188 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 20:30:38.84 ID:oF87w8iE0
川 ゚ -゚)「ド・・・クオ・・・」
('A`)「クーッ!?」

 目を覚ますと、ドクオが涙に頬を濡らしていた。

('A`)「クー、大丈夫か!?どこも悪くないか!?」
川 ゚ -゚)「うん、足がちょっと痛むけど大丈夫だよ」

 ドクオは良かったと言う表情で涙ながらに笑っている。
 そうだ、ドクオが、私の一番大切な人がここにいる。

川 ゚ -゚)「ドクオ、聞こえたよ君の声」
('A`)「ハウァッ!?」

 それを聞くとドクオはあたふたとあわて始めた。

川 ゚ -゚)「まったく、君は少し落ち着くことを考えたほうがいい」
('A`)「いや、でもな」
川 ゚ -゚)「あと、人が眠ってる間に唇を奪うのは卑怯だぞ」
('A`)「モルスァ!?」

 ふふふ、さっき以上に慌てている。

川 ゚ -゚)「ドクオ、こっちを向いてくれ」
('A`)「んあ!?」

 今度は私からドクオにキスをした。

203 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 20:36:30.73 ID:oF87w8iE0
 少し長めのキス。
 でも、ドクオは拒否をしなかった。
 当然、私も。

川 ゚ -゚)「・・・」
('A`)「クー・・・」
川 *゚ -゚)「責任は取ってもらうぞ!」
('A`)「あ、あぁ!一生大事にする、一生守り続ける!」
川 *゚ -゚)「ありがとう、ドクオ・・・」

 なんだか、気恥ずかしい。

('A`)「そうだ、ツンとブーンにも知らせてやらないと」
川 ゚ -゚)「そうだな」

 ドクオは病室を出て行った。

川 ゚ -゚)「・・・」

 自分でも分かっている。
 自分の体がおかしいことを。

川 ゚ -゚)「でも」

 ドクオは言ってくれた、一生守ってくれると。
217 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 20:42:52.70 ID:oF87w8iE0
( ^ω^)ξ゚听)ξ「クー!」

 ドクオが連絡を聞いたのか、深夜だと言うのに二人は病院に駆けつけてくれた。

( ^ω^)「よかったお!クーが戻ってきてくれたお!」
ξ;凵G)ξ「ホント、ホントに良かった!」

 ブーンは笑顔で、ツンは涙目で私が戻ってきてくれたことを喜んでくれた。

(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ」
( ><)「意識不明患者の意識が戻ったと聞いてきたんです><」

(#'A`)「帰れ」

( ><)「帰るんです><」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ」

/ ,' 3「で、クーさんの意識が戻ったと」
川 ゚ -゚)「ご心配かけました」
/ ,' 3「まぁ、後遺症とか残るかも知れないからね、しばらくは入院だよ」
('A`)「クー、良かったな・・・」
川 ゚ -゚)「あぁ、ありがとう」

 手が痺れている、なんとなく分かった。
220 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 20:47:38.01 ID:oF87w8iE0
 病室には私とドクオが居る。
 ツンとブーンは帰った。

川 ゚ -゚)「・・・」
('A`)「・・・」

 ドクオは、ずっと私のことを見ている。
 言わないと、私が、今どうなっているのか。

川 ゚ -゚)「ドクオ」
('A`)「なんだ?」
川 ゚ -゚)「今、私の両手足は感覚が無いんだ」
('A`)「は?」
川 ゚ -゚)「自分でも分かる、そう遠くないうちに私の両手足は自由が利かなくなる」

 正直に言おう、ドクオには。

('A`)「それって・・・五体満足じゃなくなるってことか・・・?」
川 ゚ -゚)「そうだな」
('A`)「・・・」
川 ゚ -゚)「さっき、足が痛むと言ったけど、嘘なんだ」
('A`)「何で・・・」
川 ゚ -゚)「・・・」
('A`)「何ですぐに言ってくれなかった」

 ドクオの顔は怒りに満ちていた。
226 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 20:52:51.37 ID:oF87w8iE0
(#'A`)「何ですぐに言ってくれない!?」
川 ゚ -゚)「そ、それは・・・」
(#'A`)「そんなに俺が、俺たちが信用できないのか!?」
川 ゚ -゚)「そんなことは無い!ドクオや、ツンやブーンは誰より信用している!」
(#'A`)「ならどうしてだ!?」
川 ゚ -゚)「怖かったんだ」
(#'A`)「・・・」
川 ゚ -゚)「守ってくれると言った君に、拒否されることを」
('A`)「・・・」

 ドクオの顔から怒りが消えていく。

('A`)「言っただろ」
川 ゚ -゚)「・・・」
('A`)「俺は、クーを一生大事にする、一生守るって」
川 ゚ -゚)「あぁ、でも私はもう歩くことも出来なくなる、手を使うことも出来なくなるんだ」
('A`)「バカか、クーは?」
川 ゚ -゚)「な、バカとはなんだ!」
('A`)「クーの手が動かないなら、俺がクーの両手になってやる」

 それは、意外な答えだった。

('A`)「クーの足が動かないなら、俺がクーの両足になってやる」

 嬉しくて、涙が零れた。

278 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 21:25:33.79 ID:oF87w8iE0
 夏の終わり、私は退院した。
 私は、今車椅子に乗っている。
 それを押してくれているのはドクオ。

('A`)「暑いなぁ」
川 ゚ -゚)「そうだね」

 セミが無く林道を通り、子供たちが遊ぶ川原を進む。

川 ゚ -゚)「本当に、ドクオはこれでよかったのか?」
('A`)「当たり前だ、約束したからな」

 ドクオは学校を辞めた。
 私の為に働き、尽くしてくれている。

川 ゚ -゚)「本当に、私は君から幸せを貰ってばかりだな」
('A`)「そんなこともねーぞ」

 ドクオは歩みを止め、川の方へ私を向けてくれた。

('A`)「クーが今俺の傍に居ることが幸せだからな」
川 *゚ -゚)「ドクオ・・・」

 彼の背中は、凄く大きく見えた。
 まるで、私を全部包んでくれるような優しさを背負っていた。
295 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 21:35:32.65 ID:oF87w8iE0
 2年後、私は今海にいる。
 私が手足を失った日からドクオは尽くしてくれていた。
 しかし、両親が帰ってきたことで私を家に帰した。
 でも、毎日のように顔を出してくれた。
 私は今日20歳になる。
 前と同じとまではいかないが、手足は動くようになってきた。
 まだ、車椅子でなければ移動も出来ないが。
 私が今来ている白いワンピース、ドクオが去年の誕生日に買ってくれたもの。
 セミの鳴き声、海ではしゃぐ子供たちの声、そして・・・。

('A`)「あっぢいいいい!!!」
( ^ω^)「うるさいお童貞」
('A`)「黙れピザ野郎」

 ドクオとブーンがいつもの調子で話している。
 そして、私の横にはツンが立っている。

ξ゚听)ξ「相変わらず騒がしいわね、せっかくクーの誕生日だってのに」
川 ゚ -゚)「まぁ、そういうな」

 2年越しの約束、皆で海に行こう。
 その約束は、今果たされている。

川 ゚ -゚)「私は、幸せな人間だ」
307 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 21:43:38.57 ID:oF87w8iE0
 ドクオとブーンが飲み物を持ってこちらへやってくる。

('A`)「へいお待ち」
川 ゚ -゚)「ありがと」
( ^ω^)「ツンもどーぞだお」
ξ゚听)ξ「ありがと」

 ドクオは今、バーボンハウスで店長をやっているらしい。
 ショボンさんが二号店を出すとか何とかで店を任されていると言う。
 ブーンは相変わらずカラオケ屋樹海で働いているらしい、正社員として。
 ツンは大学へ行き、教師になるための勉強をしている。
 ブーンとツンは相変わらず仲がいいらしいが。
 そして、私は日々リハビリに励んでいる。

('A`)「晴れて良かったなー」
川 ゚ -゚)「暑くて嫌だって言ってたのは誰だったかな?」
('A`)「フヒヒ、サーセンwwww」

 ドクオは、いつの間にか大人の顔になっている。
 いつも会いに来てくれていたドクオからは想像もつかなくなっている。

川 ゚ -゚)「中身はぜんぜん成長してないがな」
('A`)「?」

 鈍感なのも変わってない。
310 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 21:48:13.90 ID:oF87w8iE0
川 ゚ -゚)「ドクオ、ちょっとこっちに来てくれ」
('A`)「ん?」

 ドクオが私の前に立つ。
 私は、自分の両足にグッと力を込める。

(;'A`)「ちょ、立って大丈夫なのか!?」

 車椅子から立ち上がる、まだ足取りはふらふらとする。
 と、急に力が抜けて倒れそうになる。

(;'A`)「危ない!」

 ドクオが倒れる私を両手で受け止めてくれる。

('A`)「クー、あんま無茶するなって」
ξ゚听)ξ「でも、クーもがんばってるのよ」
( ^ω^)「ドクオはそれを認めてあげないといけないお」
('A`)「あー、んー」

 そう、私にはドクオが居る。

川 ゚ -゚)「私が倒れそうなとき、ドクオが支えてくれる、嬉しいよ」
('A`)「でも、無茶はあんま・・・」

 ドクオの言葉を唇でふさいだ。
322 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 21:55:01.38 ID:oF87w8iE0
ξ///)ξ「・・・」
(*^ω^)「・・・」

 時間にすれば数秒だったが、長い時間キスしていたように感じた。

(*'A`)「・・・」
川 *゚ -゚)「・・・」
(*^ω^)「アツアツだお」
ξ///)ξ「そうね」
川 ゚ -゚)「ドクオ」
('A`)「な、なんだ」

 思っていた言葉を口にする。

川 ゚ -゚)「今は、君に支えてもらうことしかできない私だ」
('A`)「・・・」
川 ゚ -゚)「でも、いつか、私も君を支えれる存在になれるよう努力する」
('A`)「そうだな、また皆で自由に遊べるように」
( ^ω^)「クーならできるお!」
ξ゚听)ξ「そうよ、人一倍努力家で、不可能だって可能にできるわ!」
('A`)「一緒に歩めるように、絶対なるよ」
川 ゚ -゚)「皆・・・」

 昔の私へ・・・
 今の私は、こんなにも幸せです。
 支えてくれる友達と、最愛の人が居るから・・・。

川 ゚ -゚)は自分の心に整理がつかないようです END

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