- 593 : ゴーストライター(愛知県):2007/03/22(木) 01:35:01.20 ID:bNqd/wrB0
- 薄暗い電灯が道を照らす。
そのなかをドクオとボロボロになった私が歩く。
まだ、下腹部が痛い。
川 ゚ -゚)「ドクオ・・・」
('A`)「ごめんな・・・」
ドクオの口から出たのは謝罪の言葉だった。
川 ゚ -゚)「え・・・」
('A`)「ごめんな、絶対守るって、絶対大切にするって言ったのにな・・・」
さっきのような冷めた、低い声ではない、いつものドクオの声。
川 ゚ -゚)「そんなことない、ドクオは私を助けてくれたじゃ・・・」
('A`)「違うんだ、もうクーは汚されちまった、あんなクズ野郎のせいで」
ドクオは私の言葉をさえぎって喋る。
('A`)「許せないんだ、俺自身が」
川 ゚ -゚)「ドクオ・・・」
ドクオは悪くないと言おうとしたが、声に出来なかった。
('A`)「クー、ごめん・・・」
- 603 : ゴーストライター(愛知県):2007/03/22(木) 01:39:48.62 ID:bNqd/wrB0
- 次の日、その日は出校日だった。
学校に着くともうほとんどの生徒が集まっていた。
そして、ホームルームが始まる直前に警察が現れた。
/ ,' 3「ドクオ君だね」
('A`)「はい・・・」
/ ,' 3「何故私たちが来たか分かっているよね」
('A`)「はい」
ドクオは警察の質問に返答している。
/ ,' 3「じゃあ、君を傷害罪で逮捕するよ」
('A`)「分かりました」
そして、ドクオの腕に鉄の輪がはめられた。
教室からドクオが出て行くと生徒たちがひそひそと話を始めた。
「あいつ傷害罪って、何かやったのかよ・・・」
「前ニダー殴ったときもそうだけど、やっぱキレたりするのかな」
「いつかはやるやつだと思ってたよ」
全員口それぞれに言いたいことを言っている。
本当のことも知らないくせに。
ドクオがどんな気持ちで来たか知らないくせに・・・。
- 613 : ゴーストライター(愛知県):2007/03/22(木) 01:44:25.09 ID:bNqd/wrB0
- 皆の声が重なり、ドクオを非難する。
そのとき、一人の生徒が立ち上がって怒鳴り始めた。
(#^ω^)「お前らふざけんなお! ドクオはきっと理由があってやってしまっただけだお!」
(#^ω^)「ドクオの気持ちも知らずに好き勝手なこと言うなお!」
ブーンだった、何も知らないのに。
何も見ていないのにドクオを庇っている。
それなのに、私は何をやっているんだ・・・。
ξ#゚听)ξ「そうよ! あいつはバカだけど、曲がったことをする人間じゃないわ!」
ξ#゚听)ξ「憶測だけで人を非難するんじゃないわよ!」
ツンも立ち上がり周りの生徒に怒鳴る。
ここまでしているのに、私は。
正直に言おう、例えどれだけ私が苦しもうとも。
ドクオがやってくれたことは言わなければ。
黒板の前に立つ、非難していた生徒がシンと静まる。
川 ゚ -゚)「皆聞いてくれ」
すべてを話そう。
川 ゚ -゚)「ドクオは・・・」
私の彼のことを・・・。
- 624 : ゴーストライター(愛知県):2007/03/22(木) 01:48:16.91 ID:bNqd/wrB0
- すべてを話し終えた。
すると、今まで非難していた声が少し変わる。
「ニダーがそんなことしてたのか・・・」
「でも、クーさんがドクオと付き合ってたなんて」
「ドクオ君、クーさんを守るためにやったのね・・・」
ポタリと、手のひらに涙がこぼれた。
話している間に泣いていたようだ。
すると、横でツンが肩をぽんと叩いた。
川 ゚ -゚)「ツン・・・」
ξ゚听)ξ「早く行きなさいよ、ドクオ言っちゃうわよ」
川 ゚ -゚)「あぁ・・・!」
そう言われ私は教室の外へと走り出した。
校門まで走るとドクオが車に乗せられるところだった。
川 ゚ -゚)「ドクオ!!」
('A`)「クー・・・」
息を切らせてドクオに近づく。
警察の人がこちらを見る。
/ ,' 3「言いたいことがあったら先に言っておけ」
- 635 : ゴーストライター(愛知県):2007/03/22(木) 01:51:39.36 ID:bNqd/wrB0
- ('A`)「クー、ごめん・・・」
川 ゚ -゚)「・・・」
何も言わずドクオに抱きついた。
優しい気持ちに包まれる。
川 ゚ -゚)「ドクオ・・・」
('A`)「・・・」
そのまま少し時間が過ぎる。
そして離れる。
('A`)「クー」
川 ゚ -゚)「ドクオ、私はずっと待っているからな・・・、いつまでも何年たっても」
('A`)「・・・」
/ ,' 3「時間だ」
そういってドクオは警察の人に連れて行かれる。
そして、車に乗せられるところでこちらを向いた。
('∀`)「クー、俺は絶対戻ってくる、どれだけ時間をかけてもお前のところに帰るからな!」
そういったドクオの顔は笑顔だった。
そして、車は行ってしまった。
- 644 : ゴーストライター(愛知県):2007/03/22(木) 01:56:52.83 ID:bNqd/wrB0
- 教室に戻ると一部の生徒にツンとブーンが話していた。
ξ゚听)ξ「あ、戻ってきた」
(#^ω^)「お前らはもうちょっとドクオの人間としての心を(ry」
どうやら、ずっとドクオのことを周りの生徒に話していたらしい。
一部の生徒はドクオへの考えが変わったみたいだ。
ξ゚听)ξ「クー、どうだったの・・・?」
川 ゚ -゚)「絶対帰ってくるってさ」
( ^ω^)「ドクオは嘘をつかないお! 絶対戻ると言ったら絶対戻ってくるんだお!」
そうだ、絶対ドクオは戻ってくる。
それまで、ずっと待っていよう。
ドクオとすごした部屋を、彼が戻ってきても大丈夫なよう。
ずっと、守っていよう。
川 ゚ -゚)「な、ドクオ」
夏の日差しは、焼けるほど暑く。
そして、震えるほど寒かった・・・。
どこかで、私の心は不安を抱えていた・・・。
- 653 : ゴーストライター(愛知県):2007/03/22(木) 02:01:55.27 ID:bNqd/wrB0
- 〜1ヵ月後のドクオ〜
('A`)「うわっ!!」
顔に冷たいしずくがかかり目が覚めた。
この少年院で暮らし始めてもう1ヶ月がたつ。
('A`)「・・・」
ベッドから起き上がり、鉄格子のつけられた小さな窓を見る。
そとの木々は紅葉に染まり、地面は葉で埋め尽くされている。
('A`)「もう秋か・・・」
ここの生活も慣れた。
朝起きて、仕事をさせられ、またここに戻る。
('A`)「俺は、絶対戻るからな」
ニダーも捕まったらしいが、警察病院にいるらしい。
小さな窓から葉が一枚入り込む。
それは、真っ赤で、散ったということが無性に悲しかった。
BAD END 待つべき人は、独房の外で・・・
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