- 162 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/05(水)
23:25:27.44 ID:vMv6Ph1L0
- 第28話( ^ω^)ジョルジュ だお!
VIP☆STARを脱出して、もすかうは再び雷と暴風雨の中を進んでいた。
緊張のためか、三人は無言だった。
(;^ω^)「!!」
ξ゚听)ξ「どうしたのブーン!」
('A`)「なんだ?追っ手が見えたのか?」
( ^ω^)「う、うんこがしたいお・・・。」
- 163 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/05(水)
23:26:52.09 ID:vMv6Ph1L0
- ブーンの座っていた席には、饅頭が変わりに座っている。
(#)ω;(#)「・・・・・・・・・・冗談だおー。緊張をほぐそうとしただけだおー。」
ξ゚听)ξ「あんたはもうしゃべるな。」
('A`)「今のはお前が悪い。」
- 165 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/05(水)
23:27:29.57 ID:vMv6Ph1L0
- しばらく飛行を続けていると、再びブーンが口を開いた。
(;^ω^)「!!」
ξ゚听)ξ「はいはい、今度は何?」
('A`)「うんこもらしたのか?」
(;^ω^)「う、うしろから何か来てるお!」
ξ゚听)ξ「はいはい、それは便意便意。」
('A`)「ふひひwwwwwwww誰がうまいことを言えとwwwwwwww」
- 166 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/05(水)
23:28:31.37 ID:vMv6Ph1L0
- しかし、バックミラーをちらりと見た毒男の表情はすぐに変わった。
('A`)「・・・来てしまったか。」
ブーンとツンは後ろを振り向いた。
真っ黒な世界の奥から、ピンク色の点が見えた。
それはグングンもすかうに追いついてくる。
ついには、肌色の機体とピンク色のプロペラの先端が完全に把握できるようになった。
- 167 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/05(水)
23:29:41.26 ID:vMv6Ph1L0
- ;゚听)ξ「す、すごい速さよ!振り切れないの!?」
('A`)「・・・無理だ。ジョルジュのおっぱいイーグルの速さは、もすかうの比じゃない。」
毒男はあきらめたかのように速度を落とした。
まもなく、おっぱいイーグルはもすかうの隣で平行に飛行し始めた。
( ゚∀゚)「jほgりうhおっぱいヴぃ!!うひgへりおっぱいdkv!!」
ジョルジュが何か叫んでいる。しかしその声は暴風と雷の音にまぎれて聞き取れない。
毒男は無線を取り出し、それに向かって語りかけた。
('A`)「無線の回線を開け、バカ。・・・どうぞ。」
- 168 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/05(水)
23:30:52.98 ID:vMv6Ph1L0
- ( ゚∀゚)「バカとは何だ、バカとは!・・・どうぞ。」
ジョルジュの声が無線越しに聞こえてくる。
('A`)「なぜ俺たちを追ってきた?引き止められても俺たちは行くぞ。・・・どうぞ。」
( ゚∀゚)「バカなことは止めろ!
世界の裂け目に挑んで帰ってきたものはいない!
お前のやっていることは自殺行為だぞ!!・・・・・・どうぞ。」
('A`)「自殺じゃないさ。勝算があるからこそ、ここを飛行している。
ただ、1%にも満たない勝算かもしれないがな。・・・・・・どうぞ。」
- 169 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/05(水)
23:33:21.34 ID:vMv6Ph1L0
- ( ゚∀゚)「そんなもの、勝算とは言わない!
なぜ世界の裂け目にこだわる?お前ほどの腕があれば、俺にも負けない速さの飛行機械が作れる!
死に急いでその才能を無駄にするな!
駆け抜ける大空は他にもあるぞ!!・・・・・・どうぞ。」
('A`)「駆け抜けるだけの空ならどこにでもある。
だが、夢の中を駆け抜けられる場所はここにしかないんだ。・・・・・どうぞ。」
( ゚∀゚)「夢が何だよ!
死んじまうような夢なら、それを果たす意味なんか無いだろう!
・・・・・・俺の周りにいたのは、職のためだとか、他にすることが無いからだとか
そういうくだらない理由で機械をいじっている奴ばかりだった。
そして、やっと認められる仲間が出来たのが軍だったんだ。
だが、その中でも俺に匹敵する腕を持ち、切磋琢磨しあえるライバルはお前だけだった。
俺は、こんな形でお前を失いたくは無い!・・・・・・どうぞ。」
- 170 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/05(水)
23:35:22.26 ID:vMv6Ph1L0
- ('A`)「・・・・・・ありがとう。だが、今の言葉、おまえ自身に向けて言えるのか?
・・・・・・どうぞ。」
(;゚∀゚)「・・・・・・。どうぞ。」
('A`)「いつか、お前は世界一速い男になるって夢を俺に語っただろう。
その夢だって、常に死と隣りあわせだ。死の付きまとう夢だ。
お前のその夢も、果たす意味の無い夢だといえるのか!・・・・・・どうぞ。」
(;゚∀゚)「・・・・・・。どうぞ。」
('A`)「・・・・・・それに、お前は俺のことをライバルだといってくれたよな。
だが、この夢をあきらめたら俺はきっとお前にライバルと呼ばれる資格を失ってしまうよ。
俺の親父が最後に言ってたんだ。
『この夢をあきらめれば、俺は干からびた魚みたいになっちまう。』ってな。
お前は、干からびた魚になった俺でもライバルと呼んでくれるのか?
・・・・・・どうぞ。」
- 172 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/05(水)
23:36:21.57 ID:vMv6Ph1L0
- 無線が途切れた。
おっぱいイーグルが減速し、後方に下がっていく。
ξ゚听)ξ「・・・・・・・あきらめてくれたのかしら?」
('A`)「そうだろう。あいつならわかってくれると思っていた。」
そのときだった。ブーンが叫んだ。
(;゚ω゚)「おっぱいが・・・・おっぱいが飛んでくるオおおおオオお!!!!」
- 175 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/05(水)
23:37:32.14 ID:vMv6Ph1L0
- ツンと毒男は後ろを振り向いた。
ピンクの信管をもった肌色のミサイルが二つ、こちらに向かって飛んでくる。
ξ;゚听)ξ「いやあああああああああ!!何!?何なのあのおっぱい!!!!」
(;'A`)「おっぱいミサイルか!ちくしょう!!」
- 176 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/05(水)
23:38:22.97 ID:vMv6Ph1L0
- 快感による勃起ではなく、
殺意の興奮により勃起した乳首を持つおっぱいがこちらに向かってやってくる。
すべての生命を包む、愛とやさしさの象徴である女性のおっぱいではなく
破壊と殺意の象徴である、鉄のおっぱい。
これほど恐ろしいおっぱいが、この世に他にあるのであろうか?
- 179 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/05(水)
23:39:48.64 ID:vMv6Ph1L0
- (;'A`)「ちっくしょおおおおおおおおおお!!」
毒男が小梅太夫も顔負けなほどに叫び、アクセルを踏み込む。
(;゚ω゚)「速いお!おっぱい速いおオオおオおおオおお!!」
ξ;゚听)ξ「あんなの・・・あんなのおっぱいじゃなーーーーーーーーーい!!」
三人の叫びもむなしく、鉄のおっぱいはもすかうとの距離を縮めていく。
そして、三人は死を覚悟した。
(;^ω^)「ツン!死ぬ前におっぱい揉ませてくれおおおおお!」
ξ////)ξ「いやああああ!!やめて!!やっぱり止めないでえええええ!!!」
黒の世界を、強い光が照らした。
- 180 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/05(水)
23:41:50.10 ID:vMv6Ph1L0
- (;^ω^)「・・・・・・・お?」
ξ;゚听)ξ「・・・・・・・あれ?」
(;^ω^)「僕たち死んだんじゃないおか?」
ξ;゚听)ξ「・・・・・・・あたしもそう思った。」
しかし、ブーン達は確かにこの世にいた。
どうやらおっぱいミサイルは、もすかうに当たる直前に進路を変え、爆発したようである。
そのとき無線の回線が開いた。
( ゚∀゚)「もすかう撃沈。脱走兵の生死は不明。
・・・・・・・おっぱいイーグル、帰還する。」
- 182 :78 ◆pP.8LqKfPo :2006/07/05(水)
23:43:23.01 ID:vMv6Ph1L0
- ('A`)「ジョルジュ・・・・・・ありがとう。」
毒男はそういうと回線を切った。
もすかうは黒の世界を進む。3人の男女の夢と、1人の男の優しさを乗せて。
第28話 完