- 4 :78
◆pP.8LqKfPo :2006/07/10(月)
22:14:40.24 ID:6f2cXN680
- 第33話( ^ω^)風の谷だお!
グライダーは風に乗り、グングン上昇していく。
空の上から見たこっちの世界は、ため息が出るほど美しかった。
その景色にも飽き、ブーン達はしぃとおしゃべりをしていた。
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◆pP.8LqKfPo :2006/07/10(月)
22:15:40.85 ID:6f2cXN680
- (*゚ー゚)「でもすごいわね。空を飛ぶ機械?なんていうのがあるなんて。」
(*'A`*)「いえいえ、風に乗ってグライダーで空を飛ぶしぃさん達のほうが何倍もすばらしい!」
(*゚ー゚)「ありがとー。それで、あなたたちの名前まだ聞いてないんだけど・・・・・。」
( ^ω^)「僕は内藤ホライズンだお!アクセントはラの上だお。
ブーンって呼んでほしいお。」
ξ゚听)ξ「あたしはツンよ。よろしく。」
(*'A`*)「私は毒男と申します!どっくんって呼んでね!」
( ^ω^)ξ゚听)ξ「テラキモスwwwwwwwwwwwwww」
ξ゚听)ξ「あ、あんた、あたしの真似するんじゃないわよ!」
(#^ω^)ビキビキ「何言ってるんだお!ツンが真似しているんだお!」
(*゚ー゚)「・・・・・・あの二人、仲悪いの?」
(*'A`*)「まあ、いずれ仲直りすると思います。」
- 6 :78
◆pP.8LqKfPo :2006/07/10(月)
22:17:23.57 ID:6f2cXN680
- ξ゚听)ξ「で、風の谷ってどんなところなの?」
(*゚ー゚)「某ジブリ映画を見てもらえればわかるわ。」
(*'A`*)「なんてわかりやすい説明・・・しぃさんはすばらしい!」
( ^ω^)「毒男、いい加減そのキャラうざいお。」
(*'A`*)「何を言っているんだいブーン君。私はいつもこんな感じだろう?」
( ^ω^)「どっくん♪」
('A`)「ぶち殺すぞ。」
(*゚ー゚)「あはは!あの二人、面白いのね。」
ξ゚听)ξ「いや、あの二人はただのバカよ。」
- 8 :78
◆pP.8LqKfPo :2006/07/10(月)
22:18:26.29 ID:6f2cXN680
- それからしばらく飛行し続けると、目の前に連なった山々が見えてきた。
(*゚ー゚)「あの山脈の中に、風の谷『ユパサマ』があるのー。」
しぃの言うとおり、山脈の上空に入ってしばらくすると谷があり、風車やレンガ造りの家々が見えた。
二つのグライダーは、風の谷「ユパサマ」に降り立った。
- 9 :78
◆pP.8LqKfPo :2006/07/10(月)
22:19:52.70 ID:6f2cXN680
- その後3人は風の谷の人々の好奇の目にさらされながらしぃの家に案内された。
ξ゚听)ξ「へー、しぃの家って大きいのね。」
(*゚ー゚)「まあね。あたしのお父さんは谷の長なの。
だからってあたしが偉いってわけじゃないんだよ。」
(*'A`*)「なんて謙虚なんだ、しぃさんは・・・。ツン、お前も見習え。」
ξ゚听)ξ「なんですって!?」
( ^ω^)「おっおっお。激同だお。どっくん頑張るお。」
ξ゚听)ξ('A`)「ぶち殺すぞ。」
- 11 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/10(月)
22:21:10.19 ID:6f2cXN680
- しばらくすると、しぃの父親がやってきた。
( ´∀`)「ようこそお客人だモナ。しぃの父で、谷の長のモナーだモナ。」
その後、村人全員を集めての会食の席が設けられた。
キャンプファイアーみたいなものまで用意され、お祭りと変わらない。
( ´∀`)「裂け目を越えてきた客人の来訪を祝して乾杯だモナ!!」
それから宴は進んだ。みんな気持ちよく酔っ払っているようだ。
- 13 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/10(月)
22:22:51.64 ID:6f2cXN680
- (*'A`*)「やっぱり空ってすばらしいですよね!」
(*゚ー゚)「ねー。空から見る景色や、風を切る感覚。空って美しくて大好き!」
(*'A`*)「しかし、キャンプファイアーの火に照らされたあなたの横顔の方が、空より何倍も美しい。」
(*^ω^)「いやん、どっくんストレートだお♪」
('A`)「・・・・・・あれ?しぃさんは?」
( ^ω^)「谷の人に呼ばれて、あっちのほうに行ったお。」
ノ(*'A`*)ノ「しぃさん待ってー!」
(;^ω^)「・・・・・・・・・・。」
- 15 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/10(月)
22:24:12.98 ID:6f2cXN680
- ξ゚听)ξ「・・・・・・・・。」
楽しそうな谷の人々と毒男を尻目に、ツンは一人寂しく飲んでいた。
初対面の人にはツンツンした態度をとってしてしまうツンなので、谷の人もツンに近づきにくいのだろう。
(;^ω^)「(ツンは人見知りするお。話しかけてやるかお。)」
(;^ω^)「(でも、ツンは僕のマイサンを短小呼ばわりしたお!謝ってくるまで許してやら無いお!)」
(;^ω^)「(でも、やっぱり寂しそうだお。ここは僕が折れるべきかお?)」
- 18 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/10(月)
22:26:58.94 ID:6f2cXN680
- そんな風に思案していると、モナーが話しかけてきた。
( ´∀`)「ブーン君、飲んでいるかモナ?」
( ^ω^)「あ、はいですおー。わざわざ宴まで開いてもらってスマンことですお。」
( ´∀`)「いやいや、風の谷は見てのとおり辺境にあるモナ。
客人の来訪は自然の導きだモナ。丁重に扱わないとばちが当たるモナ。」
(;^ω^)「しかし、僕たちは古代にあなた方と戦った機械文明人の末裔ですお。いいんですかお?」
( ´∀`)「世界は二つに引き裂かれてから、時は流れたモナ。
そんな昔のこと、気にしすぎてはいけないモナ。
それに、しぃから聞いたモナ。君たちは魔法を使えるモナ?」
( ^ω^)「ツンはもろちん、指輪さえあれば、一応僕も毒男も使えますお。」
( ´∀`)「それならなお結構だモナ。
魔法を使えるということは自然に認められた心優しいものだということだモナ。」
- 19 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/10(月)
22:28:32.74 ID:6f2cXN680
- ( ^ω^)「・・・・・・谷の人々って、これで全部ですかお?」
ブーンは辺りを見回した。人数は100人いるかどうかだ。
( ´∀`)「そうだもな。僕たちは自然にすべてを任せ、生活しているモナ。
自然と共に生き、自然と共に死ぬモナ。だから大きくなる前に赤子や子供の多くは死んでしまうモナ。
でも、その分大人になったものは自然に感謝し、自然を崇拝して生きるモナ。」
- 20 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/10(月)
22:30:13.20 ID:6f2cXN680
- ( ^ω^)「ところで、ここの世界の人たちでも魔法を使えるのはごくわずかだと聞きましたお。何でですかお?」
( ´∀`)「それは魔法を媒介する指輪の数が圧倒的に少ないからだモナ。
指輪はあまりに数が少なくて、この世界の各集落の長とわずかなものしか持っていないモナ。
でも、指輪さえあれば、みんな魔法は使えるモナ。」
( ^ω^)「あ、そういうことですかおー。」
( ´∀`)「しかし、魔法のレベルには個人差があるモナ。
最も魔法を使えるものが指輪を受け継ぎ、その集落の新たな長になるモナ。」
( ^ω^)「ムフムフ。」
( ´∀`)「ところで、なぜ君たちは裂け目を越えてこっちの世界に来たモナ?」
- 21 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/10(月)
22:30:41.36 ID:6f2cXN680
- ( ^ω^)「おっおっお。それは古代史の秘密を秘密を解き明かしたいからですお!」
( ´∀`)「それは素晴らしいことだモナ!
僕に答えられることがあるなら、何でも答えてあげるモナ!」
( ^ω^)「なら答えてほしいお!魔法ってどういうしくみになっているんですかお?」
( ´∀`)「そんなの知らんモナ。」
- 23 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/10(月)
22:31:44.43 ID:6f2cXN680
- ( ^ω^)「おっおっお。そこまでハッキリ言われると、逆に清清しいですお。」
( ´∀`)「でも、魔法の研究をしている者なら知っているモナ。
ここからずっと東に行くと、この世界でもっとも大きな集落である、水の都があるモナ。
そこに流石兄弟って言う変わり者がいるモナ。彼らに聞けば、何かわかるかもだモナ。」
( ^ω^)「おお!貴重な情報ktkrwwwwwww」
( ´∀`)「でも、水の都までは歩いたらかなりの時間がかかるモナ。
しばらくここでグライダーを乗りこなす練習をしてみてはどうかモナ?
グライダーならだいぶ時間を短縮して水の都まで行けるモナ。」
( ^ω^)「それは是非お願いしますだお。」
- 24 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/10(月)
22:32:55.62 ID:6f2cXN680
- その後しばらく雑談したあと、ブーンはモナーと別れた。
毒男は相変わらずしぃの尻を追っかけている。
手持ち無沙汰になったブーンは、ツンの姿を探した。
( ^ω^)「(ツンはどこ行ったのかお?)」
( ^ω^)「・・・・・・・・・お!!」
ブーンの視線の先には谷の女の子たちと楽しそうに談笑しているツンがいた。
(;^ω^)「・・・・・・喧嘩している最中だし、話しかけづらいお。」
ツンはどうやら魔法をせがまれているようだ。
はじめは躊躇していたツンだが、あまりにもせがまれるので折れたようだ。
ツンが地面に手をつけて魔法を繰り出すと、あたりから歓声が巻き起こった。
- 25 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/10(月)
22:34:56.76 ID:6f2cXN680
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(;^ω^)「・・・・・・なんだお?これ?」
- 26 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/10(月)
22:35:46.28 ID:6f2cXN680
- ;゚听)ξ「・・・・・(また変な植物が出ちゃった。)」
こっちの世界に来て、ツンは魔法の制御に戸惑っているようです。
そのときモナーが声を上げた。
( ´∀`)「これはすばらしいモナ!まるで太陽に届きそうなほどに雄大だモナ!
これを『太陽の塔』と名づけて、われわれの守り神にするモナ!」
(;^ω^)「・・・・・・・・・。」
;゚听)ξ「・・・・・・・・・。」
ノ(*'A`*)ノ「しぃさん待ってー。」
- 29 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/10(月)
22:37:05.53 ID:6f2cXN680
- その後、ブーン達は一ヶ月弱を風の谷で過ごした。
毒男はしぃにべったりで、グライダーの練習だけでなく、
その飛行の仕組みまで勉強をしたりしてた。
ツンは谷の女の子たちと仲良くなり、彼女たちと木の実を取ったり、
彼女たちに教えてもらってグライダーの練習をしたりした。
一方ブーンは、モナーから風の谷に伝わる伝承を聞いたり、
グライダーの練習をしたりしているうちに、あっという間に時が流れていった。
その間ツンに話しかけるチャンスが無く、二人はいまだ喧嘩したまま風の谷の生活を続けた。
第33話 完