175 :門番の娘:2006/11/20(月) 12:49:33.81 ID:tdOO9PbiO
三話・毒男量産化計画


クソスマス カップル共が 夢の後

        竜蔵心の俳句





ある所に大豪邸があった。広い敷地に広い御殿。立ち退き御殿ではない。
言うまでも無く、この大豪邸を立てた主は金持ちだ。しかし金持ちだが………童貞だった

/,'З「ズズーッ………」

月曜日の朝に悠々自適に縁側でお茶をすする生活。彼の仕事はまだ現役だが、最早彼にとって月曜日は敵では無い。
仕事に行かなくても社員が勝手に金を儲けてくれる………

それが彼が金持ちたる理由だった
177 :水汲みおしち:2006/11/20(月) 13:01:26.67 ID:tdOO9PbiO
荒巻竜蔵72歳………
そんな彼でも悩みがあった。

/,'З「わしゃあ人生勝ち組に入れた。だがある意味負け組なのかもしれん……。
このまま死ぬまで童貞なんじゃろうか………」

これが彼の口癖だった。毎朝縁側でお茶をすすり、この言葉を言う……。ボケているのではない
荒巻はふぅ、と溜め息をつく。だがそれも一瞬、すぐに荒巻の顔は邪悪な笑みに満ちる

/,'З「くかかかか!!もしワシが一生童貞だとしても!!せめて非童貞共に一死報いてやるわ!!!」

荒巻は高笑いしながらすごすごと家の中に入りテレビを付ける。
テレビはどのチャンネルをつけても昨日のチラシ………いや、チラシと”神“の事しかやってない

/,'З「ワカッテマスも中々やるが………やはり神は別格じゃ」
179 :水汲みおしち:2006/11/20(月) 13:19:27.07 ID:tdOO9PbiO
今日は12月13日。昨日は神とワカッテマスが基盤を築いた。
次はワシと流石兄弟の出番だ

/,'З「……」

全国に散らばる毒男をまとめるには昨日の出来事だけではまだ無理だ。
だが今の毒男達ならば後一押しするだけで……

/,'З「暴動が起きる……!!」

荒巻は白いスーツに身を包む。だが本職の仕事に行くのではない。

/,'З「神よ。見てて下され。貴方が言った通りにしてみせる」

そう言い荒巻は家の外にあるベンツに乗り込む。前座席もスモーク仕様のベンツだ。

/,'З「くかかかか!!いくぞ!!」

ゴォォ、と唸りを上げて荒巻邸を後にするベンツ。それは最早老人の運転する車では無かった
185 :水汲みおしち:2006/11/20(月) 13:28:23.27 ID:tdOO9PbiO
その頃全国の毒男達は………

毒男Aさんの場合

隣の部屋からギシギシアンアン
上の天井からギシギシアンアン
下の床からギシギシアンアン

('A`)「鬱だ死のう……」

テレビ「えー……昨日の殺人鬼と、クリスマス中止のお知らせ……と書いてあるチラシ。同じ組織の犯行だと……」

('A`)「………ん?」


毒男Bさんの場合

「あはははー」
「だからさーw」

('A`)「………」

厨房のカップルを見ると 殺したくなるのは 俺だけでしょうか
by不細工高校生


186 :水汲みおしち:2006/11/20(月) 13:34:11.47 ID:tdOO9PbiO
毒男C、D、E、Fさんの場合

('A`)「………」


('、`*川「いやん、駄目だってばぁ」

(゚Д。)「誰も見てないってww」

('、`*川「いゃぁw」



('A`)「おぅ、おめえら。あの警官フクロにすっぞ」

('A`)「押忍!!!」
('A`)「押忍!!!」
('A`)「押忍!!!」

毒男Gさんの場合

('A`)「うひうひ……小学生はかわいぃなぁー」


( ´Д`)「ヒソヒソ……あの人いっつも小学生の登校路にいるわよ……ヒソヒソ」(´Д` )

188 :水汲みおしち:2006/11/20(月) 13:40:55.91 ID:tdOO9PbiO
毒男H、Iさんの場合

('A`)「………なぁ」

('A`)「何よ」

('A`)「何で俺には彼女が出来ないんだろうな」

('A`)「引き込もってエロゲーばっかやってるからだろ」

('A`)「ふひひひ!すいませーんwww」


毒男Jさんの場合

('A`)「ん?そういえば今日は俺の誕生日か……」

('A`)「…………」



('A`)「げぇ!!よく考えたら今日で魔法使いじゃねーか!!!!」
191 :水汲みおしち:2006/11/20(月) 13:52:52.89 ID:tdOO9PbiO
場所は変わってここは都内のVIPジム……
VIPジム。日本最大級の大きさを誇るジム。そこでは男達………いや、漢達は自らの肉体に筋肉をつけるため日夜激しい修行をする場所である
オタクの聖地が秋葉原であるように、マッチョの聖地はココ、VIPジムなのである

(´<_` )「お兄様……そろそろ時間よ……」

( ´_ゝ`)「あら……もうそんな時間?」

VIPジム目玉の2000キロバーベルコーナー。 そこに流石兄弟はいた

「……ポカーン」

周りのマッチョが唖然とする中、流石兄弟は2000キロのバーベルを軽々と持ち上げていた。
それも片手で……

( ´_ゝ`)「じゃ、そろそろ行きましょうか」

流石(兄)はそう言うと持っていたバーベルをポイ、と投げ捨てた。
そのバーベルは床にめり込んだ。

(´<_` )「でも駄目ね。このバーベル軽すぎるわ」

流石(弟)も兄と同じくバーベルを投げ捨てる。汗一つかいてない
195 :駅前食堂のメグ:2006/11/20(月) 14:03:22.34 ID:tdOO9PbiO
「ちょっと待ってくれ!!」

ジムを出ようとした時、一人のマッチョが流石兄弟に声をかける

(´<_` )「あら?どいしたのん?」

「あ、アンタ達……一体どうやって鍛えてるんだ…?」

( ´_ゝ`)「……」

あぁ、そういう事か。違うジムで何度聞かれたか分からないこの質問
この質問がきたとき、流石兄弟は決まってこう返す

( ´_ゝ`)「それはね……」


(´<_` )「嫉妬よ――――」

「………嫉…妬?」

マッチョは首を傾げる。近くにいた他のマッチョも首を傾げた

(´<_` )「それにしても貴方いい体してるわね……」

( ´_ゝ`)「残念、用事が無かったらいい事できたのに……」


197 :VIP皇帝:2006/11/20(月) 14:07:13.81 ID:tdOO9PbiO
流石兄弟はそう言うと、ボディービルダーのポーズを取りながらジムから出ていった。
その様子を他のマッチョ達は唖然としながら見つめていた

「う……美しい……」

一人のマッチョが言った。そのマッチョはブリーフをパンパンに膨らませていた

美しい


その場にいたマッチョ、全員がそう思っていた。勿論彼等はホモではない(ホモもいるが)
だが流石兄弟の肉体にはそう思わせる何かがあった
199 :駅前食堂のメグ:2006/11/20(月) 14:17:21.56 ID:tdOO9PbiO

余談だが、流石兄弟はいつもブリーフ一丁で生活している。ズボンもはかない、服も着ない。

「キャー!!!」

なので外に出ると悲鳴が聞こえるのは当然なのだ

( ´_ゝ`)「うっるさいわねぇ……毎日毎日」

(´<_` )「仕方ないわよ。私達の筋肉の美しさは悲鳴をあげる程だもの」

彼等……流石兄弟もまた変態であった。
だが田中(デビルマン)のような変態とは違う。田中は自分が変態であると自覚していたが流石兄弟は自分が兄弟だと自覚していないのだ

( ´_ゝ`)「あぁ、嫉妬しているのね……」

(´<_` )「そうよ。嫉妬されているのだわ」

無論警察に捕まりそうになった事もある。だがその不幸な警官は流石兄弟に触った瞬間100m先に吹っ飛ばされた
以来警官はまったく二人に近寄らなくなった。
203 :駅前食堂のメグ:2006/11/20(月) 14:32:48.05 ID:tdOO9PbiO
荒巻の乗るベンツはもう少しで待ち合わせ場所に着こうとしていた

/,'З「二人揃ってホームランブギー」

愛用の吉田拓郎の歌を聞きながら荒巻は車を運転する。実際、荒巻はいつも運転を運転手に任せているため車の運転は苦手なのだ。
だが今日ばかりは運転手は呼べない。故に久しぶりの運転だったのだが……

/,'З「やはり吉田拓郎を聞くと調子がいいわい!!」

吉田拓郎のお陰なのかは分からないが、彼の運転はとても久しぶりとは思えない程エキサイトしていた

/,'З「お、あそこじゃあそこじゃ」

荒巻は待ち合わせ場所に車を止める。だが少し心配な事があった。
流石兄弟が分からないがかもしれない。何しろ初めて会うのだ。流石兄弟は一目見れば分かる、と言っていたのだが
205 :駅前食堂のメグ:2006/11/20(月) 14:44:17.24 ID:tdOO9PbiO
/,'З「……」

ふと荒巻の視界に異様な物が写った
ポーズを取りながら乳首がピクピク上下に動いてる二人の男だ

/,'З「なんじゃアレは?芸人……?」

そう言いかけて荒巻は止まった。よく見ると二人の周りには紫色の靄がかかっている。
巨大な、巨大な靄だ。荒巻から見ても不気味な、それでいて綺麗な靄だった

/,'З「くかかかか!!彼奴等か!!成程、成程!!」

流石兄弟の靄を見て荒巻は邪悪な笑みを浮かべる。
成程、あれなら納得だ。


荒巻はベンツから降り、二人に近付く。流石兄弟も、荒巻が仲間だと分かっていたのか同じように近付いてきた

(´<_` )「初めましてかしら?博士」

/,'З「くかかかか!!流石兄弟とはお主達の事か!!物凄い嫉妬が溢れ出ていたぞ!!」

( ´_ゝ`)「あら……博士こそ、車の外にまで分かるくらいでっかい嫉妬だったわよ」
208 :高校の女教師:2006/11/20(月) 15:03:41.21 ID:tdOO9PbiO
/,'З「当然じゃ。ワシは腐っても荒巻竜蔵。老いて衰えるものか!!」

( ´_ゝ`)「あ、荒巻竜蔵!?」

荒巻竜蔵。日本最大のサラ金会社、マキマキ7の社長。業界では有名人なのだ
だが同時に色々きな臭い噂もとり纏っている。暴力団を使い、ライバル社等を消した……悪質な取り立て……等々

(´<_` )「へぇー……だからベンツなのね」

( ´_ゝ`)「あたしてっきりヤクザかと思っちゃった」

/,'З「失礼な。あんなのと一緒にしてもらっては困る!」

(´<_` )「………」

実際、流石兄弟はベンツから降りた荒巻を見た時、あまりの威圧に戸惑った。
背こそ低いがその顔からは大物の匂いが滲み出ていたのだ

( ´_ゝ`)「(これじゃヤクザより性質悪いわ)」

/,'З「さ、無駄話しとらんで行くぞ」
210 :高校の女教師:2006/11/20(月) 15:18:36.21 ID:tdOO9PbiO
流石兄弟はベンツに乗り込む。だが体が大きくて中々入れなかった

(´<_` )「ちょっと!この車ちっちゃいわよ!!」

/,'З「お前等がデカすぎるだけじゃい!」

( ´_ゝ`)「大体何でスモーク貼ってんのよ!あんたヤクザじゃないんでしょ!!」

/,'З「この方が落ち着くんじゃ」

そんなこんなで流石兄弟はぎゅうぎゅうになりながらも車に乗り込んだ

/,'З「乗ったか?行くぞ」

( ´_ゝ`)「まずは……どこに行くの?」

/,'З「先ずはフシテレビにでも行くか……?くかかか……!!!!!」

(´<_` )「………」

先程もそうだったが、流石兄弟は荒巻の邪悪な笑みにゾッとした。何故だろう……何故かコイツには勝てる気がしない
こんなに小さいのに。こんなに老いているのに。少し殴っただけで殺せそうなのに
何故か………勝てる気はしなかった―――――

(´<_` )「この人が味方で良かったわね、お兄様」

( ´_ゝ`)「………」

211 :高校の女教師:2006/11/20(月) 15:31:21.85 ID:tdOO9PbiO

差出人:童帝
件名:フッジサーンへ
本文:今日、流石兄弟と博士がうまくいったら明後日、12月15日……みんなで集まろうと思う。
   私は今日と明日は動けない。メールを打つのもやっとだ。フッジサーンからその旨をみんなに伝えてくれ


差出人:フッジサーン
件名:Re
本文:神よ、わかりました。私が責任を持って伝えるので今は休憩に専念を
230 : ◆xkpIzaNQBI :2006/11/20(月) 16:50:08.91 ID:tdOO9PbiO
テレビ「まーる書いてーUFOがー」

( ^ω^)「………」

月曜日の昼。よく晴れた昼下がり。外はいい天気だ。
だが俺は動けない。何故かって?それは勿論……

( ^ω^)「嫉妬を使いすぎたお……」

そう。昨日嫉妬を使いすぎた。今は指先を動かすだけで身体中に電撃が走る。
そんなこんなで俺はこの真っ昼間から寝転がりながらテレビを見ていた

( ^ω^)「流石兄弟と……博士はうまくやるかな」

テレビを見ているのは暇だからじゃない。彼奴等がうまくやるか見るためだ
どこのテレビ局を襲撃するのは分からないがチャンネルを変えながら見てればいつかは見付かるだろう

そして俺はチャンネルを変え続ける。それはちょうどNH〇に差し掛かった時だった。
子供向けの番組。丁度お姉さんとお兄さんが絵を書いていた所だ

233 : ◆xkpIzaNQBI :2006/11/20(月) 16:58:05.03 ID:tdOO9PbiO
( ^ω^)「………」

俺は最初お姉さんが何を書いているのか分からなかった。だが時間が経つにつれ、ソレは段々形になっていく
そして完成。カメラが全体の絵を写した

ノ ゝ゚ワ゚ν「スプーだぁ!!」

( ゚∀゚)「スプ……ブッ……!?」


( ゚ω゚)

男の方はいい。だが女の方のボードには不気味な生き物の絵が書いてあった。
それを見たお兄さんは必死に笑いを堪えていた。
だが女は自分の絵に気付いていないようだった

( ゚∀゚)「(カメラ!絵を写すな!!)」

ノ ゝ゚ワ゚ν「ん……?」

俺はその化け物が写った瞬間、テレビを消した。

( ´ω`)「寝るか………」

何故だろう。テンションが下がってしまった。あの絵には何かがある……一体………
235 : ◆xkpIzaNQBI :2006/11/20(月) 17:14:39.62 ID:tdOO9PbiO
一方その頃、流石兄弟と荒巻はある所に車を止めていた

/,'З「車はここに置いていく」

( ´_ゝ`)「え?何で?」

/,'З「ここで三手に別れるぞ」

(´<_` )「別れる?」

/,'З「ウム。三手に別れて別々の所に行った方が効率がいいし何より……」

( ´_ゝ`)「多くの人に目につきやすいって訳ね……」

流石兄弟の言葉に荒巻はニヤリと笑う

/,'З「ワシはフシテレビ……」

( ´_ゝ`)「じゃああたしはNH〇に」

(´<_` )「それならあたしは朝目に………」

そして三人は再び邪悪な笑みを浮かべる。三人からは紫の靄が溢れんばかりに出ていた
238 : ◆xkpIzaNQBI :2006/11/20(月) 17:26:59.91 ID:tdOO9PbiO
――NH〇――

スタジオ……余りある熱気……そこでは今一つの熱い生命が生まれようとしていた……

「終了でーす」

ノ ゝ゚ -゚ν「ふぅ………」

( ゚∀゚)「………」

お姉さんとお兄さん。テレビでは優しくとも私生活でも同じとは限らない。これは全ての場合に適用される

不意にお姉さんが後ろを振り向き自分の書いた絵を見る

ノ ゝ゚ -゚ν「うぉ、何じゃこりゃ!?」

( ゚∀゚)「(何じゃこりゃって……アンタが書いたのだよ、それ)」

お姉さんは慌てて絵を消す。今、一つの熱い生命が消された…………


「わくわくさーん!!出番次ですよー!!」

スタッフの男が椅子に座って煙草を吸っている男に声をかける。男はダルそうに手だけでスタッフに返事をした
242 : ◆xkpIzaNQBI :2006/11/20(月) 17:34:03.34 ID:tdOO9PbiO
わくわく「はぁーあ。行くか……。おい!!ゴロリ行くぞ!!」

ゴロリ「…………」

わくわく「ほんっとにのろいぬいぐるみだ……」

男はぬいぐるみをひっぱたき、ズンズンとカメラの方へ向かって行った。
ぬいぐるみもその後をポテポテと追っていった

しかし彼等は知らない。既にこの建物に殺人鬼がいる事を。
彼は知らない。既に自分の命が風前の灯だという事を。
ここで気付くべきだったのだ。違和感に………
247 : ◆xkpIzaNQBI :2006/11/20(月) 17:46:46.10 ID:tdOO9PbiO

同時刻………警察署

いつもの通り机にダラーっとしながら勤務をサボッている二人。神田と小笠原だ。いつもの事なので、誰も気にしなかった
だが今日、二人はいつもに増してやる気が無かった

ミ,,゚Д゚彡「…………」

(,,゚Д゚)「…………」

だが二人はただサボッているだけではない。ブーンの事を考えただけで仕事が手につかないのだ

ミ,,゚Д゚彡「なぁ……」

(,,゚Д゚)「んー……」

ミ,,゚Д゚彡「今日の奴と会った時よ……」

(,,゚Д゚)「……」

ミ,,゚Д゚彡「まるでレベル1の勇者がいきなりラスボスと出会ってしまった、みたいな感じだったよな……」

(,,゚Д゚)「言ってる意味は分からんが……そんな感じだ……」

そしてまた机に平伏す二人。しかし神田はラスボスに出会った、以外の気持ちも感じていた。なんだろうか、この感じは。
まるでアイツにずっと見つめられてるような感じだ
251 : ◆xkpIzaNQBI :2006/11/20(月) 18:04:12.49 ID:tdOO9PbiO
迎えに行く………何故かその言葉が神田の中で鮮明に、今聞いた言葉のように響いていた

ミ,,゚Д゚彡「……」

そんな机にへばってる二人の元へ一人の警官がやって来た

「おい、小笠原。お客さんだ」

(,,゚Д゚)「………あぁ?」

小笠原が顔を上げると警官の後ろからひょこっと小柄な女性が顔を出した

(*゚ー゚)「ん〜?サボりはいかんよ?君ー」

(,,゚Д゚)「しぃ!?何故にここに!?」

ミ,,゚Д゚彡「………」

(*゚ー゚)「何故にって、君が弁当忘れたから持ってきてあげたんじゃないか」

(,,゚Д゚)「あ、あぁ。サンキュ」

(*゚ー゚)「神田君は寝てるの?」

(,,゚Д゚)「あぁ、まぁそんな所だ」

ミ,,゚Д゚彡「………」

二人の会話を机に平伏しながら聞いてた神田は最高に鬱になった。
しぃとは何度か会った事があるが、その度に死にたくなる。最早病気だ
253 : ◆xkpIzaNQBI :2006/11/20(月) 18:15:07.04 ID:tdOO9PbiO
ミ,,゚Д゚彡「(もうみんな死ね………うぅ……)」

あのチラシ……クリスマス中止のお知らせが実現したら楽しいだろうなー、と神田は警官にあるまじき考えを浮かべていた

そんな時だった。不意にテレビが騒がしい事に気が付いたのは
神田は頭をあげる

ミ,,゚Д゚彡「んぁ?」

(*゚ー゚)「あ、神田君おはよ!」

ミ,,゚Д゚彡「あ、おはようございますです」

(,,゚Д゚)「どうした?」

ミ,,゚Д゚彡「いや、またテレビの周りでなんか騒いでねーか?」

小笠原はそう言われて振り向く。確にまたテレビの周りに警官が集まっていた

(,,゚Д゚)「ま、まさかまた何かあったのか……?」
260 : ◆xkpIzaNQBI :2006/11/20(月) 18:29:12.14 ID:tdOO9PbiO
神田と小笠原が人垣を押し退け、テレビに近付く。その後ろにしぃがついてきた

(,,゚Д゚)「んー?何だ?わくわくさんとゴロリじゃねーか」

ミ,,゚Д゚彡「でも様子がちとおかしいような……」


聞くと普段とゴロリの声が違うのに気付いた。更に演説をするように、わくわくさんを無理矢理押し退け何かを叫び続けていた

ゴロリ「糞ガキ共ぉぉ!!今年のクリスマスは中止よぉぉぉ!!」

わくわくさん「おい!やめろ!!」

ゴロリ「うるせぇ!!」

流石にウザッたくなったのか、ゴロリはわくわくさんの頭を片手で掴み、持ち上げる。

ゴロリ「もしクリスマスにデートなんかしてたら………こうなっちゃうわよ?」

わくわくさん「お、おい!!やめ………!!!!!!!!!」

その瞬間、わくわくさんの頭はゴロリの手によって握り潰された。辺りには脳味噌らしき物や目(自主規制――――――――)等が飛び散り、カメラにも肉片がくっついていた。
肉片の中に歯も混じっている。まるで頭が爆発したかのような感じだった

ミ,,゚Д゚彡「ポカーン……」

(,,゚Д゚)「ポカーン……」

(;゚ー゚)「………」
265 : ◆xkpIzaNQBI :2006/11/20(月) 18:41:32.02 ID:tdOO9PbiO
(*゚ー゚)「わ、わくわくさんが………」

しぃは一瞬フラッと頭を抱えた後、フラリと倒れる

(,,゚Д゚)「しぃ!」

危機一髪、倒れる前に小笠原が受け止めた。
だが他の警官はピクリとも動かない。神田もそうだ

皆、テレビに引き込まれていた。それが興味本意なのか、それとも別の何かかは分からなかった

ミ,,゚Д゚彡「……」

ゴロリはわくわくさんを握り殺した後も平然と喋り続ける

ゴロリ「全国の毒男た………」

(,,゚Д゚)「ぐっ、お前等こんなものを見るな!!!」

ゴロリが何かを言おうとした瞬間、小笠原がテレビのリモコンでチャンネルを変えた。しかし……

/。゜〉「全国の毒男よ!!童貞よ!!聞け!!」

そこには顔を覆面で覆った小柄な男がゴロリと同じように立っていた。いや、ゴロリと同じではない
小柄な男の立っている床には血まみれの死体が何体も重なって置いてあった。男はその天辺に立って叫んでいるのだ
273 : ◆xkpIzaNQBI :2006/11/20(月) 18:59:59.89 ID:tdOO9PbiO
他の誰よりもその死体の天辺に立つ男を神田は見つめていた。さっきのゴロリもそうだが、この男の周りに溢れんばかりの紫色の靄がかかっているのが見えたのだ
これでは昨日の……

ミ,,゚Д゚彡「昨日のアイツと同じじゃねーか……!!!」

そんな事を思ってる間にも、男は延々と演説を続ける
/。゜〉「童貞よ!!!立て!!!!時は12月24日の夜12:00!!つまり……クリスマスだ!!!!!」

(,,゚Д゚)「糞……!!マッド野郎め!!!!」


/。゜〉「神は言った!!クリスマスは無くても人間は生きられる!!と!!神は言った!!クリスマスは童貞に対する嫌がらせだ!!と!!」

282 : ◆xkpIzaNQBI :2006/11/20(月) 19:12:59.27 ID:tdOO9PbiO
丁度その頃、デビルマン……もとい変態田中は興奮が最高潮に達していた

( ^^)「そうか……!!!はは!!はははははは!!!!あーっはっはっはっは!!!!!」

田中の部屋のテレビには朝目テレビが写されていた。そこでは覆面のパンツ一丁の男が両手に死体を持ち上げ、高く掲げながら演説をしていた

(゜< ゜)「毒男達!!今が最後のチャンスよ!!神が貴方達を導いてくれるわ!!」


( ^^)「はは!!ひゃははははは!!!!!!!!!」

世の中には笑える変態と笑えない変態の二種類がいる。田中は最早笑える変態では無くなっていた

そんな気も露しらず、流石兄弟たちは叫び続ける

(゜< ゜)「クリスマスの陰を見た事がある!?」

/。゜〉「クリスマスに一人でセブンイレブンのケーキを食った事があるか!?」

ゴロリ「クリスマスをずっと真っ暗な部屋で過ごした事がある!?」

クライマックス。三人は申し合わせたように、的確に……それでいて同時にその言葉を叫ぶ――――
心の叫び―――全身全霊をかけ、ワカッテマスのように―――――――――
287 : ◆xkpIzaNQBI :2006/11/20(月) 19:22:00.27 ID:tdOO9PbiO
/。゜〉「童帝は嘆き悲しんでいる!!!」

ゴロリ「そうして童帝が流した涙から私達は来た!!!!!」

(゜< ゜)「我が組織の名は…………」

/。゜〉「我が組織の名は…………」

ゴロリ「我が組織の名は…………」


(,,゚Д゚)「――――――――」

ミ,,゚Д゚彡「――――――――(仮面ライダー……?)」

( ^^)「―――――――――」



『 ク リ ス マ ス 中 止 委 員 会 V  I  P  !!!!!!!!』
295 : ◆xkpIzaNQBI :2006/11/20(月) 19:33:30.46 ID:tdOO9PbiO
このテレビを見た人間は何を思ったのだろうか。

ある者は覚醒し………

( ^^)「ははははははあはははははは!!!!見える!!僕にも紫色の靄が!!!!!」

ある者は奮い起ち

('A`)「………!!!」
('A`)「!!!」
('A`)「……………」

ある者は殺意を抱き……

(,,゚Д゚)「糞ったれ!!!!」

ある者は戸惑い……

ミ,,゚Д゚彡「………」

ある者は震え上がった………


12月13日。100万人の毒男とクリスマスの闘いが本格的に始まった―――――――――
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