- 824 : DQN(愛知県):2007/03/15(木)
03:46:08.81 ID:gwCPY/uL0
- 川 ゚ -゚)は自分の心に整理がつかないようです
私がドクオの家に転がり込んでから3日目になる。
ドクオは、彼は昨日の事件のせいで謹慎になってしまった。
私が悪いんだ、私があんなやつにつっかかってくから・・・。
ξ゚听)ξ「で、自分が悪いんじゃないかと」
川 ゚ -゚)「そういうわけなんだ・・・」
今はお昼の時間。
ツンの机をはさんで向かい合って話している。
川 ゚ -゚)「もしかして、私はドクオの負担になっているんじゃないだろうか」
ξ゚听)ξ「それは、本人に聞かないと分からないわよ」
川 ゚ -゚)「でも、私はドクオに迷惑ばかりかけているような気がするんだ」
突然家に泊めてくれと言い、食事は作ると言ったもののそれしかできず。
食事代だって、ドクオが払ってくれている。
私は、ただ学校に来れるという理由でドクオを利用してしまっているのではないだろうか。
川 ゚ -゚)「私は・・・」
ξ゚听)ξ「でも、悩んでても仕方ないわよ、そう思うなら素直にドクオに聞けば良いでしょ」
川 ゚ -゚)「だが、私にはその勇気が無い」
ξ゚听)ξ「・・・」
私には勇気が無い、本当に、心の弱い人間だ。
- 839 : DQN(愛知県):2007/03/15(木)
03:57:39.31 ID:gwCPY/uL0
- 午後の授業もあっという間に終わった、正直うやむやしていて授業が身につかない。
帰りの準備をしていると、ツンが横に来ていた。
ξ゚听)ξ「ねぇ、久しぶりに音ゲーやりにいかない?」
川 ゚ -゚)「お、いいな、久しぶりに行こうか」
正直、気を紛らわすためでしかないのだが。
ドクオはきっとまだ指導部に居る、私のせい。
ξ゚听)ξ「クー、さっきからどうしたの?」
川 ゚ -゚)「え、いやなんでもない」
ξ゚听)ξ「何か、心ここにあらず見たいな感じだったわよ」
川 ゚ -゚)「そ、そうか?」
ξ゚听)ξ「もしかして、ドクオのこと?」
ツンは人の心を読むのが上手い。
何を考えているかすぐバレてしまう。
川 ゚ -゚)「まぁ、そうなんだが」
ξ゚听)ξ「あいつもバカよね、ブーンと一緒で後先考えないで」
彼は、誰かの為に本気になれる人間だ。
それが、私の為にやってくれたと思うと嬉しかった。
だが、それ以上に、私が彼を縛り付けてしまっているのではないかと思ってしまう。
川 ゚ -゚)「私は、ドクオの何なんだろうか」
- 845 : DQN(愛知県):2007/03/15(木)
04:06:28.97 ID:gwCPY/uL0
- ゲーセンにつくとツンは早速といった感じで音ゲーゾーンへ向かう。
ξ゚听)ξ「ゲームセンター来るの久しぶりだからわくわくするなー」
川 ゚ -゚)「落ち着け、キャラが変わっているぞ」
ツンはとりあえずと言った感じでポップンをやり始めた。
おいてある長椅子に座りツンのプレイを見守る。
前来た時と変わらず、凄いプレイである。
私の知り合いは凄い人間が多いんだな、ゲームだけに関して。
ξ゚听)ξ「ふぅ、久しぶりだけど上出来ね」
川 ゚ -゚)「おつかれ、じゃあ私もやろうかな」
筐体の前に立つ。
100円を入れて曲を選ぶ。
曲が始まったところでいろいろな考えが頭をよぎった。
川 ゚ -゚)『私は、逃げているんだろうか』
川 ゚ -゚)『ドクオに甘えて、自分では何も出来なくなっているんじゃないだろうか』
川 ゚ -゚)『それが、ドクオに負担をかけているなら、私はどうすればいいんだろう』
いろいろな考えが頭をよぎると当然ゲームでミスが生じる。
結局、一曲目はボロボロな結果になってしまった。
川 ゚ -゚)「・・・」
ξ゚听)ξ「クー、落ち着いて」
落ち着いてはいる、でも心は揺れ動くままだった。
- 17 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 15:53:47.01 ID:oF87w8iE0
- 川 ゚ -゚)「私は、ドクオに必要とされているんだろうか」
そんなことをふと思う。
ドクオは優しい。
特に、私がドクオの家の居候してからは。
その優しさが痛いほどに伝わってくる。
ξ゚听)ξ「クー?」
川 ゚ -゚)「ん、あぁ、どうした?」
ゲーセンの休憩所で私たちは座っていた。
クーはジュースのペットボトルを持ってたっている。
ξ゚听)ξ「さっきから、っていうか今日なんかおかしいわよ」
川 ゚ -゚)「そうか?いつもどおりだと思うのだが」
ξ゚听)ξ「ううん、声かけても生返事ばかりだし、ぼーっとしてること多いし」
原因は分かっている。
私の心が今ドクオのことでいっぱいだからだ。
ξ゚听)ξ「やっぱり、ドクオのこと?」
川 ゚ -゚)「君はエスパーか」
やはり、ツンは的確に心の痛いところを突いてくる。
- 24 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 16:14:37.87 ID:oF87w8iE0
- ξ゚听)ξ「ねぇ、クー」
川 ゚ -゚)「ん?」
ξ゚听)ξ「アナタ、ドクオのことが好きなの?」
川 ゚ -゚)「むぅ、私もそれで悩んでいるというのに」
ξ゚听)ξ「悩んでる?」
川 ゚ -゚)「まぁ、聞いてほしい」
家が火事になった日、まっさきに思い浮かんだのがドクオの所へ行くことだった。
何故かは分からない、でもドクオならきっと居候をさせてくれると思った。
言い方が悪いが、私はドクオの優しさを利用できると思ったのかも知れない。
だが、今はそれ以上にドクオの優しさが私の心を満たしてくれる。
でも、私はドクオの優しさを一方的に受けているだけ。
私は彼に何もあげることができない。
きっと、好き嫌いで言えば好きなのは確かだ。
だが、それは人間として好きなのであって、男として好きだとは言えない。
まだ、答えが出せない。
ξ゚听)ξ「ふーん・・・」
川 ゚ -゚)「まぁ、そんな感じだ」
ξ゚听)ξ「ようは異性として見れないってことね」
川 ゚ -゚)「ちょっと違うようだが、大体あっている」
ちょっと前まで、こんな考えをすることはなかった。
私の心は、ドクオのせいで壊れてしまうのでは無いのだろうかと怖くなった。
- 28 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 16:29:17.45 ID:oF87w8iE0
- ふと見ると、ドクオとブーンが壁を背に話していた。
近づいていくと二人も気づいたようだ。
川 ゚ -゚)「お、ドクオとブーンじゃないか」
( ^ω^)「オイスー」
('A`)「オイスー」
ξ゚听)ξ「ブーン今日バイトじゃないの?」
( ^ω^)「バイトまでの時間できたんだお」
ξ゚听)ξ「へぇ、それにしてもこの4人がここで揃うなんて珍しいわね」
('A`)「奇跡だろ」
川 ゚ -゚)「そうだな、珍しい」
本当は、今ドクオの顔を見るのがすごく辛い。
ドクオの顔を見るだけで、私の心は押しつぶされそうになる。
簡単に、壊れてしまいそう。
ξ゚听)ξ「そうだ」
川 ゚ -゚)「ん?」
ξ゚听)ξ「せっかくだから皆でプリクラ取りましょ」
ツンからの提案。
ドクオと写真を撮る、ちょっと前なら考えられなかったこと。
('A`)「いや、俺は遠慮しとk・・・」
ドクオが逃げようとした。
- 30 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 16:35:29.83 ID:oF87w8iE0
- ツンがドクオの左腕をつかむ。
とっさに、私も右腕をつかむ。
ξ゚听)ξ「拒否権は」
川 ゚ -゚)「君には無い」
ちょっとかわいそうな気もしたが。
見た目以上の広い筐体の中に入るとツンがお金を入れる。
ξ゚听)ξ「言いだしっぺだから、私がお金を出すわ」
( ^ω^)「だったら、今度ブーンがツンを奢ってあげるお」
ξ///)ξ「え、べ、べつにうれしくなんかないんだからね!」
('A`)「やめてー、写真を撮られると魂が抜けるー」
この4人が揃うと騒がしいものだ。
とか、考えてるうちにツンがフレームなどを決めていく。
ξ゚听)ξ「何か書きたいこととかある?」
( ^ω^)「ブーンが書くお!」
ブーンがペン型のコントローラーで文字を書いていく。
そして、それを置く時に撮影のボタンを押してしまった。
「5,4・・・」
- 32 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 16:40:34.05 ID:oF87w8iE0
- ξ;゚听)ξ「ちょっと!なにやってるのよ!」
(;^ω^)「ひっかかっちゃったんだお!」
('A`)「しんでしまうー」
川 ゚ -゚)「とりあえず、笑顔笑顔!」
フラッシュとともに撮影が終わる。
筐体から出るとブーンがツンに叩かれている。
ξ゚听)ξ「まったく、アンタはなんでいつもそういうとこでドジするの!?」
(;^ω^)「ちょwww、ツン苦しいおwwww死んじゃうおwwwww」
ξ゚听)ξ「バカ、アンタなんて死んじゃえ!」
(;^ω^)「ちょwwwヘルプwwww」
喧嘩するほど仲がいいというのか、まったく羨ましい限りだ。
私も、ドクオとそれぐらいできればいいのだけど・・・。
川 ゚ -゚)「できたみたいだぞ」
ξ゚听)ξ「4等分しましょ」
ツンがハサミで出来上がった写真を4等分する。
そのひとつをもらい出来上がった写真を見る。
嫌だ嫌だと言っていたドクオも一応笑顔だ。
そして、さっきは確認できなかったが、写真には大きくこう書かれていた。
『いつまでもずっと友達だお』
- 33 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 16:45:19.45 ID:oF87w8iE0
- いつまでも友達、私はドクオと仲良く居られるのだろうか。
この言葉が、また私の心を深く沈めて行く。
ξ゚听)ξ「いい、大事にしなさいよ!家宝にしなさい!絶望しろ!」
('A`)「最後変なの混ざってるぞ」
横ではツンがドクオに写真を渡して喋っている。
羨ましいな、あんなふうにドクオと話せるなんて。
私は、出来上がった写真の一枚を剥がし手帳に貼り付けた。
今日の日付の場所、私たちが友達で居られた一日に。
( ^ω^)「ブーンはバイトだおー」
('A`)「おーう、いってこーい」
ξ゚听)ξ「がんばってね、べ、べつにあんたのためじゃなくてお店が」
( ^ω^)「わかったおー」
<ニニ ロ━━━━O/⌒ヽ━━━━
∧,,∧(^ω^ )
/ο ・ )Oニ)<;;>
/ ノ lミliii|(ヾゝ
(o_o,イ__ヽ´|(__) ノ~⌒)彡 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
ノllllllllヽ|
| ̄ノl ノ
/ /~ヽ ノ'''''''~ヽヽ\ヽ_
ヽニフ|_| (_/ ヽノ
(_ヽ
3人が話しており、ブーンは自分の足で走っていった。
('A`)「俺たちも帰るか」
- 35 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 16:50:28.21 ID:oF87w8iE0
- ドクオが帰ると言ったのでツンに手を振り。
川 ゚ -゚)「あぁ、じゃあねツン」
ξ゚听)ξ「バイバイ」
と、別れの挨拶をした。
帰り道、ふと晩御飯のことが気になってドクオに話しかけた。
川 ゚ -゚)「今日の晩御飯はカレーだ」
('A`)「流石にカレーだけだと飽きるな」
ドクオがそんなことを言うので、ちょっと道を外れるが商店街によった。
夕方の活気とでも言うのか、主婦がありとあらゆる場所で買い物をしている。
('A`)「安くてカレーにあうものってなんだろ」
川 ゚ -゚)「カツ・・・は高いな、温泉卵とかどうだ」
('A`)「それで行こう」
そういって、一個30円の温泉卵を二つ買った。
帰る途中、ドクオが卵を割りそうになったがなんとかセーフだった。
('A`)「ただいまーっと」
川 ゚ -゚)「ただいまー」
たった2日なのに、自分の家のような感じがする。
- 37 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 16:57:12.19 ID:oF87w8iE0
- カバンを部屋に置くと、カレーの入っている鍋をコンロの上に置いた。
川 ゚ -゚)「すぐに食べるか?」
('A`)「いや、まだ腹減ってないし、後でいいや」
川 ゚ -゚)「分かった」
火はつけずに、そのまま鍋を置いておいた。
部屋に戻ると、ドクオはパソコンの前に座りテレビを見ていた。
私は着替えを持ってドクオから見えない場所に行き、制服から普段着へと着替えた。
ドクオはテレビを見たままで、ボーっとしている。
私は私でベッドの上で漫画を読んでいる。
1時間ほど経ったころにドクオがテレビを止めた。
('A`)「腹減ってきたな」
川 ゚ -゚)「食べようか」
私はコンロの前に立つとカレーの鍋に火をかけた。
水分が飛んで、すこしドロリとなるカレー。
このカレーのように、私の心の重りも溶けて無くなればいいのに。
温まったカレーを盛り付け、部屋へと持っていく。
買ってきた温泉卵をかけると、昨日にもましておいしく見えた。
川 ゚ -゚)「何か足りない気がするな」
('A`)「うぅむ・・・」
ちょっと、物足りなかったのだが。
- 41 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 17:17:35.17 ID:oF87w8iE0
- ('A`)「福神漬けが足りない」
川 ゚ -゚)「それだ」
ドクオが立ち上がり、冷蔵庫から福神漬けを持ってきた。
('A`)「真っ赤なちかーいー!」
川 ゚ -゚)「食事中に歌うな」
('A`)「ダッダラダダッダー!」
あまりにうるさかったのでスプーンを投げた。
それは見事にドクオの眉間に直撃した。
('A`)「ごめんなさい」
川 ゚ -゚)「分かればよろしい」
まぁ、これぐらいはいいよね。
ドクオが静かになったところで食事も終わった。
川 ゚ -゚)「おいしかったな」
('A`)「やはり福神漬けが逸材だった」
ドクオが食べ終えたあとの食器を持って流しへと向かった。
ふと思った、ドクオの背中がいつもより小さく見えた。
いつも、大きな安心を背負っていたドクオの背中が、心なしか不安を抱えているようだった。
- 77 : わさび栽培(愛知県):2007/03/15(木) 18:06:53.90 ID:oF87w8iE0
- それから、妙なゲームをやりお風呂に入った。
そしてぷ。すまが終わって時計は12時を回った。
('A`)「寝るか」
川 ゚ -゚)「そうだな」
ドクオが床に布団を敷き、私はベッドに入る。
電気を消してすぐにドクオの寝息が聞こえてきた。
川 ゚ -゚)「・・・」
ドクオ、私は・・・。
体を起こしドクオの寝ている布団を見る。
('A`)「ファーブルスコファー、ナデナデシテェー」
とんでもない寝息を書いている。
布団からはみ出しているドクオの手を握る。
そこからは、ドクオの温もり、ドクオの鼓動が伝わる。
川 ゚ -゚)「ドクオ、私は悩むということが苦手だ」
だから、今も答えが出せない。
ふと、ドクオの手がギュッと握り返される。
('A`)「クー・・・」
悲しくも無いのに涙が出た。
戻る