6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 20:45:56.64 ID:IdHUAEy3O





(;´ー`)「……ハァ、ハァ……」

 俺の人生は、一言で言い表すならずばり『無難』だ。

(;´ー`)「畜生、ここもいつ見つかるかわかんネーヨ……」

 そこそこの大学を出た後、安定しているという理由で教師になった。
 そんなに子供が好きなわけではなかったが、キャリアを積むごとにやりがいを見つけた。
 教員歴も10年を越え、今となっては胸を張って天職と言うことが出来る。


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 20:49:43.90 ID:IdHUAEy3O
(;´ー`)「くっ、なんで、なんでこんなことに……」

 大学から付き合い始めた彼女と結婚、二児の父となり、上の娘はもうすぐ小学生。
 何もかも無難で、それでいて幸せな人生。それを目標に俺は今までの34年間を生きてきた。

(;´ー`)「なんで……くそっ、なんで……!!」

 なのに。なのに、なんで。



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 20:53:46.42 ID:IdHUAEy3O





「シラネーヨ先生はどこだお!! 僕の『暗黒王ノ左腕』で叩き潰してやるお!!」

「ククク……俺の妖刀の錆にしてやるぜ……!!」

「くっ、早く血を吸わせねえと俺の中のネオマテリアルサイクロプスが暴走しちまう……!!」

(;´ー`)(なんで厨二病の教え子達に狙われなきゃなんねぇんだヨォォォォォッ!!!)






17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 20:57:00.52 ID:IdHUAEy3O





( ´ー`)先生の戦う生徒指導のようです



第一話 『先生と厨二病共ともう1人』






20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 21:02:04.05 ID:IdHUAEy3O

 ことの起こりは約20分前、午前8時20分。
 いつも通り朝のホームルームを行うために、俺は受け持ちのクラスへ向かっていた。
 県立VIP中学校、2年3組。そこが俺、不知火シラネーヨの担任するクラスだ。

(;´ー`)「……ハァ……」

 2−3を受け持ってから早3ヶ月、俺は未だにこのクラスを好きになれない。
 別に学級崩壊だったり、いじめがあるわけじゃない。
 むしろ生徒同士は非常に仲がよく、俺の言うこともわりとよく聞く。


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 21:06:34.68 ID:IdHUAEy3O
(;´ー`)ガラガラ 「よーし、席着けー。ホームルーム始めるヨー……」

 じゃあ何故好きになれないか。
 理由はいたって単純、いや、複雑すぎて逆に簡単というべきか。

( ^ω^)ブツブツ「フッ、奈落火焔団ヴェロニカの刺客めが……
          教師に扮してるつもりだろうが、僕の目はごまかせないお……」

ξ゚听)ξブツブツ「くっ、静まって、私の右腕……!! クラスの皆を巻き込みたくない……!!」

('A`)ブツブツ「ククク、今宵は満月……俺の妖刀『オーガ・ジ・ブレイド』が血を欲してるわ……!!」

(;´ー`)「……うわぁ……」

 はいそうです、ご察しの通り厨二病でございます。
 しかも何の奇跡か、クラス全員がこんな感じです。正直ノイローゼになりそうです。
 つーかなんだよ奈落火焔団ヴェロニカって。俺そんな気色悪い組織に属してネーヨ。日教組にも属してネーヨ。
 あとなんだ妖刀なんとかブレイドって。和なのか洋なのかはっきりしろや。あともう単に気持ち悪い。
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 21:10:30.83 ID:IdHUAEy3O

 そもそも、厨二病とは何か。

 中学入学の緊張感がある1年、高校受験の緊張感がある3年に挟まれた中学2年生という時期。
 時間と想像力を持て余した彼らは必然的に二次元の世界にハマり出す。
 それこそが思春期特有の病、『厨二病』だ。
 大体の人間は思春期に発症し、数年後思い出して悶え苦しむことになる。
 ある意味ガンより質の悪い難病だ。

 そんなある意味青春の通過儀礼とも言える厨二病だが、指導者の立場からするとまぁうっとうしい。
 しかも普通の厨二病は隠れてやるからまだいいが、うちの場合クラス全員が厨二病という妙な連帯感により、
 堂々と大っぴらに厨二をひけらかしてくる。うっとうしい。まぁうっとうしい。


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 21:14:18.11 ID:IdHUAEy3O
 例えば授業中。

( ´ー`)『えー、つまり要約するとメロスは怒って走って素っ裸という……』

( ><)カリカリ、カリカリ

( ´ー`)『……ビロード、お前ノートに何書いてんだヨ』 ヒョイ

(;><)『あっ!? 返して……』

( ´ー`)『……機械に呑まれた世界で機械に反逆する無敵重装戦士、ビロード=ツヨインデス……?』

(;><)『ギャァァァァッ!! 朗読やめてぇぇぇぇっ!!』

(;´ー`)『何これ、めちゃくちゃ絵上手いじゃないかヨ。これ落書きの範疇じゃネーヨ。
      特にこの変な顔のザコキャラが機械に踏み潰されてる絵なんて力の入り方がちげーヨ』

( ><)『あ、そのキャラは極悪教師シラネーゼと言いまして、実際の人物をモデルに……』

( ´ー`)

( ><)

( ´ー`)『ビロード、お前今日1人でトイレ掃除な』

(;><)『ギャァァァァッ!!!』

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 21:18:39.73 ID:IdHUAEy3O
 例えば二者面談。

( ´ー`)『都村、どうして進路希望調査白紙で出したんだヨ? お前の成績ならどこの高校にも行けるヨ』

(゚、゚トソン『先生……実は私、なりたい職業があるんです……』

( ´ー`)『職業?』

(゚、゚トソン『はい、でもその職業はいい高校、大学に入ったからってなれるものじゃないから……
     それで、私どうすればいいかわからなくて……』

( ´ー`)『なるほど、優等生の都村がそんな悩みを抱えていたとはな……
      わかった、先生でよければ相談に乗るヨ』

(゚、゚トソン『え……』

( ´ー`)『教師が言うべき言葉じゃないかもしれないが、大学が人生を決めるわけじゃネーヨ
      もちろん優秀な生徒にはいい進路へ行ってほしいのが本音だが、決めるのは生徒だ
      生徒が悩んで決めた進路なら何でも応援するし、親だって説得してやるヨ』

(゚、゚トソン『先生……ありがとうございます! 私、先生が担任で良かったです!』

( ´ー`)『ありがとヨ。それで、お前のなりたい職業ってなんだヨ?』

(゚、゚トソン『はい、ちょっと言いづらいんですが……』
(゚、゚トソン『宇宙海z』

( ´ー`)『いい高校行こーねー』

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 21:22:36.98 ID:IdHUAEy3O

 とまぁ、こんなんが1クラス分、36人いる。そうだね、地獄だね。
 正直やんなっちゃう。1人ずつ説教したい。
 光の差し込まない生徒指導室で今後の人生の在り方について小一時間ばかし話し合いたい。

 しかし、一教員としてそれは許されない。何故なら、厨二病も生徒の『個性』だからだ。

個性の否定は個人の否定だ。多感な中学2年生という時期に、個性を否定されるということは大きい。
ただでさえ最近はPTAだのモンスターペアレントだのが幅を利かせている。それに成績に問題があるわけでもない。
俺が出来ることは彼らが現実と妄想を履き違えないように方向修正するのみ。
生徒の心を無闇に傷つけることは出来ない。その心が誤った価値観に固められていたとしてもだ。

(;´ー`)「えー、知っての通りもうすぐ夏休みだヨ。つまり期末テストも近いから、みんな集中して……」

( ^ω^)「クク……そう簡単に鋭気を養わせはしないと言うことだおね……面白い、乗ってやるお……!!」

('A`)「フフ、今こそ俺の技能(スキル)、《 漢 検 二 級 −コトダマファンタズマ・バージョンセカンド− 》を見せる時のようだな……!!」

 うん、それはそれとして嫌だ。生理的に嫌だ。
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 21:26:43.48 ID:IdHUAEy3O
落ち着けシラネーヨ、こいつらには悪気は無いんだ。邪気には溢れてるが悪気は無いんだ。

( <●><●>)「全てワカッテマス、試験範囲も、何をすべきかも、この世の全ての理も」

うん、全く意味わかんないけど悪気はないんだ。すげぇ決め顔が逆に腹立つだけど悪気はないんだ。

(=゚ω゚)ノ「ぃょぅ」

うん、誰だか知らないけど悪気はないんだ。何も無いところから突然現れたけど悪気は……。



( ´ー`)  (゚ω゚=)ノ


( ´ー`)  (゚ω゚=)ノ


( ´ー` )  (=゚ω゚=)ノ


( ´ー`)  (゚ω゚=)ノ


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 21:30:55.98 ID:IdHUAEy3O
(;´ー`)「!?」

 なんかいる、なんかいる。
 突如教壇の上に立ってる人が軽快に片手挙げて見下ろしてる。うん、わからないことがわかった。

(;゚ω゚)ノシ「……ぃょぅ! ぃょぅぃょぅ、おーい!! ぃょーぅ!」

( ;´ー`)「いや見えてないわけじゃネーヨ! 誰だお前、不審者かヨ!?」

(=゚ω゚)ノ「不審者とは失礼だょぅ。僕はただの神様だょぅ。」

(;´ー`)「不審者だァァァァッ!! 関わってはいけないタイプの不審者だァァァァッ!!!」

 これはあかん、これはあかんよ。
 こんな不審者見たら生徒達もパニックになるに決まって……。

( ^ω^)「神だと……? フッ、笑わせる……僕こそが、神だお」

('A`)「ならば俺は差し詰め破戒神……ってトコか?」

(;´ー`)「受け入れんなァァァァッ!! 不審者を同族として受け入れんなァァァァッ!!」
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 21:34:48.62 ID:IdHUAEy3O
 何この子達。順応性ハンパなさすぎるだろ。
しかしそんな厨二病達に対し、自称・神はキラキラとした視線を送っていた。

(=゚ω゚)「おぉ……期待通りだょぅ……わざわざ天から降りてきた甲斐がありそうだょぅ」

(;´ー`)「期待?」

( <●><●>)「なるほど、神様とやら。
       つまり我々は選ばれし民であり、神の娯楽のために戦えと……そういう訳ですね?」

(;´ー`)「ごめん、お前喋るな! 出来る限り口を開くな!」

(=゚ω゚)「んー、まぁ平たく言えばそういうことだょぅ」



工工エエエェェェェ( ´ー` )ェェェェエエエ工工




61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 21:38:09.68 ID:IdHUAEy3O
(=゚ω゚)「僕は彼らの『想像力』に惹かれてやってきたんだょぅ」

(;´ー`)「想像力?」

(=゚ω゚)「そうだょぅ、人間の想像力は素晴らしいょぅ。
     特にここの子供達は非常に想像力逞しく、見ていて飽きないんだょぅ」

確かに、このクラスの生徒達の想像力は桁外れの物ではあるだろう。みんな自分達だけの壮大な世界を持っている。
 ちょっと方向性はアレだが、確かに素晴らしい物ではある。

(=゚ω゚)「そこで、そんな素晴らしい想像力を持った彼らに、ご希望の能力をあげちゃおうということなんだょぅ」

(;´ー`)「ハァ!?」


(*'A`)ξ*゚听)ξ(*^ω^) キラーン (<●><●>*)(><*)(゚、゚*トソン


その瞬間、生徒達の目が一斉に輝いた。何これ、こわい。
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 21:43:07.37 ID:IdHUAEy3O
(=゚ω゚)「今からこの教室にいる全員に、希望の能力をあげるょぅ。
     1つしかあげないし、頭の中で完璧にその能力がイメージ出来てないと使えないから気をつけるんだょぅ」

(*'A`)ξ*゚听)ξ(*^ω^) フムフム (<●><●>*)(><*)(゚、゚*トソン

 自称神様の発言1つ1つを生徒達は前のめりになって聞いている。
 ちょっと待ってよ、お前ら俺の授業の時もそんな真剣な表情したことないじゃん。拗ねるぜ?

(=゚ω゚)「そんで、みんなにはその能力を駆使して殺し合いをしてもらうょぅ。
     範囲はこの学校の敷地内。時間は1時限目が始まる8時40分から24時間。
     それまでに殺した回数が一番多いヤツの願いを叶えちゃるょぅ」

(;´ー`)「なっ……」

 神とやらは涼しい顔でとんでもないことを吐き捨てた。なんだよ、これほのぼのギャグじゃネーのかヨ。

(;´ー`)「ちょ、ちょっと待てヨ!? 生徒同士が殺し合いなんて、許せる訳ネーヨ!!」

(=゚ω゚)「大丈夫だょぅ、殺されたヤツの死体は瞬時に消滅して、1時間後に蘇るようになってるょぅ」

(;´ー`)「そういう問題じゃネーヨ!!」
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 21:47:11.09 ID:IdHUAEy3O
人を殺しても蘇る? 冗談じゃない、そんなのフィクションだけで充分だ。
生徒達が社会の常識を養う大事なこの時期にそんな歪んだルールを与えられたら、生徒の心が壊れてしまう。
最悪、その戦いとやらが終わってもそのルールを引きずって、ためらいなく殺人を犯してしまうかもしれない。

(;´ー`)「俺は教師だ、生徒に人殺しなんてさせたくネーヨ! こんな戦いやらせネーヨ!」

(=゚ω゚)「うるさいょぅ。だったらお前が優勝して、『生徒達から戦いの記憶を消してくれ』とでも願えばいいょぅ」

(;´ー`)「だからそういう問題じゃ……」



( ´ー`)



(;´ー`)「……ちょっと待って……俺も、戦うの……?」
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 21:51:09.30 ID:IdHUAEy3O
(=゚ω゚)「当たり前だょぅ。僕はちゃんと『このクラスにいる全員』って言ったょぅ」

言ったけど、確かに言ったけど!!

(;´ー`)「ちょっと待てヨ、俺は能力の妄想とかしたことないし、何より生徒を殺すことなんて出来ネーヨ!!」

(=゚ω゚)「だったらお前には相手の能力を無効化する能力をあげるょぅ。1回無効化で1人殺したとカウントするょぅ。
     ただお前うるさいからどうすれば能力が発動されるかは自分で見つけろょぅ」

(;´ー`)「なんだそれ意味わかんネー……」



キーン、コーン、カーン、コーン



(;´ー`)「!!」
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 21:55:12.68 ID:IdHUAEy3O
(=゚ω゚)「おっ、もう時間だょぅ。言い忘れてたけど、一度死んだらそれまでの得点は無くなるから気をつけてくれょぅ。
     それじゃあみんな、想像力をフルに使って戦ってくれょぅ」

(;´ー`)「待て、話はまだ……」

(=゚ω゚)ノ「グッドラックだょぅ!」

そういうと神とやらは教壇の上で軽く跳ね、そのまま空間に融けるように消えた。
明らかな非現実。それがいままさに、酷くリアルな形で俺達に襲いかかってきた。

(;^ω^)「き、消えた……本当に神様だったんだお……」

ξ;゚听)ξ「つ、つまり、本当に私達には能力が……!?」

さすがの厨二病達もザワザワしだした。無理もない、今までずっと頭の中だけにあったファンタジーに直面しているのだ。
 むしろさっきまで動揺していなかったのがおかしい。

(;´ー`)「落ち着け! 神様なんて有り得ネーヨ!」

ザワつく生徒達に言い聞かせるように、俺は叫んだ。
殺し合い? ふざけるな。そんなの生徒にやらせてたまるか。
今の俺に出来るのは、生徒達を落ち着かせ、心の拠り所になることだけだ。
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 21:59:01.35 ID:IdHUAEy3O
(;´ー`)「落ち着け、あんなのただの不審者だ。消えたのだってなにかトリックが……」

('A`)「……」ブツブツ

(;´ー`)「……鬱田……?」

('A`)「……常世に乱れし八汰鴉、暗闇に魅入られし銀狼……今、我の掌へとその狂いし力を貸し与え賜え……!!」

やだこのキモメン、なんか詠唱してる。怖い、それ以上にキモい。見てらんない。

(;´ー`)「いやいや!! 鬱田、やめ……」

('A`)つ「来い!!『リグレット・オブ・アナスタシアソード』!!」

('A`)つ==||二二二フ シャキィィン

(;´ー`)「なっ……!!」

鬱田が身の毛もよだつような詠唱を終えた瞬間、何もない空間から刀が出現した。
完全に本物の真剣だ。誰が何と言おうと本物の日本刀にしか見えない。
96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 22:03:04.73 ID:IdHUAEy3O
(*'A`)「す、すげぇ……俺がずっと考えてきた『リグレット・オブ・アナスタシアソード』だ……!!」

ずっとというわりにはさっきと名前変わってるじゃねえか。
そんなツッコミをする間もなく、事態はどんどん悪い方向へ展開していった。

(*^ω^)「おっお! これぞまさしく万物を握り潰す圧倒的破壊の力、『暗黒王ノ左腕』だお!」

(*<●><●>)「見えます、見えます! 壁の向こうも、みんなの気配も手に取るように!」

鬱田が皮切りとなり、生徒達が次々と自分の能力を発現しだしたのだ。
教室中に溢れる武器や変質した肉体、それに伴う狂喜。この世の物とは思えない、そんな光景だった。

(;´ー`)「み、みんなやめるんだヨ! あんな不審者に惑わされんじゃネーヨ!」

 このままでは生徒達がアイツの思惑通りに殺し合いを始めてしまう。それだけは避けなければいけない。
そう思い、俺は生徒を宥めにかかった。それがいけなかった。

( ゚A゚)ξ゚听)ξ( ゚ω゚) ギロッ (<○><○> )(>< )(゚、゚トソン

(;´ー`)「なっ……!!」

生徒達は一斉に俺を睨みつけた。その瞳に宿っている物は紛れもない、狂気だ。あとワカッテマスキモい。
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 22:07:29.39 ID:IdHUAEy3O
そして、俺は理解した。
今教室にいる37人中、俺だけが自分の能力を発現する術を知らない。
さらに、この戦いは「殺した回数」を競う物。そして死者は蘇る、従って弱い奴を1時間置きに殺して数を稼いでも構わない。



つまり、俺はちょうどいい「点数稼ぎのカモ」という訳だ。



(;´ー`)「……う、うわあぁぁぁぁぁぁっ!!!」

自分の置かれた状況を悟った瞬間、俺は一目散に教室から飛び出した。
 このままだと殺される。そうなれば戦いを止めるどころじゃない。
 そんな俺の背後から、不意に閃光が迸った。そして一瞬遅れ、俺の走る先にあった廊下が爆音とともに崩壊した。

(;´ー`)「あ、あぁっ!?」

( ><)「ちい、外れたんです……まぁ逃げ道を限定出来たので結果としては良かったんです」
105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 22:11:33.40 ID:IdHUAEy3O
 若内ビロード。女子のような顔と低身長を持ち、暇な時はもっぱら絵を描いているような大人しい生徒。
そんなビロードが、たった今、本気で俺を殺しにかかった。
彼の身長に釣り合わないような巨大なロケットランチャーを、鞄でも担ぐように軽々と持ち上げて。

( <●><●>)「よくやりましたビロード、あとは私が」

('A`)「待てよワカッテマス、試し斬りをさせてくれよ。人を斬る感覚を知りたい」

从'ー'从「ウフフ、男子って野蛮〜……私の力を見てよ、後でみんな味わう力なんだから〜……」

あまりの衝撃に唖然とする俺の元へ、生徒達は静かに近づいてきた。俺はその光景の異様さに、後ずさりしか出来ない。
ヤバい、学級崩壊ってレベルじゃネーヨ。学校崩壊させてるもん。
嫌だ、死にたくない。俺も死にたくないし、生徒を殺人者にしたくない。
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 22:15:19.61 ID:IdHUAEy3O
( ・∀・)「俺は遠慮しとくよ。まだまだ手の内は明かしたくないからね」

('、`*川「フフ、ワクワクするわね……平凡な日常からついに抜け出せる……」

(゚、゚トソン「ここは私が。宇宙海賊の力、皆さんに見せつけて差し上げましょう」

でも、あ、やっべ。なんかイラッとしてきた。
 だってアレだもん。コイツら、もう俺を殺すことしか考えてない。
俺が生徒のために行動すればするほど、生徒の狂気は加速する。なんだよそれ、なんだよそれ。

m9( ^Д^ )「プギャーwww先生めちゃくちゃビビってるよwwwダセェwwww」

( ゚д゚ )「すみませんね先生。あなたは嫌いでは無いんですが、1回死んでいただけないでしょうか?」

(*‘ω‘ *)「力無き哀れな聖職者よ、我等の栄光を築く為の名誉ある礎となれっぽ!」

畜生、畜生、畜生。
俺が何をしたっつーんだよ。俺は出来た教師じゃないかも知れないが、俺なりに一生懸命やってきたつもりだ。
それなのにこの仕打ちだよ。ふざけんなよ厨二病共、お前ら、いい加減……!!
113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 22:19:28.09 ID:IdHUAEy3O
( #`ー´)「俺のことナメてんじゃネーヨォォォォォッ!!!」ブシャァァァッ

(;^ω^)「!? ゴホッゴホッ、しょ、消火器!?」

(;^Д^)「ま、まさか後ずさってたのは、消火器を取る距離に移動するため!?」

俺はこの学校に勤めて10年以上。しかもここは母校だ。
学校の見取り図も頭の中に叩き込んであるし、備品の位置も把握してる。
だからこうやって視界を悪くしてやれば、急に力を持って調子に乗ってるガキ共くらい。

≡≡≡( #´ー`) ピューッ「簡単に撒けんだヨォォォォォッ!!!」

(;><)「あ、待てなんです!!」

(;・∀・)「意外に速ぇ! すげぇのんびり屋っぽい顔のくせに意外に速ぇ!」

こう見えて学生時代は陸上部だ。うだつの上がらない成績ではあったが、並以上の脚力はあるつもりだ。

( #´ー`)「うおォォォォォッ、今こそ輝け我が逃げ足ィィィィィッ!!!」

(;゚д゚ )「カッコ悪ぃ! カッコいいようでカッコ悪ぃ!」
119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 22:23:00.24 ID:IdHUAEy3O

噴出の止まらぬ消火器を投げ捨て、俺は2階へと繋がる階段を駆け降りた。

うちの学校は4階建てであり、4階から順に1年生教室、2年生教室、3年生教室、事務や保健室などに分かれている。
図書室や理科室などは各階にバラけているためたまに違う階に行くことはあるが、基本的に2年生は2階に慣れていない。
つまり、厨二共から逃げるには2階が一番都合がいいのだ。

(;´ー`)「ハァ、ハァ……とりあえず、ここなら……」

息も絶え絶えになりながら、俺は2階奥にある図書室から入れる図書準備室へ逃げ込んだ。
様々な備品に溢れる図書準備室は、身を隠すにはちょうどいい。

「……シラネーヨ先生はどこだお!?……」

「……くっ、早くしないと俺の中のネオマテリアルサイクロプスが……!!……」

 廊下からわずかに聞こえる生徒の声から、とりあえず撒けたということはわかった。しかし、いずれ見つかるのは確定事項だろう。
127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 22:26:46.83 ID:IdHUAEy3O
(;´ー`)「ハァ……」

入り口から見えない位置にへたり込んだ俺の心には、様々な感情が入り乱れていた。

1つは、カッとなっていたとはいえ生徒を見捨てて逃げてしまったという罪悪感。
1つは、生徒に殺されかけるという現実から来る絶望感。
 そして、もう1つ。

(;´ー`)(やっぱ……戦うしかネーのかヨ……)

生徒を救わなければならないという、使命感。

俺がいなくなったことで、おそらく生徒間の争いは始まっている。
きっと傷ついているだろうし、早ければ既に一度死んでしまった生徒がいるかも知れない。
 一度逃げてしまったとはいえ、あいつらは未来ある大事な生徒だ。こんな狂ったゲームに未来を潰させてたまるか。
 ならば、あのムカつく神様に従うのは癪だが、俺が優勝して、この戦いを無かったことにするしかないだろう。
129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 22:30:04.08 ID:IdHUAEy3O
(;´ー`)(とはいえ、能力の発動がわかんネーヨ……)

そう、それが一番の問題だ。
いくら能力を無効化する能力を貰ったとはいえ、ノーヒントは流石に無い。
心当たりも全く無いし、実戦で試すのはあまりにも無謀だろう。
だが、このままでは俺はただのカモだ。何としても生徒達に見つかる前に能力を発動させなくては。

(;´ー`)(能力っつっても、一体どうしたら……)

(;´ー`)「……」

(;´ー`)「……詠唱……?」
136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 22:33:59.48 ID:IdHUAEy3O
(;´ー`)「……ヤダぜ? めちゃくちゃヤダぜ……?」

(;´ー`)「……」

( ´ー`)「……えーと……契約者シラネーヨの名に基づいて銘じる……
      メ、メシア?の加護の下、我に全てを浄化せしめし力を授け賜え……」

( #´ー`)「アルティメット=エクセレント=スカーレット!! パァァァァッ!!」








( ´ー`)「やっぱり勘で呪文詠唱しても意味ネーか……」

 うん、だよね。先生は疲れてるみたいだね。
141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 22:37:13.35 ID:IdHUAEy3O
 ヤバい、そしてめちゃくちゃ恥ずかしい。誰も見てないし小声なのにめちゃくちゃ恥ずかしい。
 とりあえず生徒が言ってそうな言葉寄せ集めてみただけなのにすげぇ恥ずかしい。
何だよ契約者って。あいつらよくこんなん素面で言えるな。将来はきっと大物だ。

「おい、こっちだ! こっちから何か我々と同じ匂いを感じたぞ!」

(;´ー`)「!!」

ヤバい、気付かれた。ていうか小声でやってたのになんで気付くんだよ。何を感じたんだよ。

「早く先生を見つけ出せ、さもないと『四天王』に消されるぞ!?」

四天王って何!? この短時間でもう何らかの序列が出来たの!?

「う、うぅ、血、血を、早く血を与えないと、中から、中からサイクロプスが、うぅ、あ、ギャァァァッ!!!」 ビリビリビリ

何か自滅した! なんかアホが要らない設定付けたせいで自滅した!
147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 22:41:34.89 ID:IdHUAEy3O
「おやおや、苦労しているようですね」

「あっ、『冥府の瞑王占者』様!」

なんか多分上級な奴が来た! なんか変な異名付いてる奴が来た!

「どうやらここに《零の分子》はいないようです。あなた達は三階を捜索しなさい。」

「ハッ! 我等が心はゼウスのままに!」タッタッタッ

《零の分子》って何!? 俺!? 俺のことなの!? あと何なのその返事!?
 ホントこの短時間に何があったんだよ!?先生疎外感が凄い!

「……さて……」

( <●><●>)「図書準備室奥の棚の陰、そこにいるのはワカッテマス、《零の分子》よ」

(;´ー`)「!!」

152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 22:45:12.33 ID:IdHUAEy3O
ヤバい、バレた。ていうか《零の分子》ってやっぱり俺のことだったんだ。

( <●><●>)「本当はだいぶ前から場所はワカッテマした。ただ、欲しい物は独り占めしたくなるのが性でしょう?」

ゾクッとするような厨二臭いセリフを伴いながら足音が近づく。
南出門ワカッテマス。かなりの秀才だが、ボキャブラリーが豊富な分発言の痛さが凄い生徒。
そんな奴が、一歩一歩ゆっくりと焦らすように近付いてくる。俺を殺すために。

( <●><●>)「私の瞳、『瞑眸眺瞳眼《フィフス=アイズ》』は全ての物を見透かします。
       誰がどこにいるのかも、どこを攻撃すれば人が死ぬのかも」

あぁ、目偏の漢字が5つだからフィフス=アイズなのね。やかましいわ。

( <●><●>)「だから、こんな強固な扉だって、非力な私でも」

バァン!!

(;´ー`)「うおォォォォォッ!?」

( <●><●>)+「扉の『弱点』を蹴れば、簡単に蹴り壊せる」
156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 22:49:06.25 ID:IdHUAEy3O
立ち昇る埃の中で、ワカッテマスは勝ち誇るように笑っていた。
多分今アイツは自分がカッコよくて仕方ないのだろう。自分が望んでいた力を得たのだから。

( <●><●>)「さて《零の分子》よ、先ほどはよく我々に囲まれて逃げ切りましたね、誉めてあげます。
       しかしここまで。あなたが生きていることは世界にとって不都合なんです」

わーい、いつの間にか俺はよくわかんない設定付けられてたみたいでーす。
何だよコイツめちゃくちゃイキイキしてるよ。どういうことなんだよ。

(; ー )「……」

さて、マジでどうしよう。
未だ俺の能力の発動方法はわからない。逃げ道も無いし、逃げたところでコイツは全てわかるだろう。

( <●><●>)「さて、どうしましょうかね……苦しまないように『弱点』を一突きにするか。
       それともわざと弱点を避け、なぶり殺しにするか」

(; ー )「……俺は……死ぬのかヨ……」

( <●><●>)「ええ、死にます。安心してください、1時間後に生き返るらしいですから。
       もっとも、生き返ったらまた殺しますけど」

(; ー )「そうかヨ……じゃあ……」

( <●><●>)「何ですか、遺言ですか? 生憎あなたの言葉を聞くほど世界に余裕は……」
159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 22:52:59.99 ID:IdHUAEy3O










( #´ー`)「じゃあ思いっきり説教させろやぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

(;<●><●>)「ええぇぇぇぇぇぇぇっ!!?」









164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 22:56:01.56 ID:IdHUAEy3O
皆さん、どうやら僕はこのフィフス=アイズ(笑)さんに殺されるそうです。
だったらね、言いたかったこと全部言っていいよね?
え? PTA? モンペ? シラネーヨ、何も知ったこっちゃネーヨ!

( #´ー`)「ワカッテマス! お前1年の時は『家業を継いで医者になる』とか言ってたじゃネーかヨ!
      なんで医者志望が厨二病患者なの!? なんで冥府の瞑王占者になってんの!?
 え!? お前んちの家業瞑王占者!?」

(;<●><●>)「い、家のことは関係ありません!」

( #´ー`)「あとお前要所要所で決めゼリフみたいなん吐くだろ!? ぶっちゃけるわ、あんまり決まってネーヨ!!」

(;<●><●>)「嘘ぉっ!? そんなわけはありません、僕の言葉は世界が望む……」

( #´ー`)「そゆとこそーゆーとこぉーっ!!
      お前いちいち決めゼリフノートに書いたりしてるだろ!? 悪いこと言わん、捨てろ!」

(;<●><●>)「そ、それは出来ません! あのノー、いや、《新世界叙述史》は世界に1つしか……」
172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 23:00:00.29 ID:IdHUAEy3O
( #´ー`)「カァァァァッ!! お前想像してみろ!? 町医者になったお前! 妻と子供! 幸せな家庭!
      『アレ、このノート何? しん、せかい……わかんない、覗いてみるわね?』(裏声)」

(;<●><●>)「やめろォォォォォッ!! やーめーろォォォォォォォォッ!!!」

( ´ー`)「世界wwww瞑王占者wwwwフィフスwwwアイズwwwwwwwww
      『ねぇ奥さん、あそこの診療所の先生、瞑王占者だったらしいわよ(笑)』(裏声)」

(;< >< >)「いやぁぁぁぁっ!! 違う、変なクスリとかやってないぃぃぃぃゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

( #´ー`)「わかったらちゃんとしろ! 命を軽く見る奴が医者になれると思うな!
      ていうかお前扉壊しただろ!? 中学生のお前に弁償する経済能力あると思ってんの!?
      あとお前最近社会科の成績がだな……」

(;。< >< >)「もう勘弁してくださぁぁぁぁぁぁぁい!! ごべんなさい、勉強しますぅぅぅぅっ!!」

( #´ー`)「言っとくがな、先生はその想像力まで否定してるわけじゃネーヨ!? お前の素晴らしい財産だヨ!!
      ただその想像力の活かし方の問題であり、フィフス=アイズとか……」

:(;。< >< >):「うわぁぁぁぁぁぁぁっ、すいませんでしたぁぁぁぁぁぁぁっ!!!
         調子ぶっこいてましたぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 23:04:35.24 ID:IdHUAEy3O
( < >< >)

( #´ー`)「もっと他人のことを考えて……ん?」

( < >< >)ブシャバァァァァッ

(;´ー`)「うおっ!?」

 つい我を忘れて説教に熱中していたら、いきなりワカッテマスが黒い煙を噴き出してぶっ倒れた。
やべ、言い過ぎたか? ていうか一体何が起きたんだ?

(;´ー`)「ワ、ワカッテマス!? 大丈夫かよ!?」

(;< >< >)「うぅ……ごめんなさい、ノート破り捨てて全部食います……」

(;´ー`)「……」

どうやら気絶しているだけのようだ。凄い勢いでうなされているが。
しかし怒ると何も考えられなくなるのは俺の悪癖だな。目覚めたら謝ろう。トラウマになってないといいが。
それにしても、失神する前にワカッテマスから噴き出した煙は一体……。

(;´ー`)「……あ……」

 まさか。いや、そうとしか考えられない。
188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 23:08:03.32 ID:IdHUAEy3O

 『無効化』。気紛れな神様が俺に与えた能力。

 それが今の一連の行動で発現したとすると、今の一連に発動条件があったということになる。
そしてその条件の心当たりは、ある。てか、それしかない。





(;´ー`)「……生徒に説教して、厨二病への依存を打ち砕けば、能力を消せる……?」





(;´ー`)「んなアホな……」
190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 23:11:57.58 ID:IdHUAEy3O

んなアホな。剣や魔法に説教で立ち向かえってか。
いやいやいやいや。いや、いやいやいやいやいやいや!!
 無い無い、さっきは根が生真面目なワカッテマスだったからいけたけど、話を聞かない生徒だっているかもやん。
正直やれる気がしない。帰りたい。帰って娘をランドセルをあげたい。
 「わーい、パパが買ってくれたの?」と喜ぶ娘に
 「フフ、タイガーマスクがくれたんだヨ」と父親らしいジョークで返したい。

(;´ー`)「……でも……」

わかってる。やるしかないってことくらい。
193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 23:15:02.78 ID:IdHUAEy3O
そもそも俺は1回生徒から逃げてしまった。
 だったら最後まで生徒に向き合い、付き合い続けてやるのが償いってヤツだ。
何度襲われても、何度殺されても、何百回も説教してやる。あの不良生徒達の根性、叩き直してやる。

( ´ー`)y-~ チャッ フゥーッ

 胸ポケットから煙草とライターを取り出し、一服する。
 煙草だって最初は良さがわからなかったが、大人になるにつれ値上がりしても吸い続ける気持ちがわかってきた。
 いわばこの一本は、俺なりの、大人からの宣戦布告だ。
197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 23:18:37.22 ID:IdHUAEy3O



( ´ー`)「待ってろヨ愛する生徒共……先生の力を見くびるんじゃネーヨ!」

こうして、俺の人生で最も長い生徒指導が始まった。








第一話 END

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