27 :わけぎ:2007/01/03(水) 20:27:55.89 ID:vGcp0eCqO
第二話

学校から帰宅すると付けっぱなしのテレビで殺人事件のニュースが報道されていた。
近頃は物騒だなぁと思いながらソファーに腰掛ける。
が、その隣には幸せそうに寝息を立てているドクオ。

ξ゚听)ξ「ドクオ起きろー」

ドクオの耳を引っ張るがなかなか起きない。

ξ゚听)ξ「はぁ…」

重いため息。
ドクオが起きないことに対しての呆れもあったがやはり一番の原因は昨日のことだろう。

自分の能力。
死者が自分に助けを求めてくる。

このことに関してツンはしばらく考え込む。
そして一つの結論を導き出した。

ξ゚听)ξ(死ぬ前に…助ける!)

拳にぐっ、と力を込める。

29 :わけぎ:2007/01/03(水) 20:29:09.66 ID:vGcp0eCqO
('A`)「なにしてんだ?」

ξ゚听)ξ「あら、あんた起きたの?」

('A`)「あぁ…よく寝た」

欠伸をしながら頭を掻く。
普段はわりと二枚目なドクオだったがこのだらしなさを見てしまっては何とも言えない。

こんな弟だがきっと自分言うことを信じてくれるはず。
そう思い心を決めてツンはドクオに話を始める。

ξ゚听)ξ「…ねぇドクオ…話があるんだけど」





30 :わけぎ:2007/01/03(水) 20:29:53.13 ID:vGcp0eCqO



ξ#゚听)ξ「あー腹立つ!」

(;´・ω・`)「机蹴らないでね。どしたの」

ξ#゚听)ξ「弟がぁー!」

今度は机を叩くツン。
大きな音がするがツンの手はたぶん赤くなっているだろう。


31 :わけぎ:2007/01/03(水) 20:30:52.49 ID:vGcp0eCqO
(´・ω・`)「何があったかはわからないけど大分疲れているようだね」

「今日は早く帰って休むといいよ」とツンに告げるショボン。
ツンはショボンの言葉に甘えることにした。


33 :>>31をミスった :2007/01/03(水) 20:31:56.64 ID:vGcp0eCqO
(´・ω・`)「どうしたのさ」

ショボンの声を聞いてふと思うツン。
きっとショボンなら信じてくれるかも、と。

ξ゚听)ξ「実はですね…」

ツンは自分の体験した出来事をショボンに明かした。
その話をショボンは何度も相づちをうちながら真剣に聞く。

(´・ω・`)「ふむ…」

ξ゚听)ξ「信じてくれますか?」

(´・ω・`)「あぁ。短い間だが君のことはちゃんと理解してるからね」

ξ゚听)ξ「ありがとうございます!」

ツンは深々と頭を下げる。
一方のショボンはなにやら考えごとをしているようだ。

(´・ω・`)(死人が助けを求める…ね…)

ξ゚听)ξ「どうしたんですか?」


34 :>>31をミスった :2007/01/03(水) 20:32:24.22 ID:vGcp0eCqO
(´・ω・`)「あぁいや何でもないよ」

漫画やアニメでいう「頭にハテナが浮かぶ」という状況になるツン。

(´・ω・`)「気にしないでくれ。じゃあ仕事を再会しようか」

ツンは「はい」と答え、再び仕事を始めた。

(´・ω・`)(まさか彼女は…)





35 :わけぎ:2007/01/03(水) 20:33:33.57 ID:vGcp0eCqO



('A`)「なぁ姉貴」

テレビを見ながらツンに質問をするドクオ。

ξ゚听)ξ「なによ」

テレビを見ながらドクオの質問に答えるツン。

('A`)「あの話のことなんだが」

ξ゚听)ξ「あんたに言ったってどうせ信じてくれないでしょ」

('A`)「あったりめぇだw映画じゃあるまいしw」

ξ゚听)ξ「でもショボンは信じてくれたわよ」

ドクオの頭を叩く。
そして自室へと向かった。

('A`)「姉貴のやつ手加減くらいしろよ…」

いつもより早めに布団の中に潜り込む。
今日はいつもより頭を使いすぎたらしい。


36 :わけぎ:2007/01/03(水) 20:33:59.54 ID:vGcp0eCqO
ξ゚听)ξ「ショボンさんが物分かりがよくて助かった」

誰に言うでもなく自分の声が部屋で響く。
ツンはショボンがなぜあんなにも素直に理解をしてくれたのか疑問に思ったが気にしないことにした。

ξ゚听)ξ「今日も早めに寝るか」

ツンは小さく「おやすみ」と呟いて眠りについた。




37 :わけぎ:2007/01/03(水) 20:35:51.62 ID:vGcp0eCqO



ξ゚听)ξ「おはよ」

('A`)「おー姉貴。いいところに」

ξ゚听)ξ「朝っぱらからなによ」

('A`)「俺さ、昨日の件で考えたんだけどさ」

ドクオはやはり自分はツンの話を信じることが出来ない。
だが、今日をやり直して競馬の勝馬を教えてくれてそれが当たれば信じると言う。

ξ゚听)ξ「あんた…」

('A`)「な?それで当たれば信じるよ」

今日をやり直せと言われ、なんとも不謹慎なことだろうとツンは思った。

ξ゚听)ξ「考えておくわ」

ツンは曖昧な返事を残しドクオの元から立ち去った。





38 :わけぎ:2007/01/03(水) 20:37:05.41 ID:vGcp0eCqO



ξ゚听)ξ「今日は人が多いわね…」

今日は仕事が休みの為、気分を紛らわしに外出をしているツン。
特に目的は無いがただなんとなく外に出て太陽に当たりたかったのだ。

ξ゚听)ξ「学校が休みだと退屈よねぇ…」

ツンは独り言を呟くが周りに人が沢山いることを思いだし少し恥ずかしくなる。

ξ゚听)ξ「お茶でもしようかな…」

特にすることがないので取りあえずお茶を飲むことにした。
ふと目の前に見つけた少しお洒落な喫茶店に入る。
意外にも人が多かったがなんとか座ることが出来たようだ。

ξ゚听)ξ「アイスコーヒーね」

ウェイトレスに注文を頼む。
特にすることも無いので店内に設置されているテレビへふと目をやる。
ちょうど今日の競馬のメインレースを放映していた。

『外からK番ニューソクファスト!内からC番ヴィプランナー!』

『ニューソクファストは先頭をキープ出来るか!後ろにすぐせまってきている!』

39 :わけぎ:2007/01/03(水) 20:37:33.61 ID:vGcp0eCqO
『そのまま行くか!行った!今ゴールイン!勝ったのはK番ニューソクファスト!大穴馬がきました!』

『三連単はK-C-Eです。C番K番共に配当が高いですからかなりの高学金になりますねぇ』

ξ゚听)ξ「12…4…6」

ツンは今、放映された競馬の結果を口に出してしっかりと記憶した。

もしかしたら…なんてことを思いながら。

席を立ち会計を済ませるツン。
そして喫茶店の扉を開けて外に出る。
お茶を済ませた途端にやることが全く無くなってしまった。
外にいるというのにまた暇な時間を迎えることになる。

ξ゚听)ξ「あー暇だ」

ツンが軽く背伸びをした瞬間だった。
すぐ近くで女性の大きな悲鳴と男の叫び声が耳に入ってきた。


40 :わけぎ:2007/01/03(水) 20:38:33.15 ID:vGcp0eCqO
「おい!人が刺されたぞ!」

「通り魔だ!」

ξ゚听)ξ「え?なに?」

ツンがざわめきの起きた方へ振り返る。

ξ゚听)ξ「きゃ!」

振り返ると同時に誰かにぶつかった。
その男の手には赤く染まったナイフ。

ξ゚听)ξ「まさか…」

野次馬の集っている場に小走りで近寄る。
そこには一人の女性が横たわっていた。


41 :わけぎ:2007/01/03(水) 20:39:05.73 ID:vGcp0eCqO
その女性の周りには赤い血。

ツンはその女性を知っていた。

ξ;゚听)ξ「クー!」

急いで女性の元へ駆け寄るツン。
倒れていたのは昔から仲の良かった親友のクー。
ツンはクーの体を揺らしながら呼びかける。
しかし、彼女は既に息をしていなかった。
左胸元を中心的に咽や腹に広がる無数の傷。

43 :わけぎ:2007/01/03(水) 20:40:19.68 ID:vGcp0eCqO
ツンが携帯を取りだそうとして泣きながら警察に電話をしようとした時だった。

「ツン…」

ξ;;)ξ「え?」

ふと聞きなれた声がする。
そう…間違いなくそれは親友のクーの声。
そして…

川 ゚ -゚)「助けて」

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