- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 20:32:41.45 ID:qUoXLweGO
ずっと、貴方のことをお慕いしていました。
ですが、そのことは決して打ち明けられませんでした。だって、きっと貴方は気持ち悪がるから。
貴方に嫌われることは、太陽の焔に灼かれるよりも、茨の棺に閉じ込められるより辛いことだから。
でも、今なら言える。おかしいのは私だけじゃないから。
何よりも、苦しむ貴方を護ることが出来るのは、きっと私だけだから。
だから、待っていてください。
先生、私が貴方の盾となり、矛になります。
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 20:36:14.27 ID:qUoXLweGO
( ´ー`)先生の戦う生徒指導のようです
第二話 『生きてるってなんだろ、生きてるってなあに』
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 20:40:18.83 ID:qUoXLweGO
- (;´ー`)「よいしょ、よいしょ……これでよし、だヨ」
(;< >< >)「うーん……うーん……」
気絶したワカッテマスを見つかりづらい位置に隠し、俺は図書室に出た。
ワカッテマスは身長が高いためなかなか隠しづらかったので、とりあえず広辞苑積み重ねて囲んでみた。
天井部分作ってる時に一回崩れて頭に広辞苑直撃したけど、まぁ大丈夫だろう。
うん大丈夫大丈夫、元から気絶してて良かった。
( ´ー`)「さて……そろそろ動かネーとな……」
能力を得たからには、籠城してても始まらない。俺には生徒全員を説教するという使命があるのだ。
( ´ー`)「それにしても……ウチのクラス以外誰もいないというのも不気味だヨ……」
さっき逃げていて気づいたのだが、今この学校には俺達37人以外誰もいなくなっている。
そもそも誰かいたなら、ビロードが廊下を破壊した時点で誰か騒いでいるはずだ。
神が他の人間を一時的に消したのか、俺達が別次元に来たのか。わからないが、今知るべきことじゃない。
今知るべきは生徒達の現状だ。状況がわからなくては何も出来ない。
ただでさえ誰がどんな能力とか、四天王(笑)とか《零の分子》(笑)か知りたいことばかりなのだ。
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 20:43:58.61 ID:qUoXLweGO
- ( ´ー`)「その状況を知るために、まずは……」
( ´ー`)「……」
( ´ー`)
( ´ー`)
(;´ー`)「……どうすっぺ……」
やっべー、早くも詰んだー。
無闇に廊下に出たら生徒に襲われるかも知れない。かといってここに籠もるわけにもいかない。
どう見ても手詰まりです。本当にありがとうございました。
やべぇやべぇ、なすすべ無しだよ、手掛かりゼロだよ。あ、俺《零の分子》だった。
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 20:46:56.42 ID:qUoXLweGO
- (;´ー`)「せめて仲間でもいればな……」
仲間とまではいかなくても、協力者がいてくれればだいぶ楽になる。
だが、文字通り説教しか能がない教師に協力してくれる生徒なんているわけない。
強いて言うならワカッテマスだが、さっきあんなにフルボッコにしちゃった相手に「仲間になれや」とか誘うのも鬼畜すぎる。
それにアイツの能力は消してしまった。そんなアイツと俺が2人でいたら、他の生徒から見たらただのカモネギだ。
(;´ー`)「この状況で俺に味方してくれる奴なんていんのかヨ……」
<(;´ー`)「俺に好意的な生徒……きっと何人かはいたはずだヨ……」
<_(;´ー`)「……うん、いたはずいたはず……大丈夫、嫌われてない嫌われてない……。
よーし、自分を信じろー……不安に飲み込まれるなー……」
<_プ( ´ー`)「……」
<_プー゚)フ (´ー` )
<_プー゚)フ (´ー` )
<( ゚ー゚ )> ( ´ー` )
<_プー゚)フ (´ー` )
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 20:50:00.94 ID:qUoXLweGO
- (;´ー`)「ぬおぉぉぉぉぉぉぉっ!!! な、なな、なんかいるぅぉぉぉぉぉぉぉっ!!?」
<_プー゚)フ
(;´ー`)「なんかテンプレおばけみたいなのがいるぅぅぅぅぅぅっ!! 誰だよ、こんな生徒シラネーヨぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
<_プー゚)フ
(;´ー`)「ちきしょう、なんかかわいいぃぃぃぃぃっ!! マスコットキャラっぽいぃぃぃぃぃっ!!」
<_プー゚)フ
<_プー゚)フ「貴様の染み出した脳漿を一滴残さず涅槃に立つ朽ちかけの大樹の養分にしてやろうか」
(;´ー`)「思ってたのと違うぅぅぅぅぅぅっ!! 怖いよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 20:53:54.47 ID:qUoXLweGO
- やだ、なにこれなにこれ。
なんかテレサみたいなのがフヨフヨ浮いてる。畜生、なんて和む顔してやがんだ。
<_プー゚)フ「《零の分子》よ、貴様の血も、肉も、全て砂塵に弄ばれる哀れな芥としてくれようぞ」
すげぇ、なんて発言と顔のギャップだ。ひらがなしか喋れなさそうなルックスのくせに。
あと、俺は生徒間では《零の分子》で定着してるのね。誰だ名付けた奴。そして広めた奴。
(;´ー`)(それより、この厨二臭いセリフ……)
間違いない、こいつ生徒の誰かの能力だ。
だとすればまずい。このテレサが攻撃してきたら俺はどうしようもない。これは生徒じゃないから、多分説教もきかないし。
(;´ー`)(……いや……もしかしたら生徒が変身してこんな感じなのかも……?)
(;´ー`)(……ダメ元で試してみるか……)
- 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 20:57:41.32 ID:qUoXLweGO
- <_プー゚)フ (´ー`;)「……」
<_プー゚)フ (´ー`;)「えーと……」
<_プー゚)フ (´ー`;)「……」
<_プー゚)フ (´ー`;)「……お前塩豆大福みたいだな」
<_プー゚)フ (´ー`;)
<_プー゚)フ (´ー`;)
<_プ―゚)フ (´ー`;)
あ、やべ、笑顔が消えた。
- 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 21:00:56.40 ID:qUoXLweGO
- (;´ー`)「あ、えっと、塩豆大福っつってもあれだヨ!? 和菓子の名店で売ってる塩豆大福だヨ!?」
<_プ―゚)フ
<_プー゚)フ
よっしゃぁぁぁぁっ、微笑んだぁぁぁぁっ!!
<( ゚ー゚ )> クルン
(;´ー`)「?」
突如、テレサが向きを変えて窓の方を見た。てかコイツの前向き、このAAでいいの? 革新的だなオイ。
(;´ー`)「……もしかして見逃してくれんのかヨ……?」
<( ゚ー゚ )>
<( ゚0゚ )> ミョンミョンミョン
<( ゚0゚ )>「おばけレーザー!!」 バッビューーーーーーン
( ´ー`)
<ドッゴーン、バラバラグシャグシャ
(´ー` )
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 21:04:25.93 ID:qUoXLweGO
おばけが、口からレーザーを出しました。
壁に、おっきな穴が空きました。
ぼくは、「なんやねん」とおもいました。
(;´ー`)「えええええェェェェェェェェッ!?」
ヤバいヤバいヤバいヤバい。ヤバス。ギガントヤバス。
なんであんなほがらかなテレサがあんな破壊光線放つんだよ。ビンタとかだろうが、お前のその雰囲気なら。
<_フ#゚ー゚)フ「許すまじ許すまじ許すまじ許すまじ許すまじ許すまじ許すまじ許すまじ許すまじ」
うわーん、想像以上にキレてるよー。塩豆大福がそんなにイヤだったのかよー。
美味いじゃん塩豆大福。大福の甘味がありながら、ほのかに香る塩味が……。
<_フ#゚ー゚)フ「貴様は針山地獄に叩き込んでも飽き足らん、四肢を獅子に食らわせ、臓物を全て灼き尽くしてくれるわ!」
テレサさんご立腹。畜生、それでも変わらぬこの愛くるしさはなんなんだ。
やっべやっべやっべ、逃げらんネーヨやっべ、どうしよどうしよ。
ていうかおばけレーザーってなんだよ、なんでネーミングは可愛らしいんだよ。そして俺はわりと余計なことを考えている。
<_プ0゚)フ ミョンミョンミョン
(;´ー`)「イヤぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
- 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 21:07:56.06 ID:qUoXLweGO
「やめなさい、エクスト……勝手にどこか行っちゃダメだっていったでしょう……?」
<_プー゚)フ「!! 御主人!」ピューン
(;´ー`)「!?」
突然響いたか細い指示反応し、テレサはおばけレーザーのチャージをやめ、声の元へと飛んで行った。
とりあえず当面の問題は避けられたみたいだ。しかし、ここからが本当の問題だ。
テレサは、「御主人」と言った。つまり、この声の持ち主こそ、俺が対峙すべき、二人目の能力者だ。
「先生……ご無事で何よりです……心配していたんですよ……?」
(;´ー`)「……そのテレサは、お前の能力だったのかヨ……」
(;´ー`)「……貞子」
川д川「はい……『エクスト』って言うんです……可愛いでしょう……?」
そう言いながら声の持ち主、井戸田貞子は俺に微笑みかけた。
横にさっきまで俺に敵意剥き出しだったテレサ、エクストを浮かせて。
- 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 21:11:00.94 ID:qUoXLweGO
- (;´ー`)「うん、確かにそいつめちゃくちゃ可愛いわ。殺されかけたけど」
川д川「まぁ……それは申し訳ございませんでした。ほらエクスト、謝って」
<_プー゚)フ「にゅー、すいませんでちた☆ どろろん!」
あれ、キャラ変わったぞ!? 何なの、キャラ作ってんの!?
マスコットキャラも大変だなおい。
川д川「この子ちょっとおっちょこちょいで……基本的には優しいんですが、塩豆大福って言われたら怒っちゃうんです。」
怒りのツボがピンポイントすぎない!? うわー、もっと別の物に喩えときゃ良かったわー。
<_プー゚)フ「塩豆大福などこの世から欠片も残さず消えればよい」
素が出てる素が出てる! その塩豆大福への憎しみはどっから来るんだ。
川д川「こら、そういう言葉遣いはやめなさいって言ったでしょう?」
<_プー゚)フ「あーい、うっかりしてまちたー☆ てっへへ☆」
ダメだこりゃ。全体的にダメだこりゃ。
- 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 21:15:10.74 ID:qUoXLweGO
- (;´ー`)(しかし……これからどうしようか……)
井戸田貞子。2年3組の学級委員長だ。
その真っ黒な長髪と無口さから、やたら濃い我がクラスでは目立つ存在ではないが、
成績も優秀だしここぞという時ではクラスを引っ張るリーダーシップを持っている。
そんでもって、例に漏れず重度の厨二病だ。
川д川「ウフフ……私、幸せです……夢だったんです、こういう幽霊と友達になること……」
厨二病にも色々ある。一番多いのが特殊能力に憧れる『二次元型(俺命名)』だが、それ以外の症状も少数存在する。
貞子が憧れているのは、俗に言う『霊感』だ。
何もないところを見て「1人で、寂しかったでしょう?」と呟いたり、何か数珠を持って来たりする。
一度俺が疲れていることを零したら、「それは悪霊の仕業です」ということでオリジナルの除霊を執行された。
貞子さん、未だにわからないんですが何故あなたは除霊と言って俺の背中に大量の重曹をぶっかけたのですか?
アマチュアが独自のやり方使っちゃダメだよ。次の日単純に寝込んだもん。
あとさぁ、さっきから思ってたんだけどその巫女服はなんだい? いつ着替えたの、学校に常備してたの?
- 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 21:18:51.22 ID:qUoXLweGO
- (;´ー`)(ただ……これはもしかしたらチャンスかもシレネーヨ……)
貞子は、他の生徒と違って特殊能力に興味がない。能力もおそらくエクストを操ることくらいだろう。
他の生徒達は、自分の能力を使いたいがためにこの戦いに参加している。
自分の妄想を具現化し、ひけらかしたいという気持ちが彼らの戦う理由だ。
しかし貞子の妄想は、幽霊を使役することのみ。(おばけレーザーはアレとして)
他人に奮う力を望まなかった彼女には、もとより戦う理由は無い。
そして、彼女は学級委員長ゆえに俺と話す時間も多かった。それなりの信頼関係は作ったつもりだ。
つまり、もしかしたら。
(;´ー`)「貞子……俺に協力してくれネーか?」
川д川「え……」
- 81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 21:22:12.48 ID:qUoXLweGO
- 貞子が仲間になってくれれば、だいぶ俺にも光が見えてくる。
彼女がいれば、自動的にエクストも仲間になる。そうすれば戦力はかなりのものだ。
それに、貞子なら今の俺の気持ちをわかってくれるはずだ。
( ´ー`)「俺は、この争いを止めたい。生徒達を……」
( ´ー`)「お前達を、助けたい」
川д川「……」
3ヶ月間、学級委員長をこなす貞子を見ていて、わかったことがある。
貞子の、クラスを大切に思う気持ちは本物だ。地味でも、目立たなくても、クラスの為に身を粉にして働いてきた。
だからおそらく、貞子もこの状況に心を痛めているだろう。大好きなクラスメートが殺し合いをしているのだから。
( ´ー`)「俺は、説教することで生徒の能力を消せる。他の奴らにしてみれば、ショボすぎる力だヨ。
だけど、これほど俺に合ってる力も無い。でも、これで戦いを止めるには俺だけじゃ力が足りない」
川д川「……」
<_プー゚)フ(暇だ……)
- 85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 21:26:51.48 ID:qUoXLweGO
- ( ´ー`)「貞子……みんなを助けるために、力を貸してくれネーか……?」
川д川「……」
(;´ー`)(……ダメか……?)
川д川「……」
川;д川 ブワッ
(;´ー`)「おぉうっ!?」
アレ!? 急に泣き出しちゃったよ!? やっべ、俺余計なこと言っちゃった!?
<_フ#゚0゚)フ「貴っ様ぁぁぁぁっ!!
御主人に涙を流させたこと万死、否、億死に値するぅぅぅぅっ!!!」
ミョンミョンミョン
(;´ー`)「イヤぁぁぁぁっ、チャージしないでぇぇぇぇっ!!」
川;д川「エ、エクスト! 違うの、おばけレーザーやめて!」
- 93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 21:30:08.25 ID:qUoXLweGO
- <_フ#゚ー゚)フ「御主人、しかしコイツは……」
川;д川「違うの、その、嬉しかったから……」
(;´ー`)「嬉しかった?」
川;д川「はい……あの、ずっと、先生のこと……」
川//д川「す、す……好きでしたから……」
( ´ー`)
<_プー゚)フ
( ´ー`)
<_プー゚)フ
<_フ;゚ー゚)フ「ええええええええええぇぇぇぇっ!!?」(´ー`;)
- 99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 21:34:05.00 ID:qUoXLweGO
- えーと、現状を整理しまーす!
「殺し合いの現場で告られた」。うん、リア充氏ね。あ、俺じゃん。
(;´ー`)「さ、さっさささささっさ貞子!? あのその、俺とお前は生徒と教師だし、俺妻子いるし……」
<_フ#゚Д゚)フ「きぃぃぃぃぃさぁぁぁぁまぁぁぁぁっ!!! よくもごしゅじんをたぶらかちまちたねぇぇぇぇっ!!?☆」
お前怒りのあまりキャラ混ざってっから!! グチャグチャだから!!
川д川「そう……先生には妻子がいる、だからこの想いは秘めておこう、そう思ってました」
(;´ー`)「貞子……」
<_フ#゚皿゚)フ ギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリ
お前歯あるんだ。
川д川「でも……先生に頼られて……嬉しくて……つい……ごめんなさい、忘れてください……」
(;´ー`)「……」
- 104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 21:38:10.93 ID:qUoXLweGO
- 川;д川 グスン
( ´ー`)「……貞子、お前の気持ちには応えられない……俺達には一線があるから……」
川д川「……ですよね……」
( ´ー`)「……だが、お前の気持ちは素直に嬉しいし、お前のことは生徒の中でも特に信頼している」
川д川「!!」
( ´ー`)「気持ちには応えられないダメな男だが……そんな俺で良ければ、協力してほしい」
貞子の恋愛感情を叶えることは出来ない。それは本当に申し訳ない。
だが、俺は貞子を信頼している。この感情は本物だ。
小狡く、汚いやり方だとは思う。だが、貞子の想いを出来るだけ尊重したい。それが教師として俺が出来る精一杯だ。
川д川「……」
(;´ー`)「……納得できネーか……?」
川д川「……いえ……」ダキッ
- 113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 21:43:16.85 ID:qUoXLweGO
- (;´ー`)「うおっ!? さ、貞子、抱きつくのはちょっと……」
<_フ#゚益゚)フ
川д川「いえ……先生の気持ちはわかりました……だから、せめてこれで許してください……」
(;´ー`)「……」
どうしよう、これ誰かに見られたら問題どころの騒ぎじゃネーヨ。
エクストは修羅みたいな顔でこっち見てるし。貞子が近いからレーザーは来ないのが救いか。
しかし、なんでこんな状況になったんだろう。全くわからん。
なんでだろう。なんで、なんで、なんで。
(; ー )「なんで……さっきから……俺の首を絞めてるんだヨ……?」
- 123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 21:46:46.00 ID:qUoXLweGO
川д川「先生、私の力はエクストを操るだけじゃないんです」
川д川「この戦いでは死んだら消滅して1時間後復活ですよね? 私はそのルールの例外なんです」
(; ー )「れ……い、がい……?」
川д川「はい。私やエクストに殺された人間は消滅しないんです」
川д川「死体から魂だけ抜け出て、その魂はエクストのような形になります。それを私は使役出来るんです」
川д川「魂になれば、私のことしか考えられない。私以外なんて眼中に入らない。」
川゚д川「先生……ズット、イッショニイマショウ……?」
- 129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 21:49:50.10 ID:qUoXLweGO
- うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ、これが噂に名高いnice
boat.かぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!
やっべやっべ、このままじゃ『<_フ´ー`)フ』だよ、なんだこれ幅取りすぎだろうがぁぁぁぁっ!!
(;´ー`)「必殺、大人の力!!」ドン
川;゚д川「キャッ!?」
≡≡≡≡(;´ー`)「そして黄金の逃げ足ぃぃぃぃぃっ!!」
川;゚д川「あっ、追ってエクスト!!」
<_フ#゚ー゚)フ「言われるまでも無く! あの下郎、灰燼と化してくれようぞぉぉぉっ!!」
川゚д川「可愛く!」
<_プー゚)フ「あいあいさー☆ ぴゅーん☆」
- 137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 21:53:27.29 ID:qUoXLweGO
- ≡≡≡≡( #´ー`)「うおぁぁぁぁぉぉぉぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
逃げなくては、今は逃げなくては。
生徒の中で一番期待していた貞子があんなじゃ、もう俺は孤軍奮闘しか無いだろう。
とりあえず今は目の前の危機から逃げる。それしか無い。
( ^ω^)「あっ、《零の分子》がいたお!」
('A`)「捕らえろ、『四天王』に引き渡すんだ!」
≡≡≡≡( #´ー`)「うおぉぉぉっ、雑魚はどいてろぉぉぉっ!!」
≡≡≡≡(;´ー`)「ていうかお前ら雑魚だったのかヨぉぉぉぉぉぉっ!?」
( ^ω^)「どんな手を使ってでも捕まえるんだお、『四天王』のために!」
('A`)「捕まえればたちまち幹部昇進だぜフヒヒヒヒ!!」
≡≡≡≡(;´ー`)「テメェらブーン系のメインのくせに何下っ端に成り下がってんだヨぉぉぉぉぉぉっ!!」
ホントこの短時間に何があったんだお前ら!
向上心が足りんわ、逃げ切れたら後でそれについてみっちり説教してやっかんな!
- 139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 21:56:30.09 ID:qUoXLweGO
- ≡≡≡≡(;´ー`)「今はそれどころじゃネーヨぉぉぉぉぉぉっ!!」
(;^ω^)「あ、待て……」
≡≡≡≡<_フ#゚ー゚)フ「逃げるな糞外道めが、貴様の土手っ腹に風穴空けてくれるわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
≡≡≡≡川゚д川「センセイダイスキセンセイイッショニイヨウセンセイセンセイセンセイセンセイセンセイセンセイセンセイションチンゲンサイ」
( ^ω^)
('A`)
( ^ω^)「……見なかったことにしようか……」
('A`)「やむなし」
- 146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 22:02:11.41 ID:qUoXLweGO
- ≡≡≡(;´ー`)「ハア、ハア……畜生、疲れてきた……!!」
流石に34歳のオッサンが全力疾走はマズかった。
マズい、差が縮まって来てる。追いつかれたら最後、俺はテレサ化だ。
川゚д川「この射程距離ならイケル……エクスト、おばけレーザー準備!」
<_プー゚)フ「了解!」
<_プ0゚)フ ミョンミョンミョン
≡≡(;´ー`)「ハァ、ハア……い、嫌だぁぁぁぁっ!!」
ヤバい、今いる場所は東校舎から西校舎に行く一本道の渡り廊下。逃げ道が無い。
川゚д川「さぁセンセイ、一緒になりましょう……放射!!」
<_プ0゚)フ「おばけレーザー!」
≡(;´ー`)「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
光が、放たれる。間に合え、西校舎に間に合え……!!
- 149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 22:05:07.52 ID:qUoXLweGO
「やっと見つけました、私の仕えるべき先生」
- 154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 22:08:50.02 ID:qUoXLweGO
- 轟音が、校舎狭しと響き渡った。
そして、その轟音の発信源である、渡り廊下に俺達はいた。
その渡り廊下は、東校舎と西校舎を分かつように、中心で分断されていた。
(;´ー`)「……な、何が起きたんだヨ……」
俺はというと、生きていた。確かに、エクストのおばけレーザーは、確かに照射されたはずなのに。
川;゚д川「ど、どうして……何で……」
<_フ;゚ー゚)フ「……」
ぶったぎられた橋の向こう側で、貞子とエクストは唖然とした表情でこちらを見ていた。
川;゚д川「なんで……何で、あなたがここにいるの……何であなたが先生を助けるの……」
その貞子の言葉で、初めて俺は隣に人が立っていることに気付いた。
そして度肝を抜かれた。そいつは、到底俺のことを助けるような奴ではなかったからだ。
「助けられて良かった……すいません先生、見つけるのが遅くなってしまって……」
(;´ー`)「いや……なんで、なんでお前がここにいるんだヨ……。」
(;´ー`)「高岡!」
从 ゚∀从「……」
- 160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 22:12:15.39 ID:qUoXLweGO
- ハインリッヒ高岡。正直言って、彼女は2−3随一の問題児だ。
まぁ他の連中も厨二という意味では問題児なのだが、高岡は厨二に加えて素行が悪い。
遅刻や補習は勿論のこと、髪は染めるし先生にだって食ってかかる。
俺も1年の頃は何回かハゲって言われた。ハゲてねーし! 親父はハゲてるけどハゲてねーし! まだ!
だから、高岡はどちらかと言えば憂さ晴らしのため真っ先に俺を狙いにくるタイプだと思っていた。
そんな高岡が俺のことを助けに来るなんて、ましてや。
从;゚∀从「遅れて本当にすいません先生、危険な目に合わせてしまってすいません先生、何卒ぉぉぉぉっ!!」
ガンガンガン
(;´ー`)「うおあ!? やめろやめろ、その自傷行為をやめろぉぉっ!!」
敬語を使い、さらに床に頭を叩きつけるほどの土下座で許しを請うなんて、ありえないのだ。
- 165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 22:15:50.19 ID:qUoXLweGO
- 从 ;∀从「あぁ……こんな愚かな私をお許し戴けるとはなんて心のお広い……」
(;´ー`)「うん、とりあえず説明して!? 状況が何一つわかんネーヨ!!」
感涙する高岡と宥める俺。何こいつ、高岡なの?
パラレルワールドからやってきた裏高岡じゃネーノ?
川;゚д川「ちょ、ちょっと高岡さん! どういうこと!? あなたも先生のことが好きなの!?」
(;´ー`)「え、マジで!?」
何それ、まさかの極限状態でのモテ期発動!? 待ってよ、せめて学生時代に発動してほしかった。
从 ゚∀从「好き……? ハッ、委員長よ、その程度で俺と張り合うつもりかよ?」
川;゚д川「なっ……ど、どういうことよ!」
(;´ー`)「そうだ、どういうことだヨ!」
<_フ;゚ー゚)フ「以下同文!!」
- 170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 22:18:49.81 ID:qUoXLweGO
从 ゚∀从「何故なら俺と先生は、とっくの昔に好きとかを超えた次元で繋がってんだからな!」
( ´ー`)
川゚д川
<_プー゚)フ
( ´ー`)
川゚д川
<_プー゚)フ
<_フ;゚ー゚)フ川;゚д川「!!!!???」(´ー`;)
从//∀从 カァーッ
- 177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 22:22:00.58 ID:qUoXLweGO
- 川;д川「先生、そんな……私というものがいながら、そんな……!!」
(;´ー`)「シラネーヨシラネーヨシラネーヨ、マジで思い当たる節がネーヨぉぉぉっ!!」
いや、マジでシラネーんですよ。いやいや、マジで。
ぶっちゃけ俺、妻にしか体許したことネーヨ。いやいや、信じて信じて。
<_フ#゚ー゚)フ「くぉんの色情魔が、御主人の純粋を何だと思っているのだぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
(;´ー`)「誤解だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!! ちょ、高岡、ちゃんと説明してくれヨ!」
从*゚∀从「あ、はぁい☆」
え、何この乙女チックな感じ。普段の高岡なら「んだこらハゲ!!」とか言うのに。
- 181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 22:26:01.84 ID:qUoXLweGO
- 从 ゚∀从「俺も最近までは気付かなかったんだ。馬鹿だよな、大切な人がこんなに近くにいたのに」
えー……全く心当たりがない。だって嫌われてると思ってたもん。
从 ゚∀从「俺と先生はな、お前が先生と出会う前から繋がっているんだ」
いや、俺がお前に会ったのは入学式が初めてだろ……? それこそ貞子と一緒……?
……待てよ、この発言……まさか。やっべ、もしそうだとしたらこの状況がさらにややこしくなる。
从 ゚∀从「勿論、先生の奥さんにも嫉妬はしない。俺は2人が知り合うよりも前に繋がってんだから」
やっぱりだ。これで確定した。
高岡は二次元型の他に、もう一つの厨二病に罹患してたんだ。貞子の霊感のような、少数派に。
川;゚д川「ちょっと高岡さん……あなた、まさか!」
从 ゚∀从「ああ、俺と先生はな……。」
- 186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 22:30:23.54 ID:qUoXLweGO
从 ゚∀从「前世で主従関係だったんだよ!」
(;´ー`)(やっぱりだぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! やっぱりコイツ、『前世女』だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!)
『前世女』。それはある日急に、「前世の記憶が蘇った」とか言い出す、厨二病の中でもレアな症例。
「前世のことを他人に言っては混乱する」と自己完結しているうちはまだいいが、重症化すると他人に前世の関係を見出したりする。
どうやら高岡の中では、俺は中世ヨーロッパの伯爵・ベルモット3世で、
高岡はそれに付き従う男装の騎士・ジェノスなんですって。わお、ロマンチック。アホか。
そういえば2年生になってからは俺だけには反抗しなくなってた。なーるほどー、そん時から俺はベルモットだったんだー。
- 197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 22:34:10.70 ID:qUoXLweGO
- 从;゚∀从「あの薔薇園の戦いの時は申し訳ございません、私が腕を負傷していたばかりに先生は、うわぁぁぁぁぁぁっ!!」
(;´ー`)「落ち着いて高岡! 先生気にしてないから! てか記憶に無いから!」
霊感女に前世女。
アレかな、俺は一度死の世界を挟んだ感じの女性にモテるのかな。なにそれこわい。
川;゚д川「ちょ、何よそれ、ワケわかんないわよ!」
うん、先生全面的に君に同意です。
从#゚∀从「うるせぇめちゃコワ委員長がぁっ! テメェ何俺の敬愛する先生殺そうとしてんだ、顎潰すぞ!?」
君も怖いよ、あまりに他人と俺に対する態度が違って怖いよ。
だが、形はどうあれどうやら高岡は俺の味方のようだ。消えかけていた希望が、息を吹き返してきた。
- 202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 22:38:15.67 ID:qUoXLweGO
- 川;゚д川「そんなの許さない、先生は死んで私と一緒にいるんだから! エクスト!」
<_プ0゚)フ ミョンミョンミョン
(;´ー`)「!!」
ヤバい、おばけレーザーだ。さっきは助かったとはいえ、あれを食らったら2人とも一発でアウトだ。
しかし高岡は、何の動揺もなく悠然とした態度で待ち構えていた。
从 ゚∀从「またそれか……芸が無いねぇ、あんたら」
川゚д川「放射!!」
从 ゚∀从「お前のその攻撃は確かにハンパねぇよ。だけどな、俺には届かない。」
<_プ0゚)フ バビューーーン
从#゚∀从「俺の「重力±《プラマイグラビティ》」がある限りはなぁ!!」
ブオン
(;´ー`)「うおぉっ!!」
- 207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 22:41:56.70 ID:qUoXLweGO
- 高岡が手を下げた途端、おばけレーザーはまるでフォークボールのように地面に吸い込まれていった。
从 ゚∀从「俺の《重力±》は文字通り重力を足し引き出来る。
自分にかかる重力を下げて大ジャンプしたり、敵にかかる重力を上げて敵を叩き潰したりできる」
重力操作。厨二が憧れる能力ランキング(俺調べ)で堂々1位の夢能力。多分うちのクラスでも何人かかぶってると思う。
从 ゚∀从「てめぇのそれは空気中の塵やらをかき集めて固めて放つ、言わば太い鉄棒みたいなもんだろ
実体があるもんなら簡単だ、重力で潰せる。」
アレアレ、高岡が頭良い!?
この娘、理科のテストでカエルは何類かって問題で「生物皆同類」とか書いてるお馬鹿さんじゃなかったっけ!?
川;゚д川「くっ、まさか見破られるなんて……」
从;゚∀从「え、マジで!? 当たった!?」
( ´ー`)「勘だったんかーい」
- 213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 22:44:59.68 ID:qUoXLweGO
- しかし、これでもう決まりだ。おばけレーザーは貞子、エクストの唯一の攻撃手段。
それが効かない今、2人には抗う術は無い。
高岡の、勝ちだ。
≡≡川;゚д川「くっ……」
从 ゚∀从「逃がさねえよ」 ブオン
川;゚д川「キャッ!?」 ビタン
<_フ;゚ー゚)フ「御主人!」
逃げようとした貞子に高岡が重力をかけ、貞子は地面に吸いつけられた。実体の無いエクストはフワフワしているが。
そのまま高岡は助走をつけて、渡り廊下の裂け目を飛び越えた。わぁ、CGみたい。
从#゚∀从「てめぇ……先生に何してくれてんだ、万死、いや、兆死に値すんぞにゃろう……!!」
あれ、エクストみたいなこと言ってる! わかった、似たもの同士なのかな!?
川;゚д川「う、うるさい! 私には先生しかいないの、その先生も生きてたら私の物にならないの!」
(;´ー`)「!!」
- 215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 22:48:25.23 ID:qUoXLweGO
- 从#゚∀从「はぁ!? 好きってそういうもんじゃねえだろ!
先生を殺して独占しようとした時点でそれはただの自己満なんだよ!」
川;゚д川「うるさい、先生は暗い私にも優しく接してくれた!
先生だからかもしれないけど、私にそんなに優しくしてくれたのは先生だけだった!」
貞子は、幼い頃に事故で親を亡くしたらしい。
その後親戚に引き取られたが、折り合いが悪く、あまり構ってはもらえなかったという。
そんな状況で育ったが故に、貞子の性格は大人しく、卑屈になっていった。
多分、委員長になったのもそんな自分を克服したかったからだろう。
そして、俺はそんな貞子を教師として応援し、支えた。それが貞子にとってはとても尊いものだったのだ。
川;゚д川「先生は教師、しかも妻子持ち! 私が恋人になれるわけない、わかってる!」
川;゚д川「でも、今なら! 今なら先生を独占出来る、先生を私だけの物に出来る!」
川;д川「生きてたら……生きてたら先生、私の物にならないもん……!!」
从#゚∀从「てっめぇ……」
- 219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 22:52:09.66 ID:qUoXLweGO
- ( ´ー`)「高岡……俺をそっちに運んでくれるか……?」
从 ゚∀从「えっ……? は、はい!」
そういうと高岡は一瞬でこっちに飛び移り、また一瞬で東校舎側に俺を運んだ。正直目で追えんかった。
どうやら『重力±(変な名前)』は他人にかかる重力を少なくすることも出来るようだ。
川;д川「せ、先生……」
( ´ー`)「貞子……ちょっと先生の話を聞いてくれ」
( ´ー`)「優等生のお前に……初めて『説教』をさせてもらう」
- 227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 22:57:18.01 ID:qUoXLweGO
- 貞子には、ワカッテマスのように妄想を否定してもおそらく通じない。貞子が依存しているものは、別のところにあるからだ。
霊感と俺。この2つに対する強烈な依存を解くためには、怒りに任せるだけじゃダメだ。
川;д川「あぁ……先生、ごめんなさいごめんなさい、でも先生が好きすぎて、好きで好きで……」
( ´ー`)「貞子……お前は、寂しかったんだな? 両親が死んで……その思いが強すぎて、お前は霊感を欲しがった」
川;д川「……」
( ´ー`)「霊感があれば両親に会えるかもしれない……。
だけど、いくら霊感を欲しても両親には会えない。余計に寂しくなって、そして俺に縋った。」
川;д川「……はい……私には、先生しかいないから……」
( #´ー`)「バカたれ!!」
川;д川「!?」
( ´ー`)「……そんなことネーんだヨ。お前はとっくの昔に、1人ぼっちじゃなくなってたんだ」
川;д川「え……?」
- 231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 23:00:56.67 ID:qUoXLweGO
- 確かに、貞子は友達作りが上手ではない。自分から人に喋る方では無いため、休み時間はいつも1人だ。
だが、俺は知っている。学級委員長としての貞子の頑張りを、クラスのみんなはとうに認めていることを。
ひねくれ者が多いクラスだからわかりづらいが、貞子がクラスを思っている分、クラスも貞子を思っている。
( ´ー`)「お前は思い込んでいただけだ。俺だけじゃなく、既にみんなお前を認めているんだヨ」
川;д川「……ホント……? みんな……生きているのに私を認めてくれる……?」
( ´ー`)「当たり前だヨ。なぁ高岡?」
从 ゚∀从「俺はこいつ嫌いっす」
テメェェェェェェェェェェェェェッ!!! 空気読めやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!
- 238 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 23:04:06.51 ID:qUoXLweGO
- 从 ゚∀从「まぁ……でも、面倒臭い仕事もちゃんとやってるし?
こいつがクラスに必要な奴だってのは、俺もみんなもわかってると思いますわ」
川;д川「高岡さん……」
从#゚∀从「先生を殺そうとしたことは許さんけどな!?」
(;´ー`)「どうどうどうどうどうどうどうどう」
从//∀从「はにゃぁぁん、宥められちゃったぁぁぁぁっ」
川;д川「……」
川;ー川「……クスッ」
.::_プー゚)フ「おおっ!?」
シュウウウ
(:´ー`)「うおっ、消えてきてる!?」
川;゚д川「エクスト!」
エクストの姿は、少しずつ薄くなっていた。おそらく貞子の霊感への依存と比例しているのだろう。
- 242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 23:08:00.09 ID:qUoXLweGO
- ,:::_プー゚)フ「御主人……どうやら、我はもう必要ないみたいですな……」
川;д川「いや、違うの、エクスト、消えないで……」
,;;;_プー゚)フ「大丈夫です御主人……あなたに、見えない信頼はもう野暮だ。
これからは生きている者達が、御主人に見える信頼をくれるでしょう」
川;д川「エクスト……」
,;;;;プー゚)フ「だから、最後は御主人の言葉で、意思で我を振り切って下さい」
川;д川「……」
,;;;;プー゚)フ「下郎、猿女。御主人を頼むぞ」
( ´ー`)「あぁ……大事にしてやるヨ」
从#゚∀从「オイ猿女って俺のことかオイ塩豆大福触れたらボッコボコだかんなこの野郎」
川;д川「……」
- 245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 23:11:51.77 ID:qUoXLweGO
「……バイバイ、エクスト」
,;;;;;;ー)フ
「達者で、御主人」
从#゚∀从(猿女て……)
- 253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 23:15:03.25 ID:qUoXLweGO
川д川
エクストが消えたと同時に、貞子は黒い煙を噴き出して倒れた。
先生として俺がしてやれるのはこれくらい。目覚めた貞子がクラスを信頼出来るかはわからない。
でも、きっと大丈夫だ。貞子は強い子だから。
俺のやることは貞子が受け入れやすいように、クラスの素行を直しておくことだ。
( ´ー`)「高岡、貞子をどこか安全なところに隠しておいてくれネーか?」
从 ゚∀从「了解! どっか目立たないとこにほっぽいておきます!」
ほっぽくなほっぽくな。まぁ、今までのやりとりでそんなに悪い奴じゃないってのはわかったし、悪い扱いはしないだろう。
(;´ー`)「あ、そうだ! いくつかお前に聞きたいことがあんだヨ!」
从*゚∀从「あ、大丈夫です、奥さんが一番で! 俺はそばにいるだけでいいんで!」
そういうことじゃない。そういう場合じゃない。
- 265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 23:18:44.92 ID:qUoXLweGO
- ( ´ー`)「まず……俺はこの戦いを止めるために、生徒全員に説教して回るつもりだ。だが、俺だけじゃ手が足りない」
从 ゚∀从「あぁ、やっぱりさっきの黒い煙は先生の能力だったんですね」
( ´ー`)「そういうことだヨ。そのためには仲間が欲しい。高岡、力を貸してくれネーか?」
从 ゚∀从「……」
(;´ー`)「……アレ、ダメか……?」
ダメならもう俺どうしようもネーヨ。もう女子に裏切られんのはまっぴらだヨ。
从 ゚∀从「……先生、俺の《重力±》は、ずっとこの時のために妄想してきたんです」
(;´ー`)「?」
从 ゚∀从「先生を、護る。それがずっと抱いていた俺の願いです。
他の奴らは力を奮いたいだけかもしれませんが、俺は先生のために力を使いたい」
(;´ー`)「じゃあ……」
- 275 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 23:21:47.21 ID:qUoXLweGO
- 从 ゚∀从「はい、お供します。俺としてもあんな変な神の好きなようにやらされんのは気に食わないっすし」
( ´ー`)「高岡……ありがとう! 恩に着るヨ」
从//∀从「ふわぁぁぁっ、感謝されちったぁぁぁぁっ」
うん、何か今までの高岡のイメージが根底から覆されたけど、これでだいぶ楽になった。
とりあえず味方が出来たのはデカい。あと最低限必要なもの、それは情報だ。
( ´ー`)「よし、じゃあもう一つ教えてくれ」
从*゚∀从「あ、得意料理はおにぎりですけど他の物が好きなら何でも覚えて作ります!」
そういうことじゃないんよ、ていうかおにぎりを得意料理にカテゴライズすんなよ。
(;´ー`)「いや、そうじゃなくて……現在の生徒達の様子を、わかる範囲でいいから教えてほしいんだヨ」
从 ゚∀从「はーい……あ、ちなみに先生の好きなおにぎりの具は……」
(;´ー`)「いいから教えて!? ちなみに明太子だヨ!」
从*゚∀从「わっかりましたー! 俺も明太子好きでーす!」
- 294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 23:24:59.70 ID:qUoXLweGO
- 从 ゚∀从「先生、今まで誰かの下っ端になってる奴らを見ませんでしたか?」
( ´ー`)「ああ、内藤と鬱田を」
そうだアイツら忘れてた。待ってろ、その向上心の無さをこっぴどく叱って……。
从 ゚∀从「おかしいとは思いませんでした? せっかく夢の能力を手に入れたのに、すぐに誰かに従うなんて」
(;´ー`)「……確かに……」
そういえばそうだ。あんな自己主張の塊みたいな連中が、すぐ自分を下っ端に置くなんて。
从 ゚∀从「先生が逃げた後、ある奴が生徒の多くを洗脳したんです」
(;´ー`)「洗脳!?」
从 ゚∀从「ええ。俺はすぐにその場を離れてたんでかかりませんでしたが。
そいつは洗脳した奴らの中から強い奴4人を『四天王』として側近にし、他は駒にしました。
四天王は勿論、そいつ個人もかなりの力を持っている。現時点での優勝候補です」
なるほど、『四天王』ってのはそういうことだったのか。つまりワカッテマスも洗脳済みだったんだな。
しかしわざわざそんなネーミングやらをするなんてよほど根深い厨二病にかかってんな、腕が鳴るわ。
- 306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 23:28:33.62 ID:qUoXLweGO
- (;´ー`)「で、その洗脳した奴ってのは誰だヨ」
从 ゚∀从「はい、そいつは……」
−同時刻・何か暗い部屋−
「ほぅ……《零の分子》はもう既に2人も倒したのか……委員長は駒では無いが。
フフ、意外な伏兵が在ったものだな、『四天王』よ」
- 313 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 23:32:08.75 ID:qUoXLweGO
(-_-)「……御所望とあれば……僕が直ぐに消しに行きましょうか……?」
『禁断聖書−アンタッチャブル・バイブル−』小森ヒッキー
('、`*川「やめときなさいよ、あの猿女の高岡もいるんだから。もう少し駒に任せてもいいでしょう?」
『人間計算機−モンスター・カリキュレーター−』ペニサス伊藤
ミ,,゚Д゚彡「そうだな、奴らが本格的な脅威になった時、消しに行けばいい」
『能ある野獣−オールマイティ・ビースト−』唐沢フサ
|゚ノ ^∀^)「ええ、我々の真の目的は《指揮帝》を護ることですから」
『煌めきの毒泉−ダイヤモンド・ポイズン−』大前レモナ
「そういうことだ……貴様等は私を王座へ導くべく、キリキリと動けばいい……」
「全ては星に基づいて決まっているのだ……私が、世界を構成せし一因となることが……」
「フフ……先生、せいぜい楽しませてくださいよ……?」
- 323 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/26(土) 23:36:34.88 ID:qUoXLweGO
(*‘ω‘ *)「……っぽ!」
『 指 揮 帝 −コンダクター・エンペラー− 』 椿 ち ん ぽ っ ぽ
(;´ー`)「ええええええええェェェェェェェェェェェェッ!!?」
第二話 END
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