476 : 農業(愛知県) :2007/03/14(水) 22:20:02.56 ID:WHoIjnpn0
 ゲーセンに着くとクーとツンは音ゲーゾーンへ行ってしまった。
 音ゲーなんざしばらくやってないから今やったら死ねる。

( ^ω^)「ドックン、久しぶりにドックンのバチ捌き見たいお」
('A`)「ちょ、言うな」
川 ゚ -゚)「ほぉ、ドクオは太鼓○達人が出来るのか」
ξ゚听)ξ「見せなさいよ」
('A`)「・・・」

 仕方なく筐体の前に立ち100円を入れる。
 曲全然違うな、いつの間にかハレ晴レまで入ってるし。

( ^ω^)「鬼で」
('A`)「あいよ」

 とりあえず、ためしにハレ晴レをやってみる。
 音符が流れてくる、結構密度があるが、出来ないほどじゃない。
 1年間やり続けたバチ捌きで音符にあわせて叩いていく。

('A`)「あ」

 一個ミスった、なまったかな。
 結局ミスはその一個でそのあとの曲はフルコンボだった。

('A`)「おわったぞー、って」

 いつの間にかギャラリーが沸いていた。
483 : 農業(愛知県) :2007/03/14(水) 22:40:34.12 ID:WHoIjnpn0
(;'A`)「・・・」

 ギャラリーから、あいつすげーなとか、相当やりこんでるんだなとか言う声が聞こえる。

( ^ω^)「・・・」
ξ゚听)ξ「・・・」
川 ゚ -゚)「・・・」

 お前らみてねーで助けろ!
 仕方ないので、かばんをもってそそくさと逃げ出した俺。
 店のそとに出ると、後ろから3人もやってきた。

('A`)「お前ら・・・」
( ^ω^)「ドックンごめんだお」
('A`)「まぁいいけどさ・・・」

 実際ノリノリだったわけだしな。
 次はハレ晴レをフルコンボ出してやる。
558 : DQN(愛知県):2007/03/15(木) 00:37:25.22 ID:gwCPY/uL0
('A`)「帰宅」
川 ゚ -゚)「ただいま」

 ゲーセンからブーン、ツンと別れて家に着いた。

川 ゚ -゚)「洗濯物入れないとな」
('A`)「あぁ、そうだったな」

 って、今干してある洗濯物にはクーの(ryがあるじゃないか。
 そんなものを見たらまた息子が。

川 ゚ -゚)「どうした?」
(;'A`)「いや、俺風呂洗ってくるから洗濯物入れといてくれ!」

 我ながらナイスな逃げ道。
 といっても先週風呂は洗ったばかりなのだが。

川 ゚ -゚)「ふーん、わかった、やっておくよ」
('A`)「サーセン」

 なんていうか、クーは無防備すぎるんだ。
 恥ずかしくは無いのだろうか、俺は恥ずかしくて溶けるぞ。

('A`)「なぁ、俺の右手よ、答えてくれよ」

 答えるわけが無い。
561 : DQN(愛知県):2007/03/15(木) 00:41:33.96 ID:gwCPY/uL0
 風呂を洗い終え部屋に戻るとクーが洗濯物をたたんでいた。

('A`)「そこまでしなくてよかったのに・・・」
川 ゚ -゚)「居候の身だ、やれることはなるべくやるようにしてる」
('A`)「あんまり気を使わなくてもいいぞ」
川 ゚ -゚)「ふふ、優しいこと言ってくれるじゃないか」
('A`)「思ったことそのまま言ってるだけです」

 そういえば、この生活はいつまで続くんだろうか。
 クーの家が元通りになったら帰ってしまうんだろうか。
 また一人ぼっちの寂しい生活になるんだろうか。

('A`)「ヴェノア」
川 ゚ -゚)「どうした?」
('A`)「ちょっと悩んでた」
川 ゚ -゚)「何を悩んでいるんだ?私で良ければ相談に乗るぞ?」

 いや、悩みの原因がクーなんだって。

('A`)「いや、俺一人で考えてみる」
川 ゚ -゚)「そう・・・か・・・」

 今ちょっと声のトーンおかしくなかっただろうか。
 まぁ、大丈夫だろう、多分。
575 : DQN(愛知県):2007/03/15(木) 00:48:17.23 ID:gwCPY/uL0
川 ゚ -゚)「遊戯王ってまだやってたのか」
('A`)「主人公違うけどな」

 ネギま!?から遊戯王GXと夕方のアニメは面白い物が多いから困る。

川 ゚ -゚)「それにしても、十代という名前はどうかと思う」
('A`)「親がDQNなんじゃ・・・」
川 ゚ -゚)「DQNって何?」
('A`)「まぁ、不良とか社会的にいろんなものが欠如してる人間?」
川 ゚ -゚)「<ヽ`∀´>←みたいなやつ?」
('A`)「そういうこと」

 それにしても、語尾にドーンだとかッスだとか。
 ろくなしゃべり方しねえよな、この世界の住民。
 ひどいのはナノーネとナノデアル。

('A`)「そろそろ飯食うか」
川 ゚ -゚)「最後のカレーだな」
('A`)「言い方が悪い」
川 ゚ -゚)「あまりもののカレー」
('A`)「なんか不味そう」
川 ゚ -゚)「三日間ことこと寝かせたカレー」
('A`)「それでおk」

 というわけで、カレーを温めて食べた。
579 : DQN(愛知県):2007/03/15(木) 00:53:43.21 ID:gwCPY/uL0
このスレは阿部さんに見張られています。
エロいことを言う人間は阿部さんの洗礼があります。

('A`)「阿部さんって誰?」
川 ゚ -゚)「さぁ・・・?」

 ショボンさんも阿部さんと会うって行ってたけど、そんなに有名な人なのだろうか。

('A`)「ニュースでも見るか」
川 ゚ -゚)「たまにはな」

 ニュースのやっている局に変えると何かのインタビューをしていた。

(・∀・)「それでは、今日の職人さんは、喫茶『野羅内家』の阿部さんです」
阿部「喫茶や ら な い かの店長の阿部です」

川 ゚ -゚)「何か、今ちょっと発音違わなかったか?」
('A`)「気のせいだと思いたい」

(・∀・)「では、さっそくインタビューしていきたいと思います」
阿部「何だ、もうイッちまうのか、早いんだな」
(・∀・)「?」

 何か、すごく嫌な予感がした。
584 : DQN(愛知県):2007/03/15(木) 01:00:01.20 ID:gwCPY/uL0
(・∀・)「ここのコーヒーはすごく絶品だと聞きましたが」
阿部「うれしいこと言ってくれるじゃないの、俺の秘伝のミルクが入ってるからな」
(・∀・)「そうなんですか、それでは一杯貰えますか?」
阿部「一杯と言わずいっぱいやるよ、俺の特性ミルク入りコーヒーをな」

('A`)「・・・」
川 ゚ -゚)「何かおかしくないか?」
('A`)「知らん・・・」

(・∀・)「コーヒーが来たのでさっそく飲んでみたいと思います」
阿部「熱くは無いから、グイッと一気にいくんだ」
(・∀・)「わかりました、では」

 ゴクゴクゴクと喉を鳴らしてコーヒーを一気飲みするレポーター。

(・∀・)「うーん、なんとも言えない味ですが、とてもおいしいですね」
阿部「ウホッ、うれしいこと言ってくれるじゃないの」

 そのとき、レポーターの手からコーヒーのカップが落ちた。

(;・∀・)「あれ、なんだか体が熱い」
阿部「どうだ、俺の特性種子媚薬入りコーヒーは」
(;・∀・)「媚薬って、なんでそんなものを!?」
阿部「御託はいい、それよりや ら な い か」
(;・∀・)「え、ええええ!?」

 カメラが倒れレポーターの姿が見えなくなった。

(*;∀;)「アッー!!!!」
589 : DQN(愛知県):2007/03/15(木) 01:04:12.23 ID:gwCPY/uL0
 しばらくお待ちくださいという放送事故の時に使う画面が現れた。

('A`)「・・・」
川 ゚ -゚)「・・・」
('A`)「近所だけど、あそこには絶対近づかないようにしよう」
川 ゚ -゚)「そうしたほうが賢明だな」

 レポーターにはかわいそうだが、痛々しくて見ていられないのでテレビを切った。

川 ゚ -゚)「そうだ、帰りにドクオたちと会う前に漫画を買ってきたんだが」
('A`)「お、何だ?」
川 ゚ -゚)「これだ、古本屋で安く売ってたのでな」

 そこにおかれたのはよつばととあずまんが大王だった。

川 ゚ -゚)「これは面白いと聞いていたからな、つい手が出てしまった」
('A`)「あずまんがは見たことあるけど、よつばとは見たことないなぁ」
川 ゚ -゚)「なら私は先にあずまんがを読んでるから、ドクオはよつばとを読むといい」
('A`)「さんきゅ」

 とりあえず、よつばとに手をつける。
 緑色の髪の子供っているんだろうか。

('A`)「いるのかね?」
川 ゚ -゚)「聞くな」
596 : DQN(愛知県):2007/03/15(木) 01:10:22.06 ID:gwCPY/uL0
川 ゚ -゚)「そういえばさ」
('A`)「ん?」
川 ゚ -゚)「ひぐらしの園崎姉妹も髪緑だよね」
('A`)「そういやそうだな」

 アニメとかマンガって不思議な髪色してるキャラが多い。

('A`)「いまだに遊戯の髪型はどうセットしてるのか分からないからな」
川 ゚ -゚)「連載当初いじめられキャラだったけど、あの髪型じゃなんともいえないよね」
('A`)「ホントそうだな」

 アニメとかマンガって不思議な髪型してるキャラが多い。

川 ゚ -゚)「お父さん、不思議だ」
('A`)「ちよ父か」
川 ゚ -゚)「この人、って人じゃないけど、不思議すぎる」
('A`)「俺、それの台詞言えるぜ」
川 ゚ -゚)「ほう、やってみてくれ」

 その後、若本ボイスでちよ父の台詞をしゃべり続けた。

川 ゚ -゚)「君はいろいろな声を出せるんだな」
('A`)「人間がんばればなんでもできる」
615 : DQN(愛知県):2007/03/15(木) 01:36:09.88 ID:gwCPY/uL0
('A`)「あ、風呂入れないと」
川 ゚ -゚)「私が」
('A`)「いや、俺のほうが近いから俺が行くよ」
川 ゚ -゚)「むぅ、そうか」

 風呂場でお湯を出すとボーっと今までのことを考える。
 俺って、クーの何なんだろうな。
 ただの友達?友達以上恋人未満?使いやすい人間?
 悪いほうへばっか考えがいってしまう。

('A`)「うーん・・・」

 逆に考える、俺はクーのことどう思ってるんだろうか。

('A`)「・・・」

 分からない、俺は、いや、クーは俺の何なんだ?

('A`)「俺は・・・」

 一体、何なんだろう。
 これじゃ、昔とぜんぜん変わっていないじゃないか。
 自分を隠すことで自分を保ってきた昔と。
620 : DQN(愛知県):2007/03/15(木) 01:41:44.42 ID:gwCPY/uL0
('A`)「ハッ」

 いつの間にかお湯がダバダバと流れ出している。

('A`)「水道代とガス代が・・・」

 こんなところで考え事するんじゃなかった。
 部屋に戻り、着替えを押入れから出す。

川 ゚ -゚)「ん、風呂沸いたのか?」
('A`)「おう、先に入らせてもらうぜ」
川 ゚ -゚)「分かった」

 男の風呂なんて見ても楽しくないだろ、省略。

('A`)「出たぞ」
川 ゚ -゚)「あぁ、じゃあ私も入らせてもらうよ」

 クーはかばんから着替え出して風呂場へと向かった。

('A`)「・・・」

 クーが風呂に入ったことを確認して、押入れを開けた。
 確か、こっちにくるとき一緒に持ってきたはずなんだが。
622 : DQN(愛知県):2007/03/15(木) 01:46:02.37 ID:gwCPY/uL0
('A`)「無いな・・・」

 押入れからダンボールを引っ張り出し中をさばくったが見つからなかった。

('A`)「トーチャンの時計、どこ言っちゃったんだろう」

 こっちへ引っ越すときトーチャンに渡された懐中時計。
 どうしても困ったときに中を見ろといわれて渡された。

('A`)「ほんと、どこにやったんだろうか。

 ダンボールをしまうとき、横の箱が崩れた。

('A`)「ぬああああ、ちくしょう片づけが、ってあった」

 崩れた箱の中からトーチャンの時計が見つかった。
 これの中を見れば今のうやむやした気持ちが分かるんだろうか。

('A`)「・・・」
('A`)「それじゃ、ダメなんじゃないのかな・・・」

 結局、誰かを頼って答えを出す、それでは自分の答えではない。
 せっかく見つけた時計だが、まだ、まだ開けずに自分の力で考えよう。

('A`)「トーチャン、俺がんばるよ」
626 : DQN(愛知県):2007/03/15(木) 01:49:23.88 ID:gwCPY/uL0
('A`)「・・・」

 クーが風呂に入ってからもう1時間は経っている。

('A`)「いつもと比べて長いな・・・」

 クーも、俺と同じように悩んでるんだろうか・・・?
 それとも、ほかに名にかやることがあるのだろうか?

('A`)「ちょっと気になるな、ノックすれば大丈夫だろ」

 風呂場のドアをノックして反応を見る。

('A`)「クー?」

 返事が無い、ドアを開けると脱衣所にはクーの着替えが置いてある。
 そして、風呂の中は電気がついている。
 もう一度、風呂のトビラをノックする。

('A`)「クー、どうした?」

 またしても返事が無い。
 どうしたんだろうか。

('A`)「開けてみちゃうぞー」

 やはり返事は無かった。
637 : DQN(愛知県):2007/03/15(木) 01:55:41.95 ID:gwCPY/uL0
('A`)「・・・」

 意を決して扉を開ける。
 そこにはぐったりとしたクーが・・・。

(;'A`)「クー!?」

 ちょっとまて、今クーは裸だぞ!?
 いや、そんなこと関係ない、俺はクーの脇をつかみ風呂から引きずり出した。

(;'A`)「クー!大丈夫か!?」

 返事が無い、体が凄く熱い。
 脱衣所にクーを横たわらせ氷と水を入れたボウルを持ってきた。
 そして、タオルをそれにつけると体の端の方から冷やしていった。

(;'A`)「クー!」
川 - -)「うぅ・・・」

 ぼんやりとした表情でこちらを見るクー。
 その口元は何故か笑っている。

川 ゚ -゚)「ドクオ・・・?」
(;'A`)「クー、大丈夫か!?」
644 : DQN(愛知県):2007/03/15(木) 02:02:27.02 ID:gwCPY/uL0
(;'A`)「どうしたんだよ、風呂場でぐったりしてびっくりしたんだぞ!」
川 ゚ -゚)「分からない、入っていたら急にぼーっとして・・・」
川 ゚ -゚)「ふふっ、ドクオに私の体全部見られてしまったな・・・」
(;'A`)「な、バッカヤロー!」
川 ゚ -゚)「!?」

 こいつは、こいつは何を言っているんだ。
 そんなことは関係ないだろ、今言うことじゃないだろ。

(;'A`)「俺は、俺はお前がいなくなっちまったらどうするんだよ!?」
川 ゚ -゚)「ドクオ・・・?」

 怖い、クーが居なくなることが。
 ギュっとクーの手を握り締める、まだ熱い。
 でも、離したらクーがそのまま居なくなってしまいそうで怖かった。

川 ゚ -゚)「ドクオ、痛い」
(;'A`)「クー、クー・・・」
川 ゚ -゚)「・・・」
川 ゚ -゚)「ドクオ、大丈夫だ、私はどこにもいかない」

 ふっと、心にぶら下がる重りが外れたような気がした。

川 ゚ -゚)「大丈夫だよ、ドクオ、私は、ここにいる」
(;'A`)「クー・・・」
651 : DQN(愛知県):2007/03/15(木) 02:09:05.36 ID:gwCPY/uL0
 何故、俺がクーを居候させたか。
 理由は怖かったからだ。
 クーが怖いとかツンが怖いとかという理由じゃない。
 また、一人になるのが怖いんだ。
 高校に入ってから、親に楽をさせたいという理由で一人暮らしをはじめた。
 だが、それは違っていた。
 最初は、一人になりたかったんだ。
 誰も知らない場所で、誰も俺を知っている人間が居ない。
 そんな場所へ行きたかったんだ。
 誰にも傷つけられず、誰も傷つけない。
 そうやって自分を守っていたんだ。

('A`)「・・・」
川 ゚ -゚)「・・・」

 クーはのぼせていただけだった、大事が無くてよかった。
 今クーは定期的に体を冷やしつつ冷えピタを貼っている。

川 ゚ -゚)「ドクオ」
('A`)「ん」
川 ゚ -゚)「ドクオが気づいてくれなかったら、私どうなってたんだろうね」
('A`)「・・・」

 考えたくも無い。
664 : DQN(愛知県):2007/03/15(木) 02:19:58.15 ID:gwCPY/uL0
('A`)「クー」
川 ゚ -゚)「なんだ・・・?」
('A`)「俺はな、怖かったんだよ」
川 ゚ -゚)「・・・」
('A`)「独り言だと思ってくれていいから聞いてくれ」

 小学生のころから俺はイジメの対象だった。
 理由なんて分からない、ただイジメっ子の鼻についたというだけ。
 小学生から中学生まで、クラス中の標的になった。
 教科書が無くなるなんていつものこと。
 机が無いときもあった、菊の花が置かれていたこともある。
 でも、学校には行き続けた。
 カーチャンに心配をかけたくない、その思いだけで行った。
 そして、そこから逃げるためにわざわざ遠い場所の高校を受けた。
 カーチャンたちに負担をかけないよう、奨学生になる努力もした。
 何とか奨学生として高校に入れた。
 それで・・・。

('A`)「ブーンやツン、そしてクーと会えた」
川 ゚ -゚)「・・・」

 クーは俺の話を真剣にずっと聞いていてくれた。

川 ゚ -゚)「なら、私の話も聞いてくれるか?」
('A`)「え?」

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