276 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:57:24.04 ID:8Mx01AeYO

(;´・ω・`)「あ……ありのまま 今 起こったことを話すぜ!

『ビロードがいきなり店に入ってきたと思ったら、いきなりしぃに告白した』

 何を言ってるかわからねーと思うが、俺も何が起こったかわからなかった……
 頭がどうにかなりそうだった……

 打ち切りフラグだとか、作者の下書きしてる編集BOXが足りなかったとか、そんなちゃちなもんじゃあ 断じてねぇ
 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……」

川 ゚ -゚)「マスター、五月蝿いぞ。今いいところなんだ」
279 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 19:58:32.65 ID:8Mx01AeYO


('A`)が地図に無い島へ行くようです・第8話




280 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:01:03.63 ID:8Mx01AeYO

 ビロードが発した言葉により、その場の時間が止まる。

(´・ω・`)「そう、まるでタンクローリーで頭を殴られたように、皆の頭には衝撃が……」

川 ゚ -゚)「そのネタはもう止めろ」

(´・ω・`)「……だか断r」

――そして時は動き出す
282 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:03:53.16 ID:8Mx01AeYO

(;゚ー゚)「えぇと……」

(;><)「しぃさん! しぃさんは僕のことどう思ってるんです!?」

ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっと落ち着きなさいよビロード!!
 いきなりそんな事言われて、しぃちゃん戸惑ってるじゃない」

 戸惑いの色を隠せないでいるしぃを見て、興奮しているビロードをツンがなだめる。

(;゚ー゚)「あぁ、うん、ツンちゃんありがとう」

 我を取り戻したのか、はっとしたしぃがツンにお礼を言う。

(;゚ー゚)「まさか、ビロードくんが私のことそう言う目で見てたなんて、気づかなかったよ……」

川 ゚ -゚)
ξ゚听)ξ (あんた以外みんな気づいたけどな)
(´・ω・`)

 その場に居合わせた者達は心の中でしぃの鈍感ぶりにツッコミを入れる。

(*゚ー゚)「……ここじゃなんだし、ちょうど村工場に行くところだったから、一緒に行こ、ビロードくん」

( ><)「わかったんです」

 しぃに促され、ビロードはショボンのバーから出ていった。

284 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:06:42.41 ID:8Mx01AeYO

 昨日の雨でぬかるんだあぜ道を、しぃとビロードは並んで歩いている。

(*゚ー゚)「……ビロードくんとは、毎日一緒にここの道通ってたよね」

 沈黙を切り裂いて、しぃが口を開いた。

(*゚ー゚)「3年前、私がモララー親方に拾われてから、来る日も来る日も仕事に明け暮れていて……」

( ><)「……」

 ビロードはしぃが紡ぐ言葉を、真剣に聞いている。

(*゚ー゚)「仕事が休みの日なんかも、兄者くんと3人で、よく近くの森に遊びに行ったりしてたし」

( ><)「……あの時は楽しかったんです」

 しぃとビロードはは懐かしき日々を思い出していた。

(*゚ー゚)「そうやって、今まで友達として付き合ってきたビロードくんにいきなり告白されて、ビックリしちゃった」

(;><)「……自分も冷静になると、出会うなりいきなり告白するなんて、相当キてるんです」

 風にあたって頭が冷えたのか、ビロードは自分の思いを素直に語り出した。

286 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:08:59.79 ID:8Mx01AeYO

( ><)「……一目惚れなんです。
 しぃさんと出会ったあの日から、毎日しぃさんのことを思ってたんです。1つ年上のしぃさんは、ちっちゃいけれど僕にとって頼りがいのあるお姉さんであると同時に、とても魅力的な女性だったんです」

(;゚ー゚)「ありがとう。てか、そんな前からだったんだ……」

 しぃはそんなビロードの気持ちなど、微塵にも感じてなかった。今更ながら、自分の鈍感さは少し反省すべきである、としぃは思った。

(*゚ー゚)「……私は、正直、ビロードくんをそういった視線では見れない」

 しぃがポツリと呟く。

(*゚ー゚)「それに、最近はドクオの件でバタバタしてたし、ドクオが来てから結構時間が経ったけど、まだまだ覚えなきゃいけないこともいっぱいあって、それどころじゃないんだよ」

( ><)「……そうなんですか」

(*゚ー゚)「うん、だから、今回はごめんね」

( ><)「……わかったんです」

 少ししょんぼりした様子のビロードは、うつむきながらぬかるんだ道をとぼとぼと歩いていった。

288 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:12:25.37 ID:8Mx01AeYO


 しばらく2人が歩くと、見慣れた建物が目に入った。

(*゚ー゚)「……みんな〜! お久〜!」

 しぃが中に入ると、大きな声で辺りにいた人達に呼びかけた。

( ´_ゝ`)「? お、しぃじゃんか」

Ω<みんな! しぃちゃんが帰ってきたぞ!!

 忙しく動いていた男達が、しぃを見るやその手を止めて一斉にしぃに向かっていった。

(;><)「みんな、落ち着くんです!」

 久しぶりに再会して興奮している皆をなだめる為、ビロードがしぃとの間に止めに入る。

( ・∀・)「お、しぃじゃないか。休日に顔出しか、メイド服似合ってるな」

(*゚ー゚)「ありがとうございます、親方」

 偶々その場に居合わせていたモララーが、しぃに話しかけてきた。
290 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:15:19.19 ID:8Mx01AeYO

( ・∀・)「どうだ、あっちの生活は慣れたか?」

(*゚ー゚)「はい、最初はここでの生活リズムに体が慣れきりってたんで苦労しましたが、最近はどうということ無いです」

(*´_ゝ`)(……しぃのメイド服……さり気に可愛いな……)

Ω<ゴクリ……

 男達の色目にも気づかないしぃは、しばらくモララーと会話していた。

(*゚ー゚)「……やっぱりここに帰ってくると、落ち着くんです」

 しぃはポツリと呟いた。
3年という短い期間ではあったが、モララーに拾われてからしぃはここで色々な事を学び、仲間達と共に成長してきた。
 言わば一種の「心のふるさと」的なこの職場の雰囲気は、徐々にしぃの心を元ある場所へ癒やしていった。
292 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:17:25.72 ID:8Mx01AeYO

( ・∀・)「……最近、色々大変だったからな。まぁでも、休憩もほどほどにしとけよ? 一度タルむと、なかなか抜け出せなくなるからな」

 しぃの様子を見て、モララーは無機質な表情で淡々と話す。

( ´_ゝ`)「そぅ! でないと、俺みたいになっちゃうぞ!?」

 モララーの言葉を聞き、兄者がしゃしゃり出てくる。

( ・∀・)「ほぅ、自覚はしてるのか」

( ´_ゝ`)「当たり前です。何せ私は、達していますから」

 メメタァ、という効果音と共にモララーが無言で兄者に殴りかかった。

( ><)「いつものオチなんです」

(*^ー^)「ふふ、本当にかわらないなぁ」

 しぃはその光景を見ると、楽しそうに微笑んだ。


293 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:20:11.93 ID:8Mx01AeYO



 カランカラン、と玄関のベルが鳴った。

(*゚ー゚)「ただいまーっ!」

 ドアの鍵を閉めると、明るい声でしぃが叫んだ。

('A`)「あ〜、お帰り〜」

 しぃの声を聞き、2階からドクオの返事が聞こえてきた。

(*゚ー゚)「まったく、せっかくの休日なのになんでドクオは部屋に引きこもってるかな」

 しぃが小声で呟くと、荷物をしまって居間へと歩いていった。

295 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:22:55.89 ID:8Mx01AeYO

('A`)「あ〜、どうだった、久しぶりに顔出して」

 しばらくすると、頭をポリポリ掻きながらドクオが2階から降りてきた。

(*^ー^)「うん、久しぶりに会ったらみんな感激しちゃってさぁ!!
 スッゴく楽しかった!!」

(;'A`)「そ、そうか」

(*^ー^)「うん!! あ、もうそろそろ夕飯の支度するね、ちょっとそこで待ってて♪」

 屈託の無いとびきり明るい笑顔でしぃはドクオにそう言うと、鼻歌を歌いながらキッチンへと向かっていった。

('A`)「……」

 ドクオはそんなしぃの後ろ姿を、どこか複雑な面もちでじっと見つめていた。

296 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:25:32.38 ID:8Mx01AeYO



翌日、休日も終わって再び村へと通っていたドクオが帰ってくると、しぃにある物を渡した。

('A`)「ビロードから、お前にだって」

(;゚ー゚)「えっ、ビロードくんから!?」

 妙に戸惑うしぃを見て、ドクオは不可解な色を顔に浮かべる。

('A`)「……そういえば、なんかクーの様子も変だったし(今日は土下座しないで済んだしな)、何かビロードとあったのか?」

Σ(;゚ー゚)「うぅん!? な、なんでもない、なんでもないよ」

 ドクオの発した言葉にドキリとしたしぃは、オロオロしながらドクオから手紙を受け取ると、そそくさとその場から立ち去っていった。


297 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:28:10.86 ID:8Mx01AeYO

〜〜〜〜
( ><) しぃさん、昨日はいきなりあんな事言って驚かせてしまい、申し訳ないんです。恋人は無理でも、今後とも友人として付き合って欲しいんです。

P.S お詫びにクッキー作ったんです。良かったらドクオさんと一緒に食べてくださいなんです

ビロード
〜〜〜〜

 しぃは手紙を読み終えると、持っていた袋を開けて中のお菓子を口に頬ばった。

(*゚ー゚)「モグモグ……うん、なかなか美味しい!」

(*^ー^)「……ふふ、ビロードくんたら、義理堅いんだから」



(^ー^‖壁‖('A`)「……」

 しぃの部屋の前でドクオが盗み聞きしているのにも気づかず、明るい笑顔で手紙を机にしまうと、しぃはムシャムシャとお菓子を食べ始めた。

304 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:45:29.34 ID:8Mx01AeYO


 いつも通り、夕飯を作って、テーブルにつき、ドクオと共に食べる。

(*゚ー゚)「……」

('A`)「……」

 2人で黙々と食べている間、しぃはモララーの職場の事を思い出していた。

 今では大分慣れた方だが、3年間もの間、規則正しい職場での生活リズムに馴れきっていたしぃにとって、始めはこの屋敷での生活は大変なものだった。
 朝早くに起きると朝食の下拵えをして、ドクオを起こす。朝食をとった後は2人で野菜の収穫、ドクオが出荷に行くと今度は屋敷の掃除。これで1日が終わってしまう。

(*゚ー゚)(うーん、このメイドとしての生活も、楽しいっちゃ楽しいけど……)


305 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:46:25.20 ID:8Mx01AeYO

('A`)「……しぃ、どうかしたか?」

 しぃの様子に何を思ったか、ドクオが話しかける。

(;゚ー゚)「え、あぁ、なんでもないよ。
 そ、それより、ビロードくんがくれたクッキーあるんだけど、ドクオも食べる?」

('A`)「……いらねぇ」

 焦るしぃの表情を見て、ドクオは短く言葉を切る。

('A`)「……しぃ、明日の朝、ちょっと服とか荷物まとめてから起きてこい。

 食事を終え、箸を置いたドクオが急にしぃに話しかけた。

(*゚ー゚)「え? なんで?」

('A`)「いいから。 んじゃあ俺は風呂入るから」

 頭にクエスチョンマークを浮かべたしぃを尻目に、ドクオはそそくさと居間を出ていった。

308 名前: ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:51:02.28 ID:8Mx01AeYO
〜翌日〜

(*゚ー゚)「うーん、今日は、雨か」

 朝早く、しぃが布団の上で目を覚ますと、窓の外で小雨が降っているのが見えた。

(*゚ー゚)「……そういえば、ドクオ、突然荷物をまとめて来いとか言ったけど、なんなのかな。ひょっとして、日帰りで旅行とか?」

 ごそごそと部屋のタンスから着替えなどを取り出すと、しぃはメイド服に着替えてドクオを呼ぼうと階段へ向かいにいった。

('A`)「……よう」

(;゚ー゚)「お、おはよう。珍しいね、こんな朝早くに」

 いつもは朝が弱いはずのドクオが、屋敷の階段の前の玄関でしぃを待っていた。

(*゚ー゚)「どうしたの? そういえば、荷物は持ってきたけど……」

('A`)「……」

 ドクオはチラリとしぃの持つバックに目をやると、再びしぃを見て黙りこむ。

(;゚ー゚)「ドクオ?」

 やがて、ドクオはゆっくりと口を動かした。

('A`)「しぃ、今すぐこの屋敷から出ていけ」


309 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:54:15.61 ID:8Mx01AeYO

 一瞬、しぃはドクオが何を言っているのかがわからなかった。

(;゚ー゚)「な、何言ってるのドクオ!?」

('A`)「同じことを何度もいわせるな。今すぐここから出てけ」

 無表情でドクオはしぃを見つめている。

(#゚−゚)「……なんでよ!? なんで私が出ていかなくちゃいけないの!?」

 しぃが怒りを露わにしてドクオに喰ってかかる。

('A`)「……お前は村にいたほうがいい」

(;゚−゚)「……!」

 ドクオの意外な返答に、しぃは逆に面食らってしまった。
312 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 20:56:32.08 ID:8Mx01AeYO

('A`)「……ここしばらくお前を観察してたが、やっぱり年頃の女の子がいきなり知らない奴とここで暮らせって言ったって、例え神のお告げだろうが無理がある」

 ドクオが静かに語り出す。

(;゚−゚)「なっ、違! 私は自分の意志で……」

('A`)「何より、ここで見るしぃの笑顔より、村の人達について話しているしぃの方が何倍も明るい」

(;゚−゚)「………っ!」

 ドクオの言葉に、しぃは言葉を詰まらせた。
 確かにここ数日間、しぃは家でドクオと顔を合わせる度に、村の仲間達について楽しそうに語っていた。


(;゚ー゚)「ご、ごめん、それは私が悪かった……」

 正直、毎日屋敷で村の話ばかり聞かされ、ドクオもウンザリしていたのかもしれない。

317 名前:第8話 ◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月) 21:02:12.07 ID:8Mx01AeYO

 しかし、しぃが謝ってもドクオの表情は変わらない。

('A`)「……悪かったな、色々苦労させて。
 つまらない屋敷の生活をしてるより、しばらくモララーさんとこに帰ってた方が良さそうだ」

(;゚ー゚)「ちょ、ちょっとドクオ!!」

('A`)「さぁ、出ていけ」

 無理矢理しぃに靴を履かせると、ドクオは旅行鞄と一緒にしぃを玄関から追い出した。

(;゚ー゚)「ちょ、開けてよ!! ドクオ!!」

 玄関の鍵を閉められて、しぃは必死に外から扉を叩いたが、中から返事は無い。

(;゚−゚)「ドクオ! ドクオってばぁ!!」

 小雨だった雨が、突然勢いよく降り出した。

 しぃが何度玄関を叩こうと、何度ドクオの名を叫ぼうと、中からの反応は全く無い。

 しばらくの間、しぃはその中で呆然と立ち尽くしていた。


〜第9話へ続く〜

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