502 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 20:43:20 ID:Ve5hVt3kO

(　＾Д＾)＜あらすじ＆人物紹介

つまり：妄想叶えた厨二の暴走を先生が説教で止めるんだけど今回割と新展開。

(　´ー｀)：教師。説教で厨二依存を消すと能力を消せる。異性のタイプは家庭的な人。

从 ﾟ∀从：純情前世ヤンキー。重力を操れる。異性のタイプは先生一択。

（　＞＜）：ＫＹショタ。色んな重装を操れる。異性のタイプは笑顔が可愛い人。

爪'ー`)y‐：マセショタ。歌詞を心に響かせる。異性のタイプは趣味が合う人。

(*‘ω‘ *)：ほんわかボス。人を洗脳出来る。異性のタイプは好きになった人がタイプ。

(ﾟ、ﾟﾄｿﾝ：秀才苦労人宇宙海賊。空気を操れる。異性のタイプはリーダーシップのある人。

ﾊﾊ ﾛ -ﾛ)ﾊ：ツンデレ帰国子女。忍者の術が使える。異性のタイプは男らしい人。てか弟者。

/ ﾟ、。 ／：ゴスロリ真面目ドジ。剣に触れた者を正気に戻す。異性のタイプは常識的な人。

(　＾Д＾)：かませ犬。ネオマテリアルサイクロプスを操る。異性のタイプは面倒見のいい人。

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ：頭空っぽジャージ娘。能力不明。異性のタイプはカッコいい人。

さくしゃ♂：チキン。病み上がりでカラオケ行ったら『春よ、来い』でノドを潰した。異性のタイプは巨乳を気にしている人。

(　＾Д＾)「知らねえよ」

503 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 20:45:13 ID:Ve5hVt3kO

−数十分前・廊下−

ミ,;ﾟДﾟ彡「いいか？　今の伝言を体育館にいる先生に伝えてくるんだぞ？　余所見寄り道ファックだぞ？」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「ＯＫ牧場ＮＯ農場！　ミセリちゃんに任せてフサは延々と反復横飛びしてなさいな！」

ミ,;ﾟДﾟ彡「ぬぅ、だが心配だな……内容を紙に書いとくか？　いや無くすかも……すまんが肌に書いていいか？」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「オカンか！　心配しすぎだよ、ハゲるよ？　毛深い奴ほどハゲが顕著なんだから」

ミ,;ﾟДﾟ彡「ハハハハゲへんわ！　いいよわかったよ、行くなら行ってくれよ！」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「ヘーイ！　あ、そうだ！　行く前に１つ確認してもいいかね？」

ミ,;ﾟДﾟ彡「か、確認！？　あの考え無しのミセリが確認するなんて……ここは果たして地球なのか！？」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「ナメすぎだろ。ペニちゃん並みにナメすぎだろ。
　　　　　 あのさ、戦闘になったら体育館にいるみんなヤっちゃってもいいの！？」

ミ,,ﾟДﾟ彡「んー……１回くらいは殺しても大丈夫かな。ただしトソンは殺すなよ、体育館墜落するから」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘノ「了解だぜ！　じゃあ行くね！　ホントは遺伝的にハゲるであろうことはわかってんだろ！」

ミ,,;Д;彡「うっせぇうっせぇうっせぇうっせぇうっせぇうっせぇヴぁぁぁぁぁぁか！！！」

504 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 20:47:06 ID:Ve5hVt3kO

−現在・体育館−





ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「……的なことを言われたのは思い出したよ！」

::( 、 ;ｾﾅｶｦﾂﾗﾇｶﾚﾀｯﾄｿﾝ:: ｾﾞﾋｰｯ､ｾﾞﾋｰｯ

(；´ー｀)「お前早い段階で言われたこと守ってネーじゃネーかヨぉぉぉぉぉっ！！！」

从;ﾟ∀从「ブッキングミスだろぉぉぉぉぉっ！！　何で寄りによってこいつが来たんだぁぁぁぁぁっ！」

┃;━┏┃「ていうかこの姿でここまで引っ張るとは思わなかったんですぅぅぅぅぅ！！」

/ ﾟ、。;／（息ぴったりだ……）


.

506 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 20:48:46 ID:Ve5hVt3kO

(　´ー｀)先生の戦う生徒指導のようです



第１８話　　『在庫処分』




.

507 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 20:51:26 ID:Ve5hVt3kO

　みんな、『バカと煙は高いところが好き』って言葉は知っているかな？
　じゃあここで問題だ！　高いところでバカを好きにさせたらどうなる？
　正解は『みんな死ぬ』です！　助けてくれ！

:::( 、 ;ｷﾞﾘｷﾞﾘｯﾄｿﾝ:::「うっ、ハァハァ……ヤ、ヤバいです、ゲームならとっくにライフゲージ赤です……！！」ﾊｧﾋｨﾊｧﾋｨﾊｧﾋｨ

(;#ﾟ;;-ﾟ)「頑張ってトソンちゃん！　今私がムダに巻いてた包帯で止血するから！」ｼｭﾙｼｭﾙ

从;'ー'从「凄いぞでぃ、お前の厨二が役に立ったぞ！」

　都村はその、ハイパーエアプラズマクラスターＸとか何かそんな感じの能力で体育館を浮かべている。
　つまり、都村が死んだら強制的に能力は解除され、体育館はヒューンでドーン。
　今都村は頑張って地上に着陸しようとしてくれてるが、長くは持ちそうに無い。
　まさに急転直下、俺のテンションも急降下。さっきまでノリノリで説教してたのに。

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「とりあえずさ、みんなこの状況を楽しもうよ。墜落死しそうになる状況なんてなかなか無いよ！」

(；´ー｀)「ていうかそんな状況味わいたくネーヨ！　それゆえに楽しめネーヨ！」

　そんでさ、この状況を招いた水窪が一番余裕綽々ってなんなんだ！
　納得がいかん、「好きなままでいたいからお別れしよう」くらい納得がいかん！　何だその理由！

508 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 20:53:27 ID:Ve5hVt3kO

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「もーみんな慌てなさんな、避難訓練で『おかし』習ったでしょ？
　　　　 　恐れることなく、覚悟して、死を受け入れる」ﾆﾊﾟｧｧｧｧｯ

(；´ー｀)「そんな後ろ向きなスローガン習ってネーヨ！」

　えー、何この満面の笑顔。全てを許してしまいそうで怖いんだけど。
　思えば彼女、水窪ミセリは普段からやりにくかった。何せ何も考えてないんだもん。
　いつでもノリに任せ、人の話なんざ右から左へ受け流す。よく言えば天真爛漫、悪く言えばアホちゃうか。
　そんで、こういう生徒は得てして成績に関しては無難だから不思議。そこそこ勉強出来るから謎。

从;ﾟ∀从「えっと、そうだ！　お前フサにメールで聞け！　アドレス交換くらいしてんだろ！」

(；´ー｀)σ「そぉぉぉぉぉれだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「おとーさん曰わく中学生のペーペーが携帯持つ必要は無いらしいよ」

(；>´ー｀)>「ダぁぁぁぁぁメだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！」

┃;━┏┃「その教育方針が裏目に出たんです！！」

( <●><●>)「今回はテンポがいいですね」

510 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 20:55:32 ID:Ve5hVt3kO

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「んー、もうすぐ出そうなんだよー。小一時間ばかし寝れば絶対わかる」

(；´ー｀)「小一時間も待てネーノ！　都村のライフが持たネーノ！」

　参った、何が参ったって水窪が伝言とやらを思い出す気配が全くしない。
　このまま思い出すのを待ってたら、その前に都村が力尽きてしまう。
　こうなったら水窪は一旦ほっぽいて、全員を脱出させる方法を考えるっきゃない！　それしかないんや！

(；´ー｀)「くっ……ハイン、『重力±』でみんな連れて地上に軟着陸とか出来ネーノ！？」

从;ﾟ∀从「うーん……出来なくはないっすけど、人数が多すぎるんで一度に全員はムリっす！！　都村が死ぬまで間に合うか……」

(；´ー｀)「そうか……ビロード、さっきのなんちゃらロボはもう出せネーノ！？」

┃;━┏┃「すいません、さっき壊されちゃったんで……。
　　　　　『ムテキエネルギー』が溜まるまで出せないんです！」

(；´ー｀)「ムテキエネルギー！？　そんな裏設定的なのあったの！？　厨二特有！」

('A`)「エネルギー設定しない厨二はクソモグリだわな」

（　＾ω＾）「同列の設定に属性、タイプ、スタイル、チャクラなどがあるお。以上デブとガリの厨二解説でしたお！」

511 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 20:57:49 ID:Ve5hVt3kO

(；´ー｀)「マズいマズい……ハローはクレイジー、ダイオードは飛べない、フォックスはムリ……」

爪'ー`)y‐「フッ、歌で心を落ち着かせられるというなら喜んで歌うがな」

（ ∵）ﾁﾅﾐﾆ ｵﾚｶﾞﾑｺｳｶﾃﾞｷﾙﾉﾊｺｳｹﾞｷﾀﾞｶﾗ ﾗｯｶﾉｼｮｳｹﾞｷﾊ ｶﾝｶﾂｶﾞｲﾀﾞｿﾞ

(*;ﾟ∀ﾟ)「あとはプギャーとショボンが……いや、無いな、ゴメンな……？」

(；＾Д＾)「ちょっとは頼れや！　いや頼られてもどうともならんが！」

(´･ω･`)「ハッ、これほど人がいて誰も状況打開出来ないのか。愚かというか惨めというか……」

（´<_｀　）「クレイジーハロー。あの眉毛人間を好きにやっちゃって構わんぞ」

ﾊﾊ*ﾛ 々ﾛ)ﾊ「ウェッヒー！　ショボンクンって血ぃスキスキ！？　ワタシはシュキシュキダイシュキブラッド！！
　　　　　　よーし、そんじゃ一緒にミミ削ぎ合いマショウカ！　ザクザクピュルピーッ♪」ｳｷｳｷ

(´･ω･`)「ﾏｼﾞｺﾞﾒﾝﾏｼﾞｺﾞﾒﾝﾏｼﾞｺﾞﾒﾝﾏｼﾞｺﾞﾒﾝﾏｼﾞｺﾞﾒﾝﾏｼﾞｺﾞﾒﾝﾏｼﾞｺﾞﾒﾝﾏｼﾞｺﾞﾒﾝﾏｼﾞｺﾞﾒﾝﾏｼﾞｺﾞﾒﾝﾏｼﾞｺﾞﾒﾝ」

(；´ー｀)「どうしよどうしよどうしよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ！！！」

512 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 21:00:14 ID:Ve5hVt3kO

(;#ﾟ;;-ﾟ)「そんなことよりマズいよ、トソンちゃんの血が止まらない！　グロい！」ｱｾｱｾ

从;'ー'从「クソッ、でぃの包帯だけじゃ足らん！　こうなったら私のサラシも……！！」ﾊﾞｯ

川;ﾟд川「サラシ！？　渡辺さんそんなサムライスタイルでふぇぇとか言ってたの！？」

（;*-@∀@）「な、まさかこんなタイミングでおっぱいチャンスが！　網膜に焼き付けるぜ！」

(・∀ ・)「はーい、バカ撤収しまーす」

:::::( 、 ;ﾄｿﾝ::::: ｾﾞﾋｰｾﾞﾋｰｾﾞﾋｰｾﾞﾋｰ

(；´ー｀)「……都村……」

　都村は見るからに衰弱し、さっきまでのノリノリが見る影もなく蒼白だ。
　少なくとも都村は助けることが出来ない、その上、このままじゃここにいる全員死んじゃう。

(；´ー｀)「畜生……俺は、俺はどんだけ無力なんだヨ……！！」ﾄﾞﾝｯ

┃;━┏┃「先生……」

513 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 21:02:21 ID:Ve5hVt3kO

　こんな状況になると、俺が如何に無力かを思い知らされる。
　いくら説教で生徒を救うと息巻いても、生徒の命を救うために何も出来ない。
　意志に力が追いつかない。八つ当たりで床を叩いた拳がヒリヒリと痛んだ。

从 ﾟ∀从「……先生、先生は無力なんかじゃないっすよ、むしろ誰より強いっす」

(；´ー｀)「ハイン……」

从 ﾟ∀从「だって俺は先生のために能力を使おうって決めたんです、先生だからです。
　　　　　それだけじゃなく、こんだけのみんなが先生に救われてんですよ、自己嫌悪する必要ありません」

(；´ー｀)「ハイン……すまん、俺が弱音吐いちゃダメだよな……悪かった、頑張るヨ……！！」

从*ﾟ∀从「ハイ！　先生のために俺も精一杯尽力させて頂きます！」

(*;ﾟ∀ﾟ)「今はそんなシリアスモードはいいから状況打開策をくれぇぇぇぇぇ！」

:::::( 、 ;ﾄｿﾝ::::: ｾﾞﾋｰｾﾞﾋｰｾﾞﾋｰｾﾞﾋｰ

515 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 21:04:29 ID:Ve5hVt3kO

┃;━┏┃「うー……ここはやっぱり多少高岡ウロスさんに多少ムリしてもらうしか無いんです！」

从;ﾟ∀从「んー、でも一度に３人運ぶにしても９往復……高岡ウロス！？　ピン芸人みたい！」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「……」

(,,ﾟДﾟ)「だったらハインの往復の負担を減らすため、何人か切り捨てなきゃならんかもなｺﾞﾙｧ」

(*ﾟーﾟ)「やっべー、そうなればボケもツッコミも目立たない私達が真っ先に仕分けられるじゃんやっべー」

ﾐｾ*ﾟ３ﾟ)ﾘ「……」ｲﾗｲﾗ

（-@∀@）「じゃあこうしようじゃないか。どうせ死ぬんだから女子は僕におっぱいを揉ませると」

(・∀ ・)「もうお前真っ先に飛べよ」

ξ;ﾟ�听)ξ「そ、そうよね……し、死ぬならせめて誰かに揉まれて……」

川;ﾟд川「照井さぁぁぁぁぁん！！　気を確かに持ってぇぇぇぇぇっ！」

ヽﾐｾ*#ﾟДﾟ)ﾘノ「構えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ！！！」ﾊﾞﾋﾞｮｰｰｰｰｰﾝ

(；´ー｀)そ「おおぉっ！！？」ﾋﾞｸｯ

516 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 21:06:20 ID:Ve5hVt3kO

　やだ急展開、ちょっと目を離してたらよく分からない理由で敵がキレた！！
　しまった、コイツなかなかのかまってちゃんだ！　神聖かまってちゃんよりかまってちゃんだ！

ﾐｾ*#ﾟ３ﾟ)ﾘ「何さ何さ、私ほっぽいてみんなピンチに夢中で！
　　　　　　ミセリは寂しいと干からびて死ぬんだぞ！　多分！」ﾌﾞｰﾌﾞｰ

(；´ー｀)「え、お前ピンチに嫉妬してんの！？　お前が招いたピンチだヨ！？」

┃;━┏┃「ていうか水窪さんそんな新種のウサギ的な習性持ってるんですか！？」

从;ﾟ∀从「余計なところにツッコむな！　時間を食う！」

≡≡≡ﾐｾ*#ﾟーﾟ)ﾘ「そんな落下のピンチより私の方がよっぽどピンチ与えられっからね！
　　　　　　　　　うおぉぉぉぉぉミセリちゃんに構えぇぇぇぇぇっ！！！」ﾋﾟｭｰﾝ

(；´ー｀)「よくわからん理由で襲いかかってきたぁぁぁぁぁっ！！」

ｄ（´<_｀　）「今日の教訓・アホを放置するとめんどくさいことになるでよ☆」

517 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 21:08:29 ID:Ve5hVt3kO

　意味不明の理由で突っ込んできた水窪。速いから困る！
　こういうのが成長して知恵をつけるとメンヘラになっちゃうんだよ！
　そうしないために先生の指導がある！　殺されそうだけど！

从 ﾟ∀从つ「ハッ、先生に触れたいなら俺を通せや！　許可は出さんがな！」ｻｯ

(；´ー｀)「ハインウロス……！！」

从;ﾟ∀从「ハインウロス！？　なんか北欧の地名っぽい！」

　俺に向かってくる水窪との間に割って入るように、ハイン改めハインウロスは立ちはだかった。
　ハインウロス（以下ハイン）の言う通り、恐らく水窪の攻撃は格闘系。
　だとしたらハインの『重力±』で抑えつけてしまえば大丈夫なはず。理論上は！

从 ﾟ∀从ъ「さぁ来やがれ猪娘。お前の脳揺らして無理矢理伝言思い出させてやるよ」ｸｲｸｲ

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「ウフフ、ナメてちゃダメだよハインちゃん。空っぽの頭には妄想が詰まってんのさ！」ｸﾞｯｸﾞｯ

(；´ー｀)「か、格好いい……！！　ドラマみたい……！！」

爪'ー`)y‐「お互いそこそこのアホってのが熱いよな。粋だねぇ」

520 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 21:10:53 ID:Ve5hVt3kO

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「そんじゃ、改めて……」ｸﾞｸﾞｸﾞｯ

≡≡≡≡≡ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「行くよ！？　やーっ！！」ﾋﾞｭﾋﾞｭｰﾝ

(；´ー｀)「！！　は、速い！！」

　凄く絵になる睨み合いを済ませた水窪は、勢いよく床を蹴って向かってきた。
　水窪は陸上部だが、そんなんじゃ片付けられないほどのスピードだ。フォーミュラだフォーミュラ。
　それに対し、ハインは一切退かず迎え撃つ。これが漫画なら見開きで見せたい。

从#ﾟ∀从つ「上等！　行くぜ新技『下半身馬状態重力±（ｹﾝﾀｳﾛｽﾌﾟﾗﾏｲｸﾞﾗﾋﾞﾃｨ）』！」ｷｭｩﾝ

ﾍﾟﾀ;*ﾟーﾟ)ﾘ「ひゃっ！　わかりやすく髪がペタリとなっちゃった！」ﾋﾞﾀｧﾝ

┃;━┏┃「ていうか新技でも何でもないんです！　ただケンタウロス状態で技出しただけなんです！」

从#ﾟ∀从つ「核心を突くなモアイ顔！！」

521 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 21:15:15 ID:Ve5hVt3kO

ﾍﾟﾀ*;ﾟーﾟ)ﾘ「うぎゅー、動けないやー………せっかく勢いよくギューンてしたんに……」

从#ﾟ∀从つ「ハッ、体術系の奴はすべからく俺の能力で抑えられるんだよ！
　　　　　　先生に指一本触れられると思うな、俺が触れたいわぁぁぁぁぁっ！！」ｼｬｧｧｧｧｯ

（ヽ'∋`）

从ﾟ∀;ﾉ从つ「『あれ？　僕にそこそこ手こずってたよね？』みたいな目で見るな鶏ガラぁぁぁぁ！！」

(；´ー｀)「とりあえず集中しようぜ！？」

　相変わらず全力でツッコむハイン。バラエティだったら保たないぞ。
　だがしかし、重力は効いてる。水窪はまるで虎の敷き皮みたいになってる。
　水窪がどんな能力かは知らないが、とりあえずこれで封じたはず……。

ﾍﾟﾀ*;ﾟーﾟ)ﾘ「ぎゅー……なるほど、ハインちゃんの能力はこんな感じね……」ｷｭｩｩｩｯ

从#ﾟ∀从「そうだよ、わかったらとっとと帰れ！　全員地上に降ろさなきゃならんのだから……」

ﾍﾟﾀ*ﾟーﾟ)ﾘ「わー、そりゃ大変だ。でもさぁ……アンラッキーだったねケンタリッヒちゃん」

从;ﾟ∀从「斬新なネーミングしてんじゃねぇよ！　アンラッキーってどういう……」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「いや、よりによって私が相手だったから」ｽﾀｯ

从;ﾟ∀从そ「ふがっ！？」

522 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 21:17:31 ID:Ve5hVt3kO

(；´ー｀)「なっ……た、立った！？　しかも軽々と！！」

＼ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ／「ふーっ、しんどかったー。いくら陸上部だからって陸と同化したくは無いさ」ﾉﾋﾞﾉﾋﾞ

从;ﾟ∀从「えっ、いや、えぇっ！？　何でお前普通に立ってんの、重力は絶賛放出中だぜ！？」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「ふふー、何ででしょねー♪」ﾙﾝﾙﾝ

(；´ー｀)「……ハインの重力の中でも動ける能力……」

　水窪は、まるで重力なんて無関係とばかりに立ち上がった。ハミングまで飛び出した。
　有り得ない、ハインの重力の凄まじさには何度も助けられた。
　それこそ水窪みたいなパワータイプには抜群なんだ、効かないわけが……。

(；´ー｀)「……待てヨ……？　重力……？」

　思いついた。ハインの能力が効かない、もしかしたらの能力。
　だが、だとしたら色んな意味で最悪だ。俺にとっても、ハインにとっても。

523 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 21:20:59 ID:Ve5hVt3kO

(；´ー｀)「ハイン……マズいヨ、多分水窪はお前の天敵だヨ……！！」

从;ﾟ∀从「俺も多分同じ推理してます……テメェ、まさか……！！」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「おっ、気付いた？　そうよ、私の能力は……」





＜ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ／「　重　力　法　則　無　視　！　！　！　」ｽﾞﾊﾞｰｰｰｰｰﾝ

＜从;ﾟ∀从／「やっぱりかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！」ｶﾞｰｰｰｰｰﾝ

＜(；´ー｀)／「やっぱり重力系能力カブってたかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！」ﾄﾞｰｰｰｰｰﾝ

＜┃;━┏┃／「なんなんですかこのポーズぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ！！」ｷﾞｭｰｰｰｰｰﾝ

＜ﾊﾊ ﾛ 々ﾛ)ﾊ／「ﾌﾟﾗｽﾞﾏ」ﾁｭｰｰｰｰｰﾝ


.

524 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 21:23:33 ID:Ve5hVt3kO

　『重力操作。厨二が憧れる能力ランキング（俺調べ）で堂々１位の夢能力。多分うちのクラスでも何人かかぶってると思う。』
（第二話・『生きてるってなんだろ、生きてるってなあに』より抜粋）

　なんてこった、まさか第二話でのこの発言が第十八話にして回収されるなんて！
　そりゃ重力に憧れる気持ちはわかるけどさ、クラス内の妄想情報はサーチしとこうよ！
　しかもよりによって完全なアンチ能力だし！　都合が悪い！

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「私の『自由行動（ｱﾝﾘﾐﾃｯﾄﾞｱｸｼｮﾝ）』は重力に縛られない。好きに跳べるし壁も歩ける。
　　　　　 自分の頭の中に思い描いた理想の動きを１００％再現出来るのさ！」

　なんか格好良い！　ていうか水窪、ちゃんと能力詳細とか考えられるんじゃん！
　頭カラッポ夢詰め込めるタイプのわりにこっち方向には脳は動くんかい！

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「いやー、絶対重力操作系能力者カブってると思ってアンチ能力設定したのが功を奏したね」

从;ﾟ∀从「ま、まさかあの脳味噌ピーマン娘ミセリに読み負けただとーーーーーぅっ！！？」ｽﾞｶﾞｰｰｰｰﾝ

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘｂ「へっへっへ、脳なんて飾りさ！　妄想と夢は心で考えるもんよ！？」ｸﾞｯ

/ ﾟ、。;／（いいこと言ってるっぽいけどなんかダサい！）

525 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 21:26:35 ID:Ve5hVt3kO

(；´ー｀)「いや、だったら都村の背中を貫いたりしたのはおかしくネ！？
　　　　　　重力無視出来るっつっても、破壊力とかは変わんネーだろ！？」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「そこは能力無関係で私の力はブランカ並みってことにしといたんよ」

へ(；･∀･)へ「ブランカ！？　スト�Uの！？　せめて春麗にしとけよ！」

（´<_｀　）「ていうか今時の１４歳がスト�Uで強さ考えるってどうなんだろうな」

/ ﾟ、。;／「虚空を彷徨える道化が視た夢は仄暗き旅の序章とも云えるパラフィン……。
　　　　　　（訳・水窪さん……その思考をもう少し現実に使ってくれればいいのに……）」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「んー、何言ってんのか誰なのかもイマイチわかんないけど、とりあえず褒められてる気がする！」

(；´ー｀)「俺も何言ってんのかわかんネーけどとりあえず褒められてないことはわかる！」

爪'ー`)y‐「フッ……じゃじゃ馬も過ぎれば暴れ馬、か……さぁ、先生に乗りこなせるかね……」

从;ﾟ∀从「訳せや！　サボってんじゃねぇぞ！」

(´･ω･`)「人数が多いと大変だね」

527 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 21:28:41 ID:Ve5hVt3kO

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「さぁ、そんなわけでして！　ハインちゃんの抑えつけは効きやしないぞよ！」ﾆﾔﾘ

从;ﾟ∀从「チッ……もっとオリジナリティのある能力にしとけば良かった……！！」ｷﾞﾘｯ

　憎々しげに表情を歪めるハインに対して、水窪は涼しい顔。
　これでハインの攻撃は完全に通じないことが判明した。こいつぁ痛い！！

(；´ー｀)「こうなったら……フォックス、頼めるかヨ！？」

爪'ー`)y‐「愚問、俺の喉はとっくに欲求不満なんだよ。任せろ、今回は『格好悪いふられ方』でも歌うか」

　女子学生向きじゃなくね？　頼もしいけど大江千里は女子学生に響かなくね？

(´･ω･`)「おっと、僕達がいることも忘れないでくれよ。そんなおめおめと歌わせたりしないぜ」ｻﾞｯ

(　＾Д＾)「格好悪いからな。全裸でやってる時点でどんなセリフもコミカルだからな」

从#ﾟ∀从σ「調子こくなよ変態三銃士！　ミセリはともかくテメェらは重力でぺちゃんこに出来るんだかんな！？」ﾋﾞｼｯ

（ ∵）ｵﾚﾏﾃﾞﾍﾝﾀｲﾆｶﾃｺﾞﾗｲｽﾞｽﾙﾅｼ

528 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 21:30:57 ID:Ve5hVt3kO

┃;━┏┃「だったら水窪さんは僕が止めるんです！　やるっきゃないんです！」ｻﾞｯ

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ=3「おっほー、上等！　兵器に身１つで立ち向かう、心躍ることこの上ないね！」ﾊﾞﾌﾝﾊﾞﾌﾝ

　すげぇ、構図的にはビロードの方が悪役っぽい。だいぶ小物っぽい。

(；´ー｀)「よし……鈴木はハローが変なことしないか見ててくれヨ。大丈夫、多分噛みつかないから」

/ ﾟ、。;／「消え去りそうな霞の奥に潜む仮初めの楽園！
　　　　　　（訳・はい！）」

ﾊﾊ#ﾛ 々ﾛ)ﾊつ†「ウップス、ヨッキューフマンのフラストレーション！　ワタシも戦ってもぎ取りタイ！
　　　　　　　　いいdeath、ワタシはクナイでモララララクンのpocket monsterをイジクリクリクリリリリィッ！！」ﾂﾝﾂﾝ

へ(；･∀･)へ「ぁふぅん！　変なことされてるよ、助けて鈴木、何でちょっとほくそ笑んでんの鈴kぅあぁん！」ﾋﾞｸｯ

　とりあえず、続々とマッチメイクが決まっていく。ハローの元のキャラどんなんだっけ。
　とりあえず、後は都村の様子だ。出来るだけ降下してもらえると助かるんだが……。

( 、 ﾄｿｻﾗｻﾗ::.

＼(；´ー｀)／「ほんぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！」

529 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 21:33:31 ID:Ve5hVt3kO

　いやぁぁぁぁぁ、目を離した間に都村がサラサラ言ってるぅぅぅぅぅ！！
　ヤバいヤバい、死ぬにしても『死にます』っつって死んでくれなきゃ心の準備がぁぁぁぁぁ！！

从;'ー'从「つ、都村、しっかりしろ！　死ぬな、死んだら死ぬぞ！　気張れ！」ﾕｯｻﾕｯｻ

(;ﾟ -ﾟ)「そ、そうだよ、頑張って！？　盛り返して！　まだ『ﾝ』しか消えてないんだから！」ﾂﾙｰﾝ

(,;ﾟДﾟ)「あれ、でぃ！？　顔の包帯とか全部取ったからしかめっ面のしぃにしか見えないぞｺﾞﾙｧ！？」

(*ﾟーﾟ)「おいおいここに来てキャラ被りとか正気かよでぃちゃん屋上に行こうぜ」

(;ﾟ -ﾟ)「既に屋上より高い場所に来てるよ！？」

(*;ﾟ∀ﾟ)「コントしてる場合かよ！？　あ、アタシも並んだら更にややこしいことに！」

(；´ー｀)「未だにコント継続中だヨ！　都村、戻ってこぉぉぉぉぉい！　今死なれたら色んな人が困ぁぁぁぁぁる！！」

( 、 ﾄｿｻﾗｻﾗ::.「……」

Σ(ﾟ、ﾟ;ﾄｿ「…………っはぁっ！！」ｶﾞﾊﾞｧｯ

　盛り返した！！　『ﾝ』は失ったが盛り返した！！

531 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 21:42:30 ID:Ve5hVt3kO

(ﾟ、ﾟ;ﾄｿ「あ、危ない危ない……。
　　　　　　三途の川の向こうで先生の口を『W』にした感じのおじいさんが手を振ってました……！！」ﾌﾗﾌﾗ

(；´ー｀)「それ多分だけど俺のじいちゃんだわ！　何で教え子の臨死に立ち会ってんだ！」

::(ﾟ、ﾟ;ﾄｿ::「し、しかし傷は治ってないのでギリギリです……！！
　　　　　　　多分ちょっとでも気を抜いたらそのままサラサラします、それまでに出来るだけ降ろします……！！」ﾊｧﾊｧ

　今にも倒れそうな形相で息を荒げながら、都村は体育館降下に戻った。
　考えてみれば死の淵から還ってきたこと自体が奇跡的なんだ、あまり長時間の期待は出来ない。

(；´ー｀)「わかったヨ……みんな、命がかかってるから、都村を刺激しないようになるべく静かに……！！」

┃;━┏┃「りょ、了解なんです……！！　そんなわけで水窪さん、なるべく静かに……！！」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「にゅー、そんなことしなくても私はいつでも寡黙だけどにゅー」

┃;━┏┃（「どこがですか！？」ってツッコみたいけど大声は出せないんです！）

532 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 21:50:45 ID:Ve5hVt3kO

ｼｰｰｰｰｰ(*;ﾟ∀ﾟ)( <●><●>)(;・∀ ・)ξ;ﾟ�听)ξ（;-@∀@）（´<_｀　）ｰｰｰｰｰﾝ

　本格的にピンチとあってか、特に騒がしいメンツも口を閉じる。
　基本みんなハイテンションだから静かだと違和感。なんか怖い。
　あとは戦闘班のみんなが、なるべくトソンを刺激しなければ……！！

从;ﾟ∀从「よし……！　オイ馬鹿共、極力音は立てないで戦うぞ！
　　　　　特に大変態はトソンの視界に入るな！　集中力を削ぐから！」ﾋｿﾋｿ

(´･ω･`)「だってさ。ビコーズ君も大変だね。大変態だけにｗ」

（ ∵）ｷｻﾏﾉｺﾄﾔﾛｶﾞｰｲ

　やだやだ、あんまり気にしてない！　あの２人いやに余裕！
　畜生、大声でツッコめないストレス！　頼むから静かにしてくれお菓子あげるから！

(　＾Д＾)「まぁ体育館落ちたら俺達も困るしさ……」

　そうだ、いいぞプギャー！　お前今一番役立ってるぞプギャー！

(　＾Д＾)「そんなわけでさ……」

533 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 21:56:03 ID:Ve5hVt3kO

(　＾Д＾)「頑張れ、ウルトラのトソン！」



(ﾟ、ﾟﾄｿ

(ﾟ、ﾟﾄｿ

(ﾟ、ﾟ;ﾄｿ「はい頑張ります、ここで死んだら母星のタロウに申し訳が……」

Σ(ﾟ、ﾟ;ﾄｿ「……って誰がウルトラの星出身者ですか！」ﾋﾞｼｯ

(ﾟ、ﾟﾄｿ

(ﾟ、ﾟ;ﾄｿ「……っ……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ



::.( Д ;ﾄｿ::.「……っがはっ！！」ﾊﾞﾀｯ

(；´ー｀)「つむらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！」
( 、 ::. ｻﾗｻﾗ

(；>´ー｀)>「死んだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！」

536 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 21:58:17 ID:Ve5hVt3kO

( 、 ::::. ｻﾗｻﾗ

　なんてこったぁぁぁぁぁ、都村のアイデンティティが完全に砂と化したぁぁぁぁぁ！！
　なんで命をかけてまでノリツッコミに手を出した！　そこまでして捌くボケじゃないだろ！
　まさかトドメがプギャーになろうとは！　ウルトラのトソンで人が死ぬとは！

从;'ー'从「うおぉぉぉぉぉ、都村ぁぁぁぁぁっ！！　遺言が『誰がウルトラの星出身者ですか』でいいのかぁぁぁぁぁ！！」

(;ﾟ -ﾟ)「プギャー君……いくらなんでもダメだよ、人の命を奪うようなボケはダメだよ……！！」

(；＾Д＾)「おとなしめの女子に侮蔑の視線で見られている！　ゾクゾクする！」ｿﾞｸｿﾞｸｯ

　コイツ、本物だ！　本物のマゾヒストだ！！

川;ﾟд川「そ、それより、都村さんが死んじゃったってことは……！！」

（´<_｀　）「それを乗り越えた子供が荒れた大地に種を蒔く」

(;・∀ ・)「何の話だ！　違うよ、この体育館を浮かべる力が無くなったから……！！」

538 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 21:59:15 ID:Ve5hVt3kO

　ｶﾞｸﾝｯ

(；´ー｀)「っ！！　きたぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ！！！」

( <○><○>)「ヒャハハ、死ぬんだ死ぬんだ、私達みんな死ぬんだヒャハハぁぁぁぁぁっ！！！」

/ ﾟ、。;／「怖い！　貴方そんなキャラじゃなかったでしょ！！
　　　　　　（訳・黄昏に隠れる真実の隙間に罅割れた未来がイニシエーション！！）」

从;ﾟ∀从「ダイオードの本音とビジュ語が入れ替わった！　テンパってる合図だ！」






.

540 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:01:25 ID:Ve5hVt3kO

ξ;ﾟ�听)ξ「キャッ、お、落ちるぅぅぅぅぅっ！！　助けてぇぇぇぇぇっ！！」ﾋｭｩｩｩｩ

へ(；･∀･)へ「うおぉぉぉぉぉ、磔だから何の回避行動も取れねえぇぇぇぇぇ！！」

　動力を失った体育館は、一気に地上へと吸い込まれるように落ちていく。
　マズい、まだ屋上くらいの高さがある。下はガッチガチの校庭だ、マズいマズいマズい！

（;-@∀@）「うおぉぉぉぉぉ、こんな状況だ、誰かおっぱい見せろぉぉぉぉぉ！！！」ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ

(；´ー｀)「パニクるなぁぁぁぁぁっ！！　変な方向にパニクるなぁぁぁぁぁっ！！」

爪'ー`)y‐「フッ、こんな浮遊感、そうそう味わえるもんじゃねぇな。タバコチョコで一服だ」ｸﾁｬｸﾁｬ

从;ﾟ∀从「テメェは落ち着きすぎなんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ！！」

┃;━┏┃「そうこうしてる間に地上がすぐそこなんですぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ！！」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「キャハッ、何これアトラクションみたいで楽しー。３００円までなら払えるー」ﾜｷﾜｷ

(；´ー｀)「楽しむなぁぁぁぁぁっ！！　マズい、ぶつかるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ！！！」

541 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:02:40 ID:Ve5hVt3kO

<ヽ　∀　>（　　_ゝ ）へ(；･∀･)へξ;ﾟ�听)ξ（ヽ;'∋`）(;ﾟ -ﾟ)从;'ー'从川;ﾟд川ﾊﾊ ﾛ 々ﾛ)ﾊ爪'ー`)y‐ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ┃;━┏┃从;ﾟ∀从(；´ー｀)



「あああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！！！」



/ ﾟ、。;／(<○><○> )(ﾟ∀ﾟ;*)(・∀ ・;)（@∀@ｰ;）（＾ω＾；）('A`;)(＾Д＾；)(´･ω･`)（∵ ）（´<_｀　）(ﾟДﾟ;,)(ﾟーﾟ;*)







.

542 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:04:20 ID:Ve5hVt3kO

−校庭−

*(‘‘)*「〜♪　バッハ〜のせんりつを〜♪　よるにきいたせいですこんなこころ〜ぉお♪」ﾃｸﾃｸ

*(‘‘)*「Ｈｉ！　私ヘリカル！　さっきまで屋上でアホみたいに気を失ってたヘリカル！」

*(‘‘)*「今さっきエプロンドレスを纏った屈強な男達にゴボウでしばかれるという謎の悪夢から帰ってきたよ！」

*(‘‘)*「ビロード君マジファック！　せっかく主人公パーティーに一時加入のチャンスだったのに！」

*(‘‘)*「まぁ過ぎたことを気にしてもしょうがないよね☆　切り替えの早さと文章力がヘリカルのいいところ！」

*(‘‘)*「そんなわけで今は校庭に来ています！　静かな夜を１人歩くの格好いいんじゃないかと思って！」

*(‘‘)*「まぁ空に体育館がある限りムードもへったくれも無いんだけどね！」

*(‘‘)*「いやぁ、今頃みんなあそこでドンパチやってんだろーなー。いーなー恨めしいなー」

*(‘‘)*「………ありゃ？」

*(‘‘)*「……何か、体育館が近付いてきてるような………」

543 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:06:02 ID:Ve5hVt3kO

　┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛━━━━━━━━━━━━━━━━`／



*(; ﾟ ﾟ)*「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！？」

*(;ﾟ ﾟ )*「正面にもおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！？」

*(ﾟ ﾟ ;)*「ついでにこっち側にもおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！？」

544 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:08:09 ID:Ve5hVt3kO

ﾌﾟｼｭｩｩｩｩｩｩｩｩｩｯ

*(;‘‘)*「………っ！！？　！！！？？」ﾋﾞｸｯﾋﾞｸﾋﾞｸｩｯ

*(;‘‘)*「……体育館、落ちてきよった……！！　瓦礫の山になりよった……！！」

*(;‘‘)*「マジかよ、何で体育館が上がる瞬間と下がる瞬間の両方間近で見なきゃならんの……」

*(;‘‘)*「腰抜けた……この状況をイケないおじさんが見たらヘリカルピンチ……！！」

*(;‘‘)*「……どうしよう、中に人がいたとして生きてないよね……木っ端微塵だもの……」

*(;‘‘)*「少なくとも人質、トソンちゃん団、先生達はいたはず……メインやないか……」

*(;‘‘)*「どうしよう、１時間主人公不在……！？　敵の動向で１話まるまる使うのもバトルものの定石だけど……」

*(;‘‘)*「……と、とりあえず瓦礫掻き分けてみようかな……アンビリバボーがあるかもだし……」

「……う、うぅん……！！」ｶﾞｻｺﾞｿ

*(;‘‘)*「！！　だ、誰か生きてるの！？　生存者あり！？」

545 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:10:32 ID:Ve5hVt3kO

(；´ー｀)「ぶっ、ぶはっ！　瓦礫口に入った、不味っ！」ｶﾞﾗｯ

*(;‘‘)*「せ、先生！　流石主人公補正……！！」



ｶﾞﾗｶﾞﾗ「ぐっ、よいしょらっ！」从;ﾟ∀从（；＞＜）「うんとこしょなんです！」ｶﾞﾗｶﾞﾗ



爪'ー`)/ ﾟ、。;／ﾊﾊ ﾛ -ﾛ)ﾊ（´<_｀　）ｶﾞﾗｶﾞﾗ



ｶﾞﾗｶﾞﾗ（ヽ;'∋`）川;ﾟд川(;'A`)（；＾ω＾）(*;ﾟ∀ﾟ)( <●><●>)



ｶﾞﾗｶﾞﾗ(*;ﾟーﾟ)(,;ﾟДﾟ)(;#ﾟ;;-ﾟ)从;'ー'从(；＾Д＾)（ ∵）ξ;ﾟ�听)ξ(;・∀ ・)（;-@∀@）へ(；･∀･)へﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ ｶﾞﾗｶﾞﾗ



*(;‘‘)*「　！　！　！　！　？　？　？　」ﾄﾞｰｰｰｰｰﾝ


.

546 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:13:45 ID:Ve5hVt3kO

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「ふわー、ビックリしたー。ハギワラだと思ってた人がオギワラだったくらいビックリしたー」

/ ﾟ、。;／「な、何で私達無傷なの……こんなの鈍色の輝きを纏った死神の鎌に引き裂かれしエデン……」

( <●><●>)「フッ、助かることはワカッテマした。焦ることが愚鈍なのです」

(*;ﾟ∀ﾟ)「お前白目剥いてヒャッハーだったじゃねえか！」

从;'ー'从「だ、大丈夫かでぃ、顔に誰だかわかる程度の傷がついてるぞ！？」

(;#ﾟ;;-ﾟ)「えっ？　あっ、本当だ、紛らわしくないようになってる！」

(；´ー｀)「なっ……どういうことだヨ、これ……」

　体育館が落下した瞬間、俺達は全員が全員「死」を覚悟した。
　だがしかし、どっこい俺達は生きている。しかも大量の瓦礫の下敷きになっておきながら、ほとんど無傷だ。
　傷ついてるのは東野くらい。それもかなりの軽傷だ、どういうこっちゃ。
　ご都合展開が持ち味の漫画でもラッキーじゃ片付けてはいけないレベルだぞこれ！

*(;‘‘)*「……え、えぇ……何これ、奇跡の目撃者なの私……！？」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

(；´ー｀)「ん……お、お前はヘリカル！　何でここに……！？」

*(;‘‘)*「いや、私の存在なんかどうでもいいよ！　騒ぐ程度のことじゃないよ！」

547 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:16:10 ID:Ve5hVt3kO

从;ﾟ∀从「ていうか、俺達は何で生きてんだ！？　ハッ、まさかヘリカル……！？」

*(;‘‘)*「やってないやってない！　私に沢山の命救うポテンシャル無いもん！！」

（；＞＜）「ていうか沢近さん、高岡さんいわく伊藤さんにほにゃられたっぽいですが、見た感じ元気で……」

*(;‘‘)*「レズだよ！　今の私はレズだよ！　私の話なんかどうでもいいんだよ！！」

从;ﾟ∀从「いや、ていうかビロード、お前顔戻ってんぞ！？　濡れ場も出来そうに無いぞ！？」

（；＞＜）「あっ、本当なんです！　そういう高岡さんも二足歩行なんです！」

ﾊﾊ;ﾛ -ﾛ)ﾊ「ウ、ウゥン……なんか長いナイトメアを見てタ気がシマス……」ﾌﾗｯ

（´<_｀　）「やぁハロー、お前さっきまで俺にシュキシュキダイシュキとか内臓バザーで売りたいとか言ってたぞ」

ﾊﾊ;ﾛ Дﾛ)ﾊそ「　！　！　！　？　？　」

*(;‘‘)*「わからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん！！　さっぱりわからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん！！」

　コイツこんな奴だったっけ。

548 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:17:25 ID:Ve5hVt3kO

　とりあえずヘリカルにツッコミを任せてる間に、なんとなくわかったことがある。
　さっきまでケンタウロスやら地井武男やらになっていたみんなが、元の体に戻っている。
　ハローに至っては正気に戻って何か恥ずかしいことになってる。初々しい！

(；´ー｀)「……ってことは、これ、まさか……」

「うっ、ぐふっ……ど、どうやら成功したみたいだね……」

(；´ー｀)「！！　やっぱり、この状況はお前の能力かヨ……！！」

　俺が思案に暮れていると、瓦礫の中からくぐもった声が響いた。
　そう、この声の持ち主こそ、ハインをケンタウロスにしたりした張本人。
　ただでさえワケわからん状況をさらにカオスに仕立て上げた垂れ眉の戦犯。

(;´ｰωｰ`)「ふぐっ……ぶっつけ本番だったけど、上手くいって何よりだよ……」ｶﾞﾗｶﾞﾗ

(；´ー｀)「ショボン！」

*(;‘‘)*「全裸の人が瓦礫の中から出て来た！！　気持ち悪ぃ！！」

549 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:19:25 ID:Ve5hVt3kO

　瓦礫を掻き分けて出て来たショボンは、下半身だけ瓦礫に埋まってて新手のマンドラゴラみたいだった。
　畜生、状況を上手く利用して股間を隠しやがって！　伝統芸！

(;´ｰωｰ`)「フッ……これぞ『神の玩具箱（ﾊﾟﾆｯｸﾜｰﾙﾄﾞ）』の発展系、『聖母の悪ふざけ（ﾗｯｷｰﾊﾟﾝﾁ）』……！！
　　　　　　自分の能力と引き換えに周りの人間に奇跡をもたらす秘密兵器さ……」

（；＞＜）「え、じゃあ黛君、説教無しで能力無くなるんですか！？」

从;ﾟ∀从「何だその自爆！？　あっ、でも命の恩人なだけにあまりツッコめねぇ！　クソッ！」

*(;‘‘)*「ねぇ、それ以前に何でショボン全裸なの！？　何で黙認してんの！？」

爪'ー`)y‐「解せねぇな。お前の能力なら１人助かることも出来たはずだ。何故わざわざ俺達を助けた？」

(;´ｰωｰ`)「……ハッ、どうせなら説教されずに自らの意志で散りたかったからだよ……」

(；´ー｀)「ショボン……いや後で厨二とか関係なく説教はするけど……」

*(;‘‘)*「その説教は全裸についてだよね！？　うっわわからん！　クラスメートが遠い！」

550 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:20:40 ID:Ve5hVt3kO

　全裸で下半身瓦礫に埋まりながら決め顔で喋るショボン。
　これ言っとかなきゃこの状況をシリアスだと勘違いする奴が出てくる気がする。
　そうこうしてると、すっかり自己陶酔の世界に入っているショボンが再び口を開いた。

(;´ｰωｰ`)「フッ……そろそろ体力の限界だ……ちょっと眠らせてもらうよ……」

(；´ー｀)「えぇっ！？　ここに来て死亡フラグ！？　何で！？」

(;´ｰωｰ`)「フッ、僕はだいぶ疲れた……安心してよ、死ぬわけじゃないからさ……」

　そう言いながらショボンは目を閉じ、下半身を埋めたまま器用に瓦礫に寝転んだ。
　いやいや、この状況で眠られてもお前の変態レベルが上がるだけだって！
　感じてよこの温度差！　夏なのにみんなの心はブリザードだよ！

(;´ｰωｰ`)「……ア、アディオス……先生……」

(´ ω `)ｶﾞｸｯ

(；´ー｀)「ショッ……！！」

551 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:21:59 ID:Ve5hVt3kO

「ショボぉぉぉーーーーーーーーーーーーン！！！」





『(´･ω･`)ﾉ「やぁ。僕が敵だよ」』

『(´･ω･`)「そして全ての厨二病に、おめでとう」』

『(´･ω･`)「デスラーみたいだね」』

『(´･ω･`)「……ＡＢＣＤ千代の富士ー♪」』

『(´･ω･`)「色々あるけどとりあえず僕は全裸です」』



*(;‘‘)*（何だこの回想……）


.

553 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:26:43 ID:Ve5hVt3kO

(´ ω `)

(；´ー｀)「ショボン……なんだったんだコイツ……」

从;ﾟ∀从「さぁ……夏の暑さに脳やられたんでしょうか……」

　結局死ぬわけでもなく、ショボンはガクッと気を失った。
　この戦い始まって結構経つが、厨二病を貫いて能力無くす奴は流石に想定外だった。
　いや、確かに敵が何やかんやで主人公を助けて死ぬタイプの奴に憧れる厨二あるけど。

(；´ー｀)「それにしても、まさか生きて地上に帰れるとはな……」

从;ﾟ∀从「そっすね……あー、目線が低い……」

　改めて、生きていることの奇跡を実感する。マジでゲームオーバーかと思ったもん。
　だが、よく考えたらショボンがいなけりゃ俺も含め生徒達は死んでたかもしれないんだよな。
　あの状況で俺が生徒を救うために何か出来たのかはわからないが、力不足は拭えない。
　だからこそ、俺は諦めるわけにはいかない。何てったって生徒全員救わなきゃいけないんだから。

（；＞＜）「先生！　そんなことより大変なんです！」

(；´ー｀)「おおっ！？　人が決意を新たにしてる時に何だヨ……」

554 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:28:56 ID:Ve5hVt3kO

（；＞＜）「プギャー君が瓦礫につまづいて頭打って普通に死にました！」

(　　Д::. ｻﾗｻﾗ

(；´ー｀)「えええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ！！？」

从;ﾟ∀从「何でこのタイミングだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！」

(*;ﾟ∀ﾟ)「マジでコイツスペランカーの生まれ変わりなんじゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！？」

＼ﾐｾ*#ﾟДﾟ)ﾘ／「そんなことよりミセリちゃんに構えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ！！」ｺﾞｫｫｫｯ

(´ー｀；)「あ、ゴメン忘れてた！」

*(;‘‘)*「だから説明してよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ！！！」


.

556 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:31:43 ID:Ve5hVt3kO

ｵｺ*#ﾟーﾟ)ﾘ「んもーっ、焦らされんのはミセリちゃん嫌い！
　　　　　　怒ってオコリちゃんになっちゃったじゃん！」ﾌﾟﾝｽｺﾌﾟﾝｽｺ

　すっかり全裸マンにお株を奪われた水窪は、瓦礫から軽快に飛び降りて怒りをアピールした。
　コイツもトソンと同じように感情を髪型で表すタイプか！　わかりやすい！
　ていうかもうちょっとプギャー退場の余韻に浸らせてくれよ！　浮かばれねえよ！

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘσ「とにかく先生達まとめてシバかせてもらうよ！　私はそのために来たんだから！」ｽﾞﾋﾞｼｨ

(；´ー｀)「え、俺達シバくのが目的なの！？　伝言は！？」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「デンゴン？　何それ韓流スター？」ｷｮﾄﾝ

从;ﾟ∀从「お前マジかよ！？　数分前の出来事だぞ！？」

　水窪は心底初耳みたいな感じで俺達に向き直った。嘘だろ？
　どんだけノリだけで生きてるんだ！　誰だコイツをメッセンジャーに抜擢したの！
　今度クラスでレクリエーションとかやるとしても伝言ゲームはダメだな！　完全なストッパーだもん！

558 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:34:02 ID:Ve5hVt3kO

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「まーそんなこたぁどーでもいーじゃん！　レッツバトル！」

（；＞＜）「どーでもよくないんです！　本題なんです！」

　水窪はまるで遊びに誘うように、瞳を輝かせてグイグイ寄ってきた。ヤダ、楽しそう。
　よく言えば彼女は純粋なんだ。純粋ゆえに誰よりもこの戦いを楽しんでる。
　本来ならその無垢さは水窪の長所だが、今は厨二と相まっておかしな方向に行ってしまっている。

　それを何とかするのが俺の役目なんだが、あまりにも水窪が自由過ぎて作戦の立てようが無い！
　ていうか伝言貰えなきゃ話進まないんだよ！　脳細胞沸騰するまで思い出してよ！

ﾊﾊ ﾛ -ﾛ)ﾊつ†「マァいいじゃないデスカ、どのみちバトルは避けられナイんデスし。
　　　　　 それにワタシが我に帰った今、不利なのはミセリサンサイドデスキラーン」ｼｬｷｰﾝ

(；´ー｀)「ハロー……そういえばお前そんなキャラだったな……」

ﾊﾊ ﾛ -ﾛ)ﾊゝ「ＹＥＳ。不肖ハロー、恥ずかしながらワレに帰ってまいりマシタ！」ﾋﾞｼｨｯ

　そんな水窪の前に立ちはだかるように、いつもの知的なハローがクナイを構えた。
　まぁ確かにそうなんだよ、どっちみち水窪とは戦わなきゃならないわけで。
　しかもショボンとプギャーがいない今、あっちの戦力は半減だ。プギャーは完全に謎の退場だったが。

560 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:35:26 ID:Ve5hVt3kO

へﾊﾊ#ﾛ Дﾛ)ﾊへ「さぁミセリサン、どっからでもかかって来やシャンセ！
　　　　　　　　このアメリカ仕込みのクノイチガール・ハローさんがドザエモンにしてやりマス！」ｼｬｧｧｧｧ

(；´ー｀)「ハローとんでもなく気合い入ってんな……」

（´<_｀　）「丸々１話クレイジーで通してたんで本来の自分を取り戻したいんすよアイツ」

ﾊﾊ#ﾛ Дﾛ)ﾊ「オトジャテメェワタシの心の内をバラすなダマレやアイラビュー！」

へ(;・∀ ・)へ「アイツクレイジーモードで散々好きとか言ったから吹っ切れてる！　リア充もげろ！」

　やる気に荒ぶるハロー、嫉妬に荒ぶるまたんき。荒ぶる尽くしで何だか賑やか。
　一方水窪は微笑みながら足を構えた。ジャージで良かった、スカートならアサピー発狂してる。

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「ヒュー、ハロちゃんカッコうぃー。でもね、私だって１人じゃないんだよ」ｻﾞｯ

（ ∵）ｿﾉﾄｵﾘﾀﾞ ｺｯﾁﾆﾊｶﾝｾﾞﾝﾎﾞｳｷﾞｮﾉｵﾚﾄ ｴﾝｷｮﾘｺｳｹﾞｷﾉｻﾜﾁｶｶﾞｲﾙ

*(;‘‘)*「え、私！？　状況把握してない私！？」

561 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:38:25 ID:Ve5hVt3kO

　水窪の左右につくように、ビコーズとヘリカルが集まった。ヘリカルは嫌々っぽいけど。
　だが、確かにこの３人の相性はいい。特にビコーズが敵なのはデカい。

从 ﾟ∀从「へっ、お前とは縁があんなヘリカル……戦って共闘して、今度はまた戦うなんてな……！！」

*(;‘‘)*「いや、それ以前にまだ私は状況が飲み込めてないんだけど！　こんなんばっかりだ！」

（ ∵）ｿﾞｳﾋｮｳﾄｱﾅﾄﾞﾙﾅﾖ ｺｺﾏﾃﾞｲｷﾉｺｯﾃｲﾙｼﾞﾃﾝﾃﾞ ﾜﾚﾜﾚｶﾞﾋﾄｽｼﾞﾅﾜﾃﾞﾊｲｶﾅｲｺﾄﾊ ﾜｶﾙﾀﾞﾛｳ

*(;‘‘)*「あぁもう、知らないうちにグイグイ話が進んでいく！　幼女混乱！」

≡ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「そんじゃ行くよーん！　私が突っ込むからヘリちゃんは援護シクヨロ！　アチョー！」ﾀｯ

（ ∵）ｵﾏｴﾊ｢ｻﾝｸﾁｭｱﾘ｣ﾃﾞﾏﾓｯﾃﾔﾙ ﾀﾞｶﾗｵﾓｳｿﾞﾝﾌﾞﾝ ﾌﾞｯﾊﾟﾅｾ!

*(;‘‘)*γ「あーもー、畜生分かったよやりゃあいいんでしょやりゃあ！！
　　　　　　 状況把握なんて知るか、こちとら愛に生きるちびっ子ガンマンヘリカルでぇーい！！」ﾊﾞﾘﾊﾞﾘ

(；´ー｀)「吹っ切れたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！」

从;ﾟ∀从「うおぉぉぉぉぉわかったよかかってこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい！！」

（；＞＜）「負け犬の皆さんは下がっててくださぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい！！」

瓦礫┃●><●>)「言われなくとも」ｻｯ

562 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:39:13 ID:Ve5hVt3kO

−某所−

ミ,;ﾟДﾟ彡「……うっわぁ……うわうわうっわぁ……」

ミ,;ﾟДﾟ彡「ミセリ……トソンやるなっつったのにやったなオイ……」

ミ,;ﾟДﾟ彡「やっぱりやっちゃダメなことメモして渡しとけば良かった……」

ミ,;ﾟДﾟ彡「どないしょー……やっぱミセリに伝言とかやらせちゃダメだったのかなぁ……」

ミ,;ﾟДﾟ彡「様子見に行きたいけど、俺は今ここ離れるわけにはいかないし……」

ミ,;ﾟДﾟ彡「あー、もう中間管理職……１４歳で板挟みの辛さとか知りたくなかったわ……」

ミ,;ﾟДﾟ彡「うーん……あ、そうだ……」

ミ,;ﾟДﾟ彡「『アイツ』に様子見てもらおう……」


.

563 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:41:25 ID:Ve5hVt3kO

−校庭−

≡≡ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「とりゃー！　どーしたハロちゃん、このままだと先生蹴飛ばしちゃうぜー！」ｼｭﾊﾞﾋﾞﾊﾞﾊﾞ

ﾊﾊ ﾛ -ﾛ)ﾊつ†「ハッ、この程度で勝った気になられても困りマス！　私はまだまだウォーミングアップデスゾヨ！」ｷﾝｷﾝ

(；´ー｀)「すまないハロー、すぐに打開策を考えるヨ！」

从;ﾟ∀从つ「くっ、そっちは頼んだぞハロー！　先生に傷付けたらメガネ煮るからな！」ｷｭｨｨｨﾝ

*(*‘‘)*γ「アハッ、余所見しないでよハインちゃん！　アンタ達の相手はこっちなんだからぁっ！！」ﾊﾞﾘﾊﾞﾘ

（；＞＜）／▽▽「なんだかんだで沢近さんもいざ戦いが始まったらノリノリなんです！」ﾊﾞﾘﾊﾞﾘ

（ ∵）ｻﾜﾁｶﾓﾁｭｳﾆﾀﾞｼﾅ

(;'A`)「うわすげぇ、作者の描写がヘタクソだからわかりづらいが極上のガチバトルだ！」

爪'ー`)y‐「フッ、まさに夢か現かって光景だな。まぁ、夢に現を抜かしたのが俺達なワケだが」

/ ﾟ、。;／（コイツ何もやんねぇんだ……いや、このガチバトルに飛び込んだら私達普通に死ぬけど……）

564 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:42:50 ID:Ve5hVt3kO

　時刻はとうに０時を回っているド深夜。子供達は成長的に寝かしときたい時間。
　にも関わらず、厨二達の一切テンションの落ちないガチバトルは続いていた。
　それを眺めながら、俺はどうにか突破口を開けないか探る。このままだと長期戦になりそうだし。

(；´ー｀)「よし、まずは水窪だヨ……」

　水窪は縦横無尽に動き回るタイプゆえ、ビコーズの『聖域』では守れない。
　しかしそのスピードと運動神経だ、簡単には捉えることは出来ない。
　だからこそ、忍者の軽やかさを持つハローに受け持ってもらっているわけだが。

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ+「ヘッ、楽しいねハロちゃん！　私夢だったんだ、こんなふうに全力で戦うの！」ﾄﾞｶﾞｯﾊﾞｷｯ

ﾊﾊ ﾛ -ﾛ)ﾊ+「フフッ、同感デス！　だからこそレーギとケーイを持って、アナタを倒しマス！」ｼｬｷﾝｷﾗﾝ

(；´ー｀)「何だこの爽やかな戦い！？」

　すげぇ、バトル漫画みたいだ！　多分水窪が主役でハローが仲間になるライバルだ！
　多分水窪もハローも似たもの同士だ、純粋に戦いを楽しみたいピュアガール。
　見た感じ２人の力は互角。ともなれば加勢があれば水窪を倒せそうだが。

565 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:44:20 ID:Ve5hVt3kO

(´ー｀；)「そんでハイン達の方だが……」

*(*‘‘)*γ「ひゃっはぁぁぁぁぁ、防御も回避も考えないで撃ちまくるの楽すぃーっ！！
　　　　　　 ヘイヘイかかってきんしゃい、私は愛に生きる愛嬌銃士（ﾗﾌﾞﾘｰｶﾞﾝﾅｰ）ヘリカルやーっ！！」ﾊﾞﾝﾊﾞﾝﾊﾞﾝ

（ ∵）ｲｯｹｰｲｹｲｹｲｹｲｹﾍﾘｶﾙ ｵｯｾｰｵｾｵｾｵｾｵｾﾍﾘｶﾙ

从;ﾟ∀从「ヘリカル調子に乗り出したぁぁぁぁぁっ！！」

（；＞＜）「普段ストレスを溜めてる人こそこういう場面ではっちゃけるんです！」

　もう加勢に入る隙が無い！　なんか幼女がハシャいでる！
　暗闇に電撃が飛び回る光景はメルヘンチックだが、もうそんな場合じゃない。
　しかもヘリカルは『聖域』の中だ、こっちの攻撃は通じない。チートか！

(,,*ﾟДﾟ)「見てみろしぃ、電撃がまるでお星様みたいだぞｺﾞﾙｧ……」

(*ﾟーﾟ)「ギコ君……電気はアンペアだけど私達は一生ペアだよ……」

(；´ー｀)／「ムードを作るなぁぁぁぁぁっ！！」

（-@∀@）「言っとくが男はいつだって性欲銃士だぞ」

(・∀ ・)「ヘリカル、コイツだ！　このエロメガネ焦がしちまえ、いつかの俺のように！」

＼(´ー｀；)「ムードを壊すなぁぁぁぁぁっ！！」

ξ;ﾟ�听)ξ「せわしない……」

566 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:47:37 ID:Ve5hVt3kO

(；´ー｀)「うーん……まずはヘリカルとビコーズを何とかしねぇといけネーヨ……」

　ヘリカル達を倒せば２人はハローの加勢に入れる。そうすればだいぶ有利だ。
　だがしかし、しつこいようだが『聖域』は外側からの攻撃を一切合切通さない。
　ハインとビロードも頑張ってくれてるが、ジリ貧だ。何とか俺が突破口を開かなければ。

(；´ー｀)「フォックス、歌はムリか？　お前の歌は攻撃じゃないから『聖域』は通じないはずだが……」

爪'ー`)y‐「難しいな、木霊も経験済みだから警戒してるだろうし、沢近も興奮してて歌を聴く気が無い。
　　　　　　鈴木の『張り子の平和主義』で戦意を無くせれば楽なんだが……」

/ ﾟ、。;／「温い風が交わる終末の淵で哀しみの境に星は堕ちる……！！」

爪'ー`)y‐「『すいません、非力な私じゃ２人に近付けません』だそうだ。
　　　　　　　鈴木を責めないでやってくれ、悪いのは運命の儚さに抗えなかった俺の無力だ」

(；´ー｀)「責めるつもりはネーし原因が運命の儚さに抗えなかったフォックスだとも思ってネーヨ！」

　くっそ、ダメっぽい！　フォックスがビコーズを倒す切り札だが！
　確実に歌を聴かせるには状況が悪い！　どうしよう！

569 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:51:25 ID:Ve5hVt3kO

*(*‘‘)*「ウフフ、行くよハインちゃん、悔しいけどお姉様はハインちゃんを求めてるの！
　　　　　 ビロード君はレモナちゃんがご所望だからね、２人纏めて花園へ！」ﾊﾌﾊﾌ

从;ﾟ∀从「うわぁぁぁぁぁ、絶対負けられない理由が出来たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！」

（；＞＜）「きゃぁぁぁぁぁサスペンダーは嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！」

（ ∵）ｳｪﾙｶﾑﾄｩｱﾝﾀﾞｰｸﾞﾗｳﾝﾄﾞ

　ヤバい、早く２人を助けなくては何か色々とヤバい！　アブノーマルの餌食になる！
　でも『聖域』がなー！　フォックスも鈴木も通じない、畜生涼しい顔しやがって！
　確かアイツはニダーに触って『瞬間移動』を無効化していた、多分触れば攻撃じゃなくても無効化出来るんだ。
　つまり近づきすぎてもダメ。何だよ汎用性ありすぎだろ！　さっきは味方してくれてありがとう！
　もう作戦を安価で決めるか！？　俺が意志を継ぐか！？　あんな腕ネーヨ！

「……先生、ちょっといいだろうか……」

(；´ー｀)「ん？　ちょっと待ってくれヨ、今ちょっと気分次第な某テイクを……」

(；´ー｀)「……あっ」

570 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:52:58 ID:Ve5hVt3kO

「……我々に考えがある。と言っても、先生ももう思いついただろうが……」

　あった。ヘリカルの攻撃を防ぎ、ビコーズを無力化する方法。
　でも、これはダメだ。失敗したら俺だけじゃなく、『彼女達』も危険に晒される。

(；´ー｀)「いや……だが……」

「大丈夫です、先生……木霊君を止められるのは、多分私達だけですから……」

(；´ー｀)「……」

　俺のことを真っ直ぐに見つめる２人分の視線。迷いも怯えも無い、確かな意志。
　教師としては、２人を止めるべきなんだろう。わざわざ危ない思いをさせる意味は無い。

　だが、自分にすがってくる無力な女の子の意志を却下して、結局何も出来ない。
　そんなヤツは、教師として認められても男として論外だ。

(；´ー｀)「わかった……だが、俺も行くヨ……万一の場合、お前らを守らなきゃならネーし……！！」

「「先生……ありがとうございます！！」」

(;・∀ ・)（ハッ！　何か羨ましい気配がする！）

571 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:55:11 ID:Ve5hVt3kO

≡≡≡从;ﾟ∀从「うおぉぉぉぉぉ！！　そろそろ避けまくるのしんどくなってきたぞぉぉぉぉぉっ！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

（＞＜；）≡≡≡「ハァハァ、疲れたんです、テンピュールの枕で寝たいんです！！」ﾃﾃﾃ

γ*(*‘‘)*γ「やっふーｗｗｗ逃げ惑え畏れ慄け小蠅共よｗｗｗｗｗ
　　　　　　　 私の両手から放たれる神の光の前に平伏すのじゃｗｗｗｗｗｗｗ」

（ ∵）ﾍﾘｶﾙﾁｬﾝﾏｼﾞﾒｶﾞﾐ

（＞＜；）≡≡≡「なんか調子に乗りすぎて変なキャラになったんです！」

≡≡≡从;ﾟ∀从「にゃろう、『聖域』に入れさえすればぶん殴ってやるのに……！！」

（ ∵）ﾑﾀﾞﾀﾞ ﾍﾘｶﾙｶﾞｲﾙｶｷﾞﾘｵﾚﾉ｢ｻﾝｸﾁｭｱﾘ｣ﾊﾔﾌﾞﾚﾝ ｱｷﾗﾒﾃﾀｵｻﾚﾛ

*(*‘‘)*「そーだそーだー！　私達に近付く奴らはもれなく消し炭に変えちゃうぞ☆」

( <●><●>)「多分ヘリカルさんにカンチョーされたら死にますね」

从;ﾟ∀从「緊迫シーンに余計な一言挟むなやギャラリぃぃぃぃぃっ！！」

573 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:56:37 ID:Ve5hVt3kO

（ ∵）ｻﾜﾁｶ､ｿﾛｿﾛｱｿﾋﾞﾊｲｲﾀﾞﾛｳ ﾌﾀﾘｦｶﾀﾂﾞｹﾃ ﾐｻｸﾎﾞﾆｶｾｲｽﾙｿﾞ

*(*‘‘)*γ「えー、もうちょっと弄ばない！？　あの強気なハインちゃんをもっと掌で転がしたいよ！」

从;ﾟ∀从「ここに来てＳ性を開花させんな！！　お前プギャーと気が合いそうだな！」

（；＞＜）「力は人を変えるんです！　僕もランチャーぶっ放したんでわかるんです！」

（ ∵）ﾀﾞﾒﾀﾞ ﾓﾀﾓﾀｼﾃｲﾃ､ｾﾝｾｲｶﾞﾅﾆｶｵﾓｲﾂｲﾀﾗﾄﾞｳｽﾙ ｻｯｻﾄｽﾏｾﾙｿﾞ

*(*‘‘)*γ「ちぇー、わかったよ……そんじゃ２人共、そろそろ食らってもらうよー！」

从;ﾟ∀从「ハァハァ……へばんなビロード！　先生が妙案を出して下さるまで時間稼ぐんだよ！」

（；＞＜）「ひゃひー……で、でも僕バリバリ文化系男子ですし……体育大嫌い……！！」ｾﾞｪｾﾞｪ

*(*‘‘)*γ「えへっ、もう遅いから！　行くよぉ、ウルトラスーパーラブサイケデリコ……！！」ﾊﾞﾘﾊﾞﾘﾊﾞﾘｯｼｭ

574 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:58:16 ID:Ve5hVt3kO

≡≡≡(；´ー｀)「今だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！」ﾀﾞｧｧｧｯｼｭ

*(;‘‘)*「！？」ﾋﾞｸｯ

（；＞＜）「せ、先生！　突っ込んできたら危ないんです！」

≡≡≡(；´ー｀)「俺だけならなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！
　　　　　　　　　だぁぁぁぁぁけぇぇぇぇぉどぉぉぉぉぉなぁぁぁぁぁっ！！」




.

575 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 22:59:40 ID:Ve5hVt3kO

≡≡≡从;'ー'从「私達が横につけてるぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ！！！」ﾀﾞｧｧｧｯｼｭ

≡≡≡(;#ﾟ;;-ﾟ)「あぁぁぁぁぁ眠たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい！！！」ﾀﾞｧｧｧｯｼｭ

从;ﾟ∀从そ「わ、渡辺！？　でぃ！？」

（;∵）ﾅﾆｨｯ!?




.

576 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:01:25 ID:Ve5hVt3kO

≡≡≡(;#ﾟ;;-ﾟ)；´ー｀);'ー'从「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ！！！」」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

（；＾ω＾）「先生が女子を脇に従え爆走してるお！　スケコマシ！」

川;ﾟд川「やだ、私もアレに加わりたい！　せめて後ろで！」

从;ﾟ∀从「あっテメェズリィぞ貞子、じゃあ俺上な！　先生に肩車される役な！」

(;・∀ ・)「あああぁぁぁぁぁなんだこのモテモテ恐怖ぃぃぃぃぃっ！！！　あの気配はこれか、不幸がデカい！」

*(;‘‘)*γ「は、ハッ！　悪いけどもう無能力が突っ込んでくるケースは経験済だから！
　　　　　　 躊躇なんかしないよ、３人纏めてビリビリブラック、通称ＢＢＢに……！！」ﾊﾞﾘﾊﾞﾘ

（;∵）ﾊﾞ､ﾊﾞｶ､ﾔﾒﾛ! ﾜﾀﾅﾍﾞﾄﾃﾞｨﾆｱﾀﾙ!

*(;‘‘)*「ハァ！？　何言ってんの、元チームだか何だか知らないけどもう敵だよ！？
　　　　　 私もハインちゃんと共闘したけど割り切ってんだから！　幼女に叱られるな！」

（;∵）ﾀﾞ､ﾀﾞｶﾞｼｶｼ…!

577 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:04:45 ID:Ve5hVt3kO

　よっしゃぁぁぁぁぁ、案の定ビコーズ迷ってやがる！！
　わざわざ敵の俺達と手を組んでまで助けようとしてた２人だ、例え洗脳されてても大切なはず。
　そんな２人に挟まれてたら、いくら敵の俺でも攻撃するのには一瞬ためらう！

≡≡≡≡≡(;#ﾟ;;-ﾟ)；´ー｀);'ー'从「「「その一瞬を狙ってぇぇぇぇぇぇぇぇっ！！！」」」

≡≡≡≡≡(;#ﾟ;;-ﾟ);'ー'从≡≡≡(；´ー｀)「俺だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！」ﾊﾞｼｭｩｩｩﾝ

从;ﾟ∀从「先生が射出されたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！」

「そんでドーーーーーン！！！」≡≡≡≡≡(；´ー｀)∵;)／ｵｵｵｵｵｵｵｵｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫﾂ!!?

（；＞＜）「押し倒したぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！」

从;'ー'从「よ、よし！　今だ高岡か若内！　大人の先生にぶつかられたショックで……！！」

(;#ﾟ;;-ﾟ)「ビコーズ君はヘリカルちゃんから１メートル以上離れたよ！！」

*(;‘‘)*「あっ……！！」

578 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:06:41 ID:Ve5hVt3kO

从#ﾟ∀从つ「よぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっしゃやっと使えるぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ！！！
　　　　　　《重力±》ストレスと嫉妬と怒りetc.増し増しremixぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ！！！」ｽﾞﾄﾞｫｫｫｫｫﾝ

*(;　　)*「キャアぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！！！」ﾍﾟｼｬｧｧｧｧｧｧｧｧﾝ

(＃＞＜)／▽▽「ついでに電撃返しです！！　《電気王》ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ！！！」ﾊﾞｼｭｩｩｩｩﾝ

＼*(　　;)*／「イヒャぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！」ﾋﾞﾘﾋﾞﾘﾋﾞﾘﾋﾞﾘﾋﾞﾘﾋﾞﾘ

(;'A`)「幼女に対して容赦がねぇ！！　これはリョナ好きが騒ぐぜ！」

（´<_｀　）「あ、そういや俺しばらく喋ってねぇや。ナイチンゲール」


.

579 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:10:00 ID:Ve5hVt3kO

*(; + +)*「うーん……気絶してないレベルにのされた……」ｶﾞｸｯ

ｲｴｰｰｰｰ从#ﾟ∀从人（＞＜＃）(*#ﾟ;;-ﾟ)人从'ー'*从ｰｰｰｰｰｲ

　散々おちょくり回したハインとビロードからの報復により、ヘリカルは必要以上にボロボロにされた。
　あの、やりすぎじゃね？　こう倫理的とか発育的な問題とかさ……。
　ま、まぁこれで１人何とか倒せた！　あと２人、まずは俺の下のビコーズ！
　ていうか俺生徒に乗っかるの本日３回目じゃねぇか！　薄い本を出すなよ！

（;∵）ｻ､ｻﾜﾁｶ! ﾊﾅｾ｢ｾﾞﾛﾉﾌﾞﾝｼ｣､ｵﾚﾉｳｴｶﾗﾄﾞｹ!

(；´ー｀)「悪ぃな、どけネーヨ……！！　お前……渡辺と東野が体を張って作ってくれたチャンスだ……。
　　　　　　まったく……お前はいい仲間に恵まれたな……！！」

（;∵）ｸｯ…ﾀﾞ､ﾀﾞｶﾞ､ｵﾚﾊﾌﾚﾀｱｲﾃﾉﾉｳﾘｮｸｦﾌｾｹﾞﾙ! ｺﾚﾃﾞｾｯｷｮｳﾊｷｶﾅｲ!

(；´ー｀)「ハッ、封じんのは本当に俺でいいのかヨ？　俺の後ろを見てみな」

（;∵）ｳｼﾛ…!?

580 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:13:06 ID:Ve5hVt3kO

爪'ー(　´ー｀)



（ ∵）



(　´ー｀)「フォックス、喉の調子は大丈夫かヨ？」

爪'ー`)y‐「心配も何も良好も良好。早く歌わせろって魂が愚痴ってるぜ」ﾋｮｺｯ

（∵ ）

爪'ー`)y‐「さぁ木霊、さっきは満身創痍だったが今度は最高の歌声を染み入らせてやるぜ、今の内に耳掃除しときな」

（ ∵）…ｷｮｸﾆﾖﾙ｡ﾅﾆｦｳﾀｳｶﾆﾖﾙｶﾗ…

爪'ー`)y‐「行くぜ、THE 虎舞竜で『ロード』、まずは第１章」

（; .）ｺｲﾂｻｲｼｭｳｼｮｳﾏﾃﾞｳﾀｲｷﾙﾂﾓﾘﾀﾞｧｧｧｧｧｧｧｧｯ!!!

582 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:15:36 ID:Ve5hVt3kO

爪'ー`)y‐「なんでもないようなことが〜♪　幸せだったと思〜う〜♪」

（ ;.;）ｵｵｵｵｵｼﾞｮｰｼﾞｨｨｨｨｨﾐｶｧｧｧｧｧｧｧ

(；´ー｀)「よし……これで２人……」

　しばらく温存されていたフォックスの歌声は絶好調。ちょっと俺も泣きそうだもん。
　とりあえずもう離しても大丈夫だろう。ていうかビコーズ大丈夫かな、感情グチャグチャになってない？
　それより、俺には労わなきゃならない奴らがいる。華奢な体で立ち向かってくれた、勇猛な２人。

(；´ー｀)「ありがとな、渡辺、東野……お前達が勇気を出してくれたおかげだヨ……！！」

从'ー'从「いや、私達はかつての仲間を止めたかっただけだ。一番勇気を出してくれたのは先生だろう」

(#ﾟ;;-ﾟ)「そうだよ、それにビロード君に乗った時なんて腐女子スピリッツが騒いだし」ｿﾞｸｿﾞｸ

(；´ー｀)「！？」从'ー';从

583 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:17:51 ID:Ve5hVt3kO

从;'ー'从「で、でぃ……お前あんな全力で走りながらそんな目で世界を見てたのか……」

(;#ﾟ;;-ﾟ)「あ、ごめんねナベちゃん……隠してたワケじゃないんだけど、私腐ってるの……」

(；´ー｀)「うおぉう……これは厨二病なのかな、どうなのかな……」

　びっくりした、普通にいいシーンだと思ったらまさかのボケが飛び出した。
　これは、まぁ、趣味、かなぁ……？　ハマりすぎたらアレだけど、まぁ……腐りすぎんなよ……？

(；´ー｀)「まぁそれはともかく……本当に助かったヨ、ありがとな……！！」

(*#ﾟ;;-ﾟ)「「は、はい！！」」从'ー'*从

从;ﾟ∀从そ（伏兵……！！）Σ川дﾟ;川

　何はともあれ、大人しいこの２人がこんなにもガッツを秘めていたからこそ、何とかなった。
　信頼ってのはすげぇな、この歳になっても教え子には教わることばっかりだ。
　ていうか何この迸るジェラシー。何か怖いよ、直感的に怖いよ。

584 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:20:03 ID:Ve5hVt3kO

(；´ー｀)「よし、あとは水窪だ……！！」

　そう、まだ終わってない。ある意味一番厄介な奴が残っている。
　ずっとハイン達を優先して見ていたが、水窪とハローはどうなった？　負けてたらどうしよう……。



＼ﾊﾊ;ﾛ -ﾛ)ﾊ／「ハァ、ハァ……やっぱり強いデスネ……凄いデス、ミセリサン……！！」ﾊﾞｯﾀﾘ

＼ﾐｾ*;ﾟーﾟ)ﾘ／「ゼェ、ゼェ……アハッ、ハロちゃんも凄いよ……もうヘトヘトだもん……！！」ﾊﾞｯﾀﾘ

(；´ー｀)「何かヤンキーが喧嘩して打ち解けたみたいに大の字になってる！」

从;ﾟ∀从「すげぇ青春だ！　夕日持ってこい！」

（　´_ゝ`）「今起きたぞ弟者」

（´<_｀　）「おはよう兄者」

<ヽ｀∀´>「誰も期待してないけどウリも起きたニダ」

ξ;ﾟ�听)ξ「何故このタイミングで！？」

585 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:21:48 ID:Ve5hVt3kO

＼ﾐｾ*;ﾟーﾟ)ﾘ／「あー、カルチャーショックだわ……私、自分で結構強いと思ってたんだけどなー……」

＼ﾊﾊ;ﾛ -ﾛ)ﾊ／「イヤハヤ、メチャクチャ強かったデスヨ……ワタシももう動けマセンシ……」

＼ﾐｾ*;ﾟーﾟ)ﾘ／「何でだろ、清々しいや……あれ、星空ってこんなに綺麗だったっけか……」

＼ﾊﾊ;ﾛ -ﾛ)ﾊ／「ワタシも気持ち良いデス……スラムで１対８でストリートバスケした時もこんなにサッパリしませんデシタ……」

＼ﾐｾ*;ﾟーﾟ)ﾘ／「ヘヘッ、多分私このまま説教されちゃうんだろーなー……まぁいーや、楽しかったしさ……」

＼ﾊﾊ;ﾛ -ﾛ)ﾊ／「フフッ、ワタシも楽しかったデスヨ……今度はリアルで遊びマショウ……！！」

＼ﾐｾ*;ﾟーﾟ)ﾘ／「えへへ……」

＼ﾊﾊ;ﾛ ーﾛ)ﾊ／「ウフフ……」

/ ﾟ、。;／「……」

从;ﾟ∀从「……何だコレ……」

┓(；´ー｀)┏「……さぁ……」

586 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:23:37 ID:Ve5hVt3kO

ｴﾍﾍ ﾐｾ*;ﾟーﾟ)ﾘｂｄﾊ(ﾛー ﾛ;ﾊﾊ ｳﾌﾌ

　校庭のド真ん中、この上なく清々しい表情で横たわるジャージとメガネ。
　何だこの２人だけの世界観。汚れた大人には眩しすぎるわ。
　ちょっと説教するのが気が引けてきたんだけど。他の厨二とは毛色が違うもん。

(；´ー｀)「どうしよ……ちょっと水窪後回しにしたいんだけど……いや、ビビってねーし……」ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ

/ ﾟ、。 ／「甘いですよ先生、水窪さんの考え無しな性格は後に何をするかわかりません、先に叩き直しておくべきです」

( <●><●>)「そうですよ、説教に情けなど不要。完膚無きまでに思想を否定すべきです！」

从;ﾟ∀从「理屈屋共が囁いてる！」

(；　ー　)「………っ！！」


.

587 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:25:14 ID:Ve5hVt3kO

＼(＃´ー｀)／「みぃぃぃぃぃさくぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ！！
　　　　　　　　ちょっとそこに直れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ！！！」ﾄﾞｰｰｰｰｯ

ﾐｾ*;ﾟーﾟ)ﾘそ「わおっ！？」ﾋﾞｸｯ

（；＞＜）「唆されたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！」

( <●><●>)ﾆﾔﾘ/ ﾟ、。 ／




.

588 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:26:29 ID:Ve5hVt3kO

　うりゃぁぁぁぁぁ、頑張れ俺！　爽やか三組的オーラに飲み込まれんなぁぁぁぁぁ！！
　どっちみち水窪には説教しなきゃなんないんだ、だったらやったらぁぁぁぁぁ！！
　うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉビビってへんぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ！！！

ﾊﾊ;ﾛ -ﾛ)ﾊ「ミ、Mr.シラネーヨ、もうチョット待ってはもらえマセンカ！？　もっと語りアッタリトカ……」

ﾐｾ*;ﾟーﾟ)ﾘ「いいんだよハロちゃん……敗者は黙って説教を受け入れるべき、これはニーチェの言葉だよ……」

从;ﾟ∀从「サラッと嘘をつくな！　ニーチェ説教について説いてねぇよ！」

(＃´ー｀)「とりあえず水窪！　お前に言いたいことは色々あるんだヨ！
　　　　　　かまってちゃんなとことか、わりと空気読まないこととか！」

ﾐｾ*;ﾟーﾟ)ﾘ「えー、空気読まないことに関してはウチのクラスでは目立ったことじゃないじゃーん！」

(＃´ー｀)「確かにＫＹさで言ったらお前の上を行く奴はいっぱいいるヨ！　誰とは言わんが！」

从 ﾟ∀从

（；＞＜）「ハッ！　何か突き刺すような視線を感じるんです！」

589 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:28:23 ID:Ve5hVt3kO

(＃´ー｀)「でもな、とりあえず一番言いたいことは、お前は好き嫌いが極端すぎる！
　　　　　　自分の好みのものばっかに情熱燃やして後はどーでもいーじゃダメだヨ！」

ﾐｾ*;ﾟーﾟ)ﾘ「そ、そんなことないよー！　私は色んな知識をものにするニュートラルな女だよ！？」

(　´ー｀)「『人間失格』の作者は？」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「劇団ひとり？」

(　´ー｀)「お前の能力ってさ、具体的にどんなんだったっけ？」

ﾐｾ*ﾟーﾟ)ﾘ「『自由行動（ｱﾝﾘﾐﾃｯﾄﾞｱｸｼｮﾝ）』は一切の重力、風の影響などを受けずに抜群のパフォーマンスが出来る能力で、
　　　　　　応用すれば大ジャンプが出来たり、壁や天井を歩くということも……」

(＃´ー｀)σ「ほらみたことかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！
　　　　　　　お前そんなんだから伝言忘れたりトソンやっちゃったりするんだろ！？
　　　　　　　そんなんじゃ社会に出たときやっていけねぇぞらららぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！」

ﾐｾ*;ﾟーﾟ)ﾘ「社会！？」ﾋﾞｸｯ

590 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:34:40 ID:Ve5hVt3kO

　「社会」という言葉を聞いた途端、水窪の顔色が変わった！
　これだ、こういうタイプにはこれが一番効くんだよ！　鈴木、よろしく！



〜ダイオードさんの漆黒説教講座〜

/ ﾟ、。 ／「暗がりに佇むカンテラの灯火は明くる日の黄昏を告げる明星。
　　　　　　（訳・水窪さんのようなノリで生きてる人は、基本的に余り将来のことを深く考えていません。
　　　　　　　　　それゆえに現実的な観点から攻め、将来の不安を煽ると効果的に心が折れます。
　　　　　　　　　口喧嘩にも効果的な手段ですが、下手すると友達がいなくなるので気をつけましょう）」



(＃´ー｀)「鈴木、ご苦労！」

+/ ﾟ、。 ／ ｷﾗｰﾝ

ﾐｾ*;ﾟーﾟ)ﾘ「何の話！？」

591 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:40:28 ID:Ve5hVt3kO

(＃´ー｀)「まぁ今のはこっちの話だから置いておくとして！
　　　　　　お前このままじゃ社会に出た時後悔するぞ、好きなことやるだけじゃダメだ！」

ﾐｾ;*ﾟーﾟ)ﾘ「そ、そんなことある！？　私まだ１４だよ！？」

(＃´ー｀)「甘いぜ、今の性格は後々にだいぶ響くんだ！
　　　　　　大体、社会に出たら約束を守らなくてはならないことなんて山ほどあるんだヨ！？
　　　　　　それを忘れちゃったで済ませちゃすげぇ怒られるんだヨ！
　　　　　　お前のノリで社会の歯車を狂わせていいと思ってんのかぁぁぁぁぁ！！」

ﾐｾ*;ﾟーﾟ)ﾘ「うわぁぁぁぁぁ凄いリアリティだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！」

(＃´ー｀)「お前の長所は純粋無垢なところだヨ、そこは伸ばすべきだと思う！
　　　　　　だがしかし！　だからって何にも考えなくてもいいってわけじゃネーヨ！
　　　　　　将来お前がどんな仕事についても、興味のない仕事をこなさなくてはならない日は来るんだから！」

ﾐｾ*;ﾟーﾟ)ﾘ「うぅ……女子アナになる道は険しいということか……！！」

(；´ー｀)「そうだヨ、てかお前女子アナになりたかったの！？　意外！」

592 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:42:16 ID:Ve5hVt3kO

(＃´ー｀)「とにもかくにも、お前は人の言うことをちゃんと聞け、流すな！
　　　　　　大人の世界はノリとテンションで乗り切れるほど甘くないんだ！　甘くなかった！
　　　　　　人の言うことを聞かぬものは人の言うことに殺される、これはキルケゴールの言葉だヨ！」

ﾐｾ*; ー )ﾘ「うわぁぁぁぁぁ、偉人の言葉でっちあげをパクられたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！」

ﾐｾ* ー )ﾘ ﾌﾞﾊﾞｼｬｧｧｧ

从;ﾟ∀从「変なことがきっかけでブバシャった！」

ﾊﾊ ﾛ -ﾛ)ﾊゝ「ミセリサン……アナタは素晴らしい戦士デシタ、三途の川で逢いマショウ……！！」

(；´ー｀)「死んでネーヨ！　よし、次はビコーズだ……！！」

（ ;.;）ｵｲｵｲｵｲｵｲｵｲﾀｶﾊｼｨｨｨｨﾐﾌﾈｪｪｪｪｪ

爪'ー`)y‐「もうちょっと待っちゃくれねぇか、まだ４章までしか歌えてねぇんだ」

(*;ﾟ∀ﾟ)「まだ歌ってたのか！？」

593 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:43:25 ID:Ve5hVt3kO

(＃´ー｀)「よし、じゃあ行くぞビコーズ！　お前は……」

（ ;.;）

(　´ー｀)「……お前の厨二病は……えっと……あー……んっと……」

（ ;.;）

(；´ー｀)「………」





(；´ー｀)「………ダメだろ！」

从;ﾟ∀从「諦めたぁぁぁぁぁ！　ビコーズのキャラがイマイチ掴めなかったぁぁぁぁぁっ！！」

（ .）ﾌﾞﾊﾞｼｬｧｧｧ

（´<_｀　）「そんでブバシャるんかーい」

へ(　･∀･)へ「知ってた？　俺まだガレキにハリツケられてんだぜ」


.

594 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:44:41 ID:Ve5hVt3kO

ﾐｾ* ー )ﾘ（ .）

　よし、これで一気に２人説教することが出来た。ショボンが勝手に自滅したから実質３人だ。
　ここにきてポンポン説教出来るようになってきた！　いいね、テンポがいいね！

(；´ー｀)「よし、あとは……！！」ﾁﾗﾘ

*(;‘‘)*「やべっ、見つかった！」

　見るとヘリカルはゆっくり匍匐前進しながら俺の視界から外れようとしていた。ガッツある！
　だがこっちだってガッツで今までやってるようなもんだ、大人気なく行くぜ！

*(;‘‘)*「いやいや勘弁してよ、一度に３人も説教したら喉潰れるよ！？　ほらほらペース配分……」

(　´ー｀)「ヘリカル、お前は大人びた感じで見られたいのかもしれんが、その方向が間違っていると周りに引かれるから……」

*(;‘‘)*「サラッと説教に移行してきたぁぁぁぁぁ！！　話聞いてねえぇぇぇぇぇ！！
　　　　　 うわぁぁぁぁぁ、５話初登場にしてついに退場か、よく粘ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！」

596 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:46:09 ID:Ve5hVt3kO

「おっ、いいタイミングで来れたかな。ちょうど《姉妹（ｽｰﾙ）》を助けられそうで」



(；´ー｀)「！？」

从;ﾟ∀从「んあっ！？」ﾋﾞｸｯ

*(;‘‘)*「あっ！！」ﾊﾟｧｯ




.

597 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:48:36 ID:Ve5hVt3kO

　俺の説教を遮るように、不意に鼻にかかったような声が聞こえた。
　それと同時に、ハインは怯え、ヘリカルの瞳が喜びの色に輝く。
　俺もハインもヘリカルも、みんなが一斉に声のした方向を振り返る。
そこにあったのは、悠々とこちら側に向かってくる、スタイルのいい影。
　あんなフォルムの中学生、このクラスじゃなくても１人しかいない。

从;ﾟ∀从「んなっ……なんで、なんでお前がいるんだよ……！！」



从;ﾟ∀从「ペニサス！」

ヽ('、`*川「オッス、元気かいマイスイートハイン」

*(*‘‘)*「お姉様！！」

598 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:49:59 ID:Ve5hVt3kO

('、`*川「いやぁ、ビコーズやショボンはともかく、まさかミセリがやられるなんてねー。
　　　　　普段かしましい娘が気絶してる姿ってそそられるねクヒヒヒヒ」

　凄く悪役な笑い声を無表情で垂れ流しながら、ペニサスは巨乳を揺らして近付いてきた。
　うわぁ、話には聞いてたけど本当に百合っ娘なんだぁ。生で見ると腰砕けそうになるな。

≡≡*(*‘‘)*「お姉様ー！　お会いしとうございました、ペロペロしてくださーい！」ﾊﾞﾋﾞｭｰﾝ

('、`*川「おーよしよし、怖かったね愛しいねー。後で特別にレロレロしてあげよう」

　さっきまでの満身創痍はどこへやら、軽快にペニサスの胸の中へ飛び込むヘリカル。
　こんな娘達だったっけ、クールな巨乳と大人ぶるロリじゃなかったっけ。

('、`*川「あっ、ハインも入ってきていいよ。まだ私の胸元には若干の余裕があります」

从;ﾟ∀从「落語家みたいに誘ってんじゃねぇよ！　何しに来たんだバカ！」

('、`*川「バカとか言うなよー。まぁ、バカみたいに欲情がたぎってるけどねヒッヒッヒ」

从;ﾟ∀从／「帰れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ！！　百合の国に帰れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ！！！」

（；＞＜）「こんなに追い詰められた高岡さんはそうそう見れないんです！」

599 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:51:38 ID:Ve5hVt3kO

(；´ー｀)「……あの、もういいかな……そろそろ現れた理由聞きたいんだけど」

('、`*川「あら、誰かと思えばシラネーヨ先生改めシラネーヨ恋敵」

(；´ー｀)「恋敵！？　何その肩書き！」

　やだ、今回初めて会ったのにメチャクチャ敵視されてる！
　俺今まで伊藤にそこそこ優しくしてたぜ、字のキレイさを褒めたぜ！？

('、`*川「まぁね、何しに来たかってーと指揮帝からの『伝言』を伝えにきたんよ。
　　　　　ほら、絶対ミセリ伝言忘れるじゃん。ノリで体育館落とすじゃん」

从;ﾟ∀从「そこまで読めてたのかよ！　だったらミセリ寄越すなよ！」

('、`*川「あぁん、ハインにツッコまれちゃった。濡れるわ」

*(*‘‘)*「はぁぁ、ペニサスお姉様を濡らした何かを残さずすすり飲みたい……」

从 ;∀从「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんもうコイツら嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！」

（；＞＜）「高岡さんが泣いたんです！！　これははぐれメタルよりレアなんです！！」

600 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:53:07 ID:Ve5hVt3kO

('、`*川「うっひょー、ハインの涙とな？　ペロペロしていい？　いくらや、いくら払えばいいんや！」

*(*‘‘)*「お姉様ぁ、ヘリカルのペロペロは年中無休でプライスレスですぅ……」

从;ﾟ∀从「うるせぇぇぇぇぇぇぇ用があるなら早く言って帰れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ！！！」

('、`*川「言われなくても言っちゃうから。ま、言っちゃう前にイっちゃうかもね？　ガハッ！」

*(*‘‘)*「あぁん、ヘリカルはとうにイっちゃって逝っちゃいますぅぅぅぅぅ……」

从;>ﾟ∀从>「何だお前ら何なんだお前らぁぁぁぁぁっ！！」

　何これ、同級生というよりセクハラオヤジとキャバ嬢みたいになってる。
　いやぁ、聞くと見るとは大違いね。ちょっとハインが誇張してると思ってた。
　そんでヘリカルのメロメロフェイスよ。お前この短時間で百面相になってるぞ。

('、`*川「まぁ簡単に言うとね、『指揮帝』はアンタらとの『最終決戦』の場を設けたのよ」

(；´ー｀)「最終決戦……！？」

601 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:56:17 ID:Ve5hVt3kO

　伊藤はヘリカルをはべらせながら、クールな口調で告げた。
　遂に来たか最終決戦。そんであっちから仕掛けてきたか。
　てか本来ならわりとさっき知れてたことなんだよね。水窪ぉぉぉぉぉ！！

('、`*川「もう日付も変わったしそろそろ決着つけてもいい頃っしょ。
　　　　　そんで、今指揮帝は秘密のアジトから東校舎の屋上に移動したんだけど」

（；＞＜）「えっ、女性職員用トイレにいるんじゃないんですか！？　せっかくアジト突き止めたのに！」

('、`;川「うん、てかアンタなんでアジトが女性職員用トイレって知ってんの？　入ったの？　うっわ……」

从;ﾟ∀从「おいおいマジかマジか、お前俺の半径２キロ圏内で呼吸禁止な……」

（；＞＜）「濡れ衣なんです！　これには深い事情が、キャー女子の皆様からの非難の視線がキツいんです！」

('A`)「うむ、いくら何でもえげつなさすぎるよな。ショタのくせに性的倒錯者だったか」

（　＾ω＾）「流石の僕でもそれは引くお」

（＞＜；）「てめぇらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

602 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:57:25 ID:Ve5hVt3kO

('、`*川「まぁビロの変態疑惑はともかくよ。先生達には屋上に来てもらって、そこで戦おうということさ」

(；´ー｀)「屋上……決着……」

　淡々と事実のみを告げるペニサスの言葉が、俺の鼓動を速めた。
　遂に、この戦いを終わらせるための戦いが始まる。この長く、くだらない戦いが遂に決着する。
　てかシラネーヨＶＳちんぽっぽって変な最終決戦。地味！

('、`*川「でもまだ時間あるしさ、すぐ戦ってもつまんないじゃない。そこで、まずは私達『四天王』と戦ってもらうよ」

(；´ー｀)「なんだと……！？」

（　´_ゝ`）「流石兄弟のショートコント『カレー屋さん』。
　　　　　　　お待たせしましたカレーです。このパンにつけてお召し上がりください」

（´<_｀　）「ナンだと……！？」

(*;ﾟ∀ﾟ)「何故テメェらはこのタイミングでクソみたいなコント挟むんだ！」

( <●><●>)「正直オチは読めました」

605 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/21(金) 23:58:51 ID:Ve5hVt3kO

('、`*川「東校舎の１階から４階までのそれぞれの階に、四天王とその側近が１人ずついる。
　　　　　それに勝って初めて次の階に行けるの。すっぽかしたりは出来ないからね」

从;ﾟ∀从「出たぁぁぁぁぁ！！　厨二御用達設定、死亡遊戯パターンだぁぁぁぁぁっ！！」

（；＞＜）「ワンフロア上がるごとに強くなるのはもはや鉄板なんですぅぅぅぅぅ！！」

　わぁ、この子達詳しい。凄く手っ取り早く状況が掴める。
　しかし大体わかった。すなわち部下を全員倒して初めて、ボスであるちんぽっぽと戦えるってわけか。

/ ﾟ、。 ／「血染めの雪が鮮やかな蝶を嘲笑う残酷な凍てつく朝に眩く照りつけるデザイア」

爪'ー`)y‐「『ふざけないで。そんなのこっちが一方的に消費するだけじゃない、リスクが大きすぎるわ』だとさ」

('、`*川「まぁ、選択の自由はそっちにあるからどうしようとそっちの勝手だけどね。
　　　　　てかオメェダイオードかい可愛いやんメガネの頃も嫌いじゃなかったけどねヒヒヒヒ」

/ ﾟ、。;／「！？」ﾋﾞｸｯ

(；´ー｀)「……」

　確かに鈴木の言う通りだ。ステージを用意するのはあっちだし、こっちはどんどん体力を消費していく。
　罠や仕掛けもあるかもわからんし、明らかにこっちが分が悪い。何か別の道を探すのも手かも知れない。

608 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/22(土) 00:00:11 ID:3ONGrJlAO

　だが。

(　´ー｀)「上等だヨ……要は全員説教して昇りゃいいんだろ？　わかりやすくいいじゃネーノ」

　俺は個人的にめちゃくちゃいい表情で、思いっきり宣戦布告した。
　どのみちちんぽっぽ達と戦わない選択肢は無い。結果的に向かい合わなきゃならない存在だ。
　だったらそれと手っ取り早く戦える条件が揃ったことを、むしろ喜ぶべきだ。
　生徒に出された問題に教師が答えねぇわけにはいかねぇよな。先生やったるでー！

('、`*川「へぇ……意外とガッツあんのね。かと言って我が麗しのハインを奪ったことは許さんが」

从;ﾟ∀从「そもそもテメェのもんだった時期がねぇよ！　てか帰れ、用が済んだなら帰れ！」

*(#‘‘)*「むきー、さっきからハインちゃんお姉様に失礼すぎ！　愛してもらえるという幸せを噛みしめなさい！」

('、`*川「まぁまぁヘリカル怒らないの。可愛いえくぼが台無しじゃない、ほら、笑って……？」ｻﾜｻﾜ

*(////)*「はぁぁぁん、そんなとこ触られたらますます真っ赤になっちゃいますぅぅぅ……」ｶｧｧｧｯ

从 ;∀从「うわぁぁぁぁぁんもう帰れよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ！！！」ﾌﾞｧｧｧ

（ヽ;'∋`）（鬼の目にも涙……）

609 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/22(土) 00:01:58 ID:3ONGrJlAO

ヽ('、`*川「ま、要件は伝えたし帰るわ。これ以上話したかったら私の階まで来てね。
　　　　　　まぁその時はメタメタのギタギタにしてハインをモノにするけどオヒョヒョヒョヒョ」ｽﾀｽﾀ

(；´ー｀)ノ「お、おぉ……お前の性癖何とかしてやるから待ってろヨ……」

从 ;∀从 ﾋﾞｸﾋﾞｸﾋﾞｸ

*(;‘‘)*「なんだかんだで私の生存率凄まじいな！」ｽﾀｽﾀ

　俺の袖を握り締めて震えるハインに対し、伊藤はツヤツヤしながらヘリカルを連れて去って行った。
　鬼のヤンキーがまるでチワワのように震え上がる姿を誰が予想出来ただろう。
　盛岡先生なんてヅラ取られて花壇に埋められてからハインの顔見るだけで泣きそうになるってのに。

（；＞＜）「ふぅ……しかし、大変なことになりましたね……」

ﾊﾊ ﾛ -ﾛ)ﾊ「エエ、まさかビロードクンが女性職員用トイレに入るようなデバガメヤローダトハ……」

（；＞＜）「それじゃないしそうじゃないんです！　最終決戦の話なんです！」

(；´ー｀)「ああ……遂にちんぽっぽから仕掛けてきたな……」

（-@∀@）「『ちんぽっぽから仕掛けてきた』ってそそられない？」

(・∀ ・)「今は俺達負け犬は喋ってはいけない」

610 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/22(土) 00:03:15 ID:3ONGrJlAO

　瓦礫にまみれた校庭に何とも言えない緊張感が走る。
　相手は洗脳能力者、しかも洗脳されてなければ優勝候補の生徒達を１人ずつ撃破しなければならない。
　だが、俺はそれに挑まなくてはならない。後は俺についてきてくれる、生徒の気持ちの確認だ。

(；´ー｀)「みんな……ここからは今まで以上に壮絶な戦いになる。だから確認させてくれヨ」

(；´ー｀)「……俺は頼りない、ただ説教するだけの口うるさいおっさんだが……」

(；´ー｀)「最後まで、ついてきてくれるか……？」

从 ﾟ∀从「……」

（　＞＜）「……」

ﾊﾊ ﾛ -ﾛ)ﾊ「……」

爪'ー`)y‐「……」

/ ﾟ、。 ／「……」

( <●><●>)「改めて見ると主人公パーティーにしてはなんか地味な面子なのはワカッテマス」

(*;ﾟ∀ﾟ)「紛れ込むな！」

613 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/22(土) 00:06:36 ID:3ONGrJlAO

　６人を取り巻く沈黙。ここにきてよく黙るな俺達、さっきまで若手芸人のようにまくし立ててたのに。
　そんな重厚な沈黙を破ったのは、誰よりも俺を慕ってくれる１人の少女だった。

从 ﾟ∀从「……聞くまでも無いでしょ先生。俺は前世からずっとついてきてるんです、こんなとこで離れるわけないでしょう」

(；´ー｀)「ハイン……ありがとう……！！」

从#ﾟ∀从「やったりますよ、そんで伊藤はっ倒してトラウマぶったぎりますよ！　なんだアイツ！！」ﾑｷｰ

　後半私情だ！　もはや伊藤は幼なじみじゃなくてトラウマなのね！
　しかし、こんなにも俺を信頼してくれるというのは教師冥利につきる。単純に嬉しい。

(　´ー｀)「ありがとうハイン、絶対にお前の気持ちに応えてみせるヨ！」ｷﾞｭｯ

从//∀从「はわぁぁぁ、握り締められちゃぁぁぁぁぁ！！　溶けりゅぅぅぅぅぅ！！」ｼﾞｭｧｧｧｧ

（；＞＜）「ヘリカルさんとかぶってるんです！」

615 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/22(土) 00:07:48 ID:3ONGrJlAO

（；＞＜）「と、とにかく！　僕も行くんです、ちんぽっぽちゃんを助けるんです！　あと大前さんの恐怖を振り切るんです！」

爪'ー`)y‐「フッ、俺も唐沢に殺された分を返さねえとなんねぇな」

ﾊﾊ ﾛ -ﾛ)ﾊ「じゃあワタシはユカリはありマセンがヒッキークンを」

/ ﾟ、。;／「えっと、紅の玉響に堕ち行くルシフェルの運命の灰燼！
　　　　　　（訳・えっと、じゃ、じゃあ私はその他の誰かしら何かしら……）」

(；´ー｀)「どんどん緊張感が無くなっていく！」

　結果的におかしなことにはなったが、無事に５人の気持ちを確認出来た。
　これは嬉しい、こんなにも生徒に協力してもらえてる。それ以上の生徒に襲われたけど。
　洗脳じゃない、本当の信頼ってヤツをあのほんわかラスボスに見せてやる！

(　´ー｀)「ありがとうみんな……よっしゃ、絶対ちんぽっぽを止めるヨ！」

爪'ー`)y‐（　＞＜）从 ﾟ∀从「おーっ！！」ﾊ(ﾛ- ﾛ ﾊﾊ/ ﾟ、。 ／

( <●><●>)「いい感じの山場感ですね」

(*;ﾟ∀ﾟ)「だから紛れ込むんじゃねぇよ！　山場だってわかってんだろ！？」

616 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/22(土) 00:11:39 ID:3ONGrJlAO

( <●><●>)「まぁなんやかんやで。ついに皆様悪の枢軸へ乗り込むおつもりですか」

(；´ー｀)「悪の枢軸！？　確かに乗り込むけど……そんで、お前達……」

( <●><●>)「ワカッテマス、我々負け犬は西校舎の外れでブツブツ言ってます」

(；´ー｀)「そこまで言ってネーヨ！　ただ隠れるだけでいいの！」

　説明しよう！　何かブツブツ言ってたから拾ったらそれはそれでめんどくさかった！
　ともかく、ここから先は能力の無いみんなは連れて行けない。これまでもダメなんだけど。
　戦場にならない西校舎でおとなしく仲良くしてくれることを祈ろう。

川*;ﾟд川「せ、先生……ご武運を……！！」ｷﾞｭｩｯ

(；´ー｀)「あ、うん、ありがとう頑張るヨ……！！」

(・∀ ・)「よし先生、一発殴らせてくれ。大丈夫闘魂注入闘魂注入」

(；´ー｀)「それは脈絡がおかしい！　お前猪木さんじゃネーし！」

617 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/22(土) 00:12:32 ID:3ONGrJlAO

)))へ(　･∀･)へ<ヽ｀∀´>（ヽ'∋`）(#ﾟ;;-ﾟ)从'ー'从ξﾟ�听)ξﾐｾ* ー (*ﾟ∀ﾟ)川д川(´ ω( <●><●>)ノ ｿﾚﾃﾞﾊｸﾞｯﾄﾞﾗｯｸ
)))（　´_ゝ`）（´<_｀　）（　.(　＾ω＾）('A`)(*ﾟーﾟ)(,,ﾟДﾟ)（-@∀@）(#)∀ ・) ﾅｯﾄｸﾊｲｶﾝｶﾞｺｳｶｲﾊｼﾃﾅｲ



(#);´ー｀)「いてて……みんな行ったみたいだな……」

从#ﾟ∀从

　その後怒涛のごとくボケ倒しながら、「中２」の生徒達は去っていった。端折ってやったぜ！
　ちなみに俺はまたんきに殴られ、またんきはハインに殴られた。未だによくわからん。

从#ﾟ∀从「よっしゃ、このまま乗り込みますか！　だいぶ荒ぶってますぜ俺！」

(；´ー｀)「そ、そうか！　テンションは大事だし……行くか！？」

ﾊﾊ ﾛ -ﾛ)ﾊノ「ＳＴＯＰ」

(´ー｀；)「おおっ！？　全然ノってない！！」

619 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/22(土) 00:17:09 ID:3ONGrJlAO

　高ぶるハインとは対照的に、ハローは至ってクールに俺達を抑えた。
　なんだよー、志気上がったんだからぶっこもうよー。

ﾊﾊ ﾛ -ﾛ)ﾊ「スイマセンが、少し休ませてはもらえマセンカ？　ミセリサンにだいぶヤラレタんで」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

(；´ー｀)「あっ……」

　よく見るとハローは全体的に軽傷ではあるが、多くの傷を負っていた。
　そう言えば水窪とずっと肉弾戦してくれてたもんな。結果大の字だが。

(；´ー｀)「んー……まぁまだ時間はあるし……少し体力を回復させるか……」

（　＞＜）「先生、ってことは……」

(　´ー｀)「ああ、保健室に行こう。西校舎だし安全なはずだヨ」

/ ﾟ、。;／「幼き欲望が大樹を肥やす時遙か遠くで未知が散る……」

爪'ー`)y‐「『でも大丈夫かな、案外敵も同じ考えで、保健室前で鉢合わせるかも……』だとさ」

从 ﾟ∀从「そんなまっさかーｗｗｗｗｗｗｗ」

620 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/22(土) 00:18:32 ID:3ONGrJlAO

−西校舎・保険室前−

(*‐ω‐ *)ｽﾔｽﾔ

ミ,,ﾟДﾟ彡「あ」ﾊﾞｯﾀﾘ

ζ(ﾟーﾟ*ζ「あ」ﾊﾞｯﾀﾘ

(　´ー｀)

从 ﾟ∀从

（　＞＜）

爪'ー`)y‐

ﾊﾊ ﾛ -ﾛ)ﾊ

/ ﾟ、。 ／

ミ,,ﾟДﾟ彡←ちんぽっぽおんぶ中

ζ(ﾟーﾟ*ζ

(*‐ω‐ *)ｽﾔｽﾔ

621 名前： ◆kB11BI8NVE：2011/10/22(土) 00:20:17 ID:3ONGrJlAO

爪'ー`)y‐从;ﾟ∀从(；´ー｀)「ラスボスだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！」（＞＜；）ﾊﾊ(ﾛ- ﾛ;ﾊﾊ/ ﾟ、。;／

ミ,;ﾟДﾟ彡「うるせっ！？　ちょ、起きちゃうだろ！！　ビークワイエット！」

爪'ー`)y‐从;ﾟ∀从(；´ー｀)（ラスボスだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ）（＞＜；）ﾊﾊ(ﾛ- ﾛ;ﾊﾊ/ ﾟ、。;／

ミ,;ﾟДﾟ彡「コイツら直接脳内に……！！」

ζ(ﾟーﾟ;*ζ「すいません、コピペからの引用がオチですいません！」

(*‐ω‐ *)ｽﾔｽﾔ





第１８話　　ＥＮＤ


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