- 22 : ◆A.QZ8BcD5E :2007/01/21(日)
21:23:30.10 ID:GlSOdW8UO
- 第五話
<ヽ`∀´>「なっ…やめるニダ!」
( ^Д^)「お前うぜーんだよww」
ニダーの筆箱を取り上げるプギャー。
そしてそのまま窓の外へと放り投げた。
<ヽ`∀´>「あ……お前らに……謝罪と……賠…しょ……」
何かを言いながらその場に力を無くしながら座り込む。
そしてニダーの側にプギャーは近寄ってきた。
( ^Д^)「ちょww泣いてんの?ww」
ニダーの頭を小つつきながらからかう。
そんなプギャーにニヤニヤしながら声を掛ける少年。
ミ ,,゚Д゚彡「おいプギャーw鞄漁ってたらこんな物見つけたぜwww」
- 23 : ◆A.QZ8BcD5E :2007/01/21(日)
21:24:58.27 ID:GlSOdW8UO
- 丁寧にハンカチで包まれた白い弁当箱を掲げるフサギコ。
そして、それをプギャーに手渡した。
( ^Д^)「こんなゴミ鞄に入れてちゃかわいそうだから俺が捨てといてやるよ」
ニダーの耳元で呟くプギャー。
その声に反応して顔を上げた。
<ヽ`∀´>「や……弁当……それだけは……やめ……」
プギャーは聞く耳を持たずに野球のピッチャーの構えを取る。
( ^Д^)「プギャー選手投げました!」
掛け声と同時に教室の隅に置いてあるゴミ箱の方に投げた。
弁当箱は吸い込まれるようにゴミ箱に入っていった。
- 24 : ◆A.QZ8BcD5E :2007/01/21(日)
21:27:58.66 ID:GlSOdW8UO
- ミ ,,゚Д゚彡「あww俺も参加www」
プギャーのようにニダーの体を蹴るフサギコ。
二人は顔を傷つけないようにしながら激しくニダーの体を痛めつける。
<ヽ`∀´>「がっ……はっ……」
うずくまるニダー。
だが、その攻撃は止むことを知らず更に暴力を振るう。
背中を肘で殴ったりするなど見てはいられない光景だった。
しかしクラスの生徒はそれが当たり前かのように友達と話したり、何事も無いかのように本を読む人ばかりだった。
( ^Д^)「くらえwww」
<ヽ`∀´>「ニダアァぁアアあァ!!!」
※
- 25 : ◆A.QZ8BcD5E :2007/01/21(日)
21:29:01.04 ID:GlSOdW8UO
- ※
(´・ω・`)「飛び降り自殺……か……」
深夜のモルグの一室に一人の少年が担架の上に寝かされていた。
体は痛々しく血に染まっている。
ξ゚听)ξ「体には多数の痣や傷がありますね」
(´・ω・`)「しかもこの件で出来た傷じゃあない」
遺体の体の隅々まで調べるショボン。
そして気になる部分があれば直ぐにメモを書き留めていく。
ξ゚听)ξ「まさかこれって……」
(´・ω・`)「あぁ。いじめによる怪我だろう」
- 27 : ◆A.QZ8BcD5E :2007/01/21(日)
21:31:44.25 ID:GlSOdW8UO
- いじめ。
今世間を騒がしている問題だ。
そしていじめによる精神的な苦痛により自殺をしてしまう小中高生が増えてきている。
彼もまたその一人であった。
(´・ω・`)「名前はニダー、16歳だ。身分証によると彼は韓国の血を受けているね」
差別でのいじめ。
国籍や肌の色、家庭問題などで差別を受ける人間。
差別は日本だけではなく世界中で行われておりもはや世界の課題となっていた。
- 28 : ◆A.QZ8BcD5E :2007/01/21(日)
21:33:18.35 ID:GlSOdW8UO
- (´・ω・`)「じゃあ今からちょっと資料を取ってくるよ」
白衣を整えながら安置室を後にするショボン。
ツンは扉の窓ガラス越しに見えるショボンの姿を後目に遺体に目をやる。
ξ゚听)ξ「まだこんなに若いのに……」
涙目になりながらもう動かない少年の頬を軽く撫でる。
じっ、と見つめるツン。
すると遺体の首がツンの方へと向いた。
ξ゚听)ξ「……っ!」
<ヽ`∀´>「助けてほしいニダ」
※
- 29 : ◆A.QZ8BcD5E :2007/01/21(日)
21:33:53.08 ID:GlSOdW8UO
- ※
ふと目が覚める。
時刻は午前10時過ぎ。
記憶に残るのは今日これから起こる一日の出来事。
そして死人からの助けを呼ぶ声。
ξ゚听)ξ「行かなきゃ……でも……」
彼、ニダーが死んだ場所がわからない。
ショボンから詳しい話を聞く前に助けを求められてしまったからだ。
今自分の記憶に残っているのは彼の名前と国籍、そして――
ξ゚听)ξ「そうだ……制服!」
何かを閃いたツンはおもむろにソファーに置いてある鞄の中から携帯電話を取り出す。
そしてアドレス帳から番号を探し出し掛ける。
(´・ω・`)『はい』
ξ゚听)ξ「あ、ショボンさん?ツンですが」
(´・ω・`)『あぁツンちゃんか。どうしたんだい?こんな朝早くから』
- 30 : ◆A.QZ8BcD5E :2007/01/21(日)
21:34:36.35 ID:GlSOdW8UO
- ξ゚听)ξ「お願いがあるんです」
ツンは今が「二度目の今日」だということをショボンに説明した。
そして記憶にあるニダーが着ていた制服の特徴を細かくショボンに伝え、その制服から学校を特定してもらえるように頼んだ。
(´・ω・`)『把握。任せておいて』
電話を閉じる。
今は自分に出来ることはない。
ショボンからの返事を待つだけだった。
- 31 : ◆A.QZ8BcD5E :2007/01/21(日)
21:35:31.39 ID:GlSOdW8UO
- ショボンに電話をしてから十五分が経過するころだった。
ツンの部屋に携帯から流れるメロディーが鳴り響く。
携帯を開くとディスプレイにはショボンという文字が表示されていた。
(´・ω・`)『学校の名がわかったよ。「虹現高等学校」の生徒だ』
ξ゚听)ξ「虹現高等学校ね。場所は?」
(´・ω・`)『それが少しややこしいんだ……だから車で送るよ』
なんでもツンの家からだと結構な距離があり、電車やバスを使ってもかなりの時間が掛かるらしい。
二人はVIP駅で待ち合わせをし、そこから虹現高校へと向かうことにした。
※
- 32 : ◆A.QZ8BcD5E :2007/01/21(日)
21:37:09.33 ID:GlSOdW8UO
- ※
(´・ω・`)「到着」
割りと綺麗な外観になっている虹現高等学校。
その建物の前に黒いワゴン車が止まる。
ショボンの車だ。
ちなみにそれは仕事用の車で死体などの文字が車体には記されているため、不審車両として通報されてもおかしくなかった。
ξ゚听)ξ「今は午後二時か……」
検査結果から判明した死亡推定時刻は午後四時前後。
その時刻まではまだまだ時間があった。
- 34 : ◆A.QZ8BcD5E :2007/01/21(日)
21:39:06.38 ID:GlSOdW8UO
- 軽くショボンと雑談を交わしていると外から懐かしい音が聞こえてきた。
学校のチャイムだった。
少し早い気もするが恐らく今日はこれで授業は終わりなのだろう。
校門からぞろぞろと制服を身に纏った生徒が出てくる。
ξ゚听)ξ「あの子は……」
ツンは車の中から生徒の群れを凝視する。
そしてその群れの中に一人、前かがみになりながら少し小走りで歩く少年を見つける。
ξ゚听)ξ「あ……」
見つけた。
あの少年だ。
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