今回のお題
・「お月様がみてる」
・「(‘_L’)」
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名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/24(月) 02:08:04.42 ID:8CKQUo4C0
- ????「ν速国の侵攻状況はどうだ」
魔族の城の広間には、サスガ兄弟の姿が。
どうやら、戦況を報告しているようだ。
( ´_ゝ`)「はっ、先の戦いでかなりの戦力を削ぐ事に成功しました」
(´<_` )「後はν速城とその城下町……そこに全兵力を集めている模様です」
????「そうか……あと少しだな。引き続き、作戦を遂行せよ」
( ´_ゝ`)(´<_` )「「ははあっ!!」」
サスガ兄弟が広間を離れる。
????「……………」
(´・ω・`)パッ
闇の中から、何者かが現れた。
(´・ω・`)「……私の計画も、そろそろ最終段階と行こうか……」
- 6
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/24(月) 02:09:18.51 ID:8CKQUo4C0
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―――――あらすじ
从'ー'从「あれれー?私のおべんとうがないよぉ?」
どこにでもいるごく普通のドジっ娘天然女子高生、渡辺。
しかし、彼女の真の姿とは!
ご近所の平和のために奔走する、正義の魔法少女『魔法少女ワタナベ』なのだ!
「从'ー'从はsnegな魔法少女のようです」第十七話
*******************
- 9
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/24(月) 02:13:42.90 ID:8CKQUo4C0
- 渡辺が一階から自分の部屋に帰ってくる。
どうやら、学校から電話がかかってきていたらしい。
ξ゚听)ξ「……へぇ。今日は学校休みなんだ」
从'ー'从「うん。全校生徒が巻き込まれるような『事件』だったもんね。1週間休みだって」
('A`)「なるほど……ところで」
部屋の中には、人間形態のドクオとツン。それと……
(‘_L’#)『何やってるんですかハインリッヒ女史!!到着した座標が全然違うじゃないですか!!』
从#゚∀从「うっせぇよ!!てめーは襲われてる女の子を無視して通り過ぎれるのかよ!!」
近未来SFでよくあるような、何も無い空間に浮かぶ半透明のモニターを睨み付け、
画面の向こうの人物と喧嘩を繰り広げている女が一人。
('A`;)「あの女、誰なんだよ」
从'ー';从「さぁ……私にも解らないよぉ」
渡辺たちの視線を気にもせず、ハインリッヒはモニターに向かってまくし立てる。
(‘_L’#)『そんなこと言ったって、またν速国への転移のやり直しですよ!?』
从#゚∀从「あーやかましい!!ちったぁ頭柔らかくしろよフィレンクトっ!!」
(‘_L’#)『ちょt』……ブツン
- 14
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/24(月) 02:16:54.42 ID:8CKQUo4C0
- 一際大きく叫んだ後、ハインリッヒは空間モニターを閉じた。
从'ー'从('A`)ξ゚听)ξ「「「……………」」」
从*゚∀从「いやースマン、お騒がせしちまった」
('A`)「……んでよ、ハインリッヒ、だっけ?アンタ……」
从*゚∀从「やだなー、『ハイン』って気楽に呼んでくれてOKなんだぜ?」
('A`;)「……ハイン。アンタ、本当に渡辺の『仲間』って言ったな?」
从 ゚∀从「当然!!何なら気配探ってくれてもいいぜ」
三人とも意識を研ぎ澄まし、気配を探る。
しかし、魔族特有の気配はどうやっても感じられなかった。
ξ゚听)ξ「―――――……確かに。少なくとも『魔族』では無いわね」
从 ゚∀从b「だろー?」
从'ー'从「……でも、ハインはさっきν速国がどうのこうのって言ってたよね」
从'ー'从「何か、関係があるの……?」
从 ∀从「……………」
从 ゚∀从「ああ、大いに関係があるね」
从'ー'从「ふぇ……?」
- 18
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/24(月) 02:21:42.93 ID:8CKQUo4C0
- 一瞬ハインリッヒの顔が翳る。
と思えば、いきなりハインリッヒが渡辺にずずいっと歩み寄った。
从 ゚∀从「と・こ・ろ・で!!渡辺だっけ?アンタ、杖の補助無しなのかい?珍しい」
从'ー';从「あ、あの……その……今、壊れてて……」
从 ゚∀从「ほう?見せてみ?」
从'ー'从「……はい」
ツーによって無造作に扱われた結果、魔法の杖はところどころ破損していた。
当然、握っても魔力甲冑は装着されない。
- 19
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/24(月) 02:23:09.61 ID:8CKQUo4C0
- 从*゚∀从「ほー、可愛い顔して結構厨臭いデザインだねぇ。でもアタシはこういうの好きだなー」
('A`#)「……俺のなんだけど」
从 ゚∀从「あ、そうなの?わりーわりー」
ちゃかしながらも、ハインリッヒは杖を隈なく調べる。
从 ゚∀从「……ふーん、なるほど、ほー……こりゃ大分……」
断面の破損具合、曲がり具合、その他もろもろ。
満足いくまで調べた後、ハインリッヒは顔を上げた。
从 ゚∀从「渡辺。これ、アタシに直させてよ」
从'ー';从「……ふぇ?」
('A`;)「いや、だから俺の杖だっつうの」
- 20
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/24(月) 02:27:36.11 ID:8CKQUo4C0
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ホームセンターあらし、ハインリッヒ!!
大型店の中を縦横無尽に動き回り、カゴにさまざまな材料を突っ込んでいく。
从 ゚∀从「フーン……ま、この文化水準なら妥当な品揃えだね」
从'ー'从(……………)
('A`)(……何なんだコイツ)
ξ゚听)ξ(まだ怪しいわね……ワタナベはどう思う?)
ハインリッヒを睨みながら、ドクオとツンは渡辺を見る。
从'ー'从(……………私は、信じてもいいと思うよ)
ξ゚听)ξ(……根拠は?)
从'ー'从(うーん……何だか分からないけど……)
从'ー'从(ツンとか……ドクオみたいな、信じていい人のオーラが出てる……って言えばいいのかなぁ?)
('A`)(……渡辺)
从*゚∀从ノシ「おーい、何こそこそしてんだよー!!」
いつの間にか遠く離れたハインリッヒが、三人に向かって大きく手を振っていた。
- 23
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/24(月) 02:32:00.87 ID:8CKQUo4C0
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从'ー';从「……ふぇぇぇぇ」
('A`;)「……部屋から締め出されたな」
すっかり夜も更けたが、三人はなぜかVIP公園を歩いていた。
それも仕方あるまい。渡辺の部屋は、
从* ∀从『うはwwwwwこのボディラインテラカッコヨスwwwwwさすがアタシwwwww』
とか口走るハインリッヒによって占領されていた。
ξ゚听)ξ「……まぁ、しばらくほっつき歩いてましょうか」
从'ー'从「うん……」
街灯と月に照らされながら歩く三人。
ふと、ツンが話を切り出す。
ξ゚听)ξ「ところで、アンタ達、これからどうするの?」
('A`)「え……………」
从'ー'从「ふぇ……………」
ξ゚听)ξ「魔族たちはν速国攻めに力を入れだすだろうし、こっちの世界にはあまり来なくなるはず」
ξ゚听)ξ「その状況で、これからどうするかって事」
- 24
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/24(月) 02:36:22.16 ID:8CKQUo4C0
- 暫しの間、三人を沈黙が襲う。
その後、まったく同じタイミングで渡辺とドクオが喋りだす。
('A`)「……俺は」「私は」从'ー'从
从'ー'从「!!」('A`)
('A`)「……渡辺から言えよ」
从'ー'从「……ドクオこそ」
ξ゚听)ξ「……………」
また、三人の間を沈黙が包む。
その沈黙は、第三者の乱入によって打ち破られた。
(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャ!!お取り込み中スマンねっ!!」
間髪いれず、ツーが青白い光を放つ魔法の鎖を三人に向けて放つ。
油断していた三人は、その鎖にあっさりと絡め取られてしまった。
('A`)「―――――しまっ……!!」
ξ;゚听)ξ「きゃああぁぁぁっ!!」
从'ー';从「ふえぇぇぇぇっっ!!」
(*゚∀゚)「はっはー♪可愛いワタナベちゃんがこの世界にいるのにオレが来ないわけ無いじゃなーい?」
- 29
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/24(月) 02:41:10.78 ID:8CKQUo4C0
- ツーはドクオとツンをほったらかしに、渡辺へ近寄った。
渡辺の私服の中に手を滑らせ、まさぐっていく。
(*゚∀゚)「ほーら……こんなにお肌スベスベ」
从*///从「ふえっ!?」
(*゚∀゚)「しかも……」
从*///从「ひゃあぁぁあっ……!!」
その手は、服の中からパンツの中へ。
(*゚∀゚)「こーんなに……っ!!」
从*///从「はああんっ!!あああっ……!!」
(*゚∀゚)「……感じやすい」
ツーの手は、渡辺の突起を執拗に攻める。
渡辺の体から力が抜け、不覚にもツーの体に寄りかかる形になる。
从*///从「ひゃあぁぁぁぁぁぁああっ!!」
(*゚∀゚)「アヒャ、早く堕ちなよ……アタシが魔族の城で可愛がってやるよ……」
从*///从「あはぁぁっ……!!い、や……」
- 30
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/24(月) 02:44:54.82 ID:8CKQUo4C0
- ('A`#)「くそっ!!止めろっ!!」
ξ#゚听)ξ「ツー!!止めなさいよっ!!」
(* ∀ )「ふん、ν速国の現状を知ってもそう言えるの?」
('A`;)「―――――!!」
ツーが、今最もドクオが過剰に反応する言葉を口走る。
(*゚∀゚)「ν速国は……」
何かを言いかけたツー。
その言葉は、甲高い女の声で遮られた。
从 ゚∀从「おっと待ちねぇっ!!」
(*;゚∀゚)「何奴っ!!」
ツーが声の方を向く。
街灯の上。月明かりをバックに、白衣をなびかせたハインリッヒが立っていた。
从 ゚∀从「例え誰が見逃そうとも……お月様は見てる、アンタ等の悪事を!!」
从 ゚∀从「ハインリッヒ高岡、参☆上っ!!」
从 ゚∀从「月に代わってぇ!!O☆SI☆O☆KI☆YO!!」
街灯の上で、ばっちりポーズを決めるハインリッヒ。
- 34
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/24(月) 02:49:47.55 ID:8CKQUo4C0
- (*゚∀゚)「……………」
(*゚∀゚)=3「……………だせぇ」
それを見たツーの評価は、非常に辛口だった。
从#゚∀从「なっ……!!このセンスがワカンネーのか!!」
(*#゚∀゚)「解らないさねっ!!このダサボーが!!」
ツーが渡辺を放り出し、ハインリッヒのもとへ駆ける。
ツーの手には、悪玉に似た黒い雷の玉が生成されている。
从#゚∀从「ああぁん!?久しぶりにキレちまったよ……おい渡辺!!」
从*///从「ふぇ?」
从 ゚∀从「受け取れっ!!」
ハインリッヒが街灯の上から、渡辺に向かって何かを投げる。
从'ー'从「ふえっ!!……これは」
それは、黒い長物。
鈍い光を放つ、黒い刃を模した部分。黄色い宝石。
特徴的なグリップ部分の形状。
(*;゚∀゚)「―――――っ!!」
- 35
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/24(月) 02:52:46.84 ID:8CKQUo4C0
- それは、ハインリッヒの手によって生まれ変わった魔法の杖だった。
握った瞬間、かつてのように渡辺の体が光に包まれる。
从'ー'从「―――――これは……!!」
光の中から現れた渡辺は、以前と細部のデザインは若干異なるものの、
前のようなフリフリヒラヒラのピンクのドレスに身を包んでいた。
从*゚∀从「ハッハー!!ν速国魔法軍の技術の粋を集めて作った最高傑作だぜぇ!!」
从'ー'从「え……ν速国……!?!?」
从 ゚∀从「いいからいいから!!早くヤれ!!」
从'ー';从「ふぇっ、分かったよ……!!」
変身した渡辺が、ツーに向かって杖を向け、意識を集中させる。
杖の先に生成された炎の球は、以前よりも激しく燃え盛る。
- 38
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/24(月) 02:55:34.38 ID:8CKQUo4C0
- 从゚ー゚从「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ………」
(*;゚∀゚)「!?!?」
ツーに向かって、渡辺は一気に魔法を解き放つ。
从'ー'#从「『フレイムアロー』―――――っ!!」
(*゚∀゚)「なんのこれしき……!?」
ツーが渡辺の魔法を防御しようと、手をかざす。
(*゚∀゚)「ん?」
しかし、その威力はツーの予想の範疇を超えていた。
(*;゚∀゚)「うはwwwwwヤバスwwwww」
(* ∀ )「アッー!!」
炎に包まれる瞬間、ツーは自ら消え、退散していった。
- 40
名前: ◆xHu6Zz1VAI
:2007/12/24(月) 03:00:06.52 ID:8CKQUo4C0
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从'ー';从「あ、の……」
杖を変えただけでこの威力。軽く震えながら、渡辺は街灯から降りてきたハインリッヒに語りかけた。
从*゚∀从「いやーいやー、流石強いねぇ、渡辺♪」
ξ゚听)ξ「ハイン、さっき……『ν速国魔法軍の技術の粋』って……」
拘束が解けたツンとドクオもハインリッヒへと近づいてきた。
从 ゚∀从「あ、やべっ。言っちゃってたわ……まぁいいや。いずれ言わなきゃなんなかったし」
从'ー'从「ふぇ?」
('A`;)「お前、一体……」
从 ∀从「アタシ?アタシは……」
一呼吸置いて、ハインリッヒが口を開く。
从 ゚∀从「……『未来の』ν速国から来た、って言ったら……信じてもらえるか?」
从'ー';从('A`;)ξ;゚听)ξ「「「な、なんだってー!!」」」
パワーアップイベント完了だな、魔法少女ワタナベ!
ハインリッヒってホント何者なんだ、魔法少女ワタナベ!
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