今回のお題
・('A`)「少し…頭冷やそうか」
・「ジョルジュとガチバトル」
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名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/03(月) 02:00:24.95 ID:w2DUrob70
- <;ヽ`Д´>「ギャァァァァァァ……」
魔族の城の広間での儀式が終わる。
ニ=ダーの断末魔が、魔族の城に響き渡った。
ξ゚听)ξ(いざ目の当たりにするとやっぱり引くわね)
ツンは、魔力を最後まで搾り取られ消えたニ=ダーの居た魔法陣を、しばらく眺めていた。
????「さて……では新しい仲間だ、ツン・ザ・ドリルヘアー。いろいろと教えてやってくれ」
ξ゚听)ξ「ははっ、仰せのままに」
????「出でよ、サスガブラザーズ!!」
広間の奥から出てきた二つの陰。
双子らしく、全く瓜二つの顔が現れた。
- 8
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/03(月) 02:02:50.60 ID:w2DUrob70
- ( ´_ゝ`)「……やっと俺たちの出番か」
(´<_` )「そのようだな、兄者」
(* ´_ゝ`)「お!金髪の可愛い子ちゃんハケーン」
(´<_` ;)「兄者……仲間の名前くらい覚えておけ」
ξ;゚听)ξ(な……何なのコイツ等……)
(´<_` )「まぁ、これも何かの縁。よろしくな、ツン・ザ・ドリルヘアー」
(* ´_ゝ`)「ヨロシコー」
ξ;゚听)ξ「あ……ええ、よろしく」
戸惑いながらもツンは、サスガ兄弟が差し出した手を、二つとも握り返した。
- 10
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/03(月) 02:05:13.76 ID:w2DUrob70
- *******************
―――――あらすじ
从'ー'从「あれれー?私のおべんとうがないよぉ?」
どこにでもいるごく普通のドジっ娘天然女子高生、渡辺。
しかし、彼女の真の姿とは!
ご近所の平和のために奔走する、正義の魔法少女『魔法少女ワタナベ』なのだ!
「从'ー'从はsnegな魔法少女のようです」第八話
*******************
- 11
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/03(月) 02:08:19.72 ID:w2DUrob70
- 从'ー'从「『フレイムアロー』!!」
まだ日が昇り始めたばかりの住宅地に、渡辺の呪文がこだまする。
渡辺の手から放たれた炎の球は、矢のように細くなりスピードを上げてゆく。
从'ー'从「よし、コントロール……」
延々と同じような十字路の続く道路の、肉眼で見えるギリギリのところに置いた缶がターゲット。
5〜600メートルの距離を、炎の矢があっという間に突き抜けていった。
从'ー'从「え〜いっ!!」
カンッ、と向こうからわずかに音がすると、渡辺は張っていた気を解き、矢を消した。
('A`)「おー、精度も威力もスピードも順調に上がってるな」
从'ー'*从「えへへっ」
早鍛錬を始めて数ヶ月。体力も魔力も着実に上がっていた。
从'ー'*从「これなら人間形態のドクオよりも強かったりしてwwwww」
- 13
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/03(月) 02:10:21.67 ID:w2DUrob70
- ( A )
( A )「おかしいな……どうしちゃったのかな、渡辺……」
( A )「がんばってるのわかるけど、俺はν速国の誇り高きソルジャーなんだよ」
从'ー';从(ペロッ……これはフルボッコフラグ!!)
この前、参考になるかと思いTU○AYAで借りてきたアニメの台詞を言い出すドクオ。
ついつい調子に乗ってしまった自分を省みて、サーッと渡辺の血の気が引いていった。
( A )「練習は真面目にやって、後でこんな風に調子に乗るんじゃ、練習の意味、無いじゃない。ちゃんと、謙遜しようよ」
( A )「なぁ、俺の言ってる事、俺の評価、そんなに間違ってる……?」
( A )「少し、頭冷やそうか……」
('A`#)「オラオラオラオラぁ!!口頭連撃百連じゃぁぁぁぁ!!」
从;ー;从「ふぇぇぇ、ごめんなさ〜い!!」
ドクオがくちばしでゴスゴスと渡辺の頭を突っつき、渡辺はその攻撃から必死に逃げ回っていた。
- 14
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/03(月) 02:12:59.22 ID:w2DUrob70
- *******************
('、`*川「じゃーね」
ノパ听)「またなぁぁぁぁぁぁ!!」
从'ー'从「ばいばーい」
五時だと言うのにすっかり日が落ち暗くなった公園で、渡辺はヒートとペニサスと別れた。
一人になった渡辺に、黄色いインコが近づいてきた。
('A`)「よ、じゃあ、今日の見回り始めるぞ」
从'ー'从「おっけ〜」
一応、渡辺は辺りに誰もいないことを確認する。
カバンから、小さくした魔法の杖を取り出し、魔力甲冑を身に纏う。
从'ー'从「最近妙に魔族が来ないからね〜」
('A`)「油断するわけにはいかないからな、こうやって常に見張っていないと」
渡辺は背中から羽を生やし、ドクオと共にVIP市の空へ羽ばたいていった。
- 17
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/03(月) 02:15:08.49 ID:w2DUrob70
- *******************
从'ー'从「ねぇ、ドクオ」
('A`)「なんだよ」
从'ー'从「ドクオの人間の姿って、どんな感じなのかなぁ?」
('A`)「そりゃぁ、筋肉隆々で銀髪のナイスガイさ」
从'ー'从「厨二乙」
街のイルミネーションを見下ろしながら、一人の魔法少女と一匹のインコが飛ぶ。
从'ー'从「……まだ、戻れないよね」
('A`)「もう少し、かな」
ドクオの魔力も順調に回復してきている。
ドクオのさっきの発言が本当なのかどうか確認できる日も近くなってきていた。
从'ー'从「……あ」
('A`)「あれは……!!」
順調に空を舞う渡辺とドクオの前に、緑色の魔法陣が現れ、空間が歪む。
夜空の中に突如現れた、ぐにゃりと歪んだ空間の中心から、左手の異様に発達した魔族が現れた。
- 18
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/03(月) 02:18:20.14 ID:w2DUrob70
- ('A`;)「ジョルジュ……!!」
_
(; ゚∀゚)「なっ……!!ち、現れた場所が悪かったか」
_
( ゚∀゚)「ここで会ったが百年目……ワシのこの左手で捻ってやろう」
ゴキリゴキリと関節を鳴らしながら、左手のグーとパーを繰り返す。
人間離れした筋肉が付き血管も浮き上がった腕を、ジョルジュは入念にウォーミングアップしていた。
('A`)「渡辺……」
从'ー'从「うん、ジョルジュが手ごわいのは分かってる」
从'ー'从「けど……もう逃げられないよね」
ガシャンと音を立てて、渡辺が魔法の杖を構える。
_
( ゚∀゚)「ほっほっ、よく覚悟が出来ておるのう」
_
( ゚∀゚)「しかし、覚悟のよさは勝利とは全く関係ないぞ」
言い終えるや否や、ジョルジュは渡辺に向かって大きく腕を振り回した。
从'ー';从「ふえっ!!」
予想以上のスピードで向かってきた腕を、渡辺は辛うじてギリギリのタイミングで避けた。
('A`;)「渡辺!!」
从'ー'从「大丈夫!!何とか避けたから」
- 22
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/03(月) 02:20:40.65 ID:w2DUrob70
- 从'ー'从「……あの腕の届く範囲にいたらダメだよね。それなら……」
渡辺の周りに、炎の球が曼荼羅のように8つ現れる。
杖をジョルジュに向けてかざし、渡辺は叫んだ。
从'ー'从「『フレイムアロー』!!」
8つの炎の矢が、ジョルジュに向かって発射される。
_
( ゚∀゚)「ふんっ!!これ位訳ないわっ!!」
从'ー';从「ふえっ!?……やっぱり正面からじゃダメか」
難なく渡辺の炎をなぎ払ったジョルジュ。
暫しの間、渡辺とジョルジュがVIPの空の上でにらみ合う。
_
( ゚∀゚)「……………」
从'ー'从「……行くよっ」
先ずは渡辺が動き出す。
空に浮かんではいるが、その場から動かないジョルジュの周りを旋回する。
_
( ゚∀゚)「ほれほれどうした、そのままでは埒が明かんぞ?」
ブルンブルンと左腕を大きく回しながら、ジョルジュは必要最低限の動きのみで渡辺を追う。
確かに、渡辺が合間合間に放つ炎は、ことごとくジョルジュの左腕に遮られ、消えていた。
- 23
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/03(月) 02:23:30.70 ID:w2DUrob70
- 从'ー'从「……ちょっとした賭けだよぅ」
('A`)「渡辺……!?」
从'ー'从「ドクオ、しっかり掴まってて!」
旋回だけをしていた渡辺は、ジョルジュに向かって魔法を放つ。
从'ー'从「『クリムゾンインパルス』っ!!」
赤い雷撃を先に放ち、後に続くようにジョルジュに向かう。
これで、雷撃を払った瞬間のジョルジュの懐に飛び込める計算だ。
从'ー'从「いっけ〜!!」
_
( ゚∀゚)「……甘いな、ワタナベ」
('A`;)「……待て、渡辺!!何かおかしいぞ!!」
ジョルジュの前に、緑色の魔法陣が現れる。
渡辺の放った赤い雷撃はその魔法陣に遮られ、
渡辺の腕と魔法の杖が、ジョルジュの左手に掴まれていた。
曝ク'ー';从「ふえぇっ!?!?」
_
( ゚∀゚)「……発想としてはよいな……だかな」
ギリギリと、渡辺を握る力を強くしていくジョルジュ。
- 24
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/03(月) 02:25:43.13 ID:w2DUrob70
- 从'ー';从「ああぁっ!?痛いよぉっ!!」
_
( ゚∀゚)「魔族が悪玉無しでは魔法を使えないと思ったら大間違いなんじゃよ……」
_
( ゚∀゚)「ふんっ!!」
ジョルジュが渡辺を大きく振り払う。
从'ー';从「ふえええぇぇぇぇっ!!」
('A`;)「うわああぁぁぁっ!!」
渡辺が、流星のごとく地面へと落下していく。
从'ー';从「ああっ!!杖がっ!!」
落下時のGに耐え切れず、渡辺がつい魔法の杖を手から離してしまった。
('A`)「くうっ!?待ってろ渡辺!!」
从'ー';从「ドクオ!?」
杖が無くても魔法は使えるが、杖による魔法補助が無くなるのは今の渡辺には致命的だ。
ドクオが渡辺の肩を離れ、落ちた魔法の杖を取るべく降下していった。
从'ー';从「お願いね……ふえっ!?」
降下するドクオを見ていた渡辺が、急に頭を何かにつかまれる感覚を覚える。
- 27
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/03(月) 02:28:57.04 ID:w2DUrob70
- _
( ゚∀゚)「ほっほっ……言ったそばからまた油断……」
从'ー';从「!?!?」
_
( ゚∀゚)「バカは死ななきゃ直らない……ってか」
ジョルジュが、渡辺の頭を左手で鷲づかみにしていた。
ギリギリと、渡辺の頭を握りつぶさんとする勢いで力をかけていく。
从 ー ;从「あ……ぐ……うぅ……」
_
( ゚∀゚)「ほれほれ、もう少しで頭蓋まで行くかのう?」
渡辺は必死になってジョルジュの左腕を両手で掴み、呪文を唱える。
从'ー';从「う……ぐ……『クリムゾンインパルス』……!!」
_
( ゚∀゚)「くうっ!?!?」
渡辺の手から、ジョルジュの体に向かって赤い雷撃が走る。
ジョルジュの体を雷撃が駆け巡り、ショックを与える事に成功した。
が……
_
( ゚∀゚)「……やはり、まだ甘かったようじゃのう」
从'ー';从「あ……」
致命的なダメージには至っていなかったようで、ジョルジュの腕の力は衰えない。
- 28
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/03(月) 02:31:03.32 ID:w2DUrob70
- 从 ー ;从「あ……がっ……は……っ!!」
_
( ゚∀゚)「さて、このままこの貴重なおっぱいっ娘を殺してしまうのは実に惜しいのだが……」
_
( ゚∀゚)「『あのお方』の方針が変わってしまったからのう。いた仕方あるまい。さらばじゃ、『魔法少女ワタナベ』」
ジョルジュがとどめとばかりに渡辺の頭を握る力を上げる。
渡辺の顔は、頭蓋骨を襲う激痛と絶望感が表情に表れ、ぐしゃぐしゃだった。
从 ー 从(あ……私、もうダメなんだ……)
从 ー 从(ヒーちゃんもペニちゃんも、私が死んだら悲しむだろうなぁ……)
从 ー 从(……ドクオ、魔法少女続けられなくて……ゴメンね)
从;ー;从「ゴメンね、ゴメンね……」
「おい。何謝ってるんだ?渡辺」
从;ー;从「ふぇ……?」
突然の声に、渡辺は一瞬あっけに取られる。
次に聞こえてきたのは、ジョルジュの悲鳴だった。
- 30
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/03(月) 02:35:10.36 ID:w2DUrob70
- _
(; ゚∀゚)「ぎゃぁぁぁぁぁっ!?!?」
声がすると同時に、渡辺は頭を掴んでいた手から開放される。
从'ー';从「なっ、何!?何が起こってるのぉ!?」
('A`)「よ、間に合ったな」
从'ー'从「え……?」
いつの間にか渡辺を守るように、男が渡辺の前に立っている。
銀色の髪の毛、鈍い光を放つ防具の上からでも解る鍛え上げられた体。
手に持った黒い戦斧風の魔法の杖と、聞き覚えのある声。
从'ー';从「……ドクオ?」
('A`)「ご名答」
振り向いた顔は、インコと人間の差はあれど、確かにいつもの冴えないドクオの顔だった。
('A`)「ちょっと魔力足んねーかもしれねぇけど……これくらいならできるぜ。おらぁっ!!」
_
(; ゚∀゚)「ぐわあっ!?!?」
左手から血を流し混乱しているジョルジュを、ドクオが蹴り飛ばす。
- 36
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/03(月) 02:38:05.37 ID:w2DUrob70
- _
(; ゚∀゚)「ぎゃあぁあっ!?!?」
('A`)「いくぜぇぇぇ!!久しぶりの戦闘だあぁぁ!!」
('A`)「『スパーキング・エッジ』!!」
垂直に落下してゆくジョルジュを追いかけ、ドクオも降下する。
ドクオが呪文を唱えると、杖の先に『斧』というよりは『死神の鎌』と言ったほうが相応しい、光の刃が現れた。
('A`)「その左腕、貰い受けるっ!!」
('A`#)「おらあああぁぁっ!!」
落下しながら、ジョルジュに追いついたドクオが杖を振りかざし、ジョルジュの左腕目がけて振り下ろす。
ドクオの手が一瞬手ごたえを感じた後、ジョルジュの立派な左手がジョルジュの体から分離された。
_
(; ∀ )「―――――――――――!!」
声にならない叫びをあげ、ジョルジュがVIP公園の芝生へと落ちていった。
- 38
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/03(月) 02:41:47.84 ID:w2DUrob70
- *******************
( A ;)「ぐ……やっぱ……まだ……だったか……」
ジョルジュが魔族の城へ敗走し、落下の時の大きな穴しか残っていないVIP公園の芝生の上。
先に下りて仰向けに倒れていたドクオに、後から来た渡辺が駆け寄った。
从'ー';从「ドクオ!!ドクオ!!」
('A`;)「あ……渡辺……よかった、お前は……何とも無いな……」
从;ー;从「ドクオのほうが大変だよぉ!!どうしよう、どうしよう……!!」
体は起こさずに、左手だけを渡辺にかざすドクオ。
渡辺はその手を両手でがしっと握った。
('A`)「魔力を使い果たしちまったか……大丈夫、死にゃあしねぇよ……」
('A`)「でも……体も起こせねぇや……渡辺」
从うー;从「……ふぇ?」
- 41
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/03(月) 02:44:43.13 ID:w2DUrob70
- ('A`)「少し……休ませてくれ……このまま……」
从'ー'从「……………」
('A`)「ちょっと寝れば、何とかなるさ」
从'ー'从「……分かったよ。じゃあ、私がついてるから……安心して休んでよ」
( A )「おぅ……」
ドクオが目を覚ますまでの数時間。
渡辺はドクオの手を握りながら、ずっとドクオに寄り添いながら過ごした。
ドクオの正体はやっぱり強かったな、魔法少女ワタナベ!
はっきり言ってこれからどうなるんだ、魔法少女ワタナベ!
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