9 : 天使見習い(愛知県):2007/03/30(金) 17:53:37.88 ID:BIg7tOby0
 結局、クーの胸が俺の腕に当たったまま時間が過ぎる。
 やわらかい感触が腕に伝わる、結構慣れたつもりだったんだが・・・。
 体は正直なのか、もう一部が硬くなっている・・・。

川 ゚ -゚)「なぁ、ドクオ」
('A`)「どした?」
川 ゚ -゚)「最近こんな噂立ってるの知ってるか?」
('A`)「どんな噂」
川 ゚ -゚)「この街に切り裂きジャックが現れるんだってさ」
('A`)「切り裂きジャック・・・?」

 切り裂きジャックって言えば、あの殺人鬼のことか。
 娼婦だけを狙って殺人を繰り返して結局捕まらなかったあれだ。
 それがこの街に現れるだって? バカバカしいにもほどがある。

('A`)「ただの噂だろ」
川 ゚ -゚)「それが、もう何人か被害者が出てるらしいんだ」
('A`)「まじかよ・・・」
川 ゚ -゚)「暗くなってから人通りの少ない場所で女性ばかり狙っているらしい」
('A`)「暗くなってからって、最近日が落ちるの早いから危ないじゃないか」
川 ゚ -゚)「警察からも女性は暗くなる前に家に戻るようにと忠告されてるんだ」

 10月に入ってもう日が落ちるのも早い。
 しかも女性という抵抗が出来ない相手を狙うとは・・・。
 計画的に狙っている犯行じゃないか。
11 : 天使見習い(愛知県):2007/03/30(金) 18:00:08.47 ID:BIg7tOby0
川 ゚ -゚)「死者は出てないみたいなんだが」
('A`)「でも重症なんじゃないか?」
川 ゚ -゚)「そうなんだ、しかも皆大きな爪で引掻いたような傷なんだ」
('A`)「大きな爪ねぇ・・・」

 どっかで聞いたことがある。
 木の棒に釘を刺して引掻く、そして爪のように傷をつける。
 それなら普通の人間でも出来ることだ。
 だが、そんな物を持っていたらいくら暗くてもバレる。
 しかも大きな爪のような傷だ、尚更隠せるものじゃない。

('A`)「とりあえず、警察がその犯人捕まえてくれるまで待たないとな」
川 ゚ -゚)「そうだな」
('A`)「あと、クーも夜は出歩くなよ」
川 ゚ -゚)「まぁ、それが懸命だな」

 一応クーには釘を刺しておく。
 そうでもしないといつの間にか出かけたりしそうだ。
 まぁ、どうしてもって言うなら俺が着いて行くしか無いんだが。

('A`)「そういえば、それいつから出たんだ?」
川 ゚ -゚)「確か、ドクオが実家に戻ってから2週間ぐらいだな」

 9月の半ばから後半ぐらいか。
 夏過ぎて変なのが出没するようになったのか・・・?
14 : 天使見習い(愛知県):2007/03/30(金) 18:14:10.24 ID:BIg7tOby0
('A`)「風呂入れるか・・・」
川 ゚ -゚)「私が入れてくる」

 クーは毛布から出ると風呂場へと向かった。
 そして、お湯が入る音がしてクーが戻ってくる。

川 ゚ -゚)「うぅ、寒い・・・」
('A`)「ほら、入れよ」
川 ゚ -゚)「ドクオ・・・、石鹸が切れてたぞ・・・」
('A`)「マジスカ」
川 ゚ -゚)「本当だよ」
('A`)「買い置きなくなってるのか・・・」

 買いに行かないといけないな。
 しかし、あんな話を聞いた後だと男としても怖い。
 だが、行かないわけにもいかんだろう。

('A`)「じゃ、ちょっくら買いに行って来るわ」
川 ゚ -゚)「大丈夫なのか? もう外真っ暗だぞ」
('A`)「なるべく明るくて人通り多いところ通るよ」

 といっても、俺の家から大通りに出るまでかなり暗い。
 その上この時間帯だとほぼ無人だ。

('A`)「とりあえず、急いで行ってくるわ」
川 ゚ -゚)「気をつけてな」

15 : 天使見習い(愛知県):2007/03/30(金) 18:22:07.07 ID:BIg7tOby0
 家から出ると回りは街灯の光以外まったく光が見えない。
 住宅地だっていうのに家もほとんど真っ暗だ。

('A`)「やっぱ、皆怖いのかね・・・」

 暗い道を歩いていく。
 途中、一人だけすれ違った人が居たが、それ以外に人は居なかった。
 コンビニに着く、石鹸を何個か手に持ちレジを通す。
 レジ袋を持って元来た道を帰る。

('A`)「それにしても、ホント誰もいねえな・・・」

 帰り道は街が死んだように誰もいなく静かだった。
 今日は曇っているからか、月明かりも無い。

('A`)「ん・・・」

 さっきすれ違った人とまたすれ違う。
 誰かの家に行った帰りだろうか?
 さっきと真逆の方へと歩いていく。

('A`)「あれが噂の切り裂きジャックとか?」

 そんなわけないか。
30 : 天使見習い(愛知県):2007/03/30(金) 22:01:33.44 ID:BIg7tOby0
('A`)「ただいま我が家」
川 ゚ -゚)「お帰り、大丈夫だったか?」
('A`)「大丈夫だからここに居るんだが」
川 ゚ -゚)「それもそうだな」
('A`)「ほい石鹸、先入っていいぞ」
川 ゚ -゚)「ん、一緒に入るんじゃないのか?」
('A`)「無い」
川 ゚ -゚)「じゃあ一緒に入ってください」
('A`)「それも無い」
川 ゚ -゚)「24時間言うこと聞いてくれるんじゃないのか?」
('A`)「権利の乱用か!」

 そんなわけで(半強制的に)一緒に風呂に入ることになった。
 まぁ、一緒に入るときは俺の頼みで湯浴み着を着てもらうことになったのだが。
 それでもまだ一緒に入ることに抵抗はある。
 いくら隠しても体のラインやら色々見えるわけで。
 カーチャン、トーチャン、俺は成長しました。

川 ゚ -゚)「背中流してやろうか?」
('A`)「お願いします」

 風呂場は狭いので背中を洗うとか言うときは一方が風呂に入る。
 風呂桶に一緒に入ることは出来るが、狭いのでかなり密着した状態になる。

('A`)「うぇーい」
川 ゚ -゚)「背中も傷が凄いな・・・」
36 : 天使見習い(愛知県):2007/03/30(金) 22:32:16.42 ID:BIg7tOby0
('A`)「あんま強く擦られると痛いんだが」
川 ゚ -゚)「む、すまん」

 トーチャン、アンタせいで俺の体はボドボドダ。
 まぁ、そのおかげで前より竹刀の扱いも上手くなったんだが。

川 ゚ -゚)「流すぞ」
('A`)「ら、らめええ、しみるよおおお!!!」
川 ゚ -゚)「気持ち悪い声を出すな」
('A`)「ごめんなさい」

 だが、傷が沁みる。
 背中は見えないから分からないが、青アザとか凄いんだろうな・・・。
 剣道の稽古だったはずなのに防具も着けずに本気でやるからな・・・。
 背中だけじゃなくて足やら腕も問答無用で殴られた。

川 ゚ -゚)「ほら、次は私を洗ってくれ」
('A`)「断りたい」
川 ゚ -゚)「24時間」
('A`)「はいはいはいはい、分かりましたよ!」
川 ゚ -゚)「はいは1回でよろしい」
('A`)「はい」

 最近クーが軽くSッ気が出てきてる気がする。
 俺・・・、Mじゃないよな・・・。
44 : 天使見習い(愛知県):2007/03/30(金) 22:55:34.74 ID:BIg7tOby0
('A`)「クーの背中綺麗だな」
川 ゚ -゚)「そうか?」
('A`)「そうだ」
川 ゚ -゚)「自分では余り自覚は無いんだが」
('A`)「ホント、羨ましいぞ、ニキビも無い、何も無い、完璧超人か貴様は」
川 ゚ -゚)「さぁ、知らないな」
('A`)「オンドゥルルァギティンディスカー、ダディーアザァン!」

 慣れてきた、と言っても同年代の女の子の体を洗うと言うのは何ともいえない。
 実際湯船に浸かっていて見えてないが、俺の股間はファイナルベント。

('A`)「ほら、終わったぞ」
川 ゚ -゚)「ふぅ、いい気持ちだ」
('A`)「さて、そろそろ出たいんだが」
川 ゚ -゚)「まだ一緒に湯船に浸かってないぞ」
('A`)「嘘だと言ってよバーニィ!」

 狭い湯船に入ってくるクー。
 湯浴み着を着ているが、体は密着してクーの柔らかい感触が。

('A`)「狭い」
川 ゚ -゚)「我慢しろ」
('A`)「権利の乱用カコワルイ」
川 ゚ -゚)「何を言っているんだ」
61 : 天使見習い(愛知県):2007/03/30(金) 23:46:05.60 ID:BIg7tOby0
川 ゚ -゚)「ん」
('A`)「なんですか」
川 ゚ -゚)「何だ、口ではどうこう言いながらここはもうこんなになってるじゃないか」
('A`)「勘弁してください」
川 ゚ -゚)「しかたないなぁ」

 そういうとクーは湯船から出る。

川 ゚ -゚)「先に出るぞ」
('A`)「はい、どーぞ」

 そういって脱衣所に出る。

('A`)「・・・」

 一気に体の力が抜ける。
 まったく、人のナニをナニしないでほしい。
 そりゃ、やられて嫌な訳じゃないが、無理矢理はなぁ・・・。

('A`)「俺って・・・、やっぱマゾなのかな・・・」

 思いたく無いな、それは。
 ツンはドSだが、あれは常軌を逸している。
 ブーンだから耐えられるんだ、あれは。

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