矢上は確信する。この男こそ自分が待ち望んでいた神だ、と
何というオーラ……一目見ただけで分かってしまった………この男は間違いなく神
そして矢上は目の前が真っ暗になった―――――――――
- 646 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
18:39:52.76 ID:2VBR2E42O
- なんというオーラ・・・
一目見ただけで分かってしまった
このお方は間違いなく神・・・
/ ̄\
| ^o^ |
\_/
魑魅魍魎が集まるこの屋敷。これで後は神を待つだけだった
/^^\「デビルマンに暴走族にマカオとジョマ(流石兄弟)に手品師にサラ金のボス………そしてこの俺……。圧倒的ではないか!」
ミ,,゚Д゚彡「それにしても遅いな、神はよ」
( ^^)「僕が様子を見てきましょう。ついでに矢上も呼んで来ますよ」
/,'З「くかかかか!!頼むぞい!!」
そして田中が玄関に近寄った瞬間。玄関の扉が勢い良く開いた。
人影は一つ。誰かを抱き抱えている
(´<_` )「………!!」
( ´_ゝ`)「………!!!」
- 670 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
18:57:21.46 ID:2VBR2E42O
- その男は―――荒巻よりも邪悪な嫉妬――――デビルマンより異質の嫉妬―――流石兄弟より巨大な嫉妬―――萬田より正体不明の嫉妬――――――後藤より恨み深い嫉妬―――矢上より自信に満ち溢れた嫉妬――――そして………神田より乱暴な嫉妬……………
( ゚ ゚)「………」
その男が現れた瞬間、人を凌駕した魔人共すら、膝を床に降ろし平れ伏した
勿論そんな平れ伏す気は無い者もいた。だが体が勝手に動いたのだ。人に従うのが大っ嫌いな神田でさえ……
(;´_ゝ`)「………」
(´<_`;)「………」
流石兄弟は膝を降ろしたまま動けなかった。見るからに筋肉の無い体。自分達の筋肉は誰にも負けない……だが神に、その理論は通用しなかった
/,'З「………」
荒巻もまた、動けなかった。腹黒さでは、神をも越えると思っていた自分。だが神にかかれば全て見通されるような感じだった
(;^^)「………」
デビルマンも最早神の前ではただの変態でしかなかった。以前とは違う。神の前では自慢の変態行為も全て、単なるそこら辺にいる変態行為に過ぎなくなる
- 684 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
19:07:36.32 ID:2VBR2E42O
- /;^^\「…………」
萬田銀次郎は動けなかった。ミナミのキモオタと呼ばれた彼も、神の前ではただの脂肪にすぎない。言わばシンとハート様の関係であった
( <●><●>)「………」
後藤もまた、動けなかった。陳歩ッ歩を恨む気持ち………人を恨むこの負の感情は負けないと思っていた。
だが神は後藤の負の感情等飲み込んでしまう程の巨大な負のオーラを纏っていた
ミ,,゚Д゚彡「………」
神田もまた、他のメンバーと同じように膝をつき頭を下げていた
今まで頭を下げたのは、母親か小学校の時の教師くらいだった。それも嫌々だ。
だが今回は違った。コイツにだけは頭を下げても不快にはならなかった。むしろもっと頭を下げたい、と思った程だった
一方矢上は寝ていた
- 714 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
19:29:31.87 ID:2VBR2E42O
- 白いコートに身を包んでいるブーンは……童帝は矢上をソッとソファーの上に寝かせる
( ゚ ゚)「初めまして。私が童帝だ」
ブーンは頭を下げているメンバーに目を写す
皆、膝をつき、頭を下げて何を思うのだろうか。畏怖か?それとも尊敬の念か?両方か?
( ゚ ゚)「皆、楽にしてくれお。私は堅苦しいのは嫌いだ」
童帝、ブーンがそう言うと、皆糸が切れたようにガクッと姿勢が崩れた
(´<_`;)「お兄様……」
(;´_ゝ`)「えぇ……想像以上ね……」
そう言う流石兄弟の額には大粒の汗が何粒も浮き出ていた
その他のメンバーも大体同じだ
( ゚ ゚)「さて、今日君達に集まってもらったのは他でも無い」
/,'З「………」
( ゚ ゚)「壊せ」
全員な体がピクッと動く。萬田が恐る恐る神に聞いた
/^^\「それはどういう………?」
- 724 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
19:39:51.70 ID:2VBR2E42O
- ( ゚ ゚)「言葉通りの意味だ。壊せ。全てを」
ミ,,゚Д゚彡「は、随分豪快なこった」
( ゚ ゚)「馬鹿な平和ボケしているこの国の人間の事だ。クリスマスになっても外出しようとする愚かなカップルがいるだろう」
( <●><●>)「成程……それで、二度とクリスマスに外出しないような気を起こさない為に壊すのですね……」
そう言いながら立ち上がる後藤に、ブーンは笑いながら応えた。
( ゚ ゚)「そうだ。目に見える建物全て壊せ。ただし人はあまり殺すなよ」
/,'З「例えばどんな建物を……?」
( ゚ ゚)「……そうだな、例えば……ラブホテル……とかだ」
ブーンのその言葉にメンバーはニヤリと口元を釣り上げる。その瞬間、全員の嫉妬が燃え上がる。この屋敷を……いや、この山を包み込む程勢いよく、巨大な嫉妬が……
- 732 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
19:47:42.97 ID:2VBR2E42O
- ( ゚ ゚)「行こう!!VIPのメンバーよ!!」
ブーンもまた、メンバーに負けない程の嫉妬を発っし出した
/,'З「神よ……」
荒巻は呟く。尊敬の意を込めて
/^^\「神よ……」
萬田は呟く。畏怖の意を込めて
( ´_ゝ`)「神よ……」(´<_` )
流石兄弟は呟く。羨みの意を込めて
( ^^)「神よ……」
デビルマンは呟く。変態の意を込めて
- 751 名前:
◆xkpIzaNQBI :2006/11/22(水)
19:57:17.09 ID:2VBR2E42O
- ( <●><●>)「神よ……」
後藤は呟く。歓喜の意を込めて
ミ,,゚Д゚彡「へ、神よ……」
神田は呟く。親しみの意を込めて
( ー∀ー)「むにゃ……神よ……」
一方矢上は寝ていた
( ゚ ゚)「行け!!!」
ブーンが叫ぶ。童帝が叫ぶ。神が叫ぶ
その瞬間、メンバーはフッと音を立てて消え去った。
出撃したのだ。壊す為に。恐怖を与える為に。
( ゚ ゚)「さて……矢上が起きたら………私も出るか……」
ブーンは仮面の下でニヤリと口を釣り上げた。まるでショーを楽しむかの笑い。まるで全てを予想しているかの笑い
( ゚ ゚)「はは………あーっはっはっはっは!!!!!」
狂ったように笑う。狂ったように舞う。いや、もう既に彼は―――――――――