- 5
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 20:34:47.90 ID:ENk/ujg6O
- (=゚ω゚)ノ<これまでのあらすじ
状況→(=゚ω゚)ノに自分の妄想通りの厨二能力を貰った2年3組の皆さん。
そんな生徒間の争いを止めるため、担任教師( ´ー`)は能力、
『説教で厨二能力への依存をなくせば能力を消せる力』で戦いを止めるため奔走する。
前世ヤンキー从 ゚∀从、草食系ショタ( ><)を仲間にした先生。
彼らは生徒を洗脳して優勝を狙う(*‘ω‘
*)を止めるべく(*‘ω‘ *)の刺客と戦う。
一方作者は前回、説教がただの悪口になってしまったことを気にしすぎてお腹を壊していた。
果たして先生は厨二達の戦いを止められるのか!?
そして作者はいいかげんそのチキンハートを治せるのか!?
(=゚ω゚)ノ「知らなぃょぅ」
- 6
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 20:37:58.05 ID:ENk/ujg6O
「……この戦いが始まってもう二時間半ですか……意外と早いですね」
「そんな短時間に3人殺せてるんだ、優秀な方じゃねーか?」
「ただ、現時点での優勝候補はちんぽっぽ。それは間違いないニダ」
「……いや、そうとは限んないよ?」
「あ? どういうことだよ」
「今わかるだけでも、5人。5人、能力を消されてる」
「能力を消す? それって……」
「……なるほど、探してみましょう。そして力を試してみましょう」
「先生が我等4人の脅威になりえるかどうかを」
- 7
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 20:40:55.66 ID:ENk/ujg6O
( ´ー`)先生の戦う生徒指導のようです
第四話 「そろそろライバルのお時間です」
- 9
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 20:44:02.91 ID:ENk/ujg6O
- 从 ゚∀从「古今東西イェイ、『体に突然穴があいた人が言いそうなセリフ』」
(;´ー`)「!?」パンパン
从 ゚∀从「『ぐあぁぁぁぁっ!!!』」パンパン
(;´ー`)「い、『痛ぇぇぇぇっ!!!』」パンパン
(;><)「えっと、ば、『ばぬぅ!!』」
从 ゚∀从「ストーップ!! 審議だ審議、いくらなんでも『ばぬぅ』は言わねえよー」
(;><)「き、きっと死の淵に立たされた時に本当に口から出てくる言葉は『ばぬぅ』なんです!」
从 ゚∀从「納得いかんわー、罰ゲームとして皮膚を削ぎます」
(;><)「キャァァァァ!! 罰ゲームのレベルが初期の遊戯王なんです!!」
(;´ー`)「ていうかなんじゃこりゃ!!」
- 11
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 20:47:55.57 ID:ENk/ujg6O
- どうも皆様こんにちは、不知火シラネーヨでございます。
厨二達が能力を駆使して殺し合いを展開している中、我々は校舎から見えにくい校庭の端で古今東西ゲームに興じております。
何故かって? フフ、逆に教えろよ。何でだよ。
从#゚∀从「ビロードよぉ、お前が仲良くなりたいっつーから親睦を深めるために古今東西ゲームやってるんだろ!?
だったらノリ良くやれよ! 皮膚と一緒に肉も削ぐくらいの気概でいけよ!」
(;><)「それがノリって物なら僕は一生KYで構わないんです!」
从 ゚∀从「よし、わかった! おおまけにまけて脱臼で勘弁してやる!」ギュゥゥゥゥ
(;><)「肩がぁぁぁぁぁっ!! タップタップタップ!」
……仲良くしてくんないかなぁ……これは一周して仲良しなのかな……。
- 13
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 20:50:48.40 ID:ENk/ujg6O
- (;´ー`)(しかし……手掛かりが何も無いな……)
俺達の当面の目標は、生徒達を洗脳しているちんぽっぽの打倒だ。
しかし、ちんぽっぽがどこにいるか、現時点での兵力がどれくらいなのかさっぱりわからない。
おそらくワカッテマスやクックル、あとザコ2人は末端。きっと全容は把握していないだろう。
(;´ー`)「やはり虱潰しに探すしか無いか……」
从 ゚∀从「よしわかった、肩の骨は外さない! ただし肩から腕にかけての布地を破らせてもらう!」
(;><)「それはそれで嫌なんです! 僕はとんだロッカーになっちゃうんです!!」
(;´ー`)「情報を知ってる敵の幹部とかを捕まえられれば都合がいいんだが……」
从#゚∀从「あーもう、そんなに言うなら2回戦だ! ただしそれで負けたらお前全裸だかんな!」
( #><)「望むところなんです! 古今東西イェイ、『みかんの品種』……」
(;´ー`)「うるせぇぇぇぇぇっ!!!」
从;゚∀从「!?」ビクッ
( ;><)「!!」ビクッ
- 15
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 20:54:02.02 ID:ENk/ujg6O
- (;´ー`)「いや、仲良くしろとは言ったヨ!? これから一緒に戦うんだから仲良くすべきだヨ!
だけどさぁ、状況考えようよ! 殺し合いの現場で袖破るとかなんだヨ!」
从;゚∀从「あぁぁ先生を怒らせてしまった、すいません、舌噛み切ります!」
(;´ー`)「そこまでしなくていいって! 流石に死で償わせるつもりはネーヨ!」
(;><)「あ、じゃあ次は先生がお題を出してもらって……」
(;´ー`)「そういうことで怒ってんじゃネーヨ! お題言えなかったから怒ってんじゃネーヨ!」
とりあえず、ちんぽっぽの居場所とかよりも今問題にすべきことがある。
この2人、チームワークがまるで無い。玉置浩二の恋愛に対する興味くらい無い。
心酔してる俺を殺されかけたハインに至っては、隙あらばビロードをぶっ飛ばす勢いだ。
かたや不良、かたや内気だから噛み合わないのも仕方ないが、あまりにも考え方が違いすぎる。
- 17
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 20:58:34.97 ID:ENk/ujg6O
- (;´ー`)(だが……俺がまとめネーとな……)
2人は俺がいるから仕方なく組んでいるような物だ。
つまり、2人が噛み合うかどうかは俺次第ということになる。
俺は戦えない、だが俺がいないと戦いは終わらない。そしてこの2人が噛み合わなければ戦いにすらならない。
これでも教師歴10年以上だ、色んな生徒と向き合ってきた。ならば2人くらい、すぐにまとめてやる。
从#゚∀从「こんにゃろ、お前のせいで先生に叱られただろうが! 罰としてお前の舌噛み切ってやる!」
(;><)「えぇ!? 僕のファーストキスはそんな形で!?」
(;´ー`)「やっぱムリかもわからんね!?」
うん、前言撤回してもいいっすか? 自信ネーヨ、こいつら真逆すぎるよ、北半球から南半球だよ。
どうすっぺ、未だに2人はトムとジェリーだよ。やべえ、今敵が来たら……。
( ^Д^)「どうも、敵でーす」
(;´ー`)「来ちゃったぁぁぁぁぁっ!!!」
- 20
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 21:01:59.63 ID:ENk/ujg6O
- くっそぉ、なんていいタイミングで来やがるんだ敵ぃぃぃぃっ!!
100点のタイミングで来やがって、こいつめちゃくちゃ空気読めやがる!
(;´ー`)「よく今来たな、敵!」
从;゚∀从「これ以上無いベストタイミングだったぞ、敵!」
(;><)「尊敬するんです、敵!」
(;^Д^)「ていうかお前ら名前で呼べよ!? 指差プギャーって名前があるんだからよ!?」
( ´ー`)「ああゴメン、自分の自転車に『流星白龍号』って名付けてるプギャー」
从 ゚∀从「テストでわからない解答欄には全て『知るべきことでは無い』って書くプギャー」
( ><)「カッコつけるために彫刻刀で頬に十字傷付けようとして、痛くて大騒ぎしたプギャー君」
(;^Д^)「なんだお前ら褒めたと思ったら急に貶して! 俺をどうしたいんだよ!」
( ´ー`)「ていうかプギャー、妄想はいいがそれで困るのはお前だぞ?
ただでさえお前は努力が必要なんだから、ゆっくりとでいいから意識改革を……」
(;^Д^)「説教早ぇよ!! せめて見せ場をくれよ!!」
- 22
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 21:05:26.27 ID:ENk/ujg6O
- ( #^Д^)「ていうかやっと見つけたぜ先生よ……さっきはよくもやってくれたな……」
(;´ー`)「さっき?」
いや、俺の記憶が正しければこの戦いが始まってからプギャーに遭遇はしていないはず。
きっと何かの勘違いだよ、きっと似たような顔の奴と間違えたんだよ。眼鏡かけろ眼鏡。
( #^Д^)「とぼけんじゃねえ!! 俺はなぁ、アンタのせいで一回死んでんだよ!!」
(;´ー`)「ハァ!?」
それこそ本当に身に覚えが無い。俺は生徒を殺す気も、殺す能力も無いんだ。
从#゚∀从「てめぇ言いがかり付けてんじゃねぇぞ!?
平成の聖人君子と呼ばれる先生がお前ごときを殺す訳ねぇだろ!!」
(;´ー`)「そんな大それた異名シラネーヨ! 恐れ多いよ!」
( #^Д^)「言いがかりなんかじゃねぇよ! 俺はな、俺はな……」
- 24
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 21:09:20.12 ID:ENk/ujg6O
( #^Д^)「アンタを見つけられなかったせいで、ネオマテリアルサイクロプスに体突き破られてんだよ!!」
(;´ー`)「あの一話のバカお前かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
- 27
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 21:13:11.82 ID:ENk/ujg6O
いやビックリした、そういえばいたわそんなバカが。なんだこの無駄な伏線回収。
(;´ー`)「お前だったのか、ちんぽっぽに洗脳され、ザコとして俺を探していた挙げ句、
血を与えないと体の中にいるネオマテリアルサイクロプスが暴走するというムダな設定を付けたせいで、
結果的に暴走したネオマテリアルサイクロプスに体を中から突き破られて自滅したのは!」
(;^Д^)「何なんだその説明口調は! 事実だけれども恥ずかしいだろうが!」
m9从゚∀从「ちょwwwお前そんな自滅したのかよwwwダセェwwwプギャーwwww」
(;^Д^)「こら、その指やめろ! 俺のアイデンティティだぞ!?」
(;><)「え、えーと……設定ってのは色々付けたくなるし……プギャー君の気持ちも……」
(;^Д^)「だからって生暖かいフォローもすんな! 余計惨めだわ!」
- 30
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 21:16:59.34 ID:ENk/ujg6O
- (;´ー`)「でもさぁ、それって俺のせいじゃなくね!?」
だよね、だって俺出てたら出てたで死んでたんだもん。隠れるのは正当防衛だって、戦後最大の逆恨みだって。
( #^Д^)「うるせぇ、お前のせいで俺はメチャクチャグロい死に方したんだぞ!?
内側から突き破られたことにより辺り一面に血液と臓物が散らばり……」
(;><)「やめてぇぇぇぇぇっ!! 夜中にトイレに行けなくなっちゃうんですぅぅぅぅぅっ!!」
( #^Д^)「しかも俺全生徒の中で真っ先に死んだんだぞ!? 開始僅か数分で死んだんだぞ!?」
( #^Д^)「知ってるか!? 蘇る時って気付いたら自分の席に座ってんだよ!!」
( #^Д^)「誰もいない教室! 何となく悟る現状! 徐々に押し寄せる後悔と羞恥心!」
( #^Д^)「挙げ句教室を出るとこを人に見られ、『アレ? お前もう死んでたの?(笑)』と含み笑いで言われる……」
( #;Д;)「その屈辱がわかんのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
(;><)「わかんないんです!!」
从;゚∀从「完全に自業自得だけど可哀想だ!」
(;´ー`)「正直すまんかった!」
- 34
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 21:20:03.39 ID:ENk/ujg6O
- ( #^Д^)「という訳で、ぶっ殺したいけど『四天王』に捕らえろって言われてるんでボコボコにして捕らえまーす」
( ;´ー`)「畜生、やっぱりどうも納得がいかねえぇぇぇっ!!」
从;゚∀从「ていうかなんでそんな得の無い設定付けたんだよ!?
なんでわざわざネオンサインアルティメイタムに殺される設定付けたんだよ!?」
(;><)「ていうかネットスケープサンドウィッチって何なんですか!?」
(;^Д^)「ネオマテリアルサイクロプスだっつーよだよ! お前ら覚える気ねぇだろ!!」
(;´ー`)「無かったよ!! 覚える気無かったけど何故かネオマテリアルサイクロプス覚えちゃったよ!」
(;^Д^)「お、おぉ……なんかありがとう……」
从#゚∀从「うるせぇバカ、そんなに言うならその粘膜過敏症サイクロンってのを出してみろや!!」
(;><)「ていうか見せてほしいんです、練馬区民まさひろ君とやらを!」
(;^Д^)「お前らわざと間違えてるだろ!! なぁよ!!」
- 37
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 21:23:50.23 ID:ENk/ujg6O
- ( #^Д^)「いいぜ、そんなに見たいなら見せてやるよ……!!」
え、見せてくれんの? やった、正直すげー気になってたんだ。何だネオマテリアルサイクロプスって。外人?
(*´ー`)ワクワク
从*゚∀从ワクワク
(*><)ワクワク
やべー、つい顔が綻んじゃう。見せてくれよプギャー、恐らくお前今輝いてるぞプギャー。
( #^Д^)「ニヤニヤしてんのも今のうちだ、いくぜ……!!」ガリッ
そういうとプギャーは自分の指を噛み、少量の血を零した。
突き破られた時といい、こいつやたら自分を痛めつける設定付けてんな。
( ^Д^)「天地命脈に迸りしエナジーよ、我の血の盟約の引換に、其の僕を貸し与えん……」
あ、こいつ詠唱するタイプだ! よく平気で出来るな、アレだいぶ精神力持ってかれんのに。
- 40
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 21:27:04.15 ID:ENk/ujg6O
- ( #^Д^)「うおぉぉぉぉ……」ゴゴゴゴゴ
あれ!? なんか血液が形を作り出した! やだ、思った以上にシリアス!
( #^Д^)「うおぉぉぉぉ……」グニュグニュグニュ
血液は波打ち、零れた以上の量になり、徐々に人の形になる。
しまった、これマジのやつだ。マジの殺傷能力あるやつだ。
从;゚∀从「やっべ、ふざけてたけど意外とちゃんとした能力っぽい!」
(;><)「正直プギャー君ナメてましたけど結構強そうなんです!」
お前ら結構言うのな。
( #^Д^)「今更ビビっても遅ぇよ!! さぁ、形を表せ! ネオマテリアルサイクロプス!!」カッ
(;´ー`)「なっ……!!」
周囲を紅い閃光が迸り、視界を奪う。朧気になる景色の向こうで、血液は形を確かな物にする……!!
- 41
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 21:31:12.54 ID:ENk/ujg6O
(;´ー`)「………え?」
結論から言うと、俺達はネオマテリアルサイクロプスを見ることは出来なかった。
从;゚∀从「ど、どういうことだよ……」
ネオマテリアルサイクロプスになりかけていた血液は、急に元の液体状に戻って、べしゃりと飛び散った。
(;><)「あ……あ……」
そして、そのネオマテリアルサイクロプスの宿主である、プギャーは。
(; Д )「……………あ?」
胸元に、小さな穴を空けていた。
- 46
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 21:35:03.33 ID:ENk/ujg6O
- (;´ー`)「プ、プギャー!? 何だ、何が起きたんだ!?」
一瞬だった。ほんの一瞬で、「何か」がプギャーの体を貫通したのだ。
ハインの《重力±》にそんな力は無いし、ビロードの重装が発動した気配は無い。勿論、俺に出来るはずが無い。
つまり、俺達以外に誰かいる。
(; Д )「あ……う、うあ……ば、ばぬぅ……」
(;><)「ばぬぅって言った! 突然体に穴が空いた人がばぬぅって言ったんです!!」
从;゚∀从「えー!? マジかよ、嘘だろ!? プギャー、ぐああって言えよ! ばぬぅじゃなくてよ!」
(;´ー`)「そんな状況じゃネーだろ!! 2人とも落ち着け!」
(; Д )「が……こ、これはこれで快感……!!」
(;´ー`)「ドMだったの!? 案の定ドMだったの!?」
- 52
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 21:40:01.90 ID:ENk/ujg6O
- (; Д )「………あっ………」バタン
(;´ー`)「プ、プギャー! しっかりしろヨ、おい!!」
突然倒れたプギャーに駆け寄り、抱きかかえる。俺を憎んでいたとはいえプギャーは生徒だ、見逃せない。
( Д::,サラサラサラ
(;´ー`)「!!」
だが、俺の腕の中でプギャーは消えていった。
がたいの良かったプギャーの体重が徐々に軽くなり、10秒も立たずに影も形も無くなった。
この戦いで、初めて体験した「生徒の死」だった。
从;゚∀从(ネパールのマイクロソフト支社って結局何だったんだよ……)
(;><)(ばぬぅ……)
- 55
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 21:43:39.82 ID:ENk/ujg6O
- 从;゚∀从「……」
(;><)「……」
あんなに騒がしかった2人が、何も言えずに立ちすくんでいる。
当然だ、生き返るったって「死」は簡単に受け入れていいことじゃないんだ。
(;´ー`)「……プギャー……」
「さすが先生お優しいですね、自分を狙っていた輩の死さえ慈しめるとは」
(;´ー`)「!! その声は……」
ふと、プギャーの立っていた位置の後方から透き通った声がした。
そこには、1つの小さな影を中心とした4つの影が、堂々とした態度で立っていた。
- 58
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 21:46:50.03 ID:ENk/ujg6O
( ・∀・)「甘いよな、こんな状況下で情けなんかさ。まぁ教師だから仕方ねぇか?」
後方には長身で整った顔立ちの少年、毛利モララー。
<ヽ`∀´>「そんな言い方はよくないニダ、その包容力と責任感が先生の長所ニダ。」
左側にはエラの張った痩せ形の少年、瓜原ニダー。
lw´‐ _‐ノv「てかそんなことより『卓球部』って漢字異様にカクカクしてるのな。すげー、かっけー」
右側には長髪をたなびかせた色白の少女、素直シュール。
「そうですね、だから私は結構先生のこと尊敬してるんですよ?」
(;´ー`)「……都村」
(゚、゚トソン「お久しぶり、いや、約三時間ぶりです、先生」
そして中央にはさほど長くない髪を後ろで纏めた理知的な少女、都村トソンが立っていた。
- 61
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 21:50:13.57 ID:ENk/ujg6O
都村トソン。大人しく成績優秀な彼女は、「宇宙海賊になりたい」という厨二妄想を除けばクラスでも普通の方だった。
そんな彼女が、プギャーを殺した。それは明らかにこの戦いが生徒を変えているという事実を映し出していた。
(;´ー`)「都村……なんでプギャーを……」
(゚、゚トソン「我々の話の邪魔だったんで殺しました。大丈夫でしょう? どうせ生き返るし」
(;´ー`)「お前……」
( ・∀・)「おやおや高岡、なんか雰囲気変わったねぇ。戦乙女(ヴァルキリー)が美女神(アフロディテ)になった感じ」
从;゚∀从「よくわかんねぇよ!! 褒められてるのかよくわかんねぇよ!!」
<ヽ`∀´>「でも確かに感じ変わったニダ、元から好きだったけど惚れ直したニダ」
从;゚∀从「マジで!?」
<ヽ`∀´>「嘘ニダ」
从#゚∀从「てめぇエラこの野郎!!」
lw´‐ _‐ノv「やぁやぁ鞍馬天狗よ、山の番は順調かい?」
(;><)「なんか一番厄介な人に絡まれたんです!!」
畜生、全然シリアスにならねえ。むしろ微笑ましいよなんだよ。
- 65
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 21:53:58.37 ID:ENk/ujg6O
- (゚、゚;トソン「ちょっと皆さん、今真面目な話をしているのですから! 雰囲気重視でお願いします!」
アレ、トソン!? 君さっきまですげぇクールだったじゃん、まさかのツッコミ!?
lw´‐ _‐ノv「了解、店長」
(;´ー`)「店長!?」
(゚、゚トソン「そうです、わかったなら早く商品の棚卸しを終わらせて……」
(゚、゚;トソン「……って誰が店長ですか!!」
うわぁぁぁぁぁ、ノリツッコミだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!
さっきまでのシリアスは一体全体どこへ行ってしまったんだぁぁぁぁぁぁっ!!
( ・∀・)「ごめんごめん、怒らないで? 怒るとその『楽園(エデン)』のような綺麗な顔が台無しだ」
(゚、゚;トソン「あなたはそのよくわからない比喩をやめなさい! 混乱を招きます!」
<ヽ`∀´>「でもモララーの言うことも一理あるニダ、怒ると細胞が死んで寿命が縮むニダ」
(゚、゚;トソン「本当ですか!?」
<ヽ`∀´>「嘘ニダ」
(゚、゚;トソン「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
あ、なんとなくわかったわ。この4人の力関係がなんとなくわかったわ。
- 70
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 21:57:29.53 ID:ENk/ujg6O
- (゚、゚;トソン「コ、コホン! お見苦しいところをお見せしました……」
(;´ー`)「い、いやいや、こっちこそ……」
お互いに事態を収束し、何か気まずいムードが流れる。
何でだろ、さっきまで得体の知れない存在だったはずなのにこの親近感は。
从 ゚∀从「で、結局お前らの目的はなんなんだよ、おもしろカルテット」
(゚、゚;トソン「変な名前を付けないで下さい! 我々には『豪快! 都村宇宙海賊団』というチーム名があるんです!」
(;´ー`)「ダセェ!!」
超ダセェ、なんだそのコロコロコミックに載ってそうな漫画のタイトルみたいなの。
(;><)「だから結局目的を教えてほしいんです!!」
lw´‐ _‐ノv「オンバトの収録です」
(゚、゚トソン「そうそう、前回は惜しくも玉一個差でオフエアでしたから今回は自信作で……」
(゚、゚;トソン「……って誰が新進気鋭のコント集団ですか!!」
(;´ー`)「話進めてくれぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
- 77
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 22:01:42.30 ID:ENk/ujg6O
- とりあえずその後、一通りの流れを終えてようやく怒涛のからかいターンは終了した。
ていうかなんだよコイツらのキャラの強さ。そりゃトソンもキャラ崩してもツッコまざるを得ないわな。
(゚、゚;トソン「と、とりあえず……我々は先生達に会いに来たのは、先生達が今後の障害になりえるかを確かめにきたのです」
(;´ー`)「障害?」
(゚、゚トソン「はい、わかっているとは思いますが現時点での優勝候補は椿さんです。
しかし、その一方で唯一我々の能力を消せるという先生、あなたも充分警戒すべき存在です。」
確かに、俺は生徒達を戦いから除外できる能力を持つ。
実際は説教しなければ発揮出来ない使い勝手の悪い能力だが、確かにその内容だけ知っていればかなり驚異的に聞こえるだろう。
( ・∀・)「俺達は優勝を狙ってる。今はそのために他の有力者達を探っている段階だ。」
<ヽ`∀´>「現在の有力者はウリ達を除いて3組。ちんぽっぽ率いる『暗黒楽隊(ダークネスフィルハーモニー)』、流石兄者」
ちんぽっぽ達ってそんなチーム名だったんだ。よくあんなほのぼのフェイスでそんな厨二名付けられんな。
lw´‐ _‐ノv「そして3組目が先生達『トマトケチャップ大好き倶楽部』な訳」
(;´ー`)「そんな変なチーム名付けた覚えネーヨ!?」
- 81
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 22:05:22.88 ID:ENk/ujg6O
- (゚、゚トソン「先生は既に椿さんの配下を何人か倒したという情報があります。
この短時間でそこまで出来るのなら、充分我々の驚異になりえるということで参上した次第です」
なるほど、大体わかった。つまりこの4人はカマをかけに来たという訳だ。
今はなりを潜めているが、いずれ派手に動き出す。今はあくまでもそのための準備段階。
(゚、゚トソン「……で、どうします?」
(;´ー`)「?」
(゚、゚トソン「我々は前述した通り今は探っている段階。ですがいずれ先生とも戦います。
先生だって生徒全員の能力を消すつもりでしょう。先生が望むなら今戦っても構いませんよ?」
(;´ー`)「……」
どうしよう。どうすべきなのだろう。
都村達は強い。今戦っても勝てるかどうかはわからない。
だが、他の生徒全員を殺して回る気満々のコイツらを野放しにしていいのだろうか。
いずれコイツらとも戦わなければならない。その脅威を先延ばしにしていいのだろうか。
(;´ー`)「……俺は……」
- 85
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 22:09:25.42 ID:ENk/ujg6O
- ( ・∀・)「……あー、ごめんキャプテン、もう我慢出来ねぇや」
(゚、゚;トソン「は?」
( ・∀・)つ☆「『神々の彗星(ヴァルハラコメット)』使うぜ?」ギュゥン
(゚、゚;トソン「ちょっ……!!」
从;゚∀从「先生、危ない!!」ドン
(;´ー`)「おぉう!?」
突如ハインに押されて左によろけると、さっきまで俺の頭のあった位置を「何か」が猛スピードで通過した。
( ・∀・)「ちっ……おてんばな『美女神(アフロディテ)』だ、先生にとっては『救世主(メシア)』だったってわけか?」
何か訳わからんことを呟くモララーの周辺には、星の形をした数多の水晶がフワフワと浮いていた。
畜生、コイツイケメンだからめちゃくちゃ様になっててカッコいい。なんやねん。
ズルいわー。イケメンはズルいわー。生きてるだけでズルいわー。
- 87
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 22:13:09.49 ID:ENk/ujg6O
- (;´ー`)「ちょっと待ってちょっと待って!?
都村、戦う気は無いんじゃネーノ!? あいつ殺気ビンビンだヨ!?」
从#゚∀从「そうだそうだ!! 何だ騙す気だったのかよ、ざけんな何だその髪型!」
(゚、゚;トソン「いや、こっちだって想定外ですよ!! 何してんですか毛利君、戦わないって言ったでしょ!?」
( ・∀・)「いやね、そういや先生に持ち物検査で鉄甲(ガントレット)没収された恨みを思い出してさ」
(゚、゚;トソン「自業自得じゃないですか!!」
そうだよ、あの鉄甲は一時保管として俺の机に置いてたんだけど他の先生の奇異の視線が凄かったんだぞ。
「え、シラネーヨ先生、ついにクラスに染められた!?」的な目で見られたわ、何だあれどこで買ったんだ。
( ・∀・)「安心してトソン、殺さないから。ただ再起不能なレベルのものごっついダメージ負わせるだけだから」
俺は安心出来ねぇよ、むしろヒヤヒヤしか出来ねぇよ。
( ・∀・)「お願いお願い、すぐ終わるから! 一回だけやらせて? トソン、やらせて?」
なんかいかがわしく聞こえる! 不思議!
- 90
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 22:17:52.66 ID:ENk/ujg6O
- (゚、゚;トソン「でも……」
(-、-;トソン「……」
(゚、゚;トソン「……すいません先生、殺されそうになったら止めるんでちょっと付き合ってあげてください!」
(;´ー`)「ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!?」
( #・∀・)「ぃよっしゃぁぁぁぁぁい!! 鉄甲返せぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
モララーの絶叫と同時に、沢山の星が俺目掛けて飛んできた。
余裕があれば相当神秘的な光景だろうが、渦中の俺にそんな余裕があるわけない。
(;´ー`)「あべっ!! ぬはぉ、ぐにゃぁっ!!」ヒュンヒュン
身をくねらせ、踊るように紙一重で星を避ける。畜生、恥ずかしいわ。踊ってんだからおひねりくれよ。
☆☆☆( ・∀・)☆☆☆「やるね先生、まだまだやるぜぇ!!」
(;´ー`)「やりたくネーヨぉぉぉぉっ!!!」
- 94
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 22:21:48.44 ID:ENk/ujg6O
- (;><)「先生が危ないんです!!」
从#゚∀从「この当て字野郎が、調子乗ってんじゃ……」
( ・∀・)「シュー、ニダー! 2人の足止め頼む!!」
lw´‐ _‐ノv「ほいほい」
<ヽ`∀´>「しょうがないニダね、ウリもちょっと体が鈍ってたとこニダ」
(゚、゚;トソン「ちょっ、2人とも……」
lw´‐ _‐ノv「だいじょーV、能力はバレないようにするし。
ていうか私の髪型Vサインしてるっぽいな。なんだこの髪型」
<ヽ`∀´>「あくまで足止めニダ、やりすぎたら止めてほしいニダ」
(゚、゚;トソン「……はぁ、うちのクルーは自由人が多いですね……」
(゚、゚;トソン「……まぁ、だからこそキャプテンとしてまとめがいがあるんですが」
- 100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 22:25:26.15 ID:ENk/ujg6O
- lw´‐ _‐ノv「よっしゃ、じゃあ私はビロっちね」サッ
(;><)「!! ど、どいてください!」
lw´‐ _‐ノv「お前もショベルカーの端くれならば力尽くでどかしてみな」
(;><)「僕は人間一直線なんです!! ショベルカーでは無いんです!!」
lw´‐ _‐ノv「ショベルカーみたいなもんだろ、人も、この世の全ても」
(;><)「わかんないんです!! その持論わかんないんです」
lw´‐ _‐ノv「アレなら使っていいよ? 君の『無敵重装』。かっちょえー、名前かっちょえー」
(;><)「!! な、なんで無敵重装のことを知ってるんですか、名前を知ってるのは先生達だけです!」
lw´‐ _‐ノv「知ってるよー。君がもし私が退かなければ、『無敵重装・電気王』で私を痺れさせるつもりなのも知ってる」
(;><)「!?」
lw´‐ _‐ノv「あー、でも避けられるかはわかんないなー。さぁ、君はどうする? あー、米浴びてぇ」
(;><)「くっ……わかんないんです、全体的にシュールさんのことがわかんないんです……!!」
- 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 22:29:14.28 ID:ENk/ujg6O
- <ヽ`∀´>「それではこっちはウリがお相手するニダ」サッ
从#゚∀从「やかましいわ斜線野郎、寝てろ!! 《重力±》!!」ブォン
<;`∀´>「アイゴー!? 何の会話も無しニダ!?」ビタン
从#゚∀从「会話なんかしてる場合じゃねえんだよ!
一刻も早く先生を助けて褒めてもらってはにゃぁぁってなるんだよ!」
<;`∀´>「うーん、恋は人を変えるってのはどうやら本当ニダ……」
<ヽ`∀´>「……でもまぁ」
「ウリが寝てるってのは嘘ニダ」<ヽ`∀从
゚∀从
从;゚∀从「!? てめぇいつの間に後ろに!!」バッ
<ヽ`∀´>「ホルホルホル……ウリは嘘吐きニダ、基本弱いけど、君みたいに直情型の人間には強いニダ」
从#゚∀从「てめぇ……遊んでる時間は無いが仕方ねぇ、さっさと化けの皮剥いでやるよ」
<ヽ`∀´>「ホルホルホル、お手柔らかに……」
- 108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 22:33:13.13 ID:ENk/ujg6O
( ・∀・)「っしゃぉらぁぁぁぁっ!! どうだい、星屑のダンスステージで踊り狂ってる気分はよぉぉぉっ!!」
(;´ー`)「最悪に決まってんだろうがぁぁぁぁぁっ!!」
空から降る一億の星ってドラマあったよね、これが真の『空から降る一億の星』だよ。見てろ脚本家。
流れ星を必死で掻き分け、何回かかすりながらもひたすら避けまくる。気分はマリオギャラクシー。
どうでもいいけど俺VSモララーってなんか既視感あんな。気のせい?
+( ・∀・)+「先生よぉ、これが俺の必殺技『流星舞踏会(トゥインクルパーティ』だぜ、味わいなぁぁぁぁぁっ!!」
うわ、心なしかあいつ輝いている。さては中2にしてサディスト入ってんな。
しかしこの能力、単調だが危ない。避けるだけで疲れるし、水晶なので地面に落ちたら破片が飛び散る。
やべぇ、このままじゃジリ貧だ。かといってハインとビロードは今足止めを食らっている。
つまり、この状況を俺1人で何とかしなければならない。何が出来るのか、説教しか出来ない俺が。
(;´ー`)「……いや、やるしかネーヨ……!!」
ハインも、ビロードも俺を護ってくれている。ならばたまには、俺だけで苦境を乗り切ってもいいだろう。
俺は出来た教師じゃない、逃げ足ばかり速いしたまに失言も言ってしまう。
だが、大切なとこで体張らなきゃ、生徒の気持ちなんかわからない。
見てろモララー、すぐに素敵な教育的指導をぶちかましてやるからな。
( ・∀・)「オラオラァ、スピードアップだぜぇぇぇぇっ!!」
(;´ー`)「さぁどうしよぉぉぉぉっ!!!」
- 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 22:36:18.32 ID:ENk/ujg6O
- うーん、やるとは決めたけどやり方が見つからない!
正直説教のネタはあるんだよ、あいつはワカッテマスと同じ難解用語多用タイプだ。
罵倒にならないように気をつけさえすれば、厨二依存を断ち切る自信はある。
ただ、近寄れない。流星は攻撃であり防御だ、近付こうとすれば進路の先に落ちる。
+( ・∀・)+「あっはぁ、俺輝いてるわ! さながら『桃源郷(シャングリラ)に咲く水仙(ナルキッソス)だわあっはぁ!!』」
あと、何となく近寄りたくない。そんな雰囲気。
(;´ー`)(考えろ、考えろ……何かあるはずだ……!!)
俺にある情報をフルに使い、作戦を練る。
モララーはどんな奴だ? 厨二は勿論女好きで、ナルシストで、サディストで……。
(;´ー`)「……あ」
見つけたかもしれない、突破口。
- 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 22:39:50.02 ID:ENk/ujg6O
- (;´ー`)(でもなぁ……)
正直、危ない。下手すりゃ作戦どころじゃなく、やられるかもしれない。
( ・∀・)「顔色が悪いぜ先生よぉ、もっと顔に気ぃ使えや、俺みたいになぁぁぁぁっ!!」
それがどうした。あの調子に乗ってるナルシスト、このままつけあがらせるとダメになる。
教師生活10年以上、大成した生徒もダメになった生徒もたくさん見てきた。
俺は教師だ。どんな悪い奴でも、どんなやる気のない奴でも。
≡≡≡( #´ー`)「体張って幸せにするのが使命なんだヨぉぉぉっ!!!」
頭を両腕で守り、直進。俺からモララーまで最短距離で5メートルばかし、頑張れば届く。
(;・∀・)「なっ……しゃらくせえよ!!」
俺の予期せぬ特攻に面食らったのだろう。モララーが初めて動揺を見せた。
モララーの挙動に従い、流星が俺に向けて降り注ぐ。俺が速いか、流星が速いか……!!
- 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 22:43:04.83 ID:ENk/ujg6O
(; ー )「ガッ……!!」
一筋の流星が、俺の背中に直撃した。その衝撃で流星が割れ、細かい破片が突き刺さる。
畜生、こんなに痛いもんかよ。特攻の勢いそのまま俺は前へと滑り込むように倒れた。
(゚、゚トソン「……」
(;><)「!!」
lw´‐ _‐ノv「ありゃりゃ」
<ヽ`∀´>「これはこれは……」
从;゚∀从「……」
从;゚∀从「……せ」
从;゚∀从「先生ぇぇぇぇーーーーーっ!!!」ダッ
- 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 22:46:13.61 ID:ENk/ujg6O
- <ヽ`∀´>「行く必要は無いニダ」バッ
从 ;∀从「止めんじゃねえ!! あの野郎、先生に、先生に……!!」
<ヽ`∀´>「落ち着くニダ、勝負はついたニダ」
从 ;∀从「ざけんな、だったら一刻も早く先生助けさせろや!!」
<ヽ`∀´>「違う違う、逆ニダ」
从 ;∀从「……は……?」
<ヽ`∀´>「ウリは嘘吐きニダ。だからこそ……」
<ヽ`∀´>「嘘を吐いてる人間もわかるニダ」
从;゚∀从(……)
从;゚∀从(ニ、ニダーのくせに……!!)
- 123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 22:49:56.89 ID:ENk/ujg6O
- (;・∀・)「……ハッ、やっと食らいやがったかよ」
俺が倒れたことを確認すると、モララーは流星を止め、俺に向かって歩き出した。
( ・∀・)「さぁて、生徒に打ちのめされる先生の屈辱的な顔でも見ますかね」
そう言ってモララーは俺の髪を掴み、俺の顔を強引に持ち上げた。
すげぇなコイツ、思った通りだわ。
(; ー )「……お前は、可愛い生徒だヨ……!!」ガシッ
(;・∀・)「はっ!?」
油断していたモララーに倒れ込むように俺は抱きつき、手足を抑えた。
やっぱりだよ、コイツドSだから相手が倒れたら絶対顔見に近づくと思ってたんだ。
(; ー )「……さぁ、モララー、お前のその歪んだ性格……」
( #´ー`)「叩き直してやんヨぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
さぁ、楽しい楽しいお説教の始まりだ。
- 131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 22:53:01.67 ID:ENk/ujg6O
- ( #´ー`)「とりあえずな、言いたいこといっぱいあるんだヨ!!
ちょいちょい入る当て字とか、技のセンスとかさ!」
(;・∀・)「な、何だよ、そんなのウチのクラスに言わせれば俺に限ったことじゃねぇじゃん!!
むしろ俺より酷いネーミングの奴とか山ほどいるぜ!!」
( #´ー`)「うん、そうだヨ、問題はそこじゃなくお前の性格だヨ!!
お前は容姿もいいしさらにナルシストだから厨二が様になっちゃって、
相乗効果で性格も妄想もどんどん酷くなってんだヨ! 手が着けられない!」
(;・∀・)「い、いいじゃねえか俺かっけえんだから! 様になってりゃそれでいいんだよ!!」
( #´ー`)「モララー、俺はお前を本気で心配して言ってんだぞ!? このままじゃお前はダメになる!
中学でイケメンだから調子に乗って妄想拗らせて勉強出来なくなって、
最終的にホスト、最悪ヒモに落ちぶれた奴を何人も知ってる!!」
(;・∀・)「ヒ、ヒモ!?」
( #´ー`)「そうだヨ、それを防ぐためにお前は性格を直せ! 他人を思いやれ!
そうやれば自然と自分の痛さがわかってくる! 自分の悪いところがわかってくる!
いくらカッコよくても『流星舞踏会(笑)』とかお前……」
(;・∀・)「う、うるせえうるせえうるせえぇぇぇぇっ!!!」
- 141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 22:59:15.43 ID:ENk/ujg6O
(;・∀・)「いいじゃねぇか、カッコよければ性格なんてどうでも!!」
(;・∀・)「モデルにだって、俳優にだってなれるかもしんねえし、何よりモテる!!」
(;・∀・)「俺の取り巻きの女だって俺が妄想披露してカッコつければ喜ぶんだぜ!?」
(;・∀・)「将来は俺に釣り合うような金持ち美女と結婚して逆玉でいい生活送るんだよ!!」
(;・∀・)「ハッハー、楽園(エデン)の幕開けだぁぁぁぁぁっ!!」
(;´ー`)「くっ……!!」
なんてこった、こいつ筋金入りだ。心までナルシス色に染まってやがる。
だが、ここで諦める訳にはいかない。このバカの性根を叩き直さなければ。
- 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 23:03:45.64 ID:ENk/ujg6O
(;・∀・)「こっちは生来恵まれてんだ、アンタみたいな地味顔とはスタートダッシュが違うんだよ!!」
(;´ー`)「じ、地味顔ってお前……」
(;・∀・)「そうだよ、地味顔は地味な女と結婚して地味な人生送ってろやぁぁぁ!!」
( #´ー`)「なっ、お前俺の嫁見たことないのにバカにすんなヨ!」
(;・∀・)「うるせえうるせえ、地味な奴は地味な奴とくっつく運命なんだよ!!」
(;´ー`)「そ、そんなこと言うなら嫁の写真見るか!? 今財布に入ってるヨ!」
(;・∀・)「ああ見せてみろよ、どうせ『ξ*´ー`)ξ』みたいなんだろ……」
- 149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 23:06:03.44 ID:ENk/ujg6O
【 o川*゚ー゚)o 】
( ・∀・)
(*;´ー`)「な、なんか照れくさいな……か、返せヨ……」
( ・∀・)
( ・∀・)。〇(从*^ω^从 川*'A`) ξ*´・ω・`)ξ←モララーの取り巻き)
( ・∀・)
(*;´ー`)「そ、そんなことより説教だ! お前な、俺は本当にお前にいい未来を……」
( ;∀;)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!
何でだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
(;´ー`)「!?」
- 162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 23:09:50.38 ID:ENk/ujg6O
- ( ;∀;)「嘘だろぉぉぉ、何で先生みたいなジミメンがこんなグラビアモデルみたいな嫁貰ってんだぁぁぁぁぁぁぁっ!!!
俺の取り巻きなんかクリーチャーみたいなんばっかだぞ、何でだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
(;´ー`)「ちょ、どうした!? 何きっかけで泣いてんの!?」
( ;∀;)「畜生、イケメンなら幸せになれるんじゃねぇのかよ!!
イケメンなら性格悪くてもバカでも厨二でも大丈夫じゃねぇのかよぉぉぉぉっ!!」
(;´ー`)「いや、さすがにイケメンでもそんなにマイナスがあると背負いきれないというか……」
( ;∀;)「ちょっと気ぃ使って引いてんじゃねぇよぉぉぉっ!!!
綺麗な嫁貰って安定した生活送ってる無難に幸せ者のくせによぉぉぉっ!!!
ああああああ、生まれてごめんなさぁぁぁぁぁい!!!」
(;´ー`)「モララァァァァァ!!?」
- 167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 23:14:08.65 ID:ENk/ujg6O
- (゚、゚;トソン「はいすいません、ちょっと今日はこの辺で!!」
(;´ー`)「都村!?」
なんか知らんけどいきなり号泣しだしたモララーと俺の間に入るように、都村が遮ってきた。
正直気配も何も感じなかったし、「気づいたらそこにいた」みたいな感じだ。やっぱり都村はただ者じゃない。
(゚、゚;トソン「こちらとしてもモララー君を今失うのは戦力的に惜しいので……。
勝手にふっかけておいて勝手にやめることをお詫びします、すいませんでした……」
( ;∀;)「うぇっぐ、ぶうぇっふ、ちくしょう、いけめんなのに……!!」
都村に引っ張られながらもなお、モララーはそのイケメンをグチャグチャにしながら咽び泣いていた。
そうか、今回はモララーの性格に対する説教がメインだったから厨二への依存はまだ切れてないんだ。
だが、どっちにしろモララーの性格には一言言うべきだった。これで何か変わるといいが。
ていうか何がトドメだったんだ。俺わかんねえんだけど。
- 172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 23:18:25.65 ID:ENk/ujg6O
- 从;゚∀从「先生!!」ダッ
(;><)「せ、背中大丈夫なんです!?」ダッ
(;´ー`)「背中? あ、そう言えば超痛ぇ!! なんか痛ぇ!!」
そう言えば背中にクリティカルヒット食らってたわ。張り切りすぎたわー、俺張り切りすぎたわー。
あとハイン、ビロード、ごめんな。でも、俺だけでも何とかしたかったんだ。
从 ;∀从「あああ、おいたわしや先生……私も同じ位置に傷をつけます!」
(;´ー`)「何の意味があんのそれ!? あぁぁ、ツッコんだら傷がぁぁぁぁぁっ!!」
(;><)「そんな命を賭してまでツッコまなくていいんです!」
(゚、゚トソン「安心して下さい、毛利君はいたぶるのが好きですから、痛みのわりには傷は浅いはずです。
保健室に行って薬でも塗ればすぐに何でもなくなりますよ」
从#゚∀从「本当だろうな!?」
<ヽ`∀´>「嘘ニダ」
(゚、゚;トソン「本当ですよ!?」
なぁ、そのやりとり今じゃなきゃ出来ない? 俺が痛みに悶えてる今じゃなきゃ出来ない?
- 175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 23:23:22.67 ID:ENk/ujg6O
- (゚、゚;トソン「と、とにかく今回は引かせていただきます……ほら、毛利君行きますよ」
( ;∀;)「びばっぷ……トソン、お前は俺のこと好きだよなぁ……!?」
(゚、゚;トソン「え、えーと、毛利君は仲間としては信頼はしてますが、あの、そのなんというか……」
( ;∀;)「おおおっおおおぉぉ、ひぐっ、おぉぉぉぉぉぉぉぉっおおおぉぉぉぉぉっおおお!!!」
あーあ、抉っちゃったー。悪意がないからなおのこと質が悪い。
(;´ー`)「いや、待て! お前達を行かせるわけには……」
そうだ、あまりの和やかなキャラに霞んでいたが、コイツらは殺しに躊躇いが無い。
さっきは迷ったが、今の戦いで吹っ切れた。
生徒は全員止める、順番なんか関係ない。超痛いけど。
- 178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 23:27:22.60 ID:ENk/ujg6O
- (゚、゚トソン「安心して下さい、先生の体を張った指導に敬意を表しまして、極力殺しはしないと約束します。
それにどっちにしろいずれ戦うんです、ここで焦る必要は無いでしょう?」
从#゚∀从「信じられるか、自己主張強い髪型しやがって!!」
(゚、゚;トソン「じ、自己主張……」
<ヽ`∀´>「大丈夫ニダ、ウリは嘘吐きだけどトソンは正直者ニダ。
そしてウリ達はトソンに従うニダ、それがキャプテンとクルーの関係ニダ」
(;><)「モララー君は暴走してたんです!」
lw´‐ _‐ノv「この子バカだからね。だから他の女子には『観賞用(笑)』とか言われるんよ」
( ;∀;)「うわぁぁぉぉぉぉぉっ!!!」
モララー、お前仲間といた方が心折られるんじゃねぇの?
だが、確かに都村に嘘をついている様子は無い。それに、俺も傷的に戦える状況ではない。
(;´ー`)「しかし……」
- 183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 23:31:19.09 ID:ENk/ujg6O
- (゚、゚トソン「では、逃がしていただくお詫びとしまして、いくつか情報提供をさせて頂きます」
(;´ー`)「情報?」
そう言えば、コイツらは俺がちんぽっぽの駒を倒したことを知っていた。
何か独自の情報網でも持っているのか、どちらにしろ聞いていて損はない。
lw´‐ _‐ノv「はーい、独自の情報網ことシューちゃんでーす」
(;´ー`)(あれ、心読まれた!?)
怖いよ怖いよ、そういう能力なん!? コイツの周りで変なこと考えらんないぞ男子諸君。
lw´‐ _‐ノv「まず1つ目。先生達はちんぽの場所知らないでしょ?」
「っぽ」付けろよ。付けないならせめて恥じらえよ。
(;´ー`)「って、お前ちんぽっぽの居場所知ってんのか!?」
lw´‐ _‐ノv「知らぬ」
( ´ー`)「知らぬのかーい」
- 187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 23:35:44.36 ID:ENk/ujg6O
- lw´‐ _‐ノv「まぁでも、そのうち手掛かりは掴めると思うよ」
(;´ー`)「曖昧だなオイ! どういうことだヨ」
lw´‐ _‐ノv「四天王は基本的にちんぽっぽにつかず離れずなんよ。
でも今は1人単独行動してる。わりと近いから、
見つけたらとっちめて居場所問い詰めてもいいんでない?」
(;´ー`)「な、今って……」
lw´‐ _‐ノv「信じるも信じないも先生次第。だけどね、信じる価値はあると思うよ」
(;´ー`)「……」
なんだコイツ、心を読むだけじゃないのか? 素直シュール、ある意味一番得体が知れない。
lw´‐ _‐ノv「そして2つ目……これが、一番重要な情報じゃけぇ……!!」ゴゴゴゴゴ
(;´ー`)「ゴクリ……」
- 188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 23:39:42.69 ID:ENk/ujg6O
lw´‐ _‐ノv「しゃもじを……濡らすと米がへばりつきにくい……!!」ドゴーン
( ´ー`)
(゚、゚トソン
从 ゚∀从
( ><)
<ヽ`∀´>
( ;∀;)
lw´‐ _‐ノv「イボ付きのしゃもじも、しかり……!!」
(゚、゚;トソン「あ、すいません、これで失礼します……」
(;´ー`)「あ、うん……」
なんやねん。こいつなんやねん。
- 191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 23:42:56.65 ID:ENk/ujg6O
<ヽ`∀´>「ほらモララー、ちゃんと歩くニダ」
(*;∀;)「ひぐえっぐ、お前だけだ、俺に優しいのは……!!」ポッ
<;`∀´>「!?」ビクッ
(゚、゚;トソン「ふぅ……騒がしい偵察になってしまいましたね……」
lw´‐ _‐ノv「いいじゃないか、今回ので先生も体張ること覚えたし。
ビロやハインもどんどん強くなるぞ。オラすげぇワクワクすっぞ」
(゚、゚トソン「ところで素直さん、単独行動の四天王とはどなただったのですか?」
lw´‐ _‐ノv「うーん、ペニー。君と同系統の唇を持つ女だね」
(゚、゚トソン「伊藤さん? それって……」
- 194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/31(木) 23:46:40.96 ID:ENk/ujg6O
−東校舎1階・食堂−
('、`*川「やっぱ購買部の人いないなー……勝手に持ってっていいのかな……」
('、`*川「はー……なんで私が買い出しなんかしなきゃいけないかね……」
('、`*川「畜生、まさか私の『秘伝のチョキ(アルティメットシザーズ)』が敗れるなんて……」
('、`*川「みんなの『愚直なグー(ストレートストーン)』の方が上だったというわけか……」
('、`*川「じゃんけん弱いなぁ……『指揮帝』はともかく、みんな私をいたわってよ……」
('、`*川「『四天王』最強も楽じゃないなぁ……ハァ……」
第四回 END
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