225 : ねずみランド(愛知県):2007/04/22(日) 21:42:51.14 ID:u9o52yry0
 気づけば随分飲んでしまった・・・。
 未成年に酒とかもうね、俺アフォかと・・・。
 ツンは酒癖が悪いのかブーンに絡んでいる、どこのおっさんだ。
 クーも酒のせいでテンションが高くなっている。
 一方ブーンはというと、そんな2人をなだめている。
 そして、俺はというと。

('A`)「はぁ・・・」

 ツンの家のベランダに立っていた。
 外は寒く、酔いも一気に醒めてしまった。

('A`)「もう9時か・・・」

 あれ、今日ってクリスマスイブだっけ・・・?
 最近よく分からなくなってるんだよな・・・。
 昔は・・・、といってもそれほど思いでも無いか。

(*゚−゚)「お兄ちゃん・・・?」
('A`)「しぃ?」

 後ろを向くとしぃが立っていた。
 長い髪を結ってツインテールになっている。

('A`)「外は寒いから中入ってろ」
(*゚−゚)「ううん、いいの・・・」
227 : ねずみランド(愛知県):2007/04/22(日) 21:48:02.82 ID:u9o52yry0
 しぃが横に立っているが会話が無い。
 風は吹いて無いが、外はかなり寒い、月も見えない。
 雨でも降るか・・・、それとも雪とか、それは無いか。

(*゚−゚)「ねぇ、お兄ちゃんショボンさんから聞いたんでしょ・・・?」
('A`)「ん、何のことだ?」

 いや、分かっている。
 しぃが欲しがっている物のことだ。

(*゚−゚)「私が・・・、家族が欲しいってこと・・・」
('A`)「・・・」

 こちらから聞くつもりが、自分から話して来た。
 いや、どちらにせよ知らなければいけないことだ。
 あと3時間で今日が終わるが、それまでには聞いていたこと。

('A`)「どうして、家族が欲しいんだ・・・?」
(*゚−゚)「私には、お父さんもお母さんも兄弟も居ない、ずっと1人ぼっちだった」
('A`)「あぁ・・・」
(*゚−゚)「でもね、お兄ちゃんとクーお姉ちゃんが私を家に置いてくれたのが凄くうれしかったの」

 もともとそんな気は無かったんだがな・・・。
 でも、今となればそれも良かったことだろう・・・。
230 : ねずみランド(愛知県):2007/04/22(日) 21:53:24.09 ID:u9o52yry0
(*゚−゚)「でも、ずっと一緒に居られるなんて思ってない」
('A`)「どうしてだ・・・」
(*゚−゚)「だって、私は・・・、皆と違うんだもん・・・」
('A`)「それがどうしたってんだ」
(*゚−゚)「え・・・?」

 そうだよな、皆と違うのがどうしたっていうんだ。
 人間1人1人全部違うんだ、まったく同じ人間なんて居ない。

('A`)「しぃ、俺とお前、同じだって言えるか?」
(*゚−゚)「それは・・・、違うと思う・・・」
('A`)「だろ、お前が他の人と違ってもそれは個性なんだ」
(*゚−゚)「でも、私・・・」
('A`)「今、俺の目の前に居るのはしぃって言う1人の人間だ、それ以上でも以下でもない」
(*゚−゚)「・・・」

 しぃが俺の胸に飛びこむ。
 俺はしぃの頭をポンポンと撫でてやる。

('A`)「俺とクー、そしてしぃは家族だろ、一緒に暮らす家族だ」
(*゚−゚)「うん、うん・・・」
('A`)「一緒に居られなくたって、会えない訳じゃない」

 しぃが俺の胸の中で泣き出す。
 グスグスと涙を流す、それは間違いなく1人の少女だった。
232 : ねずみランド(愛知県):2007/04/22(日) 21:57:16.81 ID:u9o52yry0
('A`)「はぁ、泣くなって」
(*゚−゚)「だって、だって嬉しいんだもん!」
('A`)「よしよし」

 後ろから足音がする。
 後ろを振り返るとクーが立っていた。

川 ゚ -゚)「ん、2人で何をしているんだ?」
('A`)「夜風に当たってただけだよ」
川 ゚ -゚)「そうか、私もそうしようと思って来たのだが・・・、ん?」

 クーが空を見上げる。
 それに釣られ俺としぃも空を見上げる。
 空から白い粒が降ってくる・・・。

川 ゚ -゚)「雪か・・・、珍しいな・・・」
('A`)「そうだな・・・」
(*゚−゚)「雪・・・、初めて見た・・・」

 場所的に雪が降るなんて滅多に無いことだ。
 雪が手に当たる、かなり冷たい。

('A`)「寒いな」
川 ゚ -゚)「いいじゃないか、これだけ綺麗なんだから」
246 : ねずみランド(愛知県):2007/04/22(日) 22:10:31.19 ID:u9o52yry0
 リビングに戻るとそこは地獄絵図だった・・・。
 ツンが・・・、壊れてる・・・。

ξ゚∀゚)ξ「AHAHAHA!! ブーン楽しいわよ!!」
(;^ω^)「ツン、服を脱ぐなお!!」

 ブーンをフルボッコしながら服を脱ごうとしているツン・・・。
 酒乱・・・?

ξ゚∀゚)ξ「何よ、ブーンの癖に生意気よ!」
(;^ω^)「ちょwwwwそれは競馬用のムチだおwwwwwどっから持ってきたんだお!!wwwww」
ξ゚∀゚)ξ「O☆SHI☆O☆KI」
(;゚ω゚)「アッー!」

 ピシャーンと凄まじく良い音が鳴り響く。
 一発でブーンはKOされたがそれでもツンは叩き続ける・・・。
 俺・・・、SMクラブに来たんだっけ・・・?

ξ゚∀゚)ξ「アーハッハッハッハッハ!!!」
(;^ω^)「ドクオ! 見てないで助けて欲しいお!!」
('A`)「・・・ごめん」
川 ゚ -゚)「ブーン、頑張ってくれ・・・」
(;゚ω゚)「薄情者ー!!」

 またピシャーンと良い音がした。
257 : ねずみランド(愛知県):2007/04/22(日) 22:28:33.74 ID:u9o52yry0
 かわいそうだったが、ブーンは放置してきた。
 きっと・・・、きっと奴なら痛みを快感に変えてくれるさ・・・。
 そんな訳で俺たちは帰路についている。

川 ゚ -゚)「寒いな・・・」
('A`)「そうだな・・・」
(*゚−゚)「ふぁ・・・」

 しぃが眠そうに目を擦っている。
 そういえば、もう11時か・・・、いつもなら10時には寝てるからな・・・。

('A`)「よいしょっと」
(*゚−゚)「え?」

 しぃを背中に乗せ立ち上がる。
 それほど重くは無い、軽いほうだ。

('A`)「眠いんだろ、寝てていいぞ」
(*゚−゚)「うん・・・」

 すぐに寝息が聞こえる。
 疲れたのかな・・・、ぐっすりだ。

川 ゚ -゚)「可愛い寝顔だな・・・」
('A`)「あぁ・・・」
279 : ねずみランド(愛知県):2007/04/22(日) 22:45:16.97 ID:u9o52yry0
 家に着きしぃをベッドに寝かせる。
 クーは風呂を沸かしている。

('A`)「ふぅ・・・」

 結構寒かったせいか体中が冷え切っている。
 ブーンの安否が気になるところだが、アイツはアイツでどうにかするだろう・・・。

川 ゚ -゚)「寒いな・・・」

 クーがコタツに入る。
 コタツの中でクーの手が俺の手に触れる。
 凄く冷たくなっている。

('A`)「ホント、体中冷え切ってるな」
川 ゚ -゚)「もともと体温が低いからな私は・・・」

 クーがコタツの中で足を絡めたり手を絡めたりする。
 とても冷たい、氷水につけた後みたいだ。

川 ゚ -゚)「なぁ」
('A`)「ん?」
川 ゚ -゚)「ドクオの体で暖めてくれないか?」
('A`)「それはただ暖かくするのか、それとも性的な意味でかどっちだ」
川 ゚ -゚)「後者といいたい所だが」
292 : ねずみランド(愛知県):2007/04/22(日) 22:57:36.26 ID:u9o52yry0
川 ゚ -゚)「まぁ、今日はドクオに甘えたいな」

 そういうとクーは俺の横に来て俺に抱きついた。

川 ゚ -゚)「ドクオは暖かいな・・・」
('A`)「そうか?」
川 ゚ -゚)「私が冷たいだけなのかな?」
('A`)「その分心が温かいんだろ」
川 ゚ -゚)「ふふっ・・・」

 コタツの中でクーに抱きつかれたまま時間が過ぎていく。
 こんなクリスマスイブ初めてだな・・・。
 クーの頭を撫でながらボーっとする。

川 ゚ -゚)「ドクオ・・・」
('A`)「ん?」

 クーの方を向くとキスをされる。
 長いキスではないが・・・。

川 ゚ -゚)「クリスマスプレゼントだ」
('A`)「ありがとよ・・・」

 風呂のお湯が流れ出るのも忘れてのんびりしていた。

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