- 184 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
17:00:55.56 ID:8Mx01AeYO
- (*゚ー゚)「ドクオ〜、朝だよ〜!」
部屋の扉の前で、しぃがノックをしていた。
(-A`)「むにゃ……もう朝か……」
扉を開ける音と共に、ドクオは眠そうに声を出した。
(*゚ー゚)「はい、じゃあここに着替え置いてお……」
しぃがドクオの足元に折りたたんだ服を置こうとすると、ドクオの寝ている布団の一角に目が行った。
(* ー )「あ……」
(*////)
('A`)「お、しぃ、おはよう。どうかしたか?」
何か様子がおかしいしぃを見て、ドクオは声をかけた。
(;////)「なっ、何でもないっ!」
顔を真っ赤にして慌てて出ていくしぃを不審に思い、ドクオが布団の上に視線を移すと……
ドクオの股間の部分が、大きく盛り上がっていた。
- 187 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
17:02:33.92 ID:8Mx01AeYO
('A`)は地図に無い島へ行くようです・第6話
- 188 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
17:03:49.03 ID:8Mx01AeYO
――朝も早よから息子さんが メイド屋さんに声かけて
元気に挨拶したけれど メイド屋さん驚いて逃げちゃった〜よ――
('A`)「ドクオ、心の一句」
今朝も椅子に座りながら、ドクオはしぃが料理を作る姿を眺めていた。
この生活にも大分馴れてきた。
この島では電気というものがまだ発明されて無いらしく、太陽が昇ると同時に起き、日が沈むと就寝するという。
しぃから貰ったこの島に関する歴史書を読んでみると、この島にも四季があるようで、夏になれば日照時間と同様に人間の活動時間も長くなり、冬には短くなるらしい。
('A`)「わかりやすい人達だな」
ドクオが溜め息をつくと、しぃが朝食を持ってきた。
(*゚ー゚)「はい、今日の朝食!」
はりきった様子のしぃが、朝食が盛られた皿をテーブルに並べた。
- 190 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
17:06:31.34 ID:8Mx01AeYO
(*////)「あの……」
2人で朝食をとっていると、妙によそよそしい態度のしぃがドクオに話しかける。
(*////)「えぇと、その……」
('A`)「……男の生理現象」
(;////)「ブッ!!」
しぃが一旦気を取り直して牛乳を飲もうとした時を見計らって、ドクオがボソリと呟くと、案の定盛大に噴き出した。
(;'A`)「……なんかごめん」
- 92
名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
17:10:47.85 ID:8Mx01AeYO
(;゚ー゚)「あぁっ! ごめんなさい!」
しぃの噴いた牛乳まみれになったドクオを見て、しぃが謝った。
(;////)「そ、その、今度からはドクオが返事するまで入らないから!」
しぃがドクオの服を拭きながら約束した。
('A`)(……てゆうか、メイドさんに朝立ち見られ、それを恥ずかしがっている彼女に俺の体をフキフキさせてるこの状況……)
(*'A`)「もしかしなくてもフラグ立t」
(*゚ー゚)「あれ、なんか一瞬邪気がしたような?」
(;'A`)「えっ!? い、いや、気のせいだろ!!」
ドクオがニヤけていた顔を必死に取り繕った。
(*゚ -゚)「ふーん……?」
- 195 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
17:12:20.12 ID:8Mx01AeYO
太陽が登ってしばらく経った、いわゆる午前中に、畑に野菜の収穫・種まきをする。
(*゚ー゚)「ふぃ〜、今日もいっぱい採れたね〜♪」
メイド服からうってかわって、Tシャツにオーバーオールとしぃが歓声をあげた。
薄く赤みのかかったシルバーでハーフロングの髪を揺らし、汗が飛び散る。
(*'A`)「……ほぁ〜」
(#゚ー゚)「ちょっとドクオ、何呆けてるの?」
(;'A`)「あ、いや、何でもない」
しぃに見入っていたドクオが、彼女の怒った声に我に帰った。
(;'A`)(もう抜刀奥義の餌食になるのは御免だぜ……)
- 197 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
17:14:21.97 ID:8Mx01AeYO
それはさておき、何故かここの島は野菜が熟れるスピードが異常に速い。
('A`)「トマトが30、レタスが20、キュウリと茄子が15本……」
(*゚ー゚)「色や形が不揃いだけど、だいたい3000ルピーくらいにはなるかな……」
普通なら数ヶ月製作にかかる野菜が、たった1日2日でできるのはドクオには異様な光景だった。
先程取り上げたしぃの本にも、通常なら土地を休ませたりして一年かかる稲作が、たったの一週間でできると示されていた。
この土地に何か特殊な成分が入っているのか、はたまた品種改良した野菜なのか。どっちにしろこの島では当たり前のことのようだ。
- 198 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
17:16:26.19 ID:8Mx01AeYO
('A`)「3000ルピーか……」
(*゚ー゚)「お願いね、ドクオ♪」
やれやれ、といった顔のドクオは野菜が積まれた荷車を捕むと、ゆっくりと荷車を押していった。
ここからは力仕事、男・ドクオの出番だ。
屋敷の農場で採った野菜達を台車に載せ、坂道を下ってク―の待つ村の八百屋まで運ぶのだ。
('A`)「案外、上り坂より下り坂の方が辛いんだよな……」
ドクオはしっかりとした足取りで、台車のスピードを殺しながら坂を下っていく。
- 200 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
17:18:21.40 ID:8Mx01AeYO
(^o^)/「やぁ、ドクオくん。これから出荷かい?」
('A`)「あ、オワタさん、こんにちは」
途中、ドクオは2頭の馬を引き連れたオワタと出会った。
ドクオ達の屋敷から坂道を少し下り、途中で曲がるとオワタが営む牧場がある。
オワタ牧場は多数の牛馬を抱えており、この島の土地をしてもすぐに牧草が食べ尽くされてしまう為、牧草を求めて広いドクオ達の屋敷の土地に、毎日牛馬を連れてやってくる。
(^o^)「若いのに精がd」
=#)o^)「ゴフッ」
◎
ティウンティウンティウン
馬の跳び蹴りをくらい、オワタは消えてなくなった。
('A`)「……さぁて、行こう」
- 202 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
17:21:45.73 ID:8Mx01AeYO
門番A「おっ、ドクオの旦那、今日もお疲れさん」
門番B「今日はなかなかの量だなぁ」
('A`)「うぃーっす」
村の前に着くと、ドクオはいつもの門番コンビに出迎えを受けた。
やがて、村の中を進んで行き、いつもの八百屋の前に着く。
川 ゚ -゚)「やぁ、今日もお疲れ様」
('A`)「おぅ、今日もたんまり持ってきたぞ」
大きく深呼吸すると、ドクオは荷台から野菜を下ろした。
川 ゚ -゚)「ふむ……ふむ……よし、2500ルピーだ」
- 203 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
17:23:35.67 ID:8Mx01AeYO
Σ(;'A`)「ええっ!? ちょ、待ってくれ!!」
ドクオが通行人の目もくれず、大きな声で叫ぶのも無理は無い。
ドクオは絶対、しぃから承った金額で野菜を売らなければならない。
(;A;)「そうじゃないと俺がしぃに小突かれるの知ってるだろ!?」
「ママ〜、見て〜! またドクオ兄ちゃんがク―姉ちゃんに泣きすがってるよ〜〜」
「しっ! 坊や、大人の世界は大変なのよ!」
(;A;)「なぁ、頼むよ〜〜!」
必死に追いすがるドクオに対して、ク―が小さく溜め息をついた。
- 204 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
17:27:11.80 ID:8Mx01AeYO
川;゚ -゚)「はぁ……キミも仕方のない人間だな。
しょうがない、今回は特別だ」
そう言うとク―は心が折れたのか、ドクオに紙幣を3枚渡した。
因みに、この島の通貨は全て紙幣で支払われる。
先日ツンが「鉄は貴重」と言っていたが、この島では鉱物の産出量があまり豊富で無く、鉱物は貴重品として扱われる。
この島の通貨は「ルピー」だが、某三角伝説のように草を刈っても鉱物は出てこない為、この島特有の地形からとれる豊富な植物で作られる、紙幣が採用されているのだ。(しぃの歴史書から引用)
- 206 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
17:30:59.40 ID:8Mx01AeYO
(;A;)「スマン、恩にきる!!」
ドクオは3枚の1000ルピー紙幣を受け取ると、当初崇められていた側だっ事も忘れ、地に頭をつけてク―に土下座した。
川 ゚ -゚)「まぁ、キミんところの野菜は他と比べて活きがいいからな。気にするな。
やはりトウハト草原周辺は土地の環境がかなり良いようだ……」
ドクオの顔を上げさせると、ク―は小さく微笑んでみせた。
川 ゚ ー゚)「ま、これからも美味しい野菜を沢山入れてくれよ」
- 208 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
17:33:28.07 ID:8Mx01AeYO
('A`)「ちわー!」
ドクオは騒々しい村工場に入ると、大きな声で挨拶をした。
Ω<おっ、ドクオさんウーッス!
職場で働いていた男達が一斉に声を出す。
(*´_ゝ`)「おおっ、ドクちゃんいらっしゃい! 今日は何かな?」
('A`)「そのドクちゃんての止めてください」
真っ先にドクオに駆け寄ってきた兄者が、ドクオの持っている箱を覗き込んだ。
('A`)「しぃが手間暇かけて(実際そんなかかってないが)作ったスイカだ。みんなで分けて味わって食べてくれ」
- 209 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
17:35:38.89 ID:8Mx01AeYO
- (*><)「凄い、しぃさんが作ったんですか!?」
屋敷の農園とは別に、しぃが今まで世話になったモララー一家の為に毎日果物を作っている。それを、八百屋へ荷下ろしに来た時たま、こうやって村工場にまできて配っているのだ。
( ・∀・)「おぅ、ドクオか。ご苦労さん。
しぃは元気にしているか?」
上の階からモララーが降りてきた。
('A`)「はい、元気過ぎて困ってるほどです」
実際、もうちょっと大人しければなぁ、とドクオは心の中で溜め息をついた。
- 211 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
17:37:37.97 ID:8Mx01AeYO
(;・∀・)「あれ、俺の分は?」
(;><)「兄者さんがほとんど食べちゃったんです」
(;'A`)(ビクッ)
(;'A`)「そ、それじゃあ俺はこの辺で……」
不穏な空気を感じ、ドクオはその場を立ち去ろうとした。
( ><)「あっ、待ってくださいなんです」
ドクオが去ろうとした所、何故かビロ―ドがドクオを呼び止めた。
(;'A`)「は?」
( ><)「帰る前にツンさんのところに寄ってあげて欲しいんです」
( ∀ )「テメェ……いい度胸してるじゃねぇか……」
ドクオとビロ―ドの後ろでは、モララーと兄者が対峙していた。
- 215 名前:さるった
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
17:51:54.96 ID:8Mx01AeYO
(;´_ゝ`)「た……、例え親方でも、食に関しては譲れないです!!」
(#・∀・)「上等だコラ! 今度という今度はフルボッコにしてやんよ!!」
('A`)「え〜、やだよ。俺アイツ嫌いだもん」
(#・∀・)「ホクトゥ! ヒャクレツケン!!」
( ><)「そこを何とか…! 最近、彼氏が遊びに来なくて退屈そうなんで、話し相手にだけなってあげて欲しいんです!」
(#・∀・)=つ≡つ)_ゝ`)
「ホワタタタ!!」
('A`)「ちっ、しゃあねぇなぁ……ビロ―ドの頼みでもあるし、行ってやんよ」
(#)_ゝ`)「ふっ、その程度の拳、この体n」
( ><)「ありがとうなんです!!」
( ・∀・)「お前はもう、死んでいる」
- 216 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
17:55:20.13 ID:8Mx01AeYO
- うわらば、という何かの音には気にもとめず、ドクオは村工場を出てすぐ近くの鍛冶屋へやってきた。
('A`)「ちーす」
ξ゚听)ξ
ξ( ゚ ゚ )ξ
('A`)「こっち見んなwww」
ドクオの声を聞き、ツンが入り口の方へ振り返った。
ξ゚听)ξ「……何の用よ?」
('A`)「いや、別に何も」
ξ゚听)ξ「帰れ」
('A`)「ハイワカリマシタ」
ツンに即答され、ドクオは素直に従って扉から出ていこうとする。
- 217 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
17:58:47.91 ID:8Mx01AeYO
- ξ;゚听)ξ「ちょ、冗談よ!? 何本気にしてんのよ、全く……」
ドクオ振り返ると、ツンが動揺しながら何か小声でブツブツと呟いていた。
('A`)(なんだこの女……)
ドクオが溜め息をつき、ツンに話しかける。
('A`)「そう言えば最近、彼氏と『ご無沙汰』みたいだな」
ξ;゚听)ξ「ブッ」
ツンは飲んでいた紅茶を吹き出した。
ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっと誰から聞いたのその話!? あ、もしかしてお世話焼のビロード!?」
('A`)「あ……いや、兄者からだ」
実際、情報はビロードからだが、何となくポジション的に兄者にしといた方がよさそうであった。
ξ#゚听)ξ「アイツ今度会ったらブッ殺ス」
('A`)(予想的中)
ドクオは何となく、ホッとして胸を撫でおろした。
- 218 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
18:02:04.25 ID:8Mx01AeYO
ξ゚听)ξ「……まぁね、私の彼、ちょっと傭兵の仕事しててね、各地を転々としているの」
ツンは溜め息をすると、静かに語り始めた。
ξ゚听)ξ「そいつは、ココとは違う故郷で一緒に育った幼なじみで、1年前告白されて付き合い始めたのよ」
('A`)(それなんてエロゲ?)
ドクオは心の中でぼそりと呟いた。
ξ゚听)ξ「それがねぇ、最近また転勤したって聞いてから音沙汰無しなのよ。まぁアイツなら大丈夫だろうけど……
全く、心配するこっちの身にもなってよね、昔からアイツはこうなんだから……」
('A`)「……」
- 219 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
18:04:50.30 ID:8Mx01AeYO
その後、ドクオが長々とツンの愚痴を聞いていると、気づけばいつの間にか日が暮れ始めていた。
ξ;゚听)ξ「あ、いけない! もうこんな時間!?」
窓の外をを見たツンが、急に我に返った。
ξ゚听)ξ「ごめんなさいね、こんな時間にまで留まらせちゃって」
('A`)「まぁ、いいってことよ」
ドクオがゆっくり腰を上げるのを見ると、何を思ったのかツンはドクオに話しかけた。
ξ゚听)ξ「……そうね、話し相手になってくれたお礼に、これあげるわ」
ツンが店の奥から何かを取り出してくると、それをドクオに手渡した。
- 221 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
18:08:11.73 ID:8Mx01AeYO
('A`)「か〜〜わい〜い仔牛〜売られてい〜く〜よ〜〜」
(#゚ー゚)「あーっ、ドクオ!」
呑気に鼻歌を歌いながら暗い夜道を登ってくるドクオを見て、心配したのかしぃが迎えに来た。
(#゚ー゚)「もうっ、あれほど寄り道するなって言ったのに〜〜!」
('A`)「あ、そうだ、これ」
怒っているしぃを尻目に、ドクオは懐から何かを取り出した。
('A`)「やるよ」
(;゚ー゚)「え、何?」
ドクオはしぃに無理矢理それを手渡すと、再び台車を引きながら歩き出した。
('A`)「ドナドナド〜ナ〜」
- 222 名前:第6話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
18:10:31.29 ID:8Mx01AeYO
(*゚ー゚)「え……これ、ペンダント?」
しぃがドクオに渡された物を見てみると、煌めくプラチナのペンダントであった。
('A`)「ツンから貰ったんだ、今度礼言っとけよ〜〜」
既に遠くを歩いていたドクオが、しぃに向かって叫んでいる。
(;゚ー゚)「ちょ、待ってよ〜〜!!」
しぃは慌てながら、スカートを翻してドクオを追いかけていったのだった。
〜第7話へ続く〜
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