726 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:11:08 ID:81h/FWDo0
ξ゚听)ξ<あらすじ&人物紹介

あらすじ:妄想叶えた厨二の暴走を先生が説教で止めるんだけどレズ轢殺未遂。

( ´ー`):教師。説教で厨二依存を無くすと能力を消せる。好きな球団は千葉ロッテ。

从 ゚∀从:純情前世ヤンキー。重力を操れる。好きな球団は広島。

( ><):不遇ショタ。色んな重装を操れる。好きな球団は巨人。

爪'ー`)y‐:マセショタ。歌詞を心に響かせる。好きな球団はソフトバンク。

ハハ ロ -ロ)ハ:ツンデレ帰国子女。忍術が使える。好きな球団は阪神。

/ ゚、。 /:ゴスロリ真面目ドジ。剣に触れた者を正気に戻す。好きな球団は日ハム。

(*‘ω‘ *):ゆるふわボスキャラ。人を洗脳出来る。好きな球団はDeNA。

('、`*川:四天王最強百合巨乳。パラメータを数値化出来る。好きな球団は中日。

ζ(゚ー゚*ζ:ヘタレ系格闘少女。認識した相手の能力を使えなくする。好きな球団はヤクルト。

(゚、゚トソン:天然苦労人元宇宙海賊。空気を操れる。好きな球団は西武。

lw´‐ _‐ノv:予測不能な刹那主義。見えない糸を張り巡らす。好きな球団はオリックス。

SEKAI NO SAKUSHA:ヘタレ。生まれ変わったら堀北真希になりたい。好きな球団は楽天。

ξ゚听)ξ「知らないんだからね!」

727 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:12:27 ID:81h/FWDo0

−東校舎・2階−

「……ち……若内……」

(;  )「……う、うぅ……ちんぽっぽちゃん、ボンタンは硬いから投げないでほしいんです……」ウーン

「しっかりしろ若内、お前はツバメだ、風切り羽根を奪われたくらいで墜ちるんじゃねぇ」

(;><)そ「……っはっ!! 何か寝てる隙に変な呪文唱えられてた気がするんです!!」パカッ

爪;'ー`)y‐「フッ、起きたか若内……このまま寝過ごしちまうんじゃねぇかってヒヤヒヤしたぜ……」グッタリ

(;><)「狐ヶ崎君……痛っ!! 左半身がやたらめったら痛っ!!」ズキィ

爪;'ー`)y‐「ムリしなさんな……不破に延髄斬りされて今まで気絶してたんだからよ……」

(;><)「結構な大技かけられてたんです!?」

爪;'ー`)y‐「かく言う俺も今起きたばっかりでね……フッ、あのパワーボムは効いたぜ……」ビリビリ

(;><)「さらなる大技かけられてたんです!!」

728 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:13:59 ID:81h/FWDo0
爪;'ー`)y‐「とにかく、俺達はしばらく動けねぇ……ハッ、泥にまみれた捨て猫の気分だぜ……なぁ」

(;><)「共感を得ようとしないでください! ちょっと待ってください、不破さんは……!?」

爪;'ー`)y‐「さぁな……アイツも旅人だ、砂漠の風に飽きちまったに違ぇねぇや……」

(;><)「君に聞いた僕が大うつけだったんです! ヤバいんです、他の階に行かれたら……」グッ

爪;'ー`)y‐「だからムチャすんなって……。
       不破にやられ、満身創痍の俺達が加勢しても、悔しいが足手まといだ……」

(;><)「それでもいかなきゃダメなんです! このままじゃ、このままじゃ……!!」



(;><)「下手したら、不破さんに僕達全滅させられるんです!!」

爪;'ー`)y‐「そんなお前のためにこの曲を送るぜ。椎名林檎で『丸の内サディスティック』」

(;><)「誰か来てぇーっ! 1人じゃ捌ききれないんですぅーっ!!」

729 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:15:23 ID:81h/FWDo0





( ´ー`)先生の戦う生徒指導のようです



第二十四話   「最強ちゃん・前編」





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730 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:16:21 ID:81h/FWDo0





 ――その男は、『最強』を体現するために生まれてきた――




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731 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:17:07 ID:81h/FWDo0
 彼の才能は、物心と同時、もしくはより早く芽吹いていた。
 幼少期に柔道を始めるやいなや頭角を表し、小学生にして黒帯を取得。
 その後すぐさまあらゆる柔道の大会を総ナメにし、『神童』と評される。

 しかし、彼の最強への欲求は満たされることは無かった。
 柔道だけでは飽きたらず、空手、合気道、レスリング、カポエラなどあらゆる格闘技の門を叩く。
 その全てに置いて素晴らしい結果を残してきた彼は、文句なく現時点で『日本最強の男』と言えよう。



 その『日本最強の男』の名は、不破デルタ。
 そして、彼の遺伝子を受け継いだ、子の名前は―――――



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732 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:18:44 ID:81h/FWDo0





ζ(゚ー゚;*ζ「すいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいません!!!
       お父さんから受け継いだ格闘技術をこんなことに使ってしまってすいませぇぇぇぇぇん!!!」ギリギリギリギリ

::(;´Д`)::「痛い痛い痛い痛い痛いアカンアカンアカンアカンアカンアカンアカンアカンアカン!!!
      不破さんアカン腕ひしぎ逆十字はアカン、伸びる伸びる腕伸びるあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」ギリギリギリ

lw´  _ ノv(やぁ、気絶してる女だよ)





【 東校舎1階 シラネーヨVSデレ 】



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733 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:20:14 ID:81h/FWDo0

【( ´ー`)side】

 よく学園ドラマとかで、わかってくれない大人に学生が殴りかかったりするシーンってあるよね。
 教師がこれ言っていいのかわかんないけど、俺ああいうのわりと好きなのよ。
 気分がスカッとするっていうか、俺の心の中の尾崎豊が騒ぎ出すというか。

ζ(゚ー゚;*ζ「すいません、やめてほしくば降参して、私の学費を免除すると誓ってください!」シメツケシメツケ

(;´Д`)「どさくさまぎれに何を厚かましいことあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん」ギリギリギリギリ

 でもさぁ、流石に腕ひしぎ逆十字は見たことねぇよ。寝技はテレビ映えしねえよ。
 ドラマで誰かが教師に腕ひしぎやってたなら教えて? 脚本家ぶっ飛ばしてやるから!!

(ノ;´ー`)ノ≡≡「さっきぶちまけたワックスエスケープ!!」ヌルッ

Σζ(゚ー゚:*ζ「キャッ、思いの外ヌルヌルしてた!」ビクッ

lw´  _ ノv(それにしても三節棍ってどこで使い方教えてくれるんだろう)

(;´ー`)「お前起きてんじゃネーノ!?」

734 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:21:22 ID:81h/FWDo0
::ζ(゚ー゚;*ζ::「ま、まさか逃れられるとは……やはり先生は私を超えるほどの使い手……!!」ゴクリ

(;´ー`)「過大評価だヨ! 俺は単なる説教おじさんだヨ!」

 心なしか少し伸びた気がする左腕を押さえながら、俺は申し訳なさげな少女の方に向き直った。
 不破デレ。マイナス思考性の厨二病を患った、3組随一のヘタレんぼう将軍。

 しかしその実態は、『最強の男』不破デルタを父に持つ天才格闘少女だったりする。
 厨二設定に憧れる3組の中で、唯一生まれながらにして厨二設定を持ったややこしい娘だ。
 そのくせ厨二病にもかかってんだからワケわかんないよね! もう何が病気なんだか!

┗ζ(゚ー゚;*┗ζ「やはり先生は……私の格闘技術の粋を結集させねば勝てない相手……!!」ゴゴゴゴゴ

(;´ー`)ノシ「そーでもネーヨって! お前が本気を出すまでもネーヨって!」ブンブンブン

 ヤベェよヤベェよ、この子完全に俺の実力見誤ってるよ。
 俺倒すのに使われる格闘技術がもったいないよ! 節約しようぜ、あなどろうぜ!?

ζ(゚ー゚;*ζ「この謙虚な姿勢……心技体、全て整った真の格闘家というわけですか……!!」ゴゴゴゴゴ

 あ、もうダメだこりゃ。この子も話聞かないタイプだこりゃ。

735 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:22:47 ID:81h/FWDo0
ζ(゚ー゚;*ζ「す、すいませんせんせんせー……痛かったら2階に逃げてもいいんですよ……?」

(;´ー`)「せんが1個多いヨ……てかやらしいなお前、俺が逃げらんネーノわかってるくせに……」

ζ(゚ー゚;*ζ「はい、私はいやらしい穢れた女です……ただの娼婦です……」

(;´ー`)そ「そういう意味でのやらしいじゃネーヨ!」

 さっきからアホみたいにボコられている俺だが、別に好きでボコられてる訳じゃない。マゾじゃない。
 この戦いにおいて別の階に行く方法は、『その階の敵を倒すこと』。
 つまり、ヘリカルをステップワゴンでぶちのめした俺は2階に行ける訳だが。

ζ(゚ー゚;*ζ「すいません……私がむざむざと降りてきたばっかりに……」

(;´ー`)「むざむざって自分に使うヤツ初めて見たヨ……」

 そう、2階から別の階に行くために倒さなければならない不破は、現在1階にいる。
 仮に不破をシカトして2階に逃げたとしても、不破を倒せないんだから永遠に3階には行けない。
 しかも不破が1階にいるせいで、2階以上の仲間達は誰も加勢に来れない。

 つまり俺が先に進むには、この爆弾娘・不破を1人でぶっ倒さなくてはならないということ!
 ム リ や ん ! ! ム リ ゲ ー や ん ! !

736 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:24:32 ID:81h/FWDo0
ζ(゚ー゚;*ζ「しかし、まさか極め損ねてしまうとは……うぅ、お父さんに蔵に閉じ込められる……」ウジウジ

 数秒前まで俺の肩を外しにきてたとは思えぬ低姿勢を見せる不破。
 この姿を見て誰が彼女をゴリゴリの近接格闘タイプだと思うだろうか。
 どう考えても僧侶だよ。勇者系SSだと得てしてヒロインになる気弱系僧侶だよ。

(;´ー`)(しかし……不破は何でここまで臆病になったんだろう……)タジッ

 戦闘力と精神力にえげつない差がある不破を見て、俺の脳裏にふと疑問が浮かんだ。
 いくら厨二病でネガティブにターボがかかっているとはいえ、不破の臆病は酷すぎる。
 そもそも、厨二病にかかる前から不破のチキンバロメータは振り切れまくっていた。
 どのくらいかと言うと、文化祭実行委員に推薦された瞬間プレッシャーで熱出したくらいのチキンっぷりだ。

(;´ー`)(不破にはピッコロばりの戦闘力あるんだから、ちょっとくらい自信持ってもいいと思うんだが……)

ζ(゚ー゚;*ζ「め、滅相もないです……私の戦闘力なんて犬の国王と同じくらいです……」ビクビク

(;´ー`)そ「ふぉあ!? ちょっと待て、お前すげぇ自然に心読まなかったか!?」ビクッ

ζ(゚ー゚;*ζ「た、多少ですけど……武術は相手の心を読むことが大事と父に教わりましたので……」

(;´ー`)「すげぇな不破家!!」

lw´  _ ノv(厨二能力として読心手に入れたワシの立場わい)

737 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:26:29 ID:81h/FWDo0
ζ(゚ー゚;*ζ「め、滅相もないです、私なんてまだまだ未来予知も出来ないへっぽこへっぽこぴーです……」ビクビク

(;´ー`)「ゆくゆくは出来るようになんのかヨ! 末恐ろしい!」

 なんだこいつ、トピックみたいな感じで特殊能力暴露しやがった!
 これが厨二設定じゃなくてマジの特技だからすげぇよね! 格闘家ってみんな心読めるのかな! 猪木とかも心読めるのかな!

ζ(゚ー゚;*ζ「そ、そんなことより私の性格についてでしたよね……」

(;´ー`)「あ、ああ……もうぶっちゃけそれ以上に気になるポイント出てきたけどな……」

ζ(゚ー゚;*ζ「すいません……でも、私がこんな性格になったのは、父の教えによるものなんです……」

(;´ー`)「なぬっ……!?」ピクッ

 不破の予期せぬカミングアウトに、正直未来予知の方に惹かれてた俺の脳が正気に戻る。
 どういうことだ、あの不破デルタが何かの目的を持って不破をこんなんに育てたってことか?
 気になるぞ不破デルタ、こないだタイムショックでトルネードスピンしてたぞ不破デルタ。

(;´ー`)「不破、良ければ聞かせてくれネーか……? 何がお前をそうさせたのか……」

ζ(゚ー゚;*ζ「はい……あれは私が5歳くらいの時でした……」ホワンホワンホワーン

738 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:27:40 ID:81h/FWDo0

【およそ9年前・不破道場】

( "ゞ)『……』

ζ(゚ー゚*ζ『とりゃー! くそがー!』ブォン

(;=゚д゚)≡『ぎゃー!』バターン

ζ(゚ー゚*ζ『おらおらー! やっちまうぞこらー!』

(;TДT)≡『やられたー!』ビターン

ε=ζ(゚ー゚*ζ『へいへーい! あたちをたおしたかったらじゃっきーちぇん10人つれてこいやーっ!』テングーッ

( "ゞ)『……あっちゃー……屈強な小6男子共がバッタバッタと薙ぎ倒されてんじゃん……』

|;;;;|; ,'っノVi ,ココつ「デレさん、先日のちびっこヴァーリトゥード大会で優勝してからやんちゃに拍車がかかりましたね……」

( "ゞ)『まぁ、所詮テンプレ3共にはあれが限界……誰だ貴様!』

|;;;;|; ,'っノVi ,ココつ『門下生のマリントンですけど!? 何ですか急に!』

( "ゞ)『うるせぇうるせぇ、お前みたいに無駄に存在感ある奴は知らん。テンプレ2に帰れ』

|;;;;|; ,'っノVi ,ココつ『酷い言い草だ!』

739 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:29:15 ID:81h/FWDo0
ε=ζ(゚ー゚*ζ『うぇっへっへ、あたちがおんなばんせがーるとよばれるひもちかいぜー!』フンゾリ

|;;;;|; ,'っノVi ,ココつ『それにしてもデレさんはやんちゃすぎますよ……門下生片っ端からメッタメタですよ……』

( "ゞ)ノシ『まぁ、確かにこのままじゃ鍛錬に支障が出るな……おーいデレ、こっちきんしゃーい』フリフリ

ζ(゚ー゚*ζ≡≡『なんだくそおやじー! なめたくちきいてるとぶちころがすぞー!』トテテテ

( "ゞ)『ハッハッハ、なんてことはない、なんてことはないんだが……』



( "ゞ)┏┫『 不 破 爆 龍 牙 翔 脚 撃 ! ! ! 』ドギャギャァァァッ

≡≡≡≡ζ( ー ;*ζ『ばびろんっ!!!』ドパァァァッ

|;;;;|; ,'っノVi ,ココつ『えええええ何か物凄い技繰り出したぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』


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740 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:32:30 ID:81h/FWDo0
( "ゞ)『安心しろ、威力は軽トラが衝突してきた程度に抑えておいた……』コォォォォ

|;;;;|; ,'っノVi ,ココつ『事故じゃないですか! デ、デレさん大丈夫ですか、生きてますか!?』

ζ(゚ー゚;*ζ『いちち……な、なにすんだおやじー! なみの5さいじだったらしんでたぞー!』ガラガラ

|;;;;|; ,'っノVi ,ココつ『ピンピンしてる!! 並みの5歳児じゃなかった!!』

( "ゞ)『どうだ俺の不破爆龍牙翔脚撃は。視界に捉えることすら叶わなかっただろう』

ζ(゚ー゚;*ζ『い、いきなりふわばくりゅーがしょーきゃくげきされてよけれるわけねーだろーが!』

( "ゞ)『試合でそんな言い訳が通ると思うか? 気をつけていたら充分避けられる一撃だったぞ?』

ζ(゚ー゚;*ζ『ぐぬぬ……』

|;;;;|; ,'っノVi ,ココつ『何だこの親子の会話!? 怖いよ、怖いよおっかさーん!!』

(;=゚д゚)(めっちゃツッコむじゃんこの人……)

(;TДT)(何者なんだろうこの人……人なのかな……?)

741 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:33:38 ID:81h/FWDo0
( "ゞ)『いいかデレ、格闘家にとって一番の敵が何かわかるか?』

ζ(゚ー゚;*ζ『て、てき……? ばくだん……?』

( "ゞ)『そういう物理的なヤツじゃなく。格闘家の大敵、それは「慢心」だ』

ζ(゚ー゚;*ζ『まんしん……まりりんまんしん……』

( "ゞ)『余計な言葉を付け足すな。お前はなまじ力を付けたせいで、思い上がってしまった』

( "ゞ)『結果、俺の不破爆龍牙翔脚撃をモロに喰らった。本気の不破爆龍牙翔脚撃だったら飛び散ってたぞ』

( "ゞ)『調子に乗った結果がこれだ。それすらも喰らうようで、よく女版セガールだのほざけたな?』

ζ(゚ー゚;*ζ『うぐっ……』

|;;;;|; ,'っノVi ,ココつ(アレ喰らってピンピンしてる時点でめっちゃ凄いと思うけどなぁ……)

( "ゞ)『わかったか、お前は弱い。俺はもちろん、そこのマリントンよりもな』

|;;;;|; ,'っノVi ,ココつ『え、マジで!? 俺強ぇ!』

Σζ(゚ー゚;*ζ『なっ……』
744 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:43:25 ID:81h/FWDo0
( "ゞ)『確かにお前は力を持っている。だが所詮同年代の中で飛び抜けてる程度の話だ』

( "ゞ)『その程度の実力で満足しているようじゃ、お前の成長はそこどまりだ』

( "ゞ)『自惚れるな、天狗になるな。自分の弱さを認められないような阿呆に、強くなる資格は無い』スタスタ

ζ(゚ー゚;*ζ『あ……』アゼン

|;;;;|; ,'っノVi ,ココつ『ちょ、言い過ぎじゃないですか……? デレさん茫然自失ですけど……』ヒソヒソ

( "ゞ)『いいんだよ。デレは天才だ、あと数年で俺なんて踏み越えてゆく』

( "ゞ)『そんな逸材を、思い上がりなんてつまんない理由で腐らせるわけにはいかない』

( "ゞ)『大事に育てて、最終的に超えられる。それが父、そして師の役目だ』

|;;;;|; ,'っノVi ,ココつ『師範……』

( "ゞ)『それにしてもいいこと言ったな俺。今度すぽるとの収録で言お』

|;;;;|; ,'っノVi ,ココつ『うわぁ、台無しだ……』

( "ゞ)『あ、あとさっきはああ言ったがお前めっちゃ弱いから。佐々木健介の強さを1佐々木健介とすればお前は0,000……』

|;;;;|; ,'っノVi ,ココつ『わかってますよわかってますともチクショー!!』

ζ(゚ー゚;*ζ『……』
746 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:44:52 ID:81h/FWDo0
ζ(゚ー゚;*ζ(親父の不破爆龍牙翔脚撃……認識することすら出来なかった……)

ζ(゚ー゚;*ζ(強くなったつもりだった……同年代には負け無しだし、親父も簡単に越えてやるはずだった……)

ζ(゚ー゚;*ζ(何が超えるだ……私は親父の足下にすら辿り着いてないじゃんか……!!)ギリッ

ζ(゚ー゚;*ζ(私は弱かったんだ……マリントン以下だってのも、あながちハッタリじゃない……)

ζ(゚ー゚;*ζ(そうだ、私はいくら鍛えても弱いんだ……もう思い上がるのはやめよう、これからは……)



バ―――――――ζ(゚ー゚;*ζ(自分のことを虫より弱いと思い込もう……!!)――――――――ン

(;=゚д゚)『デ、デレちゃん大丈夫? なんかすげぇ技だったけど……』

ζ(゚ー゚;*ζ『……すいません、あたちはくそまみれのあぶらむしです……!!』

(;TДT)そ『  !  !  !  ?  ?  』



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747 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:46:45 ID:81h/FWDo0

【現在・東校舎1階・シラネーヨVSデレ】

\ζ(゚ー゚;*ζ/「そそ、そんなわけで現在の私は自分をサワガニ以下だと思い込むことに成功したのです!」デデーン

(;´ー`)つ「なぁぁぁぁぁんでやねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!」ズバァァッ

ζ(゚ー゚;*ζ「すいません!」ペコペコ

(;´ー`)「いやいやいやいや、そういうことじゃネーだろーヨ!!
     お前の親父が伝えたかったことは自分を虫以下だと思えってことじゃネーだろーヨ!!」

ζ(゚ー゚;*ζ「すいませんすいません!」ペコペコ

(;´ー`)「要は油断しちゃダメだヨーってことだろ!? 拡大解釈しすぎだヨ!
     大体何で虫なんだヨ!? 話の中に虫1匹も出て来てネーヨ!」

ζ(゚ー゚;*ζ「すいませんすいませんすいません!」ペコペコ

(;´ー`)「くっそ、手応えが無い!」

748 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:48:20 ID:81h/FWDo0
 マジかよ、不破がこうなった原因って単純に不破の勘違いじゃねぇかよ!!
 どうすんだよ不破デルタ! お前の説教、娘に全く伝わってねぇぞ!?
 その結果がこのモンスターだよ! ふざけんな不破デルタ! サインください! 2枚!

ζ(゚ー゚;*ζ「と、というわけで私程度じゃ相手にならないかもしれませんが、全力で挑ませていただきます! 押忍!」ビシッ

(;´ー`)「くっそ、色々とやりにくい!」

 自信なさげに眉毛をハの字にしながら、不破は気合いを入れ直した。
 ヤベェ、疑問は解決したけど目の前のピンチは全くもって解決してねぇ!
 いくら自己評価がサワガニでも、彼女は最強の遺伝子を持つ天才格闘家だ。
 歯医者だったジジイの遺伝子を持つ俺程度じゃまともに太刀打ち出来るわけない。

(;´ー`)(……こうなったら、またステップワゴンに頼るしかネーか……)ガサゴソ

 不破に悟られないように、キーの入っているポケットを片手で探る。
 さっき沢近に地獄を見せた最狂奥義、ひき逃げ(未遂)。
 もう不破を止めるにはアレしかない! 不破なら車も止めちゃう気がするけど!

(;´ー`)「……あれ……? キーが無い……?」ガサゴソ

ヽζ(゚ー゚;*ζ「す、すいません……お探しの品はこれでしょうか……?」チャラッ

(;´ー`)そ「ほわっ!?」ビクッ

749 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:49:54 ID:81h/FWDo0
(;´ー`)「え、何で俺の鍵がそこにあるの!? 手品!? イリュージョン!? メンタリズム!?」アワアワ

ζ(゚ー゚;*ζ「す、すいません……さっき腕関節を極めた隙にスらせていただきました……」

(;´ー`)「あの間に!? お前意外と手癖悪いのな!」

 不破の掲げた右手の先には、俺の車のキーが軍艦巻きのキーホルダーと共に揺れていた。
 何てこった、痛すぎてスられたことに全く気がつかなかった! どんな手口だ!

ζ(゚ー゚;*ζ「こ、このキーで私の心臓を突き刺すおつもりだったんですね……おそろしや……」

(;´ー`)そ「そんなつもりはなかったヨ!?」

∠ζ(゚ー゚;*ζ「そ、そんな恐ろしいキーは、すいませんがこうしちゃいます……セイ!」ベキャッ

(;´ー`)そ「折った!! え、待って、鉄だヨ!? 何で片手で折っちゃうの!?」ビクッ

ζ(゚ー゚;*ζ「す、全ての物質には『坑(アナ)』がありまして……人で言うところの急所ですね……。
       その『坑(アナ)』に適当な力を込めれば、破壊出来ない物質は無いとお父さんが……」

(;´ー`)「わけわかんない専門用語を使うな!!」

750 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:51:01 ID:81h/FWDo0
ζ(゚ー゚;*ζ「す、すいません……でも生徒相手にステップワゴン使おうとしてくる方が悪いんですからね……」

(;´ー`)「くっそ、ぐうの音も出ない!」

 マジっすか、俺のステップワゴンのキー真っ二つにされちゃいましたけど!
 どうすんだよ、週末家族で湘南までドライブする予定だったんだぞ!? 家族間の思い出を返せ!!

ζ(゚ー゚;*ζ「と、とにかく……これで先生の切り札は無くなりましたね……」ザッ

(;´ー`)「うぐっ……!!」

 キーの残骸を投げ捨てると、構えを保ったまま不破が接近してきた。
 ステップワゴンは俺にとって唯一厨二と互角に渡り合える秘密兵器。それが封じられた。
 最悪だ、肉弾戦最強の不破を倒さなきゃ先に進めない上に、武器も無い。

(;´ー`)「くっそ……せめて説教が使えれば……」ギリッ

ζ(゚ー゚;*ζ「す、すいません……説教はいくらでもしていただいて構いません……」

 更に、更に最悪なことに。

751 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:52:04 ID:81h/FWDo0





ζ(゚ー゚;*ζ「ただ、それで能力が消せないってだけですから……」

(;´ー`)「……わかってるヨ、バカヤロー……!!」ギリッ





 不破に、『能力』は通じない。





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752 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:55:20 ID:81h/FWDo0

−東校舎・3階−

/ ゚、。;/「能力を、使えなくする……!?」

(゚、゚;トソン「ええ、認識、すなわち視界の中にいる全員の能力の使用を封じる。
      それが不破さんの能力、『人類一斉初期化(ノーマライズプログラム)』です」

/ ゚、。;/「ノ、『人類一斉初期化(ノーマライズプログラム)』……」ゴクリ

ハハ ロ -ロ)ハ「エヴァでも見ながら能力名考えたんデスカネ」

(゚、゚;トソン「彼女によって私は能力を剥奪され、接近戦でズタボロにされました。
      挙げ句レズにされるとか……くっ、自伝にも書けませんよこんなエピソード……」

/ ゚、。;/「あれ、でもおかしくない? 伊藤さんは不破さんの認識内で普通に頭にクナイぶっ刺してたけど……」

(゚、゚;トソン「不破さんが選んだ対象は認識内でも能力が使えるみたいです」

ハハ ロ -ロ)ハ「ナルホド、決してムリヤリ辻褄合わせたワケでは無いんデスネ」

へ( ^Д^)へ「ムリヤリ辻褄合わせたワケでは無いんデスネ(震え声)」

753 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:56:39 ID:81h/FWDo0
/ ゚、。;/「ヤ、ヤバいじゃん……不破さんには私達の能力が通用しないってことでしょ……!?」

ハハ;ロ -ロ)ハ「ソレどころか、Mr.シラネーヨの説教すら効きマセン。能力が消せない限り、洗脳も解けマセン」

(゚、゚;トソン「その上不破さんは地上最強のムスメ。能力無しで彼女に勝つなんて照英でも出来ません」

ハハ;ロ -ロ)ハ「Oh……!! 照英がダメなら、地球上で彼女に勝てる人間なんていないジャナイデスカ……!!」ゾッ

/ ゚、。;/「そうかな!? 照英の強さってそれほどのもんかな!?」

(゚、゚;トソン「とにもかくにも……非力な私達が加勢したところで、不破さんに勝てるとは思えません……」

ハハ ロ -ロ)ハ「……」/ ゚、。;/

へ( ^Д^)へ+「だが、仮に俺が加勢したらどうなると思う?」プキラーン

(゚、゚;トソン「……ですが、1つだけ……可能性程度の策ならあります……」

ハハ ロ -ロ)ハ「!!!」/ ゚、。;/

へ( ^Д^)へ「そうだよね、どうにもならないよね。あーあイタリア人になりたい」
755 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:57:55 ID:81h/FWDo0
(゚、゚;トソン「さっき洗脳されてる時に、2階で『あるもの』を見つけました。それを使えば、あるいは……」

へ( ^Д^)へ「あるものって何かな? ヒトコブラクダを安楽死させる薬かな?」

(゚、゚;トソン「ですが、それはあくまで可能性。確固たる確証も無い今、それに賭けるのはあまりにもリスクが……」

へ( ^Д^)へ「かけると言えば、みんな目玉焼きに何かける? 俺はオーロラソース!」

ハハ ロ -ロ)ハ「……可能性がアルというダケで、動く理由としては充分デス……」

/ ゚、。;/「教えて都村さん……私達は何をすればいいの……!?」

(゚、゚;トソン「……ですが……」

ハハ ロ ーロ)ハ「no probrem。アイニク、分の悪い賭けならワタシ達の得意分野なんデスヨ」ニヤリ

/ ゚、。;/「この非常識で不愉快な世界を終わらせるためなら、私は何でもしてみせる……!!」グッ

(゚、゚;トソン「……ハローさん……鈴木さん……!!」ジーン

へ( ^Д^)へ「あーあ、親父がシュワルツネッガーだったらなぁ〜」
757 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 21:59:33 ID:81h/FWDo0
(゚、゚;トソン「……わかりました。お2人の命、私に預けてください!」

ハハ*ロ -ロ)ハb「OK! これから我々2人はトソンサンのメスドレイとして生きていきマス!」ズビシ

/ ゚、。;/「そこまで委ねなきゃなんないの!? だったら私1抜けた!」

(゚、゚;トソン「そこまで求めてませんよ!!」

へ( ^Д^)へ「うーんそろそろ自由が恋しいなー。誰かクナイ取ってくんね? キスしてあげるから」

(゚、゚;トソン「ま、まぁとにもかくにも説明しますよ……。
      まずお2人にわかっておいてほしいのは、我々の敵は不破さんだけではないということです」

ハハ ロ -ロ)ハ「ワカッテマスヨ。真の敵は混迷化する現代社会ってことデショウ?」

/ ゚、。;/「わかってない! 4階にいるもう1人の『最強』のことだよね?」

(゚、゚;トソン「そうです……不破さんが『能力無し』で最強ならば、彼女は『能力あり』で最強……」

/ ゚、。:/「……伊藤さん……!!」

へ( ^Д^)へ「よし決めた。俺は壁として余生を過ごす」

758 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:01:58 ID:81h/FWDo0

【 4階 】

''(>、<*川「……ひくしゅんこっ!!」ズビシュ

,,('、`*川「ひぇー、風邪ひいちったかな……ペロペロしすぎて免疫力が低下したかな……」ズビー

('∀`*川「それともアレかな、うら若き乙女達がペニサスさんに蹂躙されたいっすわーって噂してんのかな……イヒヒ……」ニヤァリ

('、`*川「……ぅおっといけない、甘美な妄想(ヴィジョン)に浸ってる時間はなかった……」ハッ

('、`*川「それよりも、今のワタシにはやらなきゃなんないことがある。そう……」



┗('∀`*川┓≡≡≡「目の前の☆最愛天女☆ハイィィィンをとっ捕まえないとねっへぇぇぇぇぇぇぇっ!!
          ウヘヘヘヘ待って待って溶け合おう1つの生命体になろうフュ――――――――ジョン!!!」ダダダダダ

≡≡≡┏从;゚∀从┛「うわぁぁぁぁぁ山姥だぁぁぁぁぁっ!!!」ダダダダダ



【ハインVSペニサス】


,
760 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:03:01 ID:81h/FWDo0

【从 ゚∀从side】

 山姥。日本古来より伝わる、深山に棲んで人を食らうとされる鬼女。
 それが今、俺の背後にいる。逃げても逃げても、俺を喰らわんと追いかけてくる。
 伝承と違うのは、俺を性的な意味で喰らわんとしていることのみだ。

('、`*川≡≡≡「ふぁーん、何で逃げんのぉーっ!? こんなに愛してるのにっひぃーっ!!」シュババババ

≡≡≡从;゚∀从「そんなにもサイコだから逃げ惑ってんじゃろがぁぁぁぁぁい!!」シャババババ

('、`*川≡≡≡「サイコ……再婚……!? やぁだハインったら私達は初婚じゃなーい☆ウフ☆」

≡≡≡从;゚∀从「くっそー、どうやら言語が違うようだ!!」

 山姥の正体はペニサス伊藤。俺の幼なじみでもある痴女だ。
 何でも俺のことがずっと好きで、その気持ちを14年間隠してたんだってよ。
 そんだけ隠したなら隠し通せよ! 何を開き直って必要以上に解き放っちゃってんだよ!
 どーすんだレズに対する間違ったイメージ生まれちゃったら! 常識的なレズの皆様に怒られるぞ!

761 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:05:10 ID:81h/FWDo0
('、`*川≡≡≡「いやぁ、しかしたまには鬼ごっこもいいもんね。
        ハインのバックショットを存分に鑑賞出来るしね。おっとヨダレが」ジュルゥリ

≡≡≡从;゚∀从「ハァハァ……ごっこじゃねぇよ、お前は既に性欲の鬼だよ……!!」ゼェゼェ

 先生達と分断され、俺がこの狂戦士とマンツーマンになってからウン十分。
 そこから今に至るまで、俺はずっとこんな感じの逃走劇を続けている。何ハラスメントだよ。
 つーかよく俺も気が触れてねぇよな! 常人だったらとっくにイカレてるぞ!

('、`*川≡≡「つーかさー、いい加減そろそろレズになる気無いー? 一旦でいいわよ一旦で」

≡≡从;゚∀从「なんねぇよ!! 大体なったらなったでお前レズの俺引き連れて先生殺しに行くだろ!!」

('、`*川≡≡「否。ただ殺すだけでは飽き足らぬ、この世の全ての辛苦を味わわせた上で殺すのだ」

≡≡从;゚∀从「急にどうしたんだよ!! 怖いよ誰だよ!!」

('、`*川≡≡「そのような些末なことは取るに足らず。さぁ我の舌技の贄となれペロペロペロペロ」

≡≡从;゚∀从「そのキャラのまま追っかけてくんなぁぁぁぁぁ!!!」

762 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:08:25 ID:81h/FWDo0
 逃げる不良、追う巨乳。正直メンタルはち切れそうだが、俺は捕まるわけにはいかない。
 なんせ伊藤の目的は『先生を倒し、何の邪魔も無くなった状態での俺とのレズプレイ』。
 俺が先生を愛してることが許せない伊藤は、先生を倒さなければ気が収まらないという。
 俺が負けたら伊藤は下の階に行ける。それすなわち、先生に伊藤の魔の手が伸びるということ。

 だから俺は止まれないんや! 俺の貞操には先生の命がぶら下がってるんや!
 だがしかし、そうこう言ってる間に俺の体には異変が起きていた。

≡≡≡从;゚∀从(クッソ、やべぇ……呼吸が……!!)ゼハーゼハー

 息が続かない。吸っても吸っても苦しいだけだし、頭も痛くなってきた。
 そりゃそうだ。いくらスタミナの祭典との呼び声高い俺と言えども、朝から不眠不休で現在明け方5時近く。
 その上で現在のダッシュ。こんだけの負荷をかけられて、限界が来ない訳が無い。

('、`*川≡≡≡「ハインが息を荒げている……すなわちこの空間にはハインの吐息が満ちている……!! スゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ」

≡≡≡从;゚∀从「畜生ぉぉぉぉぉ色んな意味で気持ち悪ぃぃぃぃぃ!!!」

 一方、俺の背後のもののけは走りながら息をめっちゃ吸うという荒技を見せていた。
 俺と同じ時間走り続けてなおかつ大暴れしてるというに、汗1つ垂らしてすらいねえ。
 勿論、普段のコイツにこんな持久力あるわけがない。全て『能力』の効果だ。

('、`*川≡≡≡「てか、もう諦めたらどーよ? 『スタミナ×100』の私から逃げ切れるワケ無いんだし」

≡≡≡从;゚∀从(……『人間計算機(モンスター・カリキュレーター)』……!!)ハァハァ

763 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:09:52 ID:81h/FWDo0
 『人間計算機(モンスター・カリキュレーター)』。人間でありモンスターでもある伊藤にピッタリの能力名だ。
 伊藤は自他問わず人のパラメータを操れる。それこそ人の限界を超えられるくらい。
 それによって、現在伊藤のスタミナはいつもの100倍となっている。
 伊藤のスタミナ100倍というと、多分照英の5倍くらいだ。

≡≡≡从;゚∀从(……てか、アイツ……楽しんでやがる……!!)

 伊藤の能力ならスピードを増加させたり、なんなら俺のスピードを減らしたりも出来る。
 なのに伊藤はそれをせず、ただ俺の体力が底をつくのを舌なめずりしながら待ってやがる。
 猫の狩りの仕方かよ! 普段はタチなのに性格はネコなんですね、ってか! 死ね!

从;゚∀从つ(こうなったら……真っ向勝負だ……!!)キキーッ

('、`*川≡≡≡「ほ?」

 俺は走るのを一旦やめ、猪みたいに突っ込んでくる伊藤の方に手をかざす。
 逃げ切れねぇならここでぶっ潰すまでだ! シラネーヨ組の特攻隊長ナメんなよ!

从#゚∀从つ「そんなに舐めたきゃ床舐めてろや!! プラマイグラビ……!!」バッ

⊂('、`*川≡≡≡「はい、『《重力±》の効果×0』っと」フッ

≡≡≡┏从;゚∀从┛「まぁそうなりますよねぇぇぇぇぇっ!!」ピューッ

764 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:11:39 ID:81h/FWDo0
('、`*川≡≡「いやぁ、別に受け止めても良かったんだけどねぇ。重力プレイとか斬新やん」

≡≡┏从;゚∀从┛「なんで俺はこんなヤツに苦戦を強いられているんだ!」

 ちくしょぉぉぉぉぉ!! 俺の重力攻撃が出す前からなかったことにされたぁぁぁぁぁっ!!
 重力攻撃がこんな簡単にあしらわれていいのか!? 否!! 重力は全国の厨二の憧れでなければならない!!
 だというのにこのITかぶれはぁぁぁぁぁ!! エンターキー叩く時にカッコつけんなやぁぁぁぁぁっ!!

≡≡┏从;゚∀从┛(くっそ……このままジリ貧になるまで逃げるしかねぇのかよ……!!)トタタタ

('、`*川≡≡「うふふぅ……万事休すって感じぃ……?」シュタタタ

 『重力±』が通じない以上、今の俺は伊藤から逃げることしか出来ない。
 だが、いつまでも逃げ切れるワケが無い。そのうち伊藤に捕まってアッーだ。
 どっからどう見ても詰んでやがる。さっきから脳内で華原仁美の『あきらめましょう』が永遠リピートしてやがる。
 そんな八方塞がりの俺を見て、背後の色魔がポツリと囁いた。

('、`*川≡≡「ねぇハイぃン、焦ってるでしょう……? 焦ってる時の汗の匂いよぉ……?」クスクス

≡≡从;゚∀从そ「え、お前俺の匂いで焦ってるかわかんの!? キショッ!!」

('、`*川≡≡「もう諦めてもいいんじゃないのぉ……? アンタは充分頑張ったって……」

≡≡从;゚∀从「……」

765 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:14:41 ID:81h/FWDo0



 例えば。今諦めれば、俺はあらゆる苦痛から解放されるだろう。


('、`*川≡≡「これ以上頑張って何なのぉ? 私に勝てない以上、この苦しみは終わんないのよぉ?」

≡≡从;゚∀从「……」


 伊藤は、俺が自分の意志で屈しない限り、その底無しの体力でいつまでも追ってくる。
 だが俺が一言「参った」と言えば、伊藤は喜び勇んで俺の百合っ気をMAXに上げるだろう。
 俺が先生の為に諦めないのが気に食わないのだから、俺が諦めればレズにしない理由がない。


('、`*川≡≡≡「辛いでしょ、キツいでしょ? もういいのよ、全部忘れてイチャイチャしようぜ」

≡≡从;-∀从「……」


 そうなれば、めでたく相思相愛ラブラブ百合カップルの出来上がり。
 俺は伊藤にメロメロになり、今俺を悩ましている全てを忘れることが出来る。
 そう、全て。能力のことも、体力のことも。そして、下で戦ってる―――。




,

766 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:15:39 ID:81h/FWDo0



('、`*川≡≡≡「さ、言っちゃいな? 『先生のことは忘れる』ってさ……」



 ―――先生のことも。



≡≡≡从#゚∀从「バ―――――――――――――――――――ッカ!!!!!」クワァァァッ

Σ('、`;*川≡≡≡「ぁいや!?」ビクッ





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767 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:17:40 ID:81h/FWDo0
た≡≡从#゚∀从「バカか、お前はバカか!! イタリア人っぽく言えばヴァッカーカ!!」プンスカプップー

('、`;*川≡≡「あらやだ、怒らせちゃった? あぁん、怒り方もキューティ……」アタフタ

≡≡从#゚∀从「お前はアレだな! 14年も一緒にいるのに俺のことをこれっぽっちも理解してねぇな!!」

('、`;*川≡≡「なっ……」

≡≡从#゚∀从「いいかバカ! 俺が頑張ってんのはなぁ、全部『好きな人』のためだ!」

('、`;*川≡≡「好きな人……? それって、ま、まさか……!!」トクン

≡≡从#゚∀从「先生に決まってんだろ! 何を期待してんだ!」

≡≡从#゚∀从「よく聞け、俺は先生のために能力を手に入れた! 先生のために強くなった!」

≡≡从#゚∀从「そして何より、先生に再び仕えるために同じ時代に生まれ変わった!」

≡≡从#゚∀从「わかるか!? 俺は俺のためじゃねぇ、先生のために頑張ってんだよ!!」

≡≡从#゚∀从「それが何だ、先生を忘れろだぁ!? 無理だよ、死んでも忘れらんなかったんだからな!!」

≡≡从#゚∀从「前世から繋がる俺と先生の絆!!
       『たかが14年』の関係で打ち消せると思ってんじゃねぇよぉぉぉぉぉっ!!」ババァァァン

( 、 ;*川≡≡「――――――――――っ……!!!」

768 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:19:48 ID:81h/FWDo0
 能力のことも、体力のことも。全ての懸念事項をほったらかして、俺は叫んだ。
 先生を忘れられるわけねぇだろ。お前は呼吸の仕方を忘れろって言われて忘れられんのかよ。
 先生は俺の全てだ。守れと言われたら守るし、しゃぶれと言われたら嬉々としてしゃぶる。
 そんな絆を断てとか、いくら幼なじみでも許さんぞ! このセクハラホルスタインが!

( 、 ;*川≡≡「……逃げながら言っても何も格好良くないわよ……」パタタタ

≡≡从;゚∀从「うるせえ! 俺自身が一番よくわかっとるわ!」デデデデ

 ま、啖呵切ったところで事態は何も好転してないんですけどね!
 むしろ声張り上げたから喉がめっちゃ渇いてきた! 給水ポイントねぇのか!

≡≡从;゚∀从(クッソ、伊藤もちょっとはスピード緩めろっつーの……!!)

( 、 *川≡≡「……」

≡≡从;゚∀从(こうなったら覚醒するしかない! 見てろよ、俺自身が『重力±』になることで……!!)

( 、 *川「……」ピタッ

≡从;゚∀从そ「ぁおい!?」ズザーッ
770 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:21:18 ID:81h/FWDo0
 今まで喜色満面の笑みで追っかけてきた伊藤が、不意に足を止めた。
 おいおいどうした、逃げなきゃならんのにびっくりして俺も止まるというポカやらかしちゃったじゃないか。

从;゚∀从「い、伊藤ーぅ? どうした伊藤ーぅ、行っちゃうよーぅ……?」オソルオソル

( 、 *川「……」シーン

 俺が声をかけても、伊藤はうつむいたまま微動だにしない。
 今までの伊藤だったらキャーハインの声ーとか言って狂喜乱舞してるはずなのに。
 逆に怖ぇよ、今までが「動」の恐怖ならこれは「静」の恐怖だよ。

从;゚∀从そ(……待てよ……? これもしかしたら「行きなさいよ」のパターンじゃねぇの!?)ピーン

 そうだ、なんかこういうパターンどっかの漫画で見たことある!
 これアレだ、仲の良い2人が戦うも、情に負けて逃がしてしまうパターンだ!
 そんで逃がした後、「上手くやんなさいよ……」って1人静かに涙流すパターンだ!
 そんでなんやかんやで裏切りがバレて大ボスに始末されて、その死が俺を怒りによる覚醒へと導くパターンだ!!

::从;゚∀从::「い、いとぉう……!! ただの淫売だと思ってたが、なかなか情のある淫売だったのな……!!」ジーン

( 、 *川「……」

≡≡≡┏从;゚∀从┛「よっしゃ、お前の粋はしかと受け取った!! お待ちなすって先生ぇぇぇぇぇっ!!」シュタタタタ

( 、 *川「……」

771 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:22:36 ID:81h/FWDo0

【('、`*川side】


≡≡≡┏从;゚∀从┛ ベルモットサマァァァァァ


( 、 *川「……」

 ―――好きな人の背中が、どんどん小さくなってゆく。
 彼女が向かう場所は、何よりも、誰よりも大切な、先生の場所。
 『たかが14年』の付き合いの私とは比べものにならないくらい大切な人の場所。

( 、 *川「……」

 私は変態だ。レズビアンかつペロリスト、それに加えてハーレム願望。それが私の本性だ。
 その本性を、私は14年間完璧に隠し続けてきた。『クールな優等生』を演じ続けてきた。

 何のため? 言うまでもない、ハインに気味悪く思われないために他ならない。
 嫌な奴と思われてもいい。ただ、恋心を知られて距離を置かれたら、私は生きていけない。
 大好きな幼なじみとの『腐れ縁』という関係を保ちたい一心で、私は彼女を騙し続けてきた。

( 、 *川「………おかしくない……?」ボソッ

 その結果が、この仕打ちだ。

772 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:24:16 ID:81h/FWDo0
::( 、 #*川::「たかが14年って何よ……小学生が就職するくらいの年月よ……!?」プルプル

 叶わない恋だなんてとうの昔に理解してた。それでいいと思ってた。

::( 、 #*川::「てか、前世って……! 気持ち悪い、何でヤンキーがそんなリスカ女みたいな厨二妄想しちゃってんの……!?」ブルブル

 誰よりもハインと長い付き合い。その事実だけで充分だった。

::ヽ( 、 #*川::「……『人間計算機(モンスター・カリキュレーター)』、ディスプレイ集合……!!」ブォン

 例えハインが誰かを好きになっても、私の方がハインと過ごした時間が長い。それだけで良かった。

::( 、 #*川::「『戦闘要項(バトルファクター)』ON、……『重力負荷』、常時×0……!!」カタカタカタカタ

 その事実だけは揺るがないって、信じてた。

::( 、 #*川::「ハイン……好き、好き好き好き……好き好き好き好き好き、好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き……!!」カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ



 ―――なのに。



,

773 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:25:43 ID:81h/FWDo0





『てめぇを倒して先生への手土産にしてやんよ……!!』


『俺は前世から先生に仕えることが決まってんだから』


『まぁお前に会う以前に、前世で俺と先生は逢ってるけどな』


『嫌がる女の脳味噌弄くって惚れさすような奴に、ハインはやらん!』





『―――――たかが14年―――――』





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774 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:26:49 ID:81h/FWDo0







 ふ ざ け ん な ――――







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775 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:28:03 ID:81h/FWDo0

【从 ゚∀从side】

从;゚∀从「……んあ……?」ピタッ

 何かに呼ばれた気がして、ふと後ろを振り返る。
 この距離じゃ伊藤の声も届かないってのに何だろう。幻聴か?
 どうやら脳内の酸素が限界みたいだ。こりゃ先生に口移しで補給してもらいませんとな!

≡≡┏从;゚∀从┛「ハッ!! そぉぉぉぉぉうだ先生だぁぁぁぁぁっ!!」バビューン

 そうだ、幻聴なんざに足止め食らってる時間は無ぇ!
 俺は今すぐ先生のもとに向かわなきゃなんねえんだ! コンマ1秒も無駄に出来ねぇんだ!
 とにかく今は走る! そのためなら酸素だろーが窒素だろーがいくらでもくれてやらぁ!!

≡≡≡┏从;゚∀从┛「よぉぉぉぉぉっしゃ階段発見じゃぁぁぁぁぁっ!!」

 そうこうしてる間に、俺の目に下階へと続く階段が飛び込んできた!
 ぃよっしゃあ待ってて下さい先生! 間もなく貴方のナイトが馳せ参じます!!
 今頃俺を心待ちにしてくれているであろう先生のため、俺は階段を降り―――

Σ从; ∀从≡≡≡「っばんなっ!!」バッチーン

 ―――ようとして、見えない力に弾き飛ばされた。

776 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:30:29 ID:81h/FWDo0
从;゚∀从ゞ「痛っ……ちょ、通れねぇじゃねぇか! 痛っ!!」ヒリヒリ

 何も無い空間に猛烈に打ちつけた鼻をさすりながら、俺はもう一度階段に手を伸ばした。
 確かに何も無い。何も無いのに、まるで壁があるがごとく手が進まない。
 今の俺を大道芸人が見たら、新進気鋭のパントマイマーとしてスカウトしにくることだろう。

从;゚∀从「てか何だよ伊藤……『行きなさいよ』じゃなかったのかよ……嘘つき……」

 この見えない壁が取っ払われるのは、その階の戦いに決着がついた場合のみ。
 つまり下階に行けないってことは、伊藤がまだ負けを認めていないってことだ。
 じゃあさっきの無言の敗北感は何だったんだ! 俺ジーンってなっちゃったじゃねぇか!

从;゚∀从(クソ、てことはやっぱり伊藤倒さなきゃなんねえんじゃん……ぬか喜びさせんなよ……)

「……………」

从;゚∀从(しゃあない、今は隠れて体力回復しよう……伊藤も撒けたわけだし……)

「………ィィィィィ…………」ド

从;゚∀从「チッ、また幻聴かよ……どうせなら先生のボイスでウィスパーしろよ……」

「……ィィィィィィィィィィン………!! ………ィィィィィィィィィィィィィィィ……!!」ドドドドド

从;゚∀从「……あれ? 幻聴どころか幻覚まで……」

777 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:31:20 ID:81h/FWDo0





┗( 々 #*川┓≡≡≡≡≡「ハアアアァァァァァッイイイイイイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!!!!
            スキスキスキスキスキシュキシュギジュギィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!!!!!」ドドドドドドドドド

从;゚Д从「おおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!??」





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778 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:34:26 ID:81h/FWDo0

 イルカに犬、チンパンジー。「知能」が高い動物は大して珍しい存在じゃ無い。
 ただ、それに加えて「理性」を併せ持ってんのは、このデッカい地球で人間だけらしい。
 つまり理性を手放しちまえば、人間なんてちょっとデカいサルと変わらない。
 以上のことは、昔『どうぶつ奇想天外』で千石先生が言ってたことの丸パクリだ。

( Д゚#*川「ハァハァ……ァイン、ミジュケダ……ジュキ……!!」グルルル

::从;゚∀从::「うわうわうわうわうわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!
      『伊藤』が『かつて伊藤だったナニカ』にぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」

 まぁ噛み砕いて言うとね! 伊藤がちょっと目を離した隙に人間辞めてたということね!
 目ぇ血走ってるしヨダレ垂れ流してるし! 女芸人でもここまで女捨てたりしねぇぞ!?
 アレか、悪霊に魅入られたか!? ちくしょう悪霊め、取り憑く体選べや!

( 、 #*川「ハァイン、アイン……!! 好き、ズギィ……!!
     シュキ、ジュギ……生きとし生ける全てのモノの中で群を抜いてジュギィ……!!」フシュルルル

::从;゚∀从::「ひえぇぇぇぇぇエロエロエッサイムエロエロエッサイム悪霊よ出て行けぇぇぇぇぇっ!!」

( 、 #*川「……好きだがら……傷つけたく、ながっだ……!!」ハァハァ

从;゚∀从「エロ……?」

779 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:37:27 ID:81h/FWDo0
::( 、 #*川::「ずっど、ずっど好きだっだ……分娩台で隣り合った時から、ずっど……!!」ゴゴゴゴゴ

从;゚∀从そ「出生時から!? あり得ねえだろ、てか出生時の記憶あんのかよ!!」

::( 、 #*川::「これは余談だげど……ワダシのママはレズで、パパはホモ……!!」ゴゴゴゴゴ

从;゚∀从「お前同性愛界のサラブレッドじゃねぇか! なるべくしてこうなったのな!」

 なんだこれ、野生化した伊藤からつらつらとレズのルーツが綴られていく!
 コイツこんな激白するために理性かなぐり捨てたわけじゃねえよな!? シラフでやれよ!

::( 、 #*川::「そう、ワダシは変態……アンダは14年間変態と共に年を重ねてぎたのよ……!!」

从;゚∀从「怖いことを言うな! 二度とアルバムめくれなくなるだろ!」

::( 、 #*川::「……でも、変態でも……!! この恋は本物なのよ……!!」

从;゚∀从「!! ……」

::( 、 #*川::「わがっでんのよ……わだしは『指揮帝』に洗脳されてで、アンタは敵……」ブルブル

::( 、 #*川::「『指揮帝』に刃向かうアンタを、殺じてでも止めなきゃなんないなんでわがっでんのよ……」ガクガク

::( 、 #*川::「……でも、幼なじみとして、ひどりの女とじて……!!
        アンタを、好きな人を傷つけるなんでこど、絶対したぐながっだ……!!」プルプル

从:゚∀从「……伊藤……」

780 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:39:16 ID:81h/FWDo0
 ところどころ獣人みたいになりながらも、伊藤は思いの丈をボロボロと吐き出していく。
 思い起こせば、伊藤はどんだけ俺を舐めまわしにかかろうが、直接攻撃だけは絶対してこなかった。
 それが、洗脳されながらも伊藤が貫き通した、不器用すぎるプライドだったのだろうか。

从;゚∀从(……俺はこの話をどんなテンションで聞けばいいんだ……)

 いや、いい話っぽい雰囲気だけどだいぶおかしいぞ? ペロペロは純愛に含まれないぞ?
 俺がどんな顔で話聞けばいいのか困ってると、伊藤は唸りながら言葉を続けた。

( 、 #*川「……だから……アンタには自分からギブアップしてほしがったのに……」ガルルル

( 、 #*川「全然諦めない……そればかりか、あたしとの麗しき14年間をたかが呼ばわり……!!」

( 、 #*川「もういいわよ……そっちがその気なら、あたしのものにならないって言うなら……!!」フッ

从;゚∀从そ(!! 来―――)



⊂≡≡≡( Д #*川「ちょっとくらい痛い目見てもらってもいいわよねぇっ!!!」ガスゥゥウッ

从: ∀从≡≡「ぅがっ!!」カハッ



,

781 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:40:46 ID:81h/FWDo0
 避けるとか防ぐとか、そういう判断をする隙すら無く。
 伊藤の繰り出した何の小細工も無いパンチは、無防備な俺の腹を撃ち抜いた。
 口ん中に血の味が広がる。流血沙汰は磔ドMの仕事だろうが、アイツどこにいるんだ。

( 、 #*川「フゥゥゥゥ……どーよ、『拳速』をギリギリまで引き上げたパンチは……!!」

从; ∀从「うぷ……いきなり腹パンとか、お前は三原じゅん子か……」ガフッ

 油断も余所見もしちゃいない。単純に、目で追えなかった。
 それほど伊藤の拳は速い。ミートポイント次第ではあばら逝っちゃってたぞ。
 そんな伊藤は目ぇギラギラさせながらハアハア言ってる。さっきまでとはハアハアの意味合いが違う!

从;゚∀从「ぐへぇー……お前、どんだけ数字いじくってんだよ……バグチートかよ……」ペッ

( 、 #*川「フゥゥゥゥ……!! 戦闘に使えそうな数値は全部引き上げたわよ……!!
      拳速、脚力、体力、防御力、動体視力、唾液の分泌量etc.……!!」

从;゚∀从そ「唾液の分泌量!? 何でだ、戦闘に唾液が役立つタイミング無いぞ!?」

( 、 #*川「唾液がいっぱい出れば、傷だらけのアンタを舐めた時に役立つでしょうが!!」

从;゚∀从「そういうところはそのまんまなのかよ!! タチ悪くなっただけじゃねぇかよ!!」

782 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:43:29 ID:81h/FWDo0
( 、 #*川「何はともあれよ……作戦変更、アンタはボッコボコにして気絶させる……!!
     そんで下に降りて先生を殺して、最終的にはペロペロペロリンチョよ……!!」ゴゴゴゴゴ

从;゚∀从「そのオチは変わんないんだ! 一番練り直してほしい部分だったんだけどな!」

○≡≡( Д #*川「やかましぃぃぃぃぃ!! ほらほらどんどん私の愛を受け止めてもらうわよぉぉぉぉぉ!!!
         好き好き好き好き好き好き好き好き好きぃぃぃぃぃっ!!!」ズババババババ

从;゚∀从「うおぉぉぉぉぉスタープラチナみたいだぁぁぁぁぁっ!!」ガガガガガ

 ワニワニパニックを彷彿とさせるような高速パンチのラッシュを、身を屈めながら耐え忍ぶ。
 急にファイトスタイル変わり過ぎだろ! 魔裟斗かよ!

从;゚∀从(……だが、ガード出来れば結構凌げるな……)ガガガガガ

 パンチを受け続けてわかったことだが、伊藤はパンチ力に関してはそんなに上げてない。
 伊藤の目的は俺をいたぶること。ゆえに一撃では殺さず、じわじわと痛めつけるつもりなのだろう。
 だが、だからと言っていつまでもこのラッシュは耐えられないし、伊藤も冷静さを取り戻すかもしれない。

从;゚∀从(つまり、伊藤が我を失っている今が最大のチャンス!!)

○≡≡( Д #*川「ああああああぁぁぁぁぁぁぁ!! 好きだわぁ、めっちゃ好きだわぁぁぁぁぁっ!!!
         好きだからこそ拳に力も入るわぁぁぁぁぁっ!! 愛で空が落ちてくるわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ダガガガガ

从;゚∀从「こっち作戦練ってんだから集中させろやぁぁぁぁぁっ!!」

783 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:46:47 ID:81h/FWDo0
 なんだよコイツ、物理的ダメージと精神的ダメージを同時に与えてくんじゃねぇよ!
 だが残念だったな伊藤! ハインちゃんの超頭脳は既に勝利の方程式を導き出しちゃったぜ!
 吠え面かくなよ伊藤! だからと言ってアヘ顔を晒すなよ伊藤!!

○≡≡( 、 #*川「ソイヤソイヤソイヤぁぁぁぁぁ!! 防いでばっかじゃ勝てないわよぉぉぉぉぉ!!
         なんせ私の体力は底無しだからねぇぇぇぇぇ!! そうまるで恋のように!!」バババババ

从;゚∀从つ「ハッ、この本家クレイジーサイコレズが……そうやってソイヤソイヤ出来んのも……」ブォォォォ

 伊藤の猛攻をガードしながら、こっそりと『重力±』を発動させる。
 とはいえ、この至近距離で伊藤に重力負荷をかけたら俺まで巻き込まれちまう。
 だから、「伊藤」に「負荷」はかけない。俺がやるのは全く逆!

从;゚∀从≡≡≡「 い ま の う ち じ ゃ こ ら ぁ っ ! ! ! 」ピューン

( 、 #*川≡「!!!」グラッ

 「俺自身」にかかる重力を「軽減」させる!!

 重力に縛られなくなった俺の体は伊藤の攻撃により、風船のように吹き飛ばされる。
 こうすることでダメージを抑え、伊藤から距離を取ることが出来るって寸法よ!
 細かい物理法則とかは気にすんな! 所詮は学の無い14歳の戯言だ!

784 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:48:16 ID:81h/FWDo0
从;゚∀从(そんですかさず『重力±』解除! 伊藤の体勢が崩れた今が大チャンス!!)シュタッ

从;゚∀从つ(今までは発動する前に×0されてたが、今の伊藤にそれは不可能!)サッ

从#゚∀从つ「行くぜ伊藤ぉ……!! 幼なじみのよしみだ、最大出力で縛り付けてやる……!!」コォォォォ

( 、 #*川「――――っ!!!」





从#゚∀从つ「『 1 2 0 % 荷 重 《マキシマムグラビティエイション》』 ! ! ! 」ドパァァァン!!!










从;゚∀从つ「……………あり?」シーン

( 、 #*川「こんなこともあろうかと、オートで重力×0になるよう設定しておきました」

\从;゚∀从/「そんな殺生なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」



,

785 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:50:36 ID:81h/FWDo0
○≡≡( Д #*川「はいそんなわけでズドーン!!!」ズドーン

从; ∀从≡「こすたりがっ!!」ガツーン

 なんじゃそりゃぁぁぁぁぁっ!! なんでそんなこともあろうと思ったんじゃぁぁぁぁぁっ!!
 やべぇじゃん、手詰まりじゃん! 身体能力底上げした伊藤に肉弾戦では勝てっこねぇし!
 ちょっとは付け入る隙を残せやぁぁぁぁぁ!! 備えあれば憂いなしかぁぁぁぁぁっ!!!

○≡( Д #*川「ダララララぁぁぁぁぁっ!! 怒ってるのは私だけじゃないのよぉぉぉぉぉっ!!
        これはミカ(レズ)の分! これはアヤナ(レズ)の分!! 
       そしてこれがナターシャ(レズ)の分よぉぉぉぉぉ!!!」ドガガガ

从;゚∀从「知らないレズの怒りを俺にぶつけんなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! 誰だぁぁぁぁぁっ!!」

 止まらない伊藤の百烈拳、それをただ耐えることしか出来ない俺。
 逃げられない、避けられない、攻められない。俺の全てが伊藤には通用しない。
 もはや俺に出来ることは、伊藤の恋人としてこの身の全てを委ねることのみ―――>( 、 #*川

从;゚∀从「勝手なナレーション挿入すんな!! 思ってねぇかんな最後の方!!」

 しかし実際は、まんざらでもないと思っているハインなのであった(CV:キートン山田)>( 、 #*川

从;゚∀从「ちびまる子ちゃんみたいにすんな!!」

786 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:53:06 ID:81h/FWDo0
( 、 #*川「全く……本当に諦めの悪い子ね……(CV:キートン山田)」

从;゚∀从「声戻せや! キートンさんには日曜6時に帰ってもらえや!」

( 、 #*川「まぁ、へばってもらっても困るけどね……私の愛はまだ1/3も伝えきれてないんだから……!!」ユラァ

从;゚∀从「うっせバーカ……俺の純情な愛情は先生が予約済みなんだっつーの……」ハァハァ

( 、 #*川「……」

 息も絶え絶えになりながら、俺はキートン伊藤に精一杯の強がりをぶちかます。声帯操る能力者かコイツ。
 絶体絶命なのはわかってんだよ、だけど俺が諦めたら先生が危険であぶねえんだよ!
 だから俺は諦めねぇ! 諦めないでって真矢みきに振り返りざまに言われたんだ!

从;゚∀从「にゃろう……テメェ肘出せ、俺の雷神拳(ファニーボーンクラッシャー)を叩き込んで……」

( 、 #*川「……口を開けば先生先生……あんな疲れた顔のおっさんがよくて、なんで私じゃダメなのよ……」

从;゚∀从「女だからだよ!! 俺の異性愛とお前の同性愛を比較対象にすんな!」

( 、 #*川「……変わんないでしょ……同性だろうが異性だろうが、どっちの恋も叶わないんだから……」

从;゚∀从そ「!! ……」

787 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:55:10 ID:81h/FWDo0
( 、 #*川「アンタがどれだけ想おうが、先生は妻子持ち。アンタを異性としてなんか見ちゃいない」

( 、 #*川「一緒よ、私達は。叶わない恋に夢中になってる、気持ち悪いガキんちょよ」

( 、 #*川「……だからこそ、わかるでしょ……? 好きな人が振り向いてくれない辛さも、それを受け入れざるを得ない苦しみも……」

( 、 #*川「一緒にいた時間を、『たかが14年』で切り捨てられる絶望も……!!」

( Д #*川「わかるでしょぉ!? 受け止めてよ、私の怒りを、悲しみを、愛を!!!
      アンタなら理解してくれるわよねぇ!! 他の誰でもない、私が愛したアンタなら!!」

从; ∀从「……」

 今まで自分が積み上げてきたものを全て捨てて、伊藤は心の丈をぶちまけた。
 正直、伊藤の言うことはめっちゃよくわかる。東進の授業ばりによくわかる。

 俺も伊藤も、端から見ればただのイカレた中学生だ。何も違わない、ただ恋愛対象が違うだけ。
 それゆえに伊藤の言う辛さも苦しみも理解出来る。相手に突き放される絶望がいかほどのものかも。
 俺だって、先生に面と向かって拒絶されたらどうなるかわからない。首もげちゃうかもしれない。

从; ∀从「……わーったよ、たかが14年っつったことは謝るよ……」

( 、 #*川「ハッ、今更謝られても私の怒りと性欲はとどまることを……」

从;゚∀从「でもな……だったらそっちだって理解してくれるよな……?」

( 、 #*川「……何をよ……エイヒレの美味しさとかならまだ理解出来ないけど……」

788 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:56:32 ID:81h/FWDo0
从;゚∀从「確かに俺とお前は同じタイプだよ……性に溺れたド変態だよ……」

从;゚∀从「俺だって先生に嫌われたら臓物吐き出すくらいショックだし……それに関してはすまなんだ」

( 、 #*川「ふんだ、今更謝られてもね……今度一緒にサンリオショップ行ってくれないと許さないわよ……」

从;゚∀从「でもなぁ、一緒だからこそわかんだろ? 俺が先生を諦めらんねえことくらい!」

( 、 *川「………」

从;゚∀从「好きになったらもう止まらない!! 周りのことなんか考えられない!!」

从;゚∀从「例え他人に好かれようが、相手に嫌われようが気持ち抑えられない、曲げられない!!!」

从#゚∀从「 そ れ が 俺 達 じ ゃ ろ が い ! ! ! 
     恋 す る 乙 女 っ て も ん じ ゃ ろ が い ! ! ! 」バァァァン

从∫#゚∀从∫「わかるよな!? お前ならわかってくれるって知ってんぜ!? 奇しくも幼なじみだから!」キシャーッ

○≡( Д #*川「……わかってるわよ、だからこそムカつくのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」グァァァァ

从つ;゚∀从つ「よっしゃぁぁぁぁぁノープランだがかかって来いやぁぁぁぁぁ!!!」ブァァァァ

789 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:57:53 ID:81h/FWDo0





「そのガールズトーク、オレも混ぜてくれヨ」

( 、 #*川「!! 何奴!!」

从;゚∀从そ「なにやつ!?」

「フゥ……遅れてゴメンなハイン……だいぶ手こずったヨ……」

从;*゚∀从「ハッ! その癖のある語尾は、まさか……!!」クルッ

「でももう大丈夫だ、オレがお前を守るヨ……そう、このオレ……」




,

790 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 22:59:15 ID:81h/FWDo0





<ハハ ロ -ロ)ハ/「 ハ ロ ー 三 宮 が ! ! ! 」ババーン

从;゚∀从「えええええええええええええええお前ええええええええええええええええええええええええええええ!!!??
     先生かと思ったああああああああああ語尾にだヨとか付けるから先生かと思ったああああああああああああ!!!」

ハハ ロ -ロ)ハ「何を言ってるんだヨ、オレは前からコウイウ喋り方ダーヨ」

从;゚∀从「そんな喋り方じゃなかっただろうが!! そんな一人称でもなかっただろうが!!」

ハハ ロ -ロ)ハ+「ソレはともかくペニサスサン……オレは簡単に妹になるほど軽いオンナじゃネーヨ……?」ゴゴゴゴゴ

( 、 #*川-::;;「フフフ……良いわーヨ、2人まとめてオレが可愛がってあげるんダーヨ……!!」ゴゴゴゴゴ

从;゚∀从「お前らは緊張感ってもんをシラネーのかーヨぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」




.

791 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:10:44 ID:81h/FWDo0

【数分前・3階】

(゚、゚;トソン『ーーー、という作戦なのですが……』

ハハ;ロ -ロ)ハ『………』ゴクリ

/ ゚、。;/『そんな……それしか無いの!? 不破さんの方はともかく、伊藤さんに、そんなこと……!!』

へ( ^Д^)へ『壁です』

(゚、゚;トソン『無論、肉体的にも精神的にも危険な作戦です……そして何より、貴女方の信念に根本から反する……。
     ですからこの役割は、私が請け負って……』

ハハ ロ -ロ)ハ『……NO……その役割は、ワタシにやらせてオクンナマシ……』

Σ(゚、゚;トソン『えっ……!?』

へ( ^Д^)へ『壁です』

/ ゚、。;/『なっ……だ、大丈夫なのハローさん!? だって貴女、確か……!!』

ハハ;ロ -ロ)ハ『……言いたいコトがありマシテネ……ペニサスサンにも、ハインサンにも……』

へ( ^Д^)へ(壁って暇だな……)

792 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:11:48 ID:81h/FWDo0

【2階・ビロード&フォックス安静中】

( ><)「えーと、『聖騎士』の『し』ですから……し、し……『疾風怒濤』!!」

爪'ー`)y‐「ほぅ、小癪だねぇ。じゃ、『ウォーターカッター』の『た』で」

(;><)「えー、また『た』ですかー!? 『淘汰』とか『ハイパーメディアクリエーター』とかで散々使ったじゃないですか!」

爪'ー`)y‐「フッ、『他言無用』や『ターンエンド』はもう使っちまったぜ? そろそろ年貢の納め時かい?」

(;><)「ふぐぅ、た、た……あっ、た、『タルタロス』!!」

爪'ー`)y‐「ほう、まだそんな隠し玉を持ってやがったか。ヘヘ、まだまだ楽しめそうだな……」

(;><)「フフフ……『カッコいい言葉しりとり』はここからが本番です……!!」

/ ゚Д。#/「 な ー に や っ て ん だ 男 子 ぃ ぃ ぃ ぃ ぃ ! ! ! 」クワッ

爪'ー`)y‐「 ! ! ? 」(><;)

793 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:13:08 ID:81h/FWDo0
/ ゚、。#/「これだから男子は!! 人が頑張ってる時に遊んでるような輩は非常識よ!?」プンスカプップー

(;><)「す、鈴木さん!? 何でここに、てか何で標準語なんですか!?」

/ ゚、。;/「あっそうだ、狐ヶ崎君いるんだ……清雅の淵に置き去りにされたグリモワールの生贄!」

爪'ー`)y‐「『そんなことより、不破さんはどうしたの!?』だとよ」

(;><)「普通に喋れるんなら普通が一番いいんですけど!」

(゚、゚;トソン「ハァハァ、置いてかないで下さいよ鈴木さん……急に『非常識臭が!』とか言って走るから……」ツッテケテー

(;><)「あっ、レズだ!」

(゚、゚;トソン「違いますよ! とんだご挨拶!」

爪'ー`)y‐「違うぜ若内。そこにいるのは暗い井戸から掬われた白い燕だ。そうだろう?」

(゚、゚;トソン「違いますよ!! 違うかどうかよくわかりませんけど!!」

(;><)「この感覚久方ぶりなんです!」

794 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:14:45 ID:81h/FWDo0
/ ゚、。;/「岩壁に咲く一輪のクロッカスは聖母が掴む神話のプロローグ!」

爪'ー`)y‐「『そんなことはどーだっていーのよ! 我々がすべきことは現状把握よ!』だとよ」

(゚、゚;トソン「そうですね! 教えて下さい若内君、不破さんはどこですか!?」

(;><)「不破さんは僕らをボロ雑巾にした後1階に……てか何で都村さんがいるんです!? 敵やん!」

/ ゚、。;/「深遠に放り込まれしワイヴァーンの息吹は英霊を讃える……」

爪'ー`)y‐「『ということは、今1階には不破さんと沢近さん、そして先生がいるってことよね……』だとよ」

(゚、゚;トソン「ええ、かつ誰も上がって来ないということは、少なくとも先生はやられていないということ……」

┓(;><)┏「ねぇ、何で都村さん溶け込んでるんですか!? そしてハローさんはいずこへ!? ホワイ!?」

/ ゚、。;/「鏡の縁のハンプティダンプティが陥る久遠の墓……」

爪'ー`)y‐「『そしてさっき聞こえた絶叫……声質から察するに、沢近さんのものとみて間違いない……』だとよ」

(゚、゚;トソン「つまり、先生は沢近さんを撃退し、現在は不破さんと交戦中の確率が高いですね……」

(;><)「わかんないんですぅぅぅぅぅ!! 疎外感が凄いんですぅぅぅぅぅ!!」

795 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:16:36 ID:81h/FWDo0
⊂/ ゚、。;/「光の都のダイダロス……悠久回廊に佇む残響!」ガシッ

爪'ー`)y‐「『となると一刻の猶予も無いわね……何呆けてんの若内君、行くわよ!』だとよ」

(;><)つ「ぴぇっ!? 行くってどこになんです、僕はまだ何もかもわかんないんです!」グイッ

/ ゚、。;/「ゼロの世界で崩壊の時計を眺める機械仕掛けのアリス!
      (狐ヶ崎君はここで都村さんの指示を仰いで! 常識の範囲内でね!)」

爪'ー`)y‐「フッ、了解だ。波打ち際でチャプチャプ戯れてんのにも飽きたしな」

(;><)「双方何言ってるのかわかんないんです! 通訳の変更を所望するんです!」

≡≡≡⊂/ ゚、。;/「アダムとイブの林檎に隠された地獄変のカタストロフ!!
          (とにもかくにも来やがりなさいな! 都村さん、あとはシクヨロ!!)」ピューッ

≡≡≡(;><)つ「わかんないんですぅぅぅぅぅ!!!」ピューッ

ヾ(゚、゚;トソン「寂しいんで早めに戻ってきてくださいねーっ!!」ブンブン

爪'ー`)y‐「さて都村、俺は思いのままに気のままに風と話してればいいんだっけか?」

Σ(゚、゚;トソン「鈴木さんに何を吹き込まれたんですか!?」

796 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:18:29 ID:81h/FWDo0
爪'ー`)y‐「よし、やってやろうぜ。俺達の歌声で世界をスタンディングオベーションさせてやろうぜ」

(゚、゚;トソン「そんな意図はありませんよ! 我々の目的は先生の救出です!」

爪'ー`)y‐「先生の? だったら話は早ぇ、1階に行こうぜ。そう、眩い木洩れ日のように」

⊂(゚、゚;トソン「腹立つ……!! いや、そうもいかないんですよ……これを見てください」パリッ

爪'ー`)y‐「ほぉ……コイツぁ旅人の道を寝っ転がってふさぐ巨人の大いびきじゃねぇか」

(゚、゚;トソン「何がどう見えてるんですか! これはその階の敵が戦闘不能にならない限り別階に行けなくするバリアです。
      2階の担当は不破さん、その不破さんは1階にいる。わかりますね?」

爪'ー`)y‐「ああ、結局戦争を無くすのはお偉いさんのスピーチじゃなくて風来坊のギターだってことだろ?」

(゚、゚;トソン「わかってない! つまり不破さんが気絶でもしない限り、誰もこの階段を通れないってことです!」

爪'ー`)y‐「なるほど、つまり俺がやるべきことは歌の力でバリアを打ち消すことだな?」

(゚、゚;トソン「やれるもんならやってくださいよ!
     今から行うのは、そのバリアを逆手にとった作戦です……!!」

爪'ー`)y‐「ところで、何で都村は普通に仲間面して溶け込んでんだ?」

Σ(゚、゚;トソン「今更!!!??」

797 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:19:13 ID:81h/FWDo0

【 1階 シラネーヨVSデレ 】

*( - -)*「……スゥ……スゥ……」キゼツー

*(*- -)*「……うへへ……まさか、私がホリプロスカウトキャラバンで優勝するなんて……」ムニャムニャ

『米』ボソッ

*(;- -)*そ「!?」ビクッ

『米……米米米……インディカ、コシヒカリ……米米、米米米米米……神尾米……』

*(;- -)*「う、うぅぅぅん……米がぁ……米がホリプロを埋め尽くすよぉ……」ウーンウーン

『米に抗うのではありません、米を受け入れるのです。さすれば道は畦道の如く拓かれる』

*(;- -)*「こ、米を……受け入れる……」

『米こそがこの世の心理……米は地球を救う……24時間米テレビ……!!』

*(;- -)*『うぅぅぅ……さくらふぶきの……おこめのそらに……』



*(;‘‘)*「ってどういうこっちゃねん!!!」ガバッ

lw´‐ _‐ノv「チッ、気ぃ失ってる間に刷り込み洗脳したろうと思ってたのに」チッ

*(;‘‘)*「マジで何やってんの!?」

798 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:20:17 ID:81h/FWDo0
\lw´‐ _‐ノv>「やぁヘリィ、お目覚めいかが? 下半身がコビトカバになる夢は見れたかい?」シャキーン

*(;‘‘)*「見れるか! うぅ、脳内で米っ米ループしてるよ……焼き付いてるよ……」

lw´‐ _‐ノv「フフフ……これからはパンに抱かれながらも米の夢を見るアバズレ生活が待ってるぜ……」

*(;‘‘)*ゞ「何言ってんの!? うぅ、頭クラクラする……何があったんだっけ……」

lw´‐ _‐ノv「思い出してヘリカル……!! 農業高校を受けると決めたあの夏を……!!」

*(;‘‘)*「覚えが無いんだけど! そうだ、私は先生に負けて、説教されて、気絶して……」

lw´‐ _‐ノv「それを漁師が鉄砲で撃ってさ。煮てさ。焼いてさ。食ってさ」

*(;‘‘)*「うるせぇなもう! ていうかなんでシューちゃんいるの!? 今更だけどさ!」

lw´‐ _‐ノv「何を言いなさる。私は風……どこにでもいてどこにもいない……」コォォォォ

*(;‘‘)*「イラつく! だったら先生は? 私倒した後どうなったんよ?」

lw´‐ _‐ノvσ「あー、先生なら、ほれ」チョイ

*(;‘‘)*「んあ?」クルッ

799 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:23:22 ID:81h/FWDo0





::ζ(゚ー゚;*ζ::「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁきゃめるくらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっち!!!」ギュゥゥゥゥッ

(;´Д`)「っこ、っああああああああああっ!!!あっ、痛、ああああああああんああああああああっ!!!
      もげちゃうもげちゃう首もげちゃうクビネーヨになっちゃうぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!」ギリギリギリ

*(;‘‘)*そ「  !  !  ?  」バギャーン

(;´ー`)「んがぁっ、あっ、ヘリカル! おはよう、ちょっと助けてもらえるかヨ!?」ギリギリギリ

*(;‘‘)*「無茶言うなよ! 寝起きの幼女に無茶強いるなよ!」

(;´ー`)「ですよねぇぇぇ……じゃ、じゃあシュール……!!」ギリギリギリ

≡≡┏lw´‐ _‐ノv┛「やべ、歯医者の時間だ!」ドピューン

(;´Д`)「しゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」





,

800 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:24:36 ID:81h/FWDo0

【( ´ー`)side】

::ζ(゚ー゚:*ζ::「うおぉぉぉぉぉっ!! これぞ不破家に代々伝わるキャメルクラッチですぅぅぅぅぅっ!!!」

::(;´Д`)::「お前の先祖プロレスラーかヨぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

*(;‘‘)*「どういう状況だこれ! 寝起きの一発でなんだこれ!」

 不破に目を付けられてから約1時間。なんやかんやあって、俺は首を絞められていた。
 お前柔道メインじゃねぇのかよ! なんでガッツリしたプロレス技なんだよ!!
 さっきからタップしてんのに全然やめてくんねぇし! レフリー呼べレフリー!

(;´ー`)(てか、不破の自己評価の低さがこんな形で効いてくるとは……!!)

 そんで、ずっと不破に関節をとられまくっているうちに、わかったことがある。
 知っての通り、不破の戦闘力は規格外。なんとびっくり、熊倒したことあるらしいぜ。
 にも関わらず、彼女は自分自身をタニシより弱いと思い込んでいる。
 その自己評価の低さは一見弱点っぽいが、実はそうじゃない。むしろ真逆、とんでもない武器だった。

::ζ(゚ー゚:*ζ::「すいません先生、弱い私が先生を倒すには全力キャメルクラッチしか無いんですぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」ギュゥゥゥゥ

::(;´ー`)::「絶対他にあるヨぉぉぉぉぉ!! 一緒に模索していこうヨぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 自分を弱いと思い込んでいるがゆえに、不破は絶対に手を抜かない。

801 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:26:09 ID:81h/FWDo0
 獅子搏兎。百獣の王ライオンは、自分より全てが劣るウサギを狩るのにも全力を尽くすと言う。
 要するに格下相手でも手を抜くなヨってことわざだが、これがなかなか難しい。

 仮に自分がボブサップばりのゴリマッチョだったとして、涙目で震える幼女をボッコボコに出来るか?
 俺には多分ムリ。例え幼女に100億の懸賞金がかかっていたとしても、本気で殴るとか良心的にムリ。
 その結果、幼女に股間のボブをサップされてKOされちゃうかもしれない。そのくらい、自信と油断は密接なのだ。

ζ(゚ー゚;*ζ「うわあああもっと締めなきゃぁぁぁぁぁ!! 殺らなきゃ殺られるぅぅぅぅぅぅぅ!!!」ギュムゥゥゥ

(;´ー`)「殺らネーヨぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!! てか殺れネーヨぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」ギリギリギリ

*(;‘‘)*「すげぇ! 特に理由のわからない暴力が先生を襲ってる!」

 ところがぎっちょん、このライオンさんは自分をバッタか何かだと勘違いしちゃってる。
 その結果、ウサギな俺を圧倒的格上だと思い込み、食われまいと全力でかかってくる。

ヽ(;´ー`)ノ「くっ、毎度お馴染みワックスエスケープ!」ヌルッ

ζ(゚ー゚;*ζ「あぁん、掴んでも掴んでも逃げていく……幸せとおんなじですね……」

(;´ー`)そ「ここにきて厨二らしさが顔を出した! ポエム系だったんだ!」

 すなわち、圧倒的パワーを持ちながら油断も慢心もしないモンスターの出来上がりってわけだ。
 この野郎ぉぉぉぉぉ!!! 不破デルタこの野郎ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!

802 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:28:01 ID:81h/FWDo0
┗ζ(゚ー゚;*┗ζ「さ、流石先生……このキャメルクラッチで落ちなかったのは先生と熊だけです……」ゴゴゴゴゴ

(;´ー`)「マジで!? 俺とんでもないところと並んだな!」プカプカ

*(;‘‘)*「……? はて……?」

 さて、どうしよう。今まで技をかけられてはワックスでヌルっと抜けるを繰り返してきたが、それも限界に近い。
 何故ならワックス乾いてきちゃったんだよ! 普通に廊下に艶が出てきたんだよ!
 くっそー、カーワックスとかヘアワックスとかいっぱい持ってくれば良かった!

(┛;´ー`)┛「くっそ……俺が口からワックスを出せる能力者だったなら……!!」プカプカ

*(;‘‘)*「……せんせ、せんせー……そこでポーズ決めてるワックス臭いせんせー……」

┗(´ー`;┗)「何だヨ! よい子は家庭科室行って寝てなさい!」グルン

*(;‘‘)*「そのポーズで振り返るな! いや、先生って説教しか能力無いよね……?」

(;´ー`)「そーだヨ、今そんな基本設定おさらいしなくてもいいだろうヨ!」

*(;‘‘)*「だよねー……だったらさ、何で先生プカプカ浮いてんの……?」

(;´ー`)「だーかーらー、俺が浮くなんてサザエさんが24歳ってことくらい基本設定……」プカプカ

803 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:28:50 ID:81h/FWDo0



( ´ー`) プカプカ

*(‘‘)*

ζ(゚ー゚*ζ

(´ー` ) プカプカ

*(‘‘)*

ζ(゚ー゚*ζ





ガビ―――プカプカ (;´ー`)「  浮  い  て  る  !  !  !  」ζ(゚ー゚;*ζ*(‘‘;)*――――――ッン





,

804 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:32:19 ID:81h/FWDo0
ヽ(;´ー`)ノ「ひょえええ何コレえええ!! 俺の体が若干浮いとるヨぉぉぉぉぉ!!」ジタバタ

*(;‘‘)*「うわぁぁぁ在りし日の私を見ているようだ! 具体的に言えば5話辺りの!!」

ζ(゚ー゚;*ζ「こ、これは舞空術……!! 父以外に体得者がいたなんて……!!」

(;´ー`)そ「お前の父ちゃん浮けんの!?」プカプカ

 せ、説明しよう! なんかわからんが俺浮かんでる! 説明終わり!
 何なのこれ、まさか絶体絶命の状況に追い込まれたことにより俺の中の未知のパワァが目覚めた的な!?
 だったらせめて都村に窒息死させられかけた辺りで目覚めろよ! お寝坊さんか!

ヽ(;´ー`)ノ「やだやだ、なんか更に高く浮かびだした! 怖いヨ怖いヨー!」プカーッ

*(;‘‘)*「すげぇ、真下から見た中年男性ってこんな感じなんだ!」

ヽ(;´ー`)ノ≡≡≡「ちょ、な、え、うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!??」ビューッン

*(;‘‘)*「飛んでった! 奇声をあげつつ飛んでった!」

ζ(゚ー゚;*ζ≡≡「ハッ、これはまさか……!! 沢近さん、追いかけますよ!?」ダッ

≡≡*(;‘‘)*「え、アタシも!? 私もうただのパンピーなんだけど!?」ダッ
806 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:33:50 ID:81h/FWDo0

【 2階 】


「………ぉぉぉぉぉ………」ゥゥゥ


「おおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ………」ピュゥゥゥ


≡≡≡(/;´ー`)/「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」バビュゥゥゥゥン

/ ゚、。;/「未開の幻想郷に据え付けられた煌めきのルシファー!!
      (先生が奇声あげつつ1階から飛び上がってきた!)」ビクッ

爪'ー`)y‐「新手の都市伝説になりそうな勢いだな」

807 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:34:58 ID:81h/FWDo0
(;´ー`)「なな、な、何だ今の……パワァか、じゃじゃ馬か俺のニューパワァ……」シュタッ

(゚、゚;トソン「良かった、成功した……先生、お怪我はありませんか?」ヒョコッ

(;´ー`)そ「あ、レズだ!」

(゚、゚;トソン「デジャヴ!!」

 急に浮かび上がって飛んでった俺の体は、階段をスルリと上がって2階に着いたところで地上に降りた。
 怖かったー! 急に飛ぶもんじゃねぇよ、初めてタケコプター使ったのび太もこんな気持ちだったのかな!
 そして気付けばゴスロリとスナフキンと宇宙海賊に囲まれてるという。今日ハロウィンだっけ。

(゚、゚;トソン「カクカクシカジカナナムジカというわけで、今の私はいつも通りのナチュラルトソンです」

(;´ー`)「そんなローソンみたいに……じゃあもうレズじゃないのな?」

(゚、゚;トソン「そりゃあもう。ちゃんとスペースコブラが理想の男性です」

(;´ー`)「それはそれでどうなんだろうな!?」

808 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:36:52 ID:81h/FWDo0
 そんで、2階で待ち構えていた都村に現状について懇切丁寧に教えてもらった。
 どうやらハローと鈴木が頑張って都村を戻してくれたようで。ありがたや。
 しかしコイツの立ち位置忙しいな。宇宙海賊になったりレズになったり。

(;´ー`)「じゃあ、俺が突然浮かび上がったのは……」

(゚、゚;トソン「私の能力です。気流を操って先生を持ち上げ、不破さんから引き離しました」

(;´ー`)「やるならやるって言ってヨ……俺もう空中浮遊トラウマになっちゃったじゃん……」

lw´‐ _‐ノv「これでもう人類が皆飛べる未来が来ても、先生だけは惨めに地を這うんだね」ヌッ

(;´ー`)そ「う゛ぁいよぅどっ!!」ビクッ

爪'ー`)y‐(培養土?)

(;´ー`)「あれ、シュール!? お前ここにいたのかヨ、歯医者の時間だって言ってたじゃん!」

lw´‐ _‐ノv「そうだよ、だから歯医者に来たよ。都村先生、左の奥歯が全部痛いよー」

(゚、゚トソン「どれどれ、口をアーンしてください……あー、これは神経が死んで……」

(゚、゚;トソン「って誰が都村デンタルクリニックですか!!」

(;´ー`)「話進めてもらっていい!? そのノリ懐かしいけど話進めてもらっていい!?」
810 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:39:22 ID:81h/FWDo0
(゚、゚;トソン「あ、はい……シュールさんには先生を浮かせる上でのナビをしてもらうため、メールで呼んだんです」

(;´ー`)「そっか……シュールは『掟紙』の効果外だから、別の階にも普通に行けるもんな……」

lw´‐ _‐ノv「いやいや。それは口実でホントはやらしいことしたくて私を呼んだんでげしょ?」

(;´ー`)≡≡「マジで!? やはりレズは未だ治らず!?」サーッ

(゚、゚;トソン「どんだけほじくられるんですか!」

/ ゚Д。;/「 揺 り 起 こ さ れ し ゼ ウ ス ! ! 
      ( 話 進 め ろ や ! ! )」クワァッ

爪'ー`)y‐「なんか懐かしいなこのボケ散らかってる感覚」

 いやはや、相変わらず宇宙海賊団の掛け合い漫才は安定感あるわ。チケ代払おっかな。
 そんであまりの話の進まなさに鈴木が吼えるのも懐かしい。1時間ちょいぶりのはずなんだけどな。

(;´ー`)「ところでハローとビロードはどこだヨ? 話じゃここにいるはずだが」

lw´‐ _‐ノv「何言ってんの……? そんな人達、最初からいないじゃん……」

爪'ー`)y‐「ドゥルルルルッ↑♪ ドゥルルルルッ↓♪ ドゥルルルルッドゥッドゥルルルルッ↑♪」

(;´ー`)「世にも奇妙な物語!?」

811 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:41:11 ID:81h/FWDo0
 えー、何これー。ハロー達のこと露骨にぼやかされたんだけどー。
 何なの、アイツらどこで何やってんの!? バックレたんじゃねぇだろうな!!

/ ゚、。;/「疾空に取り留めなく遊ばされるメリッサが時を掴む!」

爪'ー`)y‐「『ふざけてる暇は無いでしょ!? VS不破さんはまだ終わってないのよ!?』だとよ」

(;´ー`)「あっ、そうだ! 俺2階に来て大丈夫なのかヨ!? 閉じ込められたんじゃネーノ!?」

 そうだよ、不破1階に置き去りにしたから俺達上にも下にも行けなくなっちゃったじゃん!
 え、まさかこんな形で最終回!? ご愛読ありがとうございました! くぅ疲!

(゚、゚;トソン「大丈夫……2階にいながらにして不破さんに説教する方法があります……!!」

(;´ー`)「なにっ……!?」

lw´‐ _‐ノv「ねーねー先生、あのタラバとかズワイとかあるキモい甲殻類なんて名前だっけー」

(;´ー`)「かにっ……!?」

/ ゚Д。#/「 や か ま し い わ ! ! ! 」クワッ

爪'ー`)y‐「ボケの緩さに大してツッコミがいささか強いぞ」

812 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:42:16 ID:81h/FWDo0
(;´ー`)「どどどどういうことだヨ!? まさかこっから大声で説教しろと!? 吐血するヨ!?」

(゚、゚;トソン「いや、それだと距離取られたらおしまいです……ともかく鈴木さん!」

≡≡⊂/ ゚、。;/「エンヴィーの微睡む窓際に投げ込まれた深紅の林檎!」ガシッピュー

爪'ー`)y‐「『詳しくは後で話します! とにかく来てくださいな!』だとよ」

≡≡(;´ー`)つ「ぐおっ! 急に引っ張らんで、腕抜ける取れるぅぅぅぅぅ!!」グイッ

 急に走り出した鈴木に腕を引かれ、俺は2階の奥まで走り出す。
 ここにハインがいなくて良かったな鈴木、いたら多分お前嫉妬の炎に焼かれてるぞ!
 ていうか、何の能力も効かない不破を説教するなんて、一体……。

(;><)ノシ「先生! 待ってたんです、早くこっちゃ来いなんです!」

(;´ー`)「ビロード!? お前生きてたのかヨ!」

(;><)「まず死んだと思われていたことにビックリマンなんです! それより、早く入ってください!」

(;´ー`)「!! ここは……!!」

813 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:43:15 ID:81h/FWDo0

【 1階・階段前 】

*(;‘‘)*「………」

‖○≡ζ(゚ー゚;*ζ「せいやぁ!! せいやぁ、せいせいせいやぁ!!」バリーンバリーン

*(;‘‘)*「……デレちゃんデレちゃーん……」

‖○≡ζ(゚ー゚;*ζ「せいんとせい……なんでしょう沢近さん!? 手伝ってくれるのですか!?」バリバリーンバリバリーン

*(;‘‘)*「それは無いけど……何でバリアに一心不乱に拳を叩き込んでんのさ……」

‖○≡ζ(゚ー゚;*ζ「す、すいません……バリアぶっ壊そうと思いまして……」バリバリバリーン

*(;‘‘)*そ「素手で!? てか、先生2階に閉じ込められたんだから壊す必要なくなくない?」

‖○≡ζ(゚ー゚;*ζ「い、いえ……これには事情がありまして……」バリバリバリバリバリバリバリバリボーン

*(;‘‘)*「バリバリうるせぇなもう!!」

814 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:44:15 ID:81h/FWDo0
ζ(゚ー゚;*ζ「さ、先程のフライング先生は、おそらく都村さんが能力で操ったものですいません……。
       すなわち、都村さんのレズ化が解け、先生側に回ったことを意味しますいません……」

*(;‘‘)*「すいませんを滑り込ませないでもらえる!?」

ζ(゚ー゚;*ζ「私の能力は、一度相手の居場所を見失うと再認識するまで無効化出来ません……。
       つまり、今都村さんが遠隔攻撃してきたら私は防げません……ギタギタです……」

≡≡*(;‘‘)*「そっか……じゃあ私関係ないから家庭科室に逃げるね。バイナラ」ピュー

⊂ζ(゚ー゚;*ζ「いやいやどうしたんですか……急にどうしたんですか……」ガッシリ

、*(;‘‘)*ノ「ちくしょう離せぇ! 私もう無能力だからバリアとか関係ないんだよぉ!!」ジタバタ

ζ(゚ー゚;*ζ「そんなこと言わず一緒にいてくださいよ、『祕蜜の花園(リリィカルテット)』の仲間じゃないですか!」

*(;‘‘)*「人生の汚点だよ!!」

815 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:45:13 ID:81h/FWDo0
ζ(゚ー゚;*ζ「お願いです、1人じゃ寂しくて……寂しさのあまり内臓破裂しちゃいます……」

*(;‘‘)*「グロいわ! わかったよ、最後まで付き合うからやるならさっさとぶち破って……」

<ダーメダメダメダメオヤジー♪

*(;‘‘)*そ「!? 2階からフォックス君の声で『ダメおやじの唄』が!!」

<コノママイタンジャコロサレルー♪

*(;‘‘)*「くっそ、聴いてるだけで気が滅入る……デレちゃん、あっち仕掛けてきたよ……」

ζ( ー ;*ζ「ううう……私は激烈ダメ人間……」ズーン

*(;‘‘)*「めっちゃ効いてる!! この娘の弱点メンタルだ!!」

<ダバラバデビラバデレデレデ♪ダバラバデビラバデレデレデ♪

ζ( ー ;*ζ「死にたーい……人柱かなんかになって死にたーい……」ドヨンデス

*(;‘‘)*「ちゃんとやれやぁぁぁぁぁっ!!!」

816 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:46:30 ID:81h/FWDo0

【 4F ハイン&ハローVSペニサス 】

从;゚∀从「………」

从;゚∀从(……なあみんな……突然だが、地獄絵図って見たことある……?)

从;゚∀从(俺は1年くらい前に、他校との喧嘩に野犬の群れが乱入してきた時が地獄だったわ……)

从;゚∀从(あれは酷かったなぁ……まさか野犬と化したチャウチャウ犬があんなに強いとは……)

「……アアアアアアァァァァァァァァァァ………」

从;゚∀从(まぁともかく、人それぞれ地獄のイメージは違って当然だと思う)

从;゚∀从(……だけどさぁ……俺のイメージしてた地獄って、生ぬるかったんだなぁ……)

「あはははは!! まだまだ、まだまだよぉおおお!!!」

从;゚∀从(……だってさぁ……今、目の前に広がる光景が、地獄じゃなくて……)

817 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:48:28 ID:81h/FWDo0



つハハ;。ロ Дロ)ハつ≡††††††「ンア゛ア゛ア゛ア゛ア゛SMASHSMASHSMASHSMASHSMASHSMAAAAAAAAAAAAAAAASH!!!」シュバババババ

≡†††††( 、 #*川-=:::「うおおおお効かぬ効かぬ効かぬ効かぬ効かぬ効かぬわよぉぉぉぉぉっ!!!」グッサグッサグッサグッサグッサ

从;゚Д从「何が地獄だってんだああああああああああああああああああああああああ!!!!!」




.

818 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:49:32 ID:81h/FWDo0

【数分前】

ハハ ロ -ロ)ハ「さて……仲間を傷つけた罪、償ってもらうーヨ……?」ゴゴゴゴゴ

( 、 #*川「かかってこいーヨ……2人まとめて舐め尽くしてあげるーヨ……!!」ゴゴゴゴゴ

从;゚∀从「とりあえず口調戻せや! 先生を穢すな!」

 突如駆けつけたハローと狂戦士伊藤が、先生口調で相対す。
 俺が恋する乙女について語った時のアツい空気感は、完全に雲散霧消していた。
 あれ? 仲間の駆けつけイベントってこんなに間の抜けた感じだったっけ?

ハハ ロ -ロ)ハ「ハインサン、遅れてソーリー……あとは私にお任せアレ……」

从;゚∀从「お任せって……対抗策とかあんのかよ!? アイツ不死身の上レズだぞ!?」

( 、 #*川「こんばんは、不死身の上レズです」

ハハ;ロ -ロ)ハ「……」タラリ

819 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:50:31 ID:81h/FWDo0
 そうだよ、助けに来てくれたのは有り難いが相手は地上最強のガチ百合。
 しかも現在理性完全消失状態のため、説得の類とか絶対効かない。
 下手すりゃ伊藤の舌の肥やしが増えるだけだ。なんだよアイツ、トリコの敵キャラかよ!

从;゚∀从「どうするよ、アメリカがいくら同性愛に寛容でもオレは嫌だぜ……」

ハハ;ロ -ロ)ハ「……持ってキマシタヨ……不死身を倒す方法……」

从;゚∀从そ「めあっ!? マジで!?」

( 、 #*川「……へぇ……」

 伊藤の方を向いたまま、ハローは俺の心配を遮るように呟いた。
 ちょっと待って、不死身倒せんの!? 頭にクナイ刺さってもボケられるアイツを倒せんの!?
 すげえなアメリカ! 流石は自由の国、俺今度部屋にオバマの写真飾るわ!

从;゚∀从「よよよぉーっし! そんなんがあるならいっちょかましたって……」

( 、 #*川「アンタに出来んの……? 本当に、『不死身の対処法』が……」

从;゚∀从「ふぇ……?」

ハハ;ロ -ロ)ハ「……」タラッ

820 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:51:33 ID:81h/FWDo0
 伊藤の言葉に、ハローは冷や汗垂らして押し黙る。俺はそれをアホ面で見てる。
 わかったぞ、これ2人だけでわかってるヤツだな? 俺入れないヤツだな?

( 、 #*川「私だって単に無敵と思って不死身になってない。『対処法』はわかってる」

( 、 #*川「ただ、出来んの? ハローちゃん、貴女賢いからわかってるんでしょう?」

( 、 #*川「不死身を倒すということが、どういう意味か……」

ハハ;ロ -ロ)ハ「………っ!!」ゴクッ

从 ゚∀从(イタリア人って俺の思ってる何倍スケベなのかな……)

 2人がなんかカッコいい感じになってる横で、要らんことを考える俺。
 これだから頭いいヤツはヤダよー、アホったれのことを考えてくんないんだもーん。
 そうこうしてる間に、しばらくむつかしい顔で沈黙していたハローが口を開いた。

ハハ;ロ -ロ)ハ「……お忘れデスカ……ワタシだって、『恋する乙女』なんデスヨ……!!」

( 、 #*川「……」

从 ゚∀从(くら寿司行きてぇ……)

821 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:52:54 ID:81h/FWDo0
ハハ;ロ -ロ)ハ「ドンナに好きでもドウしようもない気持ちは、ワタシもわかるつもりデス」

ハハ;ロ -ロ)ハ「デスガ、一方的に主張をブツケるアナタの愛は、もはや暴力デス」

ハハ;ロ -ロ)ハつ†「愛とは相互理解……ツンデレ代表として、アナタに教えてあげマショウ……!!」スッ

( 、 #*川「ハッ……男子と健全な恋愛してるヤツにわかられてたまるもんですか……」ザッ

从 ゚∀从「そろそろ終わったー?」ハナクソホジホジ

 2人のピリピリモードがピークに差し掛かったところで、ひょっこり首を突っ込んでみる。
 ちなみに2人がピリピリしてる間、俺は夏休みの過ごし方を考えていた。
 今年も富山のババアんち泊まるんだろうなー、あそこの天井の木目怖いんだよなー。

ハハ;ロ -ロ)ハ「ハインサン……ワタシの覚悟、よく見ていてクダサイネ……」

从;゚∀从「ほえ?」

( 、 #*川≡「そろそろいいかしら……? 確かめさせてもらうわよ、貴女の味……!!」シュタッ

从;゚∀从「!! 来たぞ!!」

ハハ;ロ -ロ)ハ「OK……イきマスよ、忍法……!!」ザッ

822 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:54:40 ID:81h/FWDo0





ハハ;ロ Дロ)ハつ≡≡≡†「 頭 に ぶ っ 刺 し の 術 ! ! ! 」シュバッ

≡≡≡†( 、 #*川「べつれへむっ!!」サクッ

从:゚∀从「おおおおおおおおお!!? お、おおお、おおおおおおおおおおおおおおお!!!??」

ハハ:ロ Дロ)ハつ≡†††「乱射ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」シュバババババ

†††( 、 #*川-=:::::「うおあああああああああああああああああああ」ザクザクザクザクブッシャァァァァァ

从:゚Д从「ちょっと待てちょっと待てちょっと待てダメだろこれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」





.
824 ◆kB11BI8NVE:2014/09/07(日) 23:55:49 ID:81h/FWDo0
ハハ:ロ Дロ)ハ「クッ、離してクダサイハインサン! アイツ殺せナイ!」ジタバタ

从:゚∀从「どうしちゃったんだよお前!! こんな娘じゃない、君はこんな娘じゃない!!」

 マズいマズい、衝撃映像だ!! どんな形であろうと14歳が関わってはいけないヤツだ!!
 何がマズいって、いきなり伊藤の急所という急所にクナイぶち込みまくってんのがマズい!
 俺はとっさにハローの体を後ろから羽交い締めにする。思考がついてけねぇわ!

ハハ;ロ Дロ)ハ「お願いデス、殺らせてクダサイ! 誰かが殺らなきゃならんのデス!」

从;゚∀从「相手が不死身でも殺しはダメだよ! 先生とのお約束だろ!」

 ジタバタともがくハローを、俺はくたびれた体で必死に止める。
 俺達は誰も殺さないと決めた。いくら敵でも同級生。戦いを止める立場として、決して相手を殺してはいけない。
 たとえ相手が不死身のレズであろうとも、殺そうとするなら俺はハローを止めなきゃならない。
 とにかく落ち着かせようとする俺に対し、ハローは半狂乱になりながら叫んだ。

ハハ;ロ Дロ)ハ「わかるデショウ! 不死身の対処法、それは『殺し続けること』デス!」

从;゚∀从「 ! ! ! 」

825 ◆kB11BI8NVE:2014/09/08(月) 00:00:35 ID:W2hwulSk0
 殺し続ける。ハローの言うとおり、それは不死身に対抗する唯一の手段。
 不死身キャラというものは漫画にしょっちゅう出てくるが、その倒し方も大抵それだ。
 いくら再生しようが傷が治ろうが、治ったそばから死んでしまえば何も出来ない。
 太陽にぶつけたり、生き埋めにしたり。その最期が数多の厨二のトラウマになったことは言うまでもない。

ハハ;ロ Дロ)ハ「わかるデショウ!? 生き返るたびに殺し続ければ、それは殺したと同義デス!!」

从;゚∀从「怖ぇよ!! 14歳がはじき出す結論じゃねぇだろ!!」

ハハ;ロ Дロ)ハ「ワタシが殺り続ケル、Mr.シラネーヨが来ル、説教スル、みんな幸セ!!」

从;゚∀从「幸せじゃねぇよ!! 誰かの犠牲の上になりたつものは断じて幸せじゃねぇよ!!」

( 、 #*川(か、かっこいいぃぃぃぃぃ………!!! ムラムラムラムラムラムラムラムラ)

 いやはや、理屈はわかったけどだからってヤッチマイナとは言えねぇよ!
 確かにクナイぶっ刺し続ければ伊藤は再生に手一杯で何も出来やしないだろうが、やっちゃダメなことがあろうて!
 何をクラスメートに永遠の地獄を与えようとしてんだ! 痴女にも人権はあるんだ!

ハハ;ロ Дロ)ハ「Mr.シラネーヨが来るまで殺し続けラレルか、その前にヘバるか!! この我慢比べをやらせてチョンマゲ!!」

从;゚∀从「いやいや、他に何か無いかな!? いくらなんでも殺しちゃうのはアカンて……」

::ハハ;ロ -ロ)ハ::「お願いデス、ヤらせてつかあサイ……コレがワタシの『覚悟』ナンデス……!!」

从:゚∀从「!! お前……」

826 ◆kB11BI8NVE:2014/09/08(月) 00:01:25 ID:W2hwulSk0
 羽交い締めにしているハローの体は、いつの間にかブルブルと震えていた。
 そうだ、元々ハローは殺し合いをしたくなくて俺達に協力してきた。
 敵は必ず磔、火噴きもほとんど脅しや攪乱。 人を殺すなんて、やりたくないに決まってる。

::ハハ。ロ -ロ)ハ::「お願いデス……ワタシを、ワタシを止めないでクダサイ……!!」グスッ

从;゚∀从「ハロー……お前、どうしてここまで……」

( 、 #*川-=:::「それが、その娘の覚悟ってヤツだからよ」ブシャーッ

ヽ从;゚∀从ノそ「ギャース!!」ビクッ

( 、 #*川-=:::「見直したわよハローちゃん……ちゃんと急所貫けたじゃない……」ブショワァァァ

从:゚∀从「いやお前なんで血ぃ噴き出てんの!? すぐに治るんじゃねぇのかよ!」

( 、 #*川-=:::::「あらハイン、心配してくれるの? 嬉しくて噴き上がっちゃう」ブシュァァァァッ

从;゚∀从「出血量で興奮を表すな!! ギャグマンガの鼻血じゃねぇんだぞ!」

827 ◆kB11BI8NVE:2014/09/08(月) 00:02:24 ID:W2hwulSk0
 後頭部からおびただしい量の血をぶちまけている伊藤が、何かクールな感じでやってきた。
 あれ、コイツくじらだったっけ? くじらにもレズとかあるのかな。
 そんなシロナガス伊藤は、涙ぐむハローを一瞥すると訥々と語り出した。

( 、 #*川-=:::「誰も殺さない、ご立派なポリシーよ。でも私は不死身よ?」

( 、 #*川-=:::「他はともかく、私相手にそんな甘い考え方じゃ全滅するのが関の山」

( 、 #*川-=:::「だからハローちゃんは『覚悟』を決めたのよ。
        アンタらを守るために、自分だけ血に染まった汚れ役になる覚悟を」

从;゚∀从「……ハロー……」

::ハハ。ロ -ロ)ハ::「………っ」

 人が人を殺すこと。それは本来何よりも重く、覚悟のいる行為。
 それを同じ相手に、何度も何度も行う。ハイになってる厨二共ならまだしも、不殺主義のハローには拷問みたいなもんだ。
 だが、ハローはそれを選んだ。涙を流し震えながらも、俺達を上へ押し上げるために。

828 ◆kB11BI8NVE:2014/09/08(月) 00:03:39 ID:W2hwulSk0
( 、 #*川-=::::::::「感動よね……ハローちゃん、私の靴磨き係にしてあげてもいいわよ……」ブバッシャワァァァァァァァ

从:゚∀从「お前マジで大丈夫か!? 5リットルくらい噴いてんぞ!?」

( 、 #*川-=:::::「だいじょぶだいじょぶ……あれ? ハインアンタ3人だったっけ?」フラフラブバッシャァァァ

从;゚∀从「大丈夫じゃねぇぇぇぇぇ!! ドクタぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 これで伊藤の出血量がギャグの領域じゃなければもっとキリッとしてられたんだけどなー!
 何でフラフラしてんだお前不死身だろ、不死身らしさ保てよ!

::ハハ。ロ -ロ)ハ::「わかりマシタかハインサン……ワタシの覚悟を見といてクダサイナ……」ブルブル

从:゚∀从「ハロー……お前、そこまで……」

( 、 #*川-=:::「フッ、準備は出来た……? 見せてよアンタの覚悟を、もっと……!!」

ハハ。ロ -ロ)ハ「all right……!! シノビの生きザマ、刮目セよ……!!」

829 ◆kB11BI8NVE:2014/09/08(月) 00:04:59 ID:W2hwulSk0





ハハ。ロ Дロ)ハつ≡≡†††「ウオリャぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」シュパンシュパンシュパンシュパン

≡≡†††( 、 #*川-=:::::「ぬおおおお来いや来いや来いや快感んんんんんんんんんんん!!!!!」ブサブサブサブシャァァァァ

从;゚∀从「だとしてもこのエグさはどうかと思うぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」





,

830 ◆kB11BI8NVE:2014/09/08(月) 00:06:03 ID:W2hwulSk0

【現在に戻る】

ハハ。ロ Дロ)ハつ≡≡≡†††††「ウエエエンマミィィィィィィィィィィィィィ!!!」ズバズババババ

≡≡†††††( 、 #*川-=:::::「ウガぁぁぁぁぁ気持ち良ィィィィィィィィィィィィィィっ!!!!!」ザムザムムムム

从: ∀从「ゲロゲロゲロゲロゲ…? あやっぱダメだゲロロロロロロロロロロロロロロロロロ」

 1人は泣きながらクナイを乱れ撃ち、1人は血みどろ、そして1人はゲロを吐く。
 3人のうら若き恋する乙女の戦いは、いつしかチャンピオンのスプラッタホラー漫画みたいなことになっていた。
 そりゃゲロも撒き散らしますわな、めっちゃグロいんだもん。お姉チャンバラかっつーの。

ハハ;。ロ Дロ)ハつ≡≡††「鬼畜米英ガ!! 鬼畜米英ガ!! お国の為ニ!! お国の為ニ!!」シュババババ

从;゚∀从「落ち着けや!! 見た目的には完全にお前が鬼畜米英だぞ!?」

( 、 #*川-=:::「どう、ハインどう!? 衣服を切り刻まれ少しずつ裸になっていく私はどう!?」バシャシャシャ

从;゚∀从「グロいわ!!! エロいとかじゃなくてグロいわ!!!」

831 ◆kB11BI8NVE:2014/09/08(月) 00:07:36 ID:W2hwulSk0

ザックザックザックザック ハハ:。ロ Дロ)ハつ≡≡††( 、 #*川-=::: バッシャバッシャバッシャバッシャ

从;゚∀从「っぷ……やっべー、今は誰ともキス出来ねえ……」フキフキ

 正直ね、トラウマもんですよ。こちとらしばらくキムチとか食べれる気がしませんよ。
 とはいえ、仲間が決死の戦いを繰り広げてるのにただゲロまき散らしてるわけにもいかない。
 昼間のヤキソバパンがしたたる口元を拭い、顔を上げる。俺ヒロインですよね?

从;゚∀从(……しかしこれ……大丈夫か……?)

ハハ。ロ Дロ)ハつ≡≡†††「ヌアアアア天誅天誅天誅天誅天誅ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥっ!!!」シュパパパパ

≡≡†††( 、 #*川-=:::::「あはははは!!! あはははは!!! あはははは!!! あはははは!!!」
バシャバシャバシャバシャバシャ
 冷静になって見直すと、ただエグいだけだった半狂乱と半裸の殺戮演舞も違う形で見えてくる。
 まるでマシンガンのごとく伊藤に浴びせかけられるクナイの雨あられ。
 確かに今のところ、ハローは伊藤を殺し続けることに成功している。

从;゚∀从(だが……あくまで『今のところ』だ……!!)

832 ◆kB11BI8NVE:2014/09/08(月) 00:09:04 ID:W2hwulSk0
从:゚∀从(今は5時過ぎ……戦いが始まってから20時間以上経ってる……)

从:゚∀从(その間、ハローはぶっ通しで厨二のバカ共を磔にしまくってる!)

从:゚∀从(いくら忍者になって基礎体力上がってるとしても、いつか必ず限界は来る!)

从;゚∀从(加えてこの精神ダメージ! 見てるだけでゲロ吐いちゃうんだもん、加害者のハローは相当なもんだろ!)

从;゚∀从(それら全部ひっくるめると……もうすぐ、いや、多分とっくに……)



ハハ。ロ Дロ)ハつ≡≡††「オ、オ命っ……!! チョダ、頂戴、チョウダイ……!!」

≡≡††( 、 #*川-=:::「ヘイヘイどうしたどうしたーバッチコイバッチコーイ」

从;゚∀从(ハローは限界だ!!)

( 、 #*川(波浪の玄海灘?)

从;゚∀从(うぜぇよ!! 人の思考にダジャレ挿入してくんじゃねぇよ!!)

( 、 #*川( 挿 入 ! ! ? )ピーン

从;゚∀从(あああお前はもぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!)
834 ◆kB11BI8NVE:2014/09/08(月) 00:11:46 ID:W2hwulSk0
 顔面蒼白、息も絶え絶え。涙が溜まった目はうつろで、体の震えは止まっていない。
 一目でわかるグロッキー状態。そんな体で、ハローは取り憑かれたようにクナイを投げ続けている。
 アカン、これアカンやつや! これまともじゃいられなくなるパターンや!
 全てが終わった後、高台のサナトリウムで外の景色を眺め続ける余生エンドのやつや!

从;゚∀从「ハロー、もうやめろ!! このままじゃお前ぶっ壊れちまうぞ!!」

ハハ。ロ Дロ)ハつ≡≡††「っ……!!」

 現状のアカンっぷりを把握した俺は、ハローに向かい叫ぶ。
 先生が来るまで待ってられない。優しさの塊である先生なら、ハローが精神崩壊するのを許さないはずだ。

从;゚∀从「もうお前限界突破してんだろ、やだよ友達が真っ白な灰になっちゃうのとか……」

ハハ;ロ Дロ)ハ「……止めてクレルナとっつぁん……ワタシの覚悟を見てヤガレ……!!」

从;゚∀从つ「お前そればっかじゃねぇか! お前が意地でもやめねぇっつーなら、力ずくで……!!」

ハハ;。ロ Дロ)ハ「いいから!! ハインさんはワタシの『覚悟』を1秒でも長く見ててクダサイ!!」ドンッ

从;゚∀从「ぬぅっ……!?」ビクッ

835 ◆kB11BI8NVE:2014/09/08(月) 00:15:02 ID:W2hwulSk0
 ハローのあまりの剣幕に、『重力±』を発動させようとしていた腕が止まる。
 キレすぎだろ、アメリカ人ってクッキーパーティー誘われなかった以外にこんなにキレることあんのかよ。
 俺が黙ったことを振り返って確認することもなく、ハローはクナイを投げまくる。

ハハ。ロ Дロ)ハつ≡≡††「ハイヤーハイヤーハイヤーハイヤーハイヤー!!!」シュババババ

≡≡††( 、 #*川-=:::「チョイナーチョイナーチョイナーチョイナーチョイナー!!!」ブシャシャシャシャ

从;゚∀从「……何やってんだよ……」

 何やってんだよ、いやマジで何やってんだよ。
 限界だって言ってんじゃん。お前泣きそうじゃん、今にも倒れちゃいそうじゃん。
 なのに何やってんだよ。人殺したくないんじゃねぇのかよ、やりたくないんじゃねぇのかよ。

从;゚∀从(意味わかんねえよ……何でやめねぇんだよ……)

从;゚∀从(アホの俺でもわかってんだぞ……こんなん何の意味も無いってことくらい……)

从;゚∀从(なのにお前は何をビュンビュングサグサ……もう壊れちゃったのかよ……!?)゙

从;゚∀从(……それとも、まさか……)

836 ◆kB11BI8NVE:2014/09/08(月) 00:16:48 ID:W2hwulSk0



从;゚∀从(何か『考え』があって、わざとこんなことを……!?)





 ┣¨┣¨┣¨――――――z____`/





从;゚∀从そ「 ば い ざ う ぇ い ! ? 」ビビクッ



,
838 ◆kB11BI8NVE:2014/09/08(月) 00:27:07 ID:W2hwulSk0
 俺の思考をさえぎるかのように轟いた爆音とともに校舎が揺れる。
 何何、俺みたいなもんは考察すんなっつー神様からの警告!?
 ふざけんなよ、俺だって推理くらいさせろよ! 聞いてんのかキリスト、なんだそのヒゲ! 剃れ!!

从;゚∀从「ちょ、何だ今の爆音!? ノストラダムスか!?」

≡≡††( 、 #*川-=:::「ハイン、私は全部わかってるわよ……? お腹の調子が悪かったのよね、サツマイモ食べたのよね?」

从;゚∀从「屁ぇこいてねぇよ!! 屁とか言わすな恥ずかしい!」

 何だこのレズ、なんで滅多刺しにされながら人の腸の具合気にしてんだよ!
 お前本体が腸見えてもおかしくない状況じゃんかよ! 屁じゃねぇぞ、屁じゃねぇかんな!?

从;゚∀从「ちょ、ハローからも言ってやってくれよ、俺の屁はウグイスのさえずり……」

ハハ。ロ ーロ)ハつ≡≡††「………っ!!」ニヤッ

从;゚∀从「……!? お前、笑っ………」

≡≡††( 、 #*川-=:::「安心して、貴方の放屁は私が吸い尽くすから。ぶおぉぉぉぉぉ」ガクザクザクバクザク

从;゚∀从「屁じゃねえよ!!」

839 ◆kB11BI8NVE:2014/09/08(月) 00:28:41 ID:W2hwulSk0

【2階】



 ┣¨┣¨┣¨――――――z____`/

爪'ー`)y‐「っ……今のは……」ピタッ

(゚、゚;トソン「ご安心ください……これも全て私の作戦通りです……」

爪'ー`)y‐「おやおや、てことは今の爆音は体裁にしがみつく世間へのお前なりのシャウトってことかい?」

(゚、゚;トソン「違いますけども!? まぁとにかく、始めるとしましょうか……」



(゚、゚;トソン「大逆転への、カウントダウンを……!!」キリッ

lw´‐ _‐ノv「お前それだいぶ前から温めてたセリフやろ」

(゚、゚*トソン「はい!!!」ワクワクテカテカ



.
841 ◆kB11BI8NVE:2014/09/08(月) 00:29:24 ID:W2hwulSk0

【3階・噛ませ犬】

;;へ(;^Д^)へ;;「……んぅ〜………んぅんぅんぅんぅぅぅぅ………!!」プルプル

\(;^Д^)/「う゛ぉいやっ!! う゛ぉいやぁぁぁっ!!!」ビリビリィッ

(;^Д^)=3「ふぅー……服を引きちぎるという荒業を駆使し、何とか磔から脱したぜ……」

( ^Д^)「服を着てるから磔にされるなら、服を着なきゃいい……フフ、発想の転換ですよ……」

( ^Д^)「おかげで西友で買った星条旗パンツ一丁になっちまったが、これはこれでよしとしよう」

( ^Д^)「安かったんだよなコレ……3枚セットで105円とか価格破壊かよ……」

( ^Д^)「まぁとにもかくにも! 磔にされることがなくなった今、俺を縛る物は何も無いぜ!!」

(*^Д^)「ぃよーし、だいぶ出遅れたが、ここからが俺の物語の始まりだ!!
      殺戮の魔物をその身に宿した歴戦の『血界召喚師(ブラッディサマナー)』プギャーの大冒険が……!!」ワクワクテカテカ

842 ◆kB11BI8NVE:2014/09/08(月) 00:31:02 ID:W2hwulSk0



 ┣¨┣¨┣¨――――――z____`/



(  Д )「ぎゃぁぁぁぁぁ真下から爆風がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」ドパァァァァン

( Д  )「ぎゃぁぁぁぁぁ足元が崩壊したぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」ガラガラガラ

(  Д  )「ぎゃあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」ガラガラガラガラ

(  Д  )「ぎゃあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」ガラガラガラガラ

(  Д  )「ぎゃあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」ガラガラガラガラ




第24話   END





( 、 #*川「後編へ〜続く(CV:キートン山田)」

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