36 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:04:58.63 ID:/HlfVcK10
第49話( ^ω^)古代の涙 だお!


(*‘ω‘ *)「・・・・・・小僧、どうしてお前がここにいる?」

( ^ω^)「・・・・・・ツンを助けるために、
    仲間たちの力を借りて、ここまでやってきたんだお。」


ブーンとクーたちは、信者たちが座るべき座席を挟んで向かい合った。
その距離は離れている。

しかし礼拝堂にはブーンたち意外誰もいないため、その声はよく響いた。


37 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:05:48.90 ID:/HlfVcK10
川 ゚ -゚)「まさかここまで自力でやってくるとはな。
    全くもってたいしたものだ、オクレ君。」


( ^ω^)「僕の名前はオクレじゃないお。
     僕の名前は、『 内 藤 ホ ラ イ ズ ン 』だお。」


川 ゚ -゚)「・・・・・・・・・・それは失礼した、内藤ホライズン君。」


38 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:06:52.41 ID:/HlfVcK10
川 ゚ -゚)「さて、内藤君。 
    君はツン君を迎えに来たといったな。
    
    残念だが、それには応じかねる。 
    ツン君には、ここで眠りについてもらわなければならない。」

( ^ω^)「そんなこと、どうでもいいお。 
     さっさとツンを渡すんだお!」

(*‘ω‘ *)「どうでもいいだと? 笑わせてくれるな。」

( ^ω^)「ツンを眠らせはしないお! 早くツンを渡すお!」

(*‘ω‘ *)「お前はバカか?
   ツン君が眠らなければ魔法はなくなり、ひろゆきは地に落ち、多くの人間が死ぬ。
   それとツン君が眠りに付くこと、どちらが良いかは子供でもわかることだと思うがね?」


( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・。」
40 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:08:02.85 ID:/HlfVcK10
川 ゚ -゚)「まあ待て、ちんぽっぽ。
    ここまで危険を冒してやってきた男に向かって、その言い草は無いだろう?」


クーはちんぽっぽを諫めた。


川 ゚ -゚)「内藤君、彼女を助けにここまで来た君の思い、確かに受け取った。
    しかし、何度も言うようだが、ツン君は渡せない。」

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・・・。」

川 ゚ -゚)「君は私が責任を持って、無事に地上へと送り届けよう。 
    さあ、こっちに来たまえ。」


クーはブーンに向かって手を伸ばした。
しかし、ブーンはその場から動こうとしない。


川 ゚ -゚)「・・・・・・・どうした? 早く来たまえ。」


( ^ω^)「・・・・・・ひろゆきなんて、いらないお!!」


41 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:09:12.38 ID:/HlfVcK10
(*‘ω‘ *)「ふははははは! 
     何を言い出すかと思ったら、そんなことを!!」

川 ゚ -゚)「待て、ちんぽっぽ。
    ・・・・・・・内藤君、話を聞こうか。」


クーはブーンを見据えた。
それに応じるかのようにブーンはしゃべりだした。


( ^ω^)「誰かの犠牲の上に魔法が成り立つというなら、魔法なんていらない。
     僕の仲間は、そう言ってくれましたお。
     
     そして、僕もそう思いますお。
     
     誰かの犠牲の上に成り立つシステムなんて、この世に必要ないですお!
     そんなものが、人間を幸せにできるはずなんて無いですお!!」
42 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:11:36.10 ID:/HlfVcK10
川 ゚ -゚)「・・・・・・それはね、理想論だよ。 内藤君。」

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・。」

川 ゚ -゚)「昔話で例えようか。
    
    はるか昔、世界には自動車という乗り物があった。
    それは人の移動を、物の流れをスムーズにし、人間社会を便利なものにした。
    
    その利便性の高さから、やがて自動車は世界にあふれかえった。
    しかしその弊害として、自動車による事故で多くの人間が亡くなったよ。」

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・。」



43 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:12:38.57 ID:/HlfVcK10
川 ゚ -゚)「つまり、自動車はその利便性の裏で、多くの人間の犠牲を必要としたのだよ。
    
    ・・・・・・しかし、それでも自動車は無くならなかった。
    それどころか、その数はさらに増え続けた。
    
    さらに滑稽なのは、自動車事故で大切な人を失った者までもが
    その悲しい経験にもかかわらず、自動車に乗り続けたということだよ。」

( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・。」

川 ゚ -゚)「つまりだ、内藤君。 
    人間は、自分の便利で快適な生活のためなら、
    どんなに犠牲が増えようが悲しみを生もうが、そのシステムを存続させ続けるのだよ。

    醜くて、利己的で、愚かで・・・・・・
    ・・・・・・・人間とは、そんな生き物なのだよ。」
45 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:14:22.41 ID:/HlfVcK10
( ^ω^)「・・・・・・それは、あまりに悲しい考え方ですお。」

川 ゚ -゚)「・・・・・・・・・・・・。」

( ^ω^)「確かに、そんな人もいるでしょうお。
     でも、それ以上に心優しい人間はたくさんいますお。

     ひたむきに自分の夢を追いかけ続けている人。
     大切な人を守るために、自分の夢を犠牲にした人。
   
     過去の悲しい経験を心の内に秘めながら、それでも前を向き続けて夢をかなえた人。
     自分の過ちを、命を懸けて償おうとする人。
    
     そして、かけがえの無い仲間を救うため、危険を顧みずに立ち向かった人達。

     僕が今まで出会ってきた人たちは、みんな、そんな心優しい人ばかりでしたお。
     だから、僕は思うんですお。
     
     人間はクーさんの言うような醜い生き物ではない、と。」


46 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:16:24.44 ID:/HlfVcK10
川 ゚ -゚)「・・・・・・・・・・・内藤君、
    残念ながら、君と私の考え方は相容れないようだな。
    わかんないです、ツン君を拘束しろ。」

( ><)「わかんないです!」

;゚听)ξ「きゃっ!!」


わかんないですはツンの手を後ろにひねり上げ、拘束した。


47 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:16:54.42 ID:/HlfVcK10
( ゚ω゚)「なにをするんだお!!
    その手を・・・・・・・・ツンを放すお!!」

川 ゚ -゚)「手荒なまねをしてすまない。
   だがな、内藤君。 人間とは、そんな心優しい生き物ではない。
   
   現に、FOXを復活させた人間たちを見ろ。
   
   自分が権力を得たいがため、自分が人を従えたいがため、
   その力を得るために、彼らはFOXを復活させたのだよ?」

(;^ω^)「・・・・・・・・・・・・。」

川 ゚ -゚)「やがて彼らは、その愚かさから大地を再び汚すだろう。
    そのとき、彼らを洗い流すためにも、ひろゆきは必要なのだよ。」

(;^ω^)「・・・・・・・・・・・・。」

川 ゚ -゚)「だからスケープゴートとして、
    ツン君には眠ってもらわなければならない。」


48 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:17:52.82 ID:/HlfVcK10
( ^ω^)「・・・・・・・・・ツンが、次に目覚めるのはいつですお?」

川 ゚ -゚)「・・・・・・ちんぽっぽ、どのくらい先だ?」

(*‘ω‘ *)「クーの事例からいくと、
    眠りに付いたツン君が目覚めるのは、数百年後だろうな。」

( ^ω^)「そのとき、ツンを知っている人は・・・・・
     ・・・・・・ツンが知っている人は、この世にいないですお?」


(*‘ω‘ *)「・・・・・・そうだな。」

( ;ω;)「目覚めたら、自分の知っている人はみんな死んでいる。
     ・・・・・・・・そんなの・・・・・そんなの、悲しすぎるお!!
     クーは、それで平気だったのかお!?」


川;゚ -゚)「・・・・・・・。」
49 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:19:41.13 ID:/HlfVcK10
( ;ω;)「クーは、話し方は冷たいけど、
     本当はとても優しい人ってことは僕にだってわかりますお。
     
     だってそうでしょうお?
     
     クーは人の未来を憂うがゆえ、母なる大地を守りたいがゆえに
     自分の人生を犠牲にしてひろゆきでスケープゴートとして眠り続けたんだお?」

川;゚ -゚)「・・・・・・・・・・。」

( ;ω;)「クーが目覚めたら、クーの知っている人はみんな死んでいたんだお?
     そんな世界で、たった一人で何千年も何万年も生き続けたんだお?

     そんなクーの苦労や悲しみは、僕にはとても想像できないお。

     だけど、クーのような悲しい人を生み出さなければ存続できないのがひろゆきというシステムなら、
     ひろゆきなんて無くなったほうがいいってことくらい、僕にだってわかるお!!

     もうこれ以上、クーのような悲しみを味わう人を生み出してはいけないんだお!!」


川;゚ -゚)「・・・・・・・・・・。」



50 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:21:10.28 ID:/HlfVcK10
川゚ -゚)「私は1人で眠っていたわけではないのだよ、内藤君。」

( ;ω;)「・・・・・・・・?」

川゚ -゚)「私が目覚めると、そこにはちんぽっぽやわかんないです達、ロボットがいた。」

(;^ω^);゚听)ξ「・・・・・・・ロボット?」

川゚ -゚)「そうだ。 
   ちんぽっぽやわかんないですはひろゆきが作られた際に、
   ひろゆきのシステムの管理・維持の補助をなすために
   機械文明により作られたロボットだ。」

( ><)(*‘ω‘ *)「・・・・・・・・・・・。」

川゚ -゚)「昔はこの2体だけではなく、数十体のロボットがいたよ。
   彼らは自分の意思を持ち、限りなく人間に近いといえるロボットだった。
   
   だから、私が知っている人間たちがこの世にいなくなっても、
   彼らがいてくれるおかげで、私は今まで発狂せずにすんだ。」

川゚ -゚)「だが、ロボットにも寿命はある。
   私が目覚めるたびに、彼らの数は減っていった。
   
   そして今回目覚めた時に残っていたロボットは
   ちんぽっぽとわかんないですの2体だけだったよ。」
51 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:22:41.97 ID:/HlfVcK10
川゚ -゚)「この2体・・・いや、この2人がいてくれなかったら、
   今頃私は発狂していただろう。」

( ><)(*‘ω‘ *)「・・・・・・・・・・・・。」

川゚ -゚)「しかし、ちんぽっぽもわかんないですもこれ以上長くは生きていられない。
    
   ・・・私は、ツン君を私より過酷な状況に追いやるところだったようだな。
   私は、ツン君を1人きりで眠らせてしまうところだったようだ。」

(;^ω^)「・・・・・・・・・・・。」

川゚ -゚)「わかんないです、ツン君を離してやれ。」

( ><)「わかんないです!」


わかんないですはツンを開放した。


52 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:23:17.25 ID:/HlfVcK10
川゚ -゚)「ツン君、君に選択権を与えよう。」

;゚听)ξ「・・・・・・・・・・・・。」

川゚ -゚)「ひろゆきでスケープゴートとして眠るか、
   内藤君と地上に降りて君の好きなように生きるか、
   君が好きな方を選びたまえ。」


;゚听)ξ「・・・・・・・・・・・・。」


53 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:24:50.33 ID:/HlfVcK10
ツンはブーンの顔を見た。

どっちを選びたいかなんて、決まっている。

ブーンについていきたい。
ブーンと共に生きたい。

だけど、自分がブーンを選べばひろゆきは地上に落ちる。
多くの人が死に、魔法もなくなる。
多くの人の命も、魔法の存続も、自分の選択により左右される。

ブーンについていったら、
自分はその選択をなしたことによる罪の意識を一生背負って生きなければならないだろう。

それなら、結局、選択肢は1つしかない。

だけど、1人きりでここに眠り続けるなんて、考えただけで頭がおかしくなる。

ブーンについていきたい。
だけど、人々の命も守りたい。


どちらか選べと言われても、あたしに選べるわけがない。


54 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:25:39.18 ID:/HlfVcK10
ξ;凵G)ξ「そんなの・・・・・・・選べないよ。」


ツンは、頭を抱えてその場にへたり込んだ。


もう何も考えられない。
もう何も考えたくない。
あたしはどうすればいいの?
どれが正解なの?


・・・・・・・誰か教えてよ!!


ツンは、頭の中が真っ白になった。


そんな真っ白な頭の中に、ブーンの声が響いてきた。



( ^ω^)「ツン、大好きだお。」




55 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:26:10.49 ID:/HlfVcK10
ξ;凵G)ξ「・・・・・・・・・?」


ツンは、ブーンのその言葉の意味がしばらく理解できなかった。


ξ;凵G)ξ「・・・・・・ブーン、今、なんて言ったの?」


(;^ω^)「二度も言わせるなお。
     僕は、ツンのことが大好きだって言ったんだお。」
56 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:27:34.38 ID:/HlfVcK10
( ^ω^)「森の遺跡でツンに置いていかれて、僕は気付いたんだお。
     
     夢はひとりでかなえても意味が無いし、うれしくもなんともないんだって。
     夢をかなえても、分かち合う人がいなければ意味が無いんだって。

     でも、その夢を分かち合う人は誰でもいいってわけでは無いんだお。
     僕が喜びを分かち合いたいのは、ツン、君なんだお!!」


57 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:28:44.09 ID:/HlfVcK10
ξ;凵G)ξ「・・・あたしじゃなくても・・・・・・毒男でもいいじゃない。」


( ^ω^)「確かに世界の裂け目を超えるって夢は、毒男とも分かち合うができたお。
     
     だけど、毒男にもきっと、僕とは別の毒男だけの夢があるお。
     だから、毒男にこれ以上僕の夢に付き合わせることは出来ないお。」


ξ;凵G)ξ「・・・・・・・・・・・・・。」


( ^ω^)「今まで、僕の夢がかなった瞬間にはいつもツンがいたお。
     
     夢がかなったとき、ツンとその喜びを分かち合えたからこそ、
     僕はとってもうれしかったんだお。

     だから、これからも僕の夢に付き合ってくれないかお?」


58 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:29:20.44 ID:/HlfVcK10
ξ;凵G)ξ「・・・・あたしのどこがいいの?
     あたしは魔法以外、何にも無い女だよ?」


( ^ω^)「森の遺跡でもそんなこと言ってたおね?
     あの時は動揺して言えなかったから、ここで言うお。
     
     ツン、そんなこと無いんだお。
     
     ツンは不器用なだけで、本当はとっても優しいことをみんな知っているお。
     だからみんなはツンを助けるため、僕をここまで連れてきてくれたんだお。」
61 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:30:27.74 ID:/HlfVcK10
ξ;凵G)ξ「・・・・・・そんなこと・・・・・・・・ないよ。」


( ^ω^)「そんなことあるお!
 
     ツンの笑顔が素敵なことを、僕は知っているお。
     ツンは人のことを思いやるとき、すごく素敵な笑顔を見せるお。

     僕は、そんなツンの笑顔にやられたお! フォーリンラブしたお!!
     僕はそんなツンの笑顔を、そばでいつまでも見ていたいお。

     だから、僕の夢に付き合ってほしいんだお。
     いつまでも僕のそばにいて、その笑顔を見せてほしいんだお!!」


ξ;凵G)ξ「・・・・・・あたしなんかでいいの?」

( ^ω^)「ツンだからこそついてきてほしいんだお。
     
     だからツン、僕たちが軍に捕まったときみたいに
     『あんたの夢に付き合ってやるわよ』って、言ってくれないかお?」


62 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:31:38.09 ID:/HlfVcK10
ξ;凵G)ξ「ブーーーーーーーーーーーン!!」

ブーンが、あたしの存在を認めてくれた。
あたしを必要だと言ってくれた。

それがうれしくてうれしくて、ツンは夢中でブーンのもとへと駆け出した。
そして、ツンはブーンに抱きついた。

( ^ω^)「おっおっお。 
     お帰りだお、ツン。」

ξ;凵G)ξ「・・・・・・ブーン・・・・・・・」


63 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:32:27.65 ID:/HlfVcK10
ξ;凵G)ξ「・・・・・ブーン、あたしはあなたの夢についていきたい。
     あなたが夢を追いかける姿を、いつまでもそばで見ていたい。
     
     だけど、あたしがその選択をすることで、多くの人が死んでしまうわ。
     あたし、どうすればいいの?」


( ^ω^)「なんだ、そんなことかお。」


そう言うとブーンはツンを離し、クーのほうを向いて言った。


( ^ω^)「僕は、ツンと一緒にひろゆきに眠りますお。」



64 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:33:37.45 ID:/HlfVcK10
ξ;凵G)ξ「何を言っているのブーン!!
     あんた、あたしに夢に付き合えって言ったばかりじゃない!!
     あんた、あたしのために夢をあきらめるって言うの!?」

( ^ω^)「夢はあきらめないお。
     ツンとここに眠って、誰も死なせることなく
     ひろゆきを処理できるようになったときに、改めて夢はかなえるお。」

ξ;凵G)ξ「・・・・ダメだよ・・・あたしのために・・・・そんなこと・・・・・」

( ^ω^)「勘違いしたらダメだお、ツン。
     僕の夢は、ツンがいないと意味が無いんだお。
     
     ツンがここを出ることが出来ないなら、僕の夢は結局かなえられないんだお。
     だから、ツンが何の憂いもなくここを出るようにすることは僕のためでもあるんだお。
     
     そして、そのための方法はこれしかないんだお。」

ξ;凵G)ξ「・・・・・・・・・・・。」

( ^ω^)「ということだお、クー。
     僕とツンを、ひろゆきに眠らせてくれお。」


川 ゚ -゚)「・・・・・・・・・。」


65 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:34:21.76 ID:/HlfVcK10
川 ゚ -゚)「・・・・・・その必要は、無い。」


クーがそう言うと同時に、ブーンたちの足元がガクンと揺れた。


(;^ω^)「な、何をしたんだお!?」

川 ゚ -゚)「ひろゆきのブースターを作動させた。
    しばらくすれば、ひろゆきは重力圏から抜け、宇宙の彼方へと消える。
    
    これで君たちが眠らなくとも、ひろゆきが地上に落ちることは無い。
    ・・・・・・魔法と、天候制御の効力は無くなるがな。」

(;^ω^)「・・・・・・・・・。」

川 ゚ -゚)「ひろゆきが重力圏を抜けるまでは、ひろゆきのシステムの効力は続く。
    それまでに君たちはここから魔方陣で脱出したまえ。
    その間に、われわれはFOXを破壊する。」


66 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:35:07.38 ID:/HlfVcK10
(;^ω^)「FOXを破壊するって、いったいどうやるんだお?」

川 ゚ -゚)「それを君たちが知る必要はない。
    だが安心したまえ。 FOXは、われわれが命にかえて破壊する。」

(;^ω^)「命にかえてって、クーは死んじゃうのかお?」

川 ゚ -゚)「十中八九、そうだろうな。 しかし、覚悟はできている。」

(;゚ω゚)「死んじゃだめだお!!
    クーは今まで自分を犠牲にして、ひろゆきを・・・世界を守ってきたんだお!
    
    だから、クーはこれから幸せにならなきゃいけないんだお!!
    僕たちも協力するから、死んじゃダメだお!!」


67 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:36:24.78 ID:/HlfVcK10
川;-;)「内藤君・・・・・・君は優しすぎる。」

(;゚ω゚);゚听)ξ「!!」


今までポーカーフェイスを崩さなかったクーの目から、涙が流れ落ちた。


川;-;)「私の人間に対する考え方は変わらない。
     人間とは、醜くて、利己的で、愚かな生き物だ。
     
     だけど、そんな人間ばかりでもないようだな。」

(;゚ω゚);゚听)ξ「・・・・・・・・・・。」

川;ー;)「人間は必ず、再び大地を汚すだろう。
     私はその抑止力としても、ひろゆきは必要だと思ってきた。
     
     しかし、それはおせっかいのようだったな。
     世界と人間の行く末は、
     君たちのように、その時代に生きるものたちが決めるべきなんだな。

     そのとき、世界が私の思うような人間ばかりであれば、世界は滅びるだろう。
     だが、そのときに、君たちのような人間がいたとしたら、
     人間を・・・世界を守るために、何かしら行動を起こすだろう。

     その行動に、ひろゆきや私のような過去のシステムが干渉するのは無粋だな。」


68 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:38:44.97 ID:/HlfVcK10
川;ー;)「私は・・・・・・疲れたんだ。
     
     はるか悠久の時の中を生き続けることに・・・・・
     自然の断りに逆らい、この身を永らえることに
     ・・・・・私はもう、疲れたんだよ。」

川;ー;)「内藤君、最後に君のような人間に出会えてよかった。
     君に出会えたおかげで、私のこんな人生にも価値があったと思える。」

(;゚ω゚);゚听)ξ「・・・・・・・・・・・・。」


70 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/27(木) 21:39:25.14 ID:/HlfVcK10
川 ;ー;)「FOXは必ず破壊する。
     ひろゆきも宇宙の彼方へと消える。
     
     そして世界は過去の文明の楔から解放され、新しく生まれ変わる。
     君たちは安心して、新しい世界を生きたまえ。」


(;゚ω゚);゚听)ξ「クーーーーー!!」


ブーンとツンが叫ぶと同時に、
クー、ちんぽっぽ、わかんないですの姿は炎の渦に包まれた。


その炎の渦が消えたとき、そこに3人の姿は無かった。


第49話 完      
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