276 : 空気(愛知県):2007/04/12(木) 21:58:52.69 ID:MIYOhHxF0
 図書室に居る間に結構時間が過ぎていた。
 そろそろしぃを迎えに行くかな・・・。

('A`)「白〜、穢れ無き白〜」

 変態とかスケベとか言われても構わない。
 クーはまだ生徒会の手伝いをするようだ。
 自転車置き場へ行き、1人でしぃを迎えに行く。

('A`)「ん?」

 校門の近くに珍しく3馬鹿が居た。
 何か話してるみたいだが・・・。
 こっちには気づいていないようだ。
 というか、まだ部活の時間だよな・・・。

('A`)「よし」

 気づかれないように自転車のスピードを上げる。
 そして、奴らが話している場所へ一直線に突っ込む。

('A`)「どっこいしょー!」
( ;´∀`) (,,;゚Д゚)( ;・∀・) 「ギャーッ!!」

 見事なリアクションだ。
279 : 空気(愛知県):2007/04/12(木) 22:07:36.85 ID:MIYOhHxF0
('A`)「何やってんだテメエら」
(,,゚Д゚)「何って」
(  ・∀・) 「話してただけですが?」
(  ´∀`) 「先輩こそ急に酷いモナ」
('A`)「まだ部活の時間だろ」

 体育館の外ではまだ部員が素振りやら筋トレやらやっている。
 で、こいつらは荷物を持って帰る気満々と言った様子だ。

(  ・∀・) 「俺たち部活やめたんです」
('A`)「なんだと!?」

 予想外だった。
 こいつら部活やめたのか・・・。

('A`)「何でやめたんだよ」
(  ・∀・) 「いや、全員でバイト始めたから」
(,,゚Д゚)「時間が足りないんだぜ」
(  ´∀`) 「だから部活やめたモナ」

 まぁ、分からないでも無いが。
 どうせこいつらのことだからあまり興味無いしな・・・。

('A`)「そうか、まぁ頑張れよ」
(,,゚Д゚)「うっす」
283 : 空気(愛知県):2007/04/12(木) 22:18:22.70 ID:MIYOhHxF0
 3バカと別れバーボンハウスへ向かう。
 しぃはまだレジで客の相手をしていたので事務所へ向かう。
 事務所ではちんぽっぽさんが事務処理をしていた。

(*‘ω‘ *)「ぽっぽー!」

 机に詰まれた伝票に怒っている。
 って、怒っているんだよな・・・。

(´・ω・`)「やぁ、ドクオ君来たんだね」
('A`)「あ、ショボンさん」

 ショボンさんがワインを持って立っている。
 見たところ、値段が張る物だな・・・。

('A`)「それ、どうしたんですか?」
(´・ω・`)「あぁ、阿部さんに頼まれてね、50万もするんだけど」
('A`)「50ですか・・・」
(´・ω・`)「あの人何気に儲けてるからね」

 ワインを机に置くと椅子にショボンさんが座った。

(´・ω・`)「そうだ、しぃ君の欲しいものだったね」
('A`)「聞き出せたんですか?」
(´・ω・`)「まぁ、一応ね・・・」
287 : 空気(愛知県):2007/04/12(木) 22:32:57.28 ID:MIYOhHxF0
('A`)「何だったんですか?」
(´・ω・`)「うん・・・、家族・・・なんだって・・・」
('A`)「家族・・・」

 いや、予想出来なかった訳じゃないが・・・。
 だとしても余り考えたくなかった。

(´・ω・`)「難しいよね、家族って」
('A`)「そうですね・・・」

 難しいよな・・・、家族か・・・。
 確かにすぐに用意できるものでも無い。
 それに、金なんかで買える訳も無い・・・。

(´・ω・`)「まぁ、僕が聞き出せたのはそれぐらいなんだ」
('A`)「そう・・・ですか・・・」
(´・ω・`)「ごめんね、余り役に立てなくて」
('A`)「いえ、ありがとうございます」

 これはクーと一回話し合う必要がありそうだな。
 しぃを家に送ったらクーと一度話し合うか・・・。

('A`)「はぁ・・・」
(´・ω・`)「ドクオ君も大変だね」

 

413 : 山伏(愛知県):2007/04/13(金) 22:38:59.99 ID:hLN9j40t0
 そして、しぃを連れて家に帰るとクーが居た。
 どうやら俺がバーボンハウスへ行っている間に帰ってきたらしい。

川 ゚ -゚)「お帰り」
('A`)「ただ芋」
(*゚−゚)「ただいまー」

 俺は制服から普段着に着替える。
 そして、クーにさっき聞いた話を伝えようとする。
 だが、この状況じゃしぃに話が聞こえてしまう。
 どうするか・・・。
 そうだ、これなら・・・。

('A`)「ちょっと出掛けてくる」
川 ゚ -゚)「ん、分かった」

 そういって家を出る。
 そして、アパートの下でクーにメールを送る。
 10分ほどした後にクーが家から出てきた。
 そして、近くに喫茶店へと行く。

阿部「注文は?」
('A`)「珈琲、ブラックで」
川 ゚ -゚)「私も同じので」
阿部「OK、最高の珈琲を出してやるぜ」

414 : 山伏(愛知県):2007/04/13(金) 22:43:45.70 ID:hLN9j40t0
阿部「ごゆっくり」

 テーブルに珈琲が置かれる。
 それを一口飲み込む。
 苦い・・・、無理して頼まなければ良かったか。

川 ゚ -゚)「しぃが欲しいものは家族か・・・」
('A`)「みたいだな・・・」

 ショボンさんから聞いた話をクーと話す。
 何度も言うが難しい話だ。
 家族、といっても口で俺はお前の家族だ、とならいくらでも言える。
 しかし、それが本当の家族になるのだろうか。
 本当に家族になるのなら親に養子縁組をしてもらうとかしか方法は無い。
 一体どうすればいいんだろうか・・・。

('A`)「なぁ、どうする?」
川 ゚ -゚)「どうしようか・・・」

 一向に話は進まない。
 どうすればいいか、さっぱりわからねえ・・・。
 と、珈琲のカップの横においてあるスプーンが落ちる。
 身を屈めスプーンを拾う、と目の前に・・・白。
 本日二度目、思いっきり頭を机に打ち付けた。
416 : 山伏(愛知県):2007/04/13(金) 22:46:47.24 ID:hLN9j40t0
('A`)「痛ゥゥゥゥ・・・」
川 ゚ -゚)「大丈夫か・・・?」
('A`)「いや、大丈夫・・・だと思う・・・」

 と、気づくとテーブルの横にあの人が立っていた。

阿部「どうやら悩んでるみたいだな」
('A`)「・・・」
川 ゚ -゚)「・・・」

 阿部さんが立っている。
 話聞いていたのか・・・?
 いや、阿部さんは奥に言ってたはずだ・・・。

('A`)「なんで」
阿部「おっと、それは聞いちゃいけないぜ」
('A`)「・・・」
阿部「家族が欲しいってのは難しいもんだ、だけど逆に考えてみろ」
('A`)「何ですか?」
阿部「その子は君達を家族と思っているか、だ」
('A`)「・・・」

 そうだ、しぃは俺たちのことをどう思っているんだ。
 それが分かれば・・・。
418 : 山伏(愛知県):2007/04/13(金) 22:50:50.44 ID:hLN9j40t0
阿部「まぁ、家族も居ない俺が言えた事じゃないがな」
('A`)「いえ、ありがとうございます」
阿部「いやいや、お礼ならショボン君に言っときな」
('A`)「ショボンさん・・・?」
阿部「彼も俺に相談したんだよ、君の為にな」

 そうか、ショボンさんが・・・。
 今度あったらお礼しないと・・・。

阿部「会計はツケとくよ、さっさと帰ってやりな」

 そういって阿部さんは俺とクーを店から追い出す。

('A`)「クー」
川 ゚ -゚)「ドクオ、明日だな」
('A`)「あぁ、明日しぃに聞いてみるんだ」

 そう、しぃが俺たちのことをどう思っているか。
 家族が欲しいということがどういうことなのか。
 はっきりと、しぃ本人に聞いてみよう。
 そう考え俺とクーは帰路に着く。

阿部「ふぅ、俺もお節介者だな・・・」

 阿部さんは、そんな俺たちの後姿を見ていたという。

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