- 129 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
15:16:23.55 ID:8Mx01AeYO
('A`)「ペロ……これは青酸カリ!」
(*゚ー゚)「ぶっ飛ばすよ?」
村騒動の明くる日、ドクオとしぃは居間で朝食をとっていた。
('A`)「冗談だ。普通に美味いよ」
ドクオは黙々と箸を進めていく。
(*゚ー゚)「あ……そうそう。
ドクオ、ちょっとお使い行ってきてくれる?」
(',A`)「へ?」
ご飯粒を口につけ、ドクオは間抜け面で答えた。
- 130 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
15:17:24.52 ID:8Mx01AeYO
('A`)は地図に無い島へ行くようです・第5話
- 131 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
15:18:53.23 ID:8Mx01AeYO
――神の使いはメイドの使い
('A`)「すんません、いきなり来ておいて……」
(^o^)「イインダヨ」
\(^o^)/「グリーンダヨ――」
妻「あんた! 早く仕事しなさい!!」
◎「50%オーフ!」
ティウンティウンティウン
(;'A`)「……」
- 132 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
15:21:05.41 ID:8Mx01AeYO
- ドクオは牧場から出てくると、坂道を下っていった。
('A`)「え―と、隣りのオワタ牧場の主人から野菜の種は貰ったから……」
ドクオはしぃに渡されたメモを片手に、ぶつぶつと呟きながら歩いていく。
('A`)「次は村まで行って、農耕具を買ってこいってか……」
そうこうしているうちに、ドクオは村の前に着いた。
- 135 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
15:23:59.21 ID:8Mx01AeYO
門番A「おっ、ドクオの旦那じゃねえか!」
門番の1人がドクオに気づいて声をかけてきた。
('A`)「あぁ、ちょっとしぃに買い物頼まれてな」
門番B「そうか。なら入りな!! あんたなら顔パスで大丈夫だ!」
片方の門番が内側に合図をすると、ドクオの前の門が開いた。
- 136 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
15:25:51.10 ID:8Mx01AeYO
村人A「あっ、ドクオだ!!」
村人B「ママ〜、ドクオの兄ちゃんだよ〜!」
('A`)(……どうやら、神の使い扱いからは解放されたらしいな)
村人にチラチラ見られつつも、ドクオはしぃに渡された村の地図を見ながら歩いていた。
('A`)(なんというか……絵心が無いというか、しぃの書いた地図はわかりにくいな)
ドクオは心の中でそう思っているうちに、いつの間にか迷子になっていた。
- 138 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
15:28:55.29 ID:8Mx01AeYO
(;'A`)「思ったより広い村だな……」
と、そこへ突然、誰かがドクオに声をかけてきた。
( ><)「あ、ドクオさん」
('A`)「あ、あんたは昨日の」
ドクオの前にいたのは、昨日ドクオ達を御輿で迎えに来た少年だった。
( ><)「ビロ―ドです。それはそうと、どうかなさいました?」
('A`)「あぁ、恥ずかしい話だが……迷子になっちやったんだな、これが」
ドクオが肩をすくめてみせる。
( ><)「……そうですか。
なら、僕が案内しましょう」
ビロ―ドは少し沈黙した後、小さな声でドクオに言った。
('A`)「おっ、助かるわ。ありがとう!」
ドクオはビロ―ドの様子をあまり気にせず、彼に礼を述べた。
- 141 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
15:43:24.28 ID:8Mx01AeYO
乾いた金属音が、ひっきりなしに鳴り響く。
ξ゚听)ξ「へぇ……あんたが噂の……」
鍛冶屋の店先で受付をしていた巻き毛の少女が、ドクオの顔をまじまじと見つめた。
('A`)「……なんだよ」
ξ゚听)ξ「いや、思ったより貧相な顔だなって」
('A`)「悪かったな、貧相で」
ドクオはしかめっ面で答えた。
こういうタイプの女性はドクオが一番苦手なタイプだ。
- 142 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
15:45:53.63 ID:8Mx01AeYO
ξ゚听)ξ「で、何の用? 私忙しいんだけど」
( ><)「農耕具を買いに来たようなんです」
ドクオの側にいたビロ―ドが代わって答える。
ξ゚听)ξ「……ハァ?
なに、あんたこの島では鉄が貴重なこと知らないの?」
呆れた顔をしながら、少女は溜め息をついた。
- 144 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
15:48:36.24 ID:8Mx01AeYO
('A`)「……よく知らないが、別に全部鉄じゃなくてもいいだろ。
先っぽの鍬の部分だけ鉄にして、他は木製にすればいいだろうが」
ξ゚听)ξ「あんたなんかには勿体無い代物だわ」
(;><)「ちょ、ちょっと二人とも落ち着くんです!」
ビロ―ドが二人の間に揺らめく不穏な空気を察して、仲裁に入る。
ξ゚听)ξ「……まぁいいわ。確かそれならあった気がするし。じゃあ、500000ルピーね」
また溜め息をつくと、少女はドクオにそう言い放った。
- 147 名前:
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
15:50:37.58 ID:8Mx01AeYO
('A`)「……あれ、お金足りない……」
(;><)「……ドクオさん、ツンさんが過剰請求してるだけなんです」
ビロ―ドが戸惑うドクオにをフォロ―入れる。
(#'A`)「なっ、テメェ!!」
ξ゚听)ξ「軽い冗談よ。はい、500ルピーになりま〜す」
怒れるドクオを、ツンと呼ばれた少女は軽くあしらった。
- 148 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
15:53:29.88 ID:8Mx01AeYO
(#'A`)「ったく、なんだあの女! ビロ―ドがいなかったらどうなってたことやら……」
鍛冶屋から出てきたドクオはイライラしながら言葉を吐き捨てた。
( ><)「ツンさんはああ見えて、本当は優しい人なんです。
彼氏の前では、いつもデレデレしてるんです」
(;'A`)「ゲッ、あんな女に彼氏いるのかよ!?」
ビロ―ドの言葉に驚愕するドクオ。
しかし、生まれてこのかた彼女ができたことが無い自分が言えたことではないと悟ると、急にドクオは元気が無くなった。
('A`)「ウツダシノウ……」
( ><)「そう言えば、まだどこか行くんですか?」
ドクオと共に歩きながら、ビロ―ドが聞いた。
- 149 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
15:56:48.26 ID:8Mx01AeYO
('A`)「あ、そう言えば品卸しする八百屋に挨拶しとけって、しぃに言われてたっけな」
ドクオが急に思い出したように呟いた。
( ><)「それならク―さんのところなんです。
因みに、さっきのツンさん、これから会うク―さん、ドクオさんとこのしぃさんは村の3大美少女って呼ばれてるんですよ」
ビロ―ドがそう言って、ドクオを先導した。
('A`)「へぇ……まぁ、しぃもそうだけど、さっきの奴も黙ってりゃそれなりに美人だったからな。そいつは楽しみだ」
- 152 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
15:59:57.36 ID:8Mx01AeYO
ビロ―ドと一緒に商店街に入ると、ドクオの目前に大きなキャベツの看板が現れた。
( ><)「ク―さ―ん!」
ビロ―ドが店先で叫んだ。
川 ゚ -゚)「はいよ……やぁ、ビロ―ドじゃないか」
店の奥から、長身でスレンダーな女性が現れた。
川 ゚ -゚)「隣りのキミは……ドクオくんだっけ?
私は素直ク―ル、皆からはク―と呼ばれている」
('A`)「ドクオでいいよ。宜しくな」
2人は互いに会釈した。
- 153 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
16:02:22.31 ID:8Mx01AeYO
川 ゚ ー゚)「……ドクオ、話はしぃから聞いている。これからそっちで出来上がった野菜達は、ウチが独占して売りさばくことになる。
農耕とかそれ以外でも、何かわからないことがあったら聞きにくるといい」
ク―はそう言うとドクオに微笑みかけた。
( ><)「ク―さんは嘘はつけない素直な性格なんです。
だから村の人達もク―さん目当てにしょっちゅうこの店に来るんです」
- 155 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
16:05:09.46 ID:8Mx01AeYO
ビロードがそう言ったのを聞いてドクオが店を見渡すと、なる程、小さな店なのに老若男女問わず様々な人達で賑わっている。
('A`)「あぁ、ありがとう、そうするよ。あ、このリンゴ頂戴」
ドクオがク―に礼を述べると、ワゴンに山盛りにされたリンゴを指差した。
川゚ -゚)「うぃ、30ルピーだ」
- 157 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
16:08:07.31 ID:8Mx01AeYO
('A`)「はいよ」
川 ゚ -゚)「まいどあり」
手慣れた手つきでク―が会計を済ますと、受け取ったリンゴをドクオはビロードに渡した。
('A`)「ほい。今日は道案内ありがとな。これはお礼だ」
- 158 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
16:10:13.79 ID:8Mx01AeYO
ドクオの思わぬ行動にビロ―ドが動揺した。
(;><)「えっ……? い、いいんです、いらないんですっ!!」
川 ゚ -゚)「……素直に受け取っておけ、ビロ―ド」
断ろうとするビロードをク―がなだめた。
(;><)「で、でも……」
('A`)「あんまり気にすんなよ、たかがリンゴ1個くらいで。
………とりあえず、しぃが待ってるからそろそろ帰るわ」
- 160 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
16:13:54.99 ID:8Mx01AeYO
ドクオが農耕具の入ったリュックを背負い直して立ち上がった。
川 ゚ -゚)「見送ろうか?」
('A`)「いいよ、さっきビロードに教えてもらったから。」
ク―がさり気なくビロ―ドを見てみると、ビロ―ドは小刻みに震えていた。
('A`)「じゃあな」
川 ゚ -゚)「あぁ、また来るといい」
( ><)「……」
ドクオはク―達に別れを告げると、村の出口へと向かっていった。
- 161 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
16:15:38.79 ID:8Mx01AeYO
川 ゚ -゚)「案外いい奴じゃないか」
ク―がビロ―ドの肩をポンと叩く。
( ><)「……」
小刻みに震えていたビロ―ドの体が止まった。
( ><)「僕はまだ、認めてないんです」
川 ゚ -゚)「そんなにしぃを盗られたことが気にくわないか?」
( ´_ゝ`)「おいおい、あんまりビロ―ドの心を逆撫でしてやんなよ」
ク―とビロ―ドが店先で立ち尽くしいると、突然背の高い男が入ってきた。
- 163 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
16:17:33.09 ID:8Mx01AeYO
川 ゚ -゚)「兄者……キミはまた仕事をサボってるのかね?」
ク―が呆れた顔をしている。
( ´_ゝ`)「ちげーよ、サボってたのはビロ―ドの方だ。
昼休み終わっても帰ってこないから、俺が探しに来たんだよ」
兄者がそう言うと、ビロ―ドが呟いた。
( ><)「知りたかったんです、あの人がどんな人か」
- 165 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
16:20:04.67 ID:8Mx01AeYO
ビロ―ドは持っているリンゴを、じっと見つめていた。
( ><)「確かに悪い人じゃ無いんです。実際話してみると、優しくていい人なんです。
……けど、しぃさんを任すには、モララー親方と違ってちょっと頼りないんです」
川 ゚ -゚)「……」
ビロ―ドはそう言うと、リンゴを元にあったワゴンに戻した。
- 167 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
16:25:57.80 ID:8Mx01AeYO
( ´_ゝ`)「そりゃあな、お前がしぃのこと好きなのは当の本人以外みんな知ってるが、それはお前の単なるエゴだ」
川 ゚ -゚)「兄者、デリカシ―が無いぞ」
( ´_ゝ`)「お前に言われる筋合いは無い」
むぅ、と言ってク―は黙り込んだ。
( ´_ゝ`)「神のお告げだろうがなんだろうが、しぃは自分の意志で、あっちで頑張ってるんだ。
それでお前がうじうじしててどうする。」
( ><)「……」
( ´_ゝ`)「それに、彼なら大丈夫だろう。昨日の村長での家で、しぃの為にあんなに頑張っていたじゃないか。
彼なら、きっとしぃを守ってくれるさ」
- 168 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
16:28:44.84 ID:8Mx01AeYO
( ><)「……わかんないんです。
それより兄者さん、早く帰らないと親方が」
( ・∀・)「呼んだか?」
(;´_ゝ`)「ひぃ!?」
兄者の後ろからモララーが現れた。
川 ゚ -゚)「あ、親方、こんにちは」
( ・∀・)「よぉ、ク―。ウチのモンが世話になったな」
モララーはク―に挨拶すると、指をパキパキ鳴らし始めた。
- 173 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
16:42:49.64 ID:8Mx01AeYO
(#・∀・)「で、ビロ―ドを見つけたら速攻連れ戻して来いって言ったのに、何こんなところで油売ってるんだ、兄者?」
(;´_ゝ`)(ギクッ)
川 ゚ -゚)「兄者……(せっかく良いこと言ってると見直していたら、やはりそういうったけか)」
(#・∀・)「龍虎乱舞!」
(#)_ゝ`)「1HIT! 2HIT! 3HIT! 4HIT! 5HIT! 6HIT!」
( ・∀・)「オラオラオラオラ!!」
川 ゚ -゚)「親方、それこそ時間の無駄です」
- 175 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
16:45:38.33 ID:8Mx01AeYO
( ・∀・)「ったく、手間ぁかけさせやがって」
(#)_ゝ(#)「何で俺は殴ってビロ―ドは殴らないんですか……」
川 ゚ -゚)「日頃の行いの差だ」
顔に瘤ができた兄者に、ク―は相変わらず呆れ顔をしていた。
( ・∀・)「ビロ―ド、テメェもだ。何があったにしろ、無断で仕事サボったんだ。今日は夕飯抜きだ」
( ><)「わかったんです」
モララーはそう言うと、クーに別れを告げビロ―ドと兄者を引き連れ帰っていった。
- 176 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
16:47:45.69 ID:8Mx01AeYO
川 ゚ -゚)「……さぁて、そろそろ店を閉めようか」
1人残されたク―が空を見上げると、大分陽も傾いてきていたので、ガラガラと音をたてながら店のシャッターを下ろしたのだった。
川 ゚ -゚)「閉店、ガラガラ」
〜その頃のドクオ〜
('A`)「ただいま〜」
(*゚ー゚)「お帰り〜、遅かったね」
しぃがドクオを玄関で迎え、荷物を受け取った。
- 177 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
16:49:27.65 ID:8Mx01AeYO
(*゚ー゚)「ひぃふぅみぃ……」
('A`)「ん、どうした?」
何かを数えているしぃに気がついたドクオは、しぃに話しかけた。
(*゚ー゚)「お金が30ルピー足りない……」
ドクオはギクリと冷や汗を垂らした。
(;'A`)「あ、いや……ちょっと途中でリンゴ買って……」
その言葉を聞いた瞬間、しぃの全身から闘気が発せられた。
- 179 名前:第5話
◆ZB7B4XJvSk :2007/10/22(月)
16:52:53.01 ID:8Mx01AeYO
(* − )「ドクオ、お金の大事さ、わかるよね?」
(;'A`)「は、はいはい!わかります!わかります!すみません本当にすみません」
(#゚ー゚)「問答無用!」
しぃが手に持っていたタオルを構えた。
(#゚ー゚)「モララー師匠直伝!! ミストファイナ―!!」
(;'A`)「痛イ! それ意外と痛イ!」
しぃが手首のスナップをきかせて、ドクオめがけてタオルをピシピシと当ててきた。
(#゚ー゚)「30ルピーでコイン3枚だからLv3!!」
シュババババババ
(;'A`)「ぶるあぁぁぁぁっ!!」
村の人達の思いなどつゆ知らず、その夜ドクオの悲鳴が山々へこだましたとさ。
〜第6話へ続く〜
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