559 : 主婦(愛知県):2007/03/18(日) 21:33:50.73 ID:2Dk29Btq0
('A`)「潮風が目に痛い」
( ^ω^)「気持ちいいお」

 クーの誕生日から3日、俺たちは海に来ていた。
 ツンの父親が持つ別荘とプライベートビーチに来ている。

('A`)「改めて、ツンの金持ちっぷりを思い知らされる」
ξ゚听)ξ「別に、好きでお金持ちなわけじゃないわよ」
('A`)「まぁ、そのおかげでこんないいとこに来れるんだが」

 ついさっき到着し、今は別荘の前に居る。

/ ,' 3「ツンお嬢様、ようこそおいでくださいました」
ξ゚听)ξ「荒巻、迎えありがと」

 世の中にはそっくりな人間が何人か居るという。
 もう3人も見ている。

/ ,' 3「さぁ、中に入ってください皆様」

 そういわれ、別荘の中へと案内された。

/ ,' 3「2階に部屋が4つありますので、ご自由にお使いください」

 そういうと、執事らしき人物は奥へと行ってしまった。
566 : 主婦(愛知県):2007/03/18(日) 21:50:59.30 ID:2Dk29Btq0
 荷物を持って2階へと上がる。
 部屋は201号室から204号室まであった。
 番号の小さいほうから、俺、クー、ブーン、ツンという部屋割りになった。

ξ゚听)ξ「じゃ、皆水着に着替えて外に集合ね」

 ツンがそういったので遅いとまた文句を言われるからさっさと着替えた。
 それにしても、別荘の一部屋だっていうのに俺の部屋の倍ぐらいの大きさがある。
 正直、こっちにすみたいぐらいだ。
 外に出ると、ブーンが待っていた。

('A`)「はええな」
( ^ω^)「ブーンは家で水着を着てきたんだお」
('A`)「おk、把握」

 だが、ツンとクーは中々出てこない。
 やはり、女というのは着替えが長い。

ξ゚听)ξ「お待たせ」
川 ゚ -゚)「待たせたな」

 後ろを振り向くと、水着姿の二人が居た。
 ツンは赤いビキニで胸にワンポイントついた水着。
 クーは青のビキニで、ボレロだっけ?そんなものがついている。
570 : 主婦(愛知県):2007/03/18(日) 22:01:04.90 ID:2Dk29Btq0
('A`)「ブーン、あっちの島まで泳いで見るか」
( ^ω^)「いいお、ブーンの泳ぎのテクを見てションベン漏らすなお!」

 そういって、俺とブーンは海に飛び込んでいった。

ξ゚听)ξ「元気ね、あの二人は」
川 ゚ -゚)「そうだな・・・」

 ツンとクーはパラソルの下で座っている。

( ^ω^)「俺は、鳥になる!」
('A`)「おまっ、それは違う!」

 つか、まじで飛んでる。
 見た目は完全にトビウオだ。
 って、もう見えねえ!

( ^ω^)「ドクオ遅いおー」
('A`)「もう上陸してる!?」

 おい、今数秒で500Mぐらい泳がなかったか?

( ^ω^)「だから言ったお、ブーンの泳ぎテクは(ry」
('A`)「分かったっての」

 お前が人外ということが。
574 : 主婦(愛知県):2007/03/18(日) 22:10:46.87 ID:2Dk29Btq0
 砂浜に戻ってくる。
 ツンとクーは相変わらずパラソルの下にいる。

('A`)「お前ら泳がないのか?」
ξ゚听)ξ「泳ぐわよ、まだ泳がないけど」
川 ゚ -゚)「あ、あぁ、そうだ」

 なんかクーの言葉が怪しかったが。
 そういえば、ブーンが戻ってきていない。

( ^ω^)「ただいまだお」
('A`)「おう、おかえ・・・り?」

 ブーンが何かを肩に乗っけている。
 それはどう見てもサメにしか見えない。

('A`)「お前・・・それどうした・・・?」
( ^ω^)「帰ってくる途中に襲われたから、逆に襲ってやったお」

 海の中でサメに勝てる男。
 マジで化け物か、こいつは。

ξ゚听)ξ「捨ててきなさい」
( ^ω^)「分かったお」

 そう言って、ブーンはサメを海に投げ捨てた。
579 : 主婦(愛知県):2007/03/18(日) 22:17:00.02 ID:2Dk29Btq0
 海のほうではツンとブーンが泳いでいる。
 仲がいいのが羨ましい。

('A`)「クーは泳がないのか?」
川 ゚ -゚)「いや、泳ぐぞ、うん、泳ぐぞ」
('A`)「じゃあ、行こうぜ」
川 ゚ -゚)「え」

 クーの手を取って海へと歩いた。
 海に足が入ったところでクーが手を放した。

('A`)「クー?」
川 ゚ -゚)「・・・」

 その表情は何かに怯えるような表情だった。
 まさか・・・。

('A`)「クー、泳げないのか?」
川 ゚ -゚)「そ、そんなことはない!」
('A`)「いや、無理しなくていいから、嫌がるのに無理矢理ってのも嫌だからな」
川 ゚ -゚)「・・・」

 クーの表情はさっきにも増して暗くなっている。

川 ゚ -゚)「だったら・・・」
('A`)「ん?」
川 ゚ -゚)「ドクオが泳ぎを教えてくれ」
600 : 主婦(愛知県):2007/03/18(日) 22:56:26.75 ID:2Dk29Btq0
 とかいうわけで今クーに泳ぎを教えている。

('A`)「まず水に顔つけるぐらいはできるだろ」
川 ゚ -゚)「ま、まぁ、それぐらいなら」
('A`)「じゃあバタ足からだな」

 クーの両手を取り、水に浮かべる。
 体に力が入っているのかクーの体は沈んでいる。

('A`)「クー、力抜いて、力抜かないと沈むぞ」
川 ゚ -゚)「あ、あぁ」
('A`)「よし、それでいい、それじゃ足伸ばして水を蹴るんだ」

 クーの両手を引いて少しずつ水の中を進んでいく。

('A`)「そう、そのまま」

 といって、手を放した。

川 ;゚ -゚)「うわっ!」

 クーが沈んだ。
 すぐに、手を持って引き上げる。

川 ゚ -゚)「急に放さないでくれ!」
('A`)「ごめん」
604 : 主婦(愛知県):2007/03/18(日) 23:06:02.63 ID:2Dk29Btq0
('A`)「俺が手を持ってるときと同じように泳げばいいんだ」
川 ゚ -゚)「頭では分かってるんだが、体が・・・な」
('A`)「まぁ、慣れなきゃなんとも言えないがな」
川 ゚ -゚)「むぅ・・・」

 とりあえず、慣れるまで手を引いていく。
 少しずつだが、ぎこちなかった動きが滑らかになっていく。

('A`)「手、放すぞ」
川 ゚ -゚)「あ、あぁ」

 そして、ゆっくりと手を放す。
 クーは何とか沈まずに泳げている。
 だが、途中で沈んでしまう。
 クーを引き上げ、沈まないようにする。

川 ゚ -゚)「やった、泳げたぞ!」
('A`)「おう、凄い進歩だ」

 少しだが、泳ぐことが出来たクーは喜んでいる。

('A`)「とりあえず、岸まで戻るか」
川 ゚ -゚)「分かった」

 そういって、クーの手を引きながら岸へと戻っていった。
606 : 主婦(愛知県):2007/03/18(日) 23:12:01.26 ID:2Dk29Btq0
 岸へ戻ったときだった。
 何かが俺の頭部に直撃した。

('A`)「ゴハァ」
川 ゚ -゚)「だ、大丈夫か!?」

 ぶつかったものを見るとそれはスイカだった。

( ^ω^)「ごめんだお、滑って落としてしまったお」

 上を見るとブーンが笑いながらこっちを見ている。

( ^ω^)「ドクオの頭が固くて助かったお」
('A`)「おま」

 反省の色が見えない。

川 ゚ -゚)「ドクオ、頭、頭」
('A`)「頭?」

 頭に手をつける。
 それを目の前に戻すと、赤くなっている。

('A`)「あれ、俺出血してる?」
川 ゚ -゚)「みたいだな・・・って早く治療しないと!」
608 : 主婦(愛知県):2007/03/18(日) 23:18:02.51 ID:2Dk29Btq0
( ^ω^)「スイカ割りのつもりがドクオの頭を割ってしまったお」
('A`)「テメエ・・・」
       ヽ.\  ,レ-――-'<、 _ノ /
         `‐/_____\- '         人_ト、__ノ、_,ヘノ\_ノヽノ、
          / ,-、      ,-、 ヾ、       人/                \__
           l  ,..、       ,..、  l     _ノ
     __l  i 0} ,.●、 !0 i  l__  _)
  / ̄| | . |  `~ /___\`~´   |  | __ノ  絶対に許さんぞピザ野郎!!!!!!!
/     | | |l    ‘-イ !_|_!`r’     !|  | ノ
\\   | |. |`、   r{     h   ,/リ <    じわじわとなぶり殺しにしてくれる!!!!!!!
  \\.| |   ヾ\ ヽ二ニ二.ノ  /〃 |  )
、   \ノ^,ニ‐-ァ  ̄`ー-----一´ ̄/  | ^ヽ
\  // ,/⌒i、_\\_____//  .|  |  ⌒)
   {   i   |  iヽ`ー-----― '    |  |    ̄ヽヘ/⌒ヽ/\i'\へ/⌒Yヽ'^
    i          }         _|  |
( ^ω^)「ドクオ怖いお」
川 ゚ -゚)「少し静かにしておいてくれ、包帯が巻けなくなる」

 俺は別荘の外でクーに治療を受けている。
 あまり痛くは無いのだが、血が出ていることに変わりは無い。

ξ゚听)ξ「スイカ持って来たわよ」
( ^ω^)「待ってたお」
('A`)「俺の頭で割ったスイカかい」

 一つ取って食べる、おいしかった。
612 : 主婦(愛知県):2007/03/18(日) 23:29:57.37 ID:2Dk29Btq0
 その後あっという間に夜になってしまった。

/ ,' 3「バーベキューの用意が出来ました」
ξ゚听)ξ「皆、行きましょ」

 外に出ると、凄まじく豪勢なバーベキューセットが置いてある。
 執事の荒巻さんが材料を串にさして焼いている。

/ ,' 3「どうぞ、ご自由に取って食べてください」
( ^ω^)「おいしそうだお」

 ブーンは早速といった感じで焼けた串を取っている。

( ^ω^)「ハフッハフッ!ハムッ!」

 片手に3本も串を持って食べている。
 俺も1本取り食べる。

('A`)「おお、うまいな」

 こんな豪華な料理を食べるのは久しぶりだ。
 空は雲ひとつ無く、月が海を照らしている。
 海の見える場所に座りバーベキューを食べる。

('A`)「はぁ」
615 : 主婦(愛知県):2007/03/18(日) 23:40:00.25 ID:2Dk29Btq0
川 ゚ -゚)「ドクオ、どうしたんだ」

 クーが俺の横に座る。

('A`)「いや、こんなにゆっくりしたの久しぶりだなぁって」
川 ゚ -゚)「そうか、先週はずっと働いてたからな」

 肉にかぶりつく。

川 ゚ -゚)「4日間ゆっくりできるといいな」
('A`)「あとクーが泳げるようにな」
川 ゚ -゚)「う・・・そうだな」
('A`)「まったく、スポーツ万能のクーにこんな弱点があったとはな」
川 ゚ -゚)「気づいたら泳げないまま高校まで来てしまったんだ・・・」
('A`)「水泳の授業のときどうしてたんだよ」
川 ゚ -゚)「それは、聞かないでくれ・・・」

 理由が分からないが聞かないでおこう。

( ^ω^)「ドクオたち食べないのかお?」
('A`)「んあ」

 さっき食べ終えてからずっと何もついてない串を持ったままだった。
 だが、それほど腹が減ってるわけでもない。

('A`)「あと2,3本だけ食べるわ」
( ^ω^)「分かったお」
617 : 主婦(愛知県):2007/03/18(日) 23:49:43.86 ID:2Dk29Btq0
 バーベキューも終わりのんびりとしている。
 都会には見えない月と星が綺麗だ。
 ツンとクー、そしてブーンは別荘の中にいる。

('A`)「なんだか疲れたな」

 後ろに倒れこむ、視界にいっぱいの夜空が浮かぶ。

('A`)「はぁ」
川 ゚ -゚)「ため息をつくと幸せが一つ逃げていくぞ」

 そこには、俺の顔を覗き込むようにクーが立っていた。
 スカートが翻り、スカートの中が・・・って。

('A`)「亜qw背dfrgtひゅじこlp;@:」

 一気に飛び起きる。
 あぶねえ、クーは無防備すぎるから怖い。

川 ゚ -゚)「どうしたんだ慌てて」
('A`)「いや、なんでもねーよ」

 まさか、ぱん・・・見えたなんて言えない。
 言ったら殺されるだろ・・・常識的に考えて・・・。

618 : 主婦(愛知県):2007/03/18(日) 23:54:12.27 ID:2Dk29Btq0
川 ゚ -゚)「星、綺麗だな」
('A`)「おう・・・」

 何かなぁ。
 誕生日以来微妙に話づらい。

川 ゚ -゚)「ドクオ、今日はありがと」
('A`)「ん?」
川 ゚ -゚)「泳ぎ教えてくれて」
('A`)「あぁ・・・」

 会話が続かない。
 空気を読むのが苦手な俺だが。
 今の空気は嫌でも分かる。
 凄く居づらい。

川 ゚ -゚)「さっきから返事しかしてないな」
('A`)「そうか?」

 そうです。

川 ゚ -゚)「何か悩んでるのか?」
('A`)「いや、別に・・・」

 何でか俺でもわからねえ。

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