- 40 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/09(日)
19:21:21.64 ID:uXMbOUgR0
- 第32話( ^ω^)風の谷のナウ○カ だお!
こちらの世界の朝はすがすがしい。
さんさんと輝く太陽の光を浴び、3人は目を覚ました。
テントをたたみ、荷物を整理すると、3人は草原を歩き出した。
草原は地平線の先まで続いている。
緩やかな風が吹くと、草がうれしそうにゆらゆらと揺れる。
そんな中、毒男の心も揺れていた。
- 42 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/09(日)
19:22:17.20 ID:uXMbOUgR0
- ('A`)「・・・・・・どうしたもんかね。」
ブーンとツンの喧嘩は一晩たっても続いていた。
これまで、毒男が知る限りでもこの2人は何回か喧嘩をしたことがあった。
しかし、それは些細なことですぐに仲直りしていた。
2人が喧嘩を翌日まで持ち越すことは始めての事だった。
- 43 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/09(日)
19:24:09.78 ID:uXMbOUgR0
- ( ^ω^)「お、毒男、なんかおいしそうな実がなってるお。」
('A`)「お、蛇イチゴみたいだな。」
( ^ω^)「おっおっお、おいしいお。どこかの誰かさんがはやす植物とは大違いだお。」
ξ#゚听)ξビキビキ「・・・・・・・・・・・・。」
ツンは2人を無視して先へと歩き続けた。
- 44 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/09(日)
19:24:59.84 ID:uXMbOUgR0
- 3人は微妙な距離を開けながら草原を歩き続けた。
('A`)「どうしたもんかな・・・・。」
そんな状況に耐えかねた毒男が空を見上げると、鳥がVの字に群れながら空を飛んでいた。
('A`)「お、鳥の群れだ。」
( ^ω^)「おおー、僕たちも空が飛びたいお。」
('A`)「もすかうはもうボロボロだったんだ。勘弁してやってくれ。」
(;^ω^)「あ、そんな意味で言ったんじゃないお。」
そのときツンが口を開いた。
ξ゚听)ξ「・・・・・・・鳥がこっちに降りてくる。」
- 45 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/09(日)
19:26:07.10 ID:uXMbOUgR0
- ブーンと毒男が空を見上げると、
Vの字の群れの先端の鳥が、群れを離れこちらに降りてくるのが見えた。
しかし、その鳥の姿が詳細に見えるようになると、3人は目を疑った。
(*゚ー゚)「おーい!」
それは鳥ではなく、三角の形をしたグライダーのようなものにつかまった少女だったのだ。
少女とグライダーは3人の前に降り立った。
- 46 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/09(日)
19:27:13.02 ID:uXMbOUgR0
- (*゚ー゚)「あなたたちこんなところで何をしているの?
見たところ行商人でもないみたいだし・・・・・・旅人さん?」
(;^ω^)「あ、あうあう。」
きょどったブーンが肯定とも否定ととも取れる返事をする。
(*゚ー゚)「あ、ごめんなさい。あたしは風の谷のナウしぃカ。しぃって呼んでね。」
(*'A`*)「・・・・・・・・・イイ!」
(*゚ー゚)「それであなたたち、こんな人がめったに歩かない草原で何をしているの?」
ξ゚听)ξ「あ、じつはかくかくしかじか、はいはいジブリジブリ。」
- 48 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/09(日)
19:28:25.65 ID:uXMbOUgR0
- (*゚ー゚)「えー!あの裂け目の向こう側から来たの!?すごーい!」
ツンは気が動転して、うっかり自分たちが世界の裂け目の向こう側から来たことをしゃべってしまった。
まずいとは思ったが、ツンの意に反して、しぃと名乗る少女は目をきらきらと輝かせている。
(*゚ー゚)「それなら行く当ても無いんじゃない?良かったら風の谷に来ない?」
ξ゚听)ξ「え・・・・それはうれしいわ。でも、あたしたち歩きだし・・・。」
(*゚ー゚)「予備のグライダーがあるから大丈夫!2人分の体重くらい簡単に支えられるわ。」
(*'A`*)「ぜひお願いします!」
毒男が目を輝かせ、いつもよりハスキーな声でのたまった。
- 49 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/09(日)
19:30:21.52 ID:uXMbOUgR0
- しぃは自分のグライダーから予備のグライダーを取り出した。
しぃとツン、ブーンと毒男がそれぞれペアになった。
ブーンと毒男のグライダーとしぃのグライダーを、しぃが紐で結びつける。
(*゚ー゚)「2人はグライダー初めてでしょ?あたしが引っ張っていくね。」
(*'A`*)「これはこれは、お心遣い、痛み入ります。しかし、いったいどうやって離陸するのですかな?」
(*゚ー゚)「えへへー、これをつかうのー。」
そういうと、しぃは右手の人差し指につけた指輪を見せた。
ξ゚听)ξ「へー、やっぱりこっちの世界の人は魔法が使えるのね。」
(*゚ー゚)「違うよーw魔法が使えるのはごく少数の人だけよ。
あたしは風の谷の次の長にならなくちゃいけないらしくて、
指輪を持たせてもらっているの。だから魔法が使えるのー。」
- 50 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/09(日)
19:31:30.66 ID:uXMbOUgR0
- (*'A`*)「はっはっは。しぃさんって、すばらしいんですね!」
( ^ω^)「おー。魔法って、こっちの世界でも特別なのかお。」
ξ゚听)ξ「・・・・・・(でも、どうやって飛ぶのかしら)。」
そんな三者三様の思いをめぐらせていると、しぃが驚いた声を上げた。
- 52 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/09(日)
19:34:01.24 ID:uXMbOUgR0
- (*゚ー゚)「この指輪・・・・・・あなたも魔法が使えるの!?」
ξ゚听)ξ「え、ええ。そうだけど・・・。」
(*゚ー゚)「すごいすごい!何の魔法!?やっぱり水の魔法?」
ξ゚听)ξ「え・・・・得意なのは、土の魔法かな。」
(*゚ー゚)「えーーーーー!!土の魔法って、こっちの世界では使い手がいないのよ!
こっちの世界は、風の谷の風の魔法か、水の都の水の魔法、その他少しの魔法なのに・・・。
あなたすごいのね!!」
ξ゚听)ξ「あ、ありがとう。」
( ^ω^)「おっおっお。たいしたこと無いお。
昨日も僕は、ツンの魔法のせいでエライ目にあいましたお。」
ξ#゚听)ξ「・・・・・・ビキビキ」
- 53 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/09(日)
19:34:49.22 ID:uXMbOUgR0
- (*゚ー゚)「まあ、いろいろな話は空を飛びながら聞かせてもらうわ。」
そういうとしぃは、3人にグライダーにつかまるよう促した。
(*゚ー゚)「いくわよー!」
(*'A`*)「はっはっは!準備オーケーですよ!しぃさん!!」
毒男の無駄にハスキーな声が響いた。
- 54 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/09(日)
19:35:49.11 ID:uXMbOUgR0
- (*゚ー゚)「えーーーい!」
しぃがそう言って指を地面のほうに向けると、
ブワッと強い風が起こり、2つのグライダーは空に浮かんだ。
ξ゚听)ξ「すごーい!!」
(*'A`*)「・・・・・・・・・イイ!しぃさんイイよおおおおおお!!」
( ^ω^)「おっおっおー。」
グライダーは大空を駆け出した。
第32話 完